(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態の漏れ検査装置を、図面を参照して詳細に説明する。
<実施の形態>
図1は、実施の形態の漏れ検査装置を示す図である。
【0010】
図1に示す漏れ検査装置1は、検査対象である密封体からのガス漏れの有無を検査する装置である。密封体としては、例えば、お菓子等の製品を包装体で密封した密封包装体や、自動車用のエアバッグ起爆部、タンク、小型密閉部品等のように、製品そのものが密封構造になっているもの、あるいは、一部の開口部を閉ざすことで密封構造になるもの等が挙げられる。また、密封体に封入するガスの種類は、特に限定されないが、例えばヘリウムガスが挙げられる。
漏れ検査装置1は、搬送部2と操作部3とを有している。
【0011】
搬送部2は、検査対象である密封体を、漏れ検査装置1内部の検査位置(後述)に搬送する。
図1中、右側が密封体の搬入口である。ここから密封体は、漏れ検査装置1内部の検査位置に導かれてガス漏れの有無の検査が行われる。そして、検査が終了すると、密封体は、
図1中左側に移動する。
【0012】
操作部3には、タッチパネル3aと、電源スイッチ3bと、手動自動切り替えスイッチ3cと、運転開始ボタン3dと、運転停止ボタン3eと、ブザー停止ボタン3fと、警報リセットボタン3gと、非常停止ボタン3hとが設けられている。
タッチパネル3aには、漏れ検査装置1の現在の動作状態等が表示される。
電源スイッチ3bは、漏れ検査装置1に供給される電力をオンまたはオフするときにユーザが操作するスイッチである。
手動自動切り替えスイッチ3cは、漏れ検査装置1の自動運転と手動運転を切り替えるときにユーザが操作するスイッチである。
運転開始ボタン3dは、漏れ検査装置1にガス漏れの検査を開始させるときにユーザが押下するボタンである。
運転停止ボタン3eは、漏れ検査装置1にガス漏れの検査を停止させるときにユーザが押下するボタンである。
【0013】
ブザー停止ボタン3fは、漏れ検査装置1に何らかの異常が発生したときに漏れ検査装置1が発生させるブザー(警告音)を停止させるときにユーザが押下するボタンである。
【0014】
警報リセットボタン3gは、所定の原因により漏れ検査装置1に異常が発生したときに、漏れ検査装置1が発生させた警報をリセットするときにユーザが押下するボタンである。
非常停止ボタン3hは、漏れ検査装置1がガス漏れの検査を行っているときに漏れ検査装置1を緊急停止させるときにユーザが押下するボタンである。
次に、漏れ検査装置1の制御機能を実現するハードウェアの構成を説明する。
【0015】
図2は、実施の形態の漏れ検査装置の制御機能を実現するハードウェア構成を示す図である。
漏れ検査装置1は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス106を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。
【0016】
RAM102は、漏れ検査装置1の主記憶装置として使用される。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に使用する各種データが格納される。
バス106には、ROM(Read Only Memory)103、グラフィック処理装置104、および入力インタフェース105が接続されている。
【0017】
ROM103は、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ROM103は、漏れ検査装置1の二次記憶装置として使用される。ROM103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。
【0018】
グラフィック処理装置104には、タッチパネル3aが接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をタッチパネル3aの画面に表示させる。
【0019】
入力インタフェース105には、タッチパネル3aおよび各ボタンやスイッチの信号線が接続されている。入力インタフェース105は、タッチパネル3aやボタンから送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、タッチパネル3aは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、例えばタブレット、タッチパッド、トラックボール等が挙げられる。
