特許第6195835号(P6195835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195835
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】電動トロリー
(51)【国際特許分類】
   A63B 55/30 20150101AFI20170904BHJP
   A63B 55/60 20150101ALI20170904BHJP
【FI】
   A63B55/30
   A63B55/60 B
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-534869(P2014-534869)
(86)(22)【出願日】2012年10月11日
(65)【公表番号】特表2015-502185(P2015-502185A)
(43)【公表日】2015年1月22日
(86)【国際出願番号】AT2012050148
(87)【国際公開番号】WO2013052977
(87)【国際公開日】20130418
【審査請求日】2015年8月31日
(31)【優先権主張番号】GM556/2011
(32)【優先日】2011年10月11日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】511114771
【氏名又は名称】オーロテック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】AUROTEC GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】エアンスト ラオホ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ツィケリ
【審査官】 ▲吉▼川 康史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05749424(US,A)
【文献】 特開平08−229173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 55/00−55/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送装置(1)であって、
シャシ(2)を有しており、該シャシは少なくとも3つの車輪(3,4)を少なくとも2つの車軸(3´,10)で支持していて、該車軸のうち1つの車軸は駆動車軸(3´)であって、ただ1つの中央の電気駆動される車輪(3)を支持しており、
縦長の荷物を収容するために設けられている支持ユニット(21´)を有しており、
操作側にハンドル領域を有したガイド部分(21)を有している、搬送装置において、
該搬送装置は、前記駆動車軸(3´)の上方へ前記ガイド部分(21)を押し下げることにより傾けることができ、傾けられた運転位置では、前記駆動車軸(3´)は前記シャシ(2)の操作側に位置しており、前記支持ユニット(21´)は、前記駆動車軸(3´)を横切って、ほぼ前記操作側の方向に突出していて、ただ1つの駆動輪(3)だけが地面に接触しており、該駆動輪(3)はハブモータ(7)を有していることを特徴とする、搬送装置。
【請求項2】
前記縦長の荷物はゴルフバッグである、請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記ガイド部分(21)は運転位置において前記シャシ(2)から駆動車軸(3´)を越えて延在している、請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
前記ガイド部分(21)は前記支持ユニット(21´)に配設されており、前記ガイド部分(21)に少なくとも1つの荷物収容エレメント(42)が配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
自由回転可能に支持された車輪(4)は、前記駆動輪(3)よりも小さい直径を有している、請求項1からまでのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記駆動輪(3)はほぼ平らな接地面を有している、請求項1からまでのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記シャシ(2)及びガイド部分(21)は搬送位置へと折り畳み可能であり、折り畳まれた搬送位置では、前記ガイド部分(21)は、前記車軸を結合するシャシ(2)に対してほぼ平行に配置されており、前記ガイド部分(21)は、折り畳み可能である、請求項1からまでのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記ガイド部分(21)は、それ自体が折畳みジョイント(27,28)によって分割され、折り畳み可能である、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記非駆動輪(4)は前記車軸(10)に取り外し可能に結合されており、搬送位置で前記非駆動輪(4)を省スペース的に取り付けるために、前記シャシ(2)には補助車軸若しくは軸ピン(16,17)が設けられている、請求項7又は8記載の装置。
【請求項10】
前記シャシ(2)には、バッテリ(47)が、ほぼ車軸(3´,10)を有する平面に配置されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記ハンドル領域に、前記駆動輪(3)の速度を調節するための操縦ハンドル(37)が配置されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
