【課題を解決するための手段】
【0040】
(a)厚すぎず薄すぎない好ましいSEI生成物層、(b)優れたアノード性能及び(c)優れたアノード寿命などを達成するというバランスは、特定構造の電気活性物質又は電気活性粒子を、ビニル基を含む環状カーボネート、ハロゲン化環状カーボネート又はそれらの混合物を特定の量用いることで達成される。好ましくは前記構造化電気活性物質又は電気活性粒子は、構造化シリコン材料又はシリコン含有粒子であるか、それを含むものである。好ましくはビニル基を含む前記環状カーボネートは、ビニレンカーボネート,メチルビニレンカーボネート,エチルビニレンカーボネート,プロピルビニレンカーボネート,フェニールビニルカーボネート,ジメチルビニレンカーボネート,ジエチルビニレンカーボネート,ジプロピルビニレンカーボネート,ジフェニールビニレンカーボネート,ビニルエチレンカーボネート及び4,5−ジビニルエチレンカーボネートを含む群から選択される。ビニルエチレンカーボネート,ジビニルエチレンカーボネート及びビニレンカーボネートが好ましい。さらに、ハロゲン化環状カーボネートは適切に、限定されるものではないが、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,4−フルオロ−5−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,4,5−ジクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,テトラクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,4,5−ビストロフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン,4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン,4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン,4−メチル−5,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,4−エチル−5,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,4−トリフルオロメチル−5−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,4−トリフルオロメチル−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン,4−フルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン,4,4−ジフルオロ−5−(1,1−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン,4,5−ジクロロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン,4−エチル−5−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,4−エチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,4−エチル−4,5,5−トリフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,4−フルオロ−4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オンを含む群から選択される。フッ化環状カーボネート及びその混合物が好ましい。フルオロエチレンカーボネート(4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン)(FEC)及びジフルオロエチレンカーボネート(4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン)(DFEC)が特に好ましい。
【0041】
特に、(a)厚すぎず薄すぎない好ましいSEI生成物層、(b)優れたアノード性能及び(c)優れたアノード寿命などを達成するというバランスは、特定構造のシリコン材料又は粒子を、VCの存在下で、及び場合によりまた1つ又は2つのフッ化エチレンカーボネート(即ちFEC)及び/又はジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)を特定の量用いることで達成される。
【0042】
特にここで記載される構造化シリコン材料などの構造化電気活性物質は知られている。特に本発明により使用される構造化シリコンは一般的に知られたものであるが、このうちの特定の構造化シリコン材料であって上記添加剤を上記バランスを達成するために使用する構造化シリコン材料については全く新規なものである。
【0043】
本発明の第一の側面はリチウムイオン再充電可能電池セルであり、前記リチウムイオン再充電可能電池セルは:
−以下(a)から(i)から選択される電気活性物材料−粒子;
(a)粒子であり、前記粒子表面上に、例えば、ピラー、ナノワイヤ又は類似の突出物などの伸長構造である、離間構造エレメントを持ち、前記表面上の前記構造エレメントの最小寸法が10μm以下、特に1000nm以下、好ましくは少なくとも50nm、より好ましくは少なくとも100nmであり、アスペクト比(前記エレメントの最大寸法と最小寸法との比として定める)が1を超え、最も好ましくは5である、
(b)粒子であり、少なくとも1つのボイドを有し、それぞれのボイドが1以上の壁で定められ、前記壁の厚さは≧10nm、好ましくは≧50nmである、
(c)粒子であり、粒子断片を含み、前記断片は少なくとも1つのボイドを有し、それぞれのボイドが1以上の壁で定められ、前記壁の厚さは≧10nm、好ましくは≧2−30nm、より好ましくは≧50nmである、
(d)粒子であり、最小寸法が少なくとも10nm、好ましくは≧20から30nm、好ましくは少なくとも50nm、例えば10から500nm、好ましくは50から500nmであり、アスペクト比(最小寸法の最大寸法との比として定める)が少なくとも5、最適には少なくとも10及び場合により少なくとも100である、
(e)粒子であり、ナノロッドの柱状束を有し、前記束が直径50から100nmであり、長さ2から5μmであり、それぞれのナノロッドの直径が少なくとも10nmである、
(f)フェルト構造であり、上記(d)で定められる粒子から形成される、
(g)足場構造であり、上記(d)で定められる粒子から形成される、
(h)以下で定められる基板粒子、
(i)又はこれらの混合物、
−電気化学的にリチウムを挿入しかつまた放出することができる活性物質を含むカソードで、及び
−電解質を含み、前記電解質が0から8重量%のビニル基を含む環状カーボネートと0から70重量%のフッ化環状カーボネートを含み、ただしビニル基を含む環状カーボネートとフッ化環状カーボネートの全量が前記電解質の全量に対して3.5重量%から7重量%の範囲である。
【0044】
構造化電極材料
用語「電気活性物質」とは、材料であって、リチウム、ナトリウム、カリウム又はマグネシウムなどの金属イオン電荷キャリアを、電池の充電段階及び放電段階で、その構造中に取り込みかつ実質的にその構造から放出できる材料を意味すると理解されるべきである。好ましくは前記材料はリチウムを挿入しかつ放出し得るものである。
【0045】
電気活性物質含有粒子には適切には、限定されるものではないが、Si,Sn,Ge,Ga,Se,Te,B,P,BC,BSi,SiC,SiGe,SiSn,GeSn,WC,SiO2,TiO2,BN,Bas,AIN,AlP,AlAs,AlSb,GaN,GaP,GaAs,GaSb,InN,InP,InAs,ZnO,ZnS,ZnSe,ZnTe,CdS,CdSe,CdTe,HgS,HgSe,HgTe,BeS,BeSe,BeTe,MgS,MgSe,GeS,GeSe,GeTe,SnS,SnSe,SnTe,PbO,PbSe,PbTe,CuF,CuCl,CuBr,CuI,AgF,AgCl,AgBr,AgI,BeSin
2,CaCN
2,ZnGeP
2,CdSnAs
2,ZnSnSb
2,CuGeP
3,CuSi
2P
3,Si
3N
4,Ge
3N
4,Al
2O
3,Al
2CO,C又はそれらの混合物を含む群から選択されるものである。
【0046】
ここで意味する構造を形成するために使用される電気活性物質には、p−タイプ又はn−タイプドーパントなどのドーパントもまた含まれる。ドーパントは適切には、前記材料構造中に含まれて前記材料の導電性を改良する。シリコンへのp−タイプドーパントの例は、B,Al,In,Mg,Zn,Cd及びHgが挙げられる。シリコンへのn−タイプドーパントの例は、P,As,Sb及びCが挙げられる。
【0047】
電気活性物質の粒子を含むアノードの導電性はまた、前記構造中に化学添加剤を含ませることでも強化され得る。これにより抵抗性を低減しまた導電性を改善する。
【0048】
