特許第6195758号(P6195758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6195758多相モータの駆動装置、駆動方法、および冷却装置、電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195758
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】多相モータの駆動装置、駆動方法、および冷却装置、電子機器
(51)【国際特許分類】
   H02P 6/16 20160101AFI20170904BHJP
【FI】
   H02P6/16
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-164426(P2013-164426)
(22)【出願日】2013年8月7日
(65)【公開番号】特開2015-35852(P2015-35852A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2016年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊哉
【審査官】 尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−86180(JP,A)
【文献】 特開2009−201346(JP,A)
【文献】 特開2012−34465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 6/00− 6/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコイルを有する多相モータの駆動装置であって、
前記複数のコイルのひとつと接続され、前記多相モータの始動時において、ひとつの前記コイルの一端に生ずる逆起電力を前記複数のコイルの中点電圧と比較し、比較結果を示す逆起電力検出信号を生成する逆起電力検出用コンパレータと、
前記多相モータの始動時に、前記逆起電力検出信号と、前記多相モータのロータの位置を示す一対のホール信号の比較結果に応じたホール検出信号と、にもとづいて、前記多相モータの回転状態を検出する初期状態検出部と、
を備えることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記初期状態検出部は、前記多相モータの始動時において、前記ホール検出信号と前記逆起電力検出信号の位相関係にもとづいて、前記多相モータの正方向の空転と逆方向の空転を判定することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記初期状態検出部は、
(i)前記逆起電力検出信号と前記ホール検出信号のうち所定の一方の信号の、ポジティブエッジとネガティブエッジのうち所定の一方のエッジである第1エッジから、それらの所定の他方の信号の、ポジティブエッジとネガティブエッジのうち前記第1エッジの次に生ずるエッジである第2エッジまでの時間、(ii)前記所定の一方の信号の、ポジティブエッジとネガティブエッジのうち所定の他方のエッジである第3エッジから、前記所定の他方の信号のポジティブエッジとネガティブエッジのうち前記第3エッジの次に生ずるエッジである第4エッジまでの時間、の少なくとも一方を測定する第1カウンタと、
(iii)前記第2エッジから前記第3エッジまでの時間、(iv)前記第4エッジから、前記所定の一方の信号のポジティブエッジおよびネガティブエッジのうち前記第4エッジの次に生ずるエッジである第5エッジまでの時間、の少なくとも一方を測定する第2カウンタと、
前記第1カウンタにより測定された第1時間と、前記第2カウンタにより測定された第2時間の大小関係に応じて、前記正方向の空転と前記逆方向の空転を判定する判定部と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記第1カウンタおよび前記第2カウンタそれぞれにより前記第1時間と前記第2時間の測定が1回ずつ完了すると、前記正方向の空転と前記逆方向の空転を判定することを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記初期状態検出部は、
前記逆起電力検出信号と前記ホール検出信号のうち所定の一方の信号と同期してアサートされるストローブ信号を生成するタイミング発生部と、
前記ストローブ信号がアサートされるタイミングにおいて、前記逆起電力検出信号と前記ホール検出信号のうち所定の他方の信号のレベルに応じて、前記正方向の空転と前記逆方向の空転を判定する判定部と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記初期状態検出部は、
