(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195847
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】ダイナミック格子コーム光源
(51)【国際特許分類】
H01S 5/0687 20060101AFI20170904BHJP
H01S 5/40 20060101ALI20170904BHJP
H01S 5/026 20060101ALI20170904BHJP
G02B 6/12 20060101ALI20170904BHJP
G02B 6/125 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
H01S5/0687
H01S5/40
H01S5/026 618
G02B6/12 301
G02B6/125 301
G02B6/125
G02B6/12 331
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-554854(P2014-554854)
(86)(22)【出願日】2013年1月25日
(65)【公表番号】特表2015-508227(P2015-508227A)
(43)【公表日】2015年3月16日
(86)【国際出願番号】US2013023135
(87)【国際公開番号】WO2013116102
(87)【国際公開日】20130808
【審査請求日】2015年8月7日
(31)【優先権主張番号】13/361,873
(32)【優先日】2012年1月30日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シュエチェ
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,イン
(72)【発明者】
【氏名】リ,グオリアン
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナモールシー,アショク・ブイ
【審査官】
百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−174397(JP,A)
【文献】
特開2002−236227(JP,A)
【文献】
特開2001−189529(JP,A)
【文献】
特表2008−528953(JP,A)
【文献】
特開平09−199779(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0280579(US,A1)
【文献】
特表2008−501987(JP,A)
【文献】
特開平5−333384(JP,A)
【文献】
特表2009−537871(JP,A)
【文献】
特表2007−532980(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0194179(US,A1)
【文献】
特表2010−506201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00−5/50
G02B 6/12−6/14
H04B 10/00−10/90
H04J 14/00−14/08
H01L 31/00−31/02
H01L 31/08
H01L 31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学ソースであって、
実質的に一定の間隔を有する波長のセットを有する光信号を出力するように構成された光源のセットを備え、所定の光源は、前記波長のセット中の所定の波長を有する所定の光信号を出力するように構成されており、前記波長のセットは、波長コームを構成し、
前記光源のセットに光結合され、前記光信号を結合するように構成された光コンバイナと、
前記光コンバイナに光結合され、曲面上に回折格子を含む光デバイスとを備え、前記光デバイスは、反射ジオメトリを用いて前記光信号を結像および回折し、かつ前記回折格子の対応する回折角で前記光信号を出力することにより、前記波長コームを維持するように構成されており、
前記光デバイスに光結合され、前記回折角で出力された前記光信号に関連する光学距離を測定するように構成された複数の光検出器を備え、前記複数の光検出器の各々は、関連付けられた回折角で出力された光信号の光学距離を測定するように構成されるとともに、前記複数の光検出器は、それぞれの光信号の光学距離を決定するように構成されており、
前記複数の光検出器および前記光源のセットに結合され、前記光学距離に基づいて制御信号を前記光源のセットに与えることにより、前記波長のセット中の隣接する波長間の距離を実質的に一定に維持するように構成された制御ロジックを備え、
