(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195852
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】X線ビーム整形器
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20170904BHJP
【FI】
A61B6/03 320M
A61B6/03ZDM
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-560467(P2014-560467)
(86)(22)【出願日】2013年2月6日
(65)【公表番号】特表2015-509419(P2015-509419A)
(43)【公表日】2015年3月30日
(86)【国際出願番号】IB2013050975
(87)【国際公開番号】WO2013132361
(87)【国際公開日】20130912
【審査請求日】2016年2月4日
(31)【優先権主張番号】61/607,805
(32)【優先日】2012年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】レースル,エヴァルト
【審査官】
安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2004/0234037(US,A1)
【文献】
特開2005−131398(JP,A)
【文献】
特開2003−339691(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0234021(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0219106(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0104320(US,A1)
【文献】
特開平02−211127(JP,A)
【文献】
特表2011−502679(JP,A)
【文献】
特開平09−010198(JP,A)
【文献】
特開昭54−017691(JP,A)
【文献】
特開昭60−194938(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0089146(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0198319(US,A1)
【文献】
米国特許第04773087(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0308229(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第00751485(EP,A1)
【文献】
米国特許第04190773(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00−6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査領域の周りの経路に沿って回転し、前記検査領域と該検査領域内の対象物を含む視野を通り抜ける放射線ビームを放出する焦点スポットと、
前記視野を通り抜ける放射線を検出し、検出された放射線を示す信号を出力する、前記検査領域をまたいで放射線源に対向して設けられた検出器アレイと、
前記放射線源と前記検査領域との間に位置するビーム整形器であって、前記焦点スポットと共に回転し、前記焦点スポットに対して、前記焦点スポットの回転と同一の角周波数で前記焦点スポットとは反対の方向に回転し、かつ、前記放射線ビームを減衰させ、前記焦点スポットの各回転角での前記検出器アレイにわたる放射線束密度は減少するビーム成形器とを有する、
撮像システム。
【請求項2】
各画素での前記ビームの強度が略同一となるように前記ビームを減衰させる、前記焦点スポットと前記ビーム整形器との間に位置するフィルタをさらに有する、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記ビーム整形器が、前記視野を通り抜けるが前記検査領域内に設けられた対象物を通り抜けない放射線を減衰させるX線減衰材料を含む、請求項2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記ビーム整形器が、楕円形状の外側周縁及び楕円形状の内側周縁を有し、
前記楕円形状の内側周縁は、前記ビーム整形器を貫通する材料が存在しない領域を画定し、かつ、ヒトの肩、腹部、及び/又は胸部に沿った断面領域に対応する、
請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記ヒトの腕部の断面領域に対応する第2の材料が存在しない領域及び第3の材料が存在しない領域をさらに有する、請求項4に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記ビーム整形器が、楕円形状の外側周縁及び2つの円形の内側周縁領域を有し、
