【文献】
"ETSI TS 102 606 V1.1.1 (2007-10)",[online], ETSI,2007年10月,[平成29年3月3日検索],インターネット,URL,http://www.etsi.org/deliver/etsi_ts/102600_102699/102606/01.01.01_60/ts_102606v010101p.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ペイロードがインプットパケットの分割されたセグメントのうちの一つを含む場合、前記ヘッダーは、前記リンク層パケットに含まれるセグメントの対応するインプットパケット内の順序を示すセグメントシーケンスナンバーの情報をさらに含む、請求項1に記載の放送信号伝送方法。
前記ヘッダーは、前記リンク層パケットに含まれるセグメントが対応するインプットパケットの最後のセグメントであるか否かを示す最後のセグメント指示子をさらに含む、請求項2に記載の放送信号伝送方法。
前記ペイロードが前記複数個のインプットパケットを含む場合、前記ヘッダーは、前記リンク層パケットに含まれるインプットパケットの個数を示すカウント情報をさらに含む、請求項1に記載の放送信号伝送方法。
前記ヘッダーは、前記リンク層パケットに含まれるそれぞれのインプットパケットの長さを示すコンポーネント長さ情報をさらに含む、請求項4に記載の放送信号伝送方法。
前記コンポーネント長さ情報のそれぞれは、対応するインプットパケットがペイロードに位置する順序と同じ順序でヘッダーに位置する、請求項5に記載の放送信号伝送方法。
前記ペイロードがインプットパケットの分割されたセグメントのうちの一つを含む場合、前記ヘッダーは、前記リンク層パケットに含まれるセグメントの対応するインプットパケット内の順序を示すセグメントシーケンスナンバーの情報をさらに含む、請求項9に記載の放送信号伝送装置。
前記ヘッダーは、前記リンク層パケットに含まれるセグメントが対応するインプットパケットの最後のセグメントであるか否かを示す最後のセグメント指示子をさらに含む、請求項10に記載の放送信号伝送装置。
前記ペイロードが前記複数個のインプットパケットを含む場合、前記ヘッダーは、前記リンク層パケットに含まれるインプットパケットの個数を示すカウント情報をさらに含む、請求項9に記載の放送信号伝送装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面及び添付図面に記載された内容を参照して本発明の実施例を詳しく説明するが、本発明がこれらの実施例に制限されたり限定されるものではない。
【0012】
本明細書で使われる用語は、本発明における機能を考慮するとともに、可能な限り、現在広く使われている一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図、慣例又は新しい技術の出現などによって変更されてもよい。また、特定の場合には出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明の説明部分においてその意味を記載するものとする。したがって、本明細書で使われる用語は、単純な用語の名称ではなく、その実質的な意味と本明細書の全般にわたる内容に基づいて解釈されなければならないことは明らかである。
【0013】
本明細書でいう「シグナリング」とは、放送システム、インターネット放送システム及び/又は放送/インターネット融合システムで提供されるサービス情報(Service Information;SI)を伝送/受信することを意味する。サービス情報は、現存の各放送システムから提供される放送サービス情報(例えば、ATSC−SI及び/又はDVB−SI)を含む。
【0014】
本明細書において、「放送信号」は、地上波放送、ケーブル放送、衛星放送、及び/又はモバイル放送の他にも、インターネット放送、ブロードバンド放送、通信放送、データ放送及び/又はVOD(Video On Demand)などの両方向放送で提供される信号及び/又はデータを含む概念と定義する。
【0015】
本明細書でいう「PLP」とは、物理層に属するデータを送信する一定のユニットを意味する。したがって、本明細書で「PLP」と命名された内容は、「データユニット」又は「データパイプ(data pipe)」に言い換えてもよい。
【0016】
デジタル放送(DTV)サービスで活用される有力なアプリケーションの一つとして、放送網とインターネットとの連動を用いたハイブリッド放送サービスを挙げることができる。ハイブリッド放送サービスは、地上波放送網を介して伝送される放送A/V(Audio/Video)コンテンツと関連したエンハンスメントデータ(enhancement data)或いは放送A/Vコンテンツの一部をインターネットを介して実時間で伝送し、ユーザにとって様々なコンテンツを経験することができる。
【0017】
本発明は、次世代デジタル放送システムにおいて、IPパケット、MPEG−2 TSパケット、その他放送システムで使用可能なパケットを物理層に伝達可能となるようにカプセル化(encapsulation)する方法を提示することを目的とする。また、同じヘッダーフォーマットで第2層シグナリング(layer 2 signaling)も併せて伝送できるようにする方法も提案する。
【0018】
以下に説明する内容は、装置で具現することができる。例えば、シグナリング処理部、プロトコル処理部、プロセッサ及び/又はパケット生成部で下記の過程を実行することができる。
【0019】
本発明は、次世代放送サービスのための放送信号を送受信できる装置及び方法を提供することを目的とする。本発明の一実施例に係る次世代放送サービスは、地上波放送サービス、モバイル放送サービス及びUHDTV(Ultra High Definition Television)サービスなどを含む概念である。本発明は、上述した次世代放送サービスのための放送信号を非MIMO(non−MIMO(Multi Input Multi Output))方式又はMIMO方式で処理することを一実施例とすることができる。本発明の一実施例に係る非MIMO方式は、MISO(Multi Input Single Output)、SISO(Single Input Single Output)方式などを含むことができる。
【0020】
以下では、説明の便宜のために、MISO又はMIMOにおける多重アンテナとして2個のアンテナを取り上げて説明するが、このような本発明の説明は、2個以上のアンテナを使用するシステムにも適用可能である。
【0021】
図1は、本発明の一実施例に係る、ハイブリッドベースの次世代放送システムのためのプロトコルスタック(Protocol Stack)を示す図である。
【0022】
本発明では、
図1に示すデータリンク(data link)(カプセル化)部分の構造を提案し、上位層(upper layer)から伝達されるMPEG−2 TS(Transport Stream)及び/又はIP(Internet Protocol)パケットを物理層(physical layer)に伝達する方案を提案する。また、物理層の動作に必要なシグナリング伝達方案を提案し、後に上位層で新しいパケットタイプの伝送が考慮される時、それを物理層に伝達できる基盤を構築する。
【0023】
このプロトコル層(protocol layer)は、データリンク層(Data Link Layer)、カプセル化層(Encapsulation Layer)、第2層(Layer 2)などの色々な用語と呼ぶことができるが、本発明では、リンク層(link layer)と呼ぶ。実際に本発明を適用するにあたっては、リンク層(link layer)に代替用語を使ってもよく、この層に新しい名称を与えてもよい。
【0024】
本発明に係る放送システムは、IP中心ブロードキャストネットワーク(IP centric broadcast network)とブロードバンドとが結合されたハイブリッド放送システムに相当すればよい。
【0025】
本発明に係る放送システムは、既存のMPEG−2ベースの放送システムとの互換性を維持するように設計されてもよい。
【0026】
本発明に係る放送システムは、IP中心ブロードキャストネットワークブロードバンドネットワーク、及び/又は移動通信ネットワーク(mobile communication network or cellular network)の結合に基づくハイブリッド放送システムに相当してもよい。
【0027】
図1を参照すると、物理層は、ATSCシステム及び/又はDVBシステムのような放送システムで採用する物理的プロトコルを用いることができる。
【0028】
カプセル化層では、物理層から取得した情報から、IPデータグラム(datagram)を取得したり、取得されたIPデータグラムを特定フレーム(例えば、RS Frame、GSE−lite、GSE或いは信号フレームなど)に変換する。ここで、フレームは、IPデータグラムの集合を含むことができる。
【0029】
FAC(fast access channel)は、サービス及び/又はコンテンツに接近可能にするための情報(例、サービスIDとフレーム間のマッピング情報など)を含む。
【0030】
本発明の放送システムは、IP、UDP(User Datagram Protocol)、TCP(Transmission Control Protocol)、ALC/LCT(Asynchronous Layered Coding/Layered Coding Transport)、RCP/RTCP(Rate Control Protocol/RTP Control Protocol)、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)、FLUTE(File Delivery over Unidirectional Transport)などのプロトコルを用いることができる。これらのプロトコル間のスタックとしては、
図1に示す構造を参照することができる。
【0031】
本発明の放送システムにおいてデータは、ISOBMFF(ISO base media file format)の形態で伝送することができる。ESG(Electrical Service Guide)、NRT(Non Real Time)、A/V(Audio/Video)及び/又は一般データをISOBMFFの形態で伝送することができる。
【0032】
ブロードキャストネットワークによるデータの伝送は、リニアコンテンツ(linear content)の伝送及び/又は非リニアコンテンツ(non−linear content)の伝送を含むことができる。
【0033】
RTP/RTCPベースA/V、データ(クローズドキャプション(closed caption)、緊急警報メッセージ(emergency alert message)など)伝送は、リニアコンテンツの伝送に該当し得る。
【0034】
RTPペイロードは、NAL(Network Abstraction Layer)が含まれたRTP/AVストリームの形態及び/又はISOBMFFにカプセル化された形態で伝送されてもよい。RTPペイロードの伝送は、リニアコンテンツの伝送に該当してもよい。ISOBMFFにカプセル化された形態の伝送は、A/Vなどに対するMPEG DASHメディアセグメント(MPEG DASH media segment)を含むことができる。
【0035】
FLUTEベースESGの伝送、非同期型データ(non−timed data)の伝送、NRTコンテンツの伝送は、非リニアコンテンツの伝送に該当してもよい。これらは、MIMEタイプのファイル形態及び/又はISOBMFFにカプセル化された形態で伝送されてもよい。ISOBMFFにカプセル化された形態の伝送は、A/Vなどに対するMPEG DASHメディアセグメントを含むことができる。
【0036】
ブロードバンドネットワークによる伝送は、コンテンツに対する伝送とシグナリングデータに対する伝送とに区分して考えることができる。
【0037】
コンテンツの伝送は、リニアコンテンツ(A/V、データ(クローズドキャプション、緊急警報メッセージなど)の伝送と非リニアコンテンツ(ESG、非同期型データなど)の伝送、MPEG DASHベースメディアセグメント(A/V、データ)伝送を含む。
【0038】
シグナリングデータの伝送は、放送網で伝送されるシグナリングテーブル(signaling table)(MPEG DASHのMPDを含む)を含む伝送が可能である。
【0039】
本発明の放送システムでは、放送網を介して送信されたリニア/非リニアコンテンツ間の同期化、或いは放送網を介して伝送されるコンテンツとブロードバンドを介して送信されたコンテンツとの同期化を支援することができる。例えば、一つのUDコンテンツが分離されて放送網とブロードバンドを介して同時に伝送される場合、受信機は、伝送プロトコルに依存するタイムライン(timeline)を調整し、放送網のコンテンツとブロードバンドのコンテンツとを同期化した後、一つのUDコンテンツとして再構成することができる。
【0040】
本発明の放送システムのアプリケーション層は、両方向性(Interactivity)、個人化(Personalization)、第2スクリーン(Second Screen)、ACR(automatic content recognition)などの技術的特徴を具現することができる。このような特徴は、例えば、北米放送標準であるATSC2.0からATSC3.0への拡張において重要な特徴である。例えば、両方向性の特徴のために、HTML5を用いることができる。
【0041】
本発明の放送システムにおけるプレゼンテーション層では、コンポーネント間又は両方向アプリケーション間の空間的、時間的関係を識別するためにHTML及び/又はHTML5を用いることができる。
【0042】
本発明の他の実施例に係る放送システムは、前述した放送システムに一部を追加したり、一部を変更するものに該当するので、個々の構成に関する説明については前述の放送システムに関する説明を参照されたい。
【0043】
本発明の他の実施例に係る放送システムは、MPEG−2システムとの互換性を維持するシステム構造を含む。例えば、既存のMPEG−2システムで送信する線形/非リニアコンテンツをATSC3.0システムで受信及び動作可能なように支援したり、ATSC3.0システムに受信されたデータの形態、すなわち、MPEG−2 TSか或いはIPデータグラムかによって、A/V、データに対する処理を流動的に調節することができる。
【0044】
本発明の他の実施例に係る放送システムのカプセル化層では、物理層から取得した情報/データをMPEG−2 TS或いはIPデータグラムに変換したり、或いはIPデータグラムを用いて特定フレーム(例えば、RSフレーム、GSE−lite、GSE或いは信号フレームなど)に変換する。
【0045】
本発明の他の実施例に係る放送システムは、放送網を介したサービス/コンテンツの取得のために、MPEG−2 TSか或いはIPデータグラムかによって流動的に取得可能にするシグナリング情報を含む。すなわち、放送システムにおいて、シグナリング情報の取得は、MPEG−2 TSベースからシグナリング情報を取得したり、UDPプロトコルによるデータからシグナリング情報を取得することができる。
【0046】
本発明の放送システムでは、MPEG−2 TS及び/又はIPデータグラムにカプセル化された放送網ベースのリニア/非リニアコンテンツ間の同期化を支援することができる。又は、放送網及びブロードバンドを介してそれぞれ送信されたコンテンツフラグメント間の同期化を支援することができる。例えば、一つのUDコンテンツが分離されて放送網とブロードバンドを介して同時に伝送される場合、受信機は、伝送プロトコルに依存するタイムラインを調整し、放送網のコンテンツとブロードバンドのコンテンツとを同期化した後、一つのUDコンテンツとして再構成することができる。
【0047】
図2は、本発明の一実施例に係るリンク層(link layer)のインターフェース(interface)を示す図である。
【0048】
送信機では、デジタル放送で主に使用するIPパケット及び/又はMPEG−2 TSパケットが入力として受信される場合を考慮することができる。送信機は、将来の次世代放送で使用可能な新しいプロトコルのパケットの構造も支援可能にする。リンク層でカプセル化されたデータとシグナリングは物理層に伝達される。送信機は、伝達されたデータ(シグナリングデータを含む)に対して、放送システムが支援する物理層のプロトコルに合う処理を行って、該当のデータを含む信号(signal)を送出する。
【0049】
一方、受信機では、物理層から伝達されたデータとシグナリングを、上位層で処理可能なデータの形態に復元する。受信機は、パケットのヘッダーを読んだり、以下に説明するその他の方法で、物理層から伝達されるパケットがシグナリング(或いはシグナリングデータ)であるか又はデータ(或いはコンテンツデータ)であるかを区別することができる。
【0050】
送信機のリンク層(link layer)から伝達されるシグナリング(すなわち、シグナリングデータ)は、上位層から伝達されて、受信機の上位層に伝達されるべきシグナリング、リンク層で生成されて、受信機のリンク層におけるデータの処理に関する情報を提供するためのシグナリング、及び/又は上位層又はリンク層で生成されるが、物理層で特定データ(例えば、サービス、コンテンツ及び/又はシグナリングデータ)に対する速い探知(detection)のために伝達されるシグナリングを含むことができる。
【0051】
図3は、本発明の一実施例に係るリンク層のパケットの構造を示す図である。
【0052】
本発明の一実施例によれば、リンク層のパケットは、固定ヘッダー(Fixed Header)、拡張ヘッダー(Extended Header)及び/又はペイロード(payload)を含むことができる。
【0053】
固定ヘッダーは、サイズが固定されたヘッダーである。例えば、固定ヘッダーは、1バイトのサイズを有することができる。拡張ヘッダーは、サイズが変更可能なヘッダーである。固定ヘッダーと拡張ヘッダーに続いて、上位層から伝達されるデータを含むペイロードが位置する。
【0054】
固定ヘッダーは、パケットタイプ(Packet type)エレメント(element)及び/又は指示子パート(Indicator Part)エレメントを含むことができる。
【0055】
パケットタイプエレメントは3ビットのサイズを有することができる。パケットタイプエレメントは、上位層(リンク層の上位層)のパケットタイプを識別する。パケットタイプエレメントの値によって識別されるパケットのタイプは後述する。
【0056】
指示子パートエレメントは、ペイロードの構成方法及び/又は拡張ヘッダーの構成情報を含むことができる。指示子パートエレメントが示す構成方法及び/又は構成情報は、パケットのタイプによって異なってもよい。
【0057】
図4は、本発明の一実施例に係るパケットタイプエレメントの値に従うパケットのタイプを示す図である。
【0058】
例えば、パケットタイプエレメントの値が「000」を有する場合、上位層からリンク層へ伝達されるパケットがIPv4(Internet Protocol version 4)のパケットであることを示す。
【0059】
パケットタイプエレメントの値が「001」を有する場合、上位層からリンク層へ伝達されるパケットがIPv6(Internet Protocol version 6)のパケットであることを示す。
【0060】
パケットタイプエレメントの値が「010」を有する場合、上位層からリンク層へ伝達されるパケットが圧縮された(Compressed)IPパケットであることを示す。
【0061】
パケットタイプエレメントの値が「011」を有する場合、上位層からリンク層へ伝達されるパケットがMPEG−2 TSのパケットであることを示す。
【0062】
パケットタイプエレメントの値が「101」を有する場合、上位層からリンク層へ伝達されるパケットがパケット化されたストリーム(Packetized Stream)のパケットであることを示す。例えば、パケット化されたストリームは、MPEGメディア伝送パケット(MPEG media transport packet)に該当してもよい。
【0063】
パケットタイプエレメントの値が「110」を有する場合、上位層からリンク層へ伝達されるパケットがシグナリング(シグナリングデータ)を伝達するパケットであることを示す。
【0064】
パケットタイプエレメントの値が「111」を有する場合、上位層からリンク層へ伝達されるパケットがFramed_Packet_typeであることを示すことができる。
【0065】
