(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備えた車輪用軸受に、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に接触して固定される接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出する歪み検出素子を有するセンサユニットを、互いに円周方向に離れて3つ以上設け、これら3つ以上のセンサユニットの出力から前記車輪用軸受に作用する直交3軸方向の荷重を推定する荷重推定手段を設け、この荷重推定手段は、前記各センサユニットの出力と前記3軸方向の荷重の推定値との関係を示す、個々のセンサ付車輪用軸受に固有の荷重推定係数を用いて前記荷重の推定を行うセンサ付車輪用軸受に対し、前記固有の荷重推定係数を求めて設定するセンサ付車輪用軸受のキャリブレーション方法において、
前記センサユニットの出力する振幅値と前記3軸方向の荷重との関係に対して前記車輪用軸受の初期予圧の影響を補正する補正係数と、前記センサユニットの出力と初期予圧量の関係である出力・予圧関係を導出する補正係数等導出過程と、
キャリブレーション対象のセンサ付車輪用軸受について、無負荷の状態で回転させ前記センサユニットの出力する振幅値を測定する無負荷振幅値測定過程と、
この無負荷振幅値測定過程で測定した前記振幅値と前記出力・予圧関係とから前記出荷用のセンサ付車輪用軸受の初期予圧量を推定する初期予圧量推定過程と、
この初期予圧量推定過程で推定した初期予圧量と前記補正係数とから前記出荷用のセンサ付車輪用軸受の前記荷重推定係数を決定して前記荷重推定手段に設定する荷重推定係数決定過程と、
を含むセンサ付車輪用軸受のキャリブレーション方法。
請求項1または請求項2に記載のキャリブレーション方法において、前記無負荷振幅値測定過程で、無負荷の状態で回転させ前記センサユニットの出力する振幅値を測定するときの前記振幅値は、全ての前記センサユニットの振幅値の平均値または全てのセンサユニットの全ての歪み検出素子の振幅値の平均値とするセンサ付車輪用軸受のキャリブレーション方法。
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受のキャリブレーション方法において、前記各センサユニットは、前記歪み発生部材が前記固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有し、前記歪み発生部材の歪みを検出する前記歪み検出素子を2つ有し、前記センサユニットは前記車輪用軸受の上下左右に位置する4か所に設けられ、前記センサユニットは、それぞれの前記歪み検出素子の出力する実効値またはピークツウピーク値を前記振幅値の測定値として出力するセンサ付車輪用軸受のキャリブレーション方法。
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受のキャリブレーション方法において、前記各センサユニットは、前記歪み発生部材が前記固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有し、前記歪み発生部材の歪みを検出する前記歪み検出素子を2つ有し、前記センサユニットは前記車輪用軸受の上下左右に位置する4か所に設けられ、前記センサユニットは、2つの前記歪み検出素子の出力の差分の実効値またはピークツウピーク値を前記振幅値の測定値として出力するセンサ付車輪用軸受のキャリブレーション方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のキャリブレーション方法は、いずれも、全てのセンサにおいて、3軸方向荷重を複合的に印加し、キャリブレーションを実施する。そのため、大掛かりな装置に軸受を設置することになり、サイクルタイム、作業コストの面からも現実的ではない。さらに、出荷前の軸受に大荷重を印加することは、好ましいとは言えない。
【0006】
この発明の目的は、初期予圧量によってセンサユニットの感度が異なることに着眼し、初期予圧量から荷重に対する感度を補正することで、出荷する全ての車輪用軸受に対して精度良く荷重検出することを可能としながら、大掛かりなキャリブレーション作業を不要とし、キャリブレーション作業のサイクルタイムの低減が図れるようにしたセンサ付車輪用軸受のキャリブレーション方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のセンサ付車輪用軸受のキャリブレーション方法は、概要を説明すると、センサ付車輪用軸受の初期予圧量をセンサユニットの出力から推定し、この初期予圧量から荷重推定係数K1を算出することによりキャリブレーションを容易に行えるようにした方法である。