前記ハンドル領域に、駆動用バッテリ(47)のバッテリ充電状態を視覚化する表示装置(40)が配置されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
前記駆動車軸(3´)は、回動可能なフォーク状装置(51)を介して前記シャシ(2)に結合されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
回動可能な前記フォーク状装置(51)は、操縦駆動装置(61)を備えた制御装置(48)によって旋回可能であって、前記制御装置(48)は、前記駆動輪(3)の制御のためにも適合されている、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記制御装置(48)は、遠隔制御用のワイヤレス受信機に接続されている、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記制御装置(48)は、GPSシステムに及び/又は障害物を検知するために前記シャシ(2)に配置された距離センサ(68)に接続されている、請求項14又は15記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置であって、シャシを有しており、該シャシは少なくとも3つの車輪を少なくとも2つの車軸で支持していて、該車軸のうち1つの車軸は駆動車軸であって、ただ1つの中央の電気駆動される車輪を支持しており、縦長の荷物、好適にはゴルフバッグを収容するために設けられている支持ユニットを有しており、操作側にハンドル領域を有したガイド部分を有しており、運転位置で前記駆動車軸が前記シャシにおいて前記操作側に位置している、搬送装置に関する。
【0002】
駆動されないため幾分単純なものであるにせよ基本的には類似の装置が、先行技術において様々な形式で「ゴルフトロリー」の名の下で公知であり、ゴルフ道具を運ぶためにゴルファーの間で重宝され、若しくはゴルフスポーツを行う際に極めて好まれている。その多くは、2つの自由車輪を備えた1つの車軸上に支持された支持ユニットである。
【0003】
特に比較的長い距離を移動する場合に取り扱いを容易にするために、既に様々な形式の電気駆動されるゴルフトロリーが開発されており、この場合、多くは、全体として自走するシャシを形成するために、2つの主車輪が一緒に又は別個に駆動され、付加的に第3の車輪が設けられている。このような駆動されるゴルフトロリーは、US Des.321964号明細書、US3,635301A号明細書、US3,704,758A号明細書に開示されている。これら全てのゴルフトロリーは、操縦するためにトロリーを少し傾ける際に、全ての駆動輪を地面から持ち上げてトロリーを手動で押したり引いたりしなければならないか、又は間隔を置いて配置された少なくとも2つの駆動輪を地面につけたまま、駆動によりロックされる両車輪の相対運動により操縦が不可能又は少なくとも著しく困難にされる点で共通している。
【0004】
CN2524795Y号明細書には、冒頭で述べた形式のゴルフトロリーが示されており、このゴルフトロリーでは、支持ユニットが大きな2つの空転する車輪に結合されており、この車輪の車軸を越えて突出している。支持ユニットは他方の下端部で軸を介して回動可能なフォーク状装置に接続されている。このフォーク状装置からは、支持ユニットとは反対側に向かってレバー状のガイド部分が延びており、その端部にはハンドルが組み付けられていて、このハンドルを介してフォーク状装置のステアリングアングルを、従ってゴルフトロリーの移動方向を制御することができる。このガイド部分によってこの装置を駆動車軸を介して傾動させることができるとしても、これは、ガイド部分の反対側にある支持ユニットの位置により困難である。何故ならば、荷物若しくは装置の重心点が、非駆動輪を有する車軸近傍に位置していて、従って、これにより生じる長いレバーアームのため、荷物に高い傾動モーメントをかけなければならないからである。
【0005】
従って本発明の課題は、積載状態であっても大きな手間をかけずに簡単に傾けることができ、傾き状態では駆動も良好な操縦性も失われないような冒頭で述べた形式の搬送装置を提供することである。さらに、搬送装置の操作時に脚をぶつける可能性を回避するために、操作側のシャシの幅はできるだけ小さいのが望ましい。
【0006】
この課題は、冒頭で述べた形式の搬送装置において、本発明によれば、支持ユニットが駆動車軸を横切って、ほぼ操作側の方向に向かって突出していることにより解決される。支持ユニットはこの場合、縦長の荷物を支持するために用いられ、即ち荷物は例えば少なくとも2つの載置個所で支持ユニット上に位置する。支持ユニットの延在方向は両載置個所を結ぶ線であって、即ち、支持ユニットは縦長の荷物の縦軸線に対してほぼ平行に延びている。支持ユニットが、駆動車軸を横切って突出する場合、これは積載状態で、縦長の荷物若しくはその縦軸線も同様に駆動車軸を横切って突出していることを意味する。荷物が側方に滑脱する又は転落することを阻止するために、支持ユニットには側方の固定突出部を形成することができる。側方の固定突出部を有した載置個所は例えば、曲げられた又はU字形の受容エレメントによって形成することができる。従って、装置の重心点は特に積載状態では駆動車軸若しくは駆動輪のほぼ直接上方に存在し、重心点はいずれにせよ、反対側に位置するシャシに配置された車軸よりも駆動車軸により近くに存在する。ガイド部分の配置は支持ユニットに殆ど無関係に自由に選択することができる。