図5は、本発明の一実施例に係る、リンク層にIPパケットが伝達される場合、リンク層のパケットのヘッダーの構造を示す図である。
【0066】
IPパケットがリンク層の入力(input)として取り込まれると、パケットタイプエレメントの値は、000B(000の3ビット)又は001B(001の3ビット)となる。
【0067】
IPパケットが入力される場合、リンク層のパケットのヘッダーを参照すると、パケットタイプエレメントに続く指示子パートエレメントは、C/S(Concatenation/Segmentation)フィールド及び/又は3ビットの付加フィールド(以下「付加フィールド」という。)を含むことができる。
【0068】
リンク層のパケットは、パケットタイプエレメントに続く2ビットのC/Sフィールドによって、固定ヘッダーの付加フィールド及び拡張ヘッダーの情報が決定される。
【0069】
C/Sフィールドは、入力されたIPパケットが処理される形態を表示し、それによる拡張ヘッダーの長さに関する情報を内包している。
【0070】
一実施例によれば、C/Sフィールドの値が00B(00の2ビット)であると、リンク層パケットのペイロードがノーマルパケット(normal packet)を含む場合に該当する。ノーマルパケットは、入力されたIPパケットがそのままリンク層パケットのペイロードとなるということを意味する。この場合、固定ヘッダー部分の付加フィールドは使用されず、後の使用のために予約(reserve)される。この場合、拡張ヘッダーは用いられなくてもよい。
【0071】
C/Sフィールドの値が01B(01の2ビット)であると、リンク層パケットのペイロードが連結パケット(concatenated packet)を含む場合に該当する。連結パケットは、一つ以上のIPパケットを含む。すなわち、一つ以上のIPパケットがリンク層パケットのペイロードに含まれてもよい。このとき、拡張ヘッダーは用いられず、C/Sフィールドに続く付加フィールドはカウントフィールド(count field)として使用される。カウントフィールドに関する詳細な内容は後述する。
【0072】
C/Sフィールドの値が10B(10の2ビット)であると、ペイロードが分割パケット(segmented packet)で構成される場合に該当する。分割パケットは、一つのIPパケットを複数のセグメントに分け、それらセグメントのうち一つのセグメントを含むパケットである。すなわち、リンク層パケットのペイロードは、IPパケットに含まれる複数のセグメントのいずれか一つを含む。C/Sフィールドに続く付加フィールドはセグメント識別子(segment ID)として使用される。セグメント識別子は、セグメントを固有に識別する情報である。セグメント識別子は、IPパケットが分割(segmentation)された時に与えられるIDであって、後でそれぞれ伝送されるセグメントを一つに合わせる場合、同じIPパケットの構成要素であることを認知させる。セグメント識別子は3ビットのサイズを有することができ、同時に8個のIPパケットの分割(segmentation)を支援する。例えば、一つのIPパケットから分割されたセグメントは、同じセグメント識別子を有することができる。この場合、拡張ヘッダーは、1バイトの長さを有することができる。この場合、拡張ヘッダーは、Seg_SNフィールド(セグメントシーケンス番号フィールド(Segment Sequence Number field))及び/又はSeg_Len_IDフィールド(セグメント長識別子(Segment Length ID field))を含むことができる。
【0073】
Seg_SNフィールドは、4ビットの長さを有することができ、IPパケットにおいて当該セグメントのシーケンス番号を示す。Seg_SNフィールドIPパケットが分割されたとき、各セグメントの順序を確認するために用いるフィールドである。したがって、一つのIPパケットから分割されたペイロードを含むリンク層パケットは同じセグメント識別子(Seg_ID)を有するが、異なるSeg_SNフィールドの値を有する。Seg_SNフィールドは4ビットのサイズを有することができ、このとき、一つのIPパケットは最大16個まで分割が可能である。IPパケットをより多数のセグメントに分割するには、Seg_SNフィールドのサイズを拡張して、セグメントの順序及び/又は個数を示すことができる。
【0074】
Seg_Len_IDフィールドは、4ビットの長さを有することができ、セグメントの長さを識別する識別子である。Seg_Len_IDフィールドの値による実際セグメントの長さは、後述するテーブルによって識別することができる。Seg_Len_IDフィールドの代わりに実際セグメントの長さ値をシグナリングする場合、4ビットのSeg_Len_IDフィールドを12ビットのセグメント長フィールド(Segment length field)に拡張してもよく、この場合、2バイトの拡張ヘッダーをリンク層パケットに含めることができる。
【0075】
C/Sフィールドの値が11B(11の2ビット)であると、C/Sフィールド値が10Bである場合と同様に、ペイロードが分割パケット(segmented packet)を含む場合に該当する。ただし、一つのIPパケットから分割されたセグメントのうち最後に位置した(最後の順序の)セグメントがペイロードに含まれることを意味する。受信機は、セグメントを集めて一つのIPパケットとして再構成する際、C/Sフィールドの値を用いて、最後のセグメントを送信するリンク層パケットを識別し、当該パケットのペイロードに含まれたセグメントをIPパケットの最後のセグメントとして認識することができる。C/Sフィールドに続く付加フィールドはセグメント識別子(segment ID)として使用される。この場合、拡張ヘッダーは2バイトの長さを有することができる。拡張ヘッダーは、Seg_SNフィールド(Segment Sequence Number field)及び/又はL_Seg_Lenフィールド(Last Segment Length field)を含む。
【0076】
L_Seg_Lenフィールド(最後のセグメント長フィールド(Last Segment Length field))は、最後のセグメントの実際長さを示す。Seg_Len_IDフィールドを用いてIPパケットの先頭から同じサイズに分割すると、最後のセグメントは、前の他のセグメントのサイズと異なるサイズを有することがある。このため、L_Seg_Lenフィールドを用いて、セグメントの長さを直接表示してもよい。L_Seg_Lenフィールドの割り当てられたビット数によって異なってもよいが、本願の一実施例に係るビット数の割り当てによれば、L_Seg_Lenフィールドは、最後のセグメントの長さが1〜4095バイトであることを表示することができる。
【0077】
すなわち、一つのIPパケットを複数のセグメントに分割する場合、一定の長さのセグメントに分割することができるが、最後のセグメントの長さはIPパケットの長さによって異なってもよい。このため、最後のセグメントの長さを別にシグナリングする必要がある。同一名称を有するフィールドに関する説明は、前述した説明におけるそれを参照すればいい。
【0078】
図6は、本発明の一実施例に係る、C/Sフィールドの値に従う意味とヘッダーの構成情報を示す図である。
【0079】
C/Sフィールドの値が00の場合、ノーマルパケットがリンク層パケットのペイロードに含まれ、付加フィールドは予約(reserved)された状態であることを示す。一方、拡張ヘッダーはリンク層パケットに含まれなくてもよい。この場合、リンク層パケットのヘッダーの総長さは1バイトでよい。
【0080】
C/Sフィールドの値が01の場合、連結パケットがリンク層パケットのペイロードに含まれ、付加フィールドはカウントフィールドとして用いられてもよい。カウントフィールドに関する内容は後述される。一方、拡張ヘッダーはリンク層パケットに含まれなくてもよい。この場合、リンク層パケットのヘッダーの総長さは、1バイトであってもよい。
【0081】
C/Sフィールドの値が10の場合、分割パケットがリンク層パケットのペイロードに含まれ、付加フィールドはセグメント識別子(segment ID)として用いられてもよい。一方、拡張ヘッダーがリンク層パケットに含まれてもよい、拡張ヘッダーは、Seg_SNフィールド及び/又はSeg_Len_IDフィールドを含むことができる。Seg_SNフィールド又はSeg_Len_IDフィールドに関する内容は、前述した説明又は後述する説明に代える。リンク層パケットのヘッダーの総長さは2バイトであってもよい。
【0082】
C/Sフィールドの値が11の場合、分割パケット(最後のセグメントを含むパケット)がリンク層パケットのペイロードに含まれ、付加フィールドはセグメント識別子(segment ID)として用いられてもよい。一方、拡張ヘッダーがリンク層パケットに含まれてもよい。拡張ヘッダーは、Seg_SNフィールド及び/又はL_Seg_Lenフィールドを含むことができる。Seg_SNフィールド又はL_Seg_Lenフィールドに関する内容は、前述した説明又は後述する説明に代える。リンク層パケットのヘッダーの総長さは3バイトであってもよい。
【0083】
図7は、本発明の一実施例に係るカウントフィールドの値に従う意味を示す図である。
【0084】
カウントフィールド(Count field)は、リンク層パケットのペイロードが連結パケット(Concatenated packet)を含む場合に用いることができる。カウントフィールドは、いくつのIPパケットが一つのペイロードに含まれているか示す。カウントフィールドの値はそのまま連結(concatenation)されるIPパケットの個数を示してもよいが、0個又は1個の連結(concatenation)は意味がないので、カウントフィールドは、カウントフィールドの値に2を加えた個数のIPパケットがペイロードに含まれることを示すことができる。一実施例によれば、カウントフィールドには3ビットを割り当てることができるので、最大9個のIPパケットが一つのリンク層パケットのペイロードに含まれていることを示すことができる。より多数のIPパケットが一つのペイロードに含まれる必要がある場合、カウントフィールドの長さを拡張したり、拡張ヘッダーで9個以上のIPパケットの個数に対してさらにシグナリングしたりしてもよい。
【0085】
図8は、本発明の一実施例に係るSeg_Len_IDフィールドの値に従う意味及びセグメントの長さを計算する式を示す図である。
【0086】
Seg_Len_IDフィールドは、複数のセグメントのうち最後のセグメントを除外したセグメントの長さを表現するために用いられる。セグメントの長さを表示するために必要とするヘッダーのオーバーヘッド(overhead)を減らすために、セグメントが有し得るサイズを16個に制限することができる。
【0087】
物理層で処理するFEC(Forward Error Correction)のコードレート(code rate)によって決定されているパケットの入力サイズに合わせてセグメントの長さを決定し、これをSeg_Len_IDフィールドのそれぞれの値に従う長さと指定することができる。例えば、Seg_Len_IDフィールドが有するそれぞれの値に対して、セグメントの長さはあらかじめ定められていてもよい。この場合、Seg_Len_IDフィールドのそれぞれの値によるセグメントの長さに関する情報は送信機で生成されて受信機に伝達され、受信機はこれを保存することができる。一方、Seg_Len_IDフィールドのそれぞれの値に設定されたセグメントの長さが変わってもよいが、この場合には送信機がそれに対する新しい情報を生成して受信機に伝送し、この情報に基づいて、受信機は保存された情報をアップデートすることができる。
【0088】
一方、セグメントの長さによらずに物理層の処理が動作する場合、図示の数式のようにセグメントの長さを求めることもできる。
【0089】
ここで、Len_Unit(Length Unit)は、セグメント長を表示する基本単位であり、min_Lenは、セグメントの長さの最小値を意味する。Len_Unit及びmin_Lenは送信機と受信機において常に同じ値を有するべきであり、一度決定された後には変わらない方がシステム運用に効率的である。このような値は、システムの初期化過程において物理層のFECの処理能力を考慮して決定することができる。例えば、図示によれば、Seg_Len_IDフィールドの値によって表現されるセグメントの長さを示しており、このとき、Len_Unit値は256、min_Len値は512である。
【0090】
図9は、本発明の一実施例に係る、ノーマルパケット(normal packet)をカプセル化する過程及びリンク層パケットの長さを計算する式を示す図である。
【0091】
前述したように、入力されたIPパケットが物理層の処理範囲内にあることから、連結(concatenation)又は分割(segmentation)されない場合にはノーマルパケットにカプセル化されてもよい。下記の内容は、IPv4又はIPv6のIPパケットに同一に適用することができる。一つのIPパケットがそのままリンク層パケットのペイロードとなり、パケットタイプエレメントの値は000B(IPv4)又は001B(IPv6)となり、C/Sフィールドの値は00B(Normal Packet)となる。固定ヘッダーの余の3ビットは、後に別の用途に使用するために予備フィールドに設定されてもよい。
【0092】
リンク層パケットの長さは、次のように識別することができる。IPパケットのヘッダーには、IPパケットの長さを示すフィールドが含まれている。長さを示すフィールドは、常に同一の位置に来るので、受信機は、リンク層パケットの先頭(開始部)から一定オフセット(offset)だけ移動した位置のフィールドを確認して、リンク層パケットのペイロードの長さを読み取ることができる。受信機は、IPv4の場合にはペイロードの開始点から2バイト、IPv6の場合にはペイロードの開始点から4バイトだけ移動した位置で、2バイト長さを有する長さフィールド(length field)を読むことができる。
【0093】
同図の数式を参照すると、IPv4の長さフィールド(length field)値をL
IPv4とすれば、L
IPv4は、IPv4の全体長を表すので、ここにリンク層パケットのヘッダーの長さL
H(1バイト)を加えると、全体リンク層パケットの長さとなる。ここで、L
Tはリンク層パケットの長さを表す。
【0094】
同図の数式を参照すると、IPv6の長さフィールド(length field)値をL
IPv6とすれば、L
IPv6は、IPv6のIPパケットのペイロードの長さのみを表すので、ここにリンク層パケットのヘッダーの長さと、さらにIPv6の固定ヘッダーの長さ(40バイト)を加えると、リンク層パケットの長さとなる。ここで、L
Tは、リンク層パケットの長さを表す。
【0095】
図10は、本発明の一実施例に係る、連結パケット(concatenated packet)をカプセル化する過程及びリンク層パケットの長さを計算する式を示す図である。
【0096】
入力されたIPパケットが物理層の処理範囲内に到達しない場合、複数のIPパケットを連結して一つのリンク層パケットにカプセル化することができる。下記の内容は、IPv4又はIPv6のIPパケットに同様に適用可能である。
【0097】
複数のIPパケットがリンク層パケットのペイロードとなり、パケットタイプエレメントの値は000B(IPv4)又は001B(IPv6)、C/Sフィールドの値は01B(Concatenated Packet)となる。ここに、いくつのIPパケットが一つのペイロードを構成しているかを示す3ビットカウントフィールド(count field)が続く。
【0098】
受信機が連結パケットの長さを求めるために、ノーマルパケットの場合と類似の方法を用いることができる。カウントフィールドが示す連結されたIPパケットの個数をn、リンク層パケットのヘッダーの長さをL
H、それぞれのIPパケットの長さをL
k(ここで、1≦k≦n)とすれば、全体リンク層パケットの長さL
Tは、同図の数式のように計算することができる。
【0099】
ここで、連結パケットの場合には固定ヘッダーの情報のみあるので、L
H=1(byte)となり、それぞれのL
k(1≦k≦n)値は、連結パケットに含まれるそれぞれのIPパケットのヘッダーに存在する長さフィールド(length field)値を読んで確認することができる。受信機は、リンク層パケットのヘッダーが終了し、ペイロードが始まる地点から一定のオフセットを有する位置で最初のIPパケットの長さフィールドをパーシングし、この長さフィールドを用いて、最初のIPパケットの長さを識別することができる。受信機は、最初のIPパケットの長さが終了する地点から一定のオフセットを有する位置で2番目のIPパケットの長さフィールドをパーシングし、この長さフィールドを用いて、2番目のIPパケットの長さを識別することができる。この方式をリンク層パケットのペイロードに含まれるIPパケットの個数だけ反復して、リンク層パケットのペイロードの長さを識別することができる。
【0100】
図11は、本発明の一実施例に係る、IPv4パケットを含む連結パケットの長さを求める過程及びIPパケットの長さフィールドが位置するオフセット値を計算する式を示す図である。
【0101】
送信機にとって、IPパケットが入力される時、IPパケットの長さフィールドを読むことが難しくないが、受信機にとっては、リンク層パケットを構成しているIPパケットの個数のみをヘッダーから読み取ることができるので、それぞれの長さフィールドの位置が知られていない。しかし、IPパケットのヘッダーには常に同一位置に長さフィールドがあるので、次の方法を用いて長さフィールドの位置を探索し、連結パケットのペイロードに含まれるそれぞれのIPパケットの長さを求めることができる。
【0102】
連結パケットのペイロードに含まれるn個のIPパケットをそれぞれ、IP
1,IP
2,…,IP
k,…,IP
nとするとき、IP
kに該当する長さフィールドの位置は、連結パケットのペイロードの開始点からP
kバイトだけ離れている位置となる。ここで、P
k(1≦k≦n)は、連結パケットのペイロード開始点からk番目のIPパケットの長さフィールドが位置しているオフセット値であり、同図の式のように計算することができる。
【0103】
ここで、IPv4のパケットのP
1は2バイトとなる。したがって、P
1から順次にP
k値を更新しながら、それに該当するL
k値を読んで前述の
図10の数式に適用すると、最終的に連結パケットの長さを求めることができる。
【0104】
図12は、本発明の一実施例に係る、IPv6パケットを含む連結パケットの長さを求める過程及びIPパケットの長さフィールドが位置するオフセット値を計算する式を示す図である。
【0105】
IPv6パケットが連結される形態でリンク層パケットのペイロードに含まれているとき、ペイロードの長さを求める過程は、次のとおりである。IPv6パケットに含まれている長さフィールドは、IPv6パケットのペイロードに対する長さ情報であるので、Pv6の固定ヘッダー長である40バイトを、長さフィールドが示すIPv6パケットのペイロード長に加えて、IPv6パケットの長さを求めることができる。
【0106】
連結パケットのペイロードに含まれるn個のIPパケットをそれぞれIP
1,IP
2,…,IP
k,…,IP
nとするとき、IP
kに該当する長さフィールドの位置は、連結パケットのペイロードの開始点からP
kバイトだけ離れている位置となる。ここで、P
k(1≦k≦n)は、連結パケットのペイロードの開始点からk番目のIPパケットの長さフィールドが位置しているオフセット値であり、同図の数式によって計算することができる。ここで、IPv6の場合、P
1は4バイトとなる。したがって、P
1から順次にP
k値を更新しながら、それに該当するL
k値を読んで前述の
図10の数式に適用すると、最終的に連結パケットの長さを求めることができる。
【0107】
図13は、本発明の一実施例に係る、分割パケット(segmented packet)をカプセル化する過程を示す図である。
【0108】
次に説明する内容は、IPv4又はIPv6のIPパケットに同一に適用可能である。一つのIPパケットが分離されて、複数のリンク層パケットのペイロードとなり、パケットタイプエレメントの値は000B(IPv4)又は001B(IPv6)、C/Sフィールドの値はセグメントの構成によって10B又は11Bとなる。
【0109】
C/Sフィールドは、IPパケットの最後の部分に該当するセグメントにのみ11Bとなり、余り全てのセグメントには10Bとなる。C/Sフィールドの値は、前述したように、リンク層パケットの拡張ヘッダーに関する情報を知らせることもできる。すなわち、C/Sフィールドの値が10Bの場合には2バイト、11Bの場合には3バイト長のヘッダーを有するようになる。