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の制御機能を実現することができる。
【0020】
図3および
図4は、搬送部周辺の構成を説明する図である。
図4に示すように、密封体100は、箱200内に載置されている。具体的には、箱200は、仕切りにより6つの区画に区切られており、各区画それぞれに密封体100が載置されている。
【0021】
搬送部2は、コンベアベルト21と、ローラー部22と、製品位置決めストッパー23と、製品搬入プッシャー(Pusher)24と、製品ストッパー25と、検査台26、27と、製品搬出プッシャー28、29と、NG品排出シリンダー30とを有している。
【0022】
箱200は、図示していない供給部により一個ずつコンベアベルト21上に供給され、
図4中、右側から左側に搬送される。供給部としては、例えば、搬送部2に接続されるように配置された別のベルトコンベアや、箱200を上方からコンベアベルト21上に搭載する構造のもの等を用いることができる。
ローラー部22は、制御部6の指示に応じて回転することで、コンベアベルト21を所定の方向に移動させる。
【0023】
製品位置決めストッパー23は、図示しない支持機構により支持されている。製品位置決めストッパー23は、コンベアベルト21の上方位置に待機しており、所定のタイミングで下降することでコンベアベルト21上に近接した位置に配置され、箱200の
図4中左方向への移動を規制する。
【0024】
また、製品位置決めストッパー23には、位置検出センサが配置されている。位置検出センサは、コンベアベルト21が移動し、箱200が製品位置決めストッパー23に接触した場合、接触信号を制御部6に送る。
【0025】
製品搬入プッシャー24は、図示しない支持機構により支持されている。製品搬入プッシャー24は、コンベアベルト21の上方位置に配置されており、所定のタイミングで検査台26近傍の位置(
図3に示す位置、以下「第1の位置」と言う)と検査台27近傍の位置(
図4に示す位置、以下「第2の位置」と言う)との間を行ったり来たりする。これにより、コンベアベルト21上を移動する箱200が検査台26または検査台27に交互に押し出される。
【0026】
製品ストッパー25は、図示しない支持機構により支持されている。製品位置決めストッパー23は、コンベアベルト21の上方位置に待機しており、所定のタイミングで下降することでコンベアベルト21上に近接した位置に配置され、箱200の
図4中左方向への移動を規制する。具体的には、製品ストッパー25は、検査台26または検査台27にて検査が可能である状態では、コンベアベルト21の上方に位置することで、箱200が検査台26、27側に移動することを許可する。また、それ以外は下降することで箱200が検査台26、27側に移動することを規制する。製品ストッパー25が下降するタイミングは、箱200が製品搬入プッシャー24により検査台26、27に押し出されるタイミングに同期している。
【0027】
検査台26、27は、それぞれ密封体100の漏れ検査を行う場所である。検査台26、27は、それぞれ制御部6の制御により上昇または下降する。例えば検査台26が下降を完了した位置(下降位置)は、コンベアベルト21の移動面とほぼ並行になっている。これにより、検査台26の下降位置においては、コンベアベルト21と検査台26との間に段差が生じることなく、コンベアベルト21と検査台26との間を箱200が滑らかに(段差にひっかからずに)移動できるようになっている。
【0028】
ところで、検査容器10は、図示しない支持部により支持されており、検査台26、27それぞれの上方に位置している。なお、
図4においては、検査容器10の図示を省略している。
【0029】
例えば検査台26が上昇を完了した位置が検査位置である。検査位置においては、検査台26の上に検査容器10が覆い被さった状態となる。この状態において制御部は、密封体100の検査を行う。検査容器10の上部には吸引管31が接続されている。吸引管31は、検査台26の上に検査容器10が覆い被さることにより画成される検査室(検査チャンバー)内の空間(以下、検査空間と言う)の気体を吸引し、検査空間を減圧するときの気体の流路となる。吸引管31の内径は例えば6mm〜8mm程度である。
【0030】
また、検査容器10の後述する吸入部には、減圧状態が解除されたと同時に検査空間内の気体を吸引する吸引管32が接続されている。吸引管32の内径は例えば2mm〜4mm程度である。