前記2つの円形の内側周縁領域の各々は、前記ビーム整形器を貫通し、かつ、ヒトの脚部に対応する材料が存在しない領域を画定する、
請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記ビーム整形器が、第1楕円形状の外側周縁及び第2円形の内側周縁を有し、
前記第2円形の内側周縁は、前記ビーム整形器を貫通し、かつ、ヒトの頭部に対応する材料が存在しない領域を画定する、
請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記ビーム整形器は、被験者の異なる領域に対応する領域を備える3次元構造である、請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記焦点スポットに対して前記ビーム整形器を支持し、かつ、前記放射線源と共に回転する支持体;
前記ビーム整形器を移動させる駆動システム;及び、
前記駆動システムを制御する制御装置;
を有する、請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項10】
前記支持体が、前記ビーム整形器を回転可能に支持し、かつ、
前記制御装置が、前記焦点スポットに対して前記ビーム整形器を回転させるように前記駆動システムを制御する、
請求項9に記載の撮像システム。
【請求項11】
前記支持体が、前記ビーム整形器を回転可能に支持し、かつ、
前記制御装置が、前記焦点スポットに対して前記ビーム整形器を所定の回転位置まで回転させるように前記駆動システムを制御し、かつ、回転ガントリーを回転させながら前記所定の回転位置に前記ビーム整形器を保持する、
請求項9又は10に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記支持体が、前記ビーム整形器の半径方向の運動を支持し、かつ、
前記制御装置が、走査のために前記ビーム整形器を半径方向に移動させるように前記駆動システムを制御する、
請求項9乃至11のうちのいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項13】
前記支持体が、前記ビーム整形器の円周方向の運動を支持し、かつ、
前記制御装置が、走査のために前記ビーム整形器を円周方向に移動させるように前記駆動システムを制御する、
請求項9乃至12のうちのいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項14】
第1方向での対象物の走査の間、所与の角周波数で検査領域と該検査領域内の前記対象物の周りの経路上での所定の角度範囲全体にわたって焦点スポットとビーム整形器を回転させる段階;
同時に、前記所与の角周波数で、前記焦点スポットに対して前記第1方向とは反対の方向に前記ビーム整形器を回転させる段階;
同時に、前記ビーム整形器、視野、及び、前記対象物を通り抜けて、前記焦点スポットの反対に位置する検出器に衝突する、前記焦点スポットによって放出される放射線を検出する段階;並びに、
前記放射線を示す出力信号を生成する段階;
を有する方法。
【請求項15】
前記対象物のサイズに基づいて前記ビーム整形器を半径方向に並進又は回転させる段階をさらに有する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、コンピュータ断層撮像(CT)に関し、より詳細には、対象物のX線ビーム整形器に関する。
【背景技術】
【0002】
CTスキャナは、X線ビームを放出するX線管を有する。X線ビームの第1部分は、検査領域の視界内に位置する対象物を通り抜け、かつ、前記対象物の放射線密度の関数として減衰される。X線ビームの第2部分は、前記対象物を通り抜けることなく前記検査領域の視界を通り抜ける。X線管から検査領域をまたいで設けられる検出器アレイは、視界を通り抜ける放射線を検出し、かつ、該放射線を示す信号を生成する。再構成器は前記信号を再構成することで、体積画像データを生成する。
【0003】
ビーム整形器は、X線管と検査領域との間のX線ビーム路中に設けられた。ビーム整形器は、ビームをその周辺でより大きく減衰させるように形成される。ビーム整形器は、その概形がちょうネクタイに似ていることからちょうネクタイフィルタ(bowtiefilter:補償フィルタ)と呼ばれてきた。ビーム整形器は、たとえばダイナミックレンジの限られた検出器−気体(たとえばキセノン)検出器−を備えるスキャナ内において、検出器のダイナミックレンジの要件を緩和するのに用いられてきた。ビーム整形器はまた、患者への照射量及びシンチレータ/フォトセンサ検出器によるビームハードニングアーティファクトを緩和するのにも用いられてきた。
【0004】