唯一の規定は、ガイド部分のハンドル領域が、搬送装置の、支持ユニット(及び何らかの荷物)が駆動車軸を越えて突出する側に配置されているということである。ガイド部分は例えば、駆動車軸の側でシャシから延びているロッド又は湾曲部である。駆動車軸はシャシの操作側に位置しているので、ガイド部分を旋回させる、即ち、下方へ押すことにより、搬送装置を駆動車軸の上方に折り畳むことができる。折り畳まれた状態では、駆動車軸に支持された1つの駆動輪のみが地面に接触しており、従って、操縦若しくは方向転換の際に、装置を操縦するためにガイド部分の側方運動により大きな手間なく装置が回動する際の回動中心点を成している。特に好適にはこの装置では、操作側においてシャシが特にスリムであるので、使用者は装置を押したり引いたりする際に、足を側方でシャシの隣に置くことができ、うっかりシャシにぶつけることはない。操作側とは反対側にある2つの車輪はこの場合、搬送装置の安定化のために利用される。
【0007】
好適には駆動輪はハブモータを有することができる。車輪内に組み込まれたハブモータは省スペースであるだけでなく、良好なトルクにより、比較的経済的な搬送装置の運転を可能にする。さらにハブモータは、装置の重心点をできるだけ駆動車軸の近傍に置きたいという意図にも貢献する。このような形式のモータは、電動自転車で使用するために多数製造されており、従って仕入れコストも比較的好ましい。ハブモータは、斜面特性への適合及び速度調節のために伝動装置を備えている。
【0008】
ガイド部分が運転位置でシャシから駆動車軸を越えて延在しているならば、搬送装置の傾動時に良好なレバー作用が得られる。
【0009】
ガイド部分が支持ユニットに配設されており、前記ガイド部分に少なくとも1つの荷物収容エレメントが配置されているならば、本発明による搬送装置の総重量と所要スペースとを減じるために好ましい。搬送装置の総重量の低減は幾つかの理由から好ましい。即ち総重量の低減により、電動駆動装置の稼動継続時間は延長され、総重量が低減されると、使用場所への、又は使用場所からの搬送装置の搬送が容易になる。さらに縦長の荷物はこの場合、単数又は複数の受容エレメントを介してガイド部分上に位置することができる。これはゴルフバッグの場合にはさらに好ましい。何故ならば、これによりゴルフバッグの開口部は、ガイド部分のハンドル領域のすぐ近傍に配置され、これによりガイド部分とゴルフクラブとを迅速に持ち替えることが容易になるからである。
【0010】
装置の総重量及び所要スペースをさらに減じるために、自由回転可能に支持された車輪は、前記駆動輪よりも小さい直径を有している。特に、自由車輪の直径は、予想される地面に応じて、地面が平らではない場合でも装置が立っていられる程度にできるだけ小さく、かつちょうど十分な大きさにすることができる。駆動輪において直径は、好適には駆動機能に合わせて、例えば所望のトルクに合わせて規定されるので、一般的に駆動輪は比較的大きな直径を有している。
【0011】
駆動輪がほぼ平らな接地面を有しているならば特に好適である。この場合、車輪の接地面全体が平らである必要はないが、少なくとも部分的に扁平な接地面では有利には、円形の接地面より幅の広い接触区分が得られる。これによりは特に傾斜位置において搬送装置の安定性が改善され、側方の傾動は生じにくくなる。タイヤは、ソリッドゴム又はプラスチックから製造することができ、または、リムとスポークを備えた従来の自転車用タイヤであるが、自転車よりも車輪直径が小さいものを使用することができる。
【0012】
シャシ及びガイド部分は搬送位置へと折り畳み可能であり、折り畳まれた搬送位置では、ガイド部分は、両車軸を結合するベース部分に対してほぼ平行に配置されており、前記ガイド部分は好適には自動的に折畳みジョイントによって分割され、折り畳み可能であるならば、使用場所までの、例えばゴルフ場までの搬送装置の搬送は省スペースになる。従って搬送装置の所要スペースは、実質的に、シャシの底面まで減じられ、高さにおいては駆動輪の直径近くまで減じられる。
【0013】
好適には、非駆動輪はその車軸に取り外し可能に結合されており、前記シャシには補助車軸若しくは軸ピンが、搬送位置で前記非駆動輪を省スペースに取り付けるために設けられている。この場合、非駆動輪をシャシから取り外すことができ、シャシの長手方向延在に対して平行に取り付けることができるので、搬送位置における搬送装置のパッケージサイズはさらに減じられている。
【0014】
シャシにおいて駆動バッテリが、ほぼ車軸を有する平面に配置されているならば、駆動輪への前記給電は好適であることがわかった。従って、運転継続要求に応じて、搬送装置における大きな重量割合を占めるバッテリを地面近傍に取り付けることができ、これにより装置の重心点が低くなり、従って安定性が改善される。
【0015】
駆動装置若しくは駆動速度の制御のためには、ハンドル領域に、駆動輪の速度を調節するための操縦ハンドルが配置されていることにより、搬送装置の簡単な操作性が得られる。
【0016】
多くの使用例においては、特に長い距離を移動する場合及び充電ステーションから常に大きく離れている場合に、残留走行可能距離の表示を提供するのは便利であるので、搬送装置のハンドル領域に、駆動バッテリのバッテリ充電状態を視覚化する表示器を配置することができる。
【0017】
シャシの操縦若しくは方向転換を搬送装置の傾動なしに行うために、駆動車軸を好適には回動可能なフォーク状装置を介してシャシに接続することができる。従って、駆動車軸は、第2の車軸に対して所定の角度、回動することができ、自由車輪に対して平行な真っ直ぐな配置から旋回させることができる。
【0018】