前記光デバイスおよび前記複数の光検出器は受動シリコン光導波路に形成されるとともに、前記光源のセットは能動光導波路に形成されており、前記能動光導波路と前記受動シリコン光導波路との間には、エッチングされた鏡ファセットを含む出力結合器が配置されている、光学ソース。
【請求項2】
前記制御信号は、前記光源のセットの利得および位相を調整する、請求項1に記載の光学ソース。
【請求項3】
前記制御信号は、前記光源のセットにより出力された前記光信号の前記波長のセットを調整することにより、前記光デバイスにより出力された前記波長コーム中の前記波長の位置を実質的に維持する、請求項1または2に記載の光学ソース。
【請求項4】
前記光源のセットは、共振波長を有するリング共振器を含み、
前記制御信号は、前記共振波長を調整することによりキャリア波長を調整する、請求項3に記載の光学ソース。
【請求項5】
前記光デバイスの所定の回折次数に関連する入射角は、前記所定の回折次数に関連する回折角と異なる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項6】
前記回折格子の格子ピッチは、20μmより大きい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項7】
前記光デバイスは、エシェル格子を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項8】
前記光源のセットは、レーザおよび発光ダイオードの少なくとも1つを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項9】
前記光コンバイナは、2つの入力が結合されて出力が得られる、カスケード接続された2×1の光コンバイナを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項10】
前記複数の光検出器は、パワーモニタを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学ソース。
【請求項11】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行されるように構成されたプログラムモジュールを格納するメモリと、
光学ソースとを備え、前記光学ソースは、
実質的に一定の間隔を有する波長のセットを有する光信号を出力するように構成された光源のセットを備え、所定の光源は、前記波長のセット中の所定の波長を有する所定の光信号を出力するように構成されており、前記波長のセットは、波長コームを構成し、
前記光源のセットに光結合され、前記光信号を結合するように構成された光コンバイナと、
前記光コンバイナに光結合され、曲面上に回折格子を含む光デバイスとを備え、前記光デバイスは、反射ジオメトリを用いて前記光信号を結像および回折し、かつ前記回折格子の対応する回折角で前記光信号を出力することにより、前記波長コームを維持するように構成されており、
前記光デバイスに光結合され、前記回折角で出力された前記光信号に関連する光学距離を測定するように構成された複数の光検出器を備え、前記複数の光検出器の各々は、関連付けられた回折角で出力された関連付けられた光信号の光学距離を測定するように構成されるとともに、前記複数の光検出器は、それぞれの光信号の光学距離を決定するように構成されており、
前記複数の光検出器および前記光源のセットに結合され、前記光学距離に基づいて制御信号を前記光源のセットに与えることにより、前記波長のセット中の隣接する波長間の距離を実質的に一定に維持するように構成された制御ロジックを備え、
前記光デバイスおよび前記複数の光検出器は受動シリコン光導波路に形成されるとともに、前記光源のセットは能動光導波路に形成されており、前記能動光導波路と前記受動シリコン光導波路との間には、エッチングされた鏡ファセットを含む出力結合器が配置されている、システム。
【請求項12】
光信号を与えるための方法であって、
光源のセットを用いて、実質的に一定の間隔を有する波長のセットを有する光信号を出力するステップを含み、所定の光源は、前記波長のセット中の所定の波長を有する所定の光信号を出力し、前記波長のセットは、波長コームを構成し、
前記光信号を結合するステップと、
反射ジオメトリを有する光デバイスを用いて、結合された前記光信号を結像および回折するステップとを含み、前記光デバイスは、曲面上に回折格子を含み、前記光デバイスは、前記回折格子の対応する回折角で前記光信号を出力することにより、前記波長コームを維持し、
前記光デバイスに光結合される複数の光検出器を用いて、前記回折角で出力された前記光信号に関連する光学距離を測定するステップを含み、前記複数の光検出器の各々は、関連付けられた回折角で出力された関連付けられた光信号の光学距離を測定するとともに、前記複数の光検出器は、それぞれの光信号の光学距離を決定し、前記光デバイスおよび前記複数の光検出器は受動シリコン光導波路に形成されるとともに、前記光源のセットは能動光導波路に形成されており、前記能動光導波路と前記受動シリコン光導波路との間には、エッチングされた鏡ファセットを含む出力結合器が配置されており、