このビーム整形器は、気体検出器のようにダイナミックレンジが限られてきて、かつ、CTの高い線束率での計数率が不十分であることに悩まされてもいる直接変換光子計数検出器の線束を減少させるのにもよく適している。つまり典型的なCTスキャンでは、対象物を通り抜けないビーム線−たとえばビーム周辺での線、又は、非常に短い距離しか対象物を通り抜けないビーム線(たとえば対象物の周辺(付近)を通り抜けて特定量未満にまで減衰されるビーム線)−には、極端に大きな計数率が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし本実施例でのビーム整形器の性能は限られている。その理由は、ビーム整形器のプロファイルは、1回の走査に必要な全角度範囲(つまり少なくとも180°+扇型の角度)にわたる視野内での対象物のプロファイルに対応するからである。このことは
図1と
図2に示されている。
図1と
図2では、焦点スポット106が第1角度108(
図1)から第2角度110(
図2)まで回転すると、焦点スポット106に対するビーム整形器104のプロファイル102は同一のままであるが、焦点スポット106に対するアイソセンターに位置する略楕円形の患者112のプロファイル110は変化する。
【0006】
図1と
図2では、ビーム整形器104は、
図1に示された患者の向きに対応するプロファイルを有する。このとき患者112の長軸はビーム整形器104に対して略平行である。このプロファイルによって、
図1では、線115が通り抜けるビーム整形器104の厚さは、線115が通り抜ける患者の厚さに対応する。
図2では、線115は、
図1と同一のビーム整形器104の厚さを通り抜けるが、患者を通り抜けない。その結果、線115の強度は、
図2の第2回転角110での所望の値よりも高くなる。
【0007】
図3と
図4に図示されているように、対象物300が中心からずれた位置に設けられ、かつ、アイソセンター118からずれている場合でも同じ状況が起こる。ビーム整形器104のプロファイル102は、如何なる角度での中心が外れた対象物300のプロファイル110に対応せず、かつ、角度によって変化してしまう。上述した課題のうちの少なくとも1つの結果として、たとえ線が対象物112又は300を通り抜けない場合にビーム整形器104が線束を減少させるとしても、ビーム整形器104は、該ビーム整形器104の角度位置の関数として、検出器アレイの所望の均一な(一定の)照射からのずれを生じさせる恐れがある。これは画像の品質を劣化させる恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に記載された態様は上述の問題等を解決する。
【0009】
一の態様では、撮像システムは、焦点スポット(508)を有する。前記焦点スポット(508)は、検査領域の周りの経路に沿って回転し、かつ、前記検査領域と該検査領域内の対象物の視界を通り抜ける放射線ビームを放出する。当該システムは、前記検査領域をまたいで放射線源に対向して設けられた光子計数検出器アレイをさらに有する。前記検出器アレイは、前記視界を通り抜ける放射線を検出し、かつ、前記の検出された放射線を示す信号を出力する。当該システムは、前記放射線源と前記検査領域との間に位置するビーム整形器をさらに有する。前記ビーム整形器は、前記焦点スポットと共に回転し、前記焦点スポットに対して、前記焦点スポットの回転と同一の角周波数で前記焦点スポットとは反対の方向に回転し、かつ、前記放射線ビームを減衰させる。その結果、前記焦点スポットの各回転角での前記検出器アレイにわたる放射線束密度は減少する。
【0010】
他の態様では、方法は、第1方向での対象物の走査の間、所与の角周波数で検査領域と該検査領域内の前記対象物の周りの経路上での所定の角度範囲全体にわたって焦点スポットとビーム整形器を回転させる段階、同時に、前記所与の角周波数で、前記焦点スポットに対して前記第1方向とは反対の方向に前記ビーム整形器を回転させる段階、同時に、前記ビーム整形器、視界、及び、前記対象物を通り抜けて、前記焦点スポットの反対に位置する検出器に衝突する、前記焦点スポットによって放出される放射線を検出する段階、並びに、前記放射線を示す出力信号を生成する段階を有する。
【0011】
他の態様では、撮像システムのビーム整形器は内周と外周を有する。前記内周は、貫通する少なくとも1つの材料の存在しない領域を画定し、かつ、前記視界内のヒトの対象物の断面のモデルのプロファイルに対応する。X線減衰材料は、前記外周と前記内周との間に存在する。
【0012】
本発明は、様々な構成要素及び様々な構成要素の配置、並びに、様々な段階及び様々な段階の組み合わせの形態をとってよい。図面は単なる好適実施例の例示であり、本発明を限定すると解されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】アイソセンターの周りで中心をとる楕円形状の対象物に対して第1角度をとる典型的な従来技術に係る補償ビーム整形器を概略的に示している。
【
図2】アイソセンターの周りで中心をとる楕円形状の対象物に対して前記第1角度とは異なる第2角度をとる
図1に図示された典型的な従来技術に係る補償ビーム整形器を概略的に示している。
