【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の説明
本発明のいくつかの実施形態は、特許請求の範囲を参照して理解することができる。
【0007】
本発明の態様は、制御システム、車両及び方法を提供する。
【0008】
本発明の実施形態に係る制御システムは、従来のエンジンのみの車両、電気自動車両及び/又はハイブリッド電気自動車両を含めた様々な車両の範囲に好適である。
【0009】
保護を受けようとする本発明の一態様では、自動モード選択条件で動作可能であり、適切なシステム動作モードを自動的に選択し、かつ、該システム動作モードでの動作をとるように構成される、自動車両用の制御システムであって、該自動モード選択条件で動作するときに、該システムは、該車両が負荷体を牽引していると決定された場合に所定の1以上の動作モードの選択を阻止するように構成される制御システムが提供される。
【0010】
以下でさらに詳細に説明するように、これは、いくつかの実施形態では、車両が負荷体を牽引していると決定された場合に、システムが自動モード選択条件で動作し続けないようにすることにより達成することができると解すべきである。これは、車両が負荷体を牽引し、かつ、所定の1以上の動作モードを選択しないと決定した場合に、自動モード選択条件を非活動化させることを含むことができる。
【0011】
さらに、これは、いくつかの実施形態では、車両が負荷体を牽引し、かつ、所定の1以上の動作モードを選択しないと決定した場合に、自動モード選択条件で動作するためのユーザ入力要求に応じて自動モード選択条件での動作を拒否することによって達成できると理解すべきである。これは、車両が負荷体を牽引し、かつ、所定の1以上の動作モードを選択しないと決定した場合に、自動モード選択条件に対するユーザ要求を受け付けないことを含むことができる。
【0012】
いくつかの別の実施形態では、これは、システムが自動モード選択条件にあり、しかも車両が負荷体を牽引していると決定した場合に、所定の1以上の動作モードが選択されるのを防止することによって達成できる。
【0013】
いくつかの実施形態では、車両の抗力が牽引のため所定の閾値を超えて増加する場合にはシステムは、車両が走行する地形が砂地制御モードに適しているかどうかの正確な自動化された決定をすることが可能でないことがあると理解すべきである。したがって、いくつかの実施形態では、自動選択条件で、システムが車両を牽引していることを検出している間に、該システムが砂地サブシステム制御モードの選択を許可しないように構成できる。
【0014】
この制御システムは、ユーザが動作モードを選択することができる手動動作条件及びシステムが運転モードを自動的に選択するように構成される自動動作条件で動作可能であり、該システムは、ユーザ操作可能入力装置を用いて該手動動作条件と該自動動作条件との間で切り替えられるように構成される。
【0015】
したがって、いくつかの実施形態では、ユーザは、システムの自動動作条件を解除し、そして手動動作条件モードを選択することにより、牽引時に砂地モードなどのモードをさらに選択することができることを理解すべきである。したがって、いくつかの構成では、システムが自動選択条件で動作しているときに、該システムは、運転者が手動選択条件を選択することによって1以上のサブシステム制御モードの選択の阻止を無効にすることを許可することができる。この手動選択条件では、ユーザは、適切なパワートレインギア比の選択などのさらなる制約に必要な任意のモード対象を選択することができる。また、他の構成も有用である。
【0016】
制御システムが自動選択条件で動作している場合に、該システムが、車両を牽引しているという決定のため1以上の制御モードでの動作を一時中止したとき又は拒否したときにユーザに通知するように構成されたシステムを配置することができる。
【0017】
これは、このシステムが自動選択条件で動作している間に、制限された範囲の制御モードが利用可能であることをユーザに認識させるようなものである。通知は、HMIディスプレイ及び/又は可聴式通知を含めた任意の他の好適な手段によって行うことができる。
【0018】
制御システムが自動選択条件で動作しており、かつ、車両が牽引されていることを決定した場合には、該システムは、手動選択条件をとるように自動的に構成される制御システムを構成することができる。
【0019】
実施形態では、制御システムが、トレーラを車両に連結していることの検出前に自動選択条件で動作している場合に、該システムは、トレーラの存在の検出により手動選択条件を自動的にとることができる。