この方法では、無負荷の状態で軸受を回転させ、複数箇所に設けられたセンサユニット個々の振幅値を計算し、その平均値から初期予圧量を推定する。
予め、初期予圧量と振幅値との関係を算出しておく。
初期予圧量から、各荷重に対するセンサユニットの感度を推定し、荷重推定係数K1を導出する。
以下、各請求項の記載に対応して説明する。
【0008】
この発明のセンサ付車輪用軸受のキャリブレーション方法は、
複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備えた車輪用軸受に、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に接触して固定される接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出する歪み検出素子を有するセンサユニットを、互いに円周方向に離れて3つ以上設け、これら3つ以上のセンサユニットの出力から前記車輪用軸受に作用する直交3軸方向の荷重を推定する荷重推定手段を設け、この荷重推定手段は、前記各センサユニットの出力と前記3軸方向の荷重の推定値との関係を示す、個々のセンサ付車輪用軸受に固有の荷重推定係数K1を用いて前記荷重の推定を行うセンサ付車輪用軸受に対し、前記固有の荷重推定係数K1を求めて設定するセンサ付車輪用軸受のキャリブレーション方法である。
このキャリブレーション方法において、
前記センサユニットの出力する振幅値と前記3軸方向の荷重との関係に対して前記車輪用軸受の初期予圧の影響を補正する補正係数K3と、前記センサユニットの出力と初期予圧量の関係である出力・予圧関係(例えば後述の換算係数K2)を導出する補正係数等導出過程S1と、
キャリブレーション対象のセンサ付車輪用軸受について、無負荷の状態で回転させ前記センサユニットの出力する振幅値を測定する無負荷振幅値測定過程S2と、
この無負荷振幅値測定過程S2で測定した前記振幅値と前記出力・予圧関係とから前記出荷用のセンサ付車輪用軸受の初期予圧量を推定する初期予圧量推定過程S3と、
この初期予圧量推定過程S3で推定した初期予圧量と前記補正係数K3とから前記出荷用のセンサ付車輪用軸受の前記荷重推定係数K1を決定して前記荷重推定手段に設定する荷重推定係数決定過程S4とを含む。
【0009】
前記補正係数等導出過程S1は、出荷対象となるセンサ付車輪用軸受についての測定を行うよりも前に予め前記出力・予圧関係(換算係数K2)および補正係数K3を求めておく過程であるが、後述のようにマスター軸受につき測定することで換算係数K2および補正係数K3を求めても、また他の適宜の方法で換算係数K2および補正係数K3を求めておいても良い。
【0010】
この発明方法は、個々の軸受に固有の荷重推定係数K1を用いるセンサ付車輪用軸受において、前記固有の荷重推定係数K1を求めて設定する場合に適用される。この固有の荷重推定係数K1を求めるにつき、初期予圧量により、センサユニットの感度が異なることに着眼し、キャリブレーションとして、初期予圧量から荷重に対する感度を補正し、軸受固有の荷重推定係数K1を求めるようにした。そのため、出荷する個々の軸受につき、必要な測定は、無負荷で回転させてセンサユニットの出力を測定するだけで済む。そのセンサユニットの測定値から初期予圧量が求まり、荷重推定係数K1を求めることができる。
【0011】
このように、出荷する全ての車輪用軸受に対して精度良く荷重検出することを可能としながら、大掛かりなキャリブレーション作業を不要とし、キャリブレーション作業のサイクルタイムの低減が図れる。また、出荷する車輪用軸受は、キャリブレーションのための測定として、無負荷でセンサユニットの出力を検出するだけで済むため、出荷前に大荷重を印加する必要がなく、大荷重の印加で耐久性等の軸受性能へ悪影響を与えることが回避できる。
【0012】
なお、前記初期予圧量推定過程S3と荷重推定係数決定過程S4とは、概念的に分けた過程であり、実際の計算としては、前記補正係数K3と前記出力・予圧関係(換算係数K2)とを一つの係数等として設定しておき、無負荷状態で測定した振幅値から一つの計算過程で前記荷重推定係数K1を計算しても良い。
【0013】
この発明方法において、前記補正係数等導出過程S1が、
前記センサ付車輪用軸受であって初期予圧量が互いに異なりかつ既知である複数のマスター軸受につき前記3軸方向の荷重を負荷するマスター軸受荷重負荷過程S1aと、