【
図3】中心から外れた対象物に対して第1角度をとる
図1に図示された典型的な従来技術に係る補償ビーム整形器を概略的に示している。
【
図4】中心から外れた対象物に対して前記第1角度とは異なる第2角度をとる
図1に図示された典型的な従来技術に係る補償ビーム整形器を概略的に示している。
【
図5】撮像システムの検出器アレイによって検出されるX線束を角度に対して独立して均一化させる少なくとも1つのビーム整形器を有する典型的な撮像システムを概略的に示している。
【
図6】少なくとも1つのビーム整形器の例を概略的に示している。
【
図7】走査中に第1角度位置をとる
図6の典型的なビーム整形器の例を概略的に示している。
【
図8】走査中に第2角度位置をとる
図6の典型的なビーム整形器の例を概略的に示している。
【
図9】走査中に第3角度位置をとる
図6の典型的なビーム整形器の例を概略的に示している。
【
図10】走査中に第4角度位置をとる
図6の典型的なビーム整形器の例を概略的に示している。
【
図11】ビーム整形器が中心から外れた対象物を補償するように円周方向に並進する例を概略的に示している。
【
図12】ビーム整形器が中心から外れた対象物を補償するように円周方向に並進する例を概略的に示している。
【
図13】ビーム整形器が中心から外れた対象物を補償するように半径方向に並進する例を概略的に示している。
【
図14】ビーム整形器が中心から外れた対象物を補償するように半径方向に並進する例を概略的に示している。
【
図15】ビーム整形器が、小さな対象物を補償するように回転する例を概略的に示している。
【
図16】ビーム整形器が、小さな対象物を補償するように回転する例を概略的に示している。
【
図17】ビーム整形器が、対象物の肩と共に対象物の腕も考慮するビーム整形器の変化型を概略的に示している。
【
図18】ビーム整形器が、対象物の下肢を考慮するビーム整形器の変化型を概略的に示している。
【
図19】ビーム整形器が、対象物の頭部を考慮するビーム整形器の変化型を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図5は、撮像システム500−たとえばコンピュータ断層撮像(CT)スキャナ−を表している。撮像システム500は、静止ガントリ502及び回転ガントリ504を有する。回転ガントリ504は、静止ガントリ502によって回転可能に支持されている。回転ガントリ504は、長軸すなわちz軸を中心として検査領域506の周りで回転する。
【0015】
放射線源509−たとえばX線管−は、回転ガントリ504によって支持され、かつ、検査領域506の周りで回転ガントリ504と共に回転し、かつ、焦点スポット508を介して検査領域506を通り抜ける放射線を放出する。線源コリメータ510は、放射線源509と検査領域506との間に設けられ、かつ、放出された放射線をコリメートすることで、略扇形、くさび形、錐体形状、又は他の形状のX線ビーム512を生成する。ビーム512は、検査領域506のアイソセンター514で中心をとり、かつ、略円形の視界516を画定することで、横方向の再構成面518を再構成する。横方向の再構成面518は、ビーム512の中心線517に対して略垂直で、かつ、アイソセンター514を突き抜けて延びる。
【0016】
放射線感受性の検出器アレイ520は、検査領域506をまたいで放射線源509の反対に位置する。検出器アレイ520は、複数の光子計数検出器画素−直接変換型光子計数検出器画素−からなる列を1列以上有する。前記複数の光子計数検出器画素は、検査領域506を囮抜ける放射線を検出し、かつ、前記の検出された放射線を示す信号を生成する。一般的に信号は、検出された放射線のエネルギーを示すピーク振幅すなわち高さを有する電流又は電圧信号を含む。直接変換型光子計数検出器画素は、任意の適切な直接変換型材料−たとえばCdTe、CdZnTe、Si、Ge、GaAs、又は他の直接変換型材料−を含んで良い。他の実施例では、放射線感受性検出器アレイ520はその代わりに、複数の集積型検出器−たとえばシンチレータ/光センサ及び/又は他の検出器−からなる列を1列以上有する。
【0017】
少なくとも1つのビーム整形器524は、ビーム512の経路中のコリメータ510と検査領域506との間に位置する。ビーム整形器524は、ビームを減衰させる物理装置である。以降で詳述するように、一の例では、ビーム整形器524は、ビーム512を減衰させることで、各回転角で検出器アレイ520の検出器画素全体にわたって略同一の所定X線束プロファイルを実現する。これにより、検出器によって検出されるX線束を角度とは独立に均一化すると同時に、被走査対象物の周辺領域での小さな減衰又は減衰がないのを補償することが可能となる。
【0018】
支持体527は、システム500内でビーム整形器524を支持する。検査領域506の周りの経路に沿って焦点スポット508とビーム整形器524を回転させると共に、焦点スポット508に対するビーム整形器524の(一方向以上での)独立した回転運動及び/又は並進運動を可能にするように、支持体527は、ビーム整形器524を支持するように構成されて良い。1つ以上の制御装置522及び/又は1つ以上の駆動システム525(たとえばモーター、カップリング等)が、ビーム整形器524を回転及び/又は並進させるのに用いられて良い。