【0020】
さらに、制御システムは、手動選択条件をとるときにデフォルト動作モードをとるように構成できる。デフォルトモードは、SPO(オンロード)運転モードなどの高速道路走行に好適なオンロードモードとすることができる。
【0021】
制御システムは、ユーザに、運転条件が変更されたことを、例えばHMIディスプレイなどの表示パネルを通して対応する警告を提供することによって通知するように構成できる。
【0022】
任意に、制御システムは、車両を牽引しているかどうかを示す入力信号に従って車両が負荷体を牽引しているか否かを決定するように構成される。
【0023】
任意に、制御システムは、車両がトレーラと車両との間の電気的接続の検出に応じて少なくとも部分的に車両が牽引していることを決定するように構成される。
【0024】
しかしながら、このような電気的接続は、損傷を受けやすい場合があると理解すべきである。さらに、一部のユーザは、私有地に車を移動させることを望む場合又はトレーラについての電気的接続が車両のものと一致しない場合には、電気的な接続を行うことなくトレーラを機械的に引っ張ることを選択することができることが知られている。したがって、それに加えて又はその代わりに、車両を他の手段によって牽引するかどうかを決定することが有益な場合がある。
【0025】
制御システムは、1以上の車両パラメータを監視し、そして1以上のパラメータの値及び/又は1以上のパラメータ値の経時変化が牽引を示すかどうかを決定することによって、車両が少なくとも部分的に牽引しているかどうかを決定するように構成できる。
【0026】
制御システムは、車両が受ける抗力及び/又は転がり抵抗の量を監視によって車両が少なくとも部分的に牽引しているかどうかを決定するように構成できる。
【0027】
車両に対する抗力の量は、典型的には被牽引負荷体の重量及び空気抵抗の増加により増加すると理解するべきである。
【0028】
請求項8に記載の制御システムは、車両が受ける抗力及び/又は転がり抵抗の変化に応じて車両が牽引していることを決定するように構成される。
【0029】
制御システムは、車両が表面上での車両の動きを停止し、その後再開する間に受ける抗力及び/又は転がり抵抗の変化に応じて車両が牽引していることを決定するように構成できる。
【0030】
例えば、所定の閾値を超える抗力の増加が車両の停止からの出発直後に検出される場合には、システムは、トレーラが車両に連結されていると決定できる。いくつかの実施形態では、システムは、車両が所定の期間よりも長く静止した後に抗力の増加が生じる場合に、トレーラが連結されていると決定できる。この所定期間は、任意の好適な期間、例えば、5秒〜30秒、10秒〜100秒、30秒〜1000秒の範囲の期間又は任意の他の好適な所定期間とすることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、システムは、トレーラが連結されたと決定する前に、車両が牽引しておりかつ砂上で走行していないことを示す1以上の他の指標をチェックすることができる。
【0032】
制御システムは、車両が牽引しているかどうかを決定するために、シート占有及び/又はドア開放履歴に関するデータを監視するように構成できる。
【0033】
制御システムは、シート占有及び/又はドア開放履歴と抗力及び/又は転がり抵抗の変化とを相関させ、それによって抗力及び/又は転がり抵抗の変化が車両の載荷若しくは除荷又は負荷体の牽引に関連するかどうかを決定するように構成できる。
【0034】
したがって、シート占有率が増加し、しかも抗力及び/又は転がり抵抗の増加が閾値量を超える生じた場合には、システムは、トレーラが車両に連結された高い可能性が存在することを決定することができる。
【0035】
制御システムは、車両が被牽引対象から受信された無線信号の検出により少なくとも部分的に牽引しているかどうかを決定するように構成できる。
【0036】
任意に、無線信号は、車両から送信されかつ被牽引対象によって反射された信号である。
【0037】
あるいは、無線信号は、被牽引対象から送信された信号であってもよい。
【0038】
無線信号は、レーダー信号など電磁信号であってもよい。あるいは、信号は、赤外線信号などの光信号であってもよい。さらに代替的に、信号は、超音波信号などの音響又は音波信号であってもよい。
【0039】
制御システムは、1個以上のセンサからの対象の距離の変化を監視し、それによって対象が被牽引対象であるかどうかを決定するように構成できる。
