【文献】
ETSI GS NFV 002 V1.1.1(2013-10),2013年10月,URL,http://www.etsi.org/deliver/etsi_gs/nfv/001_099/002/01.01.01_60/gs_nfv002v010101p.pdf
【文献】
Network Functions Virtualisation - Update White Paper Issue 1,2013年10月,URL,https://portal.etsi.org/nfv/nfv_white_paper2.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
通信処理を実行する仮想サーバが生成される物理サーバを含む仮想化資源を含んで構成される通信システムに含まれると共に、当該仮想サーバが有する通信処理を実行する機能を管理する仮想通信機能管理ノードと、当該仮想化資源各々を管理する仮想化資源管理ノードと、当該仮想化資源全体の管理を行う全体管理ノードとを備える管理システムであって、
前記仮想化資源管理ノードは、
前記仮想化資源の使用状況を監視する監視手段と、
前記仮想化資源における、前記仮想サーバの生成に必要な資源の予約の要求を受け付けて予約を行う予約手段と、
前記予約手段によって予約された前記仮想サーバの生成に必要な資源上に当該仮想サーバを生成させる要求を受け付けて当該仮想サーバを生成する仮想サーバ生成手段と、を備え、
前記全体管理ノードは、前記物理サーバでの仮想サーバの生成を伴う前記通信処理の機能に係る要求を受け付ける要求受付手段を備え、
前記管理システムは、前記要求受付手段によって受け付けられた要求、及び前記監視手段によって監視された前記仮想化資源の使用状況に基づいて、前記仮想サーバの生成に必要な資源を算出して、前記仮想化資源管理ノードに対して前記予約を要求する予約要求手段と、
前記仮想通信機能管理ノードは、
前記仮想サーバを前記仮想化資源上で実現するための詳細情報を保持する保持手段と、
前記仮想化資源管理ノードに対して、前記保持手段に保持された前記詳細情報を用いて、前記予約手段によって予約された前記必要な資源上に当該仮想サーバを生成させる要求を行う仮想サーバ生成要求手段と、を備え、
前記管理システムは、互いに異なる方式で前記仮想化資源各々を管理する複数の仮想化資源管理ノードを備え、
前記仮想サーバ生成要求手段は、前記仮想化資源管理ノードによる仮想化資源の管理方式に応じて前記詳細情報を書き換えて、前記仮想サーバを生成させる要求を行う、管理システム。
通信処理を実行する仮想サーバが生成される物理サーバを含む仮想化資源を含んで構成される通信システムに含まれると共に、当該仮想サーバが有する通信処理を実行する機能を管理する仮想通信機能管理ノードと、当該仮想化資源各々を管理する仮想化資源管理ノードと、当該仮想化資源全体の管理を行う全体管理ノードとを備える管理システムにおける仮想通信機能管理ノードであって、
前記仮想サーバを前記仮想化資源上で実現するための詳細情報を保持する保持手段と、
前記仮想化資源管理ノードに対して、前記保持手段に保持された前記詳細情報を用いて、前記仮想化資源における、前記仮想サーバの生成に必要な、予約された資源上に当該仮想サーバを生成させる要求を行う仮想サーバ生成要求手段と、を備え、
前記管理システムは、互いに異なる方式で前記仮想化資源各々を管理する複数の仮想化資源管理ノードを備え、
前記仮想サーバ生成要求手段は、前記仮想化資源管理ノードによる仮想化資源の管理方式に応じて前記詳細情報を書き換えて、前記仮想サーバを生成させる要求を行う、仮想通信機能管理ノード。
通信処理を実行する仮想サーバが生成される物理サーバを含む仮想化資源を含んで構成される通信システムに含まれると共に、当該仮想サーバが有する通信処理を実行する機能を管理する仮想通信機能管理ノードと、当該仮想化資源各々を管理する仮想化資源管理ノードと、当該仮想化資源全体の管理を行う全体管理ノードとを備える管理システムの動作方法である管理方法であって、
前記仮想通信機能管理ノードは、前記仮想サーバを前記仮想化資源上で実現するための詳細情報を保持する保持手段を備え、
前記仮想化資源管理ノードが、
前記仮想化資源の使用状況を監視する監視ステップと、
前記仮想化資源における、前記仮想サーバの生成に必要な資源の予約の要求を受け付けて予約を行う予約ステップと、
前記予約ステップにおいて予約された前記仮想サーバの生成に必要な資源上に当該仮想サーバを生成させる要求を受け付けて当該仮想サーバを生成する仮想サーバ生成ステップと、
前記全体管理ノードが、前記物理サーバでの仮想サーバの生成を伴う前記通信処理の機能に係る要求を受け付ける要求受付ステップと、
前記管理システムが、前記要求受付ステップにおいて受け付けられた要求、及び前記監視ステップにおいて監視された前記仮想化資源の使用状況に基づいて、前記仮想サーバの生成に必要な資源を算出して、前記仮想化資源管理ノードに対して前記予約を要求する予約要求ステップと、
前記仮想通信機能管理ノードが、
前記仮想化資源管理ノードに対して、前記保持手段に保持された前記詳細情報を用いて、前記予約ステップにおいて予約された前記必要な資源上に当該仮想サーバを生成させる要求を行う仮想サーバ生成要求ステップと、
を含み、
前記管理システムは、互いに異なる方式で前記仮想化資源各々を管理する複数の仮想化資源管理ノードを備え、
前記仮想サーバ生成要求ステップにおいて、前記仮想化資源管理ノードによる仮想化資源の管理方式に応じて前記詳細情報を書き換えて、前記仮想サーバを生成させる要求を行う、管理方法。
通信処理を実行する仮想サーバが生成される物理サーバを含む仮想化資源を含んで構成される通信システムに含まれると共に、当該仮想サーバが有する通信処理を実行する機能を管理する仮想通信機能管理ノードと、当該仮想化資源各々を管理する仮想化資源管理ノードと、当該仮想化資源全体の管理を行う全体管理ノードとを備える管理システムにおける仮想通信機能管理ノードの動作方法である管理方法であって、
前記仮想通信機能管理ノードは、前記仮想サーバを前記仮想化資源上で実現するための詳細情報を保持する保持手段を備え、
前記仮想化資源管理ノードに対して、前記保持手段に保持された前記詳細情報を用いて、前記仮想化資源における、前記仮想サーバの生成に必要な、予約された資源上に当該仮想サーバを生成させる要求を行う仮想サーバ生成要求ステップ、
を含み、
前記管理システムは、互いに異なる方式で前記仮想化資源各々を管理する複数の仮想化資源管理ノードを備え、
前記仮想サーバ生成要求ステップにおいて、前記仮想化資源管理ノードによる仮想化資源の管理方式に応じて前記詳細情報を書き換えて、前記仮想サーバを生成させる要求を行う、管理方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面と共に本発明に係る管理システム、仮想通信機能管理ノード及び管理方法の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
図1に本実施形態に係る管理システム10を含む移動体通信システム1の構成を示す。移動体通信システム1は、図示しない移動通信端末(移動機)に移動体通信の機能を提供するシステムである。移動通信端末は、ユーザにより用いられて移動体通信システム(移動体通信網)に無線通信によって接続して移動体通信を行う装置である。具体的には、移動通信端末は、携帯電話機等に相当する。移動通信端末は、例えば、移動体通信システム1を介して対向ノードとの間で呼接続を確立して通信を行う。対向ノードは、例えば、別の移動通信端末や移動通信端末に様々なサービスを提供するサーバ装置、あるいは他の通信網に接続するための装置(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S−GW(Serving Gateway)、P−GW(PDN Gateway))等に相当する。移動通信端末は、例えば、移動通信端末のユーザが移動体通信システム1の通信事業者と契約することによって移動体通信を行うことが可能になる。なお、移動通信端末は、従来の移動通信端末と同様のものでよい。
【0021】
図1に示すように管理システム10は、オーケストレータ20と、VNFM30と、VIM40とを含んで構成されている。また、移動体通信システム1には、OSS/BSS(Operations Support System/Business Support System)50と、NFVI(NFV Infrastructure)60と、VNF(Virtual Network Function)70と、EMS(Element Management System)80とを含んで構成されている。これらの構成要素は、移動体通信システム1(移動体通信網)のコアネットワークを構成するものである。なお、互いに情報の送受信が必要な構成要素間は、有線等で接続されており情報の送受信が可能となっている。
【0022】
本実施形態に係る移動体通信システム1は、物理サーバ上に実現される仮想マシンにおいて動作する仮想サーバによって移動通信端末に対して通信機能が提供される。即ち、移動体通信システム1は、仮想化された移動体通信ネットワークである。通信機能は、仮想マシンによって当該通信機能に応じた通信処理を実行することで移動通信端末に対して提供される。
【0023】
NFVI60は、仮想化環境を構成する物理資源、仮想化層、仮想化資源である。物理資源には、計算資源、記憶資源、伝送資源が含まれる。仮想化層は、物理資源を仮想化しVNF70(APL)に提供する(例えば、ハイパーバイザー)。仮想化資源は、VNF70に提供される仮想化されたインフラ資源である。即ち、NFVI60は、移動体通信システム1において通信処理を行う物理的なサーバ装置である物理サーバを含んで構成されている仮想化資源である。物理サーバは、CPU(コア、プロセッサ)、メモリ、及びハードディスク等の記憶手段を備えて構成される。通常、NFVI60を構成する物理サーバは、複数まとめてデータセンタ(DC)等の拠点に配置される。データセンタでは、配置された物理サーバがデータセンタ内部のネットワークによって接続されており、互いに情報の送受信を行うことができるようになっている。また、移動体通信システム1には、複数のデータセンタが設けられている。データセンタ間はネットワークで接続されており、異なるデータセンタに設けられた物理サーバはそのネットワークを介して互いに情報の送受信を行うことができる。
【0024】
VNF70は、通信処理を実行する仮想的な通信処理ノードである仮想サーバ(が有する通信処理を実行する機能)である。VNF70は、NFVI60において実現される。VNF70は、例えば、仮想マシン(VM)技術が利用されて、NFVI60が備えるCPUがVNF70用に割り当てられて、割り当てられたCPU上において仮想マシンが実現され、仮想マシン上でプログラムが実行されることにより実現される。VNF70は、通常、実行する通信処理に応じて生成(実現)される。また、VNF70は、その構成要素であるVNFC(Virtual Network Function Components)を複数含むものとして構成されていてもよい。
【0025】