前記粒子の導電性又は前記粒子を含むアノード材料の導電性はまた、前記粒子又は前記粒子を含む材料上に導電性材料を、前記粒子を形成するために使用される電気活性物質よりもより高い導電性を持つ電気活性物質でコーティングすることでも強化することができる。適切な導電性材料には、金属又は合金であって、銅又はカーボンなどのセルコンポーネントと適合するものである。
【0049】
用語「シリコン含有電気活性物質」とは、電気活性物質であって、シリコンをその構造内に含むものを意味すると、理解されるべきである。シリコン含有電気活性物質は90%を超える純度を持つことができる。シリコン含有電気活性物質は適切には99.99%未満の純度を持つシリコンを含むことができる。好ましくは、シリコン含有電気活性物質は、90から99.99%の純度、好ましくは95から99.99%の純度、より好ましくは99.90%から99.99%の純度、特に好ましくは99.95%から99.99%の純度を持つシリコンを含むことができる。シリコン含有電気活性物質はまた、シリコンと鉄及び銅などとの金属合金を含み得る。これらの金属はリチウムなどの電荷キャリアが電池の充電段階及び放電段階で前記金属合金中に挿入・放出することを妨げないものである。以下説明するように、シリコン含有電気活性物質はまた、電気活性又は非電気活性コア上に1以上のシリコンコーティングを持つ構造、又はシリコンコアとそれへ適用された1以上のコーティングを持つ構造を含むことができ、それぞれのコーティング層の構造はコーティングされる前の層又はコアの組成(前記コアはコーティング層に先行する)とは異なるものである。
【0050】
用語「シリコン含有電気活性物質」とは、スズ、ゲルマニウム、ガリウム及びそれらの混合物などの電気活性物質をも意味するものと、理解されるべきである。この意味で、電気活性物質及び他のシリコン構造の意味は、スズ、ゲルマニウム、ガリウム及びその混合物から形成される同様の粒子及び構造をも意味するものと、理解されるべきである。しかし、シリコンを含む電気活性物質が好ましいことは理解されるべきである。
【0051】
上記のように、構造化電気活性物質は電気活性物質を含む粒子から製造され、それはアノード活性物を与え、これは開いた構造(即ち、アノード活性物内に空間を有する)を持ち、SEIの成長を可能とし、かつ充電段階(即ち、アノードのリチウム化段階)で前記アノード内で前記電気活性物質が膨張することを可能とするものである。前記アノード活性物の開いた構造は前記粒子自体から生じるものであってよい。例えば、粒子表面にピラー又は類似の突出物などの構造エレメントを持つことができ、これによりエレメント間に空間を与えこれによりSEIの成長及びリチウム化段階でのシリコンの膨張を可能とする。
【0052】
特に構造化電気活性物質はシリコンコーティング粒子からなる構造化シリコン材料であり、アノード活性物を与えこれは開かれた(即ち、前記体間に空間を有する)構造であり、これによりSEI成長を可能とし、アノードの充電(即ち、リチウム化)の際のアノード膨張を可能とする。前記開かれた構造は前記粒子自体から生じるものであってよい。例えば、粒子表面にピラー又は類似の突出物などの構造エレメントを持つことができ、これによりエレメント間に空間を与えこれによりSEIの成長及びリチウム化段階でのシリコンの膨張を可能とする。
【0053】
他の実施態様では、それぞれの粒子は構造中にボイドを含み、該ボイドは前記粒子が、ここで意味するピラー化粒子と同様の機能を満たすことを可能にする。
【0054】
または、前記粒子は次のように形状化され得る。即ち、SEIの成長のために粒子間に空間を提供し、かつアノードの集電体上に堆積される際に、リチウム化段階で電気活性物質の膨張を可能とするように、である。かかる粒子は通常細長く、アスペクト比(最小と最大寸法の比)が少なくとも5及び場合により少なくとも10、例えば少なくとも25又は少なくも100である。
【0055】
特に前記粒子は、次のように形状化され得る。即ち、SEIの成長のために粒子間に空間を提供し、かつアノードの集電体上に堆積される際に、リチウム化段階で電気活性物質の膨張を可能とするように、である。かかる粒子は通常細長く、アスペクト比(最小と最大寸法の比)が少なくとも5及び場合により少なくとも10、例えば少なくとも25である。上記の第一の場合(即ち、構造化エレメントを含む粒子)、構造化エレメントの最小寸法は少なくとも50nm、好ましい少なくとも100nm及び10μm以下である。構造化エレメントは好ましくは、アスペクト比(前記エレメントの最小寸法に対する最大寸法の比)が1を超え、最も好ましくは少なくとも5であり、これにより電気活性物質内の長距離間接続が改良されることとなる。構造化電気活性物質粒子の最大寸法(好ましくは離間構造エレメントを表面上に持つシリコン粒子である)は好ましくは60μm未満、最も好ましくは30μm未満である。該粒子が2つ以上の寸法においてこれらよりも大きい場合には、前記カソード寸法に適合する層厚さのセルアノードの製造が困難となる。
【0056】
本実施態様で、再充電可能電池セルに含むための種々の構造化材料及び粒子のサイズ、成分及び形状について説明した。これらの材料及び/又は粒子は再充電可能電池セルに、前記粒子の少なくとも50%(重量%)がここで説明したサイズの範囲、成分又は形状を有するものであり、場合により少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%例えば95%がそうである。
【0057】
特に記載されない限り、ここで示された全てのパーセントは重量%である。上記の構造エレメントであり、最小寸法が少なくとも0.01μm、例えば少なくとも0.05μm、アスペクト比が少なくとも5である構造エレメントとして、ファイバ、ワイヤ、ナノワイヤ、スレッド、ピラー、チューブ及びロッドなどの細長い構造が挙げられる。これらの細長い構造は適切に、複合電極材料へ成形され、リチウムイオン電池のアノードを形成するための集電体へ層として適用され得るものである。
【0058】
上で示したように、細長い構造は場合によりフェルト形状で提供され得る。ここで細長い構造がランダムに縺れ合った結果、複合電極又はアノード材料中で接続ネットワークを形成することとなる。例えば、複合体内の細長い構造間での多重交差形成などである。又は、細長い構造は足場構造へと形成され得る。これは細長い構造が相互に接続された3次元配置を含む。
【0059】
用語「複合電極材料」とは、混合物を含む材料を意味し、該混合物は実質的に均一混合物であり、1以上の電気活性物質と少なくとも1以上のさらなる成分を含み、該成分は、限定されるものではないが、バインダ、導電性材料、粘度調節剤、フィラー、架橋促進剤、カップリング剤及び接着促進剤を含む群から選択されるものが挙げられる。前記複合体の成分は適切に混合され均一な複合電極材料を形成し、これをコーティング剤として基板又は集電体上に適用し複合電極を形成する。好ましくは、複合電極材料の成分は溶媒を用いて混合され電極混合物を形成する。前記電極混合物はその後基板又は集電体へ適用され乾燥されて複合電極材料を形成する。複合電極材料は適切に、集電体上に接着性物の形で与えられ、それにより材料の成分の秩序は、前記複合材料を含む電池の100回の充電放電サイクルに対しても維持されることとなる。好ましくは、複合電極材料は多孔性であり、液体電解質が複合体へ浸透し、電気活性物質の表面の少なくとも一部を濡らすことができる、ものである。複合体の多孔性は次のように定められ得る。即ち、前記液体電解質が接近・浸透可能な複合体に含まれるボイド空間の総容積を、前記複合体の全要容積に対するパーセントで表現されたものである。前記多孔性は水銀多孔度測定方法で測定され得る。前記複合体は多孔度を少なくとも5%、好ましくは少なくとも20%有するものである。多孔度は80%未満、好ましくは60%以下である。最も好ましい多孔度は25−50%の範囲である。
【0060】
用語「電極混合物」とは、キャリア又は溶媒としてのバインダの溶液中の電気活性物質のスラリー又は分散物を含む組成物を意味するものと理解されるべきである。また、溶媒又は液体キャリア中の、電気活性物質及びバインダのスラリー又は分散物を意味すると理解されるべきである。
【0061】
以下に、上記説明された構造化シリコン粒子の例(ただしこれらに限定されるものはない)の幾つかを示す。本特許出願は構造化シリコン粒子のみに限定されることはなく、ここで記載された他の電気活性物質の構造化粒子又はエレメントへ拡張される、ということは理解されるべきである。
・シリコン系ファイバ、直径が少なくとも10nm、好ましくは少なくとも30nmおよびさらに好ましくは少なくとも50nmである。好ましくは本発明の第一の側面のシリコン系ファイバは、直径10から500nm、好ましくは10から250nm、より好ましくは50から250nm及び特に好ましくは80から200nmのものである。これらのシリコン含有ファイバは好ましくは長さが、少なくとも500nm、好ましくは少なくとも1μm、及び好ましくは500μm以下である。長さ1から150μm、好ましくは1から80μm及び特に5から60μmのものは、本発明の第一の側面によるセルの製造に適切に使用される。また、このファイバはフェルトへ又はフェルトなどを含む足場へ形成され得る。該ファイバはまた、コア−シェルの細長い構造のコアを形成することができる。例えば外側に導電性コーティングされたシリコン系ナノワイヤ、又は導電性チューブ構造(即ちカーボンナノチューブ)でチューブ内部にシリコン系材料を含む(即ち、シリコン含有チューブ)ものである。ここで定める寸法を持つ他の電気活性物質のファイバ(即ち、例えば、スズコーティングチューブ、ガリウムコーティングチューブ)もまた、本発明に含まれる。
