特許第6196314号(P6196314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6196314レーザー・パーフォレーション・アパーチャを有するポータブル電子デバイス・ボディと関連製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6196314
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】レーザー・パーフォレーション・アパーチャを有するポータブル電子デバイス・ボディと関連製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/44 20060101AFI20170904BHJP
   H04B 1/38 20150101ALI20170904BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20170904BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20170904BHJP
   H01Q 5/385 20150101ALI20170904BHJP
   H01Q 5/10 20150101ALI20170904BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   H01Q1/44
   H04B1/38
   H04M1/02 C
   H05K5/02 J
   H01Q5/385
   H01Q5/10
   H01Q1/24 Z
【請求項の数】24
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-540187(P2015-540187)
(86)(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公表番号】特表2016-506636(P2016-506636A)
(43)【公表日】2016年3月3日
(86)【国際出願番号】FI2013051034
(87)【国際公開番号】WO2014068192
(87)【国際公開日】20140508
【審査請求日】2015年6月22日
(31)【優先権主張番号】13/667,366
(32)【優先日】2012年11月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【弁理士】
【氏名又は名称】森 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100141254
【弁理士】
【氏名又は名称】榎原 正巳
(72)【発明者】
【氏名】アントン ファールグレン
(72)【発明者】
【氏名】ハリ ラサロフ
(72)【発明者】
【氏名】ソン−フン オ
(72)【発明者】
【氏名】アクセル エー.マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ビッレ ヘンリッキ,ビフカペラ
(72)【発明者】
【氏名】ヤンネ ホー.ラウティオ
(72)【発明者】
【氏名】ミカ ネノネン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス リュリュク
【審査官】 橘 均憲
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0091879(US,A1)
【文献】 特開2004−244669(JP,A)
【文献】 特開2011−192956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00−25/04
H04M 1/02−1/23
H05K 5/00−5/06
H04B 1/38−1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー・パーフォレーションによって、ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分を通して少なくとも1つのアパーチャを規定するステップと、
前記少なくとも1つのアパーチャを陽極酸化層で少なくとも部分的に充填することを含む、前記導電性部分の陽極酸化処理を行うステップと、を含む方法であって、
前記少なくとも1つのアパーチャを陽極酸化層で少なくとも部分的に充填することは、
前記陽極酸化層が、前記導電性部分の表面を連続的にカバーするように見えるように、前記導電性部分の前記表面を通して開口する前記少なくとも1つのアパーチャの少なくとも部分を充填することを含み、
前記少なくとも1つのアパーチャは、前記導電性部分を陽極酸化処理するのに先だって、前記ポータブル電子デバイスの前記ボディの前記導電性部分を完全に通して伸びるように規定される、方法
【請求項2】
レーザー・パーフォレーションによって前記少なくとも1つのアパーチャを規定するステップは、ポータブル電子デバイスのアンテナ配列と整列する位置に、前記少なくとも1つのアパーチャを規定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
レーザー・パーフォレーションによって前記少なくとも1つのアパーチャを規定するステップは、複数のアパーチャを規定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記陽極酸化処理に続いて、前記少なくとも1つのアパーチャを充填するように、プラスチック、樹脂または接着剤のうちの少なくとも1つで、少なくとも1つのアパーチャをオーバーモールドすることを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポータブル電子デバイスの前記ボディの前記導電性部分は、少なくとも1つのフランジを備え、前記方法は、前記陽極酸化処理の後に、前記少なくとも1つのフランジを除去するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポータブル電子デバイスの前記ボディの前記導電性部分は、プラスチック・キャリアによってサポートされる導電層を備え、
レーザー・パーフォレーションによって前記少なくとも1つのアパーチャを規定するステップは、レーザー・パーフォレーションによって、前記導電層の内部で、複数のアパーチャから成るメッシュを規定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
プラスチック部品が、前記メッシュを少なくとも部分的に充填するように、前記プラスチック・キャリアの反対側の導電層の上でプラスチック部品を形成するステップと、前記プラスチック部品の形成の後に、前記プラスチック・キャリアを除去するステップを更に含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記アパーチャを規定することは、スロット、スリット、ホールまたは、ノッチのうちの少なくとも1つを規定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記導電性部分は、金属部分を備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
