(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6196002
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】タッチボタン及び指紋識別の実現方法並びに実現装置、端末装置、コンピュータプログラム並びにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20170904BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20170904BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
G06F3/041 400
G06T1/00 400G
G06F3/02 F
G06F3/02 310K
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-568105(P2016-568105)
(86)(22)【出願日】2015年10月30日
(65)【公表番号】特表2017-506404(P2017-506404A)
(43)【公表日】2017年3月2日
(86)【国際出願番号】CN2015093412
(87)【国際公開番号】WO2016110147
(87)【国際公開日】20160714
【審査請求日】2016年2月19日
(31)【優先権主張番号】201510008243.4
(32)【優先日】2015年1月7日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201510050761.2
(32)【優先日】2015年1月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513224180
【氏名又は名称】小米科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Xiaomi Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】江 忠▲勝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 坤
(72)【発明者】
【氏名】陶 ▲鈞▼
【審査官】
萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/197243(WO,A2)
【文献】
国際公開第2014/143065(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0156595(US,A1)
【文献】
特表2013−541780(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0108124(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0354596(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01 − 3/0489
G06T 1/00
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のカバーガラスの下に配置されている指紋識別センサと、
前記カバーガラスの下に配置され、前記指紋識別センサの少なくとも一つの側に設置されている静電容量式ボタンセンサと、
を含み、
前記指紋識別センサ及び前記静電容量式ボタンセンサの両方が、前記カバーガラスのプリセットタッチエリアの下に設置され、
前記静電容量式ボタンセンサは、前記指紋識別センサを囲んでいるタッチボタン及び指紋識別の実現装置。
【請求項2】
請求項1に記載のタッチボタン及び指紋識別の実現装置を含む端末装置。
【請求項3】
カバーガラスのプリセットタッチエリア上で行われるタッチ操作を受け付けるステップと、
請求項1に記載のタッチボタン及び指紋識別の実現装置によって前記プリセットタッチエリアに加えられる指紋情報を収集する、及び/又は、前記カバーガラス上で作られる静電容量を収集し、静電容量変化量を得るために前記静電容量を解析するステップと、
を含むタッチボタン及び指紋識別の実現方法。
【請求項4】
前記プリセットタッチエリアに加えられる前記指紋情報を収集する、及び/又は、前記カバーガラス上で作られる前記静電容量を収集し、前記静電容量変化量を得るために前記静電容量を解析するステップは、
上位アプリケーションが指紋情報収集命令を送信すると、前記プリセットタッチエリアに加えられる前記指紋情報を収集するステップと、
前記上位アプリケーションがボタン情報収集命令を送信すると、前記カバーガラス上で作られる前記静電容量を収集し、前記静電容量変化量を得るために前記静電容量を解析するステップと、
前記上位アプリケーションが前記指紋情報収集命令及び前記ボタン情報収集命令を送信すると、前記プリセットタッチエリアに加えられる前記指紋情報を収集し、前記カバーガラス上で作られる前記静電容量を収集し、前記静電容量変化量を得るために前記静電容量を解析するステップと、
を含む請求項3に記載のタッチボタン及び指紋識別の実現方法。