・シリコン系チューブ、壁厚が≧10nm、例えば≧50nm又は場合により≧100nmであり、長さが≧1μm,例えば≧2μmである。シリコン系チューブについては一般に3つの独立した寸法で定義される。第一の寸法(通常壁厚)が適切には、0.01μmから2μm、好ましくは0.05μmから2μm、より好ましくは0.08から0.5μmの範囲である。前記第二の寸法は適切には、前記第一の寸法の2.5倍と100倍の間であるべきである。第三の寸法は、前記第一の寸法の10倍と500倍との間である。前記第三の寸法は例えば、500μmである。シリコン以外の電気活性物質から形成されるチューブもまた本発明の範囲に含まれる。
・シリコン系リボン、厚さ50から200nm、例えば80から150nm、幅250nmから1μm、例えば500から800nm、及び長さ≧1μm、例えば≧5μmである。またかかるリボンを含むフェルト。シリコン系リボンはまた、3つの独立する寸法で定められる。第一の寸法は適切には、0.05μmから2μm、好ましくは0.08μmから2μm、より好ましくは0.1μmから0.5μmである。第二の寸法は適切には、第一の寸法の少なくとも2倍又は3倍である。第三の寸法の合計長さは5例えば500μm程度である。シリコン以外の電気活性物質から形成されるリボンもまた本発明の範囲に含まれる。
・シリコン系フレーク、厚さ50から200nm、例えば80から150nm、及び2つの他の寸法は、1から20μm、例えば3から15μmである。シリコン系フレークはまた、3つの独立した寸法で定められる。第一の寸法は適切には0.05から0.5μm、好ましくは0.08から0.2μm、より好ましくは0.1から0.15μmである。第二の寸法は適切には、第一の寸法の10倍から200倍の範囲である。第三の寸法は第一の寸法の10倍から200倍の範囲であるべきである。第三の寸法の総長さは、例えば500μm程度である。シリコン以外の電気活性物質から形成されるフレークもまた本発明の範囲に含まれる。
・シリコン系ピラー化粒子は、シリコン系粒子コア、直径5から25μm、例えば8から18μmを含み、かつシリコンピラーのアレイ、ロッド又はナノワイヤが該コアに付されている。前記ピラーは、直径少なくとも50nmから10μm以下、特に1000nm未満、好ましくは50から250未満、例えば100から200nmであり、長さが少なくとも0.5μmから200μm以下、好ましくは1から50μm、より好ましくは1から5μm、例えば2から4μmの範囲である。前記粒子のコアは、規則的であっても不規則的断面であってよく、球状又は非球状であってよい。シリコン系ピラー化粒子の最大直径は一般に40μm未満例えば30μm未満である。シリコン以外の他の電気活性物質から形成されるピラー化粒子も本発明の範囲に含まれる。
・シリコン以外の粒子コアを含むシリコン含有粒子、前記コアは直径5から25μm、例えば8から18μmであり、該コアに付されたシリコン含有ピラー、ナノワイヤ、又はロッドを持つ。前記ピラーは、長さが少なくとも0.5μmから200μm以下、好ましくは1から100μmの範囲、より好ましくは1から50μmの範囲である。前記ピラーの平均直径は好ましくは1000nm未満、より好ましくは250nm未満である。粒子コアは規則的又は不規則的断面であってよく球状又は非球状であり得る。組み込まれた構造化された粒子の最大寸法は一般的に40μm未満、例えば30μm未満となる。
・シリコン含有粒子コアを含む粒子、前記コアが直径5から25μm、例えば8から18μmであり、該コアに、シリコン以外の電気活性物質から形成されるピラーのアレイを持ち、前記ピラーが直径10から500nm、好ましくは50から250nm、例えば100から200nmであり、長さが1から5μm例えば2から4μmである。粒子コアは規則的又は不規則的断面を持ってよく、球状又は非球状であってよい。組み込まれた構造粒子の最大寸法は一般的に40μm未満例えば30μm未満である。
・シリコン含有多孔性粒子、シリコン系粒子を含み、その中に多くのボイド又はポアを持つ。隣接するポア間の壁の少なくともいくつかは厚さ≧10nm、好ましくは≧20nm、≧30nm又は≧50nm、例えば≧75nmであり、長さは≧100nmを超えて伸びており、例えば≧150nmであり、多孔性粒子の直径は1から30μm、例えば5から20μmである。好ましくは本発明のセルに含まれる多孔性粒子は主直径が1から15μm、好ましくは3から15μmの範囲であり、直径が1nmから1500nm、好ましくは3.5から750nm及び特に好ましくは50nmから500nmの範囲の直径のポアを含む。シリコン以外の他の電気活性物質から形成される多孔性粒子も本発明の範囲に含まれる。
・シリコン系多孔性粒子断片、前記断片はシリコン含有多孔性粒子から得られる。好ましくはシリコン系多孔性粒子断片は、多孔性粒子断片を含み、最大寸法が少なくとも1μm、好ましくは少なくとも3μmであり、ポア壁厚さは少なくとも0.01μm、適切には0.05μm、好ましくは少なくとも0.1μmである。多孔性粒子断片の直径は、1から40μmの範囲、好ましくは1から20μm、より好ましくは3から10μmの範囲である。シリコン以外の他の電気活性物質から形成される多孔性粒子の断片も本発明の範囲に含まれる。
・シリコン含有ナノロッド構造、シリコン含有柱状束を含み、直径が50から100nmの範囲、及び長さが2から5μmの範囲である。構造中のそれぞれのナノロッドは直径が少なくとも10nmを持つ。
・ここで記載のシリコン含有基板及びシリコン以外の電気活性物質から形成される基板粒子はまた、本発明の範囲に含まれる。
・ここで記載のシリコン含足場構造及びシリコン以外の電気活性物質から形成される足場構造はまた、本発明の範囲に含まれる。
【0062】
用語「ファイバ」とは、ワイヤ、ナノワイヤ、スレッド、フィラメント、ピラー及び以下説明するロッドを含む意味であり、これらの用語は交換可能に使用される、ということを理解されるべきである。しかし、本発明の用語「ピラー」は、ファイバ、ワイヤ、ナノワイヤ、スレッド、フィラメント又はロッドであって、粒子基板の1つの端に付されているような構造を記載するために使用されるものである、ということは理解されるべきである。ファイバ、ワイヤ、ナノワイヤ、スレッド及びフィラメントは1つの実施態様では、付されていた基板からピラーを剥がして得ることができるものである。
【0063】
シリコン系フィラメント、ワイヤ、ナノワイヤ、スレッド、フィラメント、ピラー及びロッドにつきここで具体的に説明する。シリコン以下の電気活性物質から形成されるフィラメント、ワイヤ、ナノワイヤ、スレッド、フィラメント、ピラー及びロッドもまた、本発明の範囲に含まれる。さらに、用語「シリコン系フィラメント、ワイヤ、ナノワイヤ、スレッド、フィラメント、ピラー及びロッド」とは、細長いエレメントであり、2つの小さい寸法と1つの大きな寸法で定義されるものであり、前記大きい寸法と小さい寸法とのアスペクト比が通常5:1から1000:1の範囲のものである、という意味で理解されるべきである。この意味で、該用語はそれぞれ交換可能に使用され得る。分枝した構造は主軸に付される枝の数に応じて、バイポッド、トリポッド又はテトラポッドなどと参照される。
【0064】
上記において、用語「ナノワイヤ」とは、次のエレメントを意味するものとして理解されるべきである。即ち、直径が1nmから500nmの範囲で、長さが0.1μmから500μmの範囲であり、アスペクト比が10を超え、好ましくは50を超え、特に好ましくは100を超えるものである。好ましくはナノワイヤは直径が20nmから400nmの範囲、より好ましくは20nmから200nmの範囲、特に100nmである。本発明の組成物に含まれるナノワイヤの例はUS2010/0297502及びUS2010/0285358に開示されている。
【0065】
用語「ピラー化粒子」とは、粒子コアと該コアから伸びている複数のピラーを含む粒子を意味するものとして理解されるべきである。ピラー化粒子は直接集電体に適用され得る。又は複合電極材料中に含まれ、ネットワーク中で別の粒子として又はこれらの混合物として提供され、該ネットワーク中では、1つの粒子のピラーが重なるか又は直接他の粒子のピラーと接続される。ピラー化粒子は最も好ましくは、複合電極材料中で別々の粒子の形で与えられ、充電及び放電サイクル段階で、前記電極材料中の他のピラー化粒子の膨張・収縮に何らの影響を与えることなく、膨張し収縮できるものであり、これにより相当な数の充電及び放電サイクルにわたり電極材料の導電性維持に寄与することができる、というものである。
【0066】