製品搬出プッシャー28、29は、検査が終了した箱200をコンベアベルト21側に押し出す。
【0031】
NG品排出シリンダー30は、検査台26または検査台27での検査の結果、漏れがある(NG)と判定された密封体100が載置された箱200を
図4中上方向に押し出すことによりコンベアベルト21から排出する。
また、漏れ検査装置1は、ポンプ機構4と、ガス分析部5と、制御部6とを有している。
【0032】
ポンプ機構4は、吸引管31に接続されている。また、吸引管31には吸引管31の気体の流路を開放または閉塞するバルブ(開閉機構)31aが取り付けられている。検査空間内の気体を吸引するときには制御部6はバルブ31aを開く。そして、ポンプ機構4が吸引管31を介して検査空間内の気体を吸引することで、検査空間を減圧する。
【0033】
ガス分析部5は、前述した検査位置において、検査台26と検査容器10および検査台27と検査容器10により画成される検査空間内部の気体を吸引してガス分析を行う。
ガス分析部5は、図示しないポンプ機構(ポンプ機構4とは別個のポンプ機構)を有している。
【0034】
ガス分析部5は、吸引管32に接続されている。また、吸引管32には吸引管32の気体の流路を開放または閉塞するバルブ(開閉機構)32aが取り付けられている。ガスの分析をするときには制御部6はバルブ32aを開く。そして、ガス分析部5は吸引管32を介して検査空間内の気体を吸引する。そして、ガス分析部5は、吸引管32から吸引した気体に密封体内のヘリウムガスが含まれているかどうかを分析する。なお、ガス分析部5としては従来公知のものを用いることができる。
【0035】
制御部6は、前述したCPU101等により実現される。制御部6は、搬送部2の動作や、バルブ31a、32a等、漏れ検査装置1全体を制御する。また、制御部6は、ガス分析部5から分析結果を受け取り、特定ガスであるヘリウムガスが検出された場合には、検査した密封体100のいずれかに漏れがあると判定する。
次に、検査容器10の形状を説明する。
【0036】
図5は、検査容器の形状を説明する図である。
検査容器10の上部には、検査室に連通する円形の孔部(真空ポート)10aが設けられている。この孔部10aには吸引管31が接続されている。孔部10aの内径(開口部の面積)は、一例として十数mm程度である。
【0037】
また、検査容器10の上部側面には、円形の排気部(排気孔)10bが設けられている。この排気部10bには、吸引管32が接続されている。排気部10bの内径(開口部の面積)は、一例として2mm〜数mm程度である。
また、検査容器10の排気部10bが設けられている面とは反対側には入気部(入気口)10cが設けられている。
【0038】
図6は、検査容器の内部に密封体が載置されたときの様子を説明する図である。
図6(a)は、検査容器10を上から見た図であり、
図6(b)は、検査容器10を横から見た図である。なお、説明を分かり易くするために、
図6(a)においては、検査容器10の天板の記載を省略している。また、
図6(b)においては、検査容器10の
図6(b)中、紙面手前側の側板の記載を省略している。
【0039】
図6(b)に示すように、検査容器10が検査台26(または検査台27)に覆い被さることにより、検査室11が画成される。検査室11の形状は箱200の形状(幅および高さ)に対応して形成されており、本実施の形態では、ほぼ直方体である。
【0040】
検査容器10が検査台26に被せられた状態では、排気部10bと入気部10c以外からは、検査室11内部の気体が、検査容器10の外部に露出しないようになっている。
【0041】
ガス分析部5が、検査容器10の内部の気体を吸引することにより、検査容器10の内部の気体は、排気部10bから吸引管31を通ってガス分析部5に送り込まれる。
【0042】
入気部10cには、検査室11に流入する気体の量を調整するための調整器具12が設けられている。調整器具12の形状は、入気部10cに対応して設けられており、
図6においては三角柱である。調整器具12は、制御部6の制御により移動する。具体的には、制御部6が調整器具12を
図6中右方向に移動させると入気部10cが全て塞がりパッキンとして機能する。これにより、外部から入気部10cに空気が流入することを抑制することができるようになっている。以下、この位置を閉塞位置と言う。また、閉塞位置から調整器具12を