【請求項5】
コンピュータ上で動作する請求項3又は請求項4に記載のタッチボタン及び指紋識別の実現方法を前記コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のコンピュータプログラムが記憶されるように構成されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年1月30日に中国国家知識産権局に提出された出願番号201510050761.2の中国特許出願、及び2015年1月7日に中国国家知識産権局に提出された出願番号201510008243.4の中国特許出願に基づき優先権を主張し、これらの中国特許出願の全ての内容を援用する。
【0002】
本発明は、端末装置の構造設計の分野に関し、特に、タッチボタン及び指紋識別の実現方法並びに実現装置、並びに端末装置に関する。
【背景技術】
【0003】
端末装置の機能が増えるにつれて、端末装置の益々多くの新しい機能がユーザに更なる利便性をもたらしている。
【0004】
現在、指紋識別機能は、主要な端末装置メーカーの支持を得ている。指紋識別機能の設計に関して、現在の端末装置(例えば、携帯電話やタブレットコンピュータ等)は、
図1に示す断面図のように、ボタンを指紋識別に対応させる目的を達成するために、基本的には物理的なボタンと指紋識別機能を組み合わせている。通常、この設計を採用する場合、物理的なボタン02は、押圧の実施を可能にするために、押圧される時に固定的なストロークが必要であるため、カバーガラス01の指紋識別エリアには、対応する孔が必要となる。ユーザが優しく指紋識別センサ03をタッチすると、システムは、この動作を指紋識別動作として認識するだけであろう。ユーザが指紋識別センサ03を押圧し、あるストロークまで到達すると、物理的なボタン02がトリガとなり、システムはこの動作を指紋識別動作とタッチボタン動作の両方として認識し、上位層の要求に応じて、対応する動作が抽出されるであろう。しかしながら、前述の構造では、端末装置の美的外観に影響を及ぼすだけでなく、ユーザ操作の利便性にも影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−22873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
関連技術において存在する問題を解決するために、本開示の実施形態は、タッチボタン及び指紋識別の実現方法並びに実現装置、並びに端末装置を提供し、指紋識別及びタッチボタンを一体化することで、端末装置の美的外観をより良くし、カバーガラスの構造強度とユーザ操作の利便性を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態の第1の観点によれば、端末装置のカバーガラスの下に配置されている指紋識別センサと、前記カバーガラスの下に配置され、前記指紋識別センサの少なくとも一つの側に設置されている静電容量式ボタンセンサと、を含
み、前記指紋識別センサ及び前記静電容量式ボタンセンサの両方が、前記カバーガラスのプリセットタッチエリアの下に設置され、前記静電容量式ボタンセンサは、前記指紋識別センサを囲んでいるタッチボタン及び指紋識別の実現装置が提供される。
【0010】
本開示の実施形態の第2の観点によれば、前述のタッチボタン及び指紋識別の実現装置を含む端末装置が提供される。
【0011】
本開示の実施形態の第3の観点によれば、カバーガラスのプリセットタッチエリア上で行われるタッチ操作を受け付けるステップと、
実施形態の第1の観点に記載のタッチボタン及び指紋識別の実現装置によって前記プリセットタッチエリアに加えられる指紋情報を収集する、及び/又は、前記カバーガラス上で作られる静電容量を収集し、静電容量変化量を得るために前記静電容量を解析するステップと、を含むタッチボタン及び指紋識別の実現方法が提供される。
【0012】
本開示の実施形態の第4の観点によれば、コンピュータ上で動作する前述のタッチボタン及び指紋識別の実現方法を前記コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムが提供される。本開示の実施形態の第5の観点によれば、前述のコンピュータプログラムが記憶されるように構成されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。
【0013】
本開示の実施形態の第4の観点によれば、プロセッサと、前記プロセッサによって実行される命令を記憶するメモリと、を備え、前記プロセッサは、カバーガラスのプリセットタッチエリア上で行われるタッチ操作を受け付け、前記プリセットタッチエリアに加えられる指紋情報を収集する、及び/又は、前記カバーガラス上で作られる静電容量を収集し、静電容量変化量を得るために前記静電容量を解析するように構成されるタッチボタン及び指紋識別の実現装置が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本開示の実施形態において提供される技術的な解決手段は、次の有利な効果を奏する。
【0015】