回動可能なフォーク状装置が、操縦駆動装置を備えた制御装置によって旋回可能であって、この制御装置は、駆動輪の制御のためにも調整されているならば、両駆動装置の協働は、例えば、搬送装置の傾動を阻止するために、駆動車軸の旋回時に駆動速度を減じるように行うことができる。
【0019】
これに関連して、制御装置が遠隔制御用のワイヤレス受信機に接続されているならば特に好適である。この場合、搬送装置は遠隔制御装置を介して使用者によって制御することができ、手動で引いたり押したりすることはできない。
【0020】
制御装置が、GPSシステムに、好適には、障害物を検知するためにシャシに配置された距離センサに接続されているならばさらに快適な制御が得られる。搬送装置は、自動的に所定の地点、例えばゴルフ場のステーションに到達することができ、又は例えばゴルフボール内に設けられたマーキングを追跡することができるように装備されている。距離センサによって障害物やゴルファーとの衝突を避けることができ、例えば追跡モードを実現可能であり、この場合、搬送装置は所定の距離を置いて使用者を追跡する。
【0021】
次に本発明を特に好適な実施例につき説明するが、本発明はこれに限られるべきではなく、図面との関係でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】運転位置における本発明による搬送装置の斜視図である。
図2A】開放されたバッテリ面を有した図1と同様の図である。
図2B】開放されたバッテリ面と付加的な2つの走行車輪と共に別の視点から示した本発明による搬送装置の斜視図である。
図3】運転位置(図3A)から搬送位置(図3D)に移行する際の図1の本発明による搬送装置の各側面図を示した図である。
図4】回動可能なフォーク状装置に支持された駆動車軸を備えた本発明による搬送装置の一部を示した斜視図である。
図5】本発明による搬送装置の別の実施例をゴルフバッグと共に示した側面図である。
図6】部分的にのみ示されたゴルフバッグを備えた図5の搬送装置を示す平面図である。
【0023】
図1には搬送装置1が示されていて、この搬送装置1は、シャシ2と、駆動車軸3´(図3A参照)上に支持された1つの駆動輪3と、2つの非駆動輪4とを有している。ここではフレームとも呼ぶシャシ2は、様々な材料を使用して組み立てることができる。一方では、管状又は成形管状のプラスチック材料又は金属材料を使用することができ、又は、プラスチック、特殊鋼、鋼、非鉄金属、軽金属、例えば炭素繊維から成る管のような繊維強化材料といった種々様々な材料の組み合わせを使用することもできる。組み立てる際にはシャシ2は簡単に互いに差し込まれる、又は螺合される、又は接着される、またはろう接される、または溶接される。上記結合方法を組み合わせることもできる。シャシ又はフレーム2には、フレーム2に結合されている2つの受容部材5,6を介して駆動輪3を取り付けることができる。受容部材5,6を介して、回転可能なブリッジ構造の形の車輪ホルダをシャシ又はフレーム2に取り付けることもできる(図4参照)。
【0024】
駆動輪3は実質的に、円筒状に形成されたリング状の支持体から成っており、ゴム層を設けることができる。円筒状の支持体の内側には、中央に駆動モータ7であるハブモータが取り付けられており、中間ディスク8又はスポークを介して駆動輪3の円筒状の支持体に結合されている。駆動モータ7は従って好適にはハブモータとして形成されており、駆動輪3のステータは受容部材5,6を介してシャシ若しくはフレーム2にねじ又は別の固定装置を介して結合されている。ハブモータ7から出ている電圧ケーブル、給電ケーブル、制御ケーブル(図示せず)は、ハブモータ7から出て、シャシ2における孔を介して内部で、給電及び制御装置9へと通じている。駆動輪3の組み付け場所は、シャシもしくはフレーム2に関連して、操作側の組み付け場所と言われる。ハブモータ7の代わりに勿論、別の単独の車輪駆動装置も考えられる。
【0025】
図示した図面では後方の、装置1を押す場合には前方となるシャシ若しくはフレーム2の領域で、即ち駆動輪3とは反対側に位置する領域で、軸10に、装置1のバランスを取るために、別の2つの非駆動輪4を取り付けることができる。この取り付けは、車軸10の各端部に溝を設ける形式で行われる。これらの溝には、車輪4に取り付けられている車輪固定装置を係止させることができる。車軸10はプラスチックガイドブシュ11に摺動可能に支持されており、プラスチックガイドブシュ11は支持体12に組み込まれて位置固定されている。この場合、プレート13として形成されている支持体12は、シャシ若しくはフレーム2の前方のフレーム領域に固定装置14によってねじ固定され、位置固定される。プラスチックガイドブシュ11及び支持体12の位置固定は、ろう接、溶接、又は接着により行うこともでき、又は、プラスチックガイドブシュ11と支持体12との組み合わせ体を、シャシ若しくはフレーム2と同時に一緒に製造することもできる。固定ピン15によって車軸10は側方への摺動に対して固定されている。
【0026】
固定ピン15は、シャシ若しくはフレーム2を分解可能にするという役割も有している。車輪4のうちの1つを溝結合から解除して車軸10から外すことにより分解は行われる。次いで、ばねガイドされた固定ピン15を持ち上げ、車軸10をプラスチックガイドブシュ11から引き出すことができる。比較的小さい梱包と搬送サイズとを得るために、車軸10に残っている車輪4も溝結合から解除して、キャリヤケース(図示せず)内に収納することができる。さらに、車輪4が外された車軸10をキャリヤケース内に積むことができる。車輪4の別の積み込み方法では、外した車輪4をシャシ2に設けられた保持ピン16,17に取り付けてなくならないようにしてある。保持ピン16,17は、シャシ若しくはフレーム2に駆動輪3及び前輪4の他に付加的な補助輪(図2B参照)を装備するために使用することもできる。補助輪は駆動装置を有さないものとして形成することができ、又はモータおよびまたはギヤモータを駆動装置として有することもできる。