移動体通信システム1には、1以上(あるいは複数)のVNF70が含まれる。VNF70は、IMSでは、CSCF(Call Session Control Function)、AS(Application Server)等のノードに相当する。あるいは、VNF70は、移動体通信システムの一つであるGPRS(General Packet Radio Service)システムでは例えば、SGSN(Serving GPRS Support Node)、LTE/EPC(Long Term Evolution/Evolved Packet Core)システムでは、MME(Mobility Management Entity)やS−GW(Serving Gateway)等のノードに相当する。
【0026】
EMS80は、VNF70を監視及び制御するノードである。EMS80も、VNF70と同様にNFVI60において仮想的に実現される。EMS80は、VNF70に対応付けられて(例えば、
図1に示すようにVNF70と一対一の関係で)生成される。EMS80は、対応付けられたVNF70の監視及び制御を行う。EMS80は、VNF70のFCAPS(障害、構成、課金、性能、セキュリティ)管理を行う。EMS80は、前述の説明のように仮想的に実現しても良いし、FCAPS管理を行う上で管理の複雑性を避けるために物理的に実現しても良い。
【0027】
OSS/BSS50は、移動体通信システム1におけるサービス管理を行い、管理システム10に移動体通信システム1での通信機能に係る指示を行うノードである。例えば、OSS/BSS50は、管理システム10に対して、新たな通信機能(通信サービス)を起動するように指示を行う。また、OSS/BSS50は、EMS80から情報を受け取り、その情報に基づいて管理システム10又はEMS80に対して指示を行う。また、OSS/BSS50は、移動体通信システム1に係る通信事業者によって操作されえる。
【0028】
管理システム10の構成要素であるオーケストレータ20は、仮想化資源であるNFVI60全体の管理を行う全体管理ノード(機能エンティティ)である。オーケストレータ20は、OSS/BSS50(のうちのOSS51)からの指示を受信し、当該指示に応じた処理を行う。オーケストレータ20は、インフラと通信サービスの移動体通信網の仮想化資源全体にわたる管理を行う。オーケストレータ20は、複数のVNF70から構成される通信サービスをVNFM30及びVIM40を経由して適切な場所に実現する。例えば、サービスのライフサイクル管理(具体的には例えば、生成、更新、スケール制御、イベント収集)、移動体通信網内全体にわたる資源の分散・予約・割当管理、サービス・インスタンス管理、及びポリシー管理(具体的には例えば、リソースの予約・割当、地理・法令等に基づく最適配置)を行う。
【0029】
管理システム10の構成要素であるVNFM30は、VNF70を管理する仮想通信機能管理ノード(機能エンティティ)である。VNFM30は、移動体通信システム1に複数、設けられていてもよい。その場合、VNF70毎に管理されるVNFM30が予め定められていてもよい。VNFM30は、VNF70(APL)のライフサイクル管理を行う。VNFM30は、VNF70の仮想化に関わる制御全般を行う。例えば、VNF70インスンタスの生成、更新、スケール制御、終了、オートヒーリング(自動ヒーリング)を行う。
【0030】
管理システム10の構成要素であるVIM40は、NFVI60におけるVNF70が実現される単位の仮想化資源(インフラリソース)各々を管理する仮想化資源管理ノード(機能エンティティ)である。具体的には、資源の割当・更新・回収の管理、仮想資源と物理との関連付け、ハードウェア資源とSW資源(ハイパーバイザー)一覧の管理を行う。通常、VIM40は、データセンタ(局舎)毎に管理を行う。仮想化資源の管理は、データセンタに応じた方式で行われえる。データセンタの管理方式(管理資源の実装方式)は、OPENSTACKやvCenter等の種類がある。通常、VIM40は、データセンタの管理方式毎に設けられる。即ち、管理システム10には、互いに異なる方式で、NFVI60におけるVNF70が実現される単位の仮想化資源各々を管理する複数のVIM40が含まれる。なお、異なる管理方式で管理される仮想化資源の単位は、必ずしもデータセンタ単位でなくてもよい。
【0031】
なお、オーケストレータ20、VNFM30及びVIM40は、物理的なサーバ装置上でプログラムが実行されることにより実現される(但し仮想化上で実現されることを制限するものでは無く、管理系統を分離した上で、仮想化上で実現してもよい)。オーケストレータ20、VNFM30及びVIM40は、それぞれ別々の物理的なサーバ装置で実現されていてもよいし、同じサーバ装置で実現されていてもよい。オーケストレータ20、VNFM30及びVIM40(を実現するためのプログラム)は、別々のベンダから提供されていてもよい。
【0032】
なお、上記アーキテクチャは、非特許文献1に記載されたものに準じたものである。また、移動体通信システム1には、移動体通信機能を実現するために、上記以外の構成要素が含まれていてもよい、例えば、移動体通信システム1には、基地局の装置及びオープンフローネットワーク(上記のような仮想化されたものも含む)等が含まれていてもよい。
【0033】
引き続いて、管理システム10が有する、本実施形態に係る機能を説明する。
図2に示すようにオーケストレータ20は、要求受付部21と、予約要求部22とを備える。要求受付部21は、OSS/BSS50(のOSS51)から、NFVI60に含まれる物理サーバでのVNF70の生成を伴う通信処理の機能に係る要求を受け付ける要求受付手段である。
【0034】
予約要求部22は、要求受付部21によって受け付けられた要求、及びVIM40によって監視されたNFVI60の使用状況やVNFM30からの情報等に基づいて、VNF70の生成に必要な資源を算出して、VIM40に対してNFVI60におけるVNF70の生成に必要な資源の予約を要求する予約要求手段である。
【0035】
図2に示すようにVNFM30は、保持部31と、仮想サーバ生成要求部32とを備える。保持部31は、VNF70をNFVI60上で実現するための詳細情報を保持する保持手段である。仮想サーバ生成要求部32は、VIM40に対して、保持部31に保持された詳細情報を用いて、NFVI60において予約された必要な資源上にVNF70を生成させる要求を行う仮想サーバ生成要求手段である。また、VNFM30は、VIM40による仮想化資源(NFVI60)の管理方式に応じて詳細情報を書き換えて、VNF70を生成させる要求を行うこととしてもよい。
【0036】
図2に示すようにVIM40は、監視部41と、予約部42と、仮想サーバ生成部43とを備える。監視部41は、NFVI60の使用状況を監視する監視手段である。予約部42は、NFVI60におけるVNF70の生成に必要な資源の予約の要求をオーケストレータ20から受け付けて予約を行う予約手段である。仮想サーバ生成部43は、予約部42によって予約されたVNF70の生成に必要な資源上に当該VNF70を生成させる要求をVNFM30から受け付けて当該VNF70を生成する仮想サーバ生成手段である。
【0037】
以上が、管理システム10が有する、本実施形態に係る機能である。なお、シーケンス図を用いた管理システム10による処理の説明において、オーケストレータ20、VNFM30及びVIM40の本実施形態に係る機能をより詳細に説明する。また、オーケストレータ20、VNFM30及びVIM40には、上記の機能部に含まれない機能を有しているが、その機能の説明もシーケンス図を用いた管理システム10による処理の説明に含まれる。
【0038】
図3に本実施形態に係る管理システム10に含まれるオーケストレータ20、VNFM30及びVIM40を構成するサーバ装置のハードウェア構成を示す。
図3に示すように当該サーバ装置は、CPU101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102及びROM(Read Only Memory)103、通信を行うための通信モジュール104、並びにハードディスク等の補助記憶装置105等のハードウェアを備えるコンピュータを含むものとして構成される。これらの構成要素がプログラム等により動作することにより、上述及び後述するオーケストレータ20、VNFM30及びVIM40の機能が発揮される。なお、オーケストレータ20、VNFM30及びVIM40は複数のサーバ装置からなるコンピュータシステムによって構成されていてもよい。また、移動体通信システム1に含まれる上記以外のノードも上記のハードウェア構成を有するサーバ装置によって実現されてもよい。以上が、本実施形態に係る管理システム10の構成である。
【0039】
引き続いて、
図4〜
図14のテーブル及び
図15〜22のシーケンス図を用いて、本実施形態に係る管理システム10で実行される処理である管理方法を説明する。以下では、移動体通信システム1において、(1)インスタンシエーション(Instantiation)、(2)オートヒーリング(Auto-Healing)、(3)スケールアウト(Scale-Out)、(4)スケールイン(Scale-In)が行われる場合の処理を上記の場合毎に説明する。また、
図23に、インスタンシエーション、スケールアウト及びスケールインの概要を示す。
【0040】
まず、
図15及び
図16のシーケンス図を用いて、(1)インスタンシエーションが行われる場合の処理を説明する。なお、
図16に示すシーケンス図は、
図15のシーケンス図と(時系列的に)連続するものである。インスタンシエーションとは、移動体通信システム1において、新たな通信サービス(通信機能)を提供可能とするため、当該通信サービスに応じた新たなVNF70を生成することである。インスタンシエーションにより、移動体通信システム1において新たな通信サービスが提供される。
【0041】
まず、オーケストレータ20では、各VIM40に対して、資源使用状況問い合わせが行われる(S001)。VIM40では、監視部41によって当該資源使用状況問い合わせが受信される。監視部41によってVIM40の管理対象となっているNFVI60の資源使用状況が監視される。監視された結果得られた資源使用状況を示す情報が、資源使用状況問い合わせ応答として監視部41からオーケストレータ20に送信される(S002、監視ステップ)。オーケストレータ20では、当該情報が受信される。S001及びS002の処理は、VIM40毎に定期的に行われる。
【0042】
この情報は、
図4(a)の表T1に示すようにデータセンタ(DC)毎の情報であり、仮想マシン、ネットワーク(NW)の資源情報及び提供機能を示す情報が対応付けられたものである。即ち、この情報は、移動体通信システム1(移動体通信網)全体の資源の状態情報である。当該情報は、オーケストレータ20が有するネットワーク全体資源情報データベースに常に保持される。
【0043】