【0040】
いくつかの実施形態では、システムは、パークディスタンスコントロール(PDC)センサなどの1以上の前部又は後部搭載パーキングセンサからのデータを使用することができる。これらのセンサは、レーダー、赤外線又は超音波信号などの無線信号を送信し、そして送信信号の反射部分を検出するように構成できる。車両が走行中でありかつ牽引しているときに、これらのセンサは、車両に続く対象物が車両から一定の距離、典型的には車両の2メートル以内であることを検出することが予想されると理解するべきである。さらに、任意の左及び/右表側センサは、コーナリングに起因する対象物までの距離の相補的な変化を検出することが期待できる。例えば、左側センサから対象物までの距離が距離Xだけ減少する場合には、この対象物までの距離の対応する増加が右側センサに関して予想されるであろう。このような変化は、左にコーナリングすることを示すであろう。これに対応して、反対側の変化が右へのコーナリングに関して予想されるであろう。
【0041】
単一の(左又は右)アウトボードセンサの存在下で、対象物までの距離の変化をコーナリングと相関させて対象物が被牽引対象物であるかどうかを決定することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、システムは、実質的に直線的に走行するときの前後輪サスペンションアーティキュレーションを監視することにより得られた路面粗さデータを分析し、かつ、1以上の特性又は傾向が牽引を示すデータに存在するかどうかを決定するように構成される。この例では、車両がトレーラを牽引している場合には、牽引中のリヤサスペンションのアーティキュレーションは、トレーラの存在のため牽引連結部分での増大した垂直負荷(これは、いくつかの実施形態では約150kgの場合がある)に影響を受ける可能性が高い。
【0043】
システムが車両を牽引していることを正確に決定する可能性を高めるために、該システムは、サスペンションアーティキュレーションの変化が1名以上の乗員の存在によるものであるかどうかを決定する際に、シート占有データを考慮するように構成できる。同様に、システムは、トランクルーム内の荷物又は他の積載物の存在を考慮することができる。いくつかの実施形態では、それに加えて又はその代わりに、ドア開放履歴を使用して、例えばユーザがトランクルームに荷物又は他の積載物を置き、それによってサスペンションアーティキュレーションの変化が生じ得るかどうかを決定することができる。それに加えて又はその代わりに、ドア開放履歴を使用して、1名以上の乗員が車両に入る又は車両から出ることができるかどうかを決定することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、システムが後部車高の低下を検出した後に転がり抵抗の増加のみが閾値を超える場合には、該システムは、車両がトレーラに連結されていると決定することができる。
【0045】
他の戦略が有用であり、また得られた決定の信頼性を高めるために、いくつかの戦略を一緒に使用できる。
【0046】
いくつかの実施形態では、システムは、どのサブシステム制御モードをキーオン直後に選択するのか(自動動作条件が選択されている場合)を決定する際に使用するための車両の最新の転がり抵抗に関するデータを記憶するように構成できる。トレーラを牽引している間に車両を停止することになり、その後スイッチオフ(キーオフ)にするが、ただしキーオン後に、トレーラが検出されない場合(例えば、トレーラへの電気的接続が検出できないなどの理由で)には、このシステムは、現在の転がり抵抗データ(車両が再び移動するとき)と最新の転がり抵抗データとを比較してトレーラが依然として存在し得るかどうかを決定することができる。データが十分に類似している場合には、システムは、トレーラが依然として牽引されていると決定できる。いくつかの実施形態では、システムは、移動が終了しかつ車両が停止したときにこのシステムが車両を牽引していたことを検出した場合にのみ、移動の終了時に最新の転がり抵抗に関するデータを保存する(又は維持する)ことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、システムは、移動が終了しかつ車両が停止したときにこのシステムが車両を牽引していたことを検出し、しかも被牽引積載物の除去がキーオフの前には検出されない場合にのみ、移動の終了時に最新の転がり抵抗に関するデータを記憶し又はそうでなければ保持することができる。
