(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を適用した実施形態における利用者限定ネットワークシステムの一例について、図面を参照しながら説明する。
【0029】
(第1実施形態:利用者限定ネットワークシステム100の構成)
図1〜
図14(b)を参照して、第1実施形態における利用者限定ネットワークシステム100の構成の一例について説明する。
図1は、本実施形態における利用者限定ネットワークシステム100の全体構成を示すブロック図である。
【0030】
利用者限定ネットワークシステム100は、通信網を介してユーザ毎に情報を提供する。利用者限定ネットワークシステム100は、ユーザ情報管理装置1と、ユーザ情報管理装置1に接続された出力装置2と、公衆通信網4を介してユーザ情報管理装置1と接続された総合管理装置5とを備える。総合管理装置5は、例えば、サーバ6と接続されてもよく、公衆通信網4を介してユーザ端末3及び他のユーザ端末7と接続されてもよい。
【0031】
利用者限定ネットワークシステム100は、主にインターネットテレビサービス内に含まれるネットワークシステムであり、利用できるユーザは、インターネットテレビサービスと契約しているユーザに限定される。利用者限定ネットワークシステム100は、例えば複数のユーザ情報管理装置1(
図1では3つのユーザ情報管理装置1a〜1c)に対して、1つの総合管理装置5を備える。
【0032】
<ユーザ情報管理装置1、出力装置2>
ユーザ情報管理装置1及び出力装置2は、ユーザ毎に所有する。ユーザ情報管理装置1は、インターネットテレビサービスの利用を制御する構成を備え、主にセットトップボックス(STB)が用いられる。出力装置2として、主にテレビが用いられる。ユーザ情報管理装置1は、例えば出力装置2に内蔵されてもよい。例えば、1つのユーザ情報管理装置1に複数の出力装置2が接続されてもよい。なお、ユーザ情報管理装置1及び出力装置2は、一般ユーザ宅に設置する他、例えばホテル、企業、学校等に設置してもよい。
【0033】
図2(a)及び
図2(b)は、利用者限定ネットワークシステム100を用いてユーザに情報(配信情報)を報知したときの一例を示す。
図2(a)及び
図2(b)に示すように、ユーザが、ユーザ情報管理装置1にユーザ情報を入力する。その後、ユーザ情報管理装置1から出力装置2を介して、ユーザの必要とする配信情報が報知される。例えば、ユーザA及びユーザBが、それぞれ異なるユーザ情報を入力した場合、各ユーザ情報に基づいたそれぞれ異なる配信情報が報知される。なお、ユーザ情報は、ユーザ情報管理装置1に直接入力される他、出力装置2を介してユーザ情報管理装置1に入力されてもよい。
【0034】
利用者限定ネットワークシステム100では、
図3に示すように、ユーザ情報は、ユーザの入力する情報の種類に応じて分類される。ユーザ情報に基づいて、配信基礎情報が選択され、ユーザ情報と、配信基礎情報との関連性を分析した結果により、配信情報が取得される。このため、ユーザが必要とするユーザ情報を入力すると、ユーザ情報との関連性の高い配信情報のみが選択され、ユーザが情報の取捨選択を必要としない。これにより、ユーザに不要な情報を報知せず、必要な情報のみを報知することができる。ユーザ情報は、必要に応じて、ユーザの年齢、性別、職業等のユーザ属性を有する。ユーザ情報、配信基礎情報、及び配信情報の詳細に関しては、後述する。
【0035】
図4(a)は、ユーザ情報管理装置1の構成の一例を示す模式図である。
図4(a)に示すように、ユーザ情報管理装置1は、筐体10と、CPU101と、ROM102と、RAM103と、記憶部104と、I/F105、106とを備える。各構成101〜106は、内部バス109により接続される。
【0036】
CPU(Central Processing Unit)101は、ユーザ情報管理装置1全体を制御する。CPU101は、例えば受信した放送波を出力装置2で視聴可能な形式に変換するデコーダと、スクランブルを解除するデスクランブラとを有する。ROM(Read Only Memory)102は、CPU101の動作コードを格納する。RAM(Random Access Memory)103は、CPU101の動作時に使用される作業領域である。記憶部104は、ユーザ情報配信基礎情報、配信情報等の各種情報が記憶される。記憶部104として、例えばHDD(Hard Disk Drive)の他、SSD(solid state drive)等が用いられる。
【0037】
I/F105は、出力装置2との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。例えば出力装置2からユーザ情報管理装置1の制御コマンドを入力してもよい。I/F106は、公衆通信網4を介して総合管理装置5等との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。
【0038】
ユーザ情報管理装置1は、例えば出力部分110と、入力部分111と、I/F107、108とを有してもよい。各構成107、108、110、111は、複数設けられてもよい。
【0039】
出力部分110は、記憶部104に保存された各種情報を出力する。出力部分110として、ディスプレイが用いられ、例えば筐体10と一体に設けられる。出力部分110として、例えばタッチパネルが用いられ、ユーザがタッチパネルを介して各種情報を入力してもよい。出力部分110は、例えばスピーカ等の音を発する構成でもよい。
【0040】
入力部分111として、例えばキーボードが用いられ、ユーザは、入力部分111を介して、各種情報をユーザ情報管理装置1に入力する。入力部分111は、例えばマイク等の音を収集する構成でもよい。上記の他、入力部分111として、例えばバーコードリーダ、カードリーダ、マウス等が用いられてもよい。
【0041】
例えば、出力部分110及び入力部分111の構成を備えたリモコン等の端末が用いられてもよく、端末とユーザ情報管理装置1との間における情報の送受信方法として、無線通信網が用いられてもよい。なお、リモコン等の端末の他、例えばユーザ端末3が用いられてもよく、ユーザ端末3とユーザ情報管理装置1との間における情報の送受信方法として、無線通信網が用いられてもよい。
【0042】
I/F107は、出力部分110との情報の送受信を行うためのインターフェースである。I/F108は、入力部分111との情報の送受信を行うためのインターフェースである。
【0043】
図4(b)は、ユーザ情報管理装置1の機能の一例を示す模式図である。ユーザ情報管理装置1は、第1送信部11と、第1受信部12と、第2送信部13と、第2受信部14と、出力部15と、入力部16と、情報DB17とを備える。なお、
図4(b)に示した機能は、CPU101が、RAM103を作業領域として、ROM102又は記憶部104等に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。各構成11〜17は、例えば人工知能により制御されてもよい。ここで、「人工知能」は、いかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
【0044】