前記逆起電力検出信号と前記ホール検出信号のうち所定の一方の信号の周期を測定し、周期に比例した基準時間を生成する周期測定部と、
(i)前記逆起電力検出信号と前記ホール検出信号のうち所定の一方の信号の、ポジティブエッジとネガティブエッジのうち所定の一方のエッジである第1エッジから、それらの所定の他方の信号の、ポジティブエッジとネガティブエッジのうち前記第1エッジの次に生ずるエッジである第2エッジまでの時間、(ii)前記所定の一方の信号の、ポジティブエッジとネガティブエッジのうち所定の他方のエッジである第3エッジから、前記所定の他方の信号のポジティブエッジとネガティブエッジのうち前記第3エッジの次に生ずるエッジである第4エッジまでの時間、の少なくとも一方を測定する第1カウンタと、
前記第1カウンタにより測定された時間と前記基準時間の大小関係にもとづいて、前記正方向の空転と前記逆方向の空転を判定する判定部と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記初期状態検出部は、前記ホール検出信号と前記逆起電力検出信号のうち、所定の一方の信号の所定のエッジのタイミングにおいて、所定の他方の信号のレベルが期待値と異なるとき、異常と判定することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の駆動装置。
【請求項8】
前記初期状態検出部は、所定時間連続して前記ホール検出信号のエッジが発生しないとき、前記多相モータが停止していると判定することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の駆動装置。
【請求項9】
前記初期状態検出部は、所定時間連続して前記逆起電力検出信号のエッジが発生しないとき、前記多相モータが停止していると判定することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の駆動装置。
【請求項10】
前記初期状態検出部は、所定時間連続して、前記第1時間、前記第2時間が測定されないとき、前記多相モータが停止していると判定することを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
【請求項11】
ホール素子からの前記多相モータのロータの位置を示す一対のホール信号を比較し、前記ホール検出信号を生成するホールコンパレータをさらに備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の駆動装置。
【請求項12】
前記多相モータは、ファンモータであることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の駆動装置。
【請求項13】
多相ファンモータと、
前記多相ファンモータを駆動する請求項1から12のいずれかに記載の駆動装置と、
を備えることを特徴とする冷却装置。
【請求項14】
請求項13に記載の冷却装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項15】
複数のコイルを有する多相モータの駆動方法であって、
前記多相モータの始動時において、前記複数のコイルのひとつの一端に生ずる逆起電力を前記複数のコイルの中点電圧と比較し、比較結果を示す逆起電力検出信号を生成するステップと、
ホール素子により、前記多相モータのロータの位置を示す一対のホール信号を生成するステップと、
前記一対のホール信号を比較し、ホール検出信号を生成するホールコンパレータと、
前記多相モータの始動時に、前記逆起電力検出信号と前記ホール検出信号にもとづいて、前記多相モータの回転状態を検出するステップと、
を備えることを特徴とする駆動方法。
【請求項16】
前記検出するステップは、前記多相モータの始動時において、前記ホール検出信号と前記逆起電力検出信号の位相関係にもとづいて、前記多相モータの正方向の空転と逆方向の空転を判定することを特徴とする請求項15に記載の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多相モータ駆動技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のパーソナルコンピュータやワークステーションの高速化にともない、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などの演算処理用LSI(Large Scale Integrated circuit)の動作速度は上昇の一途をたどっている。このようなLSIは、その動作速度、すなわちクロック周波数が高くなるにつれて発熱量も大きくなる。LSIからの発熱は、そのLSI自体を熱暴走に導いたり、あるいは周囲の回路に対して影響を及ぼすという問題がある。
【0003】