【0110】
同じIPパケットから分割されたことを知らせるために、それぞれのリンク層パケットのヘッダーに含まれるセグメント識別子(Seg_ID)値は、いずれも同じ値を有しなければならない。受信機における正常なIPパケットの再組合せのためのセグメントの順序情報を知らせるために、順次に増加するSeg_SN値をそれぞれのリンク層パケットのヘッダーに書き込む。
【0111】
IPパケットを分割するとき、前述したように、セグメントの長さを決めて同じ長さに分割を行う。その後、当該長さ情報に合うSeg_Len_ID値をヘッダーに書き込む。この場合、最後に位置するセグメントの長さは、前のセグメントの長さと異なることがあり、このため、長さ情報をL_Seg_Lenフィールドを用いて直接表示してもよい。
【0112】
Seg_Len_IDフィールド、L_Seg_Lenフィールドを用いて表示する長さ情報は、セグメント、すなわち、リンク層パケットのペイロードに関する情報のみを表示するので、受信機は、全体リンク層パケットの長さ情報を、C/Sフィールドを参考してリンク層パケットのヘッダー長さを、リンク層パケットのペイロード長に加えることによって識別することができる。
【0113】
図14は、本発明の一実施例に係るIPパケットの分割過程及びこれによるリンク層パケットのヘッダー情報を示す図である。
【0114】
同図は、IPパケットが分割されてリンク層パケットにカプセル化される過程で、それぞれのリンク層パケットのヘッダーが有するフィールド値も示している。
【0115】
例えば、IP層から5500バイト長さのIPパケットがリンク層に入力され、このIPパケットが5個のセグメントS1,S2,S3,S4,S5に分けられ、ヘッダーH
1,H
2,H
3,H
4,H
5が追加されて、それぞれのリンク層パケットにカプセル化される。
【0116】
IPv4パケットの場合を仮定すると、パケットタイプエレメントの値は000Bに指定することができる。H
1〜H
4は、C/Sフィールド値が10Bとなり、H
5のC/Sフィールド値は11Bとなる。同じIPパケットの構成であることを知らせるセグメント識別子(Seg_ID)は、いずれも000Bとなり、Seg_SNフィールドは、H
1からH5まで順次に0000Bから0100Bとなる。
【0117】
5500バイトを5で割った値は1100バイトであり、この値と最も近い1024バイトの長さにセグメントを構成するとすれば、最後のセグメントであるS5の長さは、1404バイト(010101111100B)となる。このとき、Seg_Len_IDフィールドは、前述した例示によれば、0010Bの値を有することができる。
【0118】
図15は、本発明の一実施例に係るCRC(Cyclic Redundancy Check)を含むIPパケットの分割過程を示す図である。
【0119】
IPパケットが分割されて受信機に伝達された時、受信機で組み合わせたパケットの完全性を確認可能にするために、送信機は、IPパケットの次にCRCを付加して分割過程を行うことができる。一般にCRCはパケットの最後に追加されるので、分割過程の後、最後のセグメントにCRCが含まれる。
【0120】
受信機は、最後のセグメントの長さを超えるデータを受信する場合、CRCと認識することができる。又は、CRCの長さを含む長さを最後のセグメントの長さとしてシグナリングしてもよい。
【0121】
図16は、本発明の一実施例に係る、MPEG−2 TS(transport stream)がリンク層に入力される場合、リンク層パケットのヘッダー構造を示す図である。
【0122】
パケットタイプエレメントは、MPEG−2 TSパケットがリンク層の入力として入ることを識別する。例えば、このとき、パケットタイプエレメントの値は011Bを有することができる。
【0123】
同図は、MPEG−2 TSが入力される場合、リンク層パケットのヘッダー構造を示している。MPEG−2 TSパケットがリンク層に入力される場合、リンク層パケットのヘッダーは、パケットタイプエレメント、カウントフィールド、PI(PID Indicator)フィールド、及び/又はDI(Deleted Null Packet Indicator)フィールドを含むことができる。
【0124】
例えば、リンク層パケットのヘッダーのパケットタイプエレメントの次に、2ビット又は3ビットのカウントフィールド、1ビッのトPI(PID Indicator)フィールド、1ビットDI(Deleted Null Packet Indicator)フィールドが続く。カウントフィールドに2ビットを使用する場合、余りの1ビットは、後の他の用途のために予約フィールドとして残す。予約フィールドの位置によって、固定ヘッダー部分は
図16の(a)乃至(d)のように様々に構成されてもよい。本発明では、(a)形態のヘッダーを基準に記述するが、他の形態のヘッダーにも同一の説明を適用することができる。
【0125】
MPEG−2 TSパケットがリンク層に入力される場合(パケットタイプ=011)には、拡張ヘッダーは用いられなくてもよい。
【0126】
カウントフィールドは、いくつのMPEG−2 TSパケットがリンク層パケットのペイロードに含まれるかを識別する。一つのMPEG−2 TSパケットのサイズは、次世代放送システムの物理層で採択する可能性が高いFEC技法であるLDPC(Low−density parity−check)入力サイズに比べて非常に小さいので、基本的にリンク層で連結(concatenation)されることを考慮することができる。すなわち、一つ以上のMPEG−2 TSパケットがリンク層パケットのペイロードに含まれるようにすることができる。ただし、連結(concatenation)されるMPEG−2 TSパケットの個数をいくつかの種類に制限し、これを2ビット又は3ビットで識別することができる。MPEG−2 TSパケットの長さは一定のサイズ(例えば、188バイト)を有するので、受信機は、カウントフィールドからリンク層パケットのペイロードのサイズも類推可能である。カウントフィールドの値によってMPEG−2 TSパケットの個数を指定する例示については後述する。
【0127】
PI(Common PID indicator)フィールドは、一つのリンク層パケットのペイロードに含まれるMPEG−2 TSパケットのPID(Packet Identifier)がすべて同一である場合、1に設定され、そうでない場合には0に設定される。PI(Common PID indicator)フィールドは1ビットサイズを有することができる。
【0128】
DI(Null Packet Deletion Indicator)フィールドは、MPEG−2 TSパケットに含まれて伝送されるヌルパケットに対する削除処理がされた場合には1に設定され、そうでない場合には0に設定される。DIフィールドは1ビットのサイズを有することができる。DIフィールドが1になる場合、リンク層でヌルパケット削除(Null packet deletion)を支援するために、受信機はMPEG−2 TSパケットの一部フィールドを再使用することができる。
【0129】
図17は、本発明の一実施例に係るカウントフィールドの値に従うリンク層パケットのペイロードに含まれるMPEG−2 TSパケットの個数を示す図である。
【0130】
カウントフィールドが2ビットであるとき、連結(concatenation)されるMPEG−2 TSパケットの個数は、4つの場合の数が存在可能である。同期バイト(Sync byte)(47H)を除外したリンク層パケットのペイロードのサイズもカウントフィールドによって識別されてもよい。
【0131】
カウントフィールドの値によって割り当てられるMPEG−2 TSパケットの個数は、システム設計者によって可変されてもよい。
【0132】
図18は、本発明の一実施例に係るMPEG−2 TSパケットのヘッダーを示す図である。
【0133】
MPEG−2 TSパケットのヘッダーは、同期バイト(Sync Byte)フィールド、伝送エラー指示子(Transport Error Indicator)フィールド、ペイロードユニット開始指示子(payload unit start indicator)フィールド、伝送優先順位(transport priority)フィールド、PIDフィールド、伝送スクランブリング制御(transport scrambling control)フィールド、適応フィールド制御(adaptation field control)フィールド及び/又は連続性カウンター(continuity counter)フィールドを含む。
【0134】
同期バイトは、パケットの同期を合わせるためのものであり、リンク層でのカプセル化時には除外されてもよい。同期バイトの直後に位置する伝送エラー指示子(Transport Error Indicator;EI)は、送信機では使用せず、受信機で復旧不可のエラーが発生した時、エラーがあることを上位層に知らせるための目的で使用される。このような目的によって、伝送エラー指示子フィールドは送信機では用いられないビットとなる。
【0135】
伝送エラー指示子フィールドは、ストリームで誤りを訂正できない場合に、復調過程で設定されるフィールドであって、パケットに訂正不可の誤りがあることを知らせるフィールドである。
【0136】
ペイロードユニット開始指示子フィールドは、PES(Packetized elementary stream)又はPSI(Program−specific information)が開始されるか否かを識別する。
【0137】
伝送優先順位フィールドは、同じPIDを有する他のパケットに比べて優先順位が高いかを識別する。
【0138】
PIDフィールドは、パケットを識別する。
【0139】
伝送スクランブリング制御フィールドは、スクランブルを使用するか否か及び/又は奇数又は偶数キーを用いてスクランブルを使用するか否かを識別する。
【0140】
適応フィールド制御フィールドは、アダプテーションフィールドが存在するか否かなどを識別する。
【0141】
連続性カウンターフィールドは、ペイロードパケットのシーケンス番号を示す。
【0142】
図19は、本発明の一実施例に係る送受信機で伝送エラー指示子フィールドの用途を変更する過程を示す図である。
【0143】
DIフィールドが1になる場合、図示のように、送信機のリンク層で伝送エラー指示子フィールドを削除ポイント指示子(Deletion Point Indicator;DPI)フィールドへと用途を変更することができる。削除ポイント指示子(DPI)フィールドは、受信機のリンク層でヌルパケット関連処理が完了した後に再び伝送エラー指示子フィールドとして復元される。すなわち、DIフィールドは、ヌルパケット削除が処理されるか否かと、MPEG−2 TSヘッダーの伝送エラー指示子フィールドの用途が変更されるか否かを同時に知らせるフィールドであってもよい。
【0144】
図20は、本発明の一実施例に係るMPEG−2 TSパケットをカプセル化する過程を示す図である。
【0145】
基本的にMPEG−2 TSパケットは連結(concatenation)されることを考慮しているので、一つのリンク層パケットのペイロードに複数個のMPEG−2 TSパケットが含まれてもよく、その個数は前述した方法で指定することができる。一つのリンク層パケットのペイロードに含まれるMPEG−2 TSパケットの個数をnとするとき、それぞれのMPEG−2 TSパケットはM
k(1≦k≦n)と表記することができる。
【0146】
MPEG−2 TSパケットは一般に、4バイトの固定ヘッダーと、184バイトのペイロードで構成されている。4バイトのヘッダーのうち1バイトは、同期バイト(sync byte)であって、常に同じ値(47H)を有する。したがって、一つのMPEG−2 TSパケット「M
k」は、1バイトの同期(sync)部分(S)、同期バイト(sync byte)以外の3バイトの固定ヘッダー部分(H
k)、及び/又は184バイトのペイロード部分(P
k)を含むことができる(ここで、1≦k≦n)。
【0147】
万一、MPEG−2 TSパケットのヘッダーにアダプテーション(adaptation)フィールドが使用される場合には、アダプテーションフィールドの直前まで固定ヘッダー部分として含め、余りのアダプテーション部分はペイロード部分として含めればよい。
【0148】
入力されるn個のMPEG−2 TSパケットを[M
1,M
2,M
3,…,M
n]とすれば、これは、[S,H
1,P
1,S,H
2,P
2,…,S,H
n,P
n]の配列を有するようになる。同期(Sync)部分は常に同じ値を有するが、これは、送信機から送信しなくても、受信機で該当の位置を探して再び挿入することができる。したがって、リンク層パケットのペイロードを構成する際、同期部分を除いてパケットのサイズを減らすことができる。このような配列を有するMPEG−2 TSパケットの集合をリンク層パケットのペイロードとして構成する時、同期部分は除いてヘッダー部分とペイロード部分を分離して[H
1,H
2,…,H
n,P
1,P
2,…,P
n]に配置する。
【0149】
PIフィールド値が0、DIフィールド値が0である場合、リンク層パケットのペイロードの長さは(n×3)+(n×184)バイトとなり、ここにリンク層パケットのヘッダー長1バイトを加えると、全体リンク層パケット長が求められる。すなわち、受信機はこのような過程から、リンク層パケットの長さを識別することができる。
【0150】
図21は、本発明の一実施例に係る、同じPIDを有するMPEG−2 TSパケットをカプセル化する過程を示す図である。
【0151】
放送データが連続してストリーミング(streaming)される場合、一つのリンク層パケットに含まれたMPEG−2 TSが有するPID値がすべて同一である場合が発生してもよい。この場合、反復されるPID値を一度に表記してリンク層パケットのサイズを減らすことができる。このとき、リンク層パケットのヘッダーにおけるPI(PID indicator)フィールドを用いることができる。
【0152】
リンク層パケットのヘッダーのPI(Common PID Indicator)値は1に設定される。前述したように、リンク層パケットのペイロード内で、入力されるn個のMPEG−2 TSパケット[M
1,M
2,M
3,…,M
n]は、同期部分は除いてヘッダー部分とペイロード部分とを分離して[H
1,H
2,…,H
n,P
1,P
2,…,P
n]に配置することができる。ここで、MPEG−2 TSのヘッダー部分[H
1,H
2,…,H
n」はすべて同一のPIDを有する場合を考慮するので、PIDは一度のみ表記して伝送しても、受信機では元来のヘッダーとして復元することができる。共通するPIDをCPID(Common PID)とし、MPEG−2 TSパケットのヘッダーH
kからPIDを除外したヘッダーをH’
kとすれば(1≦k≦n)、リンク層パケットのペイロードを構成するMPEG−2 TSのヘッダー部分[H
1,H
2,…,H
n]を[CPID,H’
1,H’
2,…,H’
n]に再構成することができる。この過程を共通PID除去(Common PID reduction)と呼ぶことができる。
【0153】
図22は、本発明の一実施例に係る、共通PID除去過程、及び共通PID除去過程を経る場合におけるリンク層パケットの長さを求める式を示す図である。
【0154】
MPEG−2 TSパケットのヘッダー部分はそれぞれ13ビットサイズのPIDを含んでいる。リンク層パケットのペイロードを構成するMPEG−2 TSパケットがいずれも同一のPID値を有すると、連結されるパケットの個数だけPIDが反復される。したがって、元来のMPEG−2 TSパケットのヘッダー部分[H
1,H
2,…,H
n]からPID部分を除外して[H’
1,H’
2,…,H’
n]に再構成した後、共通するPIDの値をCPID(Common PID)の値に設定し、CPIDを再構成されたヘッダー部分の前に位置させる。
【0155】
PID値は13ビットの長さを有するが、全体パケットがバイト単位の形態となるには、スタッフィング(stuffing)ビットが追加さるてもよい。スタッフィングビットはCPIDの前又は後の部分に位置可能であり、これは、連結される他のプロトコル層(protocol layer)の構成、又はシステムの具現によって適宜配置すればよい。
【0156】
同じPIDを有するMPEG−2 TSパケットのカプセル化の場合には、MPEG−2 TSパケットのヘッダー部分からPIDを除外させてカプセル化過程を行うので、次のようにリンク層パケットのペイロードの長さを求めることができる。
【0157】
図示のように、同期バイトを除外したMPEG−2 TSパケットのヘッダーは3バイトの長さを有するが、この長さから13ビットのPID部分を除外すると11ビットとなる。したがって、n個のパケットが連結されている場合、(n×11)ビットとなるが、連結されるパケットの個数を8の倍数に設定すると、(n×11)ビットはバイト単位の長さとなる。また、共通PID長さである13ビットに3ビット長さのスタッフィングビットを追加して2バイト長さを有するCPID部分として構成することができる。
【0158】
したがって、同じPIDを有するn個のMPEG−2 TSパケットをカプセル化したリンク層パケットの場合、リンク層パケットのヘッダーの長さをL
H、CPID部分の長さL
CPID、リンク層パケットの全体長をL
Tとするとき、同図の数式のようにLTを求めることができる。
【0159】
図21に示す実施例に対して、L
Hは1バイト、L
CPIDは2バイトとなる。
【0160】
図23は、本発明の一実施例に係る、共通PID除去が適用された場合、カウントフィールドの値に従う連結されたMPEG−2 TSパケットの個数及びそれに従うリンク層パケットの長さを示す図である。
【0161】
連結されるMPEG−2 TSパケットの個数が決定された場合、全てのパケットが同じPIDを有する場合、前述の共通PID除去過程が適用されてもよく、関連して説明した数式によって、受信機はリンク層パケットの長さを求めることができる。
【0162】
図24は、本発明の一実施例に係る、ヌルパケットが含まれたMPEG−2 TSパケットをカプセル化する過程を示す図である。
【0163】
MPEG−2 TSパケットの伝送時に、固定された伝送率に合せるために、ヌルパケットが伝送ストリーム内に含まれてもよい。ヌルパケットは、伝送側面ではオーバーヘッドとなる部分であるので、送信機から送信しなくても、受信機でこれを復元することができる。送信機でヌルパケットを削除して送り、受信機では、削除されたヌルパケットの個数と位置を探して復元するために、リンク層パケットのヘッダーにおけるDIフィールドを用いることができる。このとき、リンク層パケットのヘッダーのDI値は、1に設定することができる。
【0164】
入力される伝送ストリーム間の任意の位置にヌルパケットが位置するときのカプセル化は、ヌルパケットを除外したn個のパケットを順次に連結する形態で行うことができる。ヌルパケットを除外する際には、連続していくつのヌルパケットが除外されたかカウントした値がリンク層パケットのペイロードに含まれてもよく、受信機では、このカウントした値に基づいて元来の位置にヌルパケットを生成して埋め込むことができる。
【0165】
ヌルパケットを除外したn個のMPEG−2 TSパケットを[M
1,M
2,M
3,…,M
n]としたとき、ヌルパケットは、M
1〜M
nのいずれの位置に現れてもよい。一つのリンク層パケットには0からnまでの回数でヌルパケットをカウントする部分が現れる。すなわち、一つのリンク層パケットにおいてヌルパケットがカウントされる部分が現れる回数をpとすれば、pの範囲は0からnまで現れてもよい。
【0166】
それぞれのヌルパケットのカウント値をC
mと表示すれば、mの範囲は、1≦m≦pとなり、p=0のとき、C
mは存在しない。それぞれのC
mがどのMPEG−2 TSパケットの間に位置するかは、前述したように、MPEG−2 TSパケットのヘッダーにおいて、伝送エラー指示子(EI)を削除ポイント指示子(DPI)へと用途変更したフィールドを用いて表示する。
【0167】
本発明で、C
mは1バイトの長さを有することを提案し、これは、後にパケットの長さに余裕ができるときに拡張されることも考慮することができる。1バイト長のC
mは、最大256個のヌルパケットをカウントすることができる。ヌルパケットの指示子の役割を担うフィールドがMPEG−2 TSパケットのヘッダーに位置しているので、C
mが示す値に1を加えた数だけヌルパケットが除外されていると計算する。例えば、C
m=0の場合に1個のヌルパケット、C