前記光学距離に基づいて制御信号を前記光源のセットに与えることにより、前記波長のセット中の隣接する波長間の距離を実質的に一定に維持するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
分野
本開示は、光信号を通信するための技術に関する。より特定的には、本開示は、フィードバックを用いて、光源により生成された隣接する波長間の実質的に一定の間隔を維持する光源に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術
シリコンフォトニクスは、チップ間およびチップ内接続用に、大きな通信帯域、低いレイテンシ(latency)および低電力消費を提供することの可能な期待される技術である。過去数年間で、高帯域高効率なシリコン変調器、低損失光導波路、波長分割多重(WDM)部品、および高速CMOS光導波路光検出器を含む、チップ間およびチップ内シリコン−フォトニック接続(silicon-photonic connections)における使用のための低コスト部品の開発において大きな進歩がなされてきた。しかしながら、多波長レーザ源などの好適な低コストWDM光源は難題のままであり、それなしでは、WDMシリコン−フォトニックリンクを実現するのに障害が生じる。
【0003】
特に、従来のWDMリンクは、国際電気通信連合(ITU)規格、ITU−T G.694.1により規定されるものなど、一定のチャネル間隔を有する予め規定された波長格子により動作する。その結果、これらの従来のWDMリンクで用いられる、レーザなどの既存のWDM光源は、予め規定された波長格子に調整され、ロックされる。しかしながら、このような既存のWDM光源用の波長制御は、典型的にはかなり複雑である。たとえば、波長ロックを実現するために、エアギャップエタロンフィルタが既存のWDM光源によく用いられている。これらのエアギャップエタロンフィルタは、通常嵩張るため、何千もの集積WDM光源が存在し得るWDMシリコン−フォトニックリンクにおける集積または使用には好適でない。
【0004】
したがって、上記の問題のない光源が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示の一実施形態は、光源を提供する。この光源は、実質的に一定の間隔を有する波長のセットを有する光信号を出力する光源のセットを含み、所定の光源は、波長のセット中の所定の波長を有する所定の光信号を出力し、波長のセットは、波長コームを構成する。さらに、光源における光コンバイナは、光信号を結合する。さらに、曲面上に回折格子を含む、光源における光デバイスは、反射ジオメトリ(reflective geometry)を用いて光信号を結像(image)および回折し、かつ回折格子の対応する回折角で光信号を出力することにより、波長コームを維持する。さらに、光源における複数の光検出器は、回折角で出力された光信号に関連する光学距離を測定し、所定の光検出器は、所定の光信号に関連する所定の光学距離を測定する。光源における制御ロジックは、光学距離に基づいて制御信号を光源のセットに与えることにより、波長のセット中の隣接する波長間の実質的に一定の間隔を維持する。
【0006】
なお、光デバイスの所定の回折次数に関連する入射角は、所定の回折次数に関連する回折角と異なってもよい。たとえば、光デバイスは、エシェル格子を含んでもよい。さらに、回折格子の格子ピッチは、20μmより大きくてもよい。
【0007】
さらに、光源のセットは、レーザおよび/または発光ダイオードを含んでもよい。
一部の実施形態では、光コンバイナは、2つの入力が結合されて出力が得られる、カスケード接続された2×1の光コンバイナを含む。
【0008】
さらに、光検出器は、電力モニタを含んでもよい。
なお、制御信号は、光源のセットの利得、位相および発光波長を調整することにより、光デバイスにより出力された波長コーム中の波長の位置決め(registration)を実質的に維持してもよい。たとえば、光源のセットは、共振波長を有するリング共振器を含んでもよく、制御信号は、共振波長を調整することにより源発光波長(source emitting wavelengths)を調整してもよい。
【0009】
別の実施形態は、光源を含むシステムを提供する。