図6中左側に移動させることにより、入気部10cの開口面積が徐々に大きくなり、単位時間当たりに検査室11に流入できる空気の量も増加する。本実施の形態では、検査室11が減圧されているときには、制御部6は、閉塞位置に調整器具12を移動させる。また、検査室11内部の圧力を減圧状態から大気圧に戻す際には、制御部6は、閉塞位置から調整器具12を
図6中左側の所定位置までに移動させる。以下、この所定位置を開放位置という。
【0043】
ところで、
図6(a)に示すように、入気部10cの開口部の幅W1は、検査容器10の内側の幅W2に対応している。例えば、幅W1と幅W2が同一であるのが好ましい。これにより、排気部10bを介して検査室11から気体を排出する際に、検査室11内の気流の乱れを抑制し、気流を安定させることができる。なお、入気部10cの開口部の高さは、例えば1mm〜2mm程度である。
【0044】
また、検査容器10の箱200が載置される箇所から排気部10bに連通する気体の流路には、テーパ状をなすテーパ部10dが設けられている。これにより、検査室11から気体を排出する際に、検査室11内の気流の乱れを抑制し、気流を安定させることができる。
【0045】
制御部6、および調整器具12の機能、並びにテーパ部10d、検査室11および入気部10cの形状により、検査室11内における気流の乱れを抑制する気流調整部の主要部が形成される。
【0046】
また、
図6(b)に示すように、排気部10bおよび入気部10cは、それぞれ検査対象の密封体100に対し、上方に位置するよう設けられている。これにより、入気部10cから排気部10bに至る気体の流れが遮られることを抑制し、検査室11内の気流をスムーズにすることができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、排気部10bおよび入気部10cは、それぞれ検査対象の密封体100に対し、上方に位置している。しかし、これに限らず、排気部10bおよび入気部10cは、それぞれ検査対象の密封体100に対し、側方に位置するように設けるようにしてもよい。
次に、漏れ検査装置1の動作を説明する。
【0048】
図7は、漏れ検査装置の動作を説明するタイムチャートである。
なお、
図7においては検査台26を「第1検査台」、検査台27を「第2検査台」と表記している。また、
図7において「第1検査台検査」は、検査台26にて漏れ検査が行われている区間を示している。「第2検査台検査」は、検査台27にて漏れ検査が行われている区間を示している。
まず、図示しない供給部により密封体100が載置された箱200が搬送部2のコンベアベルト21上に載置される。
電源スイッチ3bがオンの状態で運転開始ボタン3dが押下されると、制御部6は、搬送部2を動作させ、箱200をコンベアベルト21により搬送させる。
【0049】
製品位置決めストッパー23に箱200が到達したことをセンサが検出すると、制御部6は、製品ストッパー25を下降させてコンベアベルト21への近接を開始する(時刻T1)。これにより、新たな箱200がコンベアベルト21の検査台26、27側に移動することが規制される。また、制御部6が、前述した第1の位置から第2の位置に製品搬入プッシャー24を移動させることにより、製品位置決めストッパー23により移動が規制されている箱200が検査台26側に移動する(時刻T1−T2間)。その後、制御部6は、検査台26の上昇を開始させる(時刻T2)。検査台26が上昇を完了した時点では、検査台26の上面は検査容器10により覆われた状態となる(時刻T3)。この状態で制御部6は漏れ検査を実行する(時刻T3−T6間)。なお、漏れ検査の詳細については、後に詳述する。
【0050】
ところで、検査台26にて検査が行われている間に制御部6は、製品ストッパー25の上昇を開始させる(時刻T4)。これにより、コンベアベルト21に載置された新たな箱200が検査台26、27側に移動することが可能となる。
【0051】
その後、製品位置決めストッパー23に新たな箱200が到達したことをセンサが検出すると、制御部6は、製品ストッパー25を下降させてコンベアベルト21への近接を開始する(時刻T5)。これにより、新たな箱200がコンベアベルト21の検査台26、27側に移動することが規制される。また、制御部6は、製品搬入プッシャー24を第2の位置から第1の位置に移動させることにより、製品位置決めストッパー23により移動が規制されている箱200が検査台27側に移動する(時刻T5−T6間)。
【0052】
その後、制御部6は、検査台27の上昇を開始させる(時刻T6)。検査台27が上昇を完了した時点では、検査台27の上面は検査容器10により覆われた状態となる(時刻T7)。この状態で制御部6は漏れ検査を実行する(時刻T7−T9間)。