m=123の場合に124個のヌルパケットが除外される。連続したヌルパケットが256個を超えると、257番目のヌルパケットはノーマルパケットとして処理をし、その後のヌルパケットは、前述した方法によってヌルパケットとして処理をすることができる。
【0168】
図示のように、M
iとM
i+1に該当するMPEG−2 TSパケットの間にヌルパケットが位置しており、これをカウントした値をC
1とし、M
jとM
j+1に該当するMPEG−2 TSパケットの間にヌルパケットが位置しており、これをカウントした値をC
pとすれば、実際に伝送順序は[…,M
i,C
1,M
i+1,…,M
j,C
p,M
j+1,…]になり得る。
【0169】
リンク層パケットのペイロードを構成するために、ヌルパケットではなく、MPEG−2 TSパケットのヘッダー部分とペイロード部分とを分離して再配置する過程で、ヌルパケットをカウントした値C
m(1≦m≦p)は、MPEG−2 TSパケットのヘッダー部分とペイロード部分との間に配置する。すなわち、リンク層パケットのペイロードは、[H
1,H
2,…,H
n,C
1,…,C
p,P
1,P
2,…,P
n]のように配置され、受信機では、H
kにおけるDPIフィールドに現れる順に1バイトずつカウント値を確認し、その個数だけ、元来のMPEG−2 TSパケットの順序によってヌルパケットを復元する。
【0170】
図25は、本発明の一実施例に係る、除去されたヌルパケットをカウントする指示子を処理する過程、及びこの過程でリンク層パケットの長さを求める式を示す図である。
【0171】
ヌルパケットが削除されており、それによるカウント値が存在しているという意味でDPIフィールドの値を設定することができる。同図によれば、複数のMPEG−2 TSパケットのヘッダーのうちH
iにおけるDPIフィールドの値が1になるということは、H
iとH
i+1との間にヌルパケットが除外されてカプセル化され、それによる1バイトカウント値が、ヘッダー部分とペイロード部分との間に位置しているということを示す。
【0172】
この過程で、リンク層パケットの長さは、同図の数式によって計算することができる。したがって、ヌルパケットの除外過程を経たn個のMPEG−2 TSパケットをカプセル化したリンク層パケットの場合、リンク層パケットのヘッダーの長さをL
H、ヌルパケットをカウントした値C
m(1≦m≦p)の長さをL
Count、リンク層パケットの全体長をL
Tとするとき、同図の数式によってL
Tを求めることができる。
【0173】
図26は、本発明の他の実施例に係る、ヌルパケットが含まれたMPEG−2 TSパケットをカプセル化する過程を示す図である。
【0174】
ヌルパケットを除外したカプセル化方法の他の実施例として、リンク層パケットのペイロードを構成することができる。本発明の他の実施例では、リンク層パケットペイロードを構成するためにMPEG−2 TSパケットのヘッダー部分とペイロード部分とを分離して再配置する過程で、ヌルパケットをカウントした値C
m(1≦m≦p)をヘッダー部分に位置させ、順序をそのまま維持する。すなわち、それぞれのMPEG−2 TSのヘッダーが終了する地点に、ヌルパケットをカウントした値を含めることができる。したがって、受信機は、それぞれのMPEG−2 TSヘッダーに含まれたDPIフィールドの値から、ヌルパケットに対する除去が行われたと判断されると、当該ヘッダーの最後に含まれたカウント値を読んで、当該カウント値が示すだけのヌルパケットを再生成してストリームに含めることができる。
【0175】
図27は、本発明の一実施例に係る、ヌルパケットを含むストリームにおいて、同じPIDを含むMPEG−2 TSパケットをカプセル化する過程を示す図である。
【0176】
本発明の一実施例に係る、ヌルパケットを含むストリームにおいて、同じPIDを含むMPEG−2 TSパケットをカプセル化する過程は、前述したヌルパケットを除いてリンク層パケットをカプセル化する過程と、同じPIDを有するMPEG−2 TSパケットをリンク層パケットにカプセル化する過程とを結合して行うことができる。
【0177】
ヌルパケットは、これを示す別のPIDが割り当てられているので、実際の伝送ストリームにヌルパケットが含まれている場合には、同じPIDとして処理されない。しかし、ヌルパケットに対する除外過程を経た後、ヌルパケットに対してはカウント値のみがリンク層パケットのペイロードに含まれるので、余りのn個のMPEG−2 TSパケットは同一PIDを有し、前述した方法で処理可能である。
【0178】
図28は、本発明の一実施例に係る、ヌルパケットを含むストリームにおいて、同じPIDを含むMPEG−2 TSパケットをカプセル化する過程を経るとき、リンク層パケットの長さを求める式を示す図である。
【0179】
ヌルパケットを含むストリームにおいて、同じPIDを含むMPEG−2 TSパケットをカプセル化する過程を経るとき、リンク層パケットの長さは、
図22及び/又は
図25の数式から導出することができる。これらの式をまとめて、同図の式で示すことができる。
【0180】
図29は、本発明の一実施例に係るシグナリング伝送のためのリンク層パケットの構造を示す図である。
【0181】
IPヘッダーカプセル化情報、放送チャネルスキャン情報の更新などに関する情報のように、受信機でIPパケット又はMPEG−2 TSパケットを受信する前にシグナリング情報を伝達するために、本発明ではリンク層にシグナリング(すなわち、シグナリングデータ)を伝達できるパケット形態を提案する。
【0182】
本発明の実施例によれば、リンク層パケットのヘッダーに含まれたパケットタイプエレメントの値が「110B」である場合、リンク層パケットのペイロードにシグナリングのためのセクションテーブル(又は、デスクリプタ)を含めて伝送することができる。シグナリングセクションテーブルは、従来のDVB−SI(service information)、PSI/PSIP、NRT(Non Real Time)、ATSC2.0、MH(Mobile/Handheld)に含まれるシグナリングテーブル/テーブルセクションを含むことができる。
【0183】
図30は、本発明の一実施例に係るフレームドパケット(framed packet)伝送のためのリンク層パケットの構造を示す図である。
【0184】
IPパケット又はMPEG−2 TSパケットの他、一般的なネットワークで用いられているパケットもリンク層パケットで伝送することができる。この場合、リンク層パケットにおけるヘッダーのパケットタイプエレメントは「111B」の値を有し、リンク層パケットのペイロードにフレームドパケットが含まれていることを示すことができる。
【0185】
図31は、本発明の一実施例に係るフレームドパケットのシンタックス(syntax)を示す図である。
【0186】
フレームドパケットのシンタックスは、ethernet_type、length、及び/又はpacket()フィールドを含むことができる。16ビットであるethernet_typeフィールドは、IANAレジストリによって、packet()フィールド内のパケットのタイプを識別することができる。ここで、レジスターされた値のみを用いることができる。16ビットであるlengthフィールドは、packet()構造の全体長をバイト単位で設定することができる。可変長を有するpacket()フィールドはネットワークパケットを含むことができる。
【0187】
図32は、本発明の一実施例に係る、次世代放送システムの受信機を示す図である。
【0188】
本発明の一実施例に係る受信機は、受信部(図示せず)、チャネル同調器(Channel Synchronizer)32010、チャネル等化器(Channel Equalizer)32020、チャネルデコーダ(Channel Decoder)32030、シグナリングデコーダ(Signaling Decoder)32040、ベースバンド動作制御器(Baseband Operation Controller)32050、サービスマップデータベース(Service Map DB)32060、トランスポートパケットインターフェース(Transport Packet Interface)32070、ブロードバンドパケットインターフェース(Broadband Packet Interface)32080、共通プロトコルスタック処理器(Common Protocol Stack)32090、サービスシグナリングチャネルプロセシングバッファー及びパーサー(Service Signaling Channel Processing Buffer & Parser)32100、A/Vプロセッサ(A/V Processor)32110、サービスガイドプロセッサ(Service Guide Processor)32120、アプリケーションプロセッサ(Application Processor)32130及び/又はサービスガイドデータベース(Service Guide DB)32140を含むことができる。
【0189】
受信部(図示せず)は、放送信号を受信する。
【0190】
チャネル同調器32010は、ベースバンド(Baseband)で受信した信号のデコーディングが可能なようにシンボル周波数とタイミングを同期化する。ここで、ベースバンドは、放送信号が送/受信される領域のことを指す。
【0191】
チャネル等化器32020は、受信した信号に対してチャネル等化を行う。チャネル等化器32020は、受信した信号が多重経路(multipath)、ドップラー効果(Doppler effect)などによって歪んだ場合、これを補償する役割を担う。
【0192】
チャネルデコーダ32030は、受信した信号を、意味を持つ伝送フレーム(transport frame)として復旧する。チャネルデコーダ32030は、受信した信号に含まれたデータ又は伝送フレームに対して順方向誤り訂正(forward error correction;FEC)を行う。
【0193】
シグナリングデコーダ32040は、受信した信号に含まれたシグナリングデータを抽出してデコーティングする。ここで、シグナリングデータは、後述するシグナリングデータ及び/又はサービス情報(Service Information;SI)を含む。
【0194】
ベースバンド動作制御器32050は、ベースバンドでの信号の処理を制御する。
【0195】
サービスマップデータベース32060は、シグナリングデータ及び/又はサービス情報を保存する。サービスマップデータベース32060は、放送信号に含まれて送信されたシグナリングデータ及び/又はブロードバンドパケットに含まれて送信されたシグナリングデータを保存することができる。
【0196】
トランスポートパケットインターフェース32070は、伝送フレーム又は放送信号から、トランスポートパケットを抽出する。トランスポートパケットインターフェース32070は、トランスポートパケットからシグナリングデータ又はIPデータグラム(IP datagram)を抽出する。
【0197】
ブロードバンドパケットインターフェース32080は、インターネットを介して放送関連パケットを受信する。ブロードバンドパケットインターフェース32080は、インターネットを介して取得したパケットを抽出し、当該パケットからシグナリングデータ又はA/Vデータを組合せ又は抽出する。
【0198】
共通プロトコルスタック処理器32090は、受信したパケットをプロトコルスタックに含まれたプロトコルによって処理する。例えば、共通プロトコルスタック処理器32090は、前述した方法によって各プロトコルで処理を行って、受信したパケットを処理することができる。
【0199】
サービスシグナリングチャネルプロセシングバッファー及びパーサー32100は、受信したパケットに含まれたシグナリングデータを抽出する。サービスシグナリングチャネルプロセシングバッファー及びパーサー32100は、IPデータグラムなどからサービス及び/又はコンテンツのスキャン及び/又は取得と関連したシグナリング情報を抽出し、これをパーシングする。受信したパケット内でシグナリングデータは一定の位置又はチャネルに存在してもよい。このような位置又はチャネルをサービスシグナリングチャネルと呼ぶことができる。例えば、サービスシグナリングチャネルは、特定IPアドレス、UDP Portナンバー、伝送セッション識別子などを有することができる。受信機は、このような特定IPアドレス、UDP Portナンバー、伝送セッションなどで伝送されるデータをシグナリングデータとして認識することができる。
【0200】
A/Vプロセッサ32110は、受信したオーディオ及びビデオデータに対するデコーディング及びプレゼンテーション(presentation)処理を行う。
【0201】
サービスガイドプロセッサ32120は、受信信号からアナウンスメント(announcement)情報を抽出し、サービスガイドデータベース32140を管理し、サービスガイド(service guide)を提供する。
【0202】
アプリケーションプロセッサ32130は、受信したパケットに含まれたアプリケーションデータ及び/又はアプリケーション関連情報を抽出し、これを処理する。
【0203】
サービスガイドデータベース32140はサービスガイドデータを保存する。
【0204】
図33は、本発明の一実施例に係るセクションテーブルの一般的なフォーマットを示す図である。
【0205】
本発明の一実施例に係るセクションテーブルは、table_idフィールド、section_syntax_indicatorフィールド、section_lengthフィールド、version_numberフィールド、current_next_indicatorフィールド、section_numberフィールド、last_section_numberフィールド及び/又はsection dataフィールドを含む。
【0206】
table_idフィールドは、当該テーブルが有する固有のID値を示す。
【0207】
section_syntax_indicatorフィールドは、当該フィールドに続くテーブルセクションのフォーマットを示す。当該フィールドの値が0であれば、当該テーブルセクションはshortフォーマットであることを示す。当該フィールドの値が1であれば、当該テーブルセクションは一般的なlongフォーマットに従う。本発明の一実施例に係る当該フィールド値は、常に固定値1を有することができる。
【0208】
section_lengthフィールドは、当該セクションの長さを示す。当該フィールドの次から当該セクションの最後の部分までの長さをバイト単位で示す。
【0209】
version_numberフィールドは、当該テーブルのバージョン(version)を示す。
【0210】
current_next_indicatorフィールドが示す値が1であれば、当該セクションテーブルが有効であることを示し、0であれば、次に伝送されるセクションテーブルが有効であることを示す。
【0211】
section_numberフィールドは、当該テーブルを構成するセクションの番号を示す。当該テーブルを構成する最初のセクションである場合、section_numberフィールド値は0と表示され、順次増加すればよい。
【0212】
last_section_numberフィールドは、当該テーブルを構成するセクションのうち最後のセクションの番号を示す。
【0213】
section dataフィールドは、当該セクションが含むデータを含む。
【0214】
同図でSpecific Useと表示したフィールドは、各テーブルによって異なるように構成可能なフィールドを示すことができる。Specific Useと表示したフィールドに割り当てられるビット数は、そのまま維持されてもよい。
【0215】
図34は、本発明の一実施例に係る、シグナリングの伝送のためのリンク層パケットの構造を示す図である。
【0216】
本発明の一実施例に係るシグナリング情報をリンク層パケットを用いて送信する場合、パケットタイプエレメントの値は110Bを示すことができる。
【0217】
同図は、シグナリングが伝送される際、リンク層パケットのヘッダー構造を示している。同図を参照すると、シグナリングを送信する場合、パケットタイプエレメントの後に2ビットのシグナリングタイプフィールド(signaling type field)が存在する。シグナリングタイプフィールドは、伝送すべきシグナリングの形態を示す。シグナリングタイプフィールドによって、続く固定ヘッダー(Fixed Header)の余りの3ビット部分及び拡張ヘッダー(Extended Header)の情報が決定される。
【0218】
本発明の一実施例に係るシグナリングタイプフィールドが示す値が00Bであれば、シグナリングタイプがセクションテーブル形態である場合を示す。セクションテーブルの場合、テーブルに含まれているフィールド内にセクションの分離に関する情報及びセクションの長さに関する情報が含まれているため、リンク層パケットは、別の処理無しで、パケットタイプ及びシグナリングタイプのみを指定して伝送することができる。シグナリングタイプがセクションテーブルの形態である場合、固定ヘッダー部分においてパケットタイプエレメント及びシグナリングタイプフィールドを除く余り3ビットは用いられず、後の使用のために予備されてもよい。シグナリングタイプがセクションテーブル形態である場合、基本的に拡張ヘッダーは用いられないが、リンク層パケットの長さを表示する必要がある場合には、1又は2バイトの拡張ヘッダーが追加され、これは長さフィールド(length field)に用いられてもよい。
【0219】
本発明の一実施例に係るシグナリングタイプフィールドが示す値が01Bである場合は、シグナリングタイプがデスクリプタ形態である場合を示す。一般に、デスクリプタは、セクションテーブルの一部分として用いられるが、簡単なシグナリングに該当することからデスクリプタのみ伝送する際には、当該シグナリングタイプで伝送されてもよい。デスクリプタは、セクションテーブルに比べてその長さが短くてもよいので、複数のデスクリプタが一つのリンク層パケットに含まれて伝送されてもよい。本発明の一実施例に係る固定ヘッダーの指示子パート(indicator part)に該当する3ビットは、一つのリンク層パケットにいくつのデスクリプタが含まれているかを表示するために用いられてもよい。シグナリングタイプがデスクリプタ形態である場合、拡張ヘッダーは用いられず、デスクリプタ内に含まれている当該デスクリプタの長さに関する情報を用いてリンク層パケットの長さを表示することができる。リンク層パケットの長さを別途に表示する必要がある場合には、1又は2バイトの拡張ヘッダーが追加され、これは長さフィールドに用いられてもよい。
【0220】
本発明の一実施例に係るシグナリングタイプフィールド値10Bは、後の別の形態のシグナリングを支援するために残すことができる。
【0221】
本発明の一実施例に係るシグナリングタイプフィールドが示す値が11Bである場合は、シグナリングタイプがGSE−LLCである場合を示す。GSE−LLCシグナリングは分離(segmentation)可能な構造を有する。したがって、シグナリングタイプがGSE−LLCである場合、固定ヘッダー部分においてパケットタイプエレメント及びシグナリングタイプフィールドを除く余りの3ビットフィールドはsegment IDに用いられてもよい。シグナリングタイプがGSE−LLCである場合、2バイトの拡張ヘッダーが追加されてもよく、上述した2バイトの拡張ヘッダーは、4ビットのSeg_SN(Segment Sequence Number)及び12ビットの長さフィールド(length field)から構成することができる。
【0222】
本発明の一実施例に係るGSE−LLCは、Generic Stream Encapsulation Logical Link Controlの略語であり、OSIモデルのデータリンク層における2個の付属層の一つを意味することができる。
【0223】
図35は、本発明の一実施例に係るシグナリングタイプフィールドが示す値に従う意味とシグナリングタイプフィールドに後続する固定ヘッダー及び拡張ヘッダーに関する内容を示す図である。
【0224】
本発明の一実施例に係るシグナリングタイプフィールドが示す値が00Bであると、シグナリングタイプフィールドに続くフィールドは存在しなくてもよい。
【0225】
本発明の一実施例に係るシグナリングタイプフィールドが示す値が01Bであると、連結カウントフィールド(Count)がシグナリングタイプフィールドの次に存在することができる。連結カウントフィールドは、シグナリングとしてセクションテーブルではなくデスクリプタのみ伝送される場合に存在するフィールドである。連結カウントフィールドは、いくつのデスクリプタがリンク層パケットのペイロードを構成しているかを示す。連結カウントフィールドに関する詳細な説明は後述する。