第1送信部11は、出力装置2に各種情報を送信する。第1受信部12は、出力装置2から各種情報を受信する。第2送信部13は、公衆通信網4を介して総合管理装置5等に各種情報を送信する。第2受信部14は、公衆通信網4を介して総合管理装置5等から各種情報を受信する。第1送信部11及び第2送信部13は、例えば特定の時間又は任意の周期で各種情報を送信してもよく、任意の期間に取得した複数の各種情報を、一度に送信してもよい。
【0045】
出力部15は、出力部分110等に各種情報を送信する。入力部16は、入力部分111等から各種情報を受け取る。例えば出力部分110としてスピーカが用いられ、入力部分111としてマイクが用いられたとき、ユーザは音声による会話形式でユーザ情報等を入力してもよい。この場合、例えばユーザがユーザ情報管理装置1に質問をして、ユーザ情報管理装置1が返答する形式で、1回以上の繰り返しによりユーザ情報等を決定してもよい。
【0046】
情報DB17には、各種情報が記憶される。第1受信部12、第2受信部14、及び入力部16は、各構成から受信した各種情報を、情報DB17に記憶させる。また、第1送信部11、第2送信部13、及び出力部15は、情報DB17に記憶された各種情報を取出し、各構成に送信する。
【0047】
ユーザ情報管理装置1は、例えば認証部18を有してもよい。認証部18は、例えばインターネットテレビサービスの認証を判断する。認証部18は、例えばユーザ情報を用いて認証を判断してもよい。
【0048】
<総合管理装置5>
図1に示すように、総合管理装置5は、公衆通信網4を介して複数のユーザ情報管理装置1と接続される。総合管理装置5として、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等の電子機器が用いられる。
【0049】
図5(a)は、総合管理装置5の構成の一例を示す模式図である。
図5(a)に示すように、総合管理装置5は、筐体50と、CPU501と、ROM502と、RAM503と、記憶部504と、I/F505〜508と、出力部分510と、入力部分511とを備える。各構成501〜508、510、511は、内部バス509により接続される。
【0050】
CPU501は、総合管理装置5全体を制御する。ROM502は、CPU501の動作コードを格納する。RAM503は、CPU501の動作時に使用される作業領域である。記憶部504は、各種情報が記憶される。記憶部504として、例えばHDDの他、SSD等が用いられる。
【0051】
I/F505は、サーバ6との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。I/F506は、公衆通信網4を介してユーザ情報管理装置1等との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。
【0052】
出力部分510は、記憶部504に保存された各種情報、又は総合管理装置5の処理状況等を出力する。出力部分510として、ディスプレイが用いられ、例えばタッチパネル式でもよい。入力部分511として、例えばキーボードが用いられ、管理者等は、入力部分511を介して、総合管理装置5の制御コマンドを入力する。I/F507は、出力部分510との情報の送受信を行うためのインターフェースである。I/F508は、入力部分511との情報の送受信を行うためのインターフェースである。
【0053】
図5(b)は、総合管理装置5の機能の一例を示す模式図である。総合管理装置5は、第1送信部51と、第1受信部52と、第2送信部53と、第2受信部54と、分析部55と、出力部56と、入力部57と、情報DB58とを備える。なお、
図5(b)に示した機能は、CPU501が、RAM503を作業領域として、記憶部504等に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。各構成51〜58は、例えば人工知能により制御されてもよい。
【0054】
第1送信部51は、サーバ6に各種情報を送信する。第1受信部52は、サーバ6から各種情報を受信する。第2送信部53は、公衆通信網4を介してユーザ情報管理装置1等に各種情報を送信する。第2受信部54は、公衆通信網4を介してユーザ情報管理装置1等から各種情報を受信する。第1送信部51及び第2送信部53は、例えば特定の時間又は任意の周期で各種情報を送信してもよく、任意の期間に取得した複数の各種情報を、一度に送信してもよい。
【0055】
分析部55は、2種類の情報(例えばユーザ情報と、ユーザ情報に対応する配信基礎情報)の関連性を分析し、分析結果に基づき、配信情報等を取得する。分析部55は、例えば、単語、形態素、句、節等、あらゆる文法上の構造単位の中から何れか1以上の単位に亘り、各種情報から文字列の抽出を行う。分析部55は、例えば分析結果に基づき、画像又は映像を配信情報として取得してもよい。分析部55は、例えば機械学習により関連性の度合いを更新してもよい。なお、分析部55は、2種類の情報における一部一致又は完全一致の文字列について関連性を分析する他、例えば、類似(同一概念、類語等を含む)する各文字列について関連性を分析してもよい。また、分析部55は、2種類の情報における複数の文字列の組み合わせについて関連性を分析してもよい。複数の文字列間の組み合わせとして、例えば、名詞−動詞、名詞−形容詞、形容詞−動詞、名詞−名詞の何れかの組み合わせが用いられる。
【0056】
出力部56は、出力部分510等に各種情報を送信する。入力部57は、入力部分511等から各種情報を受け取る。
【0057】
情報DB58には、各種情報が記憶される。第1受信部52、第2受信部54、及び入力部57は、各構成から受信した各種情報を、情報DB58に記憶させる。また、第1送信部51、第2送信部53、及び出力部56は、情報DB58に記憶された各種情報を取出し、各構成に送信する。また、分析部55は、分析の対象となる各種情報を、情報DB58から取出して分析し、分析結果に基づいて取得した配信情報等を、情報DB58に記憶させる。なお、情報DB58の代わりに、サーバ6を用いてもよい。
【0058】
<サーバ6>
サーバ6には、各種情報に関するデータベースが構築されている。このデータベースには、公衆通信網4を介して送られてきた情報が蓄積される。サーバ6には、例えば記憶部504と同様の情報を記憶し、例えば公衆通信網4を介して総合管理装置5と接続されてもよい。
【0059】
<ユーザ端末3>
ユーザ端末3として、主に携帯電話が用いられ、それ以外ではスマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ、IoT(Internet of Things)デバイス等の電子機器の他、あらゆる電子機器で具現化されたものが用いられてもよい。ユーザ端末3は、例えばユーザの生活リズム(例えば睡眠時間、歩数、食事時間等)、生体情報(例えば体温、脈拍、体脂肪率等)等を周期的に取得してもよい。
【0060】
ユーザ端末3は、例えば無線通信網を介して、ユーザ情報管理装置1及び出力装置2の少なくとも何れかに対して各種情報を送受信してもよく、送受信の周期等に関する条件は任意である。また、ユーザ端末3として、ユーザ情報管理装置1と無線通信網を介して接続された補聴器等の受信専用の機器が用いられてもよい。この場合、ユーザ端末3は、ユーザ情報管理装置1から受信した配信情報を、音声や振動等で報知してもよい。