この3軸方向の荷重を負荷した複数のマスター軸受のセンサユニットの出力と既知の初期予圧量を用い、前記センサユニットの出力を前記初期予圧量へ換算する換算係数K2を求める換算係数算出過程S1bと、
前記3軸方向の荷重を負荷したマスター軸受のセンサユニットの出力と前記3軸方向の荷重とを用い、前記初期予圧量の影響を補正する前記補正係数K3を導出する補正係数K3算出過程S1cとでなる過程であっても良い。
このように、初期予圧量が互いに異なりかつ既知である複数のマスター軸受につき前記3軸方向の荷重を負荷して測定すれば、前記補正係数K3および前記換算係数K2を精度良く求めることができる。
【0014】
この発明方法において、前記無負荷振幅値測定過程S2において、無負荷の状態で回転させ前記センサユニットの出力する振幅値を測定するときの前記振幅値は、全ての前記センサユニットの振幅値の平均値または全てのセンサユニットの全ての歪み検出素子の振幅値の平均値としても良い。
無負荷状態での転動体荷重の大きさは、全ての転動体で同じとなる。したがって全てのセンサユニットで同じ出力となる。このため、全てのセンサユニットの全ての出力値の平均値、または全てのセンサユニットの全ての歪み検出素子の振幅値の平均値で補正することで、各センサユニットの感度ばらつきが補正でき、センサユニットの振幅を用いた初期予圧量の算出が精度良く行える。
振幅値の演算処理方法には、各歪み検出素子ごとに振幅値(実効値もしくはPeak to Peak)を求めるものと、センサユニット(ユニット内の歪み検出素子の差分など)を振幅値で求めるものとあり、両者のいずれを用いても良い。
【0015】
この発明方法において、前記各センサユニットは、前記歪み発生部材が前記固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有し、前記歪み発生部材の歪みを検出する前記歪み検出素子を2つ有し、前記センサユニットは前記車輪用軸受の上下左右に位置する4か所に設けられていても良い。
このように前記センサユニットが前記歪み発生部材に2つ以上の接触固定部を有し、前記歪み検出素子を2つ有する場合、精度の良い検出が行える。
【0016】
この場合に、前記センサユニットは、それぞれの前記歪み検出素子の出力する実効値またはピークツウピーク値を前記振幅値の測定値として出力する構成であっても良い。
また、前記センサユニットは、2つの前記歪み検出素子の出力の差分の実効値またはピークツウピーク値を前記振幅値の測定値として出力する構成であっても良い。
【発明の効果】
【0017】
この発明のセンサ付車輪用軸受のキャリブレーション方法は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備えた車輪用軸受に、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に接触して固定される接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出する歪み検出素子を有するセンサユニットを、互いに円周方向に離れて3つ以上設け、これら3つ以上のセンサユニットの出力から前記車輪用軸受に作用する直交3軸方向の荷重を推定する荷重推定手段を設け、この荷重推定手段は、前記各センサユニットの出力と前記3軸方向の荷重の推定値との関係を示す、個々のセンサ付車輪用軸受に固有の荷重推定係数を用いて前記荷重の推定を行うセンサ付車輪用軸受に対し、前記固有の荷重推定係数を求めて設定するセンサ付車輪用軸受のキャリブレーション方法において、前記センサユニットの出力する振幅値と前記3軸方向の荷重との関係に対して前記車輪用軸受の初期予圧の影響を補正する補正係数と、前記センサユニットの出力と初期予圧量の関係である出力・予圧関係を導出する補正係数等導出過程と、キャリブレーション対象のセンサ付車輪用軸受について、無負荷の状態で回転させ前記センサユニットの出力する振幅値を測定する無負荷振幅値測定過程と、この無負荷振幅値測定過程で測定した前記振幅値と前記出力・予圧関係とから前記出荷用のセンサ付車輪用軸受の初期予圧量を推定する初期予圧量推定過程と、この初期予圧量推定過程で推定した初期予圧量と前記補正係数とから前記出荷用のセンサ付車輪用軸受の前記荷重推定係数を決定して前記荷重推定手段に設定する荷重推定係数決定過程とを含むため、出荷する全ての車輪用軸受に対して精度良く荷重検出することを可能としながら、大掛かりなキャリブレーション作業が不要で、キャリブレーション作業のサイクルタイムの低減を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。このキャリブレーション方法の対象となるセンサ付車輪用軸受は、車輪用軸受100に複数のセンサユニット20と荷重推定手段30とを設けたものである。