【0226】
本発明の一実施例に係るシグナリングタイプフィールドが示す値が11Bである場合、Seg_ID(Segment ID)フィールド、Seg_SN(Segment Sequence Number)フィールド及び/又はlengthフィールドがシグナリングタイプフィールドの次に存在することができる。DVB_GSEを用いて伝送可能なLLCシグナリングデータ(LLC sigmaling data)の場合において、LLCシグナリングデータは自ら分割されてもよい。Seg_ID(Segment ID)フィールドは、LLCデータが分割される場合に、分割されたセグメントを識別するIDを示す。送信されたLLCデータのセグメントを一つに合わせる場合、受信側は、Seg_ID(Segment ID)フィールドから、各LLCデータのセグメントが同じLLCデータの構成要素であることがわかる。Seg_ID(Segment ID)フィールドは3ビットのサイズを有し、8個のセグメント(segmentation)を識別することができる。Seg_SN(Segment Sequence Number)フィールドは、LLCデータが分割される場合、各セグメントの順序を示す。LLCデータの前部には当該データテーブル(data table)に対するインデックスが含まれているので、受信機がパケットを受信する時、分割された各セグメントは必ず順次に整列されなければならない。一つのLLCデータから分割されたペイロードを有するリンク層パケットは同じSeg_IDを有するが、異なるSeg_SNを有することができる。Seg_SN(Segment Sequence Number)フィールドは、4ビットのサイズを有することができる。一つのLLCデータは最大16個のセグメントに分割可能である。lengthフィールドは、現在リンク層パケットにおいてペイロードに該当するLLCデータの長さをバイト単位で示す。したがって、リンク層パケットの全体長は、lengthフィールドが示す値にヘッダー長である3バイトを加えた値となり得る。
【0227】
本発明の一実施例に係るDVB_GSEは、DVB−Genneric Stream Encapsulationの略語であり、DVBによって定義されたデータリンク層プロトコルを意味することができる。
【0228】
図36は、本発明の一実施例に係る、連結カウントフィールド値に従う、リンク層パケットのペイロードを構成しているデスクリプタの個数を示す図である。
【0229】
本発明の一実施例によれば、連結カウントフィールド値に1を足した数字の個数分のデスクリプタが一つのリンク層パケットのペイロードを構成すると表示することができる。したがって、連結カウントフィールドに割り当てられたビット数が3ビットであるから、最大8個のデスクリプタが一つのリンク層パケットを構成するようにシグナルすることができる。
【0230】
図37は、本発明の一実施例に係る、リンク層パケットのペイロードに入力されたシグナリング情報がセクションテーブルである場合に、セクションテーブルをペイロードにカプセル化する過程を示す図である。
【0231】
本発明の一実施例によれば、一つのセクションテーブルがそのままリンク層パケットのペイロードとなってもよく、この場合、パケットタイプエレメントが示す値は110B(signaling)となり、シグナリングタイプフィールドが示す値は00B(section table)となってもよい。同図で、固定ヘッダーでパケットタイプエレメントとシグナリングタイプフィールドを除く余り3ビットは、後に別の用途に用いるために予備(reserved)フィールドとして残すことができる。
【0232】
本発明の一実施例に係るセクションテーブルに含まれたフィールドには、当該セクションの長さを示すフィールドが含まれている。上述した当該セクションの長さを示すフィールドはセクションテーブル内で常に同一位置に存在するので、リンク層パケットのペイロードの開始から一定オフセットだけ移動した位置に存在するフィールドを確認することによって、ペイロードの長さが確認できる。セクションテーブルの場合、ペイロードが始まる部分から12ビット移動した位置から12ビットの長さを有するセクション長フィールド(section_length_field)が存在する。セクション長フィールドは、セクション長フィールドの直後からセクションの最後の部分までの長さを示すことができる。したがって、セクション長フィールドが示す値に、セクション長フィールドに含まれていない部分とリンク層パケットのヘッダー長を足すことによって、全体リンク層パケットの長さを導出することができる。ここで、セクション長フィールドに含まれていない部分(3バイト)は、セクションテーブルにおいてテーブルIDフィールド(table_id field)及びセクション長フィールド(section_length_field)そのものの長さを含む。そして、リンク層パケットのヘッダー長は1バイトであってもよい。すなわち、リンク層パケットの全体長は、セクション長フィールドが示す値に4バイト足した値であってもよい。
【0233】
本発明の一実施例に係る受信装置でセクションテーブルを含むリンク層パケットを受信すると、リンク層パケットの固定ヘッダーの直後に続く8ビット長のテーブルIDフィールド(table_id field)値から、受信装置は当該セクションテーブルに関する情報を取得して用いることができる。
【0234】
図38は、本発明の一実施例に係るネットワーク情報テーブル(NIT)のシンタックスを示す図である。
【0235】
本発明の一実施例によれば、リンク層パケットのペイロードにシグナリングのためのセクションテーブルを含めて送信する場合に、セクションテーブルとして、現在の放送ネットワーク関連情報を示すネットワーク情報テーブル(network information table)をリンク層パケットのペイロードに含めることができる。
【0236】
本発明の一実施例に係るネットワーク情報テーブル(network information table)は、table_idフィールド、section_syntax_indicatorフィールド、section_lengthフィールド、network_idフィールド、version_numberフィールド、current_next_indicatorフィールド、section_numberフィールド、last_section_numberフィールド、network_descriptors_lengthフィールド、descriptor()、transport_stream_loop_lengthフィールド、broadcast_idフィールド、original_network_idフィールド、delivery_system_descriptor_lengthフィールド及び/又はdelivery_system_descriptor()を含む。
【0237】
本発明の一実施例に係るネットワーク情報テーブルに含まれたフィールドのうち、前述したセクションテーブルの一般的なフォーマットを示す図面に関する説明の部分で説明したフィールドと同じ名称を有するフィールドに関する説明は、前述した説明に代える。
【0238】
network_idフィールドは、現在利用される放送ネットワーク固有の識別子を示す。
【0239】
network_descriptors_lengthフィールドは、ネットワークレベルでネットワーク関連情報を記述するデスクリプタの長さを示す。
【0240】
descriptor()は、ネットワークレベルでネットワーク関連情報を記述するデスクリプタを示す。
【0241】
transport_stream_loop_lengthフィールドは、放送ネットワーク上で伝送されるストリーム関連情報の長さを示す。
【0242】
broadcast_idフィールドは、利用される放送ネットワーク上に存在する放送局固有の識別子を示す。
【0243】
original_network_idフィールドは、元来利用されていた放送ネットワーク固有の識別子を示す。元来利用されていた放送ネットワークが現在利用されている放送ネットワークと異なる場合に、NITはoriginal_network_idフィールドを用いて、元来利用されていた放送ネットワークに関する情報を含むことができる。
【0244】
delivery_system_descriptor_lengthフィールドは、現在の放送ネットワーク上における伝達システム(delivery_system)関連細部情報を記述するデスクリプタの長さを示す。
【0245】
delivery_system_descriptor()は、現在の放送ネットワーク上における伝達システム(delivery_system)関連細部情報を含むデスクリプタを示す。
【0246】
図39は、本発明の一実施例に係るネットワーク情報テーブル(NIT)に含まれている伝達システムデスクリプタのシンタックスを示す図である。
【0247】
本発明の一実施例に係る伝達システムデスクリプタは、伝達システム上で特定放送局が伝達するデータと関連したシグナリングデータなどを伝達するPLP(Physical Layer Pipe)の情報を含むことができる。
【0248】
本発明の一実施例に係る伝達システムデスクリプタは、descriptor_tagフィールド、descriptor_lengthフィールド、delivery_system_idフィールド、base_PLP_idフィールド、base_PLP_versionフィールド及び/又はdelivery_system_parameters()を含む。
【0249】
descriptor_tagフィールドは、当該デスクリプタが伝達システムデスクリプタであることを示す識別子を示す。
【0250】
descriptor_lengthフィールドは、当該デスクリプタの長さを示す。
【0251】
delivery_system_idフィールドは、利用される放送ネットワーク固有の伝達システム(delivery system)識別子を示す。
【0252】
base_PLP_idフィールドは、broadcast_idによって識別される特定放送局で送信する放送サービスを構成するコンポーネント(component)をデコーディングできる代表PLP(Physical Layer Pipe)の識別子を示す。ここで、PLPは、物理層のデータパイプ(data pipe)を意味することができ、特定放送局で送信する放送サービスにはPSI/SI情報などが含まれてもよい。
【0253】
base_PLP_versionフィールドは、base_PLP_idによって識別されるPLPを介して伝送されるデータの変化によるバージョン情報を示す。例えば、base_PLPを介してPSI/SIなどのサービスシグナリングが伝達される場合、base_PLP_versionフィールド値は、サービスシグナリングの変化が起こる度に1ずつ増加してもよい。
【0254】
delivery_system_parameters()は、放送伝送システム特性を示すパラメータを含むことができる。パラメータは、帯域幅(bandwidth)、ガードインターバル(guard interval)、伝送モード(transmission mode)、中心周波数(center frequency)などを含むことができる。
【0255】
図40は、本発明の一実施例に係る高速情報テーブル(Fast Information Table;FIT)のシンタックスを示す図である。
【0256】
本発明の一実施例によれば、リンク層パケットのペイロードにシグナリングのためのセクションテーブルを含めて送信する場合に、セクションテーブルとして高速情報テーブル(FIT)がリンク層パケットのペイロードに含まれてもよい。高速情報テーブルを用いて本発明の一実施例に係る受信装置は放送サービスを迅速で容易にスキャン及び取得することができる。
【0257】
本発明の一実施例に係る高速情報テーブルは、table_idフィールド、private_indicatorフィールド、section_lengthフィールド、table_id_extensionフィールド、FIT_data_versionフィールド、current_next_indicatorフィールド、section_numberフィールド、last_section_numberフィールド、num_broadcastフィールド、broadcast_idフィールド、delivery_system_idフィールド、base_PLP_idフィールド、base_PLP_versionフィールド、num_serviceフィールド、service_idフィールド、service_categoryフィールド、service_hidden_flagフィールド、SP_indicatorフィールド、num_componentフィールド、component_idフィールド及び/又はPLP_idフィールドを含む。
【0258】
本発明の一実施例に係る高速情報テーブルに含まれたフィールドのうち、前述したセクションテーブルの一般的なフォーマットを示す図面に関する説明の部分で説明したフィールドと同じ名称を有するフィールドに関する説明は、前述した説明に代える。
【0259】
table_idフィールドは、当該テーブルがサービスの迅速なスキャンと関連した情報を含んでいることを示し、当該テーブルが高速情報テーブルに該当するということを示す。
【0260】
private_indicatorフィールドは、常に1に設定可能である。
【0261】
table_id_extensionフィールドは、論理的にtable_idフィールドの一部に該当し、残っているフィールドのためのスコープ(scope)を提供することができる。
【0262】
FIT_data_versionフィールドは、高速情報テーブルに含まれた構文シンタックス(syntax)及び意味(semantics)に対するバージョン情報を示す。本発明の一実施例に係る受信装置は、FIT_data_versionフィールドを用いて当該テーブルに含まれたシグナリングを処理するか否かなどを決定することができる。
【0263】
num_broadcastフィールドは、周波数又は伝送されるトランスポートフレーム(transport frame)を用いて放送サービス又はコンテンツを送信する放送局の個数を示す。
【0264】
broadcast_idフィールドは、周波数又は伝送されるトランスポートフレーム(transport frame)を用いて放送サービス又はコンテンツを送信する放送局固有の識別子を示す。MPEG−2 TSベースのデータを送信する放送局の場合、broadcast_idは、MPEG−2 TSのtransport_stream_idと同じ値を有することができる。
【0265】
delivery_system_idフィールドは、利用される放送ネットワーク上で同じ伝送パラメータを適用して処理する放送伝送システムの識別子を示す。
【0266】
base_PLP_idフィールドは、broadcast_idによって識別される特定放送局で送信する放送サービスシグナリングを伝達するPLPの識別子を示す。base_PLP_idフィールドは、broadcast_idによって識別される特定放送局で送信する放送サービスを構成するコンポーネントをデコーディングできる代表PLPの識別子を示す。ここで、PLPは、物理層のデータパイプを意味することができ、特定放送局で送信する放送サービスにはPSI/SI情報などが含まれてもよい。
【0267】
base_PLP_versionフィールドは、base_PLP_idによって識別されるPLPを介して伝送されるデータの変化によるバージョン情報を示す。例えば、base_PLPを介してPSI/SIなどのサービスシグナリングが伝達される場合、base_PLP_versionフィールド値は、サービスシグナリングの変化が起こる度に1ずつ増加してもよい。
【0268】
num_serviceフィールドは、当該周波数又はトランスポートフレーム(transport frame)内でbroadcast_idによって識別された放送局の送信する放送サービスの個数を示す。
【0269】
service_idフィールドは、放送サービスを区別可能な識別子を示す。
【0270】
service_categoryフィールドは、放送サービスのカテゴリーを示すことができる。例えば、service_categoryフィールド値が0x01であればBasic TV、0x02であればBasic Radio、0x03であればRI service、0x08であればSevice Guide、0x09であればEmergency Alertingであることを示すことができる。
【0271】
service_hidden_flagフィールドは、当該放送サービスがHIDEN(hidden)か否かを示す。サービスがHIDENの場合、当該サービスはテストサービス又は独自で用いられるサービスに該当するので、本発明の一実施例に係る受信装置は、上述したHIDEN放送サービスを無視したり、サービスリストから隠すことができる。
【0272】
SP_indicatorフィールドは、サービス保護(service protection)が当該放送サービス内の一つ以上のコンポーネントに適用されるか否かを示す。
【0273】
num_componentフィールドは、当該放送サービスを構成するコンポーネントの個数を示す。
【0274】
component_idフィールドは、放送サービス内の当該コンポーネントを区別する識別子を示す。
【0275】
PLP_idフィールドは、放送サービス内で当該コンポーネントが伝送されるPLPを区別する識別子を示す。
【0276】
図41は、本発明の一実施例に係る、リンク層パケットのペイロードに入力されたシグナリング情報がデスクリプタである場合、デスクリプタをペイロードにカプセル化する過程を示す図である。
【0277】
本発明の一実施例によれば、1つ又は複数のデスクリプタがリンク層パケットのペイロードに含まれてもよく、この場合、パケットタイプエレメントの示す値は110B(signaling)とし、シグナリングタイプフィールドの示す値は01B(descriptor)とすることができる。同図で、固定ヘッダーにおいてパケットタイプエレメントとシグナリングタイプフィールドを除く余り3ビットは、いくつのデスクリプタが一つのリンク層パケットのペイロードに含まれるかを示すカウントフィールド(count field)となる。一つのリンク層パケットのペイロードには最大8個のデスクリプタを含めることができる。
【0278】
本発明の一実施例によれば、全てのデスクリプタは、デスクリプタの開始部分に1バイトのdescriptor_tagフィールド及び1バイトのdescriptor_lengthフィールドを含むことができる。本発明の一実施例によれば、上述したdescriptor_lengthフィールドを用いて連結されたパケット(concatenated packet)の長さを求めることができる。descriptor_lengthフィールドは、デスクリプタ内で常に同一位置に存在するので、リンク層パケットのペイロードの開始から一定オフセットだけ移動した位置に存在するフィールドを確認することによって、ペイロードの長さを確認することができる。デスクリプタの場合、ペイロードが始まる部分から8ビット移動した位置に、8ビットの長さを有するdescriptor_lengthフィールドが存在する。descriptor_lengthフィールドは、該フィールドの直後からデスクリプタの最後の部分までの長さを示すことができる。したがって、descriptor_lengthフィールドが示す値に、descriptor_lengthフィールドに含まれていないdescriptor_tagフィールドの長さ(1バイト)及びdescriptor_lengthフィールドそのものの長さ(1バイト)を足すことによって、一つのデスクリプタの長さを導出することができる。そして、カウントフィールド(count field)が示すデスクリプタの個数だけのそれぞれのデスクリプタの長さを足すことによって、全体リンク層パケットの長さを導出することができる。例えば、本発明の一実施例に係るリンク層パケットのペイロードに含まれた2番目のデスクリプタは、ペイロードの開始から1番目のデスクリプタの長さだけ移動した位置で始まり、2番目のデスクリプタが始まる位置から一定オフセットだけ移動した位置に2番目のデスクリプタのdescriptor_lengthフィールドが存在し、このフィールドを確認することによって2番目のデスクリプタの全体長を導出することができる。このような過程によって、リンク層パケットのペイロードに含まれた一つ以上のデスクリプタのそれぞれの長さを導出することができ、デスクリプタのそれぞれの長さの和にリンク層パケットのヘッダー長を足すことによって、リンク層パケットの全体長を導出することができる。