導電性部分であって、該導電性部分を通して、レーザー・パーフォレーションによって少なくとも1つのアパーチャが規定される、導電性部分と、
前記導電性部分の陽極酸化処理された陽極酸化層であって、前記少なくとも1つのアパーチャを該陽極酸化層で少なくとも部分的に充填する、陽極酸化層と、
を備える装置のボディであって、
前記少なくとも1つのアパーチャを陽極酸化層で少なくとも部分的に充填することは、前記陽極酸化層が、前記導電性部分の表面を連続的にカバーするように見えるように、前記導電性部分の前記表面を通して開口する前記少なくとも1つのアパーチャの少なくとも部分を充填することを含み、
前記少なくとも1つのアパーチャは、前記導電性部分を陽極酸化処理するのに先だって、前記装置の前記ボディの前記導電性部分を完全に通して伸びるように規定される、
装置のボディ
【請求項11】
前記少なくとも1つのレーザー・パーフォレーション・アパーチャは、ポータブル電子デバイスのアンテナと整列している、請求項10に記載の装置のボディ。
【請求項12】
前記導電性部分は、複数のレーザー・パーフォレーション・アパーチャを規定する、請求項10に記載の装置のボディ。
【請求項13】
前記少なくとも1つのアパーチャを充填する前記陽極酸化層の反対側の導電性部分の上にオーバーモールドされた材料を更に備え、該オーバーモールドされた材料は、プラスチック、樹脂、または、接着剤を備える、請求項10に記載の装置のボディ。
【請求項14】
前記少なくとも1つのレーザー・パーフォレーション・アパーチャを越えて広がる前記導電性部分は、少なくとも1つのフランジを備える、請求項10に記載の装置のボディ。
【請求項15】
プラスチック・キャリアを更に備え、
前記導電性部分は、前記プラスチック・キャリアによってサポートされ、複数のレーザー・パーフォレーション・アパーチャを備える成るメッシュを規定する導電層を備える、
請求項10に記載の装置のボディ。
【請求項16】
プラスチック部品が少なくとも部分的に、前記メッシュを充填するように、プラスチック・キャリアの反対側の導電層の上にプラスチック部品を更に備える請求項15に記載の装置のボディ。
【請求項17】
導電性部分であって、該導電性部分を通して、レーザー・パーフォレーションによって少なくとも1つのアパーチャが規定される、導電性部分と、
前記導電性部分の陽極酸化処理された陽極酸化層であって、前記少なくとも1つのアパーチャを該陽極酸化層で少なくとも部分的に充填する、陽極酸化層と、
を備えるハウジングの少なくとも部分と、
少なくとも部分的に前記ハウジングの内部に配置されるアンテナを含む電子回路と、
を備えるポータブル電子デバイスであって、
前記少なくとも1つのアパーチャを陽極酸化層で少なくとも部分的に充填することは、前記陽極酸化層が、前記導電性部分の表面を連続的にカバーするように見えるように、前記導電性部分の前記表面を通して開口する前記少なくとも1つのアパーチャの少なくとも部分を充填することを含み、
前記少なくとも1つのアパーチャは、前記導電性部分を陽極酸化処理するのに先だって、前記ポータブル電子デバイスのボディの前記導電性部分を完全に通して伸びるように規定される、
ポータブル電子デバイス
【請求項18】
前記導電性部分は、前記導電性部分を、少なくとも2つの部分に分離する複数のレーザー・パーフォレーション・アパーチャを規定する、請求項17に記載のポータブル電子デバイス。
【請求項19】
前記アンテナは、放射素子、および、グランド平面を備え、前記導電性部分の1つの部分は、前記放射素子の少なくとも部分を規定する、請求項18に記載のポータブル電子デバイス。
【請求項20】
前記電子回路は、ラジオ周波数回路を備え、前記放射素子は、前記ラジオ周波数回路に結合する給電アンテナ素子を備える、請求項19に記載のポータブル電子デバイス。
【請求項21】
前記アンテナは、放射素子とグランド平面を備え、前記導電性部分の1つの部分は、前記グランド平面の少なくとも部分を規定する、請求項18に記載のポータブル電子デバイス。
【請求項22】
前記導電性部分の前記1つの部分は、非励振素子の少なくとも部分を規定し、該非励振素子は、グランド平面に結合している、請求項21に記載のポータブル電子デバイス。
【請求項23】
前記ハウジングは、前記少なくとも1つのアパーチャを充填する前記陽極酸化層の反対側の前記導電性部分の上にオーバーモールドされた材料を更に含み、前記オーバーモールドされた材料は、プラスチック、樹脂または接着剤を含む、請求項17に記載のポータブル電子デバイス。
【請求項24】
前記オーバーモールドされた材料は、プラスチック材料を含み、1つ以上の内部特徴を規定する、請求項23に記載のポータブル電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の例示的実施形態は、一般に、ポータブル電子デバイスのボディに、より詳しくは、ボディを通して、ラジオ周波数(RF)信号の送信を容易にするために1つ以上のレーザー・パーフォレーション・アパーチャを有するポータブル電子デバイスのボディに関連する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、ラップトップ・コンピュータ、タブレット型コンピュータ、パーソナル携帯情報機器(PDA)、その他のポータブル電子デバイスのボディは、1つ以上の導電性部品または金属部品、および1つ以上のプラスチック部品を含むことができる。例えば、ポリフェニレン・サルファイド(PPS)部分は、ポータブル電子デバイスのボディを形成するためにアルミニウム部分にインサート・モールドあるいはオーバーモールドすることができる。ボディは、頑丈であること、および、一貫した美的な外観を有することの両方であるように、金属からポータブル電子デバイスの全体を形成することは望ましいことがあり得る。しかし、多くのポータブル電子デバイスは、ボディが、プラスチック部分と金属部分とのいくつかの組合せを要求するような方法で構成される。例えば、ポータブル電子デバイスは、1つ以上のボディの中に配置されるアンテナを含むことができる。アンテナとのラジオ周波数(RF)信号の伝送を可能にするために、アンテナに整列するボディの部分は、プラスチックで形成することができる。
【0003】
ポータブル電子デバイスのボディの内部にプラスチック部分を包含することは、多くの問題を持ち込む可能性がある。美観の見地から、プラスチック部分は、金属部分とは異なるように見え得る。それによって、ポータブル電子デバイスの魅力を可能性として減らすことなる。例えば、プラスチック部分は、ポータブル電子デバイスのボディの金属部分の間で、ストライプ、シームまたはウィンドウを作ることができるそのようなシームは、シームレスなボディが、美感的に好ましいいくつかインスタンスにおいては、好ましくないことがあり得る。さらに、そのプラスチック部品の表面は、ポータブル電子デバイスのユーザーを混乱させるかもしれない金属部分と比較してプラスチック部品の感触の違いを有し、金属部品の表面よりもソフトにすることができる。
【0004】