LSIを冷却するための技術の一例として、冷却ファンによる空冷式の冷却方法がある。この方法においては、たとえば、LSIの表面に対向して冷却ファンを配置し、冷たい空気をLSI表面に吹き付ける。
【0004】
冷却ファンは、三相ブラシレスDCモータが利用される場合が多い。三相ブラシレスDCモータ(以下、単にファンモータともいう)は、ロータの位置を検出し、ロータ位置に応じて通電相を順次切りかえる(転流)ことにより制御される。
【0005】
ファンモータを駆動する方法としては、ホールセンサを利用したもの、モータのコイルに生ずる逆起電力を利用したものが知られている。ホールセンサを用いる駆動方式は、ロータの位置を正確に検出することができる利点を有する反面、ホールセンサによるコスト増、ホールセンサの異常によりモータが制御できなくなるという欠点がある。
【0006】
逆起電力を利用する駆動方式は、ホールセンサが不要であるため、低コストであり、またホールセンサの異常によりモータが制御できないという欠点が解消される。その一方で、この駆動方式は、逆起電力を検出するために、ゼロクロスが発生するタイミングを含む非通電区間の間、コイルに対する電圧印加を停止し、ハイインピーダンス状態とする必要がある。この非通電区間により、モータの駆動波形が歪み、ノイズの原因となる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−31190号公報
【特許文献2】特開2001−284868号公報
【特許文献3】特開平7−337080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ファンモータの駆動装置は、電源投入後の駆動開始(始動時)時に、ファンモータをその状態に応じて適切なシーケンスで駆動する必要がある。すなわち駆動開始時において、ファンモータは、停止している場合もあれば、直前の駆動時の回転の慣性によって正方向に空転(正空転という)している場合もあれば、外部からの風を受けて逆方向に空転している場合もありえる。
【0009】
したがってファンモータの駆動装置には、その始動時に、ファンモータの状態を検出する機能が要求される。この問題はファンモータ以外の多相ブラシレスDCモータにおいても生じうる。
【0010】
本発明はこうした状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、センサレスモータの始動時において、その状態を正確に判定可能な駆動装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある態様は、複数のコイルを有する多相モータの駆動装置に関する。駆動装置は、複数のコイルのひとつと接続され、多相モータの始動時において、ひとつのコイルの一端に生ずる逆起電力を複数のコイルの中点電圧と比較し、比較結果を示す逆起電力検出信号を生成する逆起電力検出用コンパレータと、多相モータの始動時に、逆起電力検出信号と、多相モータのロータの位置を示す一対のホール信号の比較結果に応じたホール検出信号と、にもとづいて、多相モータの回転状態を検出する初期状態検出部と、を備える。
【0012】
この態様によると、多相モータの始動時における状態を検出できる。
【0013】
初期状態検出部は、多相モータの始動時において、ホール検出信号と逆起電力検出信号の位相関係にもとづいて、多相モータの正方向の空転と逆方向の空転を判定してもよい。
ロータが正方向の空転してきるときと、逆方向に空転しているときでは、ホール検出信号と逆起電力検出信号の位相関係が逆転する。したがって、それらの位相にもとづいて、空転の方向を検出できる。
【0014】
初期状態検出部は、(i)逆起電力検出信号とホール検出信号のうち所定の一方の信号の、ポジティブエッジとネガティブエッジのうち所定の一方のエッジである第1エッジから、それらの所定の他方の信号の、ポジティブエッジとネガティブエッジのうち第1エッジの次に生ずるエッジである第2エッジまでの時間、(ii)所定の一方の信号の、ポジティブエッジとネガティブエッジのうち所定の他方のエッジである第3エッジから、所定の他方の信号のポジティブエッジとネガティブエッジのうち第3エッジの次に生ずるエッジである第4エッジまでの時間、の少なくとも一方を測定する第1カウンタと、(iii)第2エッジから第3エッジまでの時間、(iv)第4エッジから、所定の一方の信号のポジティブエッジおよびネガティブエッジのうち第4エッジの次に生ずるエッジである第5エッジまでの時間、の少なくとも一方を測定する第2カウンタと、第1カウンタにより測定された第1時間と、第2カウンタにより測定された第2時間の大小関係に応じて、正方向の空転と逆方向の空転を判定する判定部と、を含んでもよい。
【0015】
判定部は、第1カウンタおよび第2カウンタそれぞれにより第1時間と第2時間の測定が1回ずつ完了すると、正方向の空転と逆方向の空転を判定してもよい。
この場合、最短の時間で、判定が可能となる。
【0016】