【0061】
<公衆通信網4>
公衆通信網4は、ユーザ情報管理装置1及び総合管理装置5が通信回線を介して接続されるインターネット網等である。公衆通信網4は、いわゆる光ファイバ通信網で構成してもよい。また、この公衆通信網4は、有線通信網に限定されず、無線通信網で実現してもよい。
【0062】
(第1実施形態:利用者限定ネットワークシステム100の動作)
次に、本実施形態における利用者限定ネットワークシステム100の動作の一例について説明する。
図6は、本実施形態における利用者限定ネットワークシステム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0063】
<ユーザ情報取得手段:ステップS110>
図6に示すように、先ず、ユーザ情報管理装置1を介して、ユーザ情報を取得する(ユーザ情報取得手段:ステップS110)。ユーザは、例えば入力部分111を用いて、ユーザ情報管理装置1にユーザ情報を入力する。入力部16は、入力部分111に入力されたユーザ情報を取得し、情報DB17に記憶させる。ユーザ情報は、入力部分111を用いて入力される他、出力装置2から入力されてもよい。この場合、第1受信部12は、出力装置2に入力されたユーザ情報を取得し、情報DB17に記憶させる。
【0064】
その後、第2送信部13は、情報DB17からユーザ情報を取出し、総合管理装置5に送信する。総合管理装置5の第2受信部54は、ユーザ情報を取得し、情報DB58に記憶させる。なお、ユーザ情報は、情報DB17に記憶されずに、入力部16から第2送信部13を介して総合管理装置5に送信されてもよい。
【0065】
<配信基礎情報取得手段:ステップS120>
次に、ユーザ情報に対応する配信基礎情報を取得する(配信基礎情報取得手段:ステップS120)。分析部55は、情報DBからユーザ情報を取出し、文字列の抽出を行う。分析部55は、抽出された文字列に基づいて、配信基礎情報を選択する。分析部55は、情報DB58から配信基礎情報を取得する。配信基礎情報は、情報DB58から取得される他、サーバ6並びに公衆通信網4を介して取得可能なインターネット上の情報から取得されてもよい。
【0066】
例えば、ユーザ情報として住所等を有する居住情報が用いられたとき、配信基礎情報として、災害や緊急に関する情報が取得される。この場合、配信基礎情報として、「海抜が低い地区」等の地形の特徴、地域の特徴、施設の所在等のテキストデータ化することが可能な文章や文字列、言語等が取得される。この他、例えばユーザ情報の概念に対応する画像データが、配信基礎情報として取得されてもよい。なお、ユーザ情報に基づいて選択される配信基礎情報は、例えばユーザや管理者等が設定してもよい。
【0067】
<第1分析手段:ステップS130>
次に、ユーザ情報と、配信基礎情報との関連性を分析する(第1分析手段:ステップS130)。分析部55は、取得したユーザ情報と配信基礎情報とを用いて、関連性を分析する。ここで、「関連性」とは、
図7に示すように、ユーザ情報と配信基礎情報とが、どの程度関連しているかの度合いを示し、例えば3段階以上の関連度(
図7では百分率で表示)で示される。分析部55は、例えば、予め情報DB58に記憶された関連性のデータベースを参照して、ユーザ情報と配信基礎情報との関連性を分析する。
【0068】
例えば
図7では、ユーザAが入力したユーザ情報「○○市○○町」は、配信基礎情報「○○川沿いの地区」、「平屋が多い地区」、及び「◇◇病院に近い地区」との関連度が、それぞれ50%、30%、及び20%を示す。また、ユーザBが入力したユーザ情報「○○市□□町」は、配信基礎情報「○○川沿いの地区」、及び「平屋が多い地区」との関連度が、それぞれ70%、及び30%を示す。このように、ユーザ情報が異なる場合、異なる配信基礎情報の関連性が分析される。なお、各ユーザにおいて、分析部55は、1つのユーザ情報と複数の配信基礎情報との関連性を分析する他、1つ以上のユーザ情報と1つ以上の配信基礎情報との関連性を分析してもよい。例えば、2つ以上のユーザ情報が用いられる場合、分析部55は、ユーザ情報毎に配信基礎情報との関連性を分析してもよく、各ユーザ情報に共通する配信基礎情報との関連性を分析してもよい。
【0069】
関連度は、百分率で示される他、「関連する」、及び「関連しない」の何れか(2値)で示されてもよい。また、管理者等の設定により任意の範囲を設け、関連度が範囲外の場合には除外されるように設定してもよい。
【0070】
<配信情報取得手段:ステップS140>
次に、第1分析手段の結果に基づいて、配信情報を取得する(配信情報取得手段:ステップS140)。分析部55は、配信情報のデータベースを、情報DB58等から取出す。分析部55は、ユーザ情報と関連性の高い配信基礎情報に基づき、配信情報のデータベースを参照して、ユーザに最適な配信情報を取得する。分析部55は、例えば、取得した配信情報を、情報DB58に記憶させる。
【0071】
なお、ユーザ又は管理者等の設定により、分析部55は、ユーザ情報と関連度の高い配信基礎情報に基づいて配信情報を取得する他、関連度の低い配信基礎情報や、任意の数の配信基礎情報に基づいて配信情報を取得してもよい。
【0072】
例えば、
図8に示すように、配信情報Aとして、「○○川が氾濫した場合は警告」が取得されるのに対し、配信情報Bとして、「○○川が氾濫した場合は避難」が取得される。これは、ユーザBの住所が、ユーザAの住所に比べて、配信基礎情報「○○川沿いの地区」との関連度が高いためである。このように、配信基礎情報が同じ内容を含む場合においても、関連性の違いにより、取得される配信情報を変えることができる。
【0073】
<送信手段:ステップS150>
次に、配信情報をユーザ情報管理装置1に送信する(送信手段:ステップS150)。第2送信部53は、分析部55により取得された配信情報を情報DB58から取出し、ユーザ情報管理装置1へ送信する。ユーザ情報管理装置1の第2受信部14は、配信情報を受信し、情報DB17に記憶させる。
【0074】
<報知手段:ステップS160>
次に、配信情報を報知する(報知手段:ステップS160)。第1送信部11は、情報DB17から配信情報を取出し、出力装置2へ送信する。出力装置2は、配信情報を報知する。各出力装置2は、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、ユーザ毎に異なる配信情報をディスプレイに表示する。出力装置2は、ディスプレイに配信情報を表示させる他、例えば音を発して配信情報を報知してもよい。第1送信部11は、例えば特定の時間又は任意の周期で配信情報を送信してもよく、任意の期間に取得した複数の配信情報を、一度に送信してもよい。このため、配信情報内容に応じて、報知する時間等を任意に設定することができ、ユーザに適切なタイミングで報知することが可能である。
【0075】