【0019】
パルス整形器526は、検出器アレイ520によって出力される電気信号を処理し、かつ、検出された光子のエネルギーを示すパルス−たとえば電圧又は他のパルス−を発生させる。エネルギー弁別器528のエネルギーは、パルスを弁別する。図示された例では、エネルギー弁別器528は少なくとも1つの比較器530を有する。比較器530は、パルスの振幅と、関心エネルギーに対応する少なくとも1つのエネルギー閾値とを比較する。比較器530は、堅守された光子が閾値よりも上であるのか下であるのかを示す出力信号を生成する。
【0020】
計数器532は、各閾値での計数値を増大(又は減少)させる。たとえば、特定の閾値についての比較器530の出力が、パルスの振幅が対応する閾値を超えていることを示すとき、その閾値についての計数値が増大する。エネルギービン割り当て器(energy binner)534は、計数されたパルスを、各異なるエネルギー範囲に対応するエネルギービンに割り当てる。たとえばビンは、2つの閾値間のエネルギー範囲について定義されて良い。低い閾値のカウントとなるが高い閾値のカウントとはならない光子が、そのビンに割り当てられる。
【0021】
システム500が複数の検出器からなる列を1列以上有する場合、パルス整形器526、エネルギー弁別器528、比較器530、計数器532、及びエネルギー割り当て器534は省略されて良い。この場合では、ビーム整形器524は、患者への照射量及び/又はビームハードニングアーティファクトを減少させるのに用いられる。
【0022】
再構成器536は、スペクトル及び/又は従来の再構成アルゴリズムを用いてビンに割り当てられたデータ(binned data)を再構成し、かつ、検査領域及び/若しくは該検査領域内の対象物の一部を示すスペクトル並びに/又は従来の体積画像データを生成する。対象物支持体540−たとえばカウチ−は、検査領域506内の対象物を支持し、かつ、走査前、走査中、及び/又は走査後に対象物をx,y,及び/又はz軸について位置設定するのに用いられて良い。
【0023】
汎用計算システムは、オペレータコンソール538として機能し、かつ、出力装置−たとえばディスプレイ−及び入力装置−たとえばキーボード、マウス等−を有する。コンソール538上で動作するソフトウエアによって、オペレータは、システム500の動作を制御することが可能となる。たとえばオペレータは、事前に生成された撮像プロトコルを選択することによって、特定のビーム整形器524、ビーム整形器の運動等を直接的又は間接的に選択することが可能となる。
【0024】
図6は、ビーム整形器524の非限定的な例を表している。
【0025】
典型的なビーム整形器524は、外側楕円周縁600及び内側楕円周縁602を有する環状の形状である。外側楕円周縁600は長軸604と短軸605を有する。短軸605は長軸604よりもよりも短い。内側楕円周縁602は長軸606と短軸608を有する。短軸608は長軸606よりもよりも短い。それにより、ビーム整形器524によって少なくとも2次元において取り囲まれたビーム整形器524を通り抜ける楕円形の材料が存在しない領域620が生成される。
図6では、軸604、605、606、及び608は、互いに視覚的に区別できるようにするためだけに、楕円の中心からオフセットされた状態で示されている。ビーム整形器524は、長軸606に沿って第1厚さ610及び第2厚さ612、並びに、短軸608に沿って第3厚さ614及び第4厚さ618を有する。ここで第3厚さ614及び第4厚さ618は、第1厚さ610及び第2厚さ612よりも大きい。
【0026】
ビーム整形器524は、適切なX線減衰特性−たとえば、軟組織の減衰特性に類似する減衰特性を有する水(に近い)減衰特性と類似した減衰特性、軟組織の減衰と類似する減衰特性、又は、他の望ましい減衰特性−を備える1種類以上の材料を有して良い。水に近い減衰特性を備える適切な材料の例には、テトラフルオロエチレンの合成フルオロポリマーであるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が含まれる。適切なポリテトラフルオロエチレンの例は、本社が米国デラウエアにあるデュポン社の製品であるテフロン(登録商標)である。関心材料の減衰特性に近いX線減衰特性を備える他の材料も考えられる。
【0027】
図示された実施例では、長軸606と短軸608の長さは、内側周縁602が、肩でのヒトの患者の略楕円形状に似るようなもので、かつ、外側周縁600の長軸604と短軸605の長さは、対象物を通り抜ける線が、過減衰ではなく、線束を所定の閾値未満にまで減少させるように適切に減衰されるような大きさである。円形の外側周縁は、対象物を通り抜ける外側周縁線を過減衰させる。その結果、検出器アレイ520全体にわたって不均一なノイズ分布となる恐れがある。