初期状態検出部は、逆起電力検出信号とホール検出信号のうち所定の一方の信号と同期してアサートされるストローブ信号を生成するタイミング発生部と、ストローブ信号がアサートされるタイミングにおいて、逆起電力検出信号とホール検出信号のうち所定の他方の信号のレベルに応じて、正方向の空転と逆方向の空転を判定する判定部と、を含んでもよい。
【0017】
初期状態検出部は、ホール検出信号と逆起電力検出信号のうち、所定の一方の信号の所定のエッジのタイミングにおいて、所定の他方の信号のレベルが期待値と異なるとき、異常と判定してもよい。
【0018】
初期状態検出部は、所定時間連続してホール検出信号のエッジが発生しないとき、多相モータが停止していると判定してもよい。
【0019】
初期状態検出部は、所定時間連続して逆起電力検出信号のエッジが発生しないとき、多相モータが停止していると判定してもよい。
【0020】
初期状態検出部は、所定時間連続して、第1時間、第2時間が測定されないとき、多相モータが停止していると判定してもよい。
【0021】
多相モータは、ファンモータであってもよい。
【0022】
本発明の別の態様は、冷却装置に関する。冷却装置は、多相ファンモータと、多相ファンモータを駆動する上述のいずれかの駆動装置と、を備えてもよい。
【0023】
本発明の別の態様は電子機器に関する。電子機器は上述の冷却装置を備えてもよい。
【0024】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0025】
本発明のある態様によれば、始動時のモータの状態を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施の形態に係る冷却装置を備える電子機器を示すブロック図である。
図2図2(a)、(b)は、正方向の空転時と逆方向の空転時の動作波形図である。
図3】初期状態検出部の構成例を示すブロック図である。
図4図4(a)、(b)は、図3の初期状態検出部の動作を示す図である。
図5図5(a)、(b)は、第2の変形例に係る初期状態検出部のブロック図および動作波形図である。
図6図6(a)、(b)は、第3の変形例に係る初期状態検出部のブロック図および動作波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0028】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0029】
図1は、実施の形態に係る冷却装置200を備える電子機器100を示すブロック図である。電子機器100は、パーソナルコンピュータ、ワークステーションなどの計算機、あるいは冷蔵庫やテレビなどの家電製品であり、冷却対象、たとえばCPU102を備える。冷却装置200は、送風によってCPU102を冷却する。
【0030】
冷却装置200は、ファンモータ202、ホール素子204および駆動装置300を備える。ファンモータ202は、三相ブラシレスDCモータであり、冷却対象のCPU102に近接して配置される。駆動装置300は、ファンモータ202のトルク(回転数)を指示するための制御入力信号(以下、単に制御信号という)S1にもとづいてファンモータ202を駆動する。冷却装置200は、モジュール化されて市販、流通される。
【0031】
ファンモータ202は、スター結線されたU相、V相、L相のコイルL、L、Lと、図示しない永久磁石を備える。ホール素子204は、ファンモータ202の所定の箇所に取り付けられており、ファンモータ202のロータの位置を示す一対のホール信号VH+、VH−を生成する。ホール素子204には、駆動装置300からのホールバイアス電圧VHBが供給される。本実施の形態に係る冷却装置200において、ホール素子204は三相すべてに用意されるのではなく、1相にのみ用意されることに留意されたい。
【0032】
駆動装置300は、ひとつの半導体基板上に集積化された機能IC(Integrated Circuit)である。電源端子VCCには、電源電圧VCCが供給され、接地端子GNDには接地電圧が供給される。また駆動装置300の出力端子OUTU〜OUTWは、ファンモータ202のコイルL、L、Lの一端と接続され、コモン(COM)端子は、ファンモータ202の中点電圧VCOMが入力される。
【0033】
駆動装置300は、逆起電力検出コンパレータ302、ホールコンパレータ304、初期状態検出部306、駆動信号合成部308、PWM信号生成部310、駆動回路312ホールバイアス電源314を備える。
【0034】
ホールバイアス電源314は、ホールバイアス電圧VHBを生成し、ホール素子204に供給する。
【0035】