【0027】
シャシ若しくはフレーム2には、T字部材又はフォーク状部材として、中央の軸受20との結合部を形成するフレーム分岐部18,19が取り付けられている。フレーム分岐部18,19と軸受20との間の距離を橋絡するために、接続部材を組み込むことができる。軸受20はY字型に構成されているか、又は軸受20の内部でY結合が存在していて、従って見えないように構成部分として構造的に設計することができる。軸受20の役割は、フレーム分岐部18,19をロッド21の形のガイド部分に結合することであり、この場合、ガイドロッド21はジョイント22に支持されていて、ジョイント22の反対側は軸受20に位置固定されている。この位置固定は、プレス嵌め、接着、溶接、ろう接又はその他の機械的な結合により行われて良い。
【0028】
ガイドロッド21には固定装置23を取り付けることができる。固定装置23は、傘、又はあらゆる形式のホルダのような携行品を固定するために、または簡単な椅子のようなものを固定するために使用される。固定装置23は一方ではガイドロッド21に沿って摺動させて、固定させることができ、他方では上述したような対象物を固定することができる摺動可能な受容部分24を有している。摺動及び固定は、ねじ装置、回動装置、又はクランプ装置によって行うことができる。日傘又は雨傘を使用する際には、例えば傘のシャフトを地面に設置し、又は地面に数センチ押込み、かつ固定装置23に結合させることができる。これにより傘の傾動を防止することができ、搬送装置1上で連行するときは、駆動装置を操作する前に傘を軽く上方に引き上げる。
【0029】
ガイドロッド21は下方区分25と上方区分26とに分けられ、これらの区分25,26は固定部分27を介して結合されている。この場合、固定部分27自体も分けられていて、これらの部分は軸28を介して旋回可能に結合されている。軸28によりガイドロッド21を折り畳むことができ、ひいては搬送装置1全体を極めて小さなパッキングサイズとなるように折り畳むことができる。下方区分25及び上方区分26におけるガイドロッド21の機械的支持及び位置保持は固定部分27を介して行われる。この場合、二又支持体29に取り付けられた係合部材30が直接固定部分27に係合し、ロック装置31によって固定される。これによりガイドロッド21と二又支持体29とは互いに形状接続的に結合される。二又支持体29は両側で結合体32,33を介してシャシ若しくはフレーム2に結合されている。結合体32,33は、極めて小さいパッキングサイズとなるように二又支持体29を前方又は後方に向かって倒すことができるように形成されている。
【0030】
ガイドロッド21の上方区分26は別の固定部分34で終わっており、この固定部分34には摺動可能に成形されたU字形ハンドル35が受容されている。U字形ハンドル35には孔又は溝が設けられている。U字形ハンドル35の摺動が行われるべき場合には、U字形ハンドル35の位置が固定部分34において調節され、固定される。これは相応のロック装置36によって行われる。
【0031】
図1に示されているように、駆動車軸3´は、U字形ハンドル35に最も近くに位置する車軸であるので(車軸10の軸線10´はこれより離れて位置している)、例えば使用者の体重による押圧力がU字形ハンドル35にかけられると、駆動輪3を介して搬送装置1を傾動させることができる。
【0032】
U字形ハンドル35の端部には操縦ハンドル37が設けられている。ハンドル38は、キースイッチ39を組み込むようにU字形ハンドル35に構成することができる。操縦ハンドル37は複数の機能的な表示及び制御部40を含むことができ、ストップボタン又はクルーズコントロールボタン41を備えることができる。操縦ハンドル37は主として、クルーズコントロール及びバッテリ監視を行うマルチファンクション装置として製造される。駆動モータ7に給電するためのバッテリの充電状態を監視するためにLEDが用いられる。充電池電圧が下がるにつれ小ランプが順次消灯していく。モータ/ギヤモータ7の出力は操縦ハンドル37によって無段階式に0〜100%の間で調節することができる。通常のアクセルハンドル制御の場合と同様に、ハンドルを離すと自動的に再びゼロ位置へとばねによって戻るように戻しばねが働く。これは、所定の速度を維持するためにはオートバイの場合と同様にアクセルハンドルを保持しなければならないことも意味する。所定の速度で固定したい場合は、戻しばねを取り外すか、又はスピードロック機能付きの操縦ハンドル37を使用することができる。スピードロック機能を提供する操縦ハンドル37若しくはアクセルハンドルモデルでは、ボタンを押すことにより、操縦ハンドル37から手を離していても、モータ7の目下の出力を電子的に「固定」することができる。クルーズコントロールの解除はこの場合、コントローラによって行われ、即ち、再びクルーズコントロールボタンを押すと出力は切られる。
【0033】