用語「多孔性粒子」とは、その内にボイドまたはチャンネルのネットワークを含む粒子を意味する、ものと理解されるべきである。これらのボイド又はチャンネルは、粒子表面から前記粒子内部へ伸びているチャンネルと同じく、粒子の総容積内で閉じているか又は部分的に閉じているボイド又はチャンネルをも含むものである。多孔性粒子は通常、実質的に球形状かつ相対的になめらかな表面形態により特徴的である。多孔性粒子に関して定義される用語「ポア」、「チャンネル」とは、これらのボイド又はチャンネルは、粒子表面から前記粒子内部へ伸びているチャンネルと同じく、粒子の総容積内で閉じているか又は部分的に閉じているボイド又はチャンネルをも含むものを意味するものとして、理解されるべきである。ポア及び/又はチャンネルのネットワークは適切には、前記粒子内を通じる3次元のポア及び/又はチャンネル配置を含み、その中でポア及び/又はチャンネル開口部が多孔性粒子の表面上の2以上の平面上に与えられるものである。多孔性粒子は通常主直径が1から30μmの範囲、好ましくは1から15μmの範囲、より好ましくは3から15μmの範囲であり、直径1nmから1500nm、好ましくは3.5から750nm、特には50nmから500nmの範囲のポアを含む。かかる粒子は通常、シリコン粒子又はウェハのステインエッチングなどの技術を用いて製造され、又はシリコン合金例えばシリコンとアルミニウム合金の粒子のエッチングにより製造される。かかる多孔性粒子の製造方法は着られており例えばUS2009/0186267,US2004/0214085及びUS7,569,202に記載されている。
【0067】
用語「多孔性粒子断片」とは、シリコン含有多孔性粒子からの全ての断片を意味するとして理解されるべきである。かかる断片には、実質的に不規則な形状及び表面形態を持つ構造が含まれ、これらの構造は、該断片が得られる前記多孔性粒子内のポア又はポアのネットワークを定め又は境界を当初定めていたシリコン材料から得られ、断片自体はポア、チャンネル又はポア又はチャンネルのネットワークを含むことはない。かかる断片は以後フラクタルと参照する。これらのフラクタル構造(ポア、チャンネル又はポア又はチャンネルのネットワークが欠けた)の表面形態は、当初のシリコン構造により境界付けられていたポア又はチャンネル又はポア又はチャンネルのネットワークからのぎざぎざや不規則性を含み得る。これらのフラクタル断片は通常、その表面上に伸びるピークや谷の存在で特徴付けられ、スパイク状の外観を持つ粒子を含み、また粒子の表面から伸びる複数のリッジを含む外観を持つ粒子を含む。該ピークはピーク高さ及びピーク幅で特徴付けられる。ピーク高さはピークの底部(ピークが前記フラクタルの本体の合流する位置)とピークの頂上との距離として定義される。ピーク幅はピークの1つの側と他の半分高さでの最小距離として定義される。用語「電気活性物質含有多孔性粒子断片」とはまた、多孔性断片であって、シリコン含有壁により分離され定められたポア及び/又はチャンネルのネットワークを含む多孔性断片を意味する。これらの断片はポア含有断片として参照する。多孔性粒子断片自体と同様に断片が得られる多孔性粒子に関する用語「ポア」又は「チャンネル」とは、粒子表面から前記粒子内部へ伸びているチャンネルと同じく、粒子の総容積内で閉じているか又は部分的に閉じているボイド又はチャンネルを意味するものとして理解されるべきである。多孔性粒子断片に含まれるこれらのポア及び/又はチャンネルはまた、規則的形状及び表面形態により特徴付けられる。対照的に、断片が得られる多孔性粒子は実質的に球状の形状及び相対的になめらかな表面で特徴付けられる。フラクタル及び多孔性粒子断片を含むポアは以後一緒に説明され、まとめてシリコン含有多孔性粒子断片と参照される。
【0068】
フェルトは、電気活性物質のファイバ特にシリコンファイバが共に結合し合いマットを形成した構造である(例えばWO2009/010757に記載)か、又は多重の交差を持つファイバの相互結合されたネットワークを形成するためのランダム又は非ランダムに配置されたものである。非結合フェルト構造はまた、本発明の範囲に含まれる。ピラー化粒子はWO2009/010758に開示されている。ピラーは、WO2007/083152,WO2007/083155,WO2010/040985及びWO2010/040986に開示される方法で粒子をエッチングして生成され得る。ファイバは上記のように基板上又は粒子上をエッチングしてピラー化し、該基板からピラーを引き剥がすことでファイバを形成する(例えば超音波)。特に好ましい構造粒子はシリコンファイバ又はシリコンピラー化粒子であり、アノード構造内でシリコン−シリコン結合を生成して電極構造を強化できる。
【0069】
電気活性多孔性粒子は、種々の方法で製造でき、例えばUS7569202,US2004/0214085,US7244513及びPCT/GB2010/000943が参照できる。シート状の粒子例えばフレーク及びリボン状粒子はWO2008/139157に記載の方法で製造され得る。
【0070】
用語「足場」とは、ファイバ、ワイヤ、ナノワイヤ、スレッド、ピラー、ロッド、フレーク、リボン及びチューブをなどから選択される1以上の構造エレメントの3次元配置を意味し、かかる構造は接触する点で共に結合されているものである。この構造エレメントは、3次元配置でランダム又は非ランダムに配置され得る。3次元足場は、シリコン、スズ、ゲルマニウム又はガリウムなどの電気活性物質を含むコアを持つコーティングされた又はコーティングされていない構造を含み得る。又は足場はヘテロ構造であってよく、3次元配置構造であって電気活性物質又は非電気活性物質系足場材料を含み、これが小さな島、ナノワイヤ又は前記足場が形成された電気活性物質とは異なる組成を持つ電気活性物質のコーティング上に堆積されるものを含む。好ましくは、このタイプの足場は、カーボンファイバのネットワーク、スレッド、ワイヤ又は小さな島を有するナノワイヤ、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム、スズ又はこれらの合金又はこれらの混合物などの電気活性物質でコーティングされた薄膜を含む。足場はシリコン系コーティングを含む場合、1以上の追加のコーティング層がさらに適用されてよい。コーティング層は連続的に実質的に全ての足場構造表面に適用されてよい。又はコーティング層は不連続であってよく、足場構造の表面のある領域のコーティングが存在しないことで特徴付けられてもよい。1つの実施態様で、コーティング材料はランダムに分配されてよく、又はある一定のパターンで足場構造上の表面に分配されてもよい。本発明のバインダ組成物中の含まれ得る足場構造の例はUS2010/0297502に開示されている。
【0071】
本発明の電池セルの製造に使用される複合電極材料中に含まれる、粒子、チューブ、ワイヤ、ナノワイヤ、ファイバ、ロッド、シート及びリボン及び足場は、結晶性、ミクロ結晶性、多結晶性又はアモルファスであってよく、又はアモルファス構造中の結晶性又は多結晶性領域であってよい。これらの構造は例えばWO2009/010758に開示されるエッチング技術又はUS2010/0330419に開示の電子スピニングを用いて製造できる。又はこれらは例えばUS2010/0297502に開示される、触媒気相−液相−固相方法などの成長技術を用いて製造することができる。US2010/0297502に開示される方法を用いて、カーボン粒子基板などの導電性基板表面に、ナノ粒子、ナノワイヤ及びナノチューブを成長させることができる、ということは当業者には明らかである。
【0072】
チューブ、ナノワイヤ、ファイバ、ロッド、シート及びリボンなどの細長い構造はまた、基板に初めから成長させるか又はそこから刈り取ることができる。初めから成長させる構造は当業者に知られた技術で製造され得る。例えばJP2004-281317及びUS2010/0285358を参照できる。適切な技術の例には、例えばアニーリング又はインパクト技術を用いる基板への貼付けを含む。他の技術には、化学蒸着、物理蒸着、エピタキシャル成長、原子層堆積などが挙げられ、これらの技術は最初から成長させる結果となる。又は前記構造は上で説明したようなエッチング技術を用いても形成され得る。
【0073】
ワイヤ、ナノワイヤ、ファイバ、ロッド、ピラー、シート、リボン及びチューブが基板に付されている場合に、これらの構造の組成物は、該基板の組成物と同じであっても異なっていてもよい。
【0074】
用語「カーボン基板」とは、少なくとも50w/w%から100w/w%カーボンを含み、その上でのナノ粒子、ナナオワイヤ又はナノチューブなどの成長を支持するために使用され得る基板を意味するものと、理解されるべきである。電気活性粒子、ナノワイヤ、またはナノチューブのVLS成長のサポートのための基板として使用され得る炭素系材料の一例は、カーボンブラック、フラーレン、スート、グラファイト、グラフェン、グラフェン粉末、またはグラファイト箔を含む。適当なカーボン物質の例は、US2010/0297502に記載されている。
【0075】