よりソフトなプラスチックがひっかかれる恐れを少なくするために、プラスチック部分を、金属部分との組合せの前にプラスチック部分に対して、塗装またはハード・コーティングの適用などで金属部分と別にコーティングすることができる。結果として、プラスチック部分と金属部分とが、色差を示すことができる、および/または、プラスチック部分と金属部分とが、プラスチックと金属部分との間でステップまたはオフセットが存在するように、互いに完全に整列することができない。それによって、ポータブル電子デバイスのボディの美感を損なうことになる。
【0005】
非導電性蒸着メタライゼーション(NCVM)コーティングをプラスチック部分に金属的外観を提供するように、プラスチック部分と金属部分との両方を有するポータブル電子デバイスのボディに適用することができる。それによって、より均質でシームレスな外観をつくる。しかしながら、NCVMコートのプラスチック部分は、依然として、金属部分と異なる触覚的感覚を有し、そして、トップ・コートがNCVMコートのプラスチック部分に適用されたインスタンスにおいて、プラスチック部品の視覚的外観は、もはや、金属的でありえない。すなわち、プラスチック部分は、金属部分と一貫した外観をもはや有することができない。さらに、NCVMコーティングの表面の硬度は、金属のそれより少なく、それによって、NCVMコートのプラスチック部分の摩耗が大きくなることになるかもしれない。これは、また、結果として生じるポータブル電子デバイスのボディは、結局より魅力的にならないように、金属部分とプラスチック部分との間での視覚の違いをさらに増加する可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
ポータブル電子デバイスなどの装置のボディを製造する方法、ならびに結果として生じるポータブル電子装置およびそのボディが、本願発明の実施形態にしたがって、ポータブル電子デバイスのボディを通してラジオ周波数信号の伝送を容易にするために、提供される。これに関して、アパーチャが、本願発明への例示的実施形態にしたがって、ボディを介してラジオ周波数信号の伝送を容易にするポータブル電子デバイスの少なくとも部分のボディを通して、レーザー・パーフォレーションによって規定される。したがって、ポータブル電子デバイスは、アンテナをボディの内部に含むことができる。しかし、ポータブル電子デバイスのボディは、ボディが均質な金属的外観を有するようにさせる一方、依然として、ラジオ周波数信号がそれを通して伝送されるのを許すように製造することができる。
【0007】
1つの実施形態において、少なくとも1つのアパーチャ、および、いくつかの実施形態において、ポータブル電子デバイスのボディの導電性、例えば、メタリックな部分を通して、レーザー・パーフォレーションによる複数のアパーチャを規定する方法が提供される。いくつかの例示的実施形態において、この少なくとも1つのアパーチャは、スロット、ホール、ノッチ、または、スリットのうちの少なくとも1つであることができる。例えば、この少なくとも1つのアパーチャは、レーザー・パーフォレーションによって規定されるスロットであることができ、また、アンテナとのラジオ周波数信号の伝送を容易にするようにポータブル電子デバイスのアンテナと整列していることができる。このスロットは、ポータブル電子デバイスのボディの2つの隣接した導電性部分の間で完全な電気的ガルバニック絶縁を提供するこの実施形態の方法は、また、少なくとも1つのアパーチャを陽極酸化層で少なくとも部分的に充填することを含む、導電性部分の陽極酸化処理を行う。このように、ポータブル電子デバイスのボディの前記導電性部分は、ラジオ周波数信号の伝送をサポートするために、レーザー・パーフォレーション・アパーチャがその内部で規定されるとしても、比較的一貫した、金属的外観を有する。
【0008】
1つの実施形態の方法は、また、陽極酸化処理の後に、この少なくとも1つのアパーチャを充填するように、プラスチック、樹脂、または、接着剤のうちの少なくとも1つを用いて、この少なくとも1つのアパーチャをオーバーモールドすることを含む。ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分は、少なくとも1つのフランジを含むことができ、このように、1つの実施形態の方法は、陽極酸化処理の後に、少なくとも1つのフランジを除去することを含むことができる。1つの実施形態のポータブル電子デバイスのボディの導電性部分は、プラスチック・キャリアによってサポートされる導電層を含むことができる。このように、レーザー・パーフォレーションによる少なくとも1つのアパーチャの規定は、レーザー・パーフォレーションによる導電層の内部の複数のアパーチャを含むメッシュの規定を含むことができる。この実施の形態では、この方法は、また、プラスチック部品がメッシュを少なくとも部分的に充填するように、プラスチック・キャリアの反対側の導電層の上でプラスチック部品を形成すること、および、その後、そのプラスチック・キャリアを除去することを含むことができる。
【0009】
別の実施形態において、少なくとも1つのレーザー・パーフォレーション・アパーチャ、および、いくつかの実施形態において、その中で規定される複数のレーザー・パーフォレーション・アパーチャを有する導電性部分を含むポータブル電子デバイスなどの装置のボディが、提供される。これに関して、この少なくとも1つのレーザー・パーフォレーション・アパーチャは、ポータブル電子デバイスのアンテナと整列していることができる。この実施形態のポータブル電子デバイスのボディは、また、少なくとも1つのアパーチャを少なくとも部分的に充填する陽極酸化層を含む。
【0010】
1つの実施形態のポータブル電子デバイスのボディは、また、少なくとも1つのレーザー・パーフォレーション・アパーチャを充填する陽極酸化層の反対側の導電部分の上にオーバーモールドされた材料を含むことができる。このオーバーモールドされた材料は、プラスチック、樹脂または接着剤を含むことができる。ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分は、少なくとも1つのレーザー・パーフォレーション・アパーチャを越えて広がる少なくとも1つのフランジを含むことができる。1つの実施形態のポータブル電子デバイスのボディは、また、プラスチック・キャリアを含むことができる。この実施の形態では、導電性部分は、前記プラスチック・キャリアによってサポートされ、そして、複数のレーザー・パーフォレーション・アパーチャを含むメッシュを規定する金属層を含むことができる。この実施形態のポータブル電子デバイスのボディは、また、少なくとも部分的に、そのメッシュを充填するプラスチック部品を有するプラスチック・キャリアの反対側の導電層のプラスチック部分を含むことができる。
【0011】
更なる実施形態においては、その中で規定される少なくとも1つのレーザー・パーフォレーション・アパーチャを有する導電性部分を含むハウジングの少なくとも部分と、少なくとも部分的に、その少なくとも1つのレーザー・パーフォレーション・アパーチャを充填する陽極酸化層とを含むポータブル電子デバイスが提供される。1つの実施形態において、この導電性部分は、複数のレーザー・パーフォレーション・アパーチャを規定する。この実施形態のポータブル電子デバイスは、また、少なくとも部分的にハウジングの内部に配置される電子回路を含む。この電子回路は、少なくとも1つのレーザー・パーフォレーション・アパーチャに整列するアンテナを含むことができる。