PWM信号生成部310は、外部からファンモータ202のトルク、すなわち回転数を指示する制御信号S1を受け、制御信号S1に応じてパルス変調されたパルス幅変調(PWM)信号S2を生成する。PWM信号S2のデューティ比は、制御信号S1に応じて変化する。PWM信号生成部310には、駆動装置300の外部から、モータの目標トルクに応じてパルス幅変調された制御信号S1が入力され、それをそのままPWM信号S2として出力してもよい。あるいはPWM信号生成部310は、サーミスタなどを利用して得られる周囲温度Taに応じたアナログ電圧を受け、アナログ電圧に応じたデューティ比を有するPWM信号S2を生成してもよい。あるいはPWM信号生成部310は、CPUなどのホストプロセッサから、デューティ比を示すデジタル信号を受け、デジタル信号に応じたPWM信号S2を生成してもよい。
【0036】
逆起電力(BEMF:Back Electromotive Force)検出コンパレータ302は、複数のコイルL〜Lのひとつ、本実施の形態ではU相コイルUと接続される。BEMF検出コンパレータ302は、冷却装置200の始動時、つまりファンモータ202の始動時において、U相コイルLの一端に生ずる電圧Vを複数のコイルL〜Lの中点電圧VCOMと比較し、比較結果を示すBEMF検出信号S3を生成する。BEMF検出コンパレータ302の電圧比較は、駆動回路312による通電が開始する前に行われため、コイルLの一端の電圧Vは、逆起電力に他ならない。
【0037】
ホールコンパレータ304は、ホール素子204からの一対のホール信号VH+、VH−を比較し、ホール検出信号S4を生成する。たとえばホール検出信号S4は、VH+>VH−のときハイレベル、VH+<VH−のときローレベルをとる。
【0038】
ホール検出信号S4は、初期状態検出部306および駆動信号合成部308に供給される。駆動信号合成部308は、ホール検出信号S4とPWM信号S2を受け、それらを合成して、U相、V相、V相それぞれに対する駆動制御信号S5、S5、S5を生成する。具体的には駆動信号合成部308は、ホール検出信号S4と同期して転流制御を行い、PWM信号S2にもとづいてトルク制御を行う。また駆動信号合成回路14は、駆動装置300の電源投入直後において、初期状態検出部306の検出結果にもとづいて、ファンモータ202の駆動シーケンスを切りかえる。
【0039】
駆動回路312は、駆動制御信号S5、S5、S5に応じて、コイルL、L、Lそれぞれの一端に、駆動電圧V、V、Vを印加する。駆動回路312は、ファンモータ202をPWM(スイッチング)駆動してもよいし、BTL(Bridged Transless)駆動してもよい。
【0040】
PWM駆動では、駆動電圧V、V、Vは、電源電圧VCCと接地電圧VGNDの2値でスイッチングし、パルス幅変調される。各駆動電圧のデューティ比には、目標トルク(目標回転数)が反映される。また、相の切りかえ時のノイズを抑制するために、相遷移の区間において、各駆動電圧のデューティ比が緩やかに切りかえられる。PWM駆動の駆動回路312は、三相ブリッジ回路で構成される。
【0041】
BTL駆動では、駆動電圧V、V、Vの包絡線は、電源電圧VCCと接地電圧VGNDの間を緩やかに遷移する。各相の駆動電圧の包絡線を、正弦波状あるいは疑似正弦波、台形波などにもとづいて遷移させることで、PWM駆動よりも低ノイズ化が図られる。包絡線の波形は、テーブル参照により生成してもよいし、ホール信号VH+、VH−にもとづいて生成してもよい。各相の駆動電圧は、目標トルク(目標回転数)に応じたデューティ比を有するようにパルス幅変調されてもよい。BTL駆動の駆動回路312は、U相、V相、W相それぞれに設けられたアンプで構成される。各アンプの出力段は、プッシュプル形式で構成される。
【0042】
なお、駆動信号合成部308および駆動回路312については公知技術を利用すればよく、その構成、駆動方式は特に限定されない。
【0043】
回転数信号生成部316は、ファンモータ202の機械角(モータ角)180度ごとに、すなわちファンモータ202の1/2回転ごとに遷移する回転数信号FGを生成し、FG端子から出力する。回転数信号生成部316は、ホール検出信号S4にもとづいて、FG信号を生成する。
【0044】
初期状態検出部306は、ファンモータ202の始動時に、BEMF検出信号S3およびホール検出信号S4にもとづいて、ファンモータ202の回転状態を検出し、検出結果を示す判定信号S6を生成して、駆動信号合成部308に出力する。駆動信号合成部308は、判定信号S6にもとづいて、始動時のファンモータ202の状態に適した始動シーケンスを選択する。
【0045】
始動直後のファンモータ202の状態は、大きく以下の3つに分けられる。
(1)正方向に空転
(2)逆方向に空転
(3)停止
【0046】
駆動信号合成部308は、始動時にファンモータ202が停止している場合、通常の起動シーケンス(三相起動シーケンス)を実行する。またファンモータ202が正方向に空転している場合、ホール検出信号S4あるいはFG信号と同期して駆動制御信号S5を生成する。また、ファンモータ202が逆方向に空転している場合、逆転保護処理によりファンモータ202を停止させ、その後に三相起動シーケンスを実行する。なお、各状態における起動シーケンスの詳細は特に限定されず、公知技術を用いればよい。