用語「基板粒子」とは、粒子又は顆粒状基板上に形成された電気活性物質の分散物を含む粒子を意味するものとして、理解されるべきである。前記基板は電気活性物質であっても、非電気活性物質であってもよく又は導電性物質であってもよい。基板が電気活性物質である場合、それは適切に前記基板上に分散される電気活性物質の材料とは異なる組成物を持ち得る。好ましくは、粒子状又は顆粒状基板がカーボン系材料、例えばグラファイト、グラフェン又はカーボンブラックなどの導電性カーボンである。好ましくは、分散電気活性物質は、シリコン、ガリウム又はゲルマニウム又はそれらの混合物を含む群から選択される1以上である。好ましい基板粒子は、直径が1nmから500nm、好ましくは1から50nmの範囲の電気活性物質のナノ粒子であり、カーボン基板(基板粒子が直径5から40μm、好ましくは20μmを持つ)の粒子又は顆粒上に分散されているものである。シリコンが分散される電気活性物質として好ましい。シリコンナノ粒子により基板のカバー率は完全に又は不完全にであってよく、好ましくは不完全である。本発明の電気活性物質と組み合わせて使用され得る基板粒子の例は、US6589696に開示されている。用語「シリコン系」とは、ここで定める純度及び構造を持つシリコンを含む元素状シリコンなどのシリコン含有材料から、また同様にシリコンと、アルミニウム、スズ、銀、鉄、ビスマス、亜鉛、インジウム、ゲルマニウム、鉛、チタン及びそれらの混合物との合金からも形成される構造を含むものとして、理解されるべきである。
【0076】
用語「シリコン系」はまた、ここで定めたシリコン含有材料からほとんど完全に形成される構造と同様に、2以上の構造成分を含む構造もまた含むものである。前記2以上に構造成分とは、少なくとも1つの成分がその隣接する成分とは異なる組成を持つ材料から形成されるものである。この意味で、シリコン系粒子なる用語は、シリコン以外の材料からなるコアでそこに適用されたシリコン含有コーティングコアを含む構造も、シリコンコーティングされたコアに非シリコン含有コーティングが適用された構造も含まれる。
【0077】
用語「チューブ、ワイヤ、ナノワイヤ、スレッド、ピラー、ファイバ、ロッド、フィラメント、シート及びリボン」とは、コーティングされたかコーティングされていない細長いエレメントであり、例えばワイヤ、ナノワイヤ、スレッド、ピラー、ファイバ、ロッド、フィラメント、シート、チューブ及びリボンが挙げられるものを意味するものとして、理解されるべきである。非コーティング細長いエレメント、粒子、多孔性粒子及び多孔性粒子断片は、シリコン含有粒子、多孔性粒子、多孔性粒子断片には、シリコン含有粒子、多孔性粒子、多孔性粒子断片、ピラー化粒子、ワイヤ、ナノワイヤ、ファイバ、スレッド、ピラー、ロッド、フィラメント、シート、チューブ及びリボンであり、構造の断面を通じて均一な組成を持つものを含み、同様に粒子、多孔性粒子、多孔性粒子断片、ワイヤ、ナノワイヤ、ファイバ、スレッド、ピラー、ロッド、シート、チューブ及びリボンであってシリコン含有コア又は基本層を持ち、これらがシリコン含有材料を含みかつ第一のシリコン純度を持つコア又は基本層と、シリコン含有材料で第二のシリコン純度を持つ外層とを含むものであって、前記第二の純度が前記第一の純度とは異なる、ものをも含まれる。
【0078】
コーティング粒子、多孔性粒子、多孔性粒子断片、ピラー化粒子、基板粒子、ワイヤ、ナノワイヤ、ファイバ、スレッド、ピラー、ロッド、シート、チューブ及びリボンには、粒子、多孔性粒子、多孔性粒子断片、ピラー化粒子、基板粒子、ワイヤ、ナノワイヤ、ファイバ、スレッド、ピラー、ロッド、シート、チューブ及びリボンであって、シリコンなどの電気活性物質のコアを含みかつ1以上のコーティングがそこに適用されているもの、が含まれる。粒子、多孔性粒子、多孔性粒子断片、ピラー化粒子、基板粒子、ワイヤ、ナノワイヤ、ファイバ、スレッド、ピラー、ロッド、シート、チューブ及びリボンであって、シリコン以外のコアに1以上のシリコンなどの電気活性物質を含むコーティングが適用されているものも含まれる。コーティングが適用される場合には、適用される本発明油面を連続的にカバーするか、又は下地の暴露部分を部分的にのみカバーしてもよい。多重コーティングが適用される場合には、それぞれのコーティングは連続的又は不連続のいずれでもよく、前層により生成された暴露表面を完全に又は部分的に重なってもよい。
【0079】
多重層がコア又は下地表面(例えば基板)に適用される場合、それぞれのコーティング層が先行する層(又はコア又は基板であって、問題となるコーティングが最初のコーティング層である場合)とは異なる組成を持つことが好ましい(必須ではないが)。本発明のバインダ成分と混合可能な電気活性物質には、コアシェル構造、周りに1以上のシェル又は層を持つコアを含む構造を持つ1以上のエレメントを含み、それぞれのシェル又は層はその先行するシェルの組成とは異なる組成を持つ。
【0080】
疑いを避けるために、コーティング構造は次の構造を含むことができる。即ち、コアと1以上のコーティング層が電気活性物質を含む構造、コアが電気活性物質を含み全てのコーティング層が非電気活性物質から形成される構造及びコアが非電気活性物質を含み、1以上のコーティング層が電気活性物質から形成される、構造である。1以上の電気活性コーティング層が適用された電気活性物質コアを含む構造もまた含まれる。ここで参照される粒子及び細長いエレメントが電気活性物質のコーティングを含む場合に、これらのコーティングされた細長いエレメントのコア及び粒子は、カーボン、好ましくはハードカーボン又はグラファイト、電気活性セラミックス材料又はシリコン、スズ、ゲルマニウム、ガリウム又はそれらの合金又はそれらの混合物などの適切な金属から適切に選択される。ここで参照されるシリコン含有構造には、コーティングを含み、このコーティングは好ましくは、アモルファスカーボン、グラファイト、電気活性ハードカーボン、導電性カーボン、カーボン系ポリマー又はカーボンブラックからなる群から選択される1以上の種類を含むカーボンコーティングを含む。コーティングは通常シリコン含有構造へ、コーティングされたシリコン含有構造の5から40重量%の範囲となる厚さで適用される。シリコン含有粒子及び細長いエレメントへのコーティング方法は、当業者に知られている。化学蒸着、熱分解及びメカノフージョン技術などが含まれる。堆積技術はUS2009/0239151及びUS2007/0212538に開示されている。熱分解は、WO2005/011030,JP2008/186732,CN101442124及びJP04035760に開示されている。カーボンコーティングは、電気活性物質の表面でSEI生成物層の形成及び安定化を制御するために助けとなり得る。上で示したように、カーボン系以外のコーティングも使用され得る。適切な代わりのコーティングの例には、アルミニウム、銅、金及びスズなどの金属、また同様に導電性セラミックス及びポリマー系コーティングも含まれる。好ましくは電気活性細長いエレメント又は粒子はシリコンを含有し、前記コーティングがシリコン含有コーティングである。
【0081】
本発明の第一の側面によるセルに設けられる電気活性物質粒子の直径は、当業者に知られる種々の方法で決定され得る。かかる技術には空気溶出分析、光学粒度測定、光学計数方法及びレーザー回折分析などが含まれる。
【0082】
シリコン材料はドープされていてもよくされていなくてもよい。単結晶でも多結晶でもアモルファスでも、又は結晶とアモルファスの混合物でもよい。しかし我々は以下の点見出した。即ち、上で説明した構造化された寸法の形を持つものであれば、膨張/収縮損傷効果を最小限とするために多結晶及び/又はアモルファスシリコン(最初の充電に先立って)であることは必要ない、ということであり、これはUS2009/0305129,US2009/0053589及びUS7476469で教示するものとは逆である、ということである。本質的に単結晶及び/又は結晶サイズが>1μmであるものが好ましい。というのは一般的により安価に調製でき、電極操作の際により均一なSEI層を形成することが可能となるからである。
【0083】
構造化電気活性物質は適切には、電極中の活性物質の全量の少なくとも5重量%、より適切には10重量%、好ましくは20重量%、より好ましくは少なくとも50重量%および特に好ましくは70重量%である。特に構造化電気活性物質が構造化シリコン材料であり、電極中の活性物質の全量の少なくとも10重量%、より好ましくは20重量%例えば50重量%である。構造化シリコン材料は適切には、電極内の活性物質の全量の5から90重量%、より適切には25から90重量%、好ましくは30から80重量%及び特に40から70重量%である。
【0084】
ここで説明された構造化電気活性物質は、適切に複合電極材料へ形成され、集電体の表面へ適用されてアノードを形成し、本発明の電池セル中に、ここで説明された電解質組成物と共に含まれるものである。特にアノードは、ここで記載された構造化シリコン材料を含む複合電極材料から適切に形成される。
【0085】
ビニル基を含む環状カーボネート及び/又はハロゲン化環状カーボネート(例えばFEC及び/又はDFEC)を電解質添加剤としてここで定めるある濃度範囲で使用することは、構造化電気活性物質、特に構造化シリコン材料を含むリチウムインセルのサイクル性能を改善する上で顕著な効果を持つことが見出された。特に、VC及び/又はフッ化エチレンカーボネート、特にFEC、DFEC又はそれらの混合物を電解質添加剤としてある定められた濃度範囲で使用することが、構造化電気活性物質、特に構造化シリコン材料を含むリチウムインセルのサイクル性能を改善する上で顕著な効果を持つことが見出された。