【0020】
荷重推定手段30は、センサユニット20の出力から、車輪用軸受100、またはこの車輪用軸受100に取付けられた車輪(図示せず)のタイヤ接地点に作用する直交3軸方向の荷重(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定する手段である。荷重推定手段30は、前記3軸方向の荷重Fx ,Fy ,Fz と、各センサユニット20の出力信号との関係を演算式またはテーブル等により設定した関係設定手段31と、この関係設定手段31に設定された前記関係を用いて前記3軸方向の荷重Fx ,Fy ,Fz を演算する基本演算手段32とを有する。前記関係設定手段31の設定内容は、予め試験やシミュレーションで求めておいて設定する。
【0021】
前記荷重推定手段30は、この他に、出荷される個々のセンサ付車輪用軸受毎に荷重推定係数K1を設定する荷重推定係数設定手段33と、前記基本演算手段32で演算された各軸の荷重Fx ,Fy ,Fz に前記荷重推定係数設定手段33に設定された荷重推定係数K1を乗算して補正するキャリブレーション手段34を有する。前記関係設定手段31に設定される設定内容は、出荷される個々のセンサ付車輪用軸受について、互いに共通の内容とされており、個々のセンサ付車輪用軸受におけるセンサユニット20の出力のばらつきに応じたキャリブレーションが、前記キャリブレーション手段34によって行われる。
【0022】
従来は、前記荷重推定係数設定手段33に設定する荷重推定係数K1を、個々のセンサ付車輪用軸受毎に3軸方向の荷重を与えて求めていたが、この実施形態のキャリブレーション方法では、初期予圧量から荷重推定係数K1を求める。この荷重推定係数K1の求め方については後に説明し、まず、このキャリブレーション方法の対象となるセンサ付車輪用軸受の具体例を説明する。
【0023】
図1において、車輪用軸受100は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用である。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。この車輪用軸受100は、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受100は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
【0024】
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックル16に取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには周方向複数箇所にナックル取付用のボルト孔14が設けられ、インボード側よりナックル16のボルト挿通孔17に挿通したナックルボルト18を前記ボルト孔14に螺合することにより、車体取付用フランジ1aがナックル16に取付けられる。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
【0025】
図2は、この車輪用軸受の外方部材1をアウトボード側から見た正面図を示す。なお、
図1は、
図2におけるI−I矢視断面図を示す。前記車体取付用フランジ1aは、
図2のように、各ボルト孔14が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片1aaとされている。
【0026】
固定側部材である外方部材1の外径面には、4個のセンサユニット20が設けられている。ここでは、これらのセンサユニット20が、タイヤ接地面に対して上下位置および前後位置となる外方部材1の外径面における上面部、下面部、右面部、および左面部に設けられている。
【0027】
これらのセンサユニット20は、
図3および
図4に拡大平面図および拡大断面図で示すように、歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に取付けられて歪み発生部材21の歪みを検出する2つ以上(ここでは2つ)の歪み検出素子22とでなる。歪み検出素子22には歪みセンサが用いられる。歪み発生部材21は、鋼材等の弾性変形可能な金属製で3mm以下の薄板材からなり、平面概形が全長にわたり均一幅の帯状で両側辺部に切欠き部21bを有する。切欠き部21bの隅部は断面円弧状とされている。また、歪み発生部材21は、外方部材1の外径面にスペーサ23を介して接触固定される2つ以上(ここでは3つ)の接触固定部21aを有する。3つの接触固定部21aは、歪み発生部材21の長手方向に向け1列に並べて配置される。2つの歪み検出素子22は、歪み発生部材21における各方向の荷重に対して歪みが大きくなる箇所に貼り付けられる。具体的には、歪み発生部材21の外面側で隣り合う接触固定部21aの間に配置される。つまり、