その後、例えば出力装置2に報知された配信情報に基づいて、ユーザが返信情報を入力してもよい。例えば、出力装置2に、配信情報と同時に「確認しました」等のアイコン(選択部)を表示する。ユーザは、リモコン等の操作機器を用いて、選択部を選択する。これにより、配信情報を確認したことを配信元に知らせるための返信情報が入力され、ユーザ情報管理装置1に送信される。ユーザ情報管理装置1の第1受信部12は、返信情報を受信し、第2送信部13を介して総合管理装置5に送信する。これにより、管理者等は、ユーザが配信情報を確認したことを把握できる。返信情報は、例えば総合管理装置5に送信される他、例えば他のユーザ端末7に送信されてもよい。
【0076】
(第1実施形態:ユーザ情報、配信基礎情報、及び配信情報)
次に、本実施形態における利用者限定ネットワークシステム100に用いられるユーザ情報、配信基礎情報、及び配信情報の詳細について説明する。
【0077】
図3に示すように、ユーザ情報は、生活情報と、趣味、趣向情報とを有する。生活情報は、居住情報と、医療情報と、習慣情報とを有する。趣味、趣向情報は、例えば、食事情報と、スポーツ観戦情報とを有する。
【0078】
<ユーザ情報:居住情報>
居住情報は、住所、居住形態、居住年数、家族構成、在宅状況等の情報を有する。居住情報に基づいて、配信基礎情報として災害や緊急に関する情報が用いられる。配信基礎情報は、地形の特徴、地域の特徴、施設の所在等の情報を有する。
【0079】
この場合、配信情報は、例えば災害に関する情報と、緊急避難に関する情報とを有する(例えば
図9(a)〜
図10(a))。配信情報として、ユーザの居住条件毎に被災する確率、被災した時に注意すべき内容、被災時における避難のタイミングや詳細な避難経路等が取得される。このため、ユーザ毎に的確な災害状況や避難経路等の情報を短時間で取得できる。また、配信情報を報知するタイミングとして、予備情報として事前に報知できる他、災害発生時に報知することができる。報知するタイミングは、ユーザ又は管理者等により、事前に設定できる。これにより、予期しない災害時においても、ユーザ毎に最適な対応をすることが可能である。
【0080】
また、配信情報は、例えば緊急病院に関する情報を有する(例えば
図10(b))。配信情報として、ユーザの居住条件毎に最寄りの病院の位置、診療科目、診察時間、自宅から病院までの経路等が取得される。このため、ユーザ毎に最寄りの病院の位置や情報を短時間で取得できる。これにより、緊急で病院に行く必要があるときにおいても、ユーザ毎に最適な病院を知ることが可能である。なお、例えばユーザ情報に病状を加えることで、病状に対応できる最適な病院を報知することもできる。また、例えばユーザが、配信情報に基づいて病院との面談を依頼する旨の返信情報を入力し、病院に送信することもできる。これにより、医師等とのテレビ面談を実施することができる。なお、配信情報は、緊急病院に関する情報の代わりに、例えば消防署や警察署に関する情報を含んでもよい。この場合においても、緊急病院に関する情報と同様に、最寄りの消防署や警察署に関する情報が配信情報として報知される。
【0081】
また、例えばユーザが被災した場合、配信情報は安否に関する情報を有する(例えば
図11(a)及び
図11(b))。配信情報として、被災状況、避難場所、安否の確認を促す情報が取得される。このとき、ユーザが配信情報に基づいて安否の情報(返信情報)を入力し、他のユーザ端末7等に送信して報知することができる。これにより、ユーザが被災した場合においても、例えば携帯電話等を用いた安否確認に比べて、ユーザの安否を短時間で確認することができ、行方不明者の捜索に伴う二次災害等を防ぐことが可能である。
【0082】
<ユーザ情報:医療情報>
医療情報は、診療結果、領収書、お薬手帳等の情報を有する。医療情報に基づいて、配信基礎情報として医療支援に関する情報が用いられる。この場合、配信基礎情報は、病院の特徴、病気の特徴、薬の特徴、電子カルテ等の情報を有する。
【0083】
この場合、配信情報は、例えば病院の診察情報に関する情報を有する(例えば
図12(a))。配信情報として、ユーザの通院する病院の診察時間、診察待ち人数、診察履歴等が取得される。このため、病院の込み状況等を容易に確認することができる。また、ユーザが配信情報に基づいて病院の予約時間等の情報(返信情報)を入力し、他のユーザ端末7(ここでは病院)等に送信することができる。このため、ユーザが高齢者や被介護者においても、病院の予約を容易に行うことができる。これにより、短時間で的確にユーザが必要とする情報を取得することができる。また、例えばユーザが、配信情報に基づいて病院との面談を依頼する旨の返信情報を入力し、病院に送信することもできる。これにより、医師等とのテレビ面談を実施することができる。
【0084】
また、配信情報として、例えばユーザの通院する病院の特徴に近い病院(例えば同一の診療科目に対応する近隣の病院等)や、ユーザの病状に対応可能な病院の情報が取得されてもよい。このため、通院中の病院との相性が合わない場合や、セカンドオピニオンを検討する場合等における病院選びを容易に行うことができる。これにより、新しい病院を選択する時間を大幅に削減することが可能である。
【0085】
また、配信情報は、例えば病気の特徴に関する情報を有する(例えば
図12(b))。配信情報として、ユーザの症状に対して生活で気を付ける注意事項等が取得される。このため、日常生活を送る中で管理し難い注意事項や、忘れてしまいがちな注意事項を、容易に確認することができる。これにより、症状の悪化を抑制することが可能となる。
【0086】
また、配信情報は、例えば薬の特徴に関する情報を有する(例えば
図13(a))。配信情報として、ユーザの所有する薬の服用時間や、投与する場所等の注意事項が取得される。このため、日常生活を送る中で管理し難い注意事項や、忘れてしまいがちな注意事項を、容易に確認することができる。これにより、症状の悪化を抑制することが可能となる。
【0087】
また、配信情報は、例えば病気の履歴に関する情報を有する(例えば
図13(b))。配信情報として、ユーザの過去の診療結果が取得される。このため、過去に患った病気や、病院別の診断結果の比較等を容易に取得することができる。これにより、各病院への診断結果の問い合わせや、診断結果毎の書類を保管する手間が省け、短時間でユーザの診療結果を確認することが可能となる。また、ユーザが高齢者や被介護者においても、容易に過去の診療結果を取得し、必要に応じて病院や介護施設等に送信することができる。これにより、短時間で的確にユーザが必要とする情報を取得することが可能である。
【0088】
また、配信情報は、例えば支払い状況に関する情報を有する(例えば
図14)。配信情報として、ユーザの病院等への支払い状況が取得される。このため、支払い状況を容易に確認することができる。また、未払いの場合、例えば出力装置2を介してインターネット上の決済サービスを利用して支払うことができる。決済サービスの他、例えばユーザ情報管理装置1の入力部分111にカードリーダ等を設置して、クレジットカード決済を利用して支払うことができる。これにより、病院等への支払い状況を容易に確認できると同時に、支払いを済ませることができる。
【0089】
<ユーザ情報:習慣情報>
習慣情報は、生活リズムに関する情報(例えば睡眠時間、起床時刻、睡眠時刻、食事時間、食事回数、目標散歩の回数又は歩数等)、生体情報(例えば体温、脈拍、摂取カロリー、体脂肪率、食事量等)等を有する。この場合、配信基礎情報として、生活習慣の支援に関する情報が用いられる。この場合、配信基礎情報は、各年齢、性別の生体情報の平均値、標準偏差等の特徴、各年齢、性別の運動量の平均値、標準偏差等の特徴等を有する。