【0086】
以下の開示から次の点が理解されるべきである。即ち、ビニル基含有環状カーボネート及びハロゲン化環状カーボネートの両方の電解質中濃度は、これらがお互いに独立して添加されるのか又は混合物として存在するのかに依存するということである。一般に、ビニル基を含む環状カーボネートは適切には、少なくとも電解質の量に対して1重量%, 重量%,3重量%,5重量%,10重量%又は15重量%含み得る。ハロゲン化環状カーボネートは、一般に、電解質液の70重量%を超えない濃度であり得る。
【0087】
しかし、電解質がビニル基を含む環状カーボネートを唯一つの添加剤として含む場合には、これは適切には、電解質全量の3.5から8重量%、好ましくは4.5から6重量%及び特に5から6重量%である。ビニル基含有環状カーボネートを3.5から8重量%、特に5から6重量%含む電解質を含む電池は、ビニル基含有環状カーボネートをかかる範囲に入らない濃度で含む電解質を含む電池と比較して、優れた性能を示すことが観測された。この効果は適切には、電解質にVCのみを添加する特別の場合にも例示される(即ち、フッ素化エチレンカーボネートが添加される)。サイクル性能の改良は、添加VCがグラファイトアノード技術で使用されるものと同じ量が添加される場合には特に顕著ではないが、これらの効果を奏するための添加される必要な量(電極重量に対して2%)は、グラファイトアノード技術から明らかとなるであろうよりも実質的に多いものである。しかしVCのみの量が多すぎると(電解質重量に対し約8%)、セル性能は、電解質の抵抗増加(低イオン伝導性)によるものと思われる。高いVC含有量はまた、コストを上げ、電解質の棚寿命を低減させる。われわれの次の知見を得た。VC含有量が電解質の重量に対し、3.5から8%、特に5から6%の場合に、構造化シリコン材料のアノードを用いることで非常に改良されたサイクル性能が達成され、かつ同時に電解質抵抗を維持し、セルのコスト及び使用寿命を商業的に許容されるレベルにすることでできる、ということである。最適の結果はVC含有量が4.5から6%、例えば約5から6%であると、考えられる。本発明の第一の側面の好ましい第一の実施態様においては、電解質は5から6重量%のビニル基を有する環状カーボネートを含むものである。ビニレンカーボネートを5から6%含む電解質と、シリコンファイバ又はピラー化粒子から選択される構造化シリコンを含む電池は特に好ましい。
【0088】
ここで記載した添加剤のパーセントは添加剤を含む電解質液の全重量に比較した添加剤の重量に基づき計算される。例えば、添加剤としてVCなどのビニル基を有する環状カーボネートを5%含む電解質液は、95gの電解質にビニル基を含むカーボネート(VCなど)を5g添加して製造される。
【0089】
ハロゲン化環状カーボネートが単独で使用される場合、これは適切には電解質の総重量の少なくとも5%、好ましくは少なくとも12%およびより好ましくは少なくとも15%含まれる。電解質液中のハロゲン化環状カーボネートの濃度は通常75重量%、好ましくは70重量%、より好ましくは50重量%特に30重量%を超えない。以下の知見が得られた。電解質液がフルオロエチレンカーボネート(FEC)及び/又はジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)をハロゲン化環状カーボネートとして5重量%から50重量%の間の濃度で含む場合には、この電解質液を用いて製造された電池は50サイクルを超えて90%を超える効率が得られる、ということである。特に優れた結果は、電解質液が少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも12重量%、より好ましくは少なくとも15重量%のハロゲン化環状カーボネートを含む場合に得られた。本発明の特に好ましい第二の実施態様は、10重量%、好ましくは少なくとも12重量%、より好ましくは少なくとも15重量%のハロゲン化環状カーボネートを含む電解質液と、シリコンファイバ及びシリコンピラー化粒子から選択される構造化シリコンとを含む電池セルを提供するものである。
【0090】
上記添加剤に加えて、電解質液は通常基本溶媒として、鎖状又は直鎖カーボネートとビニル基を含む環状カーボネート以外の環状カーボネートとの混合物を含む。鎖状又は直鎖カーボネートと、ビニル基を含む環状カーボネート以外の環状カーボネートとの比は、適切には、容積比で7:3から3:7の比、好ましくは7:3から1:1の比である。ハロゲン化環状カーボネートが電解質液に添加される場合には、前記基本溶媒中の環状カーボネートと完全に又は部分的に置換され得る。この場合には、全環状カーボネート量(基本環状カーボネートとハロゲン化環状カーボネートとの和)と、鎖状又は直鎖カーボネートとの比は上で定めた比の範囲に維持される。
【0091】
または、ハロゲン化環状カーボネートは基本電解質液に添加され得る。この添加は、通常、環状カーボネートと、鎖状(又は直鎖)カーボネートとの比を変える。しかし前記電解質液に添加されるハロゲン化環状カーボネートの量は、上で定めた環状と直鎖カーボネートの容積比範囲を超えないように充分な量であるべきである。
【0092】
従って、本発明のひとつの実施態様では、ハロゲン化環状カーボネートが部分的に基本溶媒環状カーボネートと置換され、環状及び鎖状(又は直鎖)カーボネートの30:70混合物を含む電解質液は、適切には、15容量%のハロゲン化環状カーボネート、15容積%の基本溶媒環状カーボネート及び70容積%の基本溶媒鎖状(又は直鎖)カーボネートを含む。ハロゲン化環状カーボネートの濃度が30容積%に増加する場合には、環状及び鎖状カーボネートを30:70の比内に維持するためには70容積%の基本溶媒鎖状(又は直鎖)カーボネートのみを添加する必要があり、追加の基本溶媒環状カーボネートは必要ない。というのはハロゲン化環状カーボネートがこの実施態様では環状カーボネートを完全に置換するものだからである。次の点が理解されるべきである。同様の考え方が、環状および鎖状(又は直鎖)カーボネートを基本溶媒として異なる比率で含む電解質液を調製する際に適用される、ということである。
【0093】
ハロゲン化環状カーボネートが添加剤として使用される場合には、これは適切には、環状カーボネート及び鎖状又は直鎖カーボネートの混合物を含む基本溶媒へ添加される。ハロゲン化環状カーボネートは基本溶媒へ、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも12重量%、より好ましくは少なくとも15重量%例えば30重量%の量で添加され得る。基本溶媒は適切には環状カーボネートと鎖状又は直鎖カーボネートとを、7:3と3:7の比の間、好ましくは7:3と1:1の比の間で含む。
【0094】
基本溶媒として使用可能な環状カーボネートには、限定されるものではないが、エチレンカーボネート(EC),ジエチレンカーボネート(DEC),プロピレンカーボネート(PC)及びブチレンカーボネート,γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトンが挙げられる。基本溶媒として使用可能な鎖状又は直鎖カーボネートには、限定されるものではないが、ジメチルカーボネート(DMC),ジエチルカーボネート(DEC),エチルメチルカーボネート(EMC),メチルプロピルカーボネート,ジブチルカーボネート(DBC)及びメチルオクチルカーボネート(MOC)が挙げられる。好ましい基本環状カーボネートはエチレンカーボネート(EC)である。好ましい鎖状(又は直鎖)カーボネートはエチルメチルカーボネート又はジエチルカーボネートである。特に好ましい第三の実施地用では、基本溶媒は、エチレンカーボネート(EC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)の混合物である。本発明の第一の側面の好ましい実施態様では、シリコンファイバ材料及びシリコンピラー化粒子から選択される構造化シリコン材料と環状カーボネート及び鎖状又は直鎖カーボネートとを30:70から70:30の比で、好ましくは30:70から1:1の比で含む混合物を含む電解質とを含む電池を提供するものである。ここで前記電解質は少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも12重量%例えば15又は30重量%のハロゲン化環状カーボネートを含む。本発明の第一の側面の特に好ましい実施態様では、シリコンファイバ材料及びシリコンピラー化粒子又はそれらの混合物から選択される構造化シリコン材料とエチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートの混合物を3:7から1:1の間の比で含む電解質とを含む電池を提供するものである。
【0095】