【0012】
1つの実施形態のハウジングは、その少なくとも1つのアパーチャを充填する陽極酸化層の反対側の導電部分の上にオーバーモールドされた材料を含むことができる。オーバーモールドされた材料は、プラスチック、樹脂、または、接着剤を含むことができる。このオーバーモールドされた材料は、1つ以上の内部的特徴を規定することができる。1つの実施形態の導電性部分は、複数のレーザー・パーフォレーション・アパーチャを備えるメッシュを規定している導電層を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
このように、一般的な用語で、本願発明のある例示的な実施形態を記述したが、以下において、添付の図面を参照する。これらの図面は、必ずしも一定の比率で描かれているというわけではない。ここで、
図1図1は、ハウジングの中で置かれるアンテナを含み、および、本願発明の例示的実施形態にしたがって、製造されることができるポータブル電子デバイスの斜視図である。
図2図2は、本願発明の例示的実施形態にしたがって、ポータブル電子デバイスのボディを製造するために実行される動作を図示しているフローチャートである。
図3A図3A図3B図3Cは、本願発明の異なる3つの例示的実施形態にしたがう、ポータブル電子デバイスの概略図である。
図3B図3A図3B図3Cは、本願発明の異なる3つの例示的実施形態にしたがう、ポータブル電子デバイスの概略図である。
図3C図3A図3B図3Cは、本願発明の異なる3つの例示的実施形態にしたがう、ポータブル電子デバイスの概略図である。
図4図4は、本願発明の例示的実施形態にしたがう、レーザー・パーフォレーション・アパーチャのフォーメーションを図示する。
図5図5は、本願発明の例示的実施形態にしたがう、レーザー・パーフォレーション・アパーチャの少なくとも部分的な充填を含むポータブル電子デバイスのボディの導電性部分の陽極酸化を図示する。
図6図6は、本願発明の例示的実施形態にしたがう、レーザー・パーフォレーション・アパーチャのオーバーモールドを図示する。
図7図7は、本願発明の例示的実施形態にしたがう、フランジの除去の後に、ポータブル電子デバイスの結果として生じるボディの部分を図示する。
図8図8は、本願発明の例示的実施形態にしたがう、1つ以上の内部の特徴を規定する導電層の上のプラスチック部品の形成を図示する、ポータブル電子デバイスのボディの部分の側面図である。
図9図9は、本願発明の例示的実施形態にしたがう、レーザー・パーフォレーションによって導電層の内部の複数のアパーチャを含むメッシュの規定を図示する。
図10図10は、本願発明の例示的実施形態にしたがう、レーザー・パーフォレーションによって規定されるメッシュを少なくとも部分的に充填する、プラスチック・キャリアの反対側の導電層の上で形成されたプラスチック部品の側面図である。
図11図11は、本願発明の例示的実施形態にしたがう、プラスチック・キャリアの除去の後における、図10のプラスチック部品および導電層の側面図である。
図12図12は、本願発明の2つの例示的実施形態にしたがって、周波数の関数としての、アンテナの反射損失のグラフィック表現である。
図13図13は、図12の反射損失のインピーダンス・ビューを提供するスミス・チャートである。
図14図14は、本願発明の2つの例示的実施形態にしたがって、周波数の関数としての、ロー・バンド領域おおよびハイ・バンド領域におけるアンテナの放射効率のグラフィック表現である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本願発明は、添付の図面を参照して、以下のように完全に記述される。本願発明の実施形態が、すべてではないが、いくつかが示される。実際に、これらの発明は、多くの異なる形で具体化することができ、ここに述べられる実施形態に制限されるように解釈されてはならない。むしろ、これらの例示的実施形態は、この開示が適用可能な法的要求を満たすように提供される。以下を通して、同様の数字は、同様の要素を参照する。
【0015】
本願で用いられているように、「回路」という用語は、(a)ハードウェアのみの回路インプリメンテーション(例えば、アナログおよび/またはデジタル回路だけのインプリメンテーション)、そして、(b)(i)プロセッサの組合せにも、または、(ii)プロセッサ/ソフトウェア(デジタルシグナルプロセッサを含む)の部分、ソフトウェア、および、例えば携帯電話またはサーバなどの装置に種々の機能を実行させるために一緒に動作するメモリに適用できるような、回路とソフトウェア(および/または、ファームウェア)の組合せ、そして、(c)たとえソフトウェアまたはファームウェアが物理的に存在しないとしても動作のためにソフトウェアまたはファームウェアを必要とするマイクロプロセッサまたはマイクロプロセッサの部分などの回路、のすべてを指す。
【0016】
この「回路」の定義は、本願において、すべての請求項を含むこの用語のすべての使用について適用される。さらなる例として、本願にて用いられているように、「回路」という用語は、また、単にプロセッサだけの(または複数のプロセッサの)インプリメンテーション、または、プロセッサの一部分および、その(あるいは、それらの)付随するソフトウェアやファームウェアをカバーする。「回路」という用語は、また、たとえば、および、特定の請求項要素の適用できるならば、ベースバンド集積回路、または、携帯電話の特定用途向け集積回路(ASIC)、または、サーバ、セルラ・ネットワーク・デバイス、または、他のネットワーク・デバイスにおける同様な集積回路をカバーする。
【0017】
例えば、携帯電話、スマートフォン、その他などモバイル電話などのポータブル電子デバイス、パーソナル携帯情報機器(PDA)、ラップトップ・コンピュータ、タブレット型コンピュータ、ナビゲーション・システム、ミュージック・プレーヤー、ゲーム・プレーヤー、コンピュータ・ワークステーションまたは、多数の他の計算デバイス、コンテンツ生成デバイス、コンテンツ消費デバイス、またはそれらの組合せのいずれも、一般に、ハウジングの内部に配置された電子回路を保護するように、強度と剛性を提供するハウジングなどのボディを含む。ポータブル電子デバイスのボディは、また、ユーザーにアピールするように魅力的な美的外観を有するように構成することができる。下記するように、いくつかのポータブル電子デバイスのボディは、RF信号が、ハウジングの中に配置されたアンテナと送受信されることが許されるように製造することができる。
【0018】