【0053】
ところで、時刻T6において検査台26での密封体100の検査が完了すると、制御部6は、検査台26の下降を開始させる(時刻T6)。検査台26の下降が完了した時点で(時刻T67)、制御部6は、検査台26上に載置されている箱200のコンベアベルト21側への押し出しを製品排出プッシャー29に開始させる(時刻T67)。押し出しが完了すると、制御部6は、製品排出プッシャー29を元の位置に戻す(時刻T8)。
【0054】
ところで、時刻T6において製品位置決めストッパー23が下降を開始し、製品排出プッシャー29が押し出しを完了した時点では、製品位置決めストッパー23は上方位置に待機している。このため、検査台26にて検査が完了した箱200は、製品位置決めストッパー23に移動を規制されることなくコンベアベルト21上を左方向に移動する。
図7においては、検査に成功した例を示している。このため、NG品排出シリンダー30は、動作せず、検査が完了した箱200は、コンベアベルト21上をそのまま左方向に流れていく。時刻T78−T8間において検査が完了した箱200は、製品位置決めストッパー23を通過する。その後、時刻T8において、製品位置決めストッパー23は下降を開始する。
なお、検査台27の検査においても、検査台26の検査と同様の処理が行われる。このため、検査台27の検査については詳細な説明を省略する。
次に、検査台26および検査台27での検査の内容を詳しく説明する。以下、時刻T3−T6間における検査台26での検査を例に説明する。
【0055】
図8は、検査台での検査の内容を説明するタイムチャートである。なお、
図8においてはバルブ31aを「第1バルブ」、バルブ32aを「第2バルブ」と表記している。
時刻T3において、調整器具12は、閉塞位置に位置している。また、ポンプ機構4は、動作しているが、バルブ31a、32aは、ともに閉められている。
【0056】
箱200が載置された検査台26が上昇し、時刻T3において検査台26に検査容器10が被せられると、制御部6は、バルブ31aを開く。これにより、ポンプ機構4により検査室11内の気体の吸引が開始される。これにより、検査室11内部の気体は、孔部10aから吸い出され、検査室11は減圧された状態となる。従って、密封体100にピンホール等の欠陥が存在する場合には、この欠陥から密封体100内部のヘリウムガスが密封体100の外部に漏れ出る。その後、制御部6は、ポンプ機構4の動作を停止するとともにバルブ31aを閉じる(時刻T3a)。このとき、密封体100は検査容器10により覆われているため、外部に漏れ出たヘリウムガスは検査室11の内部に留まる。この時刻T3−T3a間は、第1の処理の一例であり、欠陥がある密封体100からヘリウムガスが検査室11の内部に漏れ出させるのに十分な時間のうち、最も短い時間、または最も短い時間より若干長く設定されている。この時間は、例えば1秒である。
【0057】
また、制御部6は、バルブ32aを開き、検査室11内の気体を吸引させるようガス分析部5に指示する(時刻T3a)。これにより、ガス分析部5は、排気部10bから気体の吸引を開始する。また、制御部6は、ガス分析部5に指示するのと同じタイミングで調整器具12を閉塞位置から開放位置に移動させる。調整器具12が開放位置に移動すると、入気部10cから検査室11に気体が入り込む。また、検査室11内の気体は、排気部10bから吸い出される。
【0058】
ここで、外部から入気部10cを介して検査容器10に入り込む気体の量が、排気部10bから流出する気体の量より大きくなるよう、ガス分析部5の吸入量および開放位置が調整されている。具体的には、1秒〜2秒で検査室11内部の気圧が大気圧に戻るようにガス分析部5の吸入量および開放位置が調整されている。これにより、検査室11内部の気圧は、減圧状態から大気圧に戻る。また、検査室11内部の気圧が減圧状態から大気圧に戻る際にも検査容器10の検査室11における気流が安定し、乱気流の発生を抑制することができる。また、入気部10cから排気部10bに至る気体の流路には障害物が設けられていないため、検査室11内の気流は安定する。
また、密封体100からヘリウムガスが露出した場合は、入気部10cから排気部10bに至る気体の流路に導かれて露出したヘリウムガスが高速に移動する。
【0059】