理論に縛られることなく、次のように考えられる。即ち、電解質添加剤としてFEC及びDFECなどのハロゲン化環状カーボネートの使用は、フッ化リチウム及びエチレンカーボネートを含む安定なSEI層を形成させる、ということである。ハロゲン化環状カーボネートとシリコン表面との反応により形成されるSEI層は、例えば、エチルカーボネートとシリコン表面の反応で生成されるSEI層よりも低密度でありよりフレキシブルであると考えられ、これにより長時間のサイクルに対して安定な構造が維持され得ることとなる。
【0096】
ビニル基を持つ環状カーボネートとハロゲン化環状カーボネート、特にフッ化環状カーボネートを含む環状カーボネート混合物を含む電解質は、電池に含まれる場合に特に有益な結果を与えることが見出されている。ビニル基を持つ環状カーボネートとハロゲン化環状カーボネートは共に適切に、電解質液全体に対して少なくとも3.5重量%、好ましくは少なくとも5重量%含む。これらを合計した量は通常は、電解質液全体に対して70重量%未満、適切には50重量%未満及び好ましくは30重量%未満である。ビニル基を持つ環状カーボネートの濃度は電解質の全量に対して、好ましくは少なくとも1重量%、適切には3重量%であり、ハロゲン化環状カーボネートの濃度は電解質の全量に対して、好ましくは少なくとも3重量%、好ましくは少なくとも12重量%例えば15重量%である。特に利益のある電解質液は、FEC及び/又はDFECなどの1以上のフッ化エチレンカーボネートと組み合わせてVCが使用されるものであり、この場合、かかる添加剤の合計量は電解質液全量に対して3.5%を超える量、例えば5%である。合わせた量は通常は、電解質イオン抵抗を大きく増加させないように、電解質全量に対して、70重量%未満、好ましくは50重量%未満、より好ましくは40%未満及び場合により30%未満である。かかる添加剤混合物を含む電解質液は、フッ化エチレンカーボネート(FEC及び/又はDFEC)の1つ又は両方の全量に対して、好ましくは1重量%のVC及び少なくとも3重量%、適切には少なくとも12重量%及び好ましくは少なくとも15重量%を含む。VC及び1以上のフッ化エチレンカーボネートが電解質液に存在する場合、VCの量は一般的には電解質全量の10%を超えず、例えば8%を超えない。本発明の好ましい第五の実施態様では、この混合物は1から8重量%のVCと3から60重量%、好ましくは5から50重量%、より好ましくは10から40重量%及び特に15から80重量%のFECが含まれる。
【0097】
本発明の第一の側面の好ましい実施態様では、添加剤としてビニレンカーボネート及びフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロカーボネート又はそれらの混合物を含む電解質を含む電池が提供される。好ましい第六の実施態様では、電解質は添加剤として、2重量%のビニレンカーボネート及び5重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物を含む。本発明の第一の側面の第七の好ましい実施態様は、5重量%のビニレンカーボネート及び5重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物を含む電解質を含む電池を提供する。本発明の第一の側面の第八の好ましい実施態様は、2重量%のビニレンカーボネート及び10重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物を含む電解質を含む電池を提供する。本発明の第一の側面の第十の好ましい実施態様は、2重量%のビニレンカーボネート及び30重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物を含む電解質を含む電池を提供する。本発明の第一の側面の第十一好ましい実施態様は、5重量%のビニレンカーボネート及び10重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物を含む電解質を含む電池を提供する。本発明の第一の側面の第十二の好ましい実施態様は、5重量%のビニレンカーボネート及び15重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物を含む電解質を含む電池を提供する。本発明の第一の側面の第十三の好ましい実施態様は、5重量%のビニレンカーボネート及び30重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物を含む電解質を含む電池を提供する。本発明の発明者は次の知見を見出した。即ち、VCは、1以上のフッ化エチレンカーボネート(又はFEC及び/又はDFEC)と共に電解質添加剤と共に存在する場合に相乗作用を示すように見える、ということである。理論に束縛されることなく、フッ化エチレンカーボネートとVCとを電解質液に添加する有利な効果についての1つの説明は、フッ化エチレンカーボネート対Li/Li
+の還元電位がエチレンカーボネート(EC,電解質として最も普通に使用されている溶媒のひとつ)の場合に比べて高く、従ってフッ化エチレンカーボネート(FEC及び/又はDFEC)の還元が初めに、最初の充電形成の際に生じる、ということである。フッ化エチレンカーボネートはまた、ラジカルイオンへ還元されやすく、これがVCの重合を開始させる−上式(2)を参照。
【0098】
CO
2が溶解限度まで添加され得る。というのはわれわれは次の知見を得たからである。即ち、それによりリチウムセルの寿命をさらに増加されるから、ということである。理論に束縛されることなく、CO
2の存在は暴露されたシリコン表面の優れた品質のLi
2CO
3SEI層を形成するための助けとなると考えられる。CO
2は電解質液にCO
2ガスを通じることで添加でき、CO
2がその中に溶解する。電解質液に溶解するCO
2の量は、最終液の少なくとも0.05重量%及び0.5重量%以下であり、好ましくは0.05から0.25重量%、より好ましくは0.16から0.2重量%の範囲である。
【0099】
特に、ビニル基を含む環状カーボネート、ハロゲン化環状カーボネート又はそれらの混合物を含む電解質液へCO
2を、少なくとも0.05重量%及び0.5重量%以下、例えば0.05と0.25%の間で、好ましくは0.1と0.2%の間で、特に0.16と0.2%重量%の間で添加することは、かかる電解質液を含むセルの性能を更に改良するものである。ビニル基を持つ環状カーボネート、ハロゲン化環状カーボネート及びCO
2の混合物を含む電解質液は、特に優れた性能を示すことが見出された。ビニル基を持つ環状カーボネート、ハロゲン化環状カーボネート及びCO
2の混合物を含む電解質液は、この混合物を70重量%以下(電解質液全量に対して)、通常は50重量%未満、好ましくは30重量%未満含むものである。添加剤の混合物は適切には、電解質液の少なくとも4重量%、通常少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも12重量%、より好ましくは少なくとも15重量%例えば少なくとも20重量%含む。1つの実施態様では電解質液は適切には、ビニル基を含む環状カーボネート、ハロゲン化環状カーボネート及びCO
2を含む環状カーボネートの混合物を4重量%から70重量%、通常は10から50重量%、好ましくは12から50重量%、より好ましくは15から30重量%含む。ビニル基を含む環状カーボネート、ハロゲン化環状カーボネート及びCO
2を含む環状カーボネートの混合物を含む電解質液は、適切には、電解質液の全量に対して、この混合物を少なくとも3.5重量%、通常は少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは15重量%、特には30重量%、例えば50重量%含む。本発明の好ましい実施態様において、ハロゲン化環状カーボネートは、全電解質液に対して、5から50重量%、好ましい6.5から50重量%、好ましくは10から30重量%特に15から30重量%の範囲で含む。かかる混合物中でビニル基を持つ環状カーボネートの濃度は適切には、少なくとも1重量%、2重量%、3重量%、5重量%又は10重量%であり、濃度範囲は1から10重量%、2から5重量%及び特に2から3重量%が好ましい。
【0100】
本発明の第一の側面の第十四の特に好ましい実施態様では、添加剤として、5重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物及び0.2重量%のCO
2を含む電解質を含む電池を提供する。本発明の第一の側面の第十五の特に好ましい実施態様では、添加剤として5重量%のビニレンカーボネート及び0.2重量%のCO
2を含む電解質を含む電池を提供する。
【0101】
本発明の第一の側面の第十六の特に好ましい実施態様では、添加剤として5重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物、3重量%のビニルカーボネート及び0.2重量%のCO
2を含む電解質を含む電池を提供する。本発明の第一の側面の第十七の特に好ましい実施態様では、添加剤として10重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物、3重量%のビニルカーボネート及び0.2重量%のCO