例えばゴルフバッグ、買い物バック、箱等の荷物若しくは使用対象物を保持するために、ガイドロッド21の上方区分26、場合によっては下方区分25には収容エレメント42を配置することができ、この収容エレメント42は片側で固定的に取り付けられている、又は摺動可能かつ回動可能に構成することができる。シャシ若しくはフレーム2の左側(前方)領域には、制御及び給電ユニット9が取り付けられている。制御及び給電ユニット9は図示したように、シャシ若しくはフレーム2に組み込まれている、カバー43及びケーシング底面43を備えた分割可能なケーシングから成っている。この組み込み位置は多数の可能性のうちの1つに過ぎず、別の組み込み位置も可能である。ケーシングカバー43は、収容エレメント42に加えて付加的な支持部として使用することができる支持装置45を取り付けることができるように形成されている。従って、ガイドロッド21は、収容エレメント42と支持装置45と共に、ゴルフバッグを収容するための1つの支持ユニット21´(図2A参照)を成していて、この場合、支持ユニット21´の両載置個所は、一方では支持装置45によって、他方では収容エレメント42によって形成されている。収容エレメント42はそのU字形の構成により、支持ユニット21´の側方の固定突出部を成す。積載状態、即ち、ゴルフバッグが積み込まれた状態では、搬送装置1の重心点は軸受20のすぐ上方にある。
【0034】
図2A及び図2Bには、制御及び給電ユニット9が開かれた状態でシャシ若しくはフレーム2が示されている。この構成では、ケーシング底面44がシャシ2上に載置されていて、好適にはシャシ2上に位置固定されている。押圧ロック装置46を介して、ケーシングカバー43をケーシング底面44から持ち上げ、ケーシングを開くことができる。制御及び給電ユニット9の内部には、電源47、制御ユニット48、及び充電器49が取り付けられている。制御ユニット48と充電器49はケーシングに取り付けられていて、この場合、相応のカバー50が付加的に保護及び分離のために役立っている。
【0035】
ケーシング底面44には、シャシ2に開口している、制御ユニット48若しくはコントローラのケーブル出口が設けられている。コントローラケーブル(接続)は、フレーム分岐部18,19、軸受20、ガイドロッド21を介してU字形ハンドル35若しくは操縦ハンドル37及びキースイッチ39へと通される。コントローラ48と駆動輪3並びにハブモータ7との間の別のケーブル接続も、ケーシング底面44とフレーム2とを介して、フレーム2における駆動輪3の受容部材5,6の一方の領域に出口開口が形成されていることにより形成される。
【0036】
搬送装置1の側方への傾動に対抗作用するために、駆動輪3の接地面は平らで(カーブしておらず)、狭すぎるものには形成されていない。旋回不能にフレーム2に支持された(図4参照)駆動輪3の場合、例えば障害物又は平坦ではないところを迂回するために、方向転換するには、前輪4を持ち上げる必要がある。駆動輪3の平らな接地面が狭すぎると、又は接地面がカーブしていると、駆動輪3の傾動エッジを介して非駆動輪4は左右に傾動する恐れがある。これを避けるために、本発明のシャシ2では平らな接地面を備えた駆動輪3がテストされた。接地面は、金属、プラスチック、加硫ゴム材料から成っている。良好な地面付着若しくは地面係合を保証するために、接地面を異形成形して形成する、又は接地面に突出成形部を設けることもできる。
【0037】
シャシ2のジオメトリを決定するためには、駆動輪3の様々な直径及び幅の製作により、好ましい寸法が実験により算出された。表面の構成も試験により考慮された。即ち、例えばカーブした駆動輪表面によって駆動輪3の幅若しくはこれにより載置面がゼロに向かうと、駆動輪3の傾動エッジを介してシャシ2の高速な側方傾動が行われる。直径及び幅のような、駆動輪3の形状に関する事項を決定するための試験により、駆動輪3の良好なバランスのために、幅は所定のサイズを下回ってはならないことがわかった。
【0038】
経験的かつ構造的な考察により、最小直径120mm〜最大直径300mmの駆動輪3が好適であることがわかり、この場合、駆動輪3の直径・幅比は0.6〜3.25、好適には0.8〜2.5である。
【0039】
シャシ2後方に取り付けられた駆動輪3の実験により求められた直径・幅比及びシャシ2の前方領域に取り付けられた両前輪4に基づいて、後方領域に2つの駆動輪が設けられている従来のシャシ2に比べて走行安定性は大幅に改善されている。シャシ2は安定を維持し、傾動は確実に阻止される。付着性、カーブ安全性、傾斜角度、上昇角度は記載したシャシ2により著しく改善される。
【0040】
図2Bでは搬送装置1が、図2Aとは約90°回転された視点から、同じく開かれたバッテリ面と共に示されている。制御及び給電ユニット9のケーシングカバー43はこの例ではほぼ扁平である。カバー43の上面には、ほぼ半円形の2つの支持舌片45´と真ん中の貫通切欠とを備えた支持装置45が配置されている。支持舌片45´は、支持された荷物の滑脱を防止するプロフィールを備えている。
【0041】
シャシ2の保持ピン16,17には2つの付加的な車輪4´がフレーム2の保持ピン16,17で自由回転可能に支持されているので、搬送装置1は全部で5個の車輪3,4,4´を有する。自由回転可能に支持された4つの車輪4,4´は全て取り外し可能である。2つの付加的な車輪4´はシャシ2を駆動輪3の近くで支持しているので、駆動輪3の負荷は部分的に軽減される。付加的な車輪4´の直径及び車軸位置は、その支持面が、駆動輪3と別の自由回転可能に支持された車輪4を含む1つの平面に位置するように、従って5つ全ての車輪3,4,4´が同時に地面に接触するように選択されている。その結果、シャシ2にかかる負荷が高い場合、その重量は5つ全ての車輪3,4,4´に分散される。駆動輪3が地面への付着を失わないように、付加的な車輪4´若しくはその車軸は可動であってよく、例えばスプリングストラット(図示せず)を介してシャシ2に結合することができる。これにより一方又は両方の車輪4´が例えば、敷地における平らでないところを走行して、シャシ2が持ち上げられた場合に、付加的な車輪4´は撓むことができる。選択的に又は付加的に、駆動輪3若しくはその車軸3´も、シャシ2が地面から若干持ち上げられた場合でも地面との接触がなお維持されるように支持することができ、このことは例えば車軸3´をばね支持することにより得られる。