前述の技術的な解決手段におけるタッチボタン及び指紋識別の実現装置では、実現装置の使用時、ユーザは、指によって任意の強さでカバーガラスのプリセットタッチエリアをタッチし、押圧するだけで良い。そうすると、タッチボタン情報及び指紋情報の両方が実現装置によって読み込まれるであろう。このように、現在のユーザの身分が識別される。加えて、両立性モードを実現するために、指紋識別及びタッチボタンの両方が一体化されることによって、端末装置の美的外観をより良くするだけでなく、カバーガラスの構造強度も改善する。更に、ユーザは、任意の強さでカバーガラス上の簡単なタッチ及び押圧操作だけを行えば良いので、ユーザの操作性が良くなる。
【0016】
前述の一般的な説明及び後述する詳細な説明の両方とも典型的かつ説明的なものに過ぎず、本発明を限定するものではないと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
この開示に取り入れられ、この開示の一部を構成する添付の図面は、本発明に合致する実施形態を例示し、詳細な説明とともに本発明の原理を説明するためのものである。
【0018】
【
図1】関連技術における端末装置のタッチボタンの構造を示す断面図である。
【
図2】例示的な実施形態に係るタッチボタン及び指紋識別の実現装置の構造を示す断面図である。
【
図3】例示的な実施形態に係るタッチボタン及び指紋識別の実現装置の構造を示す断面図である。
【
図4】例示的な実施形態に係る他のタッチボタン及び指紋識別の実現装置の構造を示す断面図である。
【
図5】例示的な実施形態に係る他のタッチボタン及び指紋識別の実現装置の構造を示す断面図である。
【
図6】例示的な実施形態に係るタッチボタン及び指紋識別の実現方法を示すフローチャートである。
【
図7】例示的な実施形態に係るタッチボタン及び指紋識別の実現方法におけるステップS602を示すフローチャートである。
【
図8】例示的な実施形態に係るタッチボタン及び指紋識別の実現装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
符号は、添付の図面に図示される典型的な実施形態や実施例に対して詳細に付与される。以下の詳細な説明で参照する添付の図面では、特に示さない限り、異なる図面において同じ番号は同じ要素又は類似の要素を意味する。以下の典型的な実施形態の詳細な説明において明らかにされる実装は、本発明の記載と合致する全ての実装を表すものではない。むしろ、それらは、添付の特許請求の範囲において列挙されるように、本発明の記載に関連する観点と一致する装置及び方法の単なる一例に過ぎない。
【0020】
本開示の実施形態では、タッチボタン及び指紋識別の実現装置が提供される。
図2に示すように、実現装置は、指紋識別センサ21と、静電容量式ボタンセンサ22と、を含む。
【0021】
指紋識別センサ21は、端末装置のカバーガラス23の下に配置されている。
【0022】
静電容量式ボタンセンサ22は、カバーガラス23の下に配置され、指紋識別センサ21の少なくとも一つの側に設置されている。
【0023】
一つの実施形態では、指紋識別センサ21及び静電容量式ボタンセンサ22は、カバーガラス23のプリセットタッチエリアの下に設置されている。
【0024】
一つの実施形態では、静電容量式ボタンセンサ22は、指紋識別センサ21の少なくとも一つの側に設置され、次のように実装されても良い。
【0025】
静電容量式ボタンセンサ22は、指紋識別センサ21の一つ又は複数の側に設置されている。又は、静電容量式ボタンセンサ22は、指紋識別センサ21を囲んでいる。指紋識別及び静電容量式ボタンの一体化の効果を確実にし、ユーザの指がカバーガラスのプリセットタッチエリアをタッチし、押圧する時、プリセットタッチエリアの下の静電容量式ボタンセンサの少なくとも一つの側及び指紋識別センサの少なくとも一つの側の両方を覆うために、静電容量式ボタンセンサ及び指紋識別センサをコンパクトに配置することが必要である。
図3、
図4及び
図5に示すように、静電容量式ボタンセンサは、指紋識別センサに接して配置され、指紋識別センサの2つまたはそれ以上の側に、又は指紋識別センサを囲んでいるように配置されている。
図3及び
図4において、静電容量式ボタンセンサ22は、指紋識別センサ21の複数の側に配置されている。
図5において、静電容量式ボタンセンサ22は、指紋識別センサ21を囲んでいるように配置されている。それゆえ、指紋識別及び静電容量式ボタンの一体化の効果が確実になるであろう。
【0026】
指紋識別センサ21は、カバーガラス23に加えられる指紋情報を収集するように構成される。静電容量式ボタンセンサ22は、カバーガラス23に加えられるボタン情報を収集するように構成される。静電容量式ボタンセンサ22の動作原理は次の通りである。指が静電容量式ボタンセンサ22の金属層に触れる時、人体の電界によって、ユーザとタッチスクリーンの表面の間にカップリング容量が作られる。高周波電流にとって、静電容量は直流導体であるから、指にはタッチ点から小さな電流が流れる。電流は、タッチスクリーンの四隅の電極からそれぞれ流れる。そして、これら四つの電極を通って流れる電流は、それぞれ指から四隅までの距離に比例する。コントローラは、正確に四隅の比率を計算し、タッチ点の位置を取得する。
【0027】