別の実施形態は、光源を用いて行なわれてもよい、光信号を与えるための方法を提供する。動作中、光源のセットは、実質的に一定の間隔を有する波長のセットを有する光信号を出力し、所定の光源は、波長のセット中の所定の波長を有する所定の光信号を出力し、波長のセットは、波長コームを構成する。次に、光コンバイナは光信号を結合する。さらに、光デバイスは、反射ジオメトリを用いて、結合された光信号を結像および回折し、光デバイスは、曲面上に回折格子を含み、光デバイスは、回折格子の対応する回折角で光信号を出力することにより、波長コームを維持する。次に、複数の検出器は、回折角で出力された光信号に関連する光学距離を測定し、所定の光検出器は、所定の光信号に関連する所定の光学距離を測定する。さらに、制御ロジックは、光学距離に基づいて制御信号を光源のセットに与えることにより、波長のセット中の隣接する波長間の実質的に一定の間隔を維持する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に従ったダイナミック格子コーム光源を示すブロック図である。
【
図2】本開示の一実施形態に従ったダイナミック格子コーム光源を示すブロック図である。
【
図3】本開示の一実施形態に従ったリング反射器を含むハイブリッド光源を示すブロック図である。
【
図4】本開示の一実施形態に従った集積回路を示すブロック図である。
【
図5】本開示の一実施形態に従った
図1、
図2または
図3の光源を含むシステムを示すブロック図である。
【
図6】本開示の一実施形態に従った光信号を与えるための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
表1は、本開示の一実施形態に従ったエシェル格子についての設計パラメータを示す。
なお、図全体を通して、同一の参照番号は対応する部品を指す。さらに、同じ部品が複数回現れる場合、ダッシュにより現れる回数から離された共通の接頭辞により示す。
【0012】
詳細な説明
光源、光源を含むシステム、および光信号を与えるための技術の実施形態を説明する。この光源は、フィードバックを用いて、光源により出力される波長コームにおける波長のセット中の隣接する波長間の実質的に一定の間隔を維持する。特に、光源における光源のセットは、波長のセットを有する光信号を与える。さらに、光信号は、光源における光デバイス(エシェル格子など)の回折角で出力され、光源における光検出器は、光信号に関連する光学距離(optical metric)を測定する。さらに、光源における制御ロジックは、測定された光学距離に基づいて制御信号を光源のセットに与える。
【0013】
隣接する波長間に実質的に一定の間隔を有する波長コームを設けることにより、光源は、小型で、エネルギ効率がよく、低コストな多波長光源が、波長分割多重(WDM)シリコン−フォトニックリンクにおける高速通信など、さまざまな用途においての使用のために実施できるようにし得る。その結果、光源は、高速チップ間およびチップ内シリコン−フォトニック相互接続、ならびに、この部品を含むことのできる関連システム(高性能コンピューティングシステムなど)を容易化する助けをし得る。
【0014】
ここで、光源の実施形態を説明する。レーザなどの既存のWDM光源の波長制御は、典型的には、駆動電流の制御、レージングキャビティにおける波長フィルタの調整、および、レーザ光の波長モニタリングから得られるフィードバック信号を用いたレージングキャビティの位相の微調整を伴う。以下の説明では、波長コームは、光源のセットおよび光デバイスのフィードバック制御を含むWDM光源により設けられ、光デバイスは、WDM光源により出力される隣接する波長の影響を受けないため、それらの隣接する波長の正確な間隔を維持する精密な光分波器(demultiplexer)として機能する。
【0015】
ダイナミック格子コーム光源(dynamic-grid comb optical source)100を示すブロック図を図示する
図1中に、WDM光源が示される。この光源は、実質的に一定の間隔を有する波長のセット(光リンクまたはWDMにおける光チャネルにおける使用のためのキャリア波長など)を有する光信号(光信号112など)を出力する光源のセット110を含む。ここで、所定の光源は、波長のセット中の所定の波長を有する所定の光信号を出力し、波長のセットは、波長コームを構成する。たとえば、波長のセット110は、レーザおよび/または発光ダイオードを含んでもよく、光信号は、光源のセット110のモニタリングポートから出力されてもよい。
【0016】
さらに、光源100における光コンバイナ(optical combiner)114は、光信号を結合する。この光信号は、2つの入力が結合されて出力が得られる、カスケード接続された2×1の光コンバイナ(Y−接合電力コンバイナなど)を含んでもよい。
【0017】
さらに、曲面120上の回折格子118を含む、光源100における光デバイス116は、光分波器を設ける。特に、光デバイス116は、反射ジオメトリを用いて光信号を結像および回折し、回折格子118の対応する回折角で光信号を出力することにより、隣接する波長間の正確な間隔を有する波長コームを維持する。
【0018】
なお、光デバイス116の所定の回折次数に関連する入射角(θ
i)122は、所定の回折次数に関連する回折角(θ
d)124と異なってもよい。さらに、回折格子118の格子ピッチ126は、20μmより大きくてもよい。