【0048】
任意に、動作モードは、車両の少なくとも1のサブシステムの制御モードであり、このシステムは、複数のサブシステム制御モードのうち選択された1つにおいて車両サブシステムのそれぞれの制御を開始するためのサブシステムコントローラを備え、該複数のサブシステム制御モードのそれぞれが該車両についての1以上の異なる運転条件に相当する。
【0049】
任意に、このシステムは、サブシステム制御モードのそれぞれが適切である範囲を決定するように1以上の運転条件指標を評価するための評価手段を備える。
【0050】
任意に、自動条件のときに、このシステムは、サブシステムコントローラを自動的に制御して最も適切なサブシステム制御モードでの各サブシステムの制御を開始するように構成される。
【0051】
任意に、動作モードは、エンジン管理システム、トランスミッションシステム、ステアリングシステム、ブレーキシステム及びサスペンションシステムの中から選択される少なくとも1つの車両サブシステムの制御モードである。
【0052】
随意に、動作モードは、エンジン管理又はパワートレインシステム、トランスミッションシステム、ステアリングシステム、ブレーキシステム及びサスペンションシステムの中から選択される少なくとも2つの車両サブシステムの制御モードである。
【0053】
随意に、それぞれのシステム動作モードでは、システムは、複数の車両サブシステムのそれぞれが運転条件に適したサブシステム構成モードで操作されるように構成される。
【0054】
例えば、所定の車両負荷についての複数の様々な車高で動作可能なサスペンションシステムの形の車両サブシステムの場合には、サブシステム構成モードとしては、様々なそれぞれの車高に相当するモードが挙げられる。エンジン又はパワートレイン制御装置の形の車両サブシステムコントローラの場合には、このコントローラは、複数の異なるパワートレインコントローラ構成モードのそれぞれでのアクセルペダル位置に応じたエンジントルクの異なるそれぞれの値を提供するように構成できる。したがって、サブシステム制御モードは、サブシステム構成モードのセット、例えば、各サブシステムについての1の構成モードに対応することができる。例えば、1の動作モードでは、「高」車高サブシステム構成モードをサスペンションシステムについて設定することができ、また、「遅い」アクセルペダルマップサブシステム構成モードをパワートレインコントローラについて設定することができる。いくつかのサブシステムは、2つの異なるパラメータを設定することを可能にする。したがって、サスペンションシステムは、サスペンションのロール剛性設定を、低、中又は高などの複数の構成モードのうちの1つに設定することを可能にすることができる。
【0055】
ここで、様々な可能な既知のサブシステム構成モードについて説明する。サブシステム構成モードの既知のタイプ及び構成モードを実施することができる態様については、さらに詳しくは米国特許出願公開第2003/0200016号を参照されたい。また、他の構成も有用である。それに加えて又はその代わりに、他のサブシステムを制御することもできる。
【0056】
任意に、動作モードは、サスペンションシステムの制御モードを含み、また、複数のサブシステム構成モードは複数の車高を含む。
【0057】
動作モードは、車両の両側にある車輪用のサスペンション間で流体相互接続をなすことができる流体サスペンションシステムの制御モードを含むことができ、該複数のサブシステム構成モードは該相互接続の様々なレベルを提供する。
【0058】
動作モードは、ステアリング支援を与えることができるステアリングシステムの制御モードを含むことができ、該複数のサブシステム構成モードは、該ステアリング支援の様々なレベルを与える。
【0059】
動作モードは、ブレーキ支援を与えることができるブレーキシステムの制御モードを含むことができ、該複数のサブシステム構成モードは該ブレーキ支援の様々なレベルを与える。
【0060】
任意に、動作モードは、車輪のスリップを制御するためのアンチロック機能を与えることができる制動制御システムの制御モードを含み、該複数のサブシステム構成モードは、該車輪スリップの様々なレベルを許容する。
【0061】
任意に、動作モードは、ホイールスピンを制御するように構成されるトラクション制御システムの制御モードを含み、該複数のサブシステム構成モードは該ホイールスピンの様々なレベルを許容する。
【0062】