時刻T6までに検査室11内の全ての気体は入れ替わり、検査室11内の気圧は大気圧に戻る。時刻T6において、制御部6は、調整器具12を開放位置から閉塞位置に移動させる。また、制御部6は、検査室11内の気体の吸引を停止させるようガス分析部5に指示する。また、制御部6は、バルブ32aを閉じる。この時刻T3a−T6間は、第2の処理の一例である。
【0060】
以上述べたように、漏れ検査装置1によれば、時刻T3a−T6間において検査室11の密閉を開放するため、検査室の気体が迅速に検査室外部に排出される。また、密封体100からヘリウムガスが漏れた場合にも全ての気体が検査室11の外部に排出されるため、次の検査を迅速に行うことができる。
【0061】
また、漏れ検査装置1によれば、検査において、検査室11内における気流の乱れを抑制することができる。従って、検査時間の短縮を図ることができる。例えば、時刻T3−T6間を2、3秒で終了させることができる。
【0062】
具体的には、前述したように、入気部10cの幅W1が検査室11の幅に対応して設けられているため、乱気流の発生を抑制することができる。また、検査室11の排気部10bに至る経路がテーパ状をなしているため、排気部10b側での乱気流の発生を抑制することができる。
【0063】
また、外部から入気部10cを介して検査容器10に入り込む気体の量が、排気部10bから流出する気体の量より大きくなるよう、ガス分析部5の吸入量および調整器具12の開放位置が調整されている。これにより、検査容器10の検査室11における気流が安定し、乱気流の発生を抑制することができる。
【0064】
ところで、前述した特許文献1では、流入口を閉塞せずに吸引を行っている。このような構成では、容器外部から気体が常に流入するため、吸引する気体に含まれるヘリウムガスの濃度が薄まってしまう。これに対し、漏れ検査装置1によれば、減圧した分だけ入気部10cから気体を取り込むようにし、短期間で検査室11内の気体を分析部3bに導くようにした。これにより、ヘリウムガスの濃度が薄まることを抑制しつつ、短期間で検査を終了させることができる。
なお、本実施の形態ではコンベアベルト21を用いて検査を行う方法を例示した。しかし、検査方法は、コンベアベルトを用いたものに限定されない。
【0065】
また、本実施の形態では2つの検査台26、27を用いて漏れ検査を行った。しかし、検査台(検査室)の数は、2つに限定されず、1または3つ以上であってもよい。
【0066】
<変形例1>
次に、実施の形態の調整器具の変形例を説明する。
図9は、調整器具の変形例を示す図である。
変形例1における調整器具12aは円筒状をなしている。調整器具12aの入気部10c1に対応する箇所には、円筒の中央部を通り両側に貫通する孔部12a1が設けられている。
【0067】
また、
図9における入気部10c1は、調整器具12aに対応する形状をなしている。具体的には、入気部10c1の入気孔10c2の径は、孔部12a1の径に一致している。また、入気部10c1の調整器具12aに接する部分は円弧状をなしている。
【0068】
調整器具12aは、この円筒の中心を回転軸とし、円筒の回転方向に所定角度回転することにより、検査室11内部に流入する気体の流量を調整することができる。
変形例の調整器具12aによれば、調整器具12と同様の効果が得られる。
【0069】
<変形例2>
図10は、調整器具の変形例を示す図である。
図10に示す調整器具12bは、軸部12b1を備えている。調整器具12bは、この軸部12b1を中心に所定角度回転する。この回転角度を調整することにより、検査室11内部に流入する気体の流量を調整することができる。
【0070】
変形例の調整器具12bによれば、調整器具12と同様の効果が得られる。また、調整器具12bによれば、検査室11内部が減圧された状態においても閉塞位置から開放位置への移動が比較的容易である。
なお、調整器具の形状は、変形例1や変形例2に限定されないことは言うまでもない。
【0071】
<変形例3>
本実施の形態では、調整器具12を設けて入気部10c側で検査室11内部に流入する気体の流量を調整するようにした。しかし、これに限らず、例えば入気部10c側では検査室11内部に流入する気体の流量を調整せずに、排気部10b側で検査室11内部に流入する気体の流量を調整するようにしてもよい。一例としては、入気部10c側は全閉塞または全開放できるようにしておき、テーパ部10dの角度を調整することにより、排気部10bに導かれる気体の流量を調整するようにしてもよい。
【0072】
以上、本発明の漏れ検査装置を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。