前述の端末装置の動作原理は、次のように説明される。
【0028】
ユーザが指でカバーガラス23のプリセットタッチエリアをタッチし、押圧する時、指紋識別センサ21は、カバーガラス23の表面に加えられる指紋情報を収集し、指紋識別回路に指紋情報を送信する。指紋識別回路は、指紋テクスチャ、指紋間隔や他の指紋特徴情報のような指紋解析結果を得るために、指紋識別センサ21によって収集される指紋情報を解析し、処理する。一方、静電容量式ボタンセンサ22は、カバーガラス23の表面に加えられるボタン情報を収集し、静電容量式ボタン回路にボタン情報を送信する。静電容量式ボタン回路は、ボタンをタッチするというユーザ操作を得るために、静電容量式ボタンセンサ22によって収集されるボタン情報を解析し、処理する。その後、ホストのプロセッサは、ボタンをタッチするという操作及び指紋解析結果に応じて身分の認証を実行する。例えば、指紋識別回路によって得られる指紋解析結果は、現在のユーザの身分を決定するために、予め記憶される指紋データと比較される。
【0029】
端末装置も、本開示の実施形態によって提供される。端末装置は、前述のタッチボタン及び指紋識別の実現装置を含む。
【0030】
要約すると、本開示の実施形態におけるタッチボタン及び指紋識別の実現装置では、実現装置の使用時、ユーザは、指によって任意の強さでカバーガラスのプリセットタッチエリアをタッチし、押圧するだけで良い。そうすると、タッチボタン情報及び指紋情報の両方が実現装置によって読み込まれるであろう。このように、現在のユーザの身分が識別される。加えて、両立性モードを実現するために、指紋識別及びタッチボタンの両方が一体化されることによって、端末装置の美的外観をより良くするだけでなく、カバーガラスの構造強度も改善する。更に、ユーザは、任意の強さでカバーガラス上の簡単なタッチ及び押圧操作だけを行えば良いので、ユーザの操作性が良くなる。
【0031】
図6は、例示的な実施形態に係るタッチボタン及び指紋識別の実現方法を示すフローチャートである。その実現方法は、指紋識別機能を持つ端末に適用される。
図6に示すように、実現方法は、次のステップS601〜S602を含む。
【0032】
ステップS601では、カバーガラスのプリセットタッチエリア上で行われるタッチ操作が受け付けられる。
【0033】
図2に示される指紋識別センサ21及び静電容量式ボタンセンサ22は、プリセットエリアの下に配置されている。
【0034】
ステップS602では、プリセットタッチエリアに加えられる指紋情報が収集される、及び/又は、カバーガラス上で作られる静電容量が収集され、その静電容量は、静電容量変化量を得るために解析される。
【0035】
静電容量変化量を得た後、ボタン情報は静電容量変化量に応じて得られても良い。
【0036】
要約すると、本開示の実施形態におけるタッチボタン及び指紋識別の実現方法では、端末装置の使用時、ユーザは、指によって任意の強さでカバーガラスのプリセットタッチエリアをタッチし、押圧するだけで良い。そうすると、タッチボタン情報及び指紋情報の両方が読み込まれるであろう。このように、現在のユーザの身分が識別される。加えて、両立性モードを実現するために、指紋識別及びタッチボタンの両方が一体化されることによって、端末装置の美的外観をより良くするだけでなく、カバーガラスの構造強度も改善する。更に、ユーザは、任意の強さでカバーガラス上の簡単なタッチ及び押圧操作だけを行えば良いので、ユーザの操作性が良くなる。
【0037】
一つの実施形態では、
図7に示すように、ステップS602は、ステップS701〜S703によって実装されても良い。
【0038】
ステップS701では、上位アプリケーションが指紋情報収集命令を送信すると、プリセットタッチエリアに加えられる指紋情報が収集される。
【0039】
ステップS702では、上位アプリケーションがボタン情報収集命令を送信すると、カバーガラス上で作られる静電容量が収集され、その静電容量は、静電容量変化量を得るために解析される。
【0040】
ステップS703では、上位アプリケーションが指紋情報収集命令及びボタン情報収集命令を送信すると、プリセットタッチエリアに加えられる指紋情報が収集され、カバーガラス上で作られる静電容量が収集され、その静電容量は、静電容量変化量を得るために解析される。
【0041】
前述の実現方法では、ユーザがプリセットタッチエリアをタッチする時、上位アプリケーションの実際の要求における収集命令に応じて、お互いに干渉することなく、指紋情報が収集され、ボタン情報が読み込まれるであろう。
【0042】
図8は、例示的な実施形態に係るタッチボタン及び指紋識別の実現装置1200を示すブロック図である。この実現装置1200は、端末装置に適している。例えば、実現装置1200は、携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージング装置、ゲームコンソール、タブレット、医療機器、トレーニングマシーン、携帯情報端末等である。
【0043】
図8を参照すると、実現装置1200は、以下の1つ又はより多くの構成要素を含んでも良い。それらの構成要素は、処理部1202、メモリ1204、電源部1206、マルチメディア部1208、オーディオ部1210、入出力(I/O)インタフェース部1212、センサ部1214、及び通信部1216である。