例として、図1は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のメモリ、ラジオ周波数回路、その他の、導電性部分と図1において、破線によって表されるように、ポータブル電子デバイスのボディの中に、少なくとも部分的に、より典型的には、全体が配置される電子回路14を含むハウジングなどのボディ12を含むモバイル電話、PDAまたは、その他のポータブル電子デバイス10を示す。この実施形態のポータブル電子デバイスのボディの中で配置されたこの電子回路は、ラジオ周波数(RF)信号などの信号を送受信するために、アンテナ配列16を含むことができる。アンテナ配列が、種々の態様において、ように構成することができるけれども、1つの実施形態のアンテナ配列は、アンテナ素子、例えば、例えば、その第1の端部におけるラジオ周波数回路、および、連結アームまたは非励振素子などその電子回路から延びており、それに結合する放射素子などを含む。これらは、その第1の端部におけるグランド平面17に結合し、そして、少なくとも、その第2の端部においてアンテナ素子に結合している。グランド平面が、プリント基板(PWB)19の少なくとも1つの層の上に配置された導電性部分によって提供される。他の実施形態において、グランド平面は、PWBに加えて、または、PWBの代わりに、デバイスをともに他の導電性のオブジェクトによって提供することができる。たとえば、バッテリ、セル、シールド缶、導電性ボディ部品、外部導電性ハウジング、ディスプレイの導電性支持構造物、追加的な導電性支持構造物、その他であるが、それらに制限されるものではない。アンテナ素子は、給電アンテナ素子である。言い換えると、この電子回路は、介在コンポーネントの有無にかかわらずアンテナ素子に結合している。いくつかの実施形態において、非励振素子を、必要とすることはなく、給電アンテナ素子のみが、必要でありえる。ボディの導電性部分が、アンテナと送受信される信号を減衰あるいは遮断する可能性があるので、この実施形態のポータブル電子デバイスのボディは、RF信号のアンテナとの伝搬を可能にするために、ボディの導電性部分によって規定される1つ以上のレーザー・パーフォレーション・アパーチャ18を含むことができる。例示的実施形態のレーザー・パーフォレーション・アパーチャは、アンテナ素子や非励振素子になど、それぞれのアンテナと整列して配置することができる。ポータブル電子デバイスのボディは、レーザー・パーフォレーション・アパーチャの単一のセットを含むことができるが、ポータブル電子デバイスのボディは、図1で示すように、例えば、ボディの反対の側によってボディの異なる部分によって規定されたレーザー・パーフォレーション・アパーチャの2つ以上のセットを含むことができる。
【0019】
レーザー・パーフォレーション・アパーチャ18は、例えば、スロット、ホール、ノッチ、または、スリットのうちの少なくとも1つなどを含む種々の構成を有することができる。破線によって図1に図示されるが、レーザー・パーフォレーション・アパーチャ18のセットは、一般に、ポータブル電子デバイス10のボディ12が一貫した金属的外観など一貫した美的外観を有するように、可視的でない。しかしながら、レーザー・パーフォレーションによるアパーチャの形成は、レーザー・パーフォレーション・アパーチャに整列するようにポータブル電子デバイスのボディの中の配置されたアンテナ16とのラジオ周波数信号の伝送を容易にする。
【0020】
次に、図2を参照すると、本願発明の例示的実施形態にしたがって、ポータブル電子デバイス10のボディ12を製造するために実行される動作が、RF伝送をサポートするために1つ以上のパーフォレーション・アパーチャ18を持つ、結果として生じるポータブル電子デバイスのボディで図示される。図2のブロック30に示すように、少なくとも1アパーチャ、および、より典型的には、複数のアパーチャが、ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分を通して、レーザー・パーフォレーションによって規定される。これらのアパーチャは、ポータブル電子デバイスのボディの種々の導電性部分を通してレーザー・パーフォレーションによって規定することができる。しかしながら、図1に図示される実施形態において、ポータブル電子デバイスの側壁またはベゼルは、それを通して規定されているレーザー・パーフォレーション・アパーチャを持つ導電性バンドその他を含むことができる。この図示した実施形態においては、たとえば、2セットのレーザー・パーフォレーション・アパーチャを、ハウジングの両側など側壁の異なる部分によって規定することができる。しかしながら、他の実施形態のポータブル電子デバイスは、任意数のレーザー・パーフォレーション・アパーチャ、および、レーザー・パーフォレーション・アパーチャの任意数のセットを含むことができる。ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分は、例えば、アルミニウムなどを含む種々の金属から、あるいは、グラファイト、カーボン、導電性複合材料その他の他の導電性材料から形成することができる。ただし、それらに制限されるものではない。加えて、または、代替的に、ボディの導電性部分は、例えば、プラスチックで被覆されている金属層、または、例えば、金属層などの導電層でコートされている、あるいは、さもなければ、導電層をつけているプラスチック層など導電層を含むことができる。
【0021】
ボディ12の導電性側壁は、第1および第2のレーザー・パーフォレーション・アパーチャ18によって、少なくとも2つの部分に分離することができる。これらは、図1に示されるように、互いから物理的に位置がずれている。例えば、図1の実施形態の導電性側壁は、レーザー・パーフォレーション・アパーチャによって、第1の部分13と第2の部分15とに分離される。1つの例示的実施形態において、導電性側壁の1つの部分は、流電結合、または、電磁気的結合など、直接、例えば、ラジオ周波数回路など電子回路14に結合することができる。この実施の形態では、電子回路に結合する導電性側壁の部分は、アンテナ配列16の放射素子の少なくとも部分を規定する。別の例示的実施形態において、導電性側壁の1つの部分は、流電結合、または、電磁気的結合など、直接グランド平面17に結合することができる。この実施の形態では、グランド平面に結合する導電性側壁の部分は、アンテナ配列の非励振素子の少なくとも部分を規定する。さらに別の実施例においては、導電性側壁の第1および第2の部分のうちの1つは、アンテナ配列の放射素子の少なくとも部分を規定するように、電子回路に結合することができる。一方、導電性側壁の第1および第2の部分のうちの他方は、アンテナ配列の非励振素子の少なくとも部分を規定するように、グランド平面に結合することができる。
【0022】
例として、次に、レーザー・パーフォレーション・アパーチャ18によって導電性側壁の他の部分から分離された導電性側壁の部分が、アンテナ配列16の部品として利用される種々の態様を例示する図3A図3Cを参照する。図3Aの実施形態に関して、第1の導電性側壁の部分13は、例えば、いかなる電位にも結合しないことなどで、電気的にフローティングであっても、そうでなくても良い。あるいは、任意選択的に、図示されるように1つ以上の位置で、グラウンドすることができる。ポータブル電子デバイスのボディ12の中に配置されたアンテナは、放射素子、そして、任意選択的に、レーザー・パーフォレーション・アパーチャを通過するアンテナ配列との放射線の伝播をさせている非励振素子を含むことができる。図示の通り、導電性側壁の第2の部分15は、任意選択的に、1つ以上の場所でグラウンドに結合することができる。あるいは、代替的に、電気的にフローティングのままにすることができる。
【0023】