【0042】
図2Bに示された摺動可能な受容部分24にはクイッククランプ24´が設けられているので、例えば傘の緊締及び解除を特に簡単に行うことができる。この図面から特によくわかるように、受容部分24は、支持ユニット21´若しくはガイドロッド21から側方にある程度離れて延在しているので、ここで収容された傘は、支持ユニット21´内に配置された荷物とぶつかることはない。
【0043】
図3A図3Dには、図1の搬送装置1が様々な位置で示されており、特に、シャシ2とガイドロッド21の下方区分25及び上方区分26と、二又支持体29の相対的な配置が異なっている。図3Aでは、搬送装置1は図1に示した運転位置に位置している。ガイドロッド21の区分25,26は固定部分27によって互いに堅固に結合されており、二又支持体29若しくはその係合部材30は固定部分27に受容され、位置固定されている。下方区分25は、二又支持体29及びフレーム2と共に三角形結合を形成しており、ガイドロッド21はフレーム2に対して固定された角度を成している。
【0044】
搬送装置を折り曲げ若しくは折り畳むためには、ロック装置31を解除することにより係合部材30と固定部分27との間の結合を解除する。これにより二又支持体29はガイドロッド21から離れて右に向かって(後方に向かって)折り畳まれるので、二又支持体29は図3Bに示したようにフレーム2に対してほぼ平行にたたむことができる。
【0045】
図3Cに示された位置では、今や軸受20のみを介して旋回可能にフレーム2に結合されたガイドロッド21が前方に向かって、非駆動輪4の車軸を越えて畳まれる。この場合、ガイドロッド21は支持装置45の中央の切欠内に位置する(図1参照)。さらに、(上方の)収容エレメント42はガイドロッド21に接触するように折り畳まれる。
【0046】
図3Dには、搬送装置1の最終的に完全に折り畳まれた搬送位置が示されており、図3Cに示された位置から、さらに固定部分27がロック解除されて、ガイドロッド21の上方区分26は下方区分25の上に畳まれている。付加的に両前輪4を車軸から取り外して、保持ピン16,17(図3Dでは保持ピン16しか見えていない)に取り付けることができる。
【0047】
図4には一実施例による駆動輪ユニットが示されており、駆動輪3はブリッジ構造54に旋回可能に支持されており、モータ61、例えばギヤモータを介して回転運動又は変向運動させることができる。駆動輪3はフォーク状に形成された装置51に車軸52を介して堅固に結合されている。フォーク状に形成された装置51は軸受53を介してブリッジ54に組み込まれており、軸受53はねじ結合部を介してブリッジ54に保持される。ブリッジ54はねじ結合部55及びスペーサ56及び結合部材57を介してシャシ若しくはフレーム2(図1参照)に取り付けられている。ブリッジ54には円弧状のスリット(滑子案内)58が設けられており、該スリット内には、フォーク状装置51に結合されているピン59が操縦・制御レバーとして係合する。ピン59は、例えばリニアモータとして構成されたモータ61のピストン60を貫通し、固定装置62によって固定される。
【0048】
リニアモータ61は接続ケーブル63を介して、制御及び給電ユニット9に接続されている。ブリッジ54にはリニアモータ61を支持するためにさらに滑動プレート64を取り付けることができる。滑動プレート64は通常、技術的なプラスチックから成っていて、必要であれば潤滑することができる。リニアモータ61は、往復ロッド65の後方部分を介して、滑り軸受及び回転軸受として作用する固定ピン66に結合されており、固定エレメント67により摩擦接続的な結合が形成される。ピストン60の位置を監視することができるように、ブリッジ54にはさらに、ピストン60の位置測定用の測定エレメント(図示せず)を取り付けることができる。ピストン60の位置検出は、組み込まれたホールセンサを介してモータ61自体において行うこともできる。
【0049】
制御ケーブル63を介してリニアモータ61に運動信号が送られると、ピストン60は前方への、又は反対方向の信号が送られた場合は戻る方への、行程運動を行うことができる。ピン59と結合されていることによりピストン60は滑子案内58内で前方又は戻る方へと動かされる。運動が曲線状に延在していることにより、駆動輪3は左右に旋回され、従って方向転換させることができる。曲線状の運動経過により、リニアモータ61は固定ピン66を中心として旋回する。
【0050】
リニアモータ61の水平配置は一例に過ぎないことは明らかである。軸受の上方に垂直に取り付けられたモータを、駆動輪3の旋回及び制御のために使用することもできる。
【0051】
リニアモータ61による駆動輪3の制御及びリニアモータ61のピストン60の位置の読み取りにより、例えばゴルフトロリー用の自動操縦システム(オートパイロットシステム)を構成することができる。自動操縦システム自体は既に公知であり、自動操縦システムはネットワークを介して電源、軌道制御ユニット(Course Compute Unit - CCU)、電気的な制御ユニット(Electronic Control Unit - ECU)、駆動ユニット(リニアモータ)に接続されている。このような自動操縦システムは走行軌道を維持及び制御するために使用することができる。自動操縦システムを組み込むことができるように、シャシ2はリニアピストン位置フィードバックを電子的な制御装置(ECU)に送ることができなければならない。このようなシステムのネットワーク可能性に基づき、自動操縦制御軌道データが別の機器に転送され利用されることができる。