【0047】
図2(a)、(b)は、正方向の空転時と逆方向の空転時の動作波形図である。
【0048】
ホール検出信号S4とBEMF検出信号S3の位相関係は、あくまでも、逆起電力をいずれの相において検出しているか、および、ホール素子204をファンモータ202のいずれのコイルに対応して配置するかにより定まるものであり、図2(a)、(b)のそれらは例示に過ぎない。図2(a)、(b)に示されるは、あくまでもU相の逆起電力VにもとづくBEMF検出信号S3と、U相とV相の間に配置されたホール素子204により得られるホール検出信号S4の位相関係に過ぎないことに留意されたい。
【0049】
図2(a)、(b)から分かるように、ホール検出信号S4とBEMF検出信号S3は、正方向の空転時において第1の位相関係を有し、逆方向の空転時において第2の位相の位相関係を有する。つまり正方向の空転時と逆方向の空転時とでは、ホール検出信号S4に対するBEMF検出信号S3の位相差Φは大きさが異なる。そこで初期状態検出部306は、ファンモータ202の始動時において、BEMF検出信号S3とホール検出信号S4の位相関係にもとづいて、ファンモータ202の正方向の空転と逆方向の空転を判定する。
【0050】
図3は、初期状態検出部306の構成例を示すブロック図である。
初期状態検出部306は、第1フィルタ320、第2フィルタ322、第1エッジ検出部324、第2エッジ検出部326、第1カウンタ330、第2カウンタ332、判定部334を備える。
【0051】
第1フィルタ320、第2フィルタ322はそれぞれ、ホール検出信号S4、BEMF検出信号S3のノイズを除去する。第1エッジ検出部324は、ホール検出信号S4のエッジを検出し、第2エッジ検出部326はBEMF検出信号S3のエッジを検出する。ここでは、第1エッジ検出部324は、ホール検出信号S4のポジティブエッジとネガティブエッジの両方を検出するものとし、第2エッジ検出部326は、BEMF検出信号S3のポジティブエッジのネガティブエッジの両方を検出するものとする。
【0052】
第1カウンタ330は、(i)BEMF検出信号S3とホール検出信号S4のうち、所定の一方の信号(ここではホール検出信号S4)の、ポジティブエッジとネガティブエッジのうち所定の一方のエッジ(ここではポジティブエッジとする)である第1エッジE1から、それらの所定の他方の信号(BEMF検出信号S3)の、ポジティブエッジとネガティブエッジのうち第1エッジE1の次に生ずるエッジ(ポジティブエッジ)である第2エッジE2までの時間T1a、(ii)所定の一方の信号(ホール検出信号S4)の、ポジティブエッジとネガティブエッジのうち所定の他方のエッジ(つまりネガティブエッジ)である第3エッジE3から、所定の他方の信号(つまりBEMF検出信号S3)のポジティブエッジとネガティブエッジのうち第3エッジの次に生ずるエッジ(つまりネガティブエッジ)である第4エッジE4までの時間T1b、の少なくとも一方を測定する。本実施の形態では、第1カウンタ330は、2つの時間T1a、T1bを両方測定する。
【0053】
第2カウンタ332は、(iii)第2エッジE2から第3エッジE3までの時間T2a、(iv)第4エッジE4から、所定の一方の信号(ホール検出信号S4)のポジティブエッジおよびネガティブエッジのうち第4エッジE4の次に生ずるエッジ(つまりポジティブエッジ)である第5エッジE5までの時間T2b、の少なくとも一方を測定する。本実施の形態では、第2カウンタ332は、2つの時間T2a、T2bを測定する。
【0054】
モータの空転時の回転数が一定であれば、第1カウンタ330により測定される時間T1a、T1bは等しいことが理解される。同様にモータの空転時の回転数が一定であれば、第2カウンタ332により測定される時間T2a、T2bも等しいことが理解される。第1カウンタ330により測定される時間を第1時間T1、第2カウンタ332により測定される時間を第2時間T2と称する。
【0055】
判定部334は、第1時間T1と第2時間T2の大小関係に応じて、BEMF検出信号S3とホール検出信号S4の位相関係を判定し、正方向の空転と逆方向の空転を判定する。
【0056】
初期状態検出部306は、ファンモータ202の停止状態を以下の少なくともひとつの条件にもとづいて判定できる。
1. 所定時間連続してホール検出信号S4のエッジが発生しないとき
2. 所定時間連続してBEMF検出信号S3のエッジが発生しないとき
3. 所定時間連続して、第1時間T1および/または第2時間T1が測定されないとき
【0057】