2を含む電解質を含む電池を提供する。本発明の第一の側面の第十八の特に好ましい実施態様では、添加剤として15重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物、3重量%のビニルカーボネート及び0.2重量%のCO
2を含む電解質を含む電池を提供する。本発明の第一の側面の第十九の特に好ましい実施態様では、添加剤として5重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物、2重量%のビニルカーボネート及び0.2重量%のCO
2を含む電解質を含む電池を提供する。本発明の第一の側面の第二十の特に好ましい実施態様では、添加剤として10重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物、2重量%のビニルカーボネート及び0.2重量%のCO
2を含む電解質を含む電池を提供する。本発明の第一の側面の第二十一の特に好ましい実施態様では、添加剤として15重量%のフルオロエチレンカーボネート又はジフルオロエチレンカーボネート又はそれらの混合物、2重量%のビニルカーボネート及び0.2重量%のCO
2を含む電解質を含む電池を提供する。
【0102】
本発明者は、活性物質及び電解質を含む電池であり、前記電解質がハロゲン化環状カーボネート、ビニル基を含む環状カーボネート及びCO
2を含む電池が、これまでに使用されてきたことを、信じるものではない。かつ本発明は、リコン含有電気活性材料、リチウムを電気化学的に挿入・放出し得る活性物質を含むカソード及び電解質を含む電池であり、該電解質が、1から8重量%のビニル基を持つ環状カーボネート、3から70重量%のフッ化環状カーボネート及び0.05から0.5重量%、好ましくは0.05から0.2重量%のCO
2を含む、電池を提供するものである。この実施態様での電池に含まれるシリコン含有材料は、上で説明した構造化されたシリコン材料と同様に、そのままの粒子などの構造化されていないシリコン材料及びシリコン薄膜を含む。そのままの粒子とは、バルクシリコン含有材料を研削及び篩分け及び/又は分類することで得られる粒子である。そのままの粒子は適切には、最大寸法が40μm未満、好ましくは25μm未満である。好ましい電池は、シリコン含有電気活性材料(構造化及び非構造化シリコン材料を含む)、リチウムを挿入・放出可能な活性物質を含むカソード及び電解質を含むものであり、前記電解質が1から8重量%のビニレンカーボネート、3から70重量%のフルオロエチレンカーボネート及び0.05から0.25重量%のCO
2を含むものである。特に好ましい電池は、シリコン含有電気活性材料(構造化及び非構造化シリコン材料を含む)、リチウムを挿入・放出可能な活性物質を含むカソード及び電解質を含むものであり、前記電解質が1から2から6重量%のビニレンカーボネート、5から50重量%のフルオロエチレンカーボネート及び0.16から0.20重量%のCO
2を含むものである。特に好ましい電池は、シリコン含有電気活性材料(構造化及び非構造化シリコン材料を含む)、リチウムを挿入・放出可能な活性物質を含むカソード及び電解質を含むものであり、前記電解質が本発明の第一の側面の好ましい16から21の実施態様により定められる電解質を含むものである。
【0103】
理解されるべきことは、ビニル基を持つ環状カーボネート、ハロゲン化環状カーボネート及びCO2は、セルの寿命の間に消費されるということであり、ここで表す添加物の量は、最初にセルが製造される際に電解質に存在する量を意味するということである。特に電解質がVC、FEC又はDFECなどのフッ化エチレンカーボネート及びCO
2の混合物を含む場合には、これらはセルの寿命の間(例えばセルの充電・放電及びSEI層の形成)に消費されるということであり、ここで表されたこれらの添加剤の量はセルが製造される際に電解質中に存在する最初の量を意味する。
【0104】
例えばファイバ、フェルト、足場、ピラー束、チューブ、多孔性粒子又はピラー化粒子などの上で記載のシリコン含有材料に加えて、アノードは他の活性材料を含むことができる。即ち、電池のサイクル間にリチウム化及び脱リチウム化され得るもので例えばグラファイト又はスズなどである。しかしアノードには、少なくとも5重量%、適切には少なくとも10重量%、より適切には少なくとも20重量%、場合により少なくとも50重量%及び好ましくは70重量%の活性物質が上で説明した構造化シリコンである。アノードはまた他の添加剤を含むことができる。例えばカーボンブラック、アセチレンブラック又はカーボンファイバなどであり、これらはリチウムセルにアノードの導電性を高めるために添加されることが知られている。電気活性材料含有粒子のそれぞれは1つのタイプの電気活性材料から全てなっていてもよいし、又は他の電気活性又は非電気活性材料を含んでいてもよい。例えばカーボン又はスズである。ここで他の材料が非活性である場合、それはアノードの導電性を高めるものであり得る。例えば電気活性材料はカーボンコーティングされてよい。特にそれぞれのシリコン含有粒子は完全にシリコンからなっていてもよく、又は他の活性又は非活性材料、例えばカーボン又はスズを含んでいてよい。ここで他の材料が非活性である場合、それはアノードの導電性を高めるものであり得る。例えば電気活性材料はカーボンコーティングされてよい。
【0105】
コストの理由で、本発明で電気活性材料としてシリコンが使用される場合、純度が99.97以下の純度例えば99.80%以下又は99.7%以下、好ましくは少なくとも90%である安価なシリコンが、少なくとも99.99%又は少なくとも99.999%の純度を持つ高純度(従ってより高価)のシリコンよりも好ましい。ただしかかる高純度のシリコンの使用が本発明の範囲から除外されているものではない。好ましくは、最初のシリコン材料は結晶性である。シリコン含有ファイバ及びピラー化粒子を製造するための出発材料の例は、SilgrainHQ又はJetmilledLowFeが挙げられ、これらはElkemから供給されるものであり、直径が10から50μm、適切には15から40μm及び好ましくは25μmである。これは主に単結晶性ファイバ又はピラー化粒子へ製造されるものである。
【0106】
上で説明した添加剤とは別に、電解質は全ての電解質であり得る。これらはシリコンアノードを用いるリチウムイオン電池で操作され得るものであり、例えばリチウム6フッ化リン(LiPF
6)、LiBF
4、リチウムビス(リチウムオキザラート)ボレート(LiBOB)又はLiClO
4又はそれらの混合物などのリチウム塩であり、1以上の環状及びジアルキルカーボネート(例えばエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなど)に溶解性のものが挙げられる。他の電解質塩の例は、JP2008234988,US7659034,US2007/0037063,US7862933,US2010/0124707,US2006/0003226,US7476469,US2009/0053589及びUS2009/0053589に開示されている。好ましくは電解質塩はLiPF
6又はLiPF
6及びリチウムビスオキザラートボレート(LiBOB)の混合物である。好ましい電解質液は、0.9から0.95MのLiPF
6及び0.05から0.1MのLiBOBからなる。
【0107】
電解質液中のリチウム塩の濃度は限定されないが、好ましくは0.5から1.5Mの範囲である。より多くの添加剤量を使用する場合には、リチウム塩の濃度を上げて最終的な電解質液でのリチウムの過剰な喪失を防止する。
【0108】
アノード材料はバインダにより一体化されて維持され得る。我々は次の知見を得た。PAA(ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩)が特にここで記載するセルには適している、ということである。他の好ましいバインダにはCMC及びPVdFを含む。またアノードはフェルトへ成形され、また銅集電体へ結合され得る。これらについてはそれぞれWO2009/010758及びWO2009/010759に開示されている。
【0109】
複合アノード電極で使用される活性物質、バインダ及び添加剤(例えば導電性補強剤)は一般に次のものが挙げられる。ここで乾燥成分の重量に基づく。
活性物質 60から95%、ここで10から95%,より好ましくは20から95%(乾燥アノード成分に基づく)が上で記載の構造化シリコン粒子、
バインダ 5から20%、通常は5から15%、
添加剤 0から20%(例えば導電性添加剤又はフィラー)、であって合計100%とする。
【0110】
カソード材料は全ての材料であり当業者にリチウムイオン電池に適するものとして知られている材料であり得る。例として、LiCoO
2、混合金属酸化物(MMO、例えばLi
1+xNi
0.8Co
0.15Al
0.05O
2又はLi(Li
aNi
xMn
yCo
z)O
2),リン酸系カソード材料で例えばLiFePO
4、LiMn
2O
4、LiNiO
2、非リチウム化カソード例えばV
6O
13及び硫黄/ポリスルフィドカソードなどが挙げられる。好ましいカソード材料はLiCoO
2及びMMOである。