【0044】
処理部1202は、一般的に、表示、電話呼出し、データ通信、カメラ操作及び記録動作と関連する動作のような実現装置1200全体の動作を制御する。処理部1202は、前述した実現方法における全て又は一部のステップを行うための命令を実行するために、1つ又はより多くのプロセッサ1220を含んでも良い。更に、処理部1202は、処理部1202と他の構成要素との間のインタフェースを容易にするための1つ又はより多くのモジュールを含んでも良い。例えば、処理部1202は、マルチメディア部1208と処理部1202との間のインタフェースを容易にするためのマルチメディアモジュールを含んでも良い。
【0045】
メモリ1204は、実現装置1200の動作を支援するための様々な種類のデータを記憶するように構成される。そのようなデータの例は、実現装置1200において動作される任意のアプリケーションまたは方法のための命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、写真、ビデオ等を含む。メモリ1204は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的に消去可能なプログラマブル読出専用メモリ(EEPROM)、プログラマブル読出専用メモリ(PROM)、読出専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気又は光学ディスクのように、揮発性記憶装置或いは不揮発性記憶装置、又はそれらの組合せの任意の種類を用いて実装されても良い。
【0046】
電源部1206は、実現装置1200の様々な構成要素に電力を供給するように構成される。電源部1206は、電源管理システム、1つ又はより多くの電源、並びに実現装置1200において電力の生成、制御及び配電と関連する他の構成要素を含んでも良い。
【0047】
マルチメディア部1208は、実現装置1200とユーザとの間の外部インタフェースを提供するように構成される画面を含む。いくつかの実施形態では、画面は、液晶ディスプレイ(LCD)及びタッチパネル(TP)を含んでも良い。画面がタッチパネルを含む場合、その画面はユーザから入力信号を受信するタッチ画面として実装されても良い。タッチパネルは、タッチパネル上のタッチ、スワイプ及びジェスチャーを検出するための1つ又はより多くのタッチセンサを含む。タッチセンサは、タッチ又はスワイプ操作の境界を検出するだけでなく、タッチ又はスワイプ操作と関連する期間及び圧力も検出する。いくつかの実施形態では、マルチメディア部1208は、正面のカメラ及び/又は背面のカメラを含む。正面のカメラ及び背面のカメラは、実現装置1200が写真撮影モード又はビデオモードのような動作モードの時、外部のマルチメディアデータを受信するようにしても良い。正面のカメラ及び背面のカメラのそれぞれが、固定焦点レンズシステムでも良いし、又はフォーカス及び光学ズーム性能を有しても良い。
【0048】
オーディオ部1210は、オーディオ(音声・音響)信号を出力する、及び/又は入力するように構成される。例えば、オーディオ部1210は、実現装置1200が電話モード、記録モード及び音声認識モードのような動作モードの時、外部オーディオ信号を受信するように構成されるマイクロフォン(「MIC」)を含む。受信されるオーディオ信号は、更にメモリ1204に記憶されても良いし、又は通信部1216を介して送信されるようにしても良い。いくつかの実施形態では、オーディオ部1210は、更にオーディオ信号を出力するためのラウドスピーカを含む。
【0049】
I/Oインタフェース部1212は、キーボード、クリックホイール、ボタン等のような処理部1202及び周辺装置インタフェースモジュールとの間のインタフェースを提供するように構成される。ボタンは、これらに限定されるわけではないが、ホームボタン、ボリュームボタン、スタートボタン及びロックボタンを含んでも良い。
【0050】
センサ部1214は、実現装置1200の様々な面の状態評価を提供するための1つ又はより多くのセンサを含む。例えば、センサ部1214は、実現装置1200のオン/オフ状態、構成要素(例えば、実現装置1200のディスプレイ画面及びキーパッド)の相対位置を検出しても良い。更に、センサ部1214は、実現装置1200又は実現装置1200の構成要素の位置の変化、実現装置1200に対するユーザ接触の存在又は不存在、実現装置1200の方向又は加速/減速、及び実現装置1200の温度の変化を検出しても良い。センサ部1214は、物理的な接触なしに近傍の物体の存在を検出するように構成される主要なセンサを含んでも良い。また、センサ部1214は、画像アプリケーションの用途のために、CMOS又はCCD画像センサのような光センサを含んでも良い。また、いくつかの実施形態では、センサ部1214は、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、圧力センサ、又は温度センサを含んでも良い。
【0051】