実施形態において、この放射素子は、少なくとも、第1の共振周波数で共鳴するように構成される第1の電気的長さを持つことができ、そして、オプションの内部の非励振素子は、少なくとも、第2の共振周波数で共鳴するように構成される第2の電気的長さを持つことができる。ここで、第2の共振周波数は、第1の共振周波数とは異なる。導電性側壁の第1の部分13は、実施形態において、少なくとも、第3の共振周波数で共鳴するように構成される第3の電気的長さを持つことができる。ここで、第3の共振周波数は、第1の共振周波数および/または第2の共振周波数とは異なる。導電性側壁の第1の部分13は、放射素子および/または、オプションの内部の非励振素子に結合するように構成されたさらにオプションの非励振素子であることができる。導電性側壁の第1の部分13が、放射素子やオプションの内部の非励振素子が動作する周波数帯の範囲内に入る第3の電気的長さを持つように構成されているときに、放射素子およびオプションの内部の非励振素子で放射されたラジオ周波数は、ラジオ周波数がレーザー・パーフォレーション・アパーチャ18を通過すると同時に、導電性側壁の第1の部分13と結合し、更なる放射線に対して、他方と結合する。このように、この実施形態の導電性側壁の第1の部分13は、全体的なアンテナ配列の帯域幅を可能性として広げるように、非励振素子としての役割をすることができる。一方、ポータブル電子デバイスの外側からは、レーザー・パーフォレーション・アパーチャ18にもかかわらず、連続する導電性の構造として見える。導電性側壁の13の第1の部分が第1のおよび/または第2の共振周波数とは実質的に異なる第3の共振周波数で共鳴するように構成される電気的長さを持つ他の実施形態において、第1の導電性側壁の部分13は、放射素子やオプションの内部の非励振素子が動作する動作周波数帯の外側で動作していると考えることができる。このように、この実施形態の導電性側壁の第1の部分13は、その動作周波数において、ほとんど透明に見えることができる。
【0024】
図3Bの例示的実施形態において、導電性側壁の第1の部分13は、放射素子に結合することによって、アンテナ配列16の放射素子の部分であることができる。導電性側壁の第1の部分は、また、第1の部分が放射素子に結合する位置から間隔をあけたような位置で、任意選択的に、グラウンドすることができる。この実施形態のレーザー・パーフォレーション・アパーチャ18は、したがって、導電性側壁の第1の部分13を導電性側壁の他の部分から電気的に分離するか、絶縁するのに役立つ。一方、ここに記載するように、ボディ12が、シームレスに導電性に見えることを可能にする。図示の通り、導電性側壁の第2の部分15は、任意選択的に、1つ以上の場所でグラウンドに結合することができる。あるいは、代替的に、電気的にフローティングのままにすることができる。
【0025】
図3Cの例示的実施形態に関して、導電性側壁の第1の部分13は、例えば、非励振アンテナ素子に一方の端部において結合するなどによって、グラウンドすることによって、アンテナ配列16の一部の非励振素子であることができるグラウンド接続なしで、非励振素子がその末端部を開いているままにしておくようになっているインスタンスにおいて、導電性側壁の第1の部分の反対の端部は、また、例えば、グラウンドしないなど開いたままであることができる。しかしながら、非励振素子が、ループアンテナ・タイプの構造であるならば、導電性側壁の第1の部分は、図3Cで示すように、第1の部分の、例えば、ほぼ反対の端部など1つ以上の他の場所においてグラウンドに結合することもできる。この実施形態のアンテナ配列は、また、放射素子を含む。この実施形態のレーザー・パーフォレーション・アパーチャ18は、したがって、導電性側壁の第1の部分13を導電性側壁の他の部分から電気的に分離するか、絶縁するのに役立つ。一方、ここに記載するように、ボディ12が、シームレスに導電性に見えることを可能にする。導電性側壁の第2の部分15は、1つ以上の他の場所においてグラウンドに、再び任意選択的に結合することができる。あるいは、代替的に、電気的にフローティングのままにすることができる。
【0026】
レーザ・ビーム21が、ボディ12の導電性部分に作用している図4に示すように、レーザー・パーフォレーションによって規定されるアパーチャ18は、一般に平行した構成で、ポータブル電子デバイス10のボディ12の導電性部分にわたって広がることができる。1つの実施形態において、スロットがレーザー・パーフォレーションによって規定されるポータブル電子デバイスのボディの部分は、凹部であることができ、このように、ポータブル電子デバイスのボディの他の部分より薄いことがあり得る。加えて、ポータブル電子デバイスのボディの前記導電性部分は、少なくとも1つの、より典型的にはそれより多い、側面から外へ広がるフランジのペア20を含むことができる。したがって、レーザー・パーフォレーションによって規定されるアパーチャは、フランジまで、そして、いくつかインスタンスにおいては、フランジの中に、ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分にわたって広がることができる。しかしながら、1つの実施形態のレーザー・パーフォレーションによって規定されるアパーチャは、ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分を物理的に分離しないように、フランジを通して完全には広がらない。
【0027】
1つの実施形態において、レーザー・パーフォレーションによって規定されるアパーチャ18は、一般に、テーパをつけた側壁を持つ先端を切ったV形状、および、それは、導電性部分の他の表面の近くの開口部より広いポータブル電子デバイス10のボディ12の伝導性部分の1つの表面の近くの開口部を有する。このように、アパーチャは、ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分の厚みを通して広がることができる。導電性部分は、種々の厚みを持つのであるが、1つの実施形態の導電性部分は、アパーチャもまた、およそ0.3mmの深さを持つように、およそ0.3mmの厚さを持つ。レーザー・パーフォレーション・アパーチャは、例えば、より大きなアパーチャだけでなく、アパーチャが、数2、3マイクロメートルの幅を持つなどを含む種々のサイズと形状を持つように規定することができる。1つの実施形態において、しかしながら、レーザー・パーフォレーション・アパーチャ各々のセットは、各々のスロットが0.03mmと0.1mmとの間の(開口部のより小さな側で決定された)幅を持ち、また、およそ2mm幅のポータブル電子デバイスのボディの導電性部分のセクション全体で均一に間隔をあけたスロットを持つ10−12のスロットを含むことができる。スロットが0.03mmの幅を持つ実施形態において、スロットは、1つの実施形態において、およそ0.15mmの中心から中心への距離の間隔を持つことができる。
【0028】