【0019】
例示的な実施形態では、光デバイス116は、エシェル格子を含む。エシェル格子の線分散(LD)は次のように表わされ得る。
【0021】
ここで、Rは、光デバイス116のローランド円半径であり、λは、波長のセットにおける中心波長であり、n
gは、群屈折率であり、n
effは、光信号を伝える光デバイス116における層(半導体層414など)の実効屈折率である。または、LDは次のように規定される。
【0023】
ここで、pは格子ピッチ126であり、sは、波長コーム中の実質的に一定の間隔である。式1および式2から、sは、次のように再度表わされ得る。
【0025】
さらに、式3を用いて、実質的に一定の間隔(δs)のばらつきは、次のように概算され得る。
【0027】
なお、式4の右辺の第1項は、典型的には小さい(たとえば、1%未満)。光信号がシリコン層において伝えられる場合、n
effおよびsは、製造ばらつきおよび/または周囲温度の変化のため、数%まで変わり得る。しかしながら、sは比較的小さい(たとえば、1.6nm)ため、δsの大きさも非常に小さい。したがって、λが正確なまま維持されなくても、波長コーム中の隣接する波長間の非常に正確で安定した間隔が達成されることができる。
【0028】
このように、光信号を正確に結像および回折することにより、光デバイス116は、波長のセットのモニタリングを容易化し、ひいては光源のセット110のフィードバック制御調整を容易化することができる。特に、光源100における複数の光検出器(optical detectors)128は、回折角(回折角124など)で出力される光信号に関連する光学距離を測定してもよい。ここで、所定の光検出器は、所定の光信号に関連する所定の光学距離を測定する。たとえば、複数の光検出器128は、複数の電力モニタおよび/または光検出器のアレイを含んでもよく、これらは、回折角で出力された光導波路中の光(または光の一部)を増幅およびモニタすることにより、波長のセットおよび/または波長コームについての追跡信号(tracking signals)を与える。
【0029】
さらに、光源100における制御ロジック130は、光学距離に基づいて制御信号132を光源のセット110に与えることにより、波長のセットにおける隣接する波長間の実質的に一定の間隔を維持する(すなわち、波長コームにおける波長は、正確な間隔を有する格子にロックされることができる)。たとえば、制御信号132は、光源のセット110の利得(GN.)、位相(PH.)および/または発光波長(WV.)を調整してもよい。なお、これらの調整は互いに独立していてもよい。
【0030】
一部の実施形態では、光源100は、光デバイス116に最も近い位置に省略可能な偏光補償器(polarization compensator)134を含み、ここで、省略可能な偏光補償器134は、光信号の偏光のばらつきを補償する。
【0031】
先の実施形態における中心波長λは、実質的に一定の間隔sほど正確には維持されない場合もあるが、光源100の製造後、(その上に光源100の少なくとも一部が実現される)基板の温度が大きく変わらない限り、中心波長λはほぼ固定されてもよい。したがって、光源100により設けられる波長コームは、絶対的な波長位置決めを必要としなくてもよい。これは、ポイント−ポイント接続形態(point-to-point topologies)を有するWDMシリコン−フォトニックリンクなど、内部動作性がしばしば必要でない通信用途において有用となり得る。
【0032】
しかしながら、一部の実施形態では、波長のセットは、測定された光学距離に基づくフィードバックを用いて調整されることもできる。たとえば、制御信号132は、光源のセット110により出力される光信号の波長のセットを調整することにより、光源100により出力される波長コームにおける波長の位置決めを実質的に維持してもよい。特に、ダイナミック格子コーム光源200を示すブロック図を図示する
図2に示すように、光源のセット110は、共振波長を有するリング共振器210を含んでもよく、制御信号132は、共振波長(および、ひいては光源のセット110の利得ピーク)を調整することによりキャリア波長を調整してもよい。
【0033】
一部の実施形態では、リング共振器210の共振波長は、互いからオフセットされることにより、合成波長コームを設ける。これらの実施形態では、リング共振器210を、これらの共振波長が波長のセットにおいて整合するか、または最も近い波長と並ぶように調整することにより、光源200から所望の出力された波長コームを得ることができる。実質的に一定の間隔が維持される限り、この低エネルギアプローチは、中心波長λのばらつきを追跡または補償することができる。
【0034】