任意に、動作モードは、車両の偏揺れを制御するように構成されているヨー制御システムの制御モードを含み、該複数のサブシステム構成モードは、予想される偏揺れからの該車両偏揺れのダイバージェンスの様々なレベルを許容する。
【0063】
動作モードは、レンジ切替変速機の制御モードを含み、該サブシステム構成モードは、該変速機の高レンジモード及び低レンジモードを含むことができる。
【0064】
レンジ切替変速機は、例えば、ドライブラインのプロペラシャフトを、車両のエンジン又は自動変速機などのトランスミッションからのトルク伝達経路に連結するための動力伝達ユニット又はパワーテイクオフユニットによって構成できる。
【0065】
動作モードは、パワートレイン制御手段及びアクセルペダル又はスロットルペダルを備えるパワートレインシステムの制御モードを含むことができ、このサブシステム構成モードは、様々なレベルのパワートレイン制御手段の応答性をアクセル又はスロットルペダルの動きに与える。
【0066】
動作モードは、複数の変速比で動作可能で、かつ、車両の少なくとも1のパラメータを監視し、そしてそれに応答して変速比を選択するように構成されたトランスミッション制御を備えるトランスミッションシステムの制御モードを含むことができ、該サブシステム構成モードは、該変速比が該少なくとも1のパラメータに応答して別々に選択される複数のトランスミッション構成モードを含む。
【0067】
サブシステムの一つは、複数のレベルの差動ロックを与えるように構成された差動システムを備えることができ、該サブシステム構成モードは該ロックの様々なレベルを提供するように構成できる。
【0068】
差動システムは、複数の入力に基づいて差動ロックのレベルを制御し、かつ、該モードのそれぞれにおいて該入力に別々に応答するように配置できる。
【0069】
差動システムは、センタディファレンシャル、フロントディファレンシャル及び/又はリアディファレンシャルを含むことができる。ディファレンシャルは、いくつかの実施形態ではクラッチベースシステムとすることができ、それによって、車輪の回転速度の差は、側車輪が相対回転を可能にするために差動機歯車箱によって支持されたピニオンホイールを介して連結されている従来の差動ギア構成ではなく、クラッチのスリップによって調節される。
【0070】
サブシステムのうちの一つは、ロール補正を与えて車両のロールを低減させるように構成されたロール制御システムを含むことができ、該サブシステム構成モードは、少なくともいくつかの運転条件下で様々なレベルの車両ロール補正を与える。
【0071】
サブシステムの一つは、丘を降るときに車両の速度を制御するように構成された速度制御システムを備えることができる。この速度制御システムは、車両を様々な構成モードで様々な速度に制御するように構成できる。
【0072】
任意に、動作モードは、サブシステムが不整地を走行するのに好適な態様で制御されるオフロードモード及びサブシステムがオンロード走行に好適な態様で制御されるオンロードモードを含むことができる。
【0073】
任意に、サスペンションシステムは、オンロードモードよりもオフロードモードでより高い車高を与えるように構成される。
【0074】
さらに、任意に、オンロードモードよりもオフロードモードで高い前記相互接続のレベルを与える。
【0075】
トラクション制御システムは、オンロードモードよりもオフロードモードで少ないホイールスピンを許容するように構成できる。
【0076】
任意に、ヨー制御システムは、オンロードモードよりもオフロードモードで高いダイバージェンス度を可能にするように配置される。
【0077】
任意に、オフロードモードでは、レンジ切替トランスミッションをローレンジで動作させる。
【0078】
任意に、オフロードモードでは、パワートレイン制御手段は、所定のアクセル又はスロットルペダル位置について少なくともアクセルペダル踏み込みの低レベルで、オンロードモードよりも低いレベルの駆動トルクを与えるように構成される。
【0079】
任意に、差動システムは、オンロードモードよりもオフロードモードでより高いデフロックレベルを与えるように構成される。
【0080】
任意に、ロール制御システムは、オフロードモードよりもオンロードモードでより高いロール剛性を与えるように構成される。
【0081】
任意に、速度制御システムは、オフロードモードでスイッチオンになり、オンロードモードでスイッチオフになるように構成される。
【0082】
任意に、運転モードは、サブシステムが低摩擦表面上での走行に好適な態様で制御される少なくとも1の低摩擦モード及びサブシステムが高摩擦表面上での走行に好適な態様で制御される高摩擦モードを含む。