【0090】
この場合、配信情報は、例えば健康状態に関する情報を有する(例えば
図15(a))。配信情報として、ユーザの一日の摂取カロリーと、ユーザの年齢、性別等における平均摂取カロリーとの比較結果等が取得される。このため、ユーザは、生活習慣を可視化でき、生活習慣の改善策を検討することができる。これにより、ユーザの日常生活の質を向上させることが可能となる。
【0091】
また、ユーザ情報として用いられた脈拍等の生体情報が、異常値を示した場合、例えば、病院へ行くべきか否かの推奨、介護施設等に連絡すべきか否かの推奨、薬を服用すべきか否かの推奨等を、配信情報として報知してもよい。また、例えばユーザが配信情報に基づいて病院、介護施設、又は他のユーザ等への面談依頼(返信情報)を入力し、医師、介護福祉士、又は介護者等に送信することもできる。このため、医師、介護福祉士、又は介護者等とのテレビ面談を、早急に実施することができる。これにより、病気の早期発見や、病院等に行く時間の削減ができる。
【0092】
また、配信情報は、例えば推奨される生活リズムに関する情報を有する(例えば
図15(b))。配信情報として、ユーザの起床時間等の生活リズムと、ユーザの年齢、性別等において推奨される生活リズムとの比較結果等が取得される。このため、ユーザは、生活リズムを可視化でき、生活リズムの改善策を検討することができる。これにより、ユーザの日常生活の質を向上させることが可能となる。
【0093】
また、配信情報として、推奨される生活リズムが用いられる場合、例えば推奨する起床時間や散歩の時間(推奨生活リズムの時間)に配信情報を報知することができるこの場合、例えばユーザ情報管理装置1の第1送信部11が、特定の時刻に配信情報を出力装置2へ送信する。これにより、ユーザが推奨時間を事前に把握していない場合においても、日常生活の質を向上させることが可能となる。また、ユーザは、報知された配信情報に基づいて返信情報を入力することができる。このため、ユーザが高齢者や被介護者等の場合には、返信情報を管理者や他のユーザ等が確認することで、日常の安否確認方法(見守り方法)としても用いることができる。これにより、ユーザのプライバシーを尊重した上で、ユーザの見守りを実現することが可能である。
【0094】
なお、ユーザ端末3としてウェアラブル端末等が用いられた場合、例えばユーザ端末3は、ユーザの習慣情報を定期的に取得することできる。このため、ユーザ端末3が周期的に取得した習慣情報を、任意の周期でユーザ情報管理装置1に送信してもよい。この場合、ユーザ情報管理装置1は、任意の周期で習慣情報を受信する度に、総合管理装置5へ送信してもよく、任意の期間に受信した習慣情報を情報DB17に記憶させた後に、総合管理装置5へ一度に送信してもよい。
【0095】
総合管理装置5は、周期的に取得された習慣情報を取得することで、複数の習慣情報に基づいて配信情報を取得する。このため、1つの習慣情報に基づいて取得された配信情報と比較して、習慣情報の経時変化、バラつき等を踏まえた情報を取得することができる。これにより、精度の高い配信情報を取得することが可能である。
【0096】
また、周期的に習慣情報を取得することで、例えばユーザの生活リズムや生体情報の経時に基づいた配信情報を取得することができる。このため、任意の期間におけるユーザの健康状態を、容易に確認することができ、改善点等のポイントを発見し易くできる。これにより、生活リズムの向上や健康維持につなげることが可能である。
【0097】
本実施形態によれば、ユーザ情報と、配信基礎情報との関連性を分析する第1分析手段の結果に基づいて取得された配信情報が、ユーザに報知される。このため、ユーザに不要な情報は報知されず、ユーザが必要とする配信情報のみ報知できる。すなわち、ユーザは情報の取捨選択を必要としない。これにより、ユーザが必要とする情報を、ユーザ毎に配信することが可能となる。
【0098】
また、本実施形態によれば、第1分析手段により分析された連関性は、3段階以上の関連度を有する。このため、配信情報の選択肢を大幅に広げることができる。これにより、ユーザが必要とする配信情報の質を向上させることが可能である。
【0099】
また、本実施形態によれば、ユーザ情報管理装置1としてセットトップボックスが用いられ、テレビを介して配信情報が報知される。このため、高齢者や被介護者等においても、携帯端末やパーソナルコンピュータと比較して、操作を容易に行うことができる。これにより、短時間で的確にユーザが必要とする情報を取得することが可能である。また、従来のテレビを用いるため、新たに携帯端末やパーソナルコンピュータ等を購入する必要がない。これにより、従来のテレビを、セットトップボックスを介して通信網に接続し、インターネットテレビに加入するだけで、利用者限定ネットワークシステム100を利用することが可能である。
【0100】
また、本実施形態によれば、ユーザの居住情報を取得し、配信情報として、災害や緊急に関する情報を報知する。このため、ユーザ毎に的確な災害状況や避難経路等の情報を短時間で取得できる。これにより、予期しない災害時においても、ユーザ毎に最適な対応をすることが可能である。また、ユーザ毎の安否確認ができるため、行方不明者の捜索に伴う二次災害等を抑制することが可能である。
【0101】
また、ユーザ情報管理装置1及び出力装置2を、ホテル、企業、学校等の部屋毎に設置し、ユーザ情報として部屋番号等を入力してもよい。これにより、設置場所に応じた詳細な避難経路等を、適切に報知することができる。例えば、非常階段等の避難経路を部屋毎に分散して報知することで、災害時に避難経路をユーザ毎に分散でき、円滑に避難することが可能となる。
【0102】
また、本実施形態によれば、ユーザの医療情報を取得し、配信情報として、医療支援に関する情報を報知する。このため、ユーザが高齢者や被介護者等においても、医療や介護に関する手続きを容易に行うことができる。これにより、短時間で的確にユーザが必要とする情報を取得することが可能である。
【0103】
また、本実施形態によれば、ユーザの習慣情報を取得し、配信情報として、生活習慣の支援に関する情報を報知する。このため、ユーザは、生活習慣を可視化でき、生活習慣の改善策を検討することができる。これにより、ユーザの日常生活の質を向上させることが可能となる。また、ユーザが高齢者や被介護者等の場合には、配信情報の入力状況や内容を、管理者等が確認することで、日常の安否確認ができる。これにより、ユーザのプライバシーを尊重した上で、ユーザの安否確認を実現することが可能である。
【0104】
(第2実施形態:利用者限定ネットワークシステム100の動作)
次に、
図16及び
図17を参照して、第2実施形態における利用者限定ネットワークシステム100の動作の一例について説明する。第2実施形態と、第1実施形態との違いは、ユーザ情報取得手段(ステップS110)が、ユーザ基礎情報を取得する手段(ステップS111)と、ユーザ基礎情報に対応するユーザ情報を取得する手段(ステップS112)とを有する点である。他の部分に関しては、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0105】