さらに初期状態検出部306は、ホール検出信号S4とBEMF検出信号S3のうち、所定の一方の信号(たとえばホール検出信号S4)の所定のエッジ(たとえばポジティブエッジ)のタイミングにおいて、所定の他方の信号(すなわちBEMF検出信号S3)のレベルが期待値と異なるとき、異常と判定する。回路が正常に動作しているときには、正方向空転であっても逆方向空転であっても、ホール検出信号S4のポジティブエッジのタイミングにおいて、BEMF検出信号S3はローレベルでなければならず、したがって期待値はローレベルとなる。
【0058】
以上が冷却装置200および駆動装置300の構成である。続いてその動作を説明する。
【0059】
図4(a)、(b)は、図3の初期状態検出部306の動作を示す図である。
図4(a)は正方向の空転時の動作である。時刻t0に、初期状態検出部306が判定を開始する。時刻t1に、初出の第1エッジE1が発生し、第1カウンタ330は、その次の第2エッジE2までの経過時間T1aを測定する。第2カウンタ332は、第2エッジE2から、第3エッジE3までの経過時間T2aを測定する。
【0060】
図4(a)に示すように、正方向空転時には、T1<T2が成り立つ。したがって、判定部334は、T1<T2のときに正方向空転と判定する。
【0061】
図4(b)は正方向の空転時の動作である。時刻t0に、初期状態検出部306が判定を開始する。時刻t1に、初出の第1エッジE1が発生し、第1カウンタ330は、その次の第2エッジE2までの経過時間T1aを測定する。第2カウンタ332は、第2エッジE2から、第3エッジE3までの経過時間T2aを測定する。
【0062】
図4(b)に示すように、逆方向空転時には、T2<T1が成り立つ。したがって、判定部334は、T2<T1のときに逆方向空転と判定する。
【0063】
判定部334は、第1時間T1と第2時間T2がそれぞれ1回ずつ測定された段階で、それらの大小関係を比較し、ファンモータ202の初期状態を判定することが好ましい。
たとえば図4(a)の波形が生成されるときに、エッジE1の後ろエッジE2の前に、初期状態検出部306が判定を開始するとする。この場合、まず第2カウンタ332により第2時間T2aが測定され、続いて第1カウンタ330により第1時間T1bが測定される。この場合、エッジE3のタイミングで判定部334はそれらの大小関係を比較可能となる。
【0064】
あるいは、第2エッジE2と第3エッジE3の間で初期状態検出部306が判定開始する場合、はじめに第1カウンタ330により第1時間T1bが測定され、続いて第2カウンタ332により第2時間T2bが測定される。この場合、エッジE5のタイミングで判定部334はそれらの大小関係を比較可能となる。
【0065】
以上が冷却装置200および駆動装置300の動作である。
【0066】
この駆動装置300において、通常のファンモータ202の駆動時には、BEMF検出信号S3は使用されず、ホール検出信号S4を利用して回転検出が行われる。したがってBEMF検出信号S3を利用した従来のセンサレスの駆動装置で必要であった非通電区間が不要となり、騒音の増加はない。
【0067】
また、ホール素子をすべての相U、V、Wそれぞれに設ける従来の駆動装置に比べて、ホール素子が1個で済むためコストを抑制できる。
【0068】
そして、駆動装置300によれば、BEMF検出信号S3とホール検出信号S4を監視することにより、始動時におけるファンモータ202の状態を検出できる。これにより、適切なシーケンスにしたがってファンモータ202を始動できる。
【0069】
また図3の初期状態検出部306では、第1カウンタ330を、第1時間T1a、T1bの両方を測定可能とし、第2カウンタ332を、第2時間T2a、T2bの両方を測定可能とした。これにより、判定部334は、第1時間T1と第2時間T2の測定が1回ずつ完了すると、直ちに正方向の空転と逆方向の空転を判定することが可能となる。
つまり、もし第1時間T1aと第2時間T2aのみを測定する構成とした場合、図4aのエッジE1とE2の間において判定を開始するときに、次のサイクルを待たなければならない。これに対して、図3の初期状態検出部306によれば、図4(a)のエッジE4のタイミングで、最短の時間で判定が可能となる。
【0070】
また異常検出部336により、回路の異常を検出できる。すなわち、正方向空転時、逆方向空転時それぞれにおいて図2(a)、(b)に示されるような波形を得るためには、ホール素子204が適切に位置決めされていなければならない。もしホール素子204の位置が所定の位置からずれていると、ホール検出信号S4とBEMF検出信号S3の位相関係は、図2(a)、(b)のそれとは異なってしまう。そこで、異常検出部336により、一方の信号のエッジのタイミングで、他方の信号のレベルをチェックすることで、ホール素子204の位置ずれなどに起因する異常を検出することができる。
【0071】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0072】
(第1の変形例)