【0028】
理論的には、ビーム整形器524のサイズと減衰は、焦点スポット508とアイソセンター514との間でのビーム整形器524の位置に比例する。たとえばビーム整形器524が、アイソセンター514から、焦点スポット508とアイソセンター514との間の真ん中へ移動した場合、ビーム整形器524のサイズは2倍に減少しなければならず、かつ、ビーム整形器524の減衰は、同一の結果を実現するように2倍にならなければならない。一般的には、サイズスケール因子は、ビーム整形器524の焦点スポット508へ向かう変位に比例し、かつ、減衰スケール因子はサイズスケール因子に反比例する。
【0029】
図7、
図8、
図9、及び
図10は、動作中の
図6のビーム整形器524を様々な回転角にわたって示している。
【0030】
これらの図では、ビーム整形器524は、焦点スポット508からアイソセンター514へ引かれた線700に対して中心をとり、かつ、検査領域506の周りの経路に沿って焦点スポット508と共に回転し、さらには焦点スポット508とは独立して回転すると同時に、同一各周波数で反対方向に回転するように構成される。
【0031】
この例では、駆動システム525は、モーター、モーターとビーム整形器524との間のカップリング、及び、焦点スポット508から独立してビーム整形器524の回転を容易にする回転支持体527及び/又は他の構成部材を有して良い。さらに長軸704を有する楕円形状の対象物702が、検査領域506の視界516内に位置し、かつ、焦点スポット508からアイソセンター514へ引かれた線700に対して中心をとる。あるいはその代わりに対象物702は、円形状又は不規則な形状であっても良い。
【0032】
図7では、焦点スポット508とビーム整形器524が6時の位置に設けられている。ビーム整形器524は、対象物702の向きに対応するような角度をとる。そのためビーム512の外側線706は、ビーム整形器524の外側周縁600と視界516の外側周縁708に沿って通り抜ける。ビーム512の線710と712は、ビーム整形器524の内側周縁602と対象物702の外側周縁714に沿って通り抜ける。
【0033】
図8では、焦点スポット508とビーム整形器524は、6時の位置に対して検査領域506の周りで30°時計回りに回転し、かつ、同時にビーム整形器524は、焦点スポット508に対して、回転する焦点スポット508と同一の角周波数で30°反時計回りに回転した。そのため、ビーム整形器524の回転が本質的に打ち消され、ビーム整形器524は実質的に回転することなく経路上で並進し、対象物702のプロファイルの変化と共に、焦点スポット508に対するビーム整形器524のプロファイルが動的に変化する。
【0034】
図7と同様に、ビーム512の外側線706は、ビーム整形器524の外側周縁600と視界516の外側周縁708に沿って通り抜ける。ビーム512の線802と804は、ビーム整形器524の内側周縁602と対象物702の外側周縁714に沿って通り抜ける。ビーム整形器524が同時に反時計回りに回転しなければ、焦点スポット508に対するビーム整形器524のプロファイルは、たとえば
図1〜
図4に示されたビーム整形器と同様に、対象物702のプロファイルの変化に対して変化せず、かつ、ビーム整形器524の内側周縁602に沿って通り抜けるビーム512の線は、対象物702の外側周縁714に沿って通り抜けない。
【0035】
図9では、焦点スポット508とビーム整形器524は、6時の位置に対して検査領域506の周りでさらに30°(合計で60°)時計回りに回転し、かつ、同時にビーム整形器524は、焦点スポット508に対して、同一角周波数でさらに30°反時計回りに回転した。
図7と同様に、ビーム512の外側線706は、ビーム整形器524の外側周縁600と視界516の外側周縁708に沿って通り抜ける。ビーム512の線902と904は、ビーム整形器524の内側周縁602と対象物702の外側周縁714に沿って通り抜ける。
【0036】
図10では、焦点スポット508とビーム整形器524は、6時の位置に対して検査領域506の周りでさらに30°(合計で90°)時計回りに回転し、かつ、同時にビーム整形器524は、焦点スポット508に対して、同一角周波数でさらに30°反時計回りに回転した。
図7と同様に、ビーム512の外側線706は、ビーム整形器524の外側周縁600と視界516の外側周縁708に沿って通り抜ける。ビーム512の線1002と1004は、ビーム整形器524の内側周縁602と対象物702の外側周縁714に沿って通り抜ける。
【0037】
図7〜
図10に図示された角度位置は例示目的で与えられているのであり、他の角度(360°を超える角度も含まれる)及び/又は他の角度増分も考えられることに留意して欲しい。また、典型的な患者は一般的に完全な楕円形ではなく、かつ、そのような実際の形状の差異にもかかわらず、ビーム整形器524は、
図1〜