【0083】
任意に、ブレーキ制御システムは、低摩擦モードよりも高摩擦モードで高いスリップレベルを許容する。
【0084】
任意に、トラクションコントロールシステムは、低摩擦モードよりも高摩擦モードで高いホイールスピンレベルを許容する。
【0085】
任意に、ブレーキ制御システムは、低摩擦モードよりも高摩擦モードで高いブレーキ支援レベルを与える。
【0086】
任意に、パワートレイン制御手段は、高摩擦モードよりも低摩擦モードで、所定のアクセル又はスロットルペダル位置について少なくともアクセルペダル踏み込みの低レベルで、低い駆動トルクレベルを与えるように構成される。
【0087】
任意に、トランスミッションシステムは、低摩擦モードよりも高摩擦モードで前記少なくとも1のパラメータの所定の値について高いギアで動作するように構成される。
【0088】
任意に、差動システムは、高摩擦モードよりも低摩擦モードで高いデフロックレベルを与えるように構成される。
【0089】
任意に、高摩擦モードは、車両が正常に動作し、オンロード走行に好適な標準又はデフォルトモードを含むことができる。
【0090】
任意に、少なくとも2つのこのような低摩擦モードが存在し、サスペンションシステムは、低摩擦モードの一つで他のものよりも高い車高を与えるように構成される。
【0091】
さらに任意に、少なくとも2つのこのような低摩擦モードが存在し、サスペンションシステムは、低摩擦モードの一つにおいて他のものよりもより高い交差連結レベルを与えるように構成される。
【0092】
任意に、少なくとも2つの低摩擦モードは、深い泥を通って移動するのに好適な泥モード及び雪中、草上又は砂利上での運転に好適な別の低摩擦モードを含むことができる。
【0093】
任意に、複数の低摩擦モードが存在することができ、そのうちの一つは、サブシステムが草地上での運転に好適な態様で制御される草地モードであることができ、そのうちの一つは、サブシステムが氷での運転に好適な態様で制御される氷モードであることができ、そのうちの一つは、サブシステムが泥上での運転に好適な態様で制御される泥モードであることができる。
【0094】
任意に、これらのモードの一つは、サブシステムが砂上での運転に好適な態様で制御される砂地モードである。これらのサブシステムの少なくとも一つは、砂地モードで、車輪が砂に沈んだ状態になるのを回避するように車両が低速で走行しているときに比較的低いホイールスピンレベルしか許容にしないように構成できるが、ただし車両が高速で走行しているときには比較的高いホイールスピンレベルを許容するように構成できる。任意に、砂地モードでは、パワートレイン制御システムは、低車両速度での所定のスロットルペダル位置については比較的低い駆動トルクレベルを与え、かつ、より高い車両速度での所定のスロットルペダル位置については比較的高い駆動トルクレベルを与えるように構成される。
【0095】
オフロードモードは、サブシステムが岩上での運転に好適な態様で制御される岩徐行モードであることができる。あるいは、これは、より一般的なオフロード用に設定できる。それに加えて又はその代わりに、1以上の他のオフロードモードを設けることができる。
【0096】
これらのモードの一つは、サブシステムが悪路上での運転、例えば粗い表面にわたって比較的高速で運転するのに適した態様で制御される悪路モードとすることができる。
【0097】
これらのモードの少なくとも一つは、ブレーキ制御サブシステムがブレーキ時の比較的高い車輪スリップ度を許容するように構成されるプラウ表面モードとすることができる。これは、例えば雪又は砂上で有用なことがあり、その際、ブレーキ下における車輪の前の物質の蓄積により制動性能を向上させることができる。
【0098】
任意に、これらのモードの少なくとも1つは、サブシステムがオンロード走行に好適な態様で制御されるオンロードモードである。例えば、これらのモードの一つは、サブシステムが平坦路面での高速運転に好適な態様で制御される高速道路モードとすることができる。これらのモード一つは、サブシステムが田舎道での運転に好適な態様で制御される田舎道モードとすることができる。
【0099】
走行モードは、少なくとも2つの入力によって選択可能であり、その一方は、選択された地形に基づいて選択されたモードに影響を与えるように構成される地形選択入力とすることができ、その他方は、車両の使用の選択されたモードに基づいて選択されたモードに影響を与えるように構成される使用入力モードとすることができる。これらの入力のそれぞれは、ユーザ制御入力とすることができ、又は1以上のセンサから導出できる。