初期状態検出部306は、BEMF検出信号S3とホール検出信号S4の位相関係を判定できればよく、その判定アルゴリズムおよび構成は、実施の形態のそれには限定されない。たとえば第1カウンタ330および第2カウンタ332を、1個のカウンタで構成してもよい。つまり、第1時間T1の間、カウンタをカウントアップさせ、第2時間T2の間、カウンタをカウントダウンさせ、カウント動作が完了したときのカウンタの値と、カウント開始時の初期値との大小関係により、第1時間T1と第2時間T2を比較してもよい。
【0073】
(第2の変形例)
図5(a)、(b)は、第2の変形例に係る初期状態検出部306aのブロック図および動作波形図である。
【0074】
図5(a)に示すように、初期状態検出部306aは、タイミング発生器340、判定部342を備える。タイミング発生器340は、BEMF検出信号S3とホール検出信号S4のうち所定の一方の信号(ここではホール検出信号S4)と同期してアサート(たとえばハイレベル)されるストローブ信号S7を生成する。判定部342は、ストローブ信号S7がアサートされるタイミングにおいて、BEMF検出信号S3とホール検出信号S4のうち所定の他方の信号(つまりBEMF検出信号S3)のレベルに応じて、正方向の空転と逆方向の空転を判定する。
【0075】
図5(b)に示すように、ストローブ信号S7は、BEMF検出信号S3の正方向空転時(i)に期待されるエッジE2aの位置と、BEMF検出信号S3の逆方向空転時(ii)に期待されるエッジE2bの位置の間において発生する。たとえばタイミング発生器340は、ホール検出信号S4の半周期Thを測定し、ホール検出信号S4のポジティブエッジからτ=Th/2経過後にストローブ信号S7をアサートしてもよい。なお時間τは、Th/2には限定されず、エッジE2aとE2bの間であればよい。
【0076】
(第3の変形例)
図6(a)、(b)は、第3の変形例に係る初期状態検出部306bのブロック図および動作波形図である。
【0077】
初期状態検出部306bは、周期測定部344、第1カウンタ330、判定部346を備える。周期測定部344は、BEMF検出信号S3およびホール検出信号S4の所定の一方(ここではホール検出信号S4とする)の半周期Th(もしくは全周期)を測定し、半周期Thに比例した基準時間Trefを生成する。たとえば基準時間Tref=Th/2である。
第1カウンタ330は、図3の第1カウンタ330と同様に、第1時間T1を測定する。判定部346は、基準時間Trefと第1時間T1の大小関係にもとづいて、正方向空転と逆方向空転を判定する。この例ではT1<Trefのとき正方向空転、T1>Trefのとき逆方向空転と判定できる。基準時間TrefはTh/2には限定されず、正方向空転時の第1時間T1と、逆方向空転時の第2時間T2の間に設定すればよい。
【0078】
(第4の変形例)
実施の形態では、ホールコンパレータ304が駆動装置300に集積化される場合を説明したが、本発明はそれには限定されず、ホールコンパレータ304は、駆動装置300のICの外部に設けられてもよい。たとえば、ホールコンパレータ304とホール素子204が集積化されたホールICを利用してもよい。
【0079】
(第5の変形例)
実施の形態では三相ファンモータを例に説明したが、本発明はそれには限定されず、複数のコイルを有する多相モータの駆動に利用可能である。
【0080】
(第6の変形例)
実施の形態において、冷却装置200を電子機器に搭載してCPUを冷却する場合について説明したが、本発明の用途はこれには限定されず、発熱体を冷却するさまざまなアプリケーションに用いることができる。さらにいえば、本実施の形態に係る駆動装置300の用途は、ファンモータの駆動に限定されるものではなく、その他の各種モータの駆動に用いることができる。
【0081】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0082】
100…電子機器、102…CPU、200…冷却装置、202…ファンモータ、204…ホール素子、300…駆動装置、302…BEMF検出コンパレータ、304…ホールコンパレータ、306…初期状態検出部、308…駆動信号合成部、310…PWM信号生成部、312…駆動回路、314…ホールバイアス電源、316…回転数信号生成部、320…第1フィルタ、322…第2フィルタ、324…第1エッジ検出部、326…第2エッジ検出部、330…第1カウンタ、332…第2カウンタ、334…判定部、336…異常検出部、340…タイミング発生器、342…判定部、344…周期測定部、346…判定部、S1…制御信号、S2…PWM信号、S3…BEMF検出信号、S4…ホール検出信号、S5…駆動制御信号、S6…判定信号、S7…ストローブ信号、T1…第1時間、T2…第2時間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6