【0052】
GPS自動操縦システムに加えて付加的に、単チャネル又は複チャネルの超音波センサ68又は光学センサをシャシ2内に組み込むこともできる(図2A参照)。超音波センサ又は光学センサは、反射原理に基づく公知技術であるので詳しく説明はしない。これによりシャシ2は障害物がある場合に、障害物に対応して方向付けることができ、若しくは車両位置の検出を容易にすることができる。これらのセンサは超音波信号を送受信し、得られたデータを、超音波信号伝搬時間から、障害物までのセンサの距離を計算する制御装置に伝える。障害物が検知され、保持すべき最小距離を下回ると、計算された信号を介して駆動モータ7を停止させることができ、直線駆動装置(モータ)61を相応に制御させることができる。
【0053】
図5には、本発明による搬送装置1の別の実施例の側面図が概略的にゴルフバッグ69と共に示されている。このゴルフバッグ69は、ガイド部分21に取り付けられている2つの荷物収容エレメント42によって保持されている。ガイド部分21は一方では軸受20を介して旋回可能にシャシ2に接続されており、他方では支持部分70を介してシャシ2に支持されている。ガイド部分21の上端部にはハンドル38が配置されており、搬送装置1の操作側を規定している。ガイド部分21と受容エレメント42とによって形成された支持ユニット21´の下方領域には電気駆動される車輪3がシャシ2に支持されている。操作側と反対側でシャシ2には2つの比較的小さな車輪4が自由回転可能に支持されている。
【0054】
図6にはゴルフバッグ69が部分的にのみ示されている。自由回転可能に支持された両車輪4は軸10に取り付けられている。この図面からは、ガイド部分21をシャシ2に接続している支持部分70がこの実施例では片側に形成されていることが判る。さらにこの図面により、軸受20が2つのフレーム分岐部18,19によってシャシ2の真ん中に位置固定されていることが判る。シャシ2の幅は、この場合、駆動輪3の幅によって決定されていて、駆動輪3の幅は上述したように、安定基準に基づき決定される。
【0055】
駆動輪3への給電には例えば、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池、リチウムポリマ蓄電池を使用することができる。しかしながら、ニッケルカドミウム蓄電池の使用はカドミウムの毒性のため反対され、リチウムポリマ蓄電池の使用は、この種の充電池が電気的、熱的、機械的に敏感であるので反対される。使用可能な充電池のエネルギ密度は、電池電圧が1.2〜3.7ボルトの範囲にある場合に30〜200Wh/kgにある。従って、主として、例えば直列に接続された3つの充電池及び並列に接続された3つの充電池の並列のバッテリシステム及び直列のバッテリシステムが使用される。このような形式のバッテリシステムは通常、プラスチックハウジングと電池ホルダシステムを有しており、充電器へのデータ転送のための交信システムを有することができる。
【0056】
使用される充電池についての運転安全性を保証するために、バッテリ47に特別な安全機構を設けることができる。電流が高すぎる場合には電流を自動的に減じることができ、内圧が高い場合には負荷電流が遮断される。安全弁及び目標遮断点は所定の内圧で作動するので、電池の爆発は阻止される。充電の際には電圧の上限及び下限が監視される。最大の充電電流及び放電電流が規定され、かつ最小及び最大の充電温度及び放電温度が考慮される。使用されるバッテリシステムは全体としてショート防止型であり、燃焼性がなく、焼き切れることがなく、爆発性のないものであるのが望ましい。プランニング及び選択の際には、パッキング構造及びパッケージにおける熱特性に注意するのが望ましい。
【0057】
充電池の充電用に適当な充電器が設けられており、この場合特に充電池と充電器の協働性について注意すべきである。充電過程は、通常(別個の)充電器に設けられている充電コントローラによって制御される。充電前に充電回路によって可能な過放電が規定される。
【0058】
好適には、ここに図示したゴルフトロリーではリチウムイオン充電池47が使用され、充電池47の容量は、各使用目的に合わせて、即ち例えば、通常はゴルフ場での移動距離に合わせて決定される。従って、搬送装置1は使用者の要求に合わせて規定可能であるので、様々な充電池バリエーションが提供されることが考えられる。典型的にはゴルフトロリーはゴルフプレー全期間中使用可能であるのが望ましいので、充電池は夜中、充電することができる。理想的には、充電池容量が例えばゴルフ休暇中、例えば一週間もつような充電池が使用される。リチウムイオン充電池の使用は、電気自転車で実証済みであり、それ以外の形式の充電池に比べて極めて長い使用期間を可能にする。
【0059】
図示した2車軸の搬送装置以外に、自由回転可能な車輪及び/又は付加的な駆動輪を備えた付加的な車軸を設けることも考えられる。これは特に、シャシ2の負荷を良好に分散させることができるので、ガイドロッド21に配置された着座設備に関連して特に有利である。シャシ2に使用者用の座席又は立つ面が設けられているならば、搬送装置1は人員搬送のためにも使用することができる。この場合、ガイドロッド21は、ほぼ直立位置へ移行させることができるので、シャシ2上に座っている又は立っている使用者には、駆動装置7の操作及び制御、場合によっては、パワーステアリングが可能となる。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6