<ユーザ基礎情報を取得する手段:ステップS111>
図16は、本実施形態における利用者限定ネットワークシステム100の動作の一例を示すフローチャートである。
図16に示すように、先ず、ユーザ情報管理装置1を介して、ユーザ基礎情報を取得する(ステップS111)。ユーザは、例えば入力部分111を用いて、ユーザ情報管理装置1にユーザ基礎情報を入力する。入力部16は、入力部分111に入力されたユーザ基礎情報を取得し、情報DB17に記憶させる。ユーザ基礎情報は、入力部分111を用いて入力される他、出力装置2から入力されてもよい。この場合、第1受信部12は、出力装置2に入力されたユーザ基礎情報を取得し、情報DB17に記憶させる。
【0106】
その後、第2送信部13は、情報DB17からユーザ基礎情報を取出し、総合管理装置5に送信する。総合管理装置5の第2受信部54は、ユーザ基礎情報を取得し、情報DB58に記憶させる。なお、ユーザ基礎情報は、情報DB17に記憶されずに、入力部16から第2送信部13を介して総合管理装置5に送信されてもよい。
【0107】
ユーザ基礎情報として、例えば、インターネットテレビ等の会員ID、マイナンバー、医療等ID等のユーザ毎に設定された文字列等が用いられる。
【0108】
<ユーザ基礎情報に対応するユーザ情報を取得する手段:ステップS112>
次に、ユーザ基礎情報に対応するユーザ情報を取得する(ステップS112)。分析部55は、情報DB58からユーザ基礎情報及び基本情報を取出す。基本情報は、ユーザ基礎情報と、ユーザ情報とを含み、例えば1つのユーザ基礎情報に対して、
図3に示した1つ以上のユーザ情報を有する。基本情報は、例えばインターネットテレビ等と契約するユーザの情報を有するデータベースや、管理者等が保有するユーザの個人情報である。基本情報は、情報DB58から取得される他、サーバ6並びに公衆通信網4を介して取得可能なインターネット上の情報から取得されてもよい。
【0109】
図17に示すように、分析部55は、基本情報を参照して、ユーザ基礎情報に対応するユーザ情報を取得する。例えば、ユーザ基礎情報「00100101」をユーザが入力したとき、ユーザ基礎情報に対応する基本情報として、「○○市▽▽町」が取得される。なお、取得されるユーザ情報の種類は、ユーザがユーザ基礎情報と同時に入力する他、管理者等が任意に設定してもよい。
【0110】
その後、上述した実施形態と同様の手段により、ユーザ毎に異なる配信情報が報知される。
【0111】
本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、ユーザ情報と、配信基礎情報との関連性を分析する第1分析手段の結果に基づいて取得された配信情報が、ユーザに報知される。このため、ユーザに不要な情報は報知されず、ユーザが必要とする配信情報のみ報知できる。これにより、ユーザが必要とする情報を、ユーザ毎に配信することが可能となる。
【0112】
また、本実施形態によれば、ユーザ基礎情報をユーザが入力することで、ユーザ情報が取得される。このため、ユーザ情報の情報量が多い場合においても、情報量の少ないユーザ基礎情報を入力するだけで、配信情報を報知できる。これにより、ユーザ基礎情報を入力する作業時間を短縮することが可能となる。また、複数のユーザ情報を入力する必要が無い。これにより、ユーザ情報の入力する回数を削減することが可能となる。また、複数のユーザ情報を入力する必要が無いため、ユーザ情報の誤入力を抑制することができる。
【0113】
(第3実施形態:利用者限定ネットワークシステム100の動作)
次に、
図18〜
図19(b)を参照して、第3実施形態における利用者限定ネットワークシステム100の動作の一例について説明する。第3実施形態と、第1実施形態との違いは、報知手段(ステップS160)が、配信情報を出力装置2に報知する手段(ステップS161)と、配信情報を他のユーザ端末7に報知する手段(ステップS162)とを有する点である。他の部分に関しては、上述した実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0114】
なお、本実施形態では、任意の周期で取得可能な習慣情報等が、ユーザ情報として用いられる場合に有効である。また、ユーザが高齢者や被介護者であり、それに対し、他のモニターが医師、介護福祉士、又は介護者等の場合において、特に有効である。
【0115】
<配信情報を出力装置2に報知する手段:ステップS161>
図18は、本実施形態における利用者限定ネットワークシステム100の動作の一例を示すフローチャートである。
図18に示すように、送信手段(ステップS150)の後、配信情報を出力装置2に報知する(ステップS161)。第1送信部11は、情報DB17から配信情報を取出し、出力装置2へ送信する。出力装置2は、配信情報を報知する。出力装置2は、
図19(a)に示すように、配信情報をディスプレイに表示する。
【0116】
<配信情報を他のユーザ端末7に報知する手段:ステップS162>
次に、配信情報に基づいて、配信情報を他のユーザ端末7に報知する(ステップS162)。例えば、ユーザ情報として用いられたユーザの血圧が、基準の範囲外であったとする。この場合、血圧が基準の範囲外のため医師、介護福祉士、又は介護者等に報告する旨が、配信情報として報知される。
【0117】
第2送信部13は、情報DB17から配信情報を取出し、公衆通信網4を介して、医師、介護福祉士、又は介護者等の保有する他のユーザ端末7に送信する。
図19(b)に示すように、他のユーザ端末7には、ユーザの血圧と、血圧が基準の範囲外である旨が、配信情報として報知される。これにより、他のユーザはユーザの健康状態を容易に確認でき、ユーザは、毎回他のユーザに報告する作業時間を削減できる。
【0118】
例えば、報知された配信情報に基づいて、ユーザと他のユーザとのテレビ面談を実施できるようにしてもよい。これにより、病気の早期発見や、病院に行く時間の削減ができる。なお、正常値の場合は、他のユーザ端末7に接続されないため、医師、介護福祉士、又は介護者等の負荷を抑制することができる。
【0119】
本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、ユーザ情報と、配信基礎情報との関連性を分析する第1分析手段の結果に基づいて取得された配信情報が、ユーザに報知される。このため、ユーザに不要な情報は報知されず、ユーザが必要とする配信情報のみ報知できる。これにより、ユーザが必要とする情報を、ユーザ毎に配信することが可能となる。
【0120】
また、本実施形態によれば、配信情報に基づいて、配信情報を他のユーザ端末7に報知する。このため、他のユーザに報知する必要のある配信情報のみを選択し、自動的に送信することができる。これにより、ユーザのプライバシーを尊重した上で、ユーザの健康状態等の確認を実現することが可能である。また、配信情報の内容を理解し、他のユーザに報告すべきか否かの判断がつけられないユーザにとっては、このような判断をする必要が無くなる。これにより、ユーザが配信情報に基づいて、他のユーザに報告すべきか否かの判断をする負荷を低減することが可能である。
【0121】
(第4実施形態:利用者限定ネットワークシステム100の動作)
次に、
図20〜