図4に示された従来技術に係る補償フィルタよりも、検出器アレイ520の検出器画素の均一な照射を改善することにも留意して欲しい。
【0038】
つまり、たとえビーム整形器524が、対象物702のプロファイルと完全に一致しなくても、依然として、検査領域516の周りの経路に沿った焦点スポット508とビーム整形器524の回転と同時に行われるビーム整形器524の反時計回りの回転による対象物702のプロファイルの変化によって、焦点スポット508に対するビーム整形器524のプロファイルは変化する。そのため、ビーム整形器524のプロファイルがすべての角度で同一である
図1〜
図4と比較して、ビーム整形器524のプロファイルは、各回転角度で対象物702のプロファイルにより近く一致する。これにより、各回転角度での検出器アレイ520の検出器画素にわたる所望の線束密度を維持しながら、検出器アレイ520のダイナミックレンジを減少させることが可能となる。
【0040】
図11と
図12では、ビーム整形器524は、横方向にも移動可能である。そのため、ビーム整形器524は、中心からずれた対象物を補償するように移動し得る。
図11は、アイソセンター514に対して中心を外すようにずれた対象物702、及び、アイソセンター514に対して中心をとるビーム整形器524を示している。ビーム整形器524の内側周縁602に沿って通り抜けるビーム512の線1102と1104は、対象物702の外側周縁714に沿って通り抜けない。
【0041】
図12は、対象物702の中心から外れた位置を補償するためにビーム整形器524を移動させるビーム整形器524の移動を示している。係る移動後、線1202と1204は、ビーム整形器524の内側周縁602と対象物702の外側周縁714の両方に沿って通り抜ける。ビーム整形器524の変位量はたとえば、調査用走査等から予見的に推測されて良い。
【0042】
図13と
図14では、ビーム整形器524は、焦点スポット508とアイソセンター514との間の方向においても移動可能である。そのため、ビーム整形器524は、小さな対象物を補償するように移動し得る。
図13は、アイソセンター514に対して中心をとる小さな対象物、及び、アイソセンター514に対して中心をとるビーム整形器524を示している。ビーム整形器524の内側周縁602に沿って通り抜けるビーム512の線1303と1304は、小さな対象物1302の外側周縁714に沿って通り抜けない。
【0043】
図14は、小さな対象物1302を補償するためにアイソセンター514へ向かうビーム整形器524の移動を示している。係る移動後、ビーム整形器524の内側周縁602に沿って通り抜けるビーム512の線1402と1404は、対象物702の外側周縁714に沿っても通り抜ける。同様に、ビーム整形器524の変位量はたとえば、調査用走査等から予見的に推測されて良い。減衰の大きさは、ソフトウエアで補償されて良いし、又は、無視されても良い。
【0044】
図15と
図16では、ビーム整形器524は、小さな対象物1302を補償するように回転する。
図15を参照すると、
図13で説明したように、ビーム整形器524の内側周縁602に沿って通り抜けるビームの線1303と1304は、対象物1302の外側周縁714に沿って通り抜けない。
【0045】
図16は、小さな対象物1302を補償するために回転するビーム整形器524を示している。係る移動後、ビーム整形器524の内側周縁602に沿って通り抜けるビーム512の線1602と1604もまた、対象物1302の外側周縁714に沿って通り抜ける。ビーム整形器524の回転量はたとえば、調査用走査等から予見的に推測されて良い。
【0046】
図5〜
図16に図示された回転運動及び/又は並進運動の1つ以上の組み合わせもまた考えられることに留意して欲しい。
【0047】
他の変化型では、ビーム整形器524は、従来の補償フィルタ−たとえば
図1〜
図4及び/又は他の補償フィルタ−と似せるように、静止位置で保持されて良い。
【0048】
他の変化型では、ビーム整形器524は、最初に回転及び/又は並進され、その後走査中に静止位置に保持されて良い。
【0049】
他の変化型では、ビーム整形器524は、従来の補償フィルタ及び/又は他のビームフィルタ−たとえば予備整形器又は他のビームフィルタ−と併用されても良い。焦点スポットとビーム整形器との間に設けられた予備整形器は、ビームを減衰させるのに用いられて良い。よって対象物が視界516全体を完全に満たしていると仮定すると、各画素でのビーム強度は同一である。
【0050】
図5〜
図16では、ビーム整形器524の形状は一般的に、対象物の肩に沿った楕円断面積に対応する。他のビーム整形器524の形状も考えられる。たとえば
図17は、対象物の腕部に対応する2つの円形の材料が存在しない領域1700をさらに含むビーム整形器524を示している。
【0051】
図18は、対象物の脚部に対応する2つの円形の材料が存在しない領域1700をさらに含むビーム整形器524を示している。
図19は、ビーム整形器524が、対象物の頭部に対応する1つの円形部分1900を含む変化型を示している。対象物の他の部位のために構成される他のビーム整形器524も考えられる。