図4において、左端の接触固定部21aと中央の接触固定部21aとの間に1つの歪み検出素子22Aが配置され、中央の接触固定部21aと右端の接触固定部21aとの間に他の1つの歪み検出素子22Bが配置される。切欠き部21bは、
図3のように、歪み発生部材21の両側辺部における前記歪み検出素子22の配置部に対応する2箇所の位置にそれぞれ形成されている。これにより、歪み検出素子22は歪み発生部材21の切欠き部21b周辺における長手方向の歪みを検出する。
【0028】
前記センサユニット20は、その歪み発生部材21の3つの接触固定部21aが、外方部材1の軸方向に同寸法の位置で、かつ各接触固定部21aが互いに円周方向に離れた位置に来るように配置され、これら接触固定部21aがそれぞれスペーサ23を介してボルト24により外方部材1の外径面に固定される。前記各ボルト24は、それぞれ接触固定部21aに設けられた径方向に貫通するボルト挿通孔25からスペーサ23のボルト挿通孔26に挿通し、外方部材1の外周部に設けられたボルト孔27に螺合させる。このように、スペーサ23を介して外方部材1の外径面に接触固定部21aを固定することにより、薄板状である歪み発生部材21における切欠き部21bを有する各部位が外方部材1の外径面から離れた状態となり、切欠き部21bの周辺の歪み変形が容易となる。接触固定部21aが配置される軸方向位置として、ここでは外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置が選ばれる。ここでいうアウトボード側列の転走面3の周辺とは、インボード側列およびアウトボード側列の転走面3の中間位置からアウトボード側列の転走面3の形成部までの範囲である。外方部材1の外径面へセンサユニット20を安定良く固定する上で、外方部材1の外径面における前記スペーサ23が接触固定される箇所には平坦部1bが形成される。
【0029】
このほか、
図5に断面図で示すように、外方部材1の外径面における前記歪み発生部材21の3つの接触固定部21aが固定される3箇所の各中間部に溝1cを設けることで、前記スペーサ23を省略し、歪み発生部材21における切欠き部21bが位置する各部位を外方部材1の外径面から離すようにしても良い。
【0030】
歪み検出素子22としては、種々のものを使用することができる。例えば、歪み検出素子22を金属箔ストレインゲージで構成することができる。その場合、通常、歪み発生部材21に対しては接着による固定が行なわれる。また、歪み検出素子22を歪み発生部材21上に厚膜抵抗体にて形成することもできる。
【0031】
各センサユニット20の2つの歪み検出素子22は荷重推定手段30に接続される。荷重推定手段30は、前述のようにセンサユニット20の出力から、車輪用軸受100またはタイヤ接地面に作用する直交3軸方向の荷重(Fx ,Fy ,Fz )を推定する手段であるが、具体的には、例えば前記センサユニット20の2つの歪み検出素子22の出力信号の和から、前記直交3軸方向の荷重(Fx ,Fy ,Fz )を推定する。前記関係設定手段31には、前記直交3軸方向の荷重(Fx ,Fy ,Fz )と、前記各センサユニット20の2つの歪み検出素子22の出力信号の和との関係が、演算式またはテーブル等により設定される。
【0032】
センサユニット20は、外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置に設けられるので、歪み検出素子22A,22Bの出力信号A,Bは、
図6のようにセンサユニット20の設置部の近傍を通過する転動体5の影響を受ける。また、軸受の停止時においても、歪み検出素子22A,22Bの出力信号A,Bは、転動体5の位置の影響を受ける。すなわち、転動体5がセンサユニット20における歪み検出素子22A,22Bに最も近い位置を通過するとき(または、その位置に転動体5があるとき)、歪み検出素子22A,22Bの出力信号A,Bの振幅は最大値となり、
図6(A),(B)のように転動体5がその位置から遠ざかるにつれて(または、その位置から離れた位置に転動体5があるとき)低下する。軸受回転時には、転動体5は所定の配列ピッチPで前記センサユニット20の設置部の近傍を順次通過するので、歪み検出素子22A,22Bの出力信号A,Bは、その振幅が転動体5の配列ピッチPを周期として