【0100】
使用入力モードは、例えば通常スタイル、スポーツスタイル及び経済的スタイルを含むことができる複数の運転スタイル間での選択を可能にするように構成できる。
【0101】
あるいは又はさらに、使用入力モードは、例えば牽引状態又は負荷状態を含めた車両の複数の状態間での選択を可能にするように構成できる。
【0102】
任意に、所定の1以上の動作モードは、サブシステムが、車両が低速で走行しているときには比較的低レベルのホイールスピンしか許容しないように制御されるが、車両が高速で走行しているときには比較的高レベルのホイールスピンを許容するように制御される高抗力モードを含む。
【0103】
高抗力モードは、砂上での移動に好適なモードであることができる。
【0104】
所定の1以上の動作モードは、パワートレイン制御システムが、低車両速度では所定のスロットルペダル位置について比較的低い駆動トルクレベルを与え、かつ、それよりも高い車両速度では所定のスロットルペダル位置について比較的高い駆動トルクレベルを与えるように構成される高抗力モードを含むことができる。
【0105】
所定の1以上の動作モードは、サブシステムが、車両が低速で走行しているときには比較的低いホイールスピンレベルしか許容しないように制御されるが、車両が高速で走行しているときには比較的高いホイールスピンレベルを許容するように制御され、しかも、パワートレイン制御システムが、低車両速度では所定のスロットルペダル位置について比較的低い駆動トルクレベルを与え、それよりも高い車両速度では所定のスロットルペダル位置について比較的高い駆動トルクレベルを与えるように構成される高抗力モードを含むことができる。
【0106】
任意に、システムは、自動条件のときには、車両が牽引していると決定された場合にアクセル制御入力に対するパワートレインの応答性を増加させる動作モードの選択を防ぐように構成される。砂上での移動のために最適化されたサブシステム制御モードを有するいくつかの実施形態では、このシステムは、車両が負荷体を牽引していると決定された場合にそのモードの自動選択を防止するように構成できる。
【0107】
いくつかの実施形態では、制御システムは、車両動作に最適な動作モードを決定するために車両についての抗力を監視することができる。トレーラが連結されている場合には、システムは、トレーラの存在による抗力/又は転がり抵抗の増加のため、車両が砂などの高抗力面上を走行していると誤って判断する可能性があるので、高抗力面に適切なサブシステム構成モードを選択することができることが可能である。このモードは、牽引時には不適切な場合がある。例えば、このモードは、そのモードによって実施されるアクセルペダル入力(位置)に対するパワートレインの応答の特定の形態のため不適切な場合がある。例えば、パワートレイントルク/アクセルポジションマップは、牽引については不適切な場合がある。ブレーキシステム、サスペンションシステムなどの1以上の他の車両システムの構成も不適切な場合がある。したがって、本発明のいくつかの実施形態には、車両が牽引しており、かつ、システムが自動選択条件で動作している場合に、このシステムが牽引時には不適切なことのある1以上の所定のサブシステム動作モードを選択しないようにするという利点がある。
【0108】
アクセルコントロールの位置の比較的小さな変化に応答して生じるパワー量を実質的に増加させる際のパワートレインによる積極的な応答は牽引時には不適切な場合があることを理解すべきである。したがって、このような応答を実施するモードは、自動モード選択条件の場合には選択しないようにすることができる。
【0109】
保護を受けようとする本発明のさらなる態様では、制御システムによって実施される車両の制御方法であって、
該システムを、該システムが適切なシステム動作モードを自動的に選択し、そして該システム動作モードでの動作をとるように構成される自動モード選択条件で動作させ;そして
該車両が負荷体を牽引していると決定された場合には所定の1以上の動作モードの自動選択を防止すること
を含む方法が提供される。
【0110】
本発明の一実施形態では、本発明の一態様に係る方法を実施するように車両を制御するためのコンピュータ可読コードを運ぶキャリア媒体が提供される。
【0111】