図21(b)を参照して、第4実施形態における利用者限定ネットワークシステム100の動作の一例について説明する。第4実施形態と、第1実施形態との違いは、ユーザ利用情報取得手段(ステップS210)と、反映手段(ステップS220)とをさらに備える点である。他の部分に関しては、上述した実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0122】
<ユーザ利用情報取得手段:ステップS210>
図20は、本実施形態における利用者限定ネットワークシステム100の動作の一例を示すフローチャートである。
図20に示すように、報知手段(ステップS160)の後、ユーザから入力されたユーザ利用情報を取得する(ユーザ利用情報取得手段:ステップS210)。ユーザは、例えば入力部分111を用いて、ユーザ情報管理装置1にユーザ利用情報を入力する。入力部16は、入力部分111に入力されたユーザ利用情報を取得し、情報DB17に記憶させる。ユーザ利用情報は、入力部分111を用いて入力される他、出力装置2から入力されてもよい。この場合、第1受信部12は、出力装置2に入力されたユーザ基礎情報を取得し、情報DB17に記憶させる。
【0123】
その後、第2送信部13は、情報DB17からユーザ利用情報を取出し、総合管理装置5に送信する。総合管理装置5の第2受信部54は、ユーザ利用情報を取得し、情報DB58に記憶させる。なお、ユーザ利用情報は、情報DB17に記憶されずに、入力部16から第2送信部13を介して総合管理装置5に送信されてもよい。
【0124】
ユーザ利用情報は、報知手段において報知された配信情報に対するアンケート等である。ユーザ利用情報として、例えば、配信情報に対して、ユーザの意見や改善点等が用いられる。
【0125】
<反映手段:ステップS220>
次に、ユーザ情報と、配信基礎情報との関連性に、ユーザ利用情報を反映する(反映手段:ステップS220)。分析部55は、情報DB58からユーザ利用情報及び関連性のデータベースを取得する。分析部55は、例えば、単語、形態素、句、節等、あらゆる文法上の構造単位の中から何れか1以上の単位に亘り、ユーザ利用情報から文字列の抽出を行い、関連性のデータベースに反映する。分析部55は、例えば機械学習により、ユーザ利用情報を関連性のデータベースに反映する。
【0126】
例えば、
図21(a)に示すように、ユーザに報知された配信情報「最も近い病院は、××病院です。」に対し、ユーザはユーザ利用情報「××病院よりも◇◇病院のほうが近かった」を入力する。この場合、ユーザ利用情報を、関連性のデータベースに反映することで、例えば
図21(b)に示すように、「××病院に近い地区」の関連度が30%から20%に減少し、「◇◇病院に近い地区」の関連度が20%から30%に増加する。これにより、配信情報として取得される情報の内容を更新することができる。
【0127】
本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、ユーザ情報と、配信基礎情報との関連性を分析する第1分析手段の結果に基づいて取得された配信情報が、ユーザに報知される。このため、ユーザに不要な情報は報知されず、ユーザが必要とする配信情報のみ報知できる。これにより、ユーザが必要とする情報を、ユーザ毎に配信することが可能となる。
【0128】
また、本実施形態によれば、ユーザ情報と、配信基礎情報との関連性に、ユーザ利用情報を反映させる。このため、報知された配信情報に対するユーザの反応を取り入れることができる。これにより、ユーザが必要とする配信情報の質を向上させることが可能である。
【0129】
(第5実施形態:利用者限定ネットワークシステム100の動作)
次に、
図22〜
図24(b)を参照して、第5実施形態における利用者限定ネットワークシステム100の動作の一例について説明する。第5実施形態と、第1実施形態との違いは、配信情報取得手段(ステップS140)が、追加情報を取得する手段(ステップS141)と、第1分析手段の結果及び追加情報に基づいて、配信情報を取得する手段(ステップS142)とを有する点である。他の部分に関しては、上述した実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0130】
<追加情報を取得する手段:ステップS141>
図22は、本実施形態における利用者限定ネットワークシステム100の動作の一例を示すフローチャートである。
図22に示すように、第1分析手段(ステップS130)の後、第1分析手段の結果に基づいて、追加情報を取得する(ステップS141)。分析部55は、例えば、追加情報のデータベースを、情報DB58等から取出す。分析部55は、ユーザ情報と関連度の高い配信基礎情報に基づき、追加情報のデータベースを参照して、追加情報を取得する。分析部55は、例えば、取得した追加情報を、情報DB58に記憶させる。
【0131】
追加情報として、例えば、過去の台風被害情報、水害ハザードマップ等の1つの分野に特化した情報が用いられる。この他、追加情報として、例えば公衆通信網4を介して取得可能なインターネット上において、台風速報、水害速報等の随時更新されている情報が用いられてもよい。
【0132】
<配信情報を取得する手段:ステップS142>
次に、第1分析手段の結果及び追加情報に基づいて、配信情報を取得する(ステップS142)。分析部55は、ユーザ情報と関連度の高い配信基礎情報、及び追加情報に基づき、配信情報のデータベースを参照して、ユーザに最適な配信情報を取得する。分析情報は、取得した配信情報を、情報DB58に記憶させる。
【0133】
例えば
図23に示すように、追加情報として「水害最新情報」を取得した場合、配信情報には「○○川が氾濫した」等の最新の情報を付加することができる。また、追加情報として「水害ハザードマップ」を取得した場合、配信情報には「▽▽市役所まで避難」等の詳細な情報を付加知することができる。
【0134】
その後、上述した実施形態と同様の手段により、ユーザ毎に異なる配信情報が報知される。このとき、例えば
図24(a)及び
図24(b)に示すように、各ユーザに報知される配信情報は、
図9(a)及び
図9(b)に示した配信情報に比べて、詳細な内容や最新の内容を含めることができる。また、例えば追加情報が随時更新される場合、更新される毎に配信情報を取得し、報知するように設定することで、ユーザはリアルタイムで必要とする情報を取得することが可能である。配信情報の取得及び報知するタイミングは、追加情報が更新されるタイミングの他、ユーザや管理者等が任意に周期を設定してもよい。
【0135】
上記に加え、例えば出力装置2に報知された配信情報に基づいて、ユーザが返信情報を入力し、他のユーザ端末7又は総合管理装置5に送信してもよい。これにより、災害時の安否確認を容易に行うことができる。
【0136】
本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、ユーザ情報と、配信基礎情報との関連性を分析する第1分析手段の結果に基づいて取得された配信情報が、ユーザに報知される。このため、ユーザに不要な情報は報知されず、ユーザが必要とする配信情報のみ報知できる。これにより、ユーザが必要とする情報を、ユーザ毎に配信することが可能となる。
【0137】