【0279】
本発明の一実施例に係る受信装置で一つ以上のデスクリプタを含むリンク層パケットを受信すると、各デスクリプタに含まれた8ビット長のdescriptor_tagフィールド値から、受信装置は各デスクリプタに含まれたシグナリング情報を取得して用いることができる。
【0280】
図42は、本発明の一実施例に係る高速情報デスクリプタのシンタックスを示す図である。
【0281】
本発明の一実施例によれば、リンク層パケットのペイロードにシグナリングのためのデスクリプタを含めて送信する場合に、高速情報デスクリプタがリンク層パケットのペイロードに含まれてもよい。高速情報デスクリプタを用いて、本発明の一実施例に係る受信装置は放送サービスを迅速で容易にスキャン及び取得することができる。
【0282】
本発明の一実施例に係る高速情報デスクリプタは、descriptor_tagフィールド、descriptor_lengthフィールド、num_broadcastフィールド、broadcast_idフィールド、delivery_system_idフィールド、base_PLP_idフィールド、base_PLP_versionフィールド、num_serviceフィールド、service_idフィールド、service_categoryフィールド、service_hidden_flagフィールド及び/又はSP_indicatorフィールドを含む。
【0283】
本発明の一実施例に係る高速情報デスクリプタに含まれたフィールドのうち、前述した高速情報テーブルに含まれたフィールドと同じ名称を有するフィールドに関する説明は、前述した高速情報テーブルに関する説明の部分に代える。
【0284】
descriptor_tagフィールドは、当該デスクリプタが迅速なサービススキャンと関連した情報を含んでいる高速情報デスクリプタであることを示す。
【0285】
descriptor_lengthフィールドは、当該デスクリプタの長さを示す。
【0286】
図43は、本発明の一実施例に係る伝達システムデスクリプタを示す図である。
【0287】
本発明の一実施例によれば、リンク層パケットのペイロードにシグナリングのためのデスクリプタを含めて送信する場合に、伝達システムデスクリプタがリンク層パケットのペイロードに含まれてもよい。伝達システムデスクリプタは、伝達システム上で特定放送局が伝達するデータと関連したシグナリングデータなどを伝達するPLP(Physical Layer Pipe)の情報を含むことができる。
【0288】
本発明の一実施例に係る伝達システムデスクリプタは、descriptor_tagフィールド、descriptor_lengthフィールド、delivery_system_idフィールド、num_broadcastフィールド、base_PLP_idフィールド、base_PLP_versionフィールド、delivery_system_parameters_lengthフィールド及び/又はdelivery_system_parameters()を含む。
【0289】
descriptor_tagフィールドは、当該デスクリプタが伝達システムデスクリプタであることを示す識別子を示す。
【0290】
descriptor_lengthフィールドは、当該デスクリプタの長さを示す。
【0291】
delivery_system_idフィールドは、利用される放送ネットワーク上で同じ伝送パラメータを使用する伝達システム(delivery system)を識別する識別子を示す。
【0292】
num_broadcastフィールドは、周波数又は伝送されるトランスポートフレーム(transport frame)を用いて放送サービス又はコンテンツを送信する放送局の個数を示す。
【0293】
base_PLP_idフィールドは、broadcast_idによって識別される特定放送局で送信する放送サービスを構成するコンポーネントをデコーディングできる代表PLPの識別子を示す。ここで、PLPは、物理層のデータパイプを意味することができ、特定放送局で送信する放送サービスにはPSI/SI情報などが含まれてもよい。
【0294】
base_PLP_versionフィールドは、base_PLP_idによって識別されるPLPを介して伝送されるデータの変化によるバージョン情報を示す。例えば、base_PLPを介してPSI/SIなどのサービスシグナリングが伝達される場合、base_PLP_versionフィールド値は、サービスシグナリングの変化が起こる度に1ずつ増加してもよい。
【0295】
delivery_system_parameters_lengthフィールドは、当該フィールドに続くdelivery_system_parameters()の長さを示す。
【0296】
delivery_system_parameters()は、放送伝送システム特性を示すパラメータを含むことができる。パラメータは、帯域幅、ガードインターバル、伝送モード、中心周波数などを含むことができる。
【0297】
本発明の一実施例に係る伝達システムデスクリプタは、前述したネットワーク情報テーブル(NIT)に含めて伝送することができる。伝達システムデスクリプタがネットワーク情報テーブルに含まれて伝送される場合に、伝達システムデスクリプタが有するシンタックスについては、ネットワーク情報テーブルに関する説明の部分で前述した。
【0298】
図44は、本発明の一実施例に係るリンク層パケットのペイロードに入力されたシグナリング情報が、DVB−GSE標準で用いられるGSE−LLC形態である場合、一つのGSE−LLCデータを一つのリンク層パケットのペイロードにカプセル化する過程を示す図である。
【0299】
本発明の一実施例に係るLLCデータは、インデックス(index)部分とレコード(record)部分とに区別可能であり、レコード部分はさらにいくつかのテーブル(table)に区別可能である。ここで、レコード部分を構成するテーブルの形態は、GSEテーブル構造を有することができ、一般的なセクションテーブルの構造を有することもできる。
【0300】
同図で、本発明の一実施例に係る一つのLLCデータは一つのリンク層パケットのペイロードになってもよく、この場合、パケットタイプエレメントの示す値は110B(signaling)とし、シグナリングタイプフィールドの示す値は11B(GSE−LLC)とすることができる。本発明の一実施例に係るGSE−LLC形態のシグナリングを送信する場合、リンク層パケットは、2バイトの拡張ヘッダーを有することができ、上述した2バイトの拡張ヘッダーは、4ビットのSeg_SN(segment sequence number)フィールド及び12ビットの長さ(length)フィールドから構成することができる。この長さフィールドは、システムの構成によって、リンク層パケット全体の長さを示す値が割り当てられてもよく、リンク層パケットのペイロードのみの長さを示す値が割り当てられてもよい。
【0301】
図45は、本発明の一実施例に係る、リンク層パケットのペイロードに入力されたシグナリング情報が、DVB−GSE標準で用いられるGSE−LLC形態である場合に、一つのGSE−LLCデータを複数個のリンク層パケットのペイロードにカプセル化する過程を示す図である。
【0302】
本発明の一実施例に係るLLCデータが分割される場合には、同じLLCデータから分割されたことを示すためにSeg_IDフィールド値はいずれも同じ値を有することができる。
【0303】
本発明の一実施例に係る受信装置が分割されたLLCデータを受信して順序のとおりに組み替えることができるように、Seg_SNフィールドには、分割されたセグメントの順序情報が含まれてもよい。一つのLLCデータが一つのリンク層パケットのペイロードに含まれる場合には、Seg_SNフィールド値を0にすることができる。
【0304】
本発明の一実施例に係る受信装置はLLCインデックス(index)部分から、当該Seg_IDに対するLLCデータが分割されたセグメントの個数を認識できる。
【0305】
図46は、本発明の一実施例に係るシグナリング情報送信方法を示す図である。
【0306】
本発明の一実施例に係るシグナリング情報送信方法は、シグナリング情報を含むリンク層パケットを生成する段階(S172010)、及び/又は生成されたリンク層パケットを送信する段階(S172020)を含む。シグナリング情報を含むリンク層パケットを生成する段階(S172010)で、リンク層パケットは、固定ヘッダー及びペイロードを含み、シグナリング情報は、放送プログラム及びデータに関する情報と放送プログラム及びデータの受信に必要な情報を含むことができる。そして、シグナリング情報は、リンク層パケットのペイロードに含まれてもよい。上記固定ヘッダーは、本発明の一実施例に係るリンク層パケットのペイロードに含まれたデータの種類を識別するパケットタイプエレメント、及び本発明の一実施例に係るリンク層パケットのペイロードに含まれたシグナリング情報の形態を識別するシグナリングタイプエレメントを含むことができる。送信側は、上述した過程によって生成されたリンク層パケットを伝送する(S172020)。上述したリンク層パケット、パケットタイプエレメント及びシグナリングタイプエレメントに関する詳細な説明は、前述した。
【0307】
本発明の他の実施例によれば、上述したシグナリングタイプエレメントによって識別されたシグナリング情報の形態は、セクションテーブルであってもよい。
【0308】
本発明の他の実施例によれば、上述したシグナリングタイプエレメントによって識別されたシグナリング情報の形態は、デスクリプタであってもよい。
【0309】
本発明の他の実施例によれば、上述したシグナリングタイプエレメントによって識別されたシグナリング情報の形態は、GSE−LLCであってもよい。上述したシグナリングタイプエレメントに関する詳細な説明は、前述した。
【0310】
本発明の他の実施例によれば、上述した固定ヘッダーは、一つ以上のデスクリプタが一つのリンク層パケットのペイロードに含まれる場合、一つのリンク層パケットのペイロードに含まれたデスクリプタの個数を示すカウントフィールド(Concatenation Count field)を含むことができる。このカウントフィールドに関する詳細な説明は、前述した。
【0311】
本発明の他の実施例によれば、上述した固定ヘッダーは、GSE−LLCデータが一つ以上のセグメントに分割され、一つ以上のセグメントのうち一つのセグメントが一つのリンク層パケットのペイロードに含まれる場合、リンク層パケットのペイロードに含まれたセグメントが属しているGSE−LLCデータを識別するセグメント識別エレメントを含むことができる。このセグメント識別エレメントに関する詳細な説明は、前述した。
【0312】
本発明の他の実施例によれば、上述したリンク層パケットは、拡張ヘッダーを含むことができ、この拡張ヘッダーは、上述したGSE−LLCデータの組み換えのために必要なリンク層パケットのペイロードに含まれたセグメントの順序情報を示すセグメント順序エレメント、及び/又は上記リンク層パケットの全体長を示すパケット長さエレメントを含むことができる。上記セグメント順序エレメント及びパケット長さエレメントに関する詳細な説明は、前述した。
【0313】
本発明の他の実施例によれば、上述したリンク層パケットの全体長は、リンク層パケットのヘッダー長とリンク層パケットのペイロード長とを合算した値を示し、ペイロードにセクションテーブルが含まれる場合、上述したリンク層パケットのペイロード長は、リンク層パケットのペイロードを構成するセクションテーブルの長さを示すことができる。上述したセクションテーブルの長さは、上記セクションテーブルの開始部分から一定オフセットだけ移動した位置に存在するセクション長フィールドが示す値、上記一定オフセット及び上記セクション長フィールドの長さを合算した値を示すことができる。上述したセクション長フィールドは、上述したセクション長フィールドの直後から当該セクションの最後の部分までの長さを示すことができる。本発明の一実施例に係る上記一定オフセットは、セクションテーブルに含まれたtable_idフィールド長(8ビット)、section_syntax_indicatorフィールド長(1ビット)、Specific Useフィールド長(1ビット)及びreservedフィールド長(2ビット)を合算した値である12ビットであってもよい。上述したリンク層パケットのペイロード長を求める方法に関する詳細な説明は、前述した。
【0314】
本発明の他の実施例によれば、上述したリンク層パケットのペイロードには、迅速なサービススキャン及び取得のためのシグナリング情報を含む高速情報テーブル又は高速情報デスクリプタが含まれてもよい。この高速情報テーブル及び高速情報デスクリプタに関する詳細な説明は、前述した。
【0315】
図47は本発明の一実施例に係るRoHC伝送のためのリンク層パケット(link layer packet)のヘッダーを示す図である。
【0316】
IPベースの放送環境でも、IPパケットが前述したリンク層パケットに圧縮されて伝送されてもよい。IPベースの放送システムでストリーミングをする場合に、一般にIPパケットのヘッダー情報がほとんど変わらないで維持されてもよい。この点を用いてIPパケットのヘッダーを圧縮することができる。
【0317】
IPパケットのヘッダー(=IPヘッダー)を圧縮する際に、RoHC((Robust Header Compression)技法が主に用いられている。本発明では、RoHCパケットがリンク層(link layer)に入力として取り込まれた場合における圧縮(encapsulation)方法を提案する。
【0318】
RoHCパケットがリンク層の入力として入る場合、前述したパケットタイプエレメントの値は010
Bでよい。これは、前述したように、上位層からリンク層へ伝達されるパケットが圧縮されたIP(compressed IP)パケットであることを示す。
【0319】
RoHCパケットが入力される場合、リンク層パケットのヘッダーは、前述した他のパケットと同様に、固定ヘッダー(Fixed Header)及び/又は拡張ヘッダー(Extended Header)を含むことができる。
【0320】
固定ヘッダーは、パケットタイプフィールド及び/又はPC(Packet Configuration)フィールドを含むことができる。固定ヘッダーは、合計1バイトのサイズを有することができる。ここで、パケットタイプフィールドは、圧縮されたIPパケットの場合であるから、010の値を有することができる。拡張ヘッダーは、実施例によって固定又は可変するサイズを有することができる。
【0321】
固定ヘッダーのPCフィールドは、リンク層パケットのペイロードを構成するRoHCパケットが処理される形態を示すフィールドであってもよい。PCフィールドの値によって、これに続く固定ヘッダーの残り部分及び拡張ヘッダーの情報を決定することができる。また、PCフィールドは、RoHCパケットが処理される形態による拡張ヘッダーの長さ情報を内包することができる。PCフィールドは、1ビットのサイズを有することができる。
【0322】
PCフィールドの値が0
Bの場合について説明する。
【0323】
PCフィールドの値が0
Bの場合、リンク層パケットのペイロードが一つのRoHCパケットで構成されたり、2つ以上のRoHCパケットで連結(concatenation)される場合に該当する。連結(concatenation)は、複数個の短い長さのパケットがつながって、リンク層パケットのペイロードを構成することを意味する。
【0324】
PCフィールドの値が0
Bの場合、PCフィールドの次に1ビットのCI(Common CID Indicator)フィールドと3ビットのカウントフィールドが続いてもよい。このため、拡張ヘッダーに共通CID情報と長さパート(length part)が追加されてもよい。長さパートは、RoHCパケットの長さを表示するパートであってもよい。
【0325】
CI(Common Context ID Indicator)フィールドは、一つのリンク層パケットのペイロードを構成するRoHCパケットのCID(Context ID)がすべて同一である場合、1に設定され、そうでない場合には0に設定されてもよい。CI値が1である場合、共通したCIDに対するオーバーヘッド処理方法を適用することができる。CIフィールドは1ビットであってもよい。
【0326】
カウントフィールドは、一つのリンク層パケットのペイロードにいくつのRoHCパケットが含まれているかを示すことができる。すなわち、連結の場合において、連結されているRoHCパケットの個数をカウントフィールドが示すことができる。カウントフィールドは3ビットであってもよい。したがって、次の表のように、最大8個のRoHCパケットが一つのリンク層パケットのペイロードに含まれてもよい。カウントフィールドが000の値を有する場合、RoHCパケットが連結されず、一つのRoHCパケットがリンク層パケットのペイロードを構成することを意味できる。
【表1】
【0327】
長さパート(Length part)は、前述したように、RoHCパケットの長さを表示するパートであってもよい。RoHCパケットの場合、RoHCパケットヘッダーに長さ情報が除去されて入力される。このため、RoHCパケットヘッダー内の長さフィールドを活用することができない。したがって、受信機に当該RoHCパケットの長さを知らせるために、リンク層パケットのヘッダーは長さパートを含むことができる。
【0328】
IPパケットは、MTUが決定されていない場合、最大65535バイト長を有する。したがって、RoHCパケットに対しても最大長さまで支援できるように2バイトの長さ情報が必要である。また、複数のRoHCパケットが連結された場合、カウントフィールドで指定した数だけ、長さフィールドが追加されてもよい。この場合、長さパートは、複数個の長さフィールドを含むようになる。ただし、1個のRoHCパケットがペイロードに含まれる場合には、1つの長さフィールドのみが含まれてもよい。長さフィールドの配置は、リンク層パケットのペイロードを構成するRoHCパケットの順序と同一にすることができる。それぞれの長さフィールドはバイト単位の値を有することができる。
【0329】
共通CID(Common CID)フィールドは、共通するCIDを送信するフィールドであってもよい。RoHCパケットのヘッダー部分には、圧縮されたヘッダー間の関係を確認するためのCID(context ID)が含まれてもよい。このCIDは、安定したリンク(link)状態では同一値に維持可能である。このため、一つのリンク層パケットのペイロードに含まれるRoHCパケットがいずれも同一CIDを含んでもよい。の場合、オーバーヘッドを減らすために、連結されたペイロードを構成するRoHCパケットのヘッダー部分からCIDを除去し、リンク層パケットのヘッダーにおいて共通CIDフィールドにその値を表示して伝送してもよい。受信機では、共通CIDフィールドを用いてRoHCパケットのCIDを組み換えることができる。共通CIDフィールドがある場合、前述したCIフィールドの値は1にならなければならない。
【0330】
PCフィールドの値が1
Bの場合について説明する。
【0331】
PCフィールドの値が1
Bの場合、リンク層パケットのペイロードがRoHCパケットの分割された(segmented)パケットで構成される場合に該当する。ここで、分割されたパケットとは、長い長さのRoHCパケットを複数個のセグメントに分け、そのうち一つのセグメントがリンク層パケットのペイロードを構成することを意味できる。
【0332】
PCフィールドの値が1
Bの場合、PCフィールドの次に1ビットのLI(Last Segment Indicator)フィールドと3ビットのセグメントIDフィールドが続くことができる。また、分割(segmentation)に関する情報を追加するために、拡張ヘッダーに、セグメントシーケンスナンバー(Segment Sequence Number)フィールド、セグメント長ID(Segment Length ID)フィールド、最後のセグメント長(Last Segment Length)フィールドなどを追加することができる。
【0333】
LI(Last Segment Indicator)フィールドは、RoHCパケットが分割される場合において活用可能なフィールドである。RoHCパケットが複数個のセグメントに分割されてもよい。LI値が1の場合、現在リンク層パケットに含まれているセグメントが、一つのRoHCパケットから分けられたセグメントのうち、最後に位置したセグメントであることを意味することができる。LI値が0の場合、現在リンク層パケットに含まれているセグメントが、最後のセグメントでないことを意味できる。LIフィールドは、受信機でセグメントを集めて一つのRoHCパケットとして再構成する際、全てのセグメントが受信されたかを判断するために用いることができる。LIフィールドは1ビットであってもよい。