なお、WDMシリコン−フォトニックリンクにおいて、合成波長コームは、下流(たとえば、受光器において)で調整されて、多重化器/分波器(multiplexer/de-multiplexer)またはアド/ドロップフィルタなどの、介在するWDM部品に関連する波長のばらつきを追跡または補償してもよい。一部の実施形態では、合成波長コームは、1以上の待機または予備波長が利用可能である波長間隔を、動作波長帯域外にしたり、または定格動作波長間にしたりできる。たとえば、互いにオフセットされた、同一の、実質的に一定の間隔を有する2つ以上の波長コームが存在することにより、予備として交互の波長コームを設けてもよい。
【0035】
ハイブリッド光源300を示すブロック図を図示する
図3に示されるように、一部の実施形態では、ダイナミック格子コーム光源は、III−V/シリコンハイブリッド集積レーザを含む。III−V部分(section)は、利得領域、位相調整領域、一端に高反射率鏡、および他端に出力結合器(エッチングされた鏡ファセット(mirror facet)など)を含む。たとえば、III−V部分は、能動光導波路において実現されてもよい。この能動光導波路は、受動シリコン光導波路に光結合されてもよい(
図4を参照して以下に説明するように、これはシリコン−オン−インシュレータまたはSOI技術を用いて実現されてもよい)。さらに、受動シリコン光導波路は、調整可能な波長選択性鏡として機能するリング共振器と、レージング出力デバイスとして機能する方向性結合器とを含んでもよい。
【0036】
なお、リング共振器の出力ポートは、モニタリングポートとして用いられることもでき、モニタリングポートは、光コンバイナ114における2×1の光コンバイナ(
図1および
図2)を介して波長制御のための光デバイス116(
図1および
図2)に接続されてもよい。代わりに、または追加的に、光のほんの一部が、波長モニタリングのために出力ポートから直接取出される(tapped)こともできる。
【0037】
上記のように、光源の少なくとも一部はSOI技術を用いて実現される。これは、集積回路400の側面図を示すブロック図を図示する
図4に示される。特に、集積回路400は、基板410と、基板410上に配置された埋め込み酸化層412と、埋め込み酸化層412上に配置された半導体層414とを含み、光源の少なくとも一部(光デバイス116など)は半導体層414に含まれる。たとえば、基板410および/または半導体層414は、シリコンなどの半導体を含んでもよい。
【0038】
例示的な実施形態では、波長のセットは、1.3または1.55μmの基本波長を有する光信号のように、1.1〜1.7μmの間である。さらに、半導体層414は、1μm未満(0.2〜0.3μmなど)の厚さ416を有してもよく、これは50〜100pmの実質的に一定の間隔(δs)のばらつきを許容可能であってもよい。さらに、埋め込み酸化層412は、0.3〜3μmの間(0.8μmなど)の厚さ418を有してもよい。さらに、光デバイス116におけるエシェル格子の例示的な設計についてのパラメータが表1に示される。
【0040】
光源は、さまざまな用途に用いられ得る。これは、光源100(
図1)、200(
図2)または300(
図3)などの光源508を含むシステム500を示すブロック図を図示する
図5に示される。システム500は、1以上のプロセッサ510、通信インターフェイス512およびユーザインターフェイス514を含んでもよく、ユーザインターフェイス514は、1以上の信号線522によりシステム500における他の部品に結合されてもよい。なお、1以上のプロセッサ(またはプロセッサコア)510は、並列処理および/またはマルチスレッド動作(multi-threaded operation)を支持してもよく、通信インターフェイス512は持続的な通信接続を有してもよく、1以上の信号線522は通信バスを構成してもよい。さらに、ユーザインターフェイス514は、ディスプレイ516、キーボード518、および/またはマウスなどのポインタ520を含んでもよい。
【0041】
システム500におけるメモリ524は、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリを含んでもよい。より具体的には、メモリ524は、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュ、1以上のスマートカード、1以上の磁気ディスク記憶デバイス、および/または1以上の光記憶デバイスを含んでもよい。メモリ524は、ハードウェア依存性タスクを実施するためのさまざまな基本的システムサービスを処理するための手順(または命令のセット)を含む動作システム526を格納してもよい。さらに、メモリ524は、通信モジュール528における通信手順(または命令のセット)を格納してもよい。これらの通信手順は、システム500に対して遠隔に配置されるコンピュータ、デバイスおよび/またはサーバを含む、1以上のコンピュータ、デバイスおよび/またはサーバと通信するために用いられてもよい。
【0042】