また、本実施形態によれば、第1分析手段の結果及び追加情報に基づいて、配信情報を取得する。このため、第1分析手段の結果のみに基づいて取得された配信情報に比べて、詳細な内容や最新の内容を含めることができる。これにより、配信情報の質を向上させることが可能である。
【0138】
(第6実施形態:利用者限定ネットワークシステム200の構成)
次に、
図25〜
図26(b)を参照して、第6実施形態における利用者限定ネットワークシステム200の構成の一例について説明する。第6実施形態と、第1実施形態との違いは、監視装置8をさらに備え、ユーザ情報が監視装置8から送信される監視データである点である。すなわち、本実施形態では、ユーザが外出中にユーザ情報が送信され、配信情報としてセキュリティに関する情報がユーザ端末3に報知される。上述した実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0139】
図25は、本実施形態における利用者限定ネットワークシステム200の全体構成を示すブロック図である。なお、ユーザ情報管理装置1は、
図1と同様に複数設けられてもよい。
【0140】
<監視装置8>
図25に示すように、利用者限定ネットワークシステム200は、監視装置8をさらに備える。監視装置8は、ユーザ情報管理装置1に接続され、例えば入力部分111と同様のI/F108に接続される。監視装置8は、例えば無線通信網を介して接続されてもよい。監視装置8は、例えば防犯カメラ等の画像を取得する装置である。なお、監視装置8は、例えば音を集めるマイク等の他、施錠を制御するスマートロックや、赤外線センサ、温度感知器等でもよい。
【0141】
<ユーザ情報:監視情報>
ユーザ情報は、監視装置8から取得された監視情報を有する。監視情報として、例えば監視装置8が撮影した画像が用いられる。なお、監視装置8が映像を撮影する場合、複数の画像が監視情報として用いられる。監視装置8は、ユーザが設定する任意の周期で撮影し、ユーザ情報管理装置1に画像(ユーザ情報)を送信する。監視情報として画像が用いられる他、例えば、音声、施錠等の制御、センサ反応、温度感知等に関する情報が用いられてもよい。
【0142】
監視情報に基づいて、配信基礎情報として、セキュリティに関する情報が用いられる。この場合、配信基礎情報は、人物の特徴、動物の特徴、植物の特徴、建物等の特徴、車の特徴等の情報を有する。
【0143】
総合管理装置5の分析部55は、例えばユーザ情報として取得した画像の画素毎における輝度値等に基づき特徴量を抽出し、抽出された特徴量から画像を分類する。その後、分類された画像と、配信基礎情報との関連性を分析し、分析結果に基づいて、配信情報を取得する。なお、ユーザ情報が映像を有する場合、分析部55は複数の画像として処理できる。
【0144】
この場合、配信情報は、例えばセキュリティに関する情報を有する(例えば
図26(a)、(b))。例えば、ユーザ情報の内、任意の期間に人物と判断できる画像が撮影されていた場合、ユーザ情報管理装置1に配信情報を配信する。ユーザ情報管理装置1は、例えば出力装置2に配信情報を送信し、返信情報が受信されないことで、ユーザが留守と判断する。このとき、ユーザ情報管理装置1は、ユーザ端末3に配信情報を送信する。ユーザ端末3には、配信情報として、監視装置8に不審な画像を撮影した旨の情報が取得される。このため、不在時の状況を必要な時のみ確認できる。なお、ユーザが外出するとき、ユーザ情報管理装置1に不在の情報が入力され、不在の情報に基づいてユーザ情報管理装置1がユーザ端末3に配信情報を送信してもよい。
【0145】
なお、監視装置8を居住空間に設置し、高齢者や被介護者の見守りを目的として用いてもよい。この場合、例えばユーザ情報の内、任意の期間に人物が移動した形跡のない画像が撮影されていた場合、配信情報をユーザ端末3に配信する。配信情報として、高齢者や被介護者の動きが確認できない旨の情報が取得される。このため、高齢者や被介護者に異常が発生した可能性のある時のみ、ユーザに知らせることができる。これにより、高齢者や被介護者のプライバシーを侵害することなく、見守りを実施することが可能である。
【0146】
また、監視装置8として、例えばインターネットに接続可能な家電製品(例えばIoTデバイス)が用いられ、高齢者や被介護者の見守りを目的として用いてもよい。この場合、ユーザ情報として、家電製品の稼働データが用いられ、例えば、洗濯機、電子レンジ、トイレ等の使用状況、目覚まし時計のアラームを止めたタイミング等の情報が用いられる。また、配信基礎情報は、各家電製品における1日の平均使用頻度、平均使用時間、平均使用時間帯等を有する。この場合、例えば配信基礎情報に基づいて、ユーザが家電製品を稼働させていない(ユーザ情報がユーザ情報管理装置1に取得されない)場合、配信情報をユーザ端末3に配信する。配信情報として、高齢者や被介護者が家電製品を稼働させていない旨の情報が取得される。このため、高齢者や被介護者に異常が発生した可能性のある時のみ、ユーザに知らせることができる。これにより、高齢者や被介護者のプライバシーを侵害することなく、見守りを実施することが可能である。なお、監視装置8の代わりに、出力装置2が用いられ、ユーザ情報として、出力装置2の電源ON/OFFのタイミング、チャンネル切り替えのタイミング等の情報が用いられてもよい。
【0147】
本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、ユーザ情報と、配信基礎情報との関連性を分析する第1分析手段の結果に基づいて取得された配信情報が、ユーザに報知される。このため、ユーザに不要な情報は報知されず、ユーザが必要とする配信情報のみ報知できる。これにより、ユーザが必要とする情報を、ユーザ毎に配信することが可能となる。
【0148】
また、本実施形態によれば、監視装置8で撮影された情報を、ユーザ情報として用いる。このため、不在時おける家の状況を、必要な時のみ確認することができる。これにより、不在時における防犯対策を強化し、被害を最小限に抑えることが可能となる。
【0149】
なお、上述した各実施形態において、総合管理装置5の分析部55は、例えばユーザ情報管理装置1内に設けられてもよい。この場合においても、上述した各実施形態の効果を得ることが可能である。
【0150】
また、上述した各実施形態において、複数のユーザ情報が入力されてもよい。この場合、状況に応じて各配信情報がユーザに報知される。例えば、複数のユーザ情報を入力した後、報知される配信情報をユーザが選択できるようにしてもよい。
【0151】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【解決手段】通信網を介してユーザ毎に情報を提供する利用者限定ネットワークシステムであって、ユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、前記ユーザ情報に対応する配信基礎情報を取得する配信基礎情報取得手段と、前記ユーザ情報と、前記配信基礎情報との関連性を分析する第1分析手段と、前記第1分析手段の結果に基づいて、配信情報を取得する配信情報取得手段と、前記配信情報をユーザ情報管理装置に送信する送信手段と、前記配信情報を報知する報知手段と、を備えることを特徴とする。