【0334】
セグメントID(Seg_ID)フィールドは、RoHCパケットが分割される場合において、RoHCパケットに与えられるIDを示すことができる。一つのRoHCパケットから分離されたセグメントはいずれも同一値のセグメントIDを有することができる。受信機は、それぞれ伝送されたセグメントを一つに合わせる際、セグメントIDから、同じRoHCパケットの構成要素であるか否かを判断できる。セグメントIDフィールドは3ビットであってもよい。したがって、同時に8個のRoHCパケットの分割(segmentation)を支援することができる。
【0335】
セグメントシーケンスナンバー(Seg_SN)フィールドは、RoHCパケットが分割されたとき、各セグメントの順序を確認するために用いることができる。すなわち、一つのRoHCパケットから分離されたセグメントをペイロードとして有するリンク層パケットは、同じSeg_IDを有するが、異なるSeg_SNを有することができる。Seg_SNは4ビットであってもよい。このため、一つのRoHCパケットは最大16個のセグメントに分割可能である。
【0336】
セグメント長ID(Seg_Len_ID)フィールドは、各セグメントの長さを示すことができる。ただし、セグメント長IDフィールドは、複数個のセグメントのうち、最後のセグメント以外のセグメントの長さを表現するために用いることができる。最後のセグメントの長さは、後述する最後のセグメント長フィールドで示すことができる。リンク層パケットのペイロードが、RoHCパケットの最後のセグメントでない場合、すなわち、LIの値が0である場合に、セグメント長IDフィールドが存在できる。
【0337】
ヘッダーのオーバーヘッドを減らすために、セグメントが有し得る長さは16個に制限されてもよい。物理層で処理するFECのコードレート(code rate)によってパケットの入力サイズが決定されていてもよい。これに基づいてセグメントの長さを決定して、Seg_Len_IDとして指定することができる。セグメントの長さとは無関係に物理層が動作する場合、次のようにセグメントの長さを決定することができる。
【数1】
【0338】
ここで、Len_Unit(Length Unit)は、セグメントの長さを表示する基本単位であり、min_Lenは、セグメント長の最小値を意味できる。Len_Unitとmin_Lenは、送信機と受信機において同じ値を有するべきであり、一度決定されると変わらない方が、システムの運用に効率的である。また、Len_Unitとmin_Lenは、システムの初期化過程で物理層のFECの処理能力を考慮して決定することができる。
【0339】
次の表は、Seg_Len_IDの値によって表現されるセグメントの長さを整理したものであり、Seg_Len_IDに割り当てられた長さは一実施例であり、設計者の意図によって変更されてもよい。この実施例では、Len_Unit値は256、min_Len値は512である。
【表2】
【0340】
最後のセグメント長(L_Seg_Len)フィールドは、リンク層パケットのペイロードに含まれたセグメントが、RoHCパケットの最後のセグメントである場合に用いられるフィールドである。すなわち、LIフィールド値が1の場合に活用されるフィールドである。RoHCパケットをSeg_Len_IDを用いて前部から同じサイズに分割することができる。しかし、この場合、最後のセグメントはSeg_Len_IDが示すサイズに分割されない場合がある。したがって、最後のセグメントの長さは、L_Seg_Lenフィールドによって直接表示されてもよい。L_Seg_Len フィールドは、1〜4095バイトを表示できる。これは実施例によって変更されてもよい。
【0341】
図48は、本発明に係る、リンク層パケットを用いたRoHCパケット伝送方法の実施例#1を示す図である。
【0342】
本実施例は、RoHCパケットが物理層の処理範囲内にあることから、一つのRoHCパケットがリンク層パケットのペイロードを構成する場合に該当する。この場合、RoHCパケットは、連結(concatenation)又はセグメンテーション(segmantation)されなくてもよい。
【0343】
この場合、一つのRoHCパケットがそのままリンク層パケットのペイロードになってもよい。パケットタイプの値は010
Bになり、PCフィールドの値は0
B,CIフィールド値は0
Bでよい。前述したカウントフィールドの場合、一つのRoHCパケットがそのままペイロードを構成するので(1個)、前述したように000
Bの値を有することができる。次に、RoHCパケットの長さを示す2バイトの長さフィールドが続いてもよい。この場合、一つのパケットのみがペイロードを構成するので、長さパートは一つの長さフィールドのみを含むことができる。
【0344】
この実施例で、総3バイトのリンク層ヘッダーが追加されている。したがって、長さフィールドが示すRoHCパケットの長さがLバイトであるとすれば、リンク層パケットの全体長さはL+3バイトとなる。
【0345】
図49は、本発明に係る、リンク層パケットを用いたRoHCパケット伝送方法の実施例#2を示す図である。
【0346】
本実施例は、RoHCパケットが物理層の処理範囲内に到達しないことから、複数個のRoHCパケットが連結されてリンク層パケットのペイロードに含まれるケースに該当する(連結)。
【0347】
この場合、PCフィールド及びCIフィールドの値は、一つのRoHCパケットがペイロードに含まれる場合と同一である。その次にカウントフィールドがつながる。カウントフィールドは、前述したように、いくつのRoHCパケットがペイロードに含まれているかによって001
B〜111
Bの値を有することができる。
【0348】
続いて、各2バイトの長さを有する長さフィールドが、カウントフィールドが示す個数だけ位置することができる。各長さフィールドは、各RoHCパケットの長さを示すことができる。この長さフィールド(Length field)を長さパート(Length part)と呼ぶことができる。
【0349】
ここで、カウントフィールドが示す値がn個であるとすれば、リンク層パケットのペイロードには、それぞれL
1,L
2,…,L
nの長さを有するRoHCパケットR
1,R
2,…,R
nが連結されていてもよい。
【0350】
総拡張ヘッダーは2nバイトの長さを有することができる。リンク層パケットの全体長L
Tは、次の式のように表現することができる。
【数2】
【0351】
図50は、本発明に係る、リンク層パケットを用いたRoHCパケット伝送方法の実施例#3を示す図である。
【0352】
本実施例は、複数個のRoHCパケットが連結されてリンク層パケットのペイロードを構成する場合(連結)において、連結されたRoHCパケットが同じCID(Context ID)を有する場合に該当する。
【0353】
RoHCパケットが同じCIDを有する場合、CIDを一度だけ表記して伝送しても、受信機では元来のままRoHCパケット及びそのヘッダーを復元することができる。したがって、RoHCパケットで共通するCIDを抽出して一度だけ送信することが可能であり、これによって、オーバーヘッドを減らすことができる。
【0354】
この場合、前述したCIフィールドの値は1になる。これは、同じCIDに対する処理がなされたことを意味できる。同じCIDを有するRoHCパケットを、[R
1,R
2,R
3,…,R
n]と表示した。共通するCIDは、共通CID(Common CID)と呼ぶことができる。RoHCパケットのヘッダーにおいてCIDを除いたパケットをR’
kと表示した(kは、1,2,...,n)。
【0355】
リンク層パケットのペイロードは、R’
k(kは、1,2,...,n)を含むことができる。リンク層パケットの拡張ヘッダーの末尾部分には共通CIDフィールドが追加されてもよい。共通CIDフィールドは、共通するCIDを示すことができる。共通CIDフィールドは、拡張ヘッダーの一部として伝送されてもよく、リンク層パケットのペイロードの一部として伝送されてもよい。システムの運用に応じて、共通CIDフィールドの位置を確認できる部分に適宜再配置することが可能である。
【0356】
共通CIDフィールドのサイズは、RoHCパケットの構成(configuration)によって可変してもよい。
【0357】
RoHCパケットの構成がスモールCID構成(Small CID configuration)である場合、RoHCパケットのCIDのサイズは、4ビットの長さを有することができる。ただし、RoHCパケットからCIDを抽出して再配置する場合には、add−CIDオクテット全体が処理されてもよい。すなわち、共通CIDフィールドが1バイトの長さを有することができる。又は、RoHCパケットから1バイトのadd−CIDオクテットを抽出した後、4ビットのCIDのみを共通CIDフィールドに割り当て、余り4ビットは、後に活用するために残してもよい。
【0358】
RoHCパケットの構成がラージCID構成(Large CID configuration)である場合、RoHCパケットのCIDサイズは、1バイト又は2バイトの長さを有することができる。CIDのサイズは、RoHC初期化過程で決定される。CIDのサイズによって、共通CIDフィールドは1バイト又は2バイトの長さを有することができる。
【0359】
本実施例で、リンク層パケットのペイロードの長さは、次のように計算することができる。同じCIDを有するn個のRoHCパケットR
1,R
2,…,R
nの長さをそれぞれL
1,L
2,…,L
nとすることができる。リンク層パケットのヘッダーの長さをL
H、共通CIDフィールドの長さをL
CID、リンク層パケットの全体長をL
Tとすれば、L
Hは、次のとおりである。
【数3】
【0360】
また、L
Tは、次のように計算することができる。
【数4】
【0361】
前述したように、L
CIDは、RoHCのCID構成によって決定することができる。すなわち、L
CIDは、スモールCID構成の場合に1バイト、ラージCID構成の場合には1バイト又は2バイトとすることができる。
【0362】
図51は、本発明に係る、リンク層パケットを用いたRoHCパケット伝送方法の実施例#4を示す図である。
【0363】
本実施例は、入力されたRoHCパケットが物理層の処理範囲を超える場合(segmentation)において、分離されたセグメントがそれぞれリンク層パケットのペイロードに圧縮(encapsulation)される場合に該当する。
【0364】
リンク層パケットのペイロードが分割されたRoHCパケットで構成されたことを知らせるために、PCフィールドの値は1
Bになる。LIフィールドは、RoHCパケットの最後の部分に該当するセグメントをペイロードとして有する場合にのみ1
Bになり、余りの全てのセグメントに対しては0
Bになる。LIフィールドの値は、リンク層パケットの拡張ヘッダーに関する情報を知らせることもできる。すなわち、LIフィールドの値が0
Bの場合には1バイト、1
Bの場合は2バイト長の拡張ヘッダーが追加されてもよい。
【0365】
同じRoHCパケットから分割されたことを示すために、Seg_ID値はいずれも同じ値を有することができる。受信機における正常なRoHCパケット組み換えのためのセグメントの順序情報を示すために、順次に増加するSeg_SN値がヘッダーに記録されてもよい。
【0366】
RoHCパケットを分割する際、前述したように、セグメントの長さを決めて分割を行うことができる。その長さに合うSeg_Len_ID値がヘッダーに記録されてもよい。最後のセグメントの長さは、前述したように、12ビットのL_Seg_Lenフィールドに直接記録されてもよい。
【0367】
Seg_Len_ID、L_Seg_Lenフィールドを用いて表示する長さ情報は、セグメント、すなわち、リンク層パケットのペイロードに関する情報のみを表示する。このため、全体リンク層パケットの長さ情報は、LIフィールドから読み取れるリンク層パケットのヘッダー長を足して計算することができる。
【0368】
受信側でRoHCパケットのセグメントを組み換える過程で、組み換えられたRoHCパケットの完全性を確認する必要がある。そのために、分割過程でIPパケットに続いてCRCが追加されてもよい。一般に、CRCは、RoHCパケットの最後に追加されるので、分割過程の後に最後のセグメントにCRCを含めることができる。
【0369】
図52は、MTUが1500である場合において、本発明の一実施例に係るRoHC伝送のためのリンク層パケットのヘッダーを示す図である。
【0370】
一般に、ビデオ及びオーディオストリーミング時に、RoHC技法を適用することができる。このとき、IPパケットのMTU(Maximum Transmission Unit:最大伝送単位)を1500バイトに設定することができる。これは、RoHCパケットも1500バイトよりは小さい長さを有するということを意味する。
【0371】
前述したように、固定ヘッダーのPCフィールドは、リンク層パケットのペイロードを構成するRoHCパケットが処理される形態を示すことができる。PCフィールドの値によって、これに続く固定ヘッダーの残り部分及び拡張ヘッダーの情報を決定することができる。また、PCフィールドは、RoHCパケットが処理される形態による拡張ヘッダーの長さ情報を内包することができる。PCフィールドは、1ビットのサイズを有することができる。
【0372】
PCフィールドの値が0
Bの場合について説明する。
【0373】
PCフィールドの値が0
Bの場合、リンク層パケットのペイロードが一つのRoHCパケットで構成されたり、RoHCパケットの分割された(segmented)パケットで構成される場合に該当する。PCフィールドにSIフィールドが続いている。SI(Segment Indicator)フィールドは、リンク層パケットのペイロードが一つのRoHCパケットで構成されたか、又はRoHCパケットのセグメントで構成されたかを示すことができる。このSIフィールド値によって、固定ヘッダー及び拡張ヘッダー部分のフィールドを決定することができる。
【0374】
SIフィールドは、前述したように、リンク層パケットのペイロードが一つのRoHCパケットで構成されたか、又はRoHCパケットのセグメントで構成されたかを示すことができる。0の場合、一つのRoHCパケットで構成されたことを意味し、1の場合は、RoHCパケットのセグメントで構成されたことを意味できる。SIフィールドは、1バイトの長さを有することができる。
【0375】
セグメントID(Seg_ID)フィールドは、RoHCパケットが分割される場合において、RoHCパケットに与えられるIDを示すことができる。これは、前述したSeg_IDフィールドと同一である。
【0376】
セグメントシーケンスナンバー(Seg_SN)フィールドは、RoHCパケットが分割されたとき、各セグメントの順序を確認するために用いることができる。これは、前述したSeg_SNフィールドと同一である。
【0377】
LI(Last Segment Indicator)フィールドは、RoHCパケットが分割されたとき、現在リンク層パケットに含まれているセグメントが、RoHCパケットから分割されたセグメントのうち、最後に位置したセグメントであるか否かを示すことができる。これは、前述したLIフィールドと同一である。
【0378】
セグメント長ID(Seg_Len_ID)フィールドは、各セグメントの長さを表現するために用いることができる。これは、前述したSeg_Len_IDフィールドと同一である。ただし、前述とは違い、セグメントが有し得る長さを、16個ではなく8個に制限することができる。この場合、Seg_Len_IDの値によって表現されるセグメントの長さは、次の表のように整理できる。Seg_Len_IDに割り当てられた長さは一実施例であり、設計者の意図によって変更されてもよい。この実施例では、Len_Unit値は64、min_Len値は256である。
【表3】
【0379】
最後のセグメント長(L_Seg_Len)フィールドは、最後のセグメントの長さを表現するために用いることができる。これは、前述したL_Seg_Lenフィールドと同一である。ただし、前述した場合とは違い、L_Seg_Lenフィールドは1〜2048バイトを表示できる。これは実施例によって変更されてもよい。
【0380】
PCフィールドの値が1
Bの場合について説明する。
【0382】
リンク層パケットのペイロードが2つ以上のRoHCパケットが連結される場合に該当する。PCフィールドに1ビットのCI(Common CID Indicator)フィールドと3ビットのカウントフィールドが続いている。これによって、拡張ヘッダーに共通CID情報と長さパート(length part)を追加することができる。
【0383】
CI(Common Context ID Indicator)フィールドは、一つのリンク層パケットのペイロードを構成するRoHCパケットのCID(Context ID)がすべて同一であるか否かを示すフィールドである。これは、前述したCIフィールドと同一である。
【0384】
カウントフィールドは、一つのリンク層パケットのペイロードにいくつのRoHCパケットが含まれているかを示すことができる。前述したカウントフィールドとは違い、000値は2個のRoHCパケットが連結されていることを意味することができる。カウントフィールド値が111の場合、9個以上のRoHCパケットが連結されたことを示すことができる。これを整理すると、次の表のとおりとなる。
【表4】
【0385】
長さパート(Length part)は、RoHCパケットの長さを示すことができる。長さパートは、前述したように、複数個の長さフィールドを含むことができる。各長さフィールドは、各RoHCパケットの長さを示すことができる。
【0386】
この実施例で、MTUは1500バイトであるから、長さフィールドには、これを表示するための最小のビット数である11ビットを割り当てることができる。11ビットで2048バイトまで表示できるので、後で、必要時にMTUが2048バイトまで拡張される場合にも、本発明で提示する方法を用いることができる。長さフィールドは、長さを直接表示してもよく、別の値をマッピングして長さを表示してもよい。前述したように、カウントフィールドで指定した数だけ長さフィールドを追加することができる。
【0387】
拡張長さパート(Extended Length Part)は、連結されたRoHCパケットの個数が9個又はそれ以上である場合に、9番目の以降のRoHCパケットの長さを表示するために用いることができる。すなわち、カウントフィールド値が111
Bの場合に活用することができる。拡張長さパートは、11ビットの長さフィールドと1ビットのXフィールドを含むことができる。これら両フィールドは交互に位置すればよい。
【0388】
共通CID(Common CID)フィールドは、共通するCIDを伝送することができる。これは、前述した共通CIDフィールドと同一であってもよい。
【0389】
図53は、本発明に係る、MTUが1500である場合におけるリンク層パケットを用いたRoHCパケット伝送方法の実施例#1を示す図である。
【0390】
本実施例は、MTUが1500である場合において、PCフィールドは1であり、カウント値は111
Bでない場合に該当し得る。
【0391】
この場合、長さパートは、前述したように、カウントフィールド値が指定する個数だけの長さフィールドを有することができる。一つの長さフィールドは11ビットであるから、長さフィールドの個数によって、パディングビットが追加されてもよい。すなわち、カウントフィールドが指定する個数の値がk、一つの長さフィールドサイズをs(bit)とすれば、全体長さパートの長さL
LPは、次のように計算することができる。
【数5】
【0392】
また、長さパートに追加されるパディングビットのサイズは、次のように計算することができる。
【数6】
【0393】
前述したように、長さフィールドの長さsは11ビットでよい。これを用いて長さパート、パディングビットのサイズを整理すると、次のとおりである。
【表5】
【0394】
図54は、本発明に係る、MTUが1500である場合におけるリンク層パケットを用いたRoHCパケット伝送方法の実施例#2を示す図である。
【0395】
本実施例は、MTUが1500である場合において、PCフィールドは1であり、カウント値は111
Bである場合に該当し得る。この場合、前述したように、拡張長さパートを追加することができる。
【0396】
この場合、拡張長さパートの前に位置する長さパートは、11ビットの長さフィールドを8個含むので、総11バイトの長さを有することができる。カウント値が111であるので、拡張長さパートには少なくとも一つの長さフィールドが存在しなければならない。