図4(a)の表T1における、使用可能帯域とは、データセンタとデータセンタ外部との間の(データセンタの出口の)通信経路の使用可能帯域である。使用可能外部アドレスとは、VNF70に付与可能な、VNF70が他のVNF70又はVNF70以外と通信を行うために必要なアドレスである。提供機能とは、データセンタが、専用のハードウェアあるいはソフトウェアによって提供できる通信に係る機能である。具体的には、高速パケット処理機能(例えば、Intel社のDPDK)や仮想化層のバイパス技術の機能(例えば、SR−IOV)等がある。
【0044】
続いて、OSS/BSS50(のOSS51)から、オーケストレータ20に対して通信サービスに係るサービス生成の要求(信号(1))が送信される。通信サービスは、例えば、音声通信、メール又は動画(リッチメディア)を送受信する通信である(送信するデータの種別毎に通信サービスが異なる)。この要求は、NFVI60に含まれる物理サーバでのVNF70の生成を伴う通信処理の機能に係る要求である。オーケストレータ20では、要求受付部21によって、当該信号が受信される(S003、要求受付ステップ)。
【0045】
当該信号には、生成サービスをユニークに識別する番号としてのサービスID、生成する通信サービス、性能条件及びネットワーク情報を示す情報が含まれる。具体的には、信号には、通信サービスに“通信サービス1”、性能条件に“100”、NW(ネットワーク)条件には「DC1と5Gbps以上の帯域で接続するDC」を意味する“DC1接続、帯域5Gbps以上”が含まれる(設定される)。
【0046】
性能条件は、VNF70及びVNF70が構成するサービスに対する制御(生成、増強、削減等)において能力を示すために正規化した指標値である。性能条件は、予めOSS51とVNFM30との間で取り決められている。
【0047】
続いて、信号に含まれる情報によって特定される通信サービスを構成するVNF70(仮想化機能)及びVNFM30(管理機能)が、予めオーケストレータ20に登録されている運用データより特定される。具体的には、運用データである
図5(a)の表T2より、“通信サービス1”を構成するVNF70として“VNF10”と“VNF21”が、次に運用データである
図5(b)の表T3より、“VNF10”のVNFM30が“VNFM1”、“VNF21”のVNFM30が“VNFM2”であることが導き出される(A、S004)。
【0048】
以降(S005〜S024)の処理は、VNF70単位にシーケンシャル又は並行して実施される。ここでは、“VNF10”の生成を示す。
【0049】
続いて、オーケストレータ20では、上記で特定された“VNF10”を生成するために、“VNF10”を配置可能なデータセンタが、
図5(c)の表T4の運用条件、信号(1)により入力されたNW条件、及び
図5(e)の表T5のデータセンタの接続構成が用いられて選択される。予めオーケストレータ20に登録されている
図5(c)の表T4から、“VNF10”の配置可能なデータセンタとして“DC2”“DC3”“DC4”“DC5”が候補として得られる。次に、入力されたNW条件の“DC1接続、帯域5Gbps以上”と、予めオーケストレータ20に登録されている
図5(e)の表T5から得られる“DC1”に接続しているデータセンタが、“DC2”“DC3”“DC4”という接続情報より、“DC5”が条件を満たさないことが判明し、候補のデータセンタが“DC2”“DC3”“DC4”とされる。
【0050】
続いて、オーケストレータ20では、定期収集により蓄積しているネットワーク全体資源情報データベースの
図4(a)の表T1から、選択した“DC2”“DC3”“DC4”の資源情報が読み出される。読み出された資源情報を、
図4(b)の表T8に示す。続いて、生成するVNF70をユニークに識別する番号としてVNF識別番号“VNF_001”が払い出される(B、S005)。
【0051】
続いて、配置可能なデータセンタ候補としてB(S005)で抽出された“DC2”“DC3”“DC4”と読み出したそれぞれの資源情報の組み合わせ表(
図4(b)の表T8)、信号(1)で入力された性能条件の“100”、生成対象VNF種別として“VNF10”、払い出したVNF識別番号“VNF_001”が、上記のA(S004)で読み出された“VNF10”のVNFM30である“VNFM1”に、必要資源問い合わせ(信号(2))として送信される(S006)。
【0052】
なお、S006において、各データセンタの資源情報を含めない実施形態も可能となる。この場合には、各データセンタの資源情報の代わりに、各データセンタを管理するVIM40の識別番号が、予めオーケストレータ20に登録されている
図5(d)の表T6から読み出され、S006において送信される情報に含められる。例えば、“DC2”のVIM40が“VIM1”、“DC3”のVIM40が“VIM1”、“DC4”のVIM40が“VIM2”という組み合わせが送信される情報に含められる。
【0053】
信号(2)は、“VNFM1”において受信される。信号(2)を受信した“VNFM1”では、各データセンタに対する資源情報の設定有無(信号(2)に資源情報が含まれているか否か)が確認される。資源情報ではなくVIM識別番号が設定されてきた場合、“VNFM1”は自身で各データセンタの資源情報をVIM40に要求し収集する。例えば、“VNFM1”によって、信号(2)で受け付けられた“VIM1”に対して“DC2”及び“DC3”の、“VIM2”に対して“DC4”の資源情報が問い合わせられ、
図4(b)の表T8が得られる(S007、S008)。
【0054】
信号(2)、若しくはS007及びS008の処理にてデータセンタの資源情報(
図4(b)の表T8)を入手した“VNFM1”では、信号(2)のVNF種別に設定されていた“VNF10”の詳細情報が、予め“VNFM1”の保持部31に保持(登録)されているVNF詳細情報データベースより読み出される。詳細情報には
図6の表T9のVNF内部構造と性能条件に応じた資源情報(VM)、資源情報(NW)、機能情報の組み合せが登録されている。
図6の表T9の型番はそれぞれの組み合せの識別子である。資源情報(VM)のイメージファイルは、VMを構成するための情報をファイルとして保持したものであり、VNF70を起動する際に使用する。イメージファイルはVIM40が読み出し可能な通信網内の任意の場所に予め格納されている。VNF70は1つ以上の内部機能部から構成され、VNF70の生成のための資源は内部機能部毎にVIM40で確保される。配置・起動情報は、VIM40で確保される内部機能部毎の資源とイメージファイルの対応関係、イメージファイルを用いてVNF70を起動するための設定情報と内部機能部毎の起動手順、およびVNF70を削除する際の内部機能部毎の削減手順を含むものである。資源情報(NW)のNW構成情報はVNF70の内部機能部のNW接続形態を示す情報である。
【0055】
“VNFM1”では、読み出された詳細情報(
図6の表T9)から信号(2)で受け付けられたVNF種別“VNF10”の性能条件“100”に必要な資源情報と機能情報が取り出される(C1、S009)。
【0056】
取り出された資源情報及び機能情報と、信号(2)、若しくはS007及びS008の処理にて得られた資源情報(
図4(b)の表T8)の使用可能資源情報と提供機能とが比較されて、利用可能なデータセンタが抽出される。具体的には
図6の表T9より“VNF10”は“機能1”及び“機能2”を必要とし、
図4(b)の表T8より“機能1”及び“機能2”を提供可能なデータセンタは“DC2”及び“DC3”であることが判断される。
【0057】
次に、利用可能なデータセンタの提供する資源でVNF70を生成するために必要な資源情報が導き出される。具体的には
図4(b)の表T8より、“DC2”がHigh及びLow、“DC3”がLowのCPU性能を提供可能であることが判別できる。ここでCPU性能は、CPUの動作周波数、物理コア数や演算高速化技術などを基にした演算性能に関する分類を表す。これが、S009の処理で読み出された
図6の表T9のCPU性能と照らし合わされて(VNF70の生成に必要な資源情報が、データセンタで使用可能かが判断されて)、“DC2”及び“DC3”で取り得る資源情報の組み合わせとして
図7(a)の表T10が得られる。詳細には、S009の処理で読み出された
図6の表T9より、“VNF10”は内部機能部“VNFC100”と“VNFC101”から構成されることが分かる。さらに、性能条件“100”の場合には、内部機能部“VNFC100”は、CPU性能“High”を用いた型番“001”またはCPU性能“Low”を用いた型番“002”の仮想資源(VM、NW)により生成可能であり、内部機能部“VNFC101”は、CPU性能“High”を用いた型番“005”またはCPU性能“Low”を用いた型番“006”の仮想資源(VM、NW)により生成可能であることが分かる。これより、信号(2)で指示されたVNF種別“VNF10”の性能条件“100”となるVNF70を生成するのに必要な仮想資源の組み合わせは、CPU性能”High”と”Low”を提供可能な“DC2”では4通り、CPU性能”Low”のみを提供可能な“DC3”では1通りとなり、
図7(a)の表T10が得られる。信号(2)のサービスID、VNF種別及びVNF識別番号、並びに詳細情報の
図6の表T9が記憶される(C2、S010)。
【0058】
続いて、“VNFM1”からオーケストレータ20に、導出された資源情報とデータセンタの組み合わせを示す
図7(a)の表T10が返送される(信号(3)、S011)。
【0059】
オーケストレータ20では、予約要求部22によって信号(3)が受信される。信号(3)で受信された資源情報とデータセンタの組み合わせ表(
図7(a)の表T10)に、予めオーケストレータ20に登録されている
図5(f)の表T12の優先度指標に基づき優先度が付与され、
図7(b)の表T13が得られる。具体的な手順を説明する。
図5(f)の表T12より第1優先度はDC間帯域となる。
図7(a)の表T10より候補となるDCは“DC2”と“DC3”であり、
図5(e)の表T5より“DC1”との間のNW帯域は“DC3”より“DC2”の方が大きいことが分かり“DC2”が高優先となる。次に、
図5(f)の表T12より第2優先度はCPU性能となる。
図7(a)の表T10より、“DC2”の組み合せにおいては、CPU性能“High”だけの組み合せ2の優先度が最も高く、CPU性能“Low”だけの組み合せ1が最も低いことが分かる。CPU性能“High”と“Low”の組み合せ3と4については、第3優先度のVM用記憶領域:少を用いる。
図7(a)の表T10より、VM用記憶領域は、組み合せ3が300GBのVMが(1+2)個、組み合せ4が300GBのVMが2個と500GBのVMが1個となり、VM用記憶領域の総量が少ない組み合せ3の優先度が高いことが分かる。これより必要資源の組み合せに優先度を付与した
図7(b)の表T13が得られる(D、S012)。
【0060】
続いて、優先度の高い組み合わせの順番に、データセンタを管理するVIM40への予約が実施される。予約要求部22によって、
図7(b)の表T13で優先度の最も高い組み合わせ2の必要資源と対象の“DC2”が設定されて、資源の予約要求が、
図5(d)の表T6より読み出された“DC2”の管理機能である“VIM1”に送出される(信号(4)、S013、予約要求ステップ)。
図7(b)の表T13の優先度1の組み合わせの場合は、