通信部1216は、実現装置1200と他の端末との間の有線又は無線の通信を容易にするように構成される。実現装置1200は、WiFi、2G或いは3G、又はそれらの組合せのような通信規格に基づく無線ネットワークにアクセスすることができる。ある例示的な実施形態では、通信部1216は、放送チャネルを介する外部放送制御システムからの放送信号又は放送関連情報を受信する。ある例示的な実施形態では、通信部1216は、更に短距離の通信を容易にするための近距離無線通信(NFC)モジュールを含む。例えば、NFCモジュールは、無線ID(RFID)技術、赤外線通信規格(IrDA)技術、超広域無線(UWB)技術、Bluetooth(登録商標)(BT)技術、又はその他の技術に基づいて実装されても良い。
【0052】
例示的な実施形態では、実現装置1200は、前述の実現方法を行うために、特定用途向け集積回路(ASICs)、デジタルシグナルプロセッサ(DSPs)、デジタルシグナルプロセッシングデバイス(DSPDs)、プログラマブルロジックデバイス(PLDs)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はそのほかの電子部品のような1つ又はより多くの電子的要素によって実装されても良い。
【0053】
例示的な実施形態では、前述の実現方法を行うために、実現装置1200の中のメモリ1204に含まれ、プロセッサ1220によって実行される命令を含む非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供される。例えば、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光学データ記憶装置等であっても良い。
【0054】
タッチボタン及び指紋識別の実現装置は、プロセッサと、前記プロセッサによって実行される命令を記憶するメモリと、を備え、前記プロセッサは、カバーガラスのプリセットタッチエリア上で行われるタッチ操作を受け付け、前記プリセットタッチエリアに加えられる指紋情報を収集する、及び/又は、前記カバーガラス上で作られる静電容量を収集し、静電容量変化量を得るために前記静電容量を解析するように構成される。
【0055】
前記プロセッサは、更に、上位アプリケーションが指紋情報収集命令を送信すると、前記プリセットタッチエリアに加えられる前記指紋情報を収集し、前記上位アプリケーションがボタン情報収集命令を送信すると、前記カバーガラス上で作られる前記静電容量を収集し、前記静電容量変化量を得るために前記静電容量を解析し、前記上位アプリケーションが前記指紋情報収集命令及び前記ボタン情報収集命令を送信すると、前記プリセットタッチエリアに加えられる前記指紋情報を収集し、前記カバーガラス上で作られる前記静電容量を収集し、静電容量変化量を得るために前記静電容量を解析するように構成される。
【0056】
非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、携帯端末のプロセッサによって実行される時、カバーガラスのプリセットタッチエリア上で行われるタッチ操作を受け付けるステップと、前記プリセットタッチエリアに加えられる指紋情報を収集する、及び/又は、前記カバーガラス上で作られる静電容量を収集し、静電容量変化量を得るために前記静電容量を解析するステップと、を含むタッチボタン及び指紋識別の実現方法を前記携帯端末に実行させる。
【0057】
前記プリセットタッチエリアに加えられる前記指紋情報を収集する、及び/又は、前記カバーガラス上で作られる前記静電容量を収集し、前記静電容量変化量を得るために前記静電容量を解析するステップは、上位アプリケーションが指紋情報収集命令を送信すると、前記プリセットタッチエリアに加えられる前記指紋情報を収集するステップと、前記上位アプリケーションがボタン情報収集命令を送信すると、前記カバーガラス上で作られる前記静電容量を収集し、前記静電容量変化量を得るために前記静電容量を解析するステップと、前記上位アプリケーションが前記指紋情報収集命令及び前記ボタン情報収集命令を送信すると、前記プリセットタッチエリアに加えられる前記指紋情報を収集し、前記カバーガラス上で作られる前記静電容量を収集し、前記静電容量変化量を得るために前記静電容量を解析するステップと、を含む。
【0058】
本発明の他の実施形態は、明細書の留意事項及びここで開示される発明のプラクティスから当業者によって明らかにされるであろう。この出願は、本発明から出発し、この分野における公知又は周知のプラクティスの範囲内で想到する一般的な原理及び構成に従う本発明の任意の変更、利用、又は改良が含まれる。明細書及び実施例は、後述する請求項によって示される本発明の真の範囲及び意味において、単なる例としてのみ考慮される。
【0059】
本発明の正確な解釈は、前述の説明及び添付図面の例、並びにその範囲から出発せずになされる様々な修正及び変更に制限されないと解釈して頂ければ幸いである。本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ限定されることを意図している。
【符号の説明】
【0060】
01・・・・・カバーガラス
02・・・・・物理的なボタン
03・・・・・指紋識別センサ
21・・・・・指紋識別回路
22・・・・・静電容量式ボタン回路
23・・・・・カバーガラス