図6(C)に実線で示すように周期的に変化する正弦波に近い波形となる。
【0033】
この例では、前記2つの歪み検出素子22A,22Bの出力信号A,Bの和から、荷重推定手段30が車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定するものとしているので、2つの歪み検出素子22A,22Bの各出力信号A,Bに現れる転動体5の位置の影響を相殺することができ、これにより車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を正確に検出することができる。
【0034】
センサユニット20として、
図5の構成例のものを示す
図6においては、固定側部材である外方部材1の外径面の円周方向に並ぶ3つの接触固定部21aのうち、その配列の両端に位置する2つの接触固定部21aの間隔を、転動体5の配列ピッチPと同一に設定している。この場合、隣り合う接触固定部21aの中間位置にそれぞれ配置される2つの歪み検出素子22A,22Bの間での前記円周方向の間隔は、転動体5の配列ピッチPの略1/2となる。その結果、2つの歪み検出素子22A,22Bの出力信号A,Bは略180度の位相差を有することになり、その平均値(A+B)/2は、
図6(C)に鎖線で示すように転動体5の位置の影響を十分相殺した値となる。これにより、2つの歪み検出素子22A,22Bの出力信号A,Bの和から、荷重推定手段30によって推定される車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )は、転動体5の位置の影響をより確実に排除した正確なものとなる。
【0035】
図7には、センサユニット20として、
図5の構成例のものにおいて、中間位置の接触固定部21aを省略して、接触固定部21aを2つとした構成例(
図8(A))の場合を示している。この場合、
図6の例の場合と同様に、2つの接触固定部21aの間隔を、転動体5の配列ピッチPと同一に設定している。これにより、2つの接触固定部21aの間に配置される2つの歪み検出素子22A,22Bの間での前記円周方向の間隔は、転動体5の配列ピッチPの略1/2となる。その結果、2つの歪み検出素子22A,22Bの出力信号A,Bは略180度の位相差を有することになり、その平均値(A+B)/2は、
図8(C)に鎖線で示すように転動体5の位置の影響を十分相殺した値となる。これにより、2つの歪み検出素子22A,22Bの出力信号A,Bの和から、荷重推定手段30によって推定される車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )は、転動体5の位置の影響をより確実に排除した正確なものとなる。
【0036】
車輪用軸受100や、車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材である外方部材1にも荷重が印加されて変形が生じる。センサユニット20における切欠き部21bを有する歪み発生部材21の3つの接触固定部21aが外方部材1に接触固定されているので、外方部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達され、その歪みが歪み検出素子22A,22Bで感度良く検出され、その出力信号から荷重を推定できる。ここでは、外方部材1の外径面における上面部と下面部に配置される2つのセンサユニット20の出力信号から垂直方向荷重Fz と軸方向荷重Fy を推定でき、外方部材1の外径面における右面部と左面部に配置される2つのセンサユニット20の出力信号から駆動力や制動力による荷重Fx を推定できる。
【0037】
この場合、各センサユニット20における歪み検出素子22A,22Bの出力信号A,Bは、上記したようにそのままでは転動体5の位置の影響を受けるが、荷重推定手段30ではその2つの出力信号の和から、車輪用軸受や、車輪のタイヤと路面間に作用する荷重(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定するので、軸受の回転時と停止時を問わず転動体3の位置による影響が解消され、荷重を精度良く推定できる。また、ローパスフィルタが不要なため、応答速度が向上する。
なお、この荷重推定方法は一例であり、歪み検出素子22A,22Bの出力信号の振幅値も荷重推定に利用してもよいし、全てのセンサユニット20の全ての歪み検出素子22A,22Bの出力信号のマトリクス(テーブル)からFx,Fy、Fzに分離推定する方式でも良い。
【0038】