図8(a)の表T14の情報が必要資源情報(VM、NW)となる(必要資源情報として設定される)。資源予約が失敗した場合は、次優先度の組み合わせの予約要求が行われる(F、処理S016からの戻り)。
【0061】
“VIM1”では、信号(4)が受け付けられる。信号(4)が受け付けられた“VIM1”では、予約部42によって、信号(4)に設定されている“DC2”に信号(4)で要求された、
図8(a)の表T14に示される必要資源を確保できるかが、管理域内資源情報データベースをもとに確認され、資源が予約されて予約番号が払い出される(E、S014、予約ステップ)。“VIM1”では、予約番号とともに、予約した“DC2”、予約された資源情報(表T14)が記憶される。“VIM1”では、資源が確保できた場合には予約番号が、資源が確保できない場合にはエラーがオーケストレータ20に応答される(信号(5)、S015)。
【0062】
オーケストレータ20では、“VIM1”からの信号(5)が受信される。“VIM1”からの信号(5)が受信されたオーケストレータ20では、資源の予約結果が確認される(F、S016)。資源の予約が出来なかった場合(F、S016のNG)には、再度、D(S012)の処理に戻り次優先度の組み合わせの予約が実施される。
【0063】
オーケストレータ20では、予約が成功したら、S005の処理で払い出されたサービスID、資源予約先のVIM識別番号として“VIM1”、
図5(d)の表T6から取得されたVIM種別、及び“VIM1”から信号(5)で受信された予約番号、予約資源情報(VM、NW)として
図8(a)の表T14の資源情報が設定され、“VNFM1”に“VNF10”の生成が要求される(信号(6)、S017)。また、オーケストレータ20では、サービスIDと、VNF種別、VNF識別番号、予約番号、予約した“VIM1”、予約した“DC2”が記憶される。
【0064】
“VNFM1”では、仮想サーバ生成要求部32によって、信号(6)が受信される。続いて、仮想サーバ生成要求部32によって、信号(6)で受信したサービスIDより、C2(S010)で記憶されている詳細情報の
図6の表T9が読み出され、信号(6)で受信された予約資源情報(VM、NW)の
図8(a)の表T14の型番“001”、“005”に対応する配置・起動情報、NW(ネットワーク)構成情報が決定される。続いて、仮想サーバ生成要求部32によって、生成する仮想マシン(VM)にVM識別番号が払い出され付与される。
【0065】
続いて、“VNFM1”では、仮想サーバ生成要求部32によって、信号(6)で受信したVIM種別に応じて、配置・起動情報、NW構成情報の書式が変更される(VIM40の管理方式に応じて詳細情報が書き換えられる)(G、S018、仮想サーバ生成要求ステップ)。なお、この書き換えは、従来技術によって行われえる。
【0066】
続いて、仮想サーバ生成要求部32によって、“VIM1”用に書式が変更された配置・起動情報とNW構成情報、信号(6)で受信された予約番号が、信号(6)で受信した予約先の“VIM1”に通知され、“VNF10”の生成が要求される(信号(7)、S019、仮想サーバ生成要求ステップ)。配置・起動情報、NW構成情報として設定される情報は
図8(b)の表T15となる。“VNFM1”では、C2(S010)で記憶されたサービスID、VNF種別、VNF識別子(VNF識別番号)に、信号(6)で受けたVIM識別番号、予約番号と内部機能部、VM識別番号が対応付けられて記憶される。
【0067】
“VIM1”では、仮想サーバ生成部43によって、信号(7)が受信される。続いて、仮想サーバ生成部43によって、信号(7)で受け付けられた予約番号よりVNF70を起動する資源としてE(S014)の処理で確保された“DC2”の資源が特定される。続いて、仮想サーバ生成部43によって、信号(7)で受け付けた配置・起動情報とNW構成情報に基づき“DC2”にVM及びVNFのイメージファイルが読み込まれて、VM及びVNF70が生成・起動される。
【0068】
“VIM1”では、仮想サーバ生成部43によって、予め割り当てられている外部IPアドレス帯域から、信号(7)で指定された数の外部アドレスとして“外部IPアドレス01”“外部IPアドレス02”がVMに付与される。“VIM1”では、予約番号と、データセンタ、“VNFM1”のVM識別番号、物理装置(HW)、割り当てた資源情報と信号(7)の送信元VNFM30の対応付けとして
図9(a)の表T16の情報が記憶される(H、S020、仮想サーバ生成ステップ)。
【0069】
続いて、仮想サーバ生成部43によって、VM生成時に割り当てられた“外部IPアドレス01”“外部IPアドレス02”とVMの対応関係がNW(ネットワーク)情報として設定された
図9(b)の表T17が信号(8)で“VNFM1”に応答される(
図16のS021)。
【0070】
“VNFM1”では、G(S018)の処理で記憶されたサービスIDに関連する情報に信号(8)に設定されているNW情報が追加されて記憶される。情報の内容は
図9(c)の表T18となる(J、S022)。
【0071】
VNF生成が成功した場合には、“VNFM1”からオーケストレータ20に対して、NW情報として“外部IPアドレス01”“外部IPアドレス02”が設定された信号(9)が通知される(S023)。
【0072】
オーケストレータ20では、信号(9)が受け付けられる。信号(9)が受け付けられたオーケストレータ20では、VNF生成が完了したことが確認される。オーケストレータ20では、S017の処理で記憶されたVNF70の情報と信号(9)に設定されているNW情報が、サービスIDに対応付けられて記憶される。情報の内容は
図9(d)の表T19となる(K、S024)。
【0073】
“VNF21”についても同様にB〜Kの手順(S005〜S024の処理)が実施され、オーケストレータ20では、“VNF10”の結果に“VNF21”の生成結果が反映された
図10(a)の表T21が得られる。“VNF21”は、“VNF10”と同一のデータセンタに生成されたものとする(L、S025)。
【0074】
A(S004)で生成対象と判断した“VNF10”、“VNF21”の生成が完了したことを確認したオーケストレータ20によって、データセンタ間ネットワークを管理するVIM40である“VIM−NW”が、
図5(d)の表T6により特定され、
図10(a)の表T21より“VNF10”と“VNF21”のNW情報のIPアドレスが通知されてVNF間の接続が要求される(信号(10)、S026)。“VIM−NW”では、当該要求に応じた処理が行われ、その応答がオーケストレータ20に送信される(S027)。
【0075】
また、オーケストレータ20からOSS51に対して、信号(9)で受信された“VNF10”と“VNF21”のVNF種別、VNF識別番号、性能、NW情報が信号(10)で通知される(S028)。
【0076】
OSS51では、信号(11)が受信され、信号(1)の要求内容と信号(11)の結果が対応付けられて
図10(a)の表T22として保持される(M、S029)。“VNF10”に続いて“VNF21”が生成された場合、VNFM30で有する
図9(c)の表T18に“VNF21”が追加され
図10(c)の表T23となる(N、S030)。
図10(c)の表T23は、VNFM30(全体)の管理する情報を示しているが、VNFM30毎に(当該VNFM30が管理するVNF70毎に)管理してもよい(以降、
図10(c)の表T23について同様)。
【0077】
通信サービス生成の完了後に、オーケストレータ20、VNFM30及びVIM40は、それぞれ
図10(a)の表T21、
図10(c)の表T23及び
図9(a)の表T16の情報を保持し、サービスに対する増強、削減、終了などの制御や、障害、輻輳、工事などの保守運用において使用する。
【0078】
例えば、VIM40は、
図9(a)の表T16の情報を用いて、ハードウェア障害発生時には該当ハードウェアに関連するVMを特定し、その管理機能部であるVNFM30やオーケストレータ20に通知することにより、オートヒーリングや保守者による障害への対処が可能となる。またVMに対する増減や終了操作においても、影響する資源を特定し資源情報の管理を行うために使用する。同様に、オーケストレータ20とVNFM30も、
図10(a)の表T21及び
図10(c)の表T23の対応関係を、通信サービスや内部機能に対する増強、削減、終了などの操作を実施するために使用する。
【0079】
また、これらの対応関係情報は通信網全体の運用システム(OSS51)に集約され、通信網全体の監視・運用のために使用することも可能である。以上が、(1)インスタンシエーションが行われる場合の処理である。
【0080】
続いて、
図17及び
図18のシーケンス図を用いて、(2)オートヒーリングが行われる場合の処理を説明する。なお、
図18に示すシーケンス図は、
図17のシーケンス図と(時系列的に)連続するものである。オートヒーリングとは、ハードウェア又はソフトウェアの異常によりVNF70が正常に動作しなくなった場合に、正常に動作するVNF70を自動的に生成することである。オートヒーリングにより、移動体通信システム1において、通信機能が自動的に回復する。
【0081】
OSS51は、従来システム同様に運用管理システムであるEMS80を通じて、インスタンシエーション処理(手順)で生成したVNF70の状態を監視して運用する。運用中にVNF70の異常(例えば無応答)を検知したEMS80は異常をOSS51に通知し(S101)、OSS51はVNF70の再配置をすることができる。インスタンシエーション処理で生成した“VNF10”“VNF21”のうち、“VNF10”の動作異常(例えば無応答)を検出したEMS80からの情報を受信したOSS51が、“VNF10”に代わる再配置を決定し、オーケストレータ20に対して代替VNF70の生成を要求する例を記載する。
【0082】
OSS51からオーケストレータ20に対して、再配置元VNF70生成時に使用したサービスID、再配置対象を識別するためのVNF識別番号“VNF_001”、再配置する性能を示す性能条件(例えば、現状同等の性能指標値)である“100”、NW条件として現状と別DCへの設置を意味する“別DC”を設定した信号(1)が送信される(S102)。
【0083】
オーケストレータ20では、要求受付部21によって、サービス再配置要求が受け付けられる(S102、要求受付ステップ)。サービス再配置要求が受け付けられたオーケストレータ20では、サービスIDとVNF識別番号が用いられて、再配置元のVNF70に関する情報として、VNF種別、データセンタがVNF70生成時に記憶したデータより特定される。
図10(a)の表T21より、サービスIDとVNF識別番号“VNF_001”に対応するVNF種別が“VNF10”、データセンタが“DC2”、“VNF10”のVNFM30が
図5(b)の表T3より“VNFM1”であることが導き出される(A、S103)。
【0084】
続いて、オーケストレータ20では、上記で特定した“VNF10”を再配置するために、“VNF10”を配置可能なデータセンタが、
図5(c)の表T4の運用条件、信号(1)により入力されたNW条件及び