【0052】
他の変化型では、ビーム整形器524は3次元構造である。このときビーム整形器524の様々な領域は、対象物の様々な領域(たとえば頭部、肩、腕部、脚部等)に対応する。係るビーム整形器は、単一の構造であって良いし、又は、積層された個々のビーム整形器524−たとえば
図17〜
図19に示されたもの及び/又は他のビーム整形器524−の組み合わせであっても良い。この場合では、ビーム整形器524はさらに、螺旋走査中にZ軸に沿って並進する。それにより任意の所与の時間でのビーム512の経路内でのビーム整形器524の領域は、走査中の対象物の領域に対応する。
【0053】
非限定的な例として、ビーム整形器524は、ヒトの形態として空気腔を備える中空円筒で構成される全身線束補償器であって良い。走査中、円筒は、上述したように反時計回りに回転し、かつ、螺旋走査中にZ軸に沿って並進することで、ヒト様の空気腔の様々な部分を、患者の対応する部位に位置合わせする。患者とアイソセンターとの位置合わせのずれは、半径方向での並進によって、少なくとも近似的には補償されうる。係るビーム整形器524は、すべて(たとえば年齢等に基づいて)に対して汎用であって良いし、又は、走査中の対象物に固有であっても良い。
【0054】
対象物に固有なビーム整形器524については、ビーム整形器524の形状は、過去の走査及び/又は他の情報に基づいて良く、ビーム整形器524は、特定の対象物に対して調整されて良い。この場合、権限のある個人−たとえば医師、放射線技師等−が、走査のためにビーム整形器524を選択的に搬入及び搬出するように構成されるシステム500のキャリア内、又は、ビームが通り抜ける経路内の静止した整形器支持体内にビーム整形器524を設置し得るように、ビーム整形器524は構成される。あるいはその代わりに、サービス、製造等に係る人がビーム整形器524を設置しても良い。
【0055】
少なくとも1つのビーム整形器524が複数のビーム整形器524を含む場合、所与のビーム整形器524は、ビーム512の経路内とビーム512の経路外とで交互に位置設定されて良い。各異なるビーム整形器は、対象物の各異なる領域(たとえば肩、脚部、頭部等)、同一の領域だがサイズの異なる対象物(幼児、小児、又は成人)等に対応して良い。
【0056】
他の変化型では、ビーム整形器524は、
図6に図示された対象物を補償するが、視界全体を満たしていない。これにより、ビーム整形器524の合計の直径を減少させることができる。
【0057】
図20は、本願で述べた実施例による典型的な方法を表している。
【0058】
本願で説明した方法の処理の順序は限定されないことに留意して欲しい。そのため他の順序も考えられる。それに加えて1つ以上の処理は省略されて良いし、かつ/あるいは、1つ以上のさらなる処理が含まれて良い。
【0059】
2000では、対象物の予備走査が実行される。予備走査は、2D投影走査−たとえばスカウトスキャン、3D低体積走査、及び/又は他の走査−であって良い。
【0060】
2002では、対象物の体積走査が、予備走査に基づいて計画される。
【0061】
2004では、関心ビーム整形器が、視界を通り抜けるビーム路へ移動する。このときビーム整形器は選択可能である。本願で述べたように、適切なビーム整形器は、平均的な対象物のモデルよりも小さい視界に対応する形状を有する。
【0062】
2006では、任意で、対象物が検査領域のアイソセンターに対して中心を外して設けられている場合に、ビーム整形器は、中心を外した対象物を補償するように移動する。
【0063】
2008では、任意で、ビーム整形器のサイズが対象物のサイズに対応しない場合に、ビーム整形器は、小さな対象物を補償するように移動する。
【0064】
2010では、体積走査中、焦点スポットとビーム整形器が、楕円形状の対象物の走査中、所与の角周波数で検査領域の周りの経路上を所定の角度範囲にわたって回転する。
【0065】
2012では、同時に、回転するビーム整形器が、焦点スポットに対して、所与の角度範囲にわたって同一の角周波数で反時計回りに回転することで、ビーム整形器524は、回転することなく実効的に経路に沿って並進する。
【0066】
上記は、コンピュータ可読記憶媒体上に符号化又は組み込まれるコンピュータ可読命令によって実装されて良い。前記コンピュータ可読命令は、(複数の)コンピュータプロセッサによって実行されるときに、その(複数の)コンピュータプロセッサに説明した処理を実行させる。それに加えて又はその代わりに、少なくとも1つのコンピュータ可読命令は、単一の搬送波又は他の非一時的媒体によって保持される。
【0067】
本明細書で開示されている本発明の実施例が現時点で好適と思われるとしても、本発明の技術的思想及び技術的範囲から逸脱することなく様々な変化型及び修正型が実現可能である。本発明の技術的範囲は「特許請求の範囲」の請求項に示されている。均等物の意味及び範囲内に属する全ての変化型は、本発明に含まれるものと解される。