次に、キャリブレーション方法につき説明する。理解の容易のために、先に従来のキャリブレーション方法を説明する。従来は、キャリブレーション対象となる全ての軸受、つまり出荷する全てのセンサ付車輪用軸受につき、3軸荷重(Fx ,Fy ,Fz )が負荷可能な試験機で任意の3軸荷重を負荷し、荷重推定係数K1を算出していた。例えば、まず一つ目のキャリブレーション対象軸受(センサ付車輪用軸受)を用いて3軸荷重を負荷する。荷重条件は種々の値に振る。次に、キャリブレーション対象軸受を次の軸受に交換して前記と同様に3軸荷重を負荷する(荷重条件は複数の値に振る)。これを繰り返して出荷する全てのセンサ付車輪用軸受の荷重推定係数K1を算出する。
【0039】
この実施形態のキャリブレーション方法では、従来と同様なキャリブレーション方法をマスター軸受のみにつき行って必要な補正係数(換算係数K2,補正係数K3)を求めておき、出荷する各キャリブレーション対象の軸受については、測定作業としては、無負荷で回転させてセンサユニット20の出力を測定するだけで、後は、前記換算係数K2および補正係数K3を用いて計算のみで荷重推定係数K1を算出する。
【0040】
すなわち、このキャリブレーション方法では、概要を説明すると、キャリブレーション対象の軸受につき、無負荷の状態で各センサユニット20またはその各歪み検出素子22A,22Bの振幅値を計算し、全てのセンサユニット20またはその各歪み検出素子22A,22Bの平均値から軸受の初期予圧量を推定する。その推定した初期予圧量から、3軸荷重に対する各センサユニット20またはその各歪み検出素子22A,22Bの感度を推定し、荷重推定係数K1を導出する。
【0041】
図8の流れ図と共に、この実施形態のキャリブレーション方法を具体的に説明する。この方法は、大きくは、基準とするセンサ付車輪用軸受であるマスター軸受について、各出荷用のセンサ付車輪用軸受に共通に使用される補正係数K3および換算係数K2を求める補正係数等導出過程S1と、個々の出荷用のセンサ付車輪用軸受について行う過程(無負荷振幅値測定過程S2,初期予圧推定過程S3、荷重推定係数決定過程S4)とでなる。マスターとなるセンサ付車輪用軸受つき行う補正係数等導出過程S1は、マスター軸受荷重負荷過程S1a、換算係数算出過程S1b、および補正係数算出過程S1cを含む。
【0042】
マスター軸受荷重負荷過程S1aでは、軸受の初期予圧量が既知で互いに異ならせた複数のマスター軸受を準備する。例えば、初期予圧量が最大値となるマスター軸受Aと、初期予圧量が最小値となるマスター軸受Bとを準備する。なお、符号A,Bは、文言での説明上の区別のために付した符号であり、図には表示していない。前記マスター軸受A,Bは、初期予圧量が異なる他は、出荷用のセンサ付車輪用軸受と同じ構成であり、例えば
図1〜
図4と共に前述したセンサ付車輪用軸受を用いる。初期予圧量は、
図9にFpre で示す純アキシアル荷重の量である。このように準備した各マスター軸受A,Bにつき、前記直交3軸荷重が負荷可能な試験機(図示せず)を用いて前記3軸荷重Fx ,Fy ,Fz を負荷する。なお、これについては、従来の各出荷用のセンサ付車輪用軸受に行っていた試験と同様である。
【0043】
換算係数算出過程S1bでは、上記の3軸荷重を負荷した各マスター軸受A,Bにおけるセンサユニット20の出力を用い、センサユニット20の出力を初期予圧量へ換算する換算係数K1を求める。各マスター軸受A,Bは、初期予圧量がそれぞれ最大値および最小値であり、初期予圧量が既知である。この既知の初期予圧量と、3軸荷重を負荷した状態での各マスター軸受A,Bのセンサユニット20の出力との比、(初期予圧量)/(センサユニット出力)を前記換算係数K2とする。
【0044】
補正係数算出過程S1cでは、センサユニット20の出力と前記3軸荷重との関係につき、初期予圧量の影響を考慮する補正値K3を算出する。この算出は、前記3軸荷重を負荷したマスター軸受A,Bのセンサユニット20の各出力から、初期予圧量の相違によってどのようにセンサユニット20の出力に影響するかを算出して求める。
同じ3軸荷重を負荷しても、マスター軸受A,Bは初期予圧量の違いによってセンサユニット20の出力に相違が生じる。例えば、
図11に示すように、初期予圧量が最大のマスター軸受A(初期予圧量FpreA)では、センサユニット20の出力がVaであった場合、初期予圧量が最小のマスター軸受B(初期予圧量FpreB)では、センサユニット20の出力がVbとなる。この関係から、センサユニット20の感度が
図10のように予圧量に比例すると仮定して、次式により、
図11の曲線の傾きで示される補正係数K3を求める。
K3=(Va−Vb)/(FpreA−FpreB)
【0045】