図5(e)の表T5のデータセンタの接続構成が用いられて選択される。
図5(c)の表T4から、“VNF10”の配置可能なデータセンタとして“DC2”“DC3”“DC4”“DC5”が候補として得られる。次に、入力されたNW条件より再配置元VNF70の“DC2”とは別データセンタであることと、再配置元のVNF70が配置されている“DC2”に接続しているデータセンタが、“DC1”“DC3”“DC5”という
図5(e)の表T5から得られる接続情報より、候補のデータセンタが“DC3”“DC5”とされる。
【0085】
続いて、オーケストレータ20では、定期収集により蓄積しているネットワーク全体資源情報データベースの
図4(a)の表T1から、候補となった “DC3”“DC5”の資源情報が読み出される。読み出された資源情報を、
図11(a)の表T31に示す。続いて、再配置するVNF70をユニークに識別する番号としてVNF識別番号“VNF_010”が払い出される(B、S104)。
【0086】
続いて、再配置VNF識別番号“VNF_010”、配置可能なデータセンタ候補としてB(S104)で抽出された“DC3”“DC5”と読み出したそれぞれの資源情報の組み合わせ表(
図11(a)の表T31)、再配置元VNF識別番号“VNF_001”、VNF種別“VNF10”、信号(1)で入力されたサービスIDと性能条件の“100”が、上記のA(S103)で読み出された“VNF10”のVNFM30である“VNFM1”に、必要資源問い合わせ(信号(2))として送信される(S105)。
【0087】
なお、S105において、各データセンタの資源情報を含めない実施形態も可能となる。この場合には、各データセンタの資源情報の代わりに、各データセンタを管理するVIM40の識別番号が、
図5(d)の表T6から読み出され、S106において送信される情報に含められる。例えば、“DC3”のVIM40が“VIM1”、“DC5”のVIM40が“VIM3”という組み合わせが送信される情報に含められる。
【0088】
信号(2)は、“VNFM1”において受信される。信号(2)を受信した“VNFM1”では、各データセンタに対する資源情報の設定有無(信号(2)に資源情報が含まれているか否か)が確認される。資源情報ではなくVIM識別番号が設定されてきた場合、“VNFM1”は自身で各データセンタの資源情報をVIM40に要求し収集する。例えば、“VNFM1”によって、信号(2)で受け付けられた“VIM1”に対して“DC3”の、“VIM3”に対して“DC5”の資源情報が問い合わせられ、
図11(a)の表T31が得られる(S106、S107)。
【0089】
信号(2)、若しくはS106及びS107の処理にてデータセンタの資源情報(
図11(a)の表T31)を入手した“VNFM1”では、信号(2)のVNF種別に設定されている“VNF10”の詳細情報が、予め“VNFM1”の保持部31に保持(登録)されているVNF詳細情報データベースより読み出される。詳細情報には
図6の表T9のVNF内部構造と性能条件に応じた資源情報(VM)、資源情報(NW)、機能情報が登録されている。
【0090】
“VNFM1”では、読み出された詳細情報(
図6の表T9)から信号(2)で受け付けたVNF種別“VNF10”の性能条件“100”に必要な資源情報と機能情報が取り出される(C1、S108)。
【0091】
取り出された資源情報及び機能情報と、信号(2)、若しくはS106及びS107の処理にて得られた資源情報(
図11(a)の表T31)の使用可能資源情報と提供機能とが比較されて、利用可能なデータセンタが抽出される。具体的には
図6の表T9より“VNF10”は“機能1”及び“機能2”を必要とし、
図11(a)の表T31より“機能1”及び“機能2”を、候補の“DC3”及び“DC5”は共に提供可能であることが判断される。
【0092】
次に、利用可能なデータセンタの提供する資源でVNF70を生成するために必要な資源情報が導き出される。具体的には
図11(a)の表T31より、“DC3”がLow、“DC5”がHighのCPU性能を提供可能であることが判別できる。これが、S108の処理で読み出された
図6の表T9のCPU性能と照らし合わされて、“DC3”及び“DC5”で取り得る資源情報の組み合わせとして
図11(b)の表T32が得られる。詳細には、S108の処理で読み出された
図6の表T9より、“VNF10”は内部機能部“VNFC100”と“VNFC101”から構成されることが分かる。さらに、性能条件“100”の場合には、内部機能部“VNFC100”はCPU性能“High”を用いた型番“001”またはCPU性能“Low”を用いた型番“002”の仮想資源(VM、NW)により生成可能であり、内部機能部“VNFC101”は、CPU性能“High”を用いた型番“005”またはCPU性能“Low”を用いた型番“006”の仮想資源(VM、NW)により生成可能であることが分かる。これより、信号(2)で指示されたVNF種別“VNF10”の性能条件“100”となるVNF70を生成するのに必要な仮想資源の組み合わせは、CPU性能”Low”を提供可能な“DC3”では1通り、CPU性能”High”を提供可能な“DC5”でも1通りとなり、“DC3”及び“DC5”で取り得る資源情報の組み合わせとして
図11(b)の表T32が得られる。信号(2)のサービスID、再配置VNF種別及び再配置VNF識別番号、並びに詳細情報の
図6の表T9が記憶される(C2、S109)。
【0093】
続いて、“VNFM1”からオーケストレータ20に、導出された資源情報とデータセンタの組み合わせを示す
図11(b)の表T32が返送される(信号(3)、S110)。
【0094】
オーケストレータ20では、予約要求部22によって信号(3)が受信される。信号(3)で受信された資源情報とデータセンタの組み合わせ表(
図11(b)の表T32)に、
図5(f)の表T12の優先度指標が適用される。表T12より、第1優先はデータセンタ間帯域であり、
図5(e)の表T5より再配置元VNF70の“DC2”と“DC3”との間、“DC2”と“DC5”との間の帯域では、“DC2”と“DC3”との間の帯域が大きいことが判断できる。これに基づき優先度が付与され、
図11(c)の表T33が得られる(D、S111)。
【0095】
続いて、優先度の高い組み合わせの順番に、データセンタを管理するVIM40への予約が実施される。予約要求部22によって、
図11(c)の表T33で優先度の最も高い“DC3”の組み合わせ1の必要資源と対象の“DC3”が設定されて、資源の予約要求が、
図5(d)の表T6より読み出された“DC3”の管理機能である“VIM1”に送出される(信号(4)、S112、予約要求ステップ)。
図11(c)の表T33の優先度1の組み合わせの場合は、
図12(a)の表T34の情報が必要資源情報(VM、NW)となる。資源予約が失敗した場合は、次優先度の組み合わせの予約要求が行われる(F、処理S115からの戻り)。
【0096】
“VIM1”では、信号(4)が受け付けられる。信号(4)が受け付けられた“VIM1”では、予約部42によって、信号(4)に設定されている“DC3”に信号(4)で要求された、
図12(a)の表T34に示される必要資源を確保できるかが、管理域内資源情報データベースをもとに確認され、資源が予約されて予約番号10が払い出される(E、S113、予約ステップ)。“VIM1”では、予約番号10とともに、予約した“DC3”、予約された資源情報が記憶される。“VIM1”では、資源が確保できた場合には予約番号が、資源が確保できない場合にはエラーがオーケストレータ20に応答される(信号(5)、S114)。
【0097】
オーケストレータ20では、“VIM1”からの信号(5)が受信される。“VIM1”からの信号(5)が受信されたオーケストレータ20では、資源の予約結果が確認される(F、S115)。資源の予約が出来なかった場合(F、S115のNG)には、再度、D(S111)の処理に戻り次優先度の組み合わせの予約が実施される。
【0098】
オーケストレータ20では、予約が成功したら、再配置元VNF70生成時のサービスID、資源予約先のVIM識別番号として“VIM1”、
図5(d)の表T6から取得されたVIM種別、及び“VIM1”から信号(5)で受信された予約番号、予約資源情報(VM、NW)として
図12(a)の表T34の資源情報が設定され、“VNFM1”に“VNF10”の再配置が要求される(信号(6)、S116)。また、オーケストレータ20では、再配置VNFの情報として、サービスIDと、VNF種別、VNF識別番号、予約番号、予約した“VIM1”、予約した“DC3”が記憶される。
【0099】
“VNFM1”では、仮想サーバ生成要求部32によって、信号(6)が受信される。続いて、仮想サーバ生成要求部32によって、信号(6)で受信されたサービスIDより、C2(S109)で記憶されている詳細情報の
図6の表T9が読み出され、信号(6)で受信された予約資源情報(VM、NW)の
図12(a)の表T34の型番“002”、“006”に対応する配置・起動情報、NW(ネットワーク)構成情報が決定される。続いて、仮想サーバ生成要求部32によって、生成する仮想マシン(VM)にVM識別番号が払い出され付与される。
【0100】
続いて、“VNFM1”では、仮想サーバ生成要求部32によって、信号(6)で受信されたVIM種別に応じて、配置・起動情報、NW構成情報の書式が変更される(VIM40の管理方式に応じて詳細情報が書き換えられる)(G、S117、仮想サーバ生成要求ステップ)。
【0101】
続いて、仮想サーバ生成要求部32によって、“VIM1”用に書式が変更された配置・起動情報とNW構成情報、信号(6)で受信された予約番号が、信号(6)で受信された予約先の“VIM1”に通知され、“VNF10”の生成が要求される(信号(7)、S118、仮想サーバ生成要求ステップ)。配置・起動情報、NW構成情報として設定される情報は
図12(b)の表T35となる。“VNFM1”では、C2(S109)で記憶されたサービスID、VNF種別、VNF識別番号に、信号(6)で受けたVIM識別番号、予約番号と
図6の表T9から読み出された内部機能部、払い出したVM識別番号が対応付けられて記憶される。
【0102】
“VIM1”では、仮想サーバ生成部43によって、信号(7)が受信される。続いて、仮想サーバ生成部43によって、信号(7)で受け付けられた予約番号よりVNF70を起動する資源としてE(S113)の処理で確保された“DC3”の資源が特定される。続いて、仮想サーバ生成部43によって、信号(7)で受け付けた配置・起動情報とNW構成情報に基づき“DC3”にVM及びVNFのイメージファイルが読み込まれて、VM及びVNF70が生成・起動される。
【0103】
“VIM1”では、仮想サーバ生成部43によって、予め割り当てられている外部IPアドレス帯域から、信号(7)で指定された数の外部アドレスとして“外部IPアドレス10”“外部IPアドレス11”がVMに付与される。“VIM1”では、E(S113)の処理の予約番号と、データセンタに加えて、“VNFM1”のVM識別番号、物理装置(HW)の対応付けとして、
図14(a)の表T41の情報が記憶される(H、