メモリ524は、1以上のプログラムモジュール530(または命令のセット)を含んでもよい。なお、プログラムモジュール530の1以上は、コンピュータプログラム機構を構成してもよい。メモリ524におけるさまざまなモジュールでの命令は、高度な手順言語、オブジェクト指向プログラミング言語、および/またはアセンブリもしくは機械言語で実現されてもよい。プログラミング言語は、1以上のプロセッサ(またはプロセッサコア)510によって実行されるように、コンパイルまたは解釈されてもよく、すなわち、構成可能であるか、または構成されてもよい。
【0043】
システム500は、VLSI回路、スイッチ、ハブ、ブリッジ、ルーター、通信システム、記憶域ネットワーク、データセンター、ネットワーク(ローカルエリアネットワークなど)、および/またはコンピュータシステム(マルチコアプロセッサコンピュータシステムなど)を含んでもよい。さらに、コンピュータシステムは、次に限定されないが、サーバ(マルチソケット、マルチラックサーバなど)、ラップトップコンピュータ、通信デバイスまたはシステム、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、メインフレームコンピュータ、ブレード、企業コンピュータ、データセンター、携帯コンピューティングデバイス、タブレット、スーパーコンピュータ、ネットワークアタッチストレージ(NAS)システム、記憶域ネットワーク(SAN)システム、および/または、別の電子コンピューティングデバイスを含んでもよい。
【0044】
一般的に、システム500は、1つの場所にあってもよく、または複数の地理的に離れた場所にわたって分散されてもよい。さらに、システム500の機能性の一部またはすべては、1以上の特定用途集積回路(ASICs)および/または1以上のデジタル信号プロセッサ(DSPs)で実現されてもよい。さらに、先の実施形態における機能性は、当該技術分野で知られているように、ハードウェアでより多く、ソフトウェアでより少なく実現されても、またはハードウェアでより少なく、ソフトウェアでより多く実現されてもよい。
【0045】
先の実施形態は、より少ない部品または追加的な部品を含んでもよい。さらに、チップパッケージおよびシステムは、数多くの単体のアイテムを有するとして説明されているが、これらの実施形態は、ここに記載される実施形態の構造的概略ではなく、存在し得るさまざまな特徴の機能的説明であることを意図している。その結果、これらの実施形態では、2つ以上の部品を単一の部品に組合せてもよく、および/または、1以上の部品の位置を変更してもよい。さらに、先の実施形態の2つ以上における特徴を互いに組合せてもよい。
【0046】
ここで、方法の実施形態を説明する。
図6は、光信号を与えるための方法を示すフローチャート600を図示し、これは光源100(
図1)、200(
図2)または300(
図3)を用いて行なわれてもよい。動作中、光源のセットは、実質的に一定の間隔を有する波長のセットを有する光信号を出力する(動作610)。ここで、所定の光源は、波長のセット中の所定の波長を有する所定の光信号を出力し、波長のセットは、波長のコームを構成する。次に、光コンバイナは、光信号を合体する(動作612)。さらに、光デバイスは、反射ジオメトリを用いて、結合された光信号を結像および回折する(動作614)。ここで、光デバイスは、曲面上の回折格子を含み、光デバイスは、回折格子の対応する回折角で光信号を出力する(動作616)ことにより、波長コームを維持する。次に、複数の光検出器は、回折角で出力された光信号に関連する光学距離を測定する(動作618)。ここで、所定の光検出器は、所定の光信号に関連する所定の光学距離を測定する。さらに、制御ロジックは、光学距離に基づいて光源のセットに制御信号を与えることにより(動作620)、波長のセットにおける隣接する波長間の実質的に一定の間隔を維持する。
【0047】
方法600の一部の実施形態では、追加的またはより少ない動作が存在する。さらに、動作の順序は変更されてもよく、および/または、2つ以上の動作が単一の動作に組合されてもよい。
【0048】
上記の説明は、当業者が本開示を実施し、使用するのを可能にすることを意図し、特定の用途およびその要件の文脈で設けられる。さらに、本開示の実施形態の上記の説明は、例示および説明の目的のみのために提示される。それらは網羅的であったり、本開示を開示された形態に限定することを意図するものではない。したがって、多くの改良およびバリエーションが当業者に明らかとなり、ここに規定される一般的な原則は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく他の実施形態および用途に適用され得る。さらに、先の実施形態の説明は、本開示を限定することを意図するものではない。したがって、本開示は、示される実施形態に限定されることを意図せず、ここに開示される原則および特徴と一致する最も広い範囲が与えられることを意図する。