保護を受けようとする本発明の一態様では、走行表面を選択し、かつ、該選択された走行表面に応じて複数のサブシステム構成モードで動作するように複数の車両サブシステムを制御するための自動車両制御システムであって、該システムは、ユーザが該走行表面を選択することができる手動操作条件及び該システムが該走行表面を自動的に選択するように構成される自動動作条件で動作可能であり、該システムは、ユーザ操作可能入力装置を用いて該手動動作条件と該自動動作条件との間で切り替えることができ、該システムは、該車両が負荷体を牽引しているかどうかに関する決定に応じて該サブシステム構成モードの1以上の選択を防止するように構成されるシステムが提供される。
【0112】
保護を受けようとする本発明の一態様では、自動車両用の制御システムであって、該システムは、該システムが適切なシステム動作モードを自動的に選択し、それによって該システムが該システム動作モードでの動作をとるように構成される自動モード選択条件で動作可能であり、該車両が負荷体を牽引していると決定された場合に、該システムは、該システムが自動モード選択条件にあり、かつ、所定の1以上の動作モードで動作している状態を該システムがとらないように構成されるシステムが提供される。
【0113】
これは、いくつかの実施形態では、車両が負荷体を牽引していると決定されたときに該システムが自動モード選択条件で動作し続けないようにすることによって実現できると解すべきである。
【0114】
いくつかの別の実施形態では、これは、システムが自動モード選択条件にあり、しかも車両が負荷体を牽引していると決定した場合に、所定の1以上の動作モードが選択されるのを防止することによって達成できる。
【0115】
保護を受けようとする本発明の一態様では、自動モード選択条件で動作可能であり、適切なシステム動作モードを自動的に選択し、かつ、該システム動作モードでの動作をとるように構成される、自動車両用の制御システムであって、該自動モード選択条件で動作するときに、該システムは、該車両が負荷体を牽引していると決定された場合に所定の1以上の動作モードの選択を阻止するように構成されるシステムが提供される。
【0116】
以下にさらに詳細に記載されるように、これは、いくつかの実施形態では、車両が負荷体を牽引していると決定された場合に該システムが自動モード選択条件で動作し続けないようにすることにより実現できると解すべきである。これは、車両が負荷体を牽引し、かつ、所定の1以上の動作モードを選択しないと決定した場合に、自動モード選択条件を非活動化させることを含むことができる。
【0117】
さらに、これは、いくつかの実施形態では、車両が負荷体を牽引し、かつ、所定の1以上の動作モードが選択されていないと決定された場合に、自動モード選択条件で動作するユーザ入力要求に応じて該自動モード選択条件での動作を拒否することによって達成できると理解するべきである。これは、車両が負荷体を牽引し、かつ、所定の1以上の動作モードを選択しないと決定した場合に、自動モード選択条件に対するユーザ要求を受け付けないことを含むことができる。いくつかの別の実施形態では、これは、システムが自動モード選択条件にあり、しかも車両が負荷体を牽引していると決定した場合に、所定の1以上の動作モードが選択されるのを防止することによって達成できる。
【0118】
有利には、この動作モードは、車両の少なくとも1のサブシステムの制御モードであり、このシステムは、複数のサブシステム制御モードのうち選択された1つにおいて車両サブシステムのそれぞれの制御を開始するためのサブシステムコントローラを備え、それらのサブシステム制御モードのそれぞれは、車両についての1以上の異なる運転条件に相当する。このシステムは、1以上の運転条件指標を評価してサブシステム制御モードのそれぞれが適切である範囲を決定するための評価手段を含むことができ、また、自動条件のときに、該システムは、サブシステムコントローラを自動的に制御して最も適切なサブシステム制御モードで各サブシステムの制御を開始するように構成できる。
【0119】
本願の範囲内において、前の段落、特許請求の範囲及び/又は以下の説明並びに図面に記載されている様々な態様、実施形態、実施例及び変形例、特にそれらの個々の特徴は、独立した形又は任意の組み合わせの形をとることができることが明確に想定される。このような特徴が適合する限りにおいて、一実施形態に関連して説明される特徴は、全ての実施形態に適用可能である。
【0120】
誤解を避けるために、本発明の一態様に関して説明される特徴は、本発明の任意の他の態様内に、単独で又は1以上の他の特徴と適宜組み合わせて包含され得ると理解すべきである。
【0121】
ここで、本発明の1以上の実施形態について、添付図面を参照しながら単なる例示として説明する。