図18のS119、仮想サーバ生成ステップ)。
【0104】
続いて、仮想サーバ生成部43によって、VM生成時に割り当てられた外部IPアドレスがNW情報として設定された
図12(c)の表T36が信号(8)で“VNFM1”に応答される(S120)。
【0105】
“VNFM1”では、G(S117)の処理で記憶されたサービスIDに関連する情報に信号(8)に設定されているNW情報が追加されて記憶される。情報の内容は
図13(a)の表T37となる(J、S121)。
図13(a)の表T37は、VNFM30(全体)の管理する情報を示しているが、VNFM30毎に(当該VNFM30が管理するVNF70毎に)管理してもよい(以降、
図13(a)の表T37については同様)。
【0106】
VNF生成が成功した場合には、“VNFM1”からオーケストレータ20に対して、NW情報として“外部IPアドレス10”“外部IPアドレス11”が設定された信号(9)が通知される(S122)。
【0107】
オーケストレータ20では、信号(9)が受け付けられる。信号(9)が受け付けられたオーケストレータ20では、VNF70生成が完了したことが確認される。オーケストレータ20では、S116の処理で記憶された再配置VNF70の情報と信号(9)に設定されているNW情報が、サービスIDに対応付けられて生成時に作成された
図10(a)の表T21に追加されて記憶される。情報の内容は
図13(b)の表T38となる(K、S123)。
【0108】
再配置元VNF70が接続していたVNF70である“VNF21”のNW情報が、生成時に作成された
図13(b)の表T38より読み出され、NW接続が行われる。表T38より読み出された“VNF21”の通信用の“外部IPアドレス20”と、信号(9)で受信された再配置された“VNF10”の通信用の“外部IPアドレス10”が設定された接続要求が、
図5(d)の表T6から特定されるVNF70間ネットワークを管理する“VIM−NW”に対して行われる(信号(10)、S124)。“VIM−NW”では、信号(10)が受信されて、それに対する応答がオーケストレータ20に送信される(S125)。信号(10)が受信された“VIM−NW”では、“外部IPアドレス20”と、“外部IPアドレス10”との接続が実施される(L、S126)。
【0109】
オーケストレータ20では、S124の接続要求に対する“VIM−NW”からの応答(S125)が受信される。続いて、オーケストレータ20では、VNF70間接続が完了したら、信号(9)で受信した“VNF10”のVNF種別、VNF識別番号、性能、NW情報が信号(11)でOSS51に通知される(S127)。OSS51では、信号(11)が受信されて、信号(1)の要求内容と信号(11)の結果とを対応付けて生成時の
図10(a)の表T22に追記した
図13(c)の表T39が保持される(M、S128)。この後、OSS51は、対向する“VNF10”の切り替えを通知するために、再配置された“VNF10”のNW情報をEMS80を通じて“VNF21”に通知することにより運用が再開される。OSS51は、再配置された“VNF10”と接続先の“VNF21”の通信が開始されたことを確認した後に、再配置元の“VNF10”に対して、停止や終了の保守操作を開始する。以上が、(2)オートヒーリングが行われる場合の処理である。
【0110】
続いて、
図19及び
図20のシーケンス図を用いて、(3)スケールアウトが行われる場合の処理を説明する。なお、
図20に示すシーケンス図は、
図19のシーケンス図と(時系列的に)連続するものである。スケールアウトとは、VNF70の負荷が大きくなった場合にVNF70の負荷分散をさせるため等に、当該VNF70と同じ機能を有するVNF70を生成することである。スケールアウトにより、移動体通信システム1において適切な負荷分散等が図られる。
【0111】
OSS51は、従来システム同様に運用管理システムであるEMS80を通じて、インスタンシエーション処理(手順)で生成したVNF70の状態を監視して運用する。EMS80は、VNF70からの状態情報の通知を受信し(S201)、受信した状態情報をOSS51に送信する(S202)。上記の処理は、定期的に行われる。OSS51は、運用中に状態情報に基づき、VNF70の負荷上昇を検知し、運用中に一定レベルを上回る負荷への上昇をしたVNF70の性能を増強することができる。インスタンシエーション処理で生成した“VNF10”“VNF21”のうち、“VNF10”の負荷上昇を検出したOSS51が、VNF70の性能の100%増強を決定し、オーケストレータ20に対して要求する例を記載する。
【0112】
OSS51からオーケストレータ20に対して、増強元VNF70生成時に使用したサービスID、増強対象を識別するためのVNF識別番号“VNF_001”、増強する性能を示す性能条件(例えば、現状同等の性能指標値)である“100”、NW条件として現状と別DCへの設置を意味する“別DC”を設定した信号(1)が送信される(S203)。
【0113】
オーケストレータ20では、要求受付部21によって、サービス増強要求が受け付けられる(S203、要求受付ステップ)。サービス増強要求が受け付けられたオーケストレータ20では、サービスIDとVNF識別番号が用いられて、増強元のVNF70に関する情報として、VNF種別、データセンタがVNF70生成時に記憶したデータより特定される。
図10(a)の表T21より、サービスIDとVNF識別番号“VNF_001”に対応するVNF種別が“VNF10”、データセンタが“DC2”、“VNF10”のVNFM30が
図5(b)の表T3より“VNFM1”であることが導き出される(A、S204)。
【0114】
続いて、オーケストレータ20では、上記で特定した“VNF10”を増強するために、“VNF10”を配置可能なデータセンタが、運用条件及び信号(1)により入力されたNW条件及び
図5(e)の表T5のデータセンタの接続構成が用いられて選択される。
図5(c)の表T4から、“VNF10”の配置可能なデータセンタとして“DC2”“DC3”“DC4”“DC5”が候補として得られる。次に、入力されたNW条件より増強元VNF70の“DC2”とは別データセンタであることと、増強元と接続先のVNF70が配置されている“DC2”に接続しているデータセンタが、“DC1”“DC3”“DC5”という
図5(e)の表T5から得られる接続情報より、候補のデータセンタが“DC3”“DC5”とされる。
【0115】
続いて、オーケストレータ20では、定期収集により蓄積しているネットワーク全体資源情報データベースの
図4(a)の表T1から、候補となった “DC3”“DC5”の資源情報が読み出される。読み出された資源情報を、
図11(a)の表T31に示す。続いて、増強するVNF70をユニークに識別する番号としてVNF識別番号“VNF_010”が払い出される(B、S205)。
【0116】
続いて、増強VNF識別番号“VNF_010”、配置可能なデータセンタ候補の情報として
図11(a)の表T31、増強元VNF識別番号に“VNF_001”、信号(1)で入力されたサービスIDと性能条件の“100が、上記のA(S204)で読み出された“VNF10”のVNFM30である“VNFM1”に、必要資源問い合わせ(信号(2))として送信される(S206)。
【0117】
なお、S206において、各データセンタの資源情報を含めない実施形態も可能となる。この場合には、各データセンタの資源情報の代わりに、各データセンタを管理するVIM40の識別番号が、
図5(d)の表T6から読み出され、S206において送信される情報に含められる。例えば、“DC3”のVIM40が“VIM1”、“DC5”のVIM40が“VIM3”という組み合わせが送信される情報に含められる。
【0118】
信号(2)は、“VNFM1”において受信される。信号(2)を受信した“VNFM1”では、各データセンタに対する資源情報の設定有無(信号(2)に資源情報が含まれているか否か)が確認される。資源情報ではなくVIM識別番号が設定されてきた場合、“VNFM1”は自身で各データセンタの資源情報をVIM40に要求し収集する。例えば、“VNFM1”によって、信号(2)で受け付けられた“VIM1”に対して“DC3”の、“VIM3”に対して“DC5”の資源情報が問い合わせられ、
図11(a)の表T31が得られる(S207、S208)。
【0119】
信号(2)、若しくはS207及びS208の処理にてデータセンタの資源情報(
図11(a)の表T31)を入手した“VNFM1”では、信号(2)のVNF種別に設定されていた“VNF10”の詳細情報が、予め“VNFM1”の保持部31に保持(登録)されているVNF詳細情報データベースより読み出される。詳細情報には
図6の表T9のVNF内部構造と性能条件に応じた資源情報(VM)、資源情報(NW)、機能情報が登録されている。
【0120】
“VNFM1”では、読み出された詳細情報(
図6の表T9)から信号(2)で受け付けたVNF種別“VNF10”の性能条件“100”に必要な資源情報と機能情報が取り出される(C1、S209)。
【0121】
取り出された資源情報及び機能情報と、信号(2)、若しくはS207及びS208の処理にて得られた資源情報(
図11(a)の表T31)の使用可能資源情報と提供機能とが比較されて、利用可能なデータセンタが抽出される。具体的には
図6の表T9より“VNF10”は“機能1”及び“機能2”を必要とし、
図11(a)の表T31より“機能1”及び“機能2”を、候補の“DC3”及び“DC5”は共に提供可能であることが判断される。
【0122】
次に、利用可能なデータセンタの提供する資源でVNF70を生成するために必要な資源情報が導き出される。具体的には
図11(a)の表T31より、“DC3”がLow、“DC5”がHighのCPU性能を提供可能であることが判別できる。これが、S209の処理で読み出された
図6の表T9のCPU性能と照らし合わされて、“DC3”及び“DC5”で取り得る資源情報の組み合わせとして
図11(b)の表T32が得られる。詳細には、S209の処理で読み出された
図6の表T9より、“VNF10”は内部機能部“VNFC100”と“VNFC101”から構成されることが分かる。さらに、性能条件“100”の場合には、内部機能部“VNFC100”は、CPU性能“High”を用いた型番“001”またはCPU性能“Low”を用いた型番“002”の仮想資源(VM、NW)により生成可能であり、内部機能部“VNFC101”は、CPU性能“High”を用いた型番“005”またはCPU性能“Low”を用いた型番“006”の仮想資源(VM、NW)により生成可能であることが分かる。これより、信号(2)で指示されたVNF種別“VNF10”の性能条件“100”となるVNF70を生成するのに必要な仮想資源の組み合わせは、CPU性能”Low”を提供可能な“DC3”では1通り、CPU性能”High”を提供可能な“DC5”でも1通りとなり、“DC3”及び“DC5”で取り得る資源情報の組み合わせとして
図11(b)の表T32が得られる。信号(2)のサービスID、増強VNF種別及び増強VNF識別番号、並びに詳細情報の