図2中のブロック32および図5に示されるように、ポータブル電子デバイス10のボディ12の金属的部分は、次に、陽極酸化層22を形成するように陽極酸化処理を行うことができる。陽極酸化層は、種々の材料の形成されることができるが、典型的には、酸化アルミニウムなど金属酸化物で形成される。本願発明の例示的実施形態にしたがって、前記陽極酸化層は、少なくとも部分的には、レーザー・パーフォレーション・アパーチャ18を充填する。レーザー・パーフォレーション・アパーチャが、陽極酸化層によって完全に充填されることができるけれども、いくつかの実施形態の陽極酸化層は、レーザー・パーフォレーション・アパーチャの部分のみを充填することができる。しかしながら、ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分の外側の表面に開口したアパーチャの少なくとも部分は、陽極酸化層が、ポータブル電子デバイスの外部から見たときに、ポータブル電子デバイスのボディを連続的にカバーするように見えるように、陽極酸化層で充填されることがありえる。
【0029】
1つの実施形態のレーザー・パーフォレーション・アパーチャ18は、次に、プラスチック、樹脂または接着剤などで、オーバーモールドすることができる。図2ブロック34、更に、図6を参照。これに関して、ポータブル電子デバイス10のボディ12の導電性部分の内側表面は、すなわち、陽極酸化処理されたポータブル電子デバイスのボディの導電性部分のボディの表面の反対側の、ポータブル電子デバイスの導電性部分の表面は、レーザー・パーフォレーション・アパーチャが、陽極酸化層22によって以前に充填されなかった範囲で、レーザー・パーフォレーション・アパーチャを充填するようにオーバーモールドすることができる。プラスチック、樹脂または接着剤などオーバーモールドされた材料24が、硬化した後に、ポータブル電子デバイスのボディの前記導電性部分は、図2のブロック36に示されるように、フランジ20を取り除くことによって、仕上げることができる。フランジは、種々の態様において取り除くことができるが、1つの実施形態のフランジは、フランジを、機械加工または機械的に磨滅することによって、取り除くことができる。加えて、オーバーモールドされた材料24は、結果として生じるオーバーモールドされた材料は、ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分の内側表面の残りと同一平面上であるように、研削、研摩その他によって、機械加工することができる。図7を参照。
【0030】
ポータブル電子デバイス10のボディ12の結果として生じる導電性部分は、少なくとも1つの、そして、いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイスのボディの中で配置されるアンテナ配列16とのRF信号の伝送を容易にすることができる複数のレーザー・パーフォレーション・アパーチャ18を含む。しかしながら、ポータブル電子デバイスのボディの前記導電性部分は、レーザー・パーフォレーション・アパーチャがポータブル電子デバイスの外側から可視的でないような態様で製造され、その代わりに、ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分の外側表面が、少なくとも部分的に、陽極酸化層22によるレーザー・パーフォレーション・アパーチャを充填する導電性部分の陽極酸化に起因している一貫した金属的外観を有する。結局のところ、ポータブル電子デバイスのボディは、その一貫した金属的外観の結果として、美観的に魅力的であること、ポータブル電子デバイスの中に配置されたアンテナに関して依然としてRF透明性を提供すること、の両方である。図6に図示されるように、オーバーモールドされた材料24は、その中で、レーザー・パーフォレーション・アパーチャ18が規定されるか凹部分を効果的に充填することができる。しかしながら、オーバーモールドされた材料は、その代わりに、導電層の内部において、陽極酸化層22の反対側に、プラスチック部品40を形成することができる、それは、1つ以上のモールドされたスクリュータワー、1つ以上のスナップ、その他の1つ以上の内部の特徴42を規定する、これに関して、図8は、1つ以上のレーザー・パーフォレーション・アパーチャが規定される凹部分を含む、ポータブル電子デバイス10のボディ12の部分を形成する、アルミニウムなど導電性部分を図示する。この実施形態のポータブル電子デバイスのボディは、また、ボディのポータブル電子デバイスの導電性部分の上で形成されるプラスチック部品を含む。これに関して、プラスチック部分は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレン・テラフタル酸塩(PBT)、ポリフェニレン・サルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、その他のを含む陽極酸化に耐えることができる種々の異なる種類のプラスチック材料から形成することができる。1つの実施形態において、接着剤または樹脂44の層は、プラスチックを導電性部分に固定するように、ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分の内側表面に配置することができる。レーザー・パーフォレーション・アパーチャを、次に、規定することができる。
【0031】
例えば、図9に図示されるように、レーザー・パーフォレーションによる少なくとも1つのアパーチャ18の規定は、導電性部分を通して、レーザー・パーフォレーションによって形成される複数のスロットを備えるメッシュの規定を含むことができる。メッシュを備えるレーザー・パーフォレーション・スロットは、2セットのスロットを含むことができ、各々のセットは、互いに平行して広がるが、各々のセットが、他のセットのスロットに対して、直角に配置される複数のスロットを含む。ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分の外部表面は、次に、メッシュを備える少なくとも複数のレーザー・パーフォレーション・スロットを部分的に充填する、結果として生じる陽極酸化層22で陽極酸化処理を行うことができる。このように、ポータブル電子デバイスの結果として生じるボディが、ポータブル電子デバイスのボディの中で配置されるアンテナ配列16とのラジオ周波数信号の伝送を容易にする。一方、ポータブル電子デバイスのボディが、ポータブル電子デバイスのボディの導電性部分の中で形成され、固着されたプラスチック部分40により規定されるなど、1つ以上の内部的特徴を有することを可能にする。
【0032】