上記のように、マスター軸受A,Bを用いて、予め換算係数K2と、補正係数K3とを導出しておき、出荷する個々のセンサ付車輪用軸受については、次の各過程S2〜S4により、無負荷でセンサユニット20の出力を測定するだけで、計算により荷重推定係数K1を求める。
【0046】
無負荷振幅値測定過程S2では、出荷用のセンサ付車輪用軸受について、無負荷状態で数回転させ、センサユニット20の出力の振幅値を測定する。すなわち、実際にキャリブレーションしたいセンサ付車輪用軸受について、無負荷条件で回転させている状態でのセンサユニット20の出力の振幅値を測定する。このセンサユニット20の出力の振幅値には、キャリブレーション対象のセンサ付車輪用軸受に設置された全てのセンサユニット20の出力の振幅の平均値、またはこれら全てのセンサユニット20が持つ全ての歪み検出素子22の振幅の平均値とする。このように、無負荷条件という1点のみの荷重条件で測定する。
【0047】
なお、各センサユニット20は、それぞれ2つの歪み検出素子22A,22Bを有しており、センサユニット20は車輪用軸受100の上下左右の4箇所に設けられているが、例えば、それぞれの歪み検出素子22A,22Bの実効値またはピークツウピーク値を各センサユニット20の出力する振幅値とする。この代わりに、センサユニット20内の隣合う2つの歪み検出素子22A,22Bの差分の実効値またはピークツウピーク値を、各センサユニット20の出力する振幅値としても良い。
【0048】
初期予圧量推定過程S3では、前記換算係数算出過程S1bで求めた前記換算係数K2を、無負荷振幅値測定過程S2で測定したセンサユニット20の出力に乗じることにより、出荷用のセンサ付車輪用軸受の初期予圧量を推定する。すなわち、次式、
(初期予圧量)=(換算係数K2)×(センサユニット出力)
により、初期予圧量を算出する。
【0049】
荷重推定係数決定過程S4では、前記補正係数算出過程S1cで求めた補正係数K3を適用し、基本の荷重推定係数K1
0 に補正係数K2を乗算して、出荷する個々のセンサ付車輪用軸受の荷重推定係数K1を決定する。すなわち、次式、
(荷重推定係数K1)=(補正係数K3)×(基本の荷重推定係数K1
0 )
により、荷重推定係数K1を決定する。
このように決定した荷重推定係数K1を、センサ付車輪用軸受における荷重推定手段33の荷重推定係数設定手段33に設定する。
【0050】
このように、予めマスター軸受A,Bの2つのサンプルにつき、3軸方向の荷重を測定しておけば、実際に測定してキャリブレーションしたいセンサ付車輪用軸受については、無負荷状態での1点のみのセンサユニット20の出力を測定すれば、計算によりそのセンサ付車輪用軸受に固有の荷重推定係数K1を決定することができる。
【0051】
このキャリブレーション方法を適用することにより、全てのセンサ付車輪用軸受に対して3軸方向の荷重を負荷する大掛かりなキャリブレーション作業を行うことが不要であり、キャリブレーション作業のサイクルタイム低減に繋がる。出荷前のセンサ付車輪用軸受は、上記のように無負荷状態で測定すれば良いため、従来のように出荷前のセンサ付車輪用軸受に大荷重を印加するという問題も解消される。また、センサユニット20の出力から直接に初期予圧量を推定できるため、より正確に予圧を管理することが可能となる。
【0052】
また、出荷するセンサ付車輪用軸受については、無負荷状態で測定すれば良いため、前記各過程S2〜S4において、次のように簡易に処理が行える。
すなわち、無負荷状態での転動体荷重の大きさは、全ての転動体5で同じとなる。したがって、全てのセンサユニット20で同じ出力となる。このため、無負荷回転状態での全てのセンサユニット20の出力の振幅値の平均を算出し、各センサユニット20の感度ばらつきは、上記振幅値の平均で補正すれば良い。より具体的には、全てのセンサユニット20の歪み検出素子22A,22Bの振幅値の平均を算出し、その平均で補正する。上記振幅値の平均から、予め求めたセンサユニット20の出力の振幅値と初期予圧量(純アキシアル荷重)の関係から、初期予圧量を算出する。このように求めた初期予圧量に応じて荷重換算式(具体的には荷重換算式における荷重推定係数)を補正する。
【0053】
実測例を参考として
図12,
図13に示す。各図は、初期予圧量を最大とした場合と、最小した場合につき、センサ付車輪用軸受に軸方向の荷重を印加した時の各センサユニット20の出力(振幅値)をそれぞれ示す。同図に示すように、同じ荷重を負荷しても、初期予圧量によってセンサユニット20の感度が異なることが分かる。この関係を把握しておくことで、初期予圧量から荷重に対するセンサユニット20の感度を補正できることが分かる。