図6の表T9が記憶される(C2、S210)。
【0123】
続いて、“VNFM1”からオーケストレータ20に、導出された資源情報とデータセンタの組み合わせを示す
図11(b)の表T32が返送される(信号(3)、S211)。
【0124】
オーケストレータ20では、予約要求部22によって信号(3)が受信される。信号(3)で受信された資源情報とデータセンタの組み合わせ表(
図11(b)の表T32)に、
図5(f)の表T12の優先度指標が適用される。表T12より、第1優先はデータセンタ間帯域であり、
図5(e)の表T5より接続先VNF70である“VNF21”の“DC2”と“DC3”との間、“DC2”と“DC5”との間の帯域では、“DC2”と“DC3”との間の帯域が大きいことが判断できる。これに基づき優先度が付与され、
図11(c)の表T33が得られる(D、S212)。
【0125】
続いて、優先度の高い組み合わせの順番に、データセンタを管理するVIM40への予約が実施される。予約要求部22によって、
図11(c)の表T33で優先度の最も高い“DC3”の組み合わせ1の必要資源と対象の“DC3”が設定されて、資源の予約要求が、
図5(d)の表T6より読み出された“DC3”の管理機能である“VIM1”に送出される(信号(4)、S213、予約要求ステップ)。
図11(c)の表T33の優先度1の組み合わせの場合は、
図12(a)の表T34の情報が必要資源情報(VM、NW)となる。資源予約が失敗した場合は、次優先度の組み合わせの予約要求が行われる(F、処理S216からの戻り)。
【0126】
“VIM1”では、信号(4)が受け付けられる。信号(4)が受け付けられた“VIM1”では、予約部42によって、信号(4)に設定されている“DC3”に信号(4)で要求された、
図12(a)の表T34に示される必要資源を確保できるかが、管理域内資源情報データベースをもとに確認され、資源が予約されて予約番号10が払い出される(E、S214、予約ステップ)。“VIM1”では、予約番号10とともに、予約した“DC3”、予約された資源情報が記憶される。“VIM1”では、資源が確保できた場合には予約番号が、資源が確保できない場合にはエラーがオーケストレータ20に応答される(信号(5)、S215)。
【0127】
オーケストレータ20では、“VIM1”からの信号(5)が受信される。“VIM1”からの信号(5)が受信されたオーケストレータ20では、資源の予約結果が確認される(F、S216)。資源の予約が出来なかった場合(F、S216のNG)には、再度、D(S212)の処理に戻り次優先度の組み合わせの予約が実施される。
【0128】
オーケストレータ20では、予約が成功したら、増強元VNF70生成時のサービスID、資源予約先のVIM識別番号として“VIM1”、
図5(d)の表T6から取得されたVIM種別、及び“VIM1”から信号(5)で受信された予約番号、予約資源情報(VM、NW)として
図12(a)の表T34の資源情報が設定され、“VNFM1”に“VNF10”の増強が要求される(信号(6)、S217)。また、オーケストレータ20では、増強VNFの情報として、サービスIDと、VNF種別、VNF識別番号、予約番号、予約した“VIM1”、予約した“DC3”が記憶される。
【0129】
“VNFM1”では、仮想サーバ生成要求部32によって、信号(6)が受信される。続いて、仮想サーバ生成要求部32によって、信号(6)で受信されたサービスIDより、C2(S210)で記憶されている詳細情報の
図6の表T9が読み出され、信号(6)で受信された予約資源情報(VM、NW)の
図12(a)の表T34の型番“002”、“006”に対応する配置・起動情報、NW(ネットワーク)構成情報が決定される。続いて、仮想サーバ生成要求部32によって、生成する仮想マシン(VM)にVM識別番号が払い出され付与される。
【0130】
続いて、“VNFM1”では、仮想サーバ生成要求部32によって、信号(6)で受信されたVIM種別に応じて、配置・起動情報、NW構成情報の書式が変更される(VIM40の管理方式に応じて詳細情報が書き換えられる)(G、S218、仮想サーバ生成要求ステップ)。
【0131】
続いて、仮想サーバ生成要求部32によって、“VIM1”用に書式が変更された配置・起動情報とNW構成情報、信号(6)で受信された予約番号が、信号(6)で受信された予約先の“VIM1”に通知され、“VNF10”の生成が要求される(信号(7)、S219、仮想サーバ生成要求ステップ)。配置・起動情報、NW構成情報として設定される情報は
図12(b)の表T35となる。“VNFM1”では、C2(S210)で記憶されたサービスID、VNF種別、VNF識別番号に、信号(6)で受けたVIM識別番号、予約番号と
図6の表T9から読み出された内部機能部、払い出したVM識別番号が対応付けられて記憶される。
【0132】
“VIM1”では、仮想サーバ生成部43によって、信号(7)が受信される。続いて、仮想サーバ生成部43によって、信号(7)で受け付けられた予約番号よりVNF70を起動する資源としてE(S214)の処理で確保された“DC3”の資源が特定される。続いて、仮想サーバ生成部43によって、信号(7)で受け付けた配置・起動情報とNW構成情報に基づき“DC3”にVM及びVNFのイメージファイルが読み込まれて、VM及びVNF70が生成・起動される。
【0133】
“VIM1”では、仮想サーバ生成部43によって、予め割り当てられている外部IPアドレス帯域から、信号(7)で指定された数の外部アドレスとして“外部IPアドレス10”“外部IPアドレス11”がVMに付与される。“VIM1”では、E(S214)の処理の予約番号と、データセンタに加えて、“VNFM1”のVM識別番号、割り当てられた資源情報と物理装置(HW)の対応付けとして、
図14(a)の表T41の情報が記憶される(H、
図20のS220、仮想サーバ生成ステップ)。
【0134】
続いて、仮想サーバ生成部43によって、VM生成時に割り当てられた外部IPアドレスがNW情報として設定された
図12(c)の表T36が信号(8)で“VNFM1”に応答される(S221)。
【0135】
“VNFM1”では、G(S218)の処理で記憶されたサービスIDに関連する情報に信号(8)に設定されているNW情報が追加されて記憶される。情報の内容は
図13(a)の表T37となる(J、S222)。
【0136】
VNF生成が成功した場合には、“VNFM1”からオーケストレータ20に対して、NW情報として“外部IPアドレス10”“外部IPアドレス11”が設定された信号(9)が通知される(S223)。
【0137】
オーケストレータ20では、信号(9)が受け付けられる。信号(9)が受け付けられたオーケストレータ20では、VNF70生成が完了したことが確認される。オーケストレータ20では、S217の処理で記憶された増強VNF70の情報と信号(9)に設定されているNW情報が、サービスIDに対応付けられて生成時に作成された
図10(a)の表T21に追加されて記憶される。情報の内容は
図13(b)の表T38となる(K、S224)。
【0138】
増強元VNF70が接続しているVNF70である“VNF21”のNW情報が、生成時に作成された
図13(b)の表T38より読み出され、NW接続が行われる。表T38より読み出された“VNF21”の通信用の“外部IPアドレス20”と、信号(9)で受信された増強された“VNF10”の通信用の“外部IPアドレス10”が設定された接続要求が、
図5(d)の表T6から特定されるVNF70間ネットワークを管理する“VIM−NW”に対して行われる(信号(10)、S225)。“VIM−NW”では、信号(10)が受信されて、それに対する応答がオーケストレータ20に送信される(S226)。信号(10)が受信された“VIM−NW”では、“外部IPアドレス20”と、“外部IPアドレス10”との接続が実施される(L、S227)。
【0139】
オーケストレータ20では、S225の接続要求に対する“VIM−NW”からの応答(S226)が受信される。続いて、オーケストレータ20では、VNF70間接続が完了したら、信号(9)で受信した“VNF10”のVNF種別、VNF識別番号、性能、NW情報が信号(11)でOSS51に通知される(S228)。OSS51では、信号(11)が受信されて、信号(1)の要求内容と信号(11)の結果とを対応付けて生成時の
図10(a)の表T22に追記した
図13(c)の表T39が保持される(M、S229)。以上が、(3)スケールアウトが行われる場合の処理である。
【0140】
続いて、
図21及び
図22のシーケンス図を用いて、(4)スケールインが行われる場合の処理を説明する。なお、
図22に示すシーケンス図は、
図21のシーケンス図と(時系列的に)連続するものである。スケールインとは、負荷が低い同じ機能を有する複数のVNF70がある場合等に、VNF70を集約することである。スケールインにより、移動体通信システム1において適切な資源の活用が図られる。
【0141】
OSS51は、従来システム同様に運用管理システムであるEMS80を通じて、インスタンシエーション処理(手順)で生成し、更にスケールアウト処理(手順)で増強したVNF70の状態を監視して運用する。EMS80は、VNF70からの状態情報の通知(信号(1))を受信し(S301)、受信した状態情報(信号(1))をOSS51に送信する(S302)。上記の処理は、定期的に行われる。OSS51は、運用中に状態情報に基づき、VNFの負荷低減を検知し、運用中に一定レベルを下回る負荷への低減をしたVNF70の性能を削減することができる。上述したスケールアウト処理で増強して、複数となった“VNF10”について、一定レベルを下回る負荷への低下を検知したOSS51が、“VNF10”全体の性能の削減を決定し、オーケストレータ20に対して要求する例を記載する。
【0142】
OSS51では、オーケストレータ20を通じて生成、増強又は削減したVNF70のサービス種別について、
図13(c)の表T39のように管理されている。
【0143】
OSS51では、上記の信号(1)にあるようにVNF70から定期的にVNF70の負荷量が収集され、同一機能のVNF70について、統合しても負荷が十分に定格以内に収まるのであれば、分散した処理のスケールイン統合が判断される。例えば、OSS51では、信号(1)(メッセージ(1))で取得された複数のVNF70(“VNF_001”と“VNF_010”)のうち、より負荷量の少ないほうを削除対象とする(A、S303)。
【0144】
OSS51では、
図13(c)の表T39が参照されて、同サービスにて、削除対象となるVNF70と接続している対向ノード(表T39では、“VNF_021”)が判断され、対向ノードに対して、新たに発生するトラヒックについて削除対象のVNF70(“VNF_010”)に送信しないように、EMS80を介して信号(2)にて構成変更が指示される(S304、S305)。
【0145】
“VNF_021”では、信号(2)が受信されて、対向している“VNF_001”と“VNF_010”に負荷分散していたトラヒックについて、削除対象のVNF70(“VNF_010”)に新たなトラヒックを送信しないように構成変更が行われ(S306)、応答メッセージ(3)(信号(3))がEMS80を介してOSS51に返信される(S307、S308)。