図10図11に表される別の実施形態において、ポータブル電子デバイス10のボディ12の導電性部分は、(最終的な裏側と反対の)最終的な外側表面からプラスチック・キャリア52によってサポートされる導電層50を含むことができる。この導電層は、そこで形成される陽極酸化層で陽極酸化処理されることができる1つの実施形態のものであることができる。この導電層がプラスチック・キャリアによってサポートされるが、1つ以上のアパーチャ18は、たとえば、図9に示されるように、レーザー・パーフォレーションによって前記導電層の内部で、複数のアパーチャから成るメッシュを規定するなどによって、最終的な裏側から、レーザー・パーフォレーションによって導電層を通して規定することができる。プラスチック部分54は、次に、たとえば、図10に示されるように、プラスチック部品が少なくとも部分的に、前記メッシュを充填するように、プラスチック・キャリアの反対側の導電層の上で形成することができる。また、図10に示されるように、プラスチック部分は、1つ以上のモールドされたスクリュータワー、1つ以上のスナップその他ポータブル電子デバイスの1つ以上の内部の特徴56を規定することができる。プラスチック部分をつくった後に、ポータブル電子デバイスの結果として生じるボディが、図11で示すように製造されるように、プラスチック・キャリアを、取り除くことができる。導電層が以前に陽極酸化処理されなかったインスタンスにおいて、導電層の外側表面、すなわち、導電層の最終的な外側表面は、次に、プラスチック部品により以前に充填されなかったレーザー・パーフォレーション・アパーチャのその部分を充填することによってなど、少なくとも部分的にレーザー・パーフォレーション・アパーチャを充填する、陽極酸化層22を形成するために陽極酸化処理を行うことができる。プラスチック・キャリアは、メタノールなどのアルコールに溶解することを含む種々の態様において取り除くことができる。この実施の形態において、プラスチック部分は、プラスチック・キャリアに対して、アルコールに対する化学的耐性を増加したプラスチック材料から形成されているプラスチック部品を持つプラスチック・キャリアとは異なるプラスチックから形成することができる。例えば、このプラスチック部分は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)で形成することができる。一方、プラスチック・キャリアは、PAで形成することができる。
【0033】
上記したように、ポータブル電子デバイス10の結果として生じるボディ12は、一貫した金属的外観を有するが、中に配置され、1つの実施形態において、レーザー・パーフォレーション・アパーチャと整列したアンテナ16とのラジオ周波数信号の伝送を容易にするために、1つ以上のレーザー・パーフォレーション・アパーチャ18を含み、
【0034】
本願発明の例示的実施形態によって提供される利点の例として、図12および図13は、本願発明の2つの例示的実施形態のアンテナ16のSパラメータ応答のグラフィック表現である。これは、アンテナが、周波数に対してインピーダンス・マッチングしている態様を図示する。図12は、GHzにおける周波数の関数として、dBにおける反射損失の大きさを図示する。一方、図13は、同一のアンテナの反射損のインピーダンス・ビューを提供するスミス・チャートである。加えて、図14は、ロー・バンド領域おおよびハイ・バンド領域における図12および図13におけるのと同じアンテナの放射効率を表す。これに関して、dBにおいて放射効率が、GHzにおける周波数の関数として、表される。図12−14の中で、60で指定される曲線は、レーザー・パーフォレーション・アパーチャ一のペアが、低損失および低誘電率を持つプラスチックなどの材料で充填される実施形態と結びついた反射損失または放射効率を表す。これに関して、低損失は、RFに対する低損失に関するものであり、tanδで表される。加えて、低誘電率εは、5など、所定の値未満であるならば、アンテナに対して低いと考えられる。加えて、62で指定される曲線は、例えば、空気(ε=1)満たされているなどレーザー・パーフォレーション・アパーチャのペアが充填されていない実施形態と結びついた反射損失または放射効率を表す。留意されるように、ローディングは、レーザー・パーフォレーション・アパーチャ18が低損失誘電物質で充填される実施形態に対して、レーザー・パーフォレーションが空気で充填される実施形態よりも、より高いものである。したがって、共振周波数は、例えば、およそ1800MHzなど特にハイ・バンドにおいて、ロードされる。すなわち、空気に対するよりも、低損失材料で、より周波数において、チューン・ダウンされる。曲線60および62は、レーザー・パーフォレーション・アパーチャを含まないポータブル電子デバイスのボディと結びついた、よりはっきりした反射損失を表す曲線64と比較することができる。
【0035】
いくつかの例示的実施形態において、図2とともに記述される動作のあるものは、下記したように、修正、または、さらに拡大することができる。さらに、いくつかの実施形態において、また、追加的な動作を含むことができる。1つの例として、他の実施形態のボディ12の導電性部分の中で規定されるアパーチャは、レーザーを用いることではなく、別の技術により形成することができる。別の例として、導電性部分の陽極酸化は、いくつかの実施形態において、導電性部分のレーザー・パーフォレーションの前に行うことができる。修正、オプション追加、または、拡大の各々は、上述の動作とともに、単独で、あるいは、ここに記述された特徴のなかの任意の他のものと組合せて、含まれることができることが理解されるべきである。
【0036】
多くの修正、そして、ここに述べられる発明の他の実施形態は、前述の説明と関連する図面の中で提示された教示の利益を有することに関係するこれらの発明が、当業者には思い浮かぶであろう。したがって、本願発明は、開示された特定の実施形態に制限されるものではないこと、そして、修正や他の実施形態が、本願に添付された特許請求の範囲の中に含まれることを意図するものであることが理解されるべきである。例えば、上では、主に、ポータブル電子デバイス10の側壁またはベゼルによって規定されたレーザー・パーフォレーション・アパーチャ18に関して記載されているが、ポータブル電子デバイスのボディ12の他の導電性部分は、レーザー・パーフォレーション・アパーチャ規定することができる。これに関して、ポータブル電子デバイスの一部またはすべての表面を含むボディのどんな部分でも、レーザー・パーフォレーション・アパーチャを規定することができる。1つの例示的実施形態において、ポータブル電子デバイスのボディは、ユニボディの外観を持つように例えば金属など導電性の材料から製造することができる。しかし、導電性材料または導電性部分の離島をつくるために1つ以上のレーザー・パーフォレーション・アパーチャを規定することができる。これらの離島は、例えば、非励振アンテナ素子などフローティング電気素子として、あるいは、給電アンテナ素子として利用することができる。1つ以上の離島を含む、この実施の形態において、1つ、いくつか、あるいは、全部の離島を、異なった周波数帯のための放射器として、あるいは、同一の周波数バンドに対して、例えば、アレイ素子として利用することができる。代替的に、ボディの離島を分離するレーザー・パーフォレーション・アパーチャは、放射線が、上記したように、内部アンテナとの間で伝播することを許容することができる。さらに、前述の説明と関連する図面が、要素や機能の特定の例の組合せのコンテキストにおいて、例示的実施形態を記述するけれども、要素や機能の異なる組合せを、添付の請求項の範囲を逸脱することなく、代替的な実施形態によって提供することができることが理解されるべきである。これに関して、例えば、明示的に上述したもののほかに、要素や機能の異なる組合せを、また、添付の請求項のいくつかにおいて述べられるように、考えることができる。特定の用語がここにおいて使用されるが、それらは、一般的、説明的な意味においてのみ使用されており、制限の目的のためではない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14