【0146】
OSS51では、当該応答メッセージ(3)(信号(3))が受信される。続いて、OSS51では、EMS80を介して削除対象となるVNF70(“VNF_010”)に対して、メッセージ(4)(信号)にて閉塞、ユーザ追出し要求が行われる(S309、S310)。
【0147】
“VNF_010”では、既に収容しているユーザトラヒックについて処理が完了するのが待たれ(又は強制終了され)、処理が収斂される(C、S311)。続いて、“VNF_010”から、EMS80を介してOSS51に対して応答メッセージ(5)(信号(5))が返信される(S312、S313)。
【0148】
OSS51では、当該応答メッセージ(5)(信号(5))が受信される。続いて、OSS51では、VNF生成時に使用したサービスID、削減対象を識別するためのVNF識別番号“VNF_010”、削減する性能を示す性能条件は、削減したい性能値である“100”が設定された信号(6)が生成され(S314)、サービス削減要求としてオーケストレータ20に対して送信される(
図22のS315)。
【0149】
オーケストレータ20では、サービス削減要求が受け付けられる。サービス削減要求が受け付けられたオーケストレータ20では、サービスIDとVNF識別番号が用いられて、削減対象のVNF70に関する情報として、VNF種別、データセンタがVNF70作成又は増強時に記憶したデータより特定される。
図13(b)の表T38より、サービスIDとVNF識別番号“VNF_010”に対応するVNF種別が“VNF10”、データセンタが“DC3”、“VNF10”のVNFM30が
図5(b)の表T3より“VNFM1”であることが導き出される(E、S316)。
【0150】
続いて、オーケストレータ20では、上記で特定した“VNF_010”を削除するために、
図13(b)の表T38より、削除対象となるVNF70生成時のサービスID、削除対象となるVNF種別、VNF識別番号、予約先のVIM識別番号(“VIM1”)、予約番号(“10”)が得られる(F、S317)。オーケストレータ20では、“VNFM1”に対して、これらの情報が含められて信号(7)により、“VNF_010”の削減が要求される(S318)。
【0151】
“VNFM1”では、信号(7)が受信される。“VNFM1”では、信号(7)で受信されたVNF削減要求メッセージから、サービスID、VNF種別、VNF識別番号、VIM識別番号、予約番号が得られて、
図6(a)の表T9より削減手順が得られる(G、S319)。続いて、“VNFM1”では、“VIM1”に対して、VNF削減要求メッセージである信号(8)によって、予約番号により、該当のVMの削減が要求される(S320)。
【0152】
“VIM1”では、信号(8)で受信したVNF削減要求メッセージから、予約番号が得られて、
図14(a)の表T41より、削除対象となるDC番号“DC3”とVM識別番号を得て、VMの削減が実行される(H、S321)。続いて、“VIM1”では、信号(9)により、VNF削減応答が、“VNFM1”を介してオーケストレータ20に返信される(S322、S323)。“VNFM1”では、
図13(a)の表T37から“VNF_010”を削減した
図10(c)の表T23が保持される。
【0153】
オーケストレータ20では、VNF削減応答(VNF削除応答メッセージ)が受信される。続いて、オーケストレータ20では、
図13(b)の表T38より、削除を行ったVNF70間の接続の解放要求が生成されて(J、S324)、信号(10)により“VIM−NW”に送信される(S325)。
【0154】
“VIM−NW”では、信号(10)が受信されて、解放要求に対する応答が行われる(S326)。また、“VIM−NW”では、VNF70間の接続の解放が実施される(K、S327)。
【0155】
オーケストレータ20では、“VIM−NW”からの応答が受信されて、
図13(c)の表T38から“VNF_010”を削減した
図10(a)の表T21が保持され、信号(11)によって、サービス削減応答がOSS51に対して行われる(S328)。
【0156】
OSS51では、信号(1)の要求内容と信号(11)の結果を対応付けて、生成時の
図13(c)の表T39からVNFを削減した
図14(b)の表T43の情報が保持される(S329)。以上が、(4)スケールインが行われる場合の処理である。
【0157】
上述した実施形態では、仮想通信機能(VNF70)単位での増強・削減手順を示したが、一般には、VNF70は1つ以上の内部機能部(VNFC)から構成され、内部機能部単位に増強・削減する運用も実施されている。
【0158】
上述した実施形態では、スケールアウト、スケールイン、オートヒーリングにおいてインスタンシエーションと共通のVNF詳細情報(
図6の表T9)を用いた。しかし、予め内部機能部単位の増強・削減パターンをVNF詳細情報として登録し、生成(起動)しているVNF70の内部機能部の組み合わせを基に、指定された性能条件を満たす内部機能部の増強・削減パターンを抽出する手順を追加することにより、内部機能部単位の増強・削減が可能となる。
【0159】
この際、VNF単位の操作対象を識別していたVNF識別番号を内部機能部単位の操作を特定できる識別子とする必要がある。例えば、1つのVNF内の内部機能部の上限数(
図26(a)の表TX)、VNF内部機能単位の増強・削除パターン(
図26(b)の表TY)、を詳細情報として予めVNFM30のデータベースに追加登録しておく。
【0160】
スケールアウトの場合、以下のように行われる。
図19のスケールアウトの処理における処理(手順)C1での増強元VNFの詳細情報の読み出しの際に、
図24のフローチャートで示される増強単位の判断を追加する。S206の信号(2)にてVNF10の増強として性能条件“100”を受信する例を記載する。処理(手順)C1で増強元VNFの詳細情報(
図13(a)の表T37)を読み出し、増強元VNFのVM数を
図26(a)の表TXの上限数と比較し、上限数に達していない場合にはVNFC単位の増強を行うと判断する。次に予めVNFM30に登録されている
図26(b)の表TYより、性能条件“100”に必要な資源情報と機能情報として型番“101”の構成が取り出される。
【0161】
増強単位をVNF70単位とするか内部機能部単位とするかをVNFM30で判断するのではなくOSS51から指示することも可能である。内部機能部単位の増強パターンが表TYより抽出された以降は、上述したスケールアウトの実施形態と同様の手順を適用する。
【0162】
スケールインの場合、以下のように行われる。
図22のスケールインの処理における処理(手順)Gでの削減VNFの詳細情報の読み出しの際に、
図25のフローチャートで示される削減単位の判断を追加し、1つの削減パターンを抽出する。VNFM30が削減単位を判断するために、
図22のシーケンス図においてOSS51では信号(6)で受信した性能条件“100”を信号(7)に含めてVNFM30に対して要求される。VNFM30では受信された信号(7)よりVNF識別番号、性能条件が得られる。VNFM30”では、信号(7)で受信されたVNF識別番号を基に、保持する削減元VNFの詳細情報(
図13(a)の表T37)を読み出し、削減元VNFのVM数を
図26(a)の表の最小構成数と比較し、最小構成でなければVNFC単位の削減を行うと判断する。次に予めVNFM30に登録されている
図26(b)の表TYより、性能条件“100”に対応する資源情報と機能情報として型番“101”の構成が取り出され、削減対象の資源と手順を得る。
【0163】
削減単位をVNF70単位とするか内部機能部単位とするかをVNFM30で判断するのではなくOSS51から指示することも可能である。内部機能部単位の削減パターンが表TYより抽出された以降は、上述したスケールインの実施形態と同様の手順を適用する。
【0164】
仮想化機能の性能増減単位と実施形態との関係を
図27に示す。
【0165】
本発明の実施形態のバリエーションを
図28に示す。
図28において、「選択」は、候補となる資源エリア(VIM40/データセンタ)の抽出を示す。「予約」は、候補エリアの中から資源予約の依頼を行うことを示す。「配置計画」は、予約資源へのVNF70の配置計画作成を示す。「割当」は、配置計画に基づく資源割当(VNF70の生成)を示す。「詳細条件」は、配置計画を作成するための条件を示す。「条件」は、詳細条件を抽象化した条件を示す。「全体」は、全体資源情報を示す。域内は、管理域内資源情報を示す。また、
図28中の破線の領域に示したように、プロプライエタリではない資源情報は何れの経路でも入手可能である。
【0166】
上述した実施形態は、VIM40(データセンタ)の選択をVNFM30が、VNF70の配置計画の生成をVNFM30が、VIM40へのVNF70の生成の指示をVNFM30が、それぞれ行うパターンであった(
図28のパターンの左から2つ目のパターン)。しかしながら、VIM(データセンタ)40の選択をVNFM30ではなく、オーケストレータ20が行うパターンとしてもよい(
図28のパターンの左から1つ目のパターン)。
【0167】
本実施形態に係る管理システム10では、VNFM30によって自身が保持する詳細情報が用いられて、VIM40に対してVNF70を生成させる要求が行われる。従って、詳細情報(具体的には、
図6の表T9の配置・起動情報及びNW構成情報)をVNFM30からオーケストレータ20に通知する必要がなく、当該VNF70の生成が行われる。即ち、本実施形態に係る管理システム10によれば、通信処理を実行するVNF70を仮想化資源上において実現するための詳細情報の漏洩を防止することができる。これによって、マルチベンダの促進を図ることができる。
【0168】
例えば、VNFM30とオーケストレータ20とは、別々のベンダによって提供される場合であっても、VNFM30を提供するベンダのノウハウであるVNF70の詳細情報が、オーケストレータ20のベンダへ漏洩することがない。
【0169】
なお、上述した実施形態では、移動通信端末に移動体通信の機能を提供する移動体通信システムであるものとしたが、本発明は、必ずしも移動体通信システムである必要はない。本発明は、固定の通信端末に固定通信の機能を提供する固定通信システムに適用することが可能である。固定の通信端末と固定通信システムとは、上述した移動体通信システムとは異なり、有線で接続されている。上述した実施形態を、移動通信端末を固定通信端末と、移動体通信を固定通信と、移動体通信システムを固定通信システムとそれぞれ置き換えることで本発明に係る固定通信システムの実施形態とすることができる。但し、この場合、具体的なノードは固定通信システムに応じたものである。また、移動体通信と固定通信とが混在した通信システムにおいて本発明を実施することも可能である。
【0170】
即ち、本発明は、移動通信端末、移動体通信及び移動体通信システムに限られるものではなく、上述した実施形態と同様の枠組みを有するものであれば、任意の通信端末、任意の通信、及び任意の通信システムに適用することが可能である。