【0397】
拡張長さパートは、前述したように、11ビットの長さフィールドと1ビットのXフィールドを含むことができる。これら両フィールドは交互に位置すればよい。拡張長さパートの長さフィールドは、長さパートの長さフィールドと同一に運用されてもよい。
【0398】
Xフィールドは、次に長さフィールドがさらに続くか否かを示すことができる。Xフィールドの値が0の場合、それ以上の長さフィールドが追加されないことを意味できる。Xフィールドの値が1の場合、少なくとも一つの長さフィールドとXフィールドが続くことを意味することができる。したがって、Xフィールドの値が0になるまで拡張長さパートは増加し続く。Xフィールドの個数だけペイロードに位置するRoHCパケットの個数も追加されることがわかる。
【0399】
拡張長さパートにおいて、1の値を有するXフィールドの個数をmとし、一つの長さフィールドのサイズをs(bit)とすれば、拡張長さパートの長さL
ELPを次のように計算することができる。
【数7】
【0400】
拡張長さパートも、バイト単位の処理のためにパディングビットを有することができる。拡張長さパートに追加されるパディングビットのサイズは、次のように計算することができる。
【数8】
【0401】
長さフィールドの個数が奇数の場合には4ビットのパディングビットが追加され、偶数の場合にはパディングビットは追加されなくてもよい。
【0402】
図55は、本発明に係る、MTUが1500である場合におけるリンク層パケットを用いたRoHCパケット伝送方法の実施例#3を示す図である。
【0403】
本実施例は、MTUが1500である場合において、RoHCパケットが物理層の処理範囲内にあることから、一つのRoHCパケットがリンク層パケットのペイロードを構成する場合に該当する。
【0404】
この場合、一つのRoHCパケットをそのままリンク層パケットのペイロードとすることができる。パケットタイプの値は010
B、PCフィールドの値は0
B、SIフィールド値は0
Bとすることができる。前述した長さパートが続いてもよい。ここで、長さパートは、一つの長さフィールドを有することができる。長さフィールドは11ビットであってもよい。この11ビットのために、固定ヘッダーの3ビットと拡張ヘッダーの1バイトを一つの長さフィールドのために用いることができる。
【0405】
この場合、総2バイトのリンク層ヘッダーが追加される。したがって、長さフィールドが示すRoHCパケットの長さがLバイトであるとすれば、総リンク層パケットの長さはL+2バイトとなる。
【0406】
図56は、本発明に係る、MTUが1500である場合におけるリンク層パケットを用いたRoHCパケット伝送方法の実施例#4を示す図である。
【0407】
本実施例は、MTUが1500である場合において、入力されたRoHCパケットが物理層の処理範囲を超える場合(segmentation)において、分離されたセグメントがそれぞれリンク層パケットのペイロードに圧縮(encapsulation)される場合に該当する。
【0408】
分割されたことを示すためにSIフィールド値を1とすることができる。
【0409】
前述したように、Seg_ID値は、いずれも同じ値を有しなければならず、Seg_SN値は順次に増加する値を有しなければならない。LIフィールドは、最後のセグメントである場合にのみ1の値を有し、その他の場合は0の値を有することができる。また、Seg_Len_ID、L_Seg_Lenフィールドを用いて各セグメントの長さを表示することができる。詳細な長さ表示方法は、前述したとおりである。
【0410】
全体リンク層パケットの長さ情報は、LIフィールドから読み取れるリンク層パケットのヘッダー長を足すことによって計算することができる。また、受信側でRoHCパケットのセグメントを組み換える過程における完全性を確認するために、CRCが追加されてもよい。このCRCは、最後のセグメントに追加することができる。
【0411】
図57は、本発明に係る、MTUが1500である場合におけるリンク層パケットを用いたRoHCパケット伝送方法の実施例#5を示す図である。
【0412】
本実施例は、MTUが1500である場合において、RoHCパケットが物理層の処理範囲内に到達しておらず、複数個のRoHCパケットが連結されてリンク層パケットのペイロードに含まれるケースに該当する(連結)。
【0413】
本実施例は、RoHCパケットが8個以下に連結された場合に該当してもよい。この場合、拡張長さパートは省かれてもよい。PCフィールド値は1、CIフィールド値は0となっている。カウントフィールドの値は、前述したように、000
B〜110
Bを有することができる。
【0414】
ここで、カウントフィールドの示す値をn個とすれば、リンク層パケットのペイロードには、それぞれL
1,L
2,…,L
nの長さを有するRoHCパケットR
1,R
2,…,R
nが連結されていてもよい。各長さフィールドは、11ビットの長さを有することができる。必要な場合、長さフィールドにパディングビットが続いてもよい。
【0415】
全体リンク層パケットの長さL
Tは、次のとおりである。
【数9】
【0416】
ここで、L
LPは、全体長さパートの長さを表し、L
kは、各RoHCパケットの長さを表す。
【0417】
図58は、本発明に係る、MTUが1500である場合におけるリンク層パケットを用いたRoHCパケット伝送方法の実施例#6を示す図である。
【0418】
本実施例は、MTUが1500である場合において、RoHCパケットが物理層の処理範囲内に到達されておらず、複数個のRoHCパケットが連結されてリンク層パケットのペイロードに含まれる場合に該当する(連結)。
【0419】
ただし、本実施例は、RoHCパケットが9個以上連結された場合に該当し得る。この場合、長さパートの他、拡張長さパートも必要となる。前述したように、カウントフィールドは111の値を有することができる。
【0420】
拡張長さパートにおいて、1の値を有するXフィールドの個数をmとすれば、リンク層パケットのペイロードに連結されるRoHCパケットの個数nは、8+(m+1)となる。このとき、全体リンク層パケットの長さL
Tは、次のとおりである。
【数10】
【0421】
ここで、L
LPは、全体長さパートの長さを表し、L
kは、各RoHCパケットの長さを表す。ここで、L
ELPは、全体拡張長さパートの長さを表す。
【0422】
図59は本発明に係る、MTUが1500である場合におけるリンク層パケットを用いたRoHCパケット伝送方法の実施例#7を示す図である。
【0423】
本実施例は、MTUが1500である場合において、複数個のRoHCパケットが連結されてリンク層パケットのペイロードを構成する場合(連結)に該当し得る。ただし、本実施例は、連結されたRoHCパケットが同じCID(Context ID)を有する場合に該当する。
【0424】
この場合、前述したCIフィールドの値は1になる。これは、同じCIDに対する処理がなされたということを意味できる。同じCIDを有するRoHCパケットを[R
1,R
2,R
3,…,R
n]と表示した。共通するCIDは、共通CID(Common CID)と呼ぶことができる。RoHCパケットのヘッダーにおいてCIDを除くパケットをR’
kと表示した(kは、1,2,...,n)。
【0425】
リンク層パケットのペイロードは、R’
k(kは、1,2,...,n)を含むことができる。リンク層パケットの拡張ヘッダーの末尾部分には共通CIDフィールドが追加されてもよい。共通CIDフィールドは、共通するCIDを伝送することができる。共通CIDフィールドは、拡張ヘッダーの一部として伝送されてもよく、リンク層パケットのペイロードの一部として伝送されてもよい。システムの運用によって、共通CIDフィールドの位置を確認できる部分に適宜再配置することが可能である。
【0426】
共通CIDフィールドのサイズは、RoHCパケットの構成によって可変してもよい。
【0427】
RoHCパケットの構成がスモールCID構成(Small CID configuration)である場合、RoHCパケットのCIDサイズは4ビットの値を有することができる。ただし、RoHCパケットからCIDを抽出して再配置する場合には、add−CIDオクテット全体が処理されてもよい。すなわち、共通CIDフィールドが1バイトの長さを有することができる。又は、RoHCパケットから1バイトのadd−CIDオクテットを抽出した後、4ビットのCIDのみを共通CIDフィールドに割り当て、余り4ビットは後に活用するために残すこともできる。
【0428】
RoHCパケットの構成がラージCID構成(Large CID configuration)である場合、RoHCパケットのCIDサイズは、1バイト又は2バイト長を有することができる。CIDのサイズは、RoHC初期化過程で決定される。CIDのサイズによって、共通CIDフィールドは1バイト又は2バイトの長さを有することができる。
【0429】
この場合、リンク層パケットの全体長L
Tは、次のように計算することができる。
【数11】
【0430】
ここで、L
CIDは、共通CIDフィールドの長さを意味できる。前述したように、L
CIDは、RoHCのCID構成によって決定されてもよい。
【0431】
同様の方法によって、nが9以上である場合(カウントフィールドの値が111
Bである場合)には、リンク層パケットの全体長L
Tを次のように計算することができる。
【数12】
【0432】
同様に、ここで、L
CIDは、共通CIDフィールドの長さを意味できる。
【0433】
図60は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にIPパケットが伝達される場合におけるリンク層パケットのヘッダーの構造を示す図である。
【0434】
この場合、リンク層パケットのヘッダーは、固定ヘッダー(Fixed header)と拡張ヘッダー(Extended header)を含むことができる。固定ヘッダーは1バイトの長さを有することができ、拡張ヘッダーは、固定された長さを有したり可変する値(variable)を長さとして有することができる。各ヘッダーの長さは設計者の意図によって変更されてもよい。
【0435】
固定ヘッダーは、パケットタイプフィールド、PCフィールド及び/又はカウントフィールドを含むことができる。他の実施例によれば、固定ヘッダーは、パケットタイプフィールド、PCフィールド、LIフィールド及び/又はセグメントIDフィールドを含むことができる。
【0436】
拡張ヘッダーは、セグメントシーケンスナンバー(Segment Sequence Number)フィールド及び/又はセグメント長ID(Segment Length ID)フィールドを含むことができる。他の実施例によれば、拡張ヘッダーは、セグメントシーケンスナンバーフィールド及び/又は最後のセグメント長(Last Segment Length)フィールドを含むことができる。
【0437】
固定ヘッダーのフィールドについて説明する。
【0438】
パケットタイプフィールドは、前述したように、リンク層に入力されるパケットのタイプを示すことができる。IPパケットがリンク層の入力として入る場合、パケットタイプフィールドは000
B又は001
Bの値を有することができる。
【0439】
PC(Packet Configuration)フィールドは、続く固定ヘッダーの残り部分及び/又は拡張ヘッダーの構成を示すことができる。すなわち、PCフィールドは、入力されたIPパケットがいかなる形態で処理されたかを示すことができる。したがって、PCフィールドは、拡張ヘッダーの長さに関する情報を内包することができる。
【0440】
PCフィールドの値が0の場合、これは、リンク層パケットのペイロードが一つのIPパケットを含んだり、連結された2つ以上のIPパケットを含むことを意味できる。ここでいう連結とは、短い長さの複数のパケットが一つにつながってペイロードを構成することを意味できる。
【0441】
また、PCフィールドの値が0の場合、PCフィールドには4ビットのカウントフィールドが続いてもよい。ここで、カウントフィールドは、一つのペイロードがいくつの連結されたIPパケットを有するかを示すことができる。カウントフィールドの値による連結されたIPパケットの個数については後述する。
【0442】
また、PCフィールドの値が0の場合、リンク層は拡張ヘッダーを含まなくてもよい。ただし、実施例によって、リンク層パケットの長さが表示される必要がある場合、1−2バイトの拡張ヘッダーが追加されてもよい。この場合、拡張ヘッダーは、リンク層パケットの長さを示すために用いることができる。
【0443】
PCフィールドの値が1の場合、これは、リンク層パケットのペイロードが分割されたパケット(segmented packet)を含むことを意味することができる。ここで、分割されたパケットは、長い長さのIPパケットがいくつかのセグメントに分けられたことを意味することができる。各分割された断片を、セグメント又は分割されたパケットと呼ぶことができる。すなわち、PCフィールドの値が1の場合、リンク層パケットのペイロードは一つの分割された断片、すなわち、セグメントを含むことができる。
【0444】
また、PCフィールドの値が1の場合、PCフィールドには1ビットのLIフィールドと3ビットのセグメントIDフィールドが続いてもよい。
【0445】
LI(Last Segment Indicator)フィールドは、当該リンク層パケットが分割されたセグメントのうち、最後のセグメントを含むか否かを示すことができる。すなわち、LI値が1の場合、当該リンク層は、分割されたセグメントのうち最後のセグメントを含み、LI値が0の場合にはそうでない。LIフィールドは、受信機が本来のIPパケットを再構成する時に用いることができる。LIフィールドの値は、リンク層パケットの拡張ヘッダーに関する情報を示すこともできる。すなわち、LIフィールド値が0の場合、拡張ヘッダーの長さは1バイト、LIフィールド値が1の場合には、拡張ヘッダーの長さは2バイトであってもよい。その詳細は後述する。
【0446】
セグメントIDフィールドは、当該リンク層パケットが含むセグメントのIDを示すことができる。一つのIPパケットが分割されるとき、各セグメントには同じIDを与えることができる。このセグメントIDは、受信機が本来のIPパケットを再構成する時、それぞれのセグメントが同じIPパケットの構成要素であることを知らせることができる。セグメントIDフィールドは3ビットのサイズを有するので、同時に総8個のIPパケットの分割を支援することができる。
【0447】
また、PCフィールドの値が1の場合、分割に関する情報のために拡張ヘッダーを用いることができる。前述したように、拡張ヘッダーは、セグメントシーケンスナンバー、セグメント長IDフィールド、及び/又は最後のセグメント長フィールドなどを含むことができる。
【0448】
拡張ヘッダーのフィールドについて説明する。
【0449】
前述したLIフィールドが0の値を有する場合、すなわち、リンク層パケットに含まれているセグメントが最後のセグメントでない場合、拡張ヘッダーは、セグメントシーケンスナンバーフィールド及び/又はセグメント長IDフィールドを含むことができる。
【0450】
セグメントシーケンスナンバーフィールドは、分割されたパケットが何番目のパケットであるかを示すことができる。したがって、一つのIPパケットから分割されたセグメントを有するリンク層パケットは、同じセグメントIDフィールドを有するが、異なるセグメントシーケンスナンバーフィールドを有する。セグメントシーケンスナンバーフィールドは4ビットのサイズを有するので、一つのIPパケットは最大16個のセグメントに分割され得る。
【0451】
セグメント長IDフィールドは、最後のセグメント以外のセグメントの長さを示すことができる。最後のセグメント以外のセグメントの長さは同一であってもよい。したがって、これらの長さは、既に指定された長さIDを用いて表現してもよい。セグメント長IDフィールドは、その長さIDを示すことができる。
【0452】
セグメントの長さは、物理層のFECコードレートによって決定されているパケットの入力サイズに基づいて設定することができる。すなわち、その入力サイズに合わせてセグメントの長さを決定することができ、そのセグメント長はセグメント長IDによって指定されてもよい。ヘッダーのオーバーヘッドを減らすために、セグメントが有し得る長さは16個に制限されてもよい。
【0453】
セグメントの長さによるセグメント長IDフィールドの値については後述する。
【0454】
物理層がセグメントの長さとは無関係に動作する場合、セグメントの長さはセグメント長IDと長さユニット(Len_Unit、Length Unit)の積に最小セグメント長(min_Len、minimum segment length)を足して求めることができる。ここで、長さユニットは、セグメントの長さを表示する基本単位であり、最小セグメント長は、セグメント長の最小値を意味できる。長さユニットと最小セグメント長は、送信機と受信機で常に同じ値を有しなければならず、一度決定されると変わらない方が、システム運用に効率的である。長さユニットと最小セグメント長は、システムの初期化過程で物理層のFEC処理能力を考慮して決定することができる。
【0455】
上記LIフィールドが1の値を有する場合、すなわち、リンク層パケットに含まれているセグメントが最後のセグメントである場合、拡張ヘッダーは、セグメントシーケンスナンバーフィールド及び/又は最後のセグメント長フィールドを含むことができる。
【0456】
セグメントシーケンスナンバーフィールドは、前述したとおりである。
【0457】
最後のセグメント長フィールドは、最後のセグメントの長さを直接示すことができる。一つのIPパケットが特定長さを有するセグメントに分割される場合、最後のセグメントは、他のセグメントと異なる長さを有することがある。このため、最後のセグメント長フィールドは最後のセグメントの長さを直接示すことができる。最後のセグメント長フィールドは1−4095バイトを表示することができる。表示可能なバイト数は、実施例によって異なってもよい。
【0458】
図61は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にIPパケットが伝達される場合におけるリンク層パケットのヘッダーにおいて、各フィールドの値が示すものを示す図である。
【0459】
前述したように、カウントフィールドの値によって連結されたIPパケットの個数を決定することができる(t61010)。カウントフィールドの値はそのまま連結されたIPパケットの個数を示すこともできるが、0個のパケットが連結された場合は意味がない。このため、カウントフィールドは、カウントフィールドの値に1を足した個数のIPパケットが連結されていることを示すことができる。すなわち、表t61010のように、0010の場合に3個、0111の場合に8個のIPパケットが連結されていると表現することができる。
【0460】
ここで、カウントフィールドの値が0000の場合、1個のIPパケットが連結されていることを示すが、これは連結無しで、リンク層パケットのペイロードが一つのIPパケットを含むことを示すことができる。
【0461】
前述したように、分割されたセグメントの長さは、セグメント長IDフィールドの値によって表現することができる(t61020)。
【0462】
例えば、セグメント長IDフィールドの値が0000の場合、512バイトのセグメント長を有することができる。これは、当該リンク層パケットのペイロードが含むセグメントが最後のセグメントではなく、512バイトの長さを有することを意味できる。このセグメントと同じIPパケットから分割された他のセグメントも、最後のセグメントでなければ、512バイトの長さを有することができる。
【0463】
この表では、長さユニットは256、最小セグメント長は512の値を有する。したがって、最小のグメント長は512バイト(セグメント長IDフィールド=0000)である。また、指定されたセグメントの長さは256バイトの間隔で増加する。
【0464】
図62は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にIPパケットが伝達される場合におけるリンク層パケットのヘッダーにおいて、一つのIPパケットがリンク層ペイロードに含まれる場合を示す図である。
【0465】
一つのIPパケットがリンク層ペイロードに含まれる場合、すなわち、連結又は分割が行われない場合を、ノーマルパケットにカプセル化する場合と呼ぶことができる。この場合は、IPパケットが物理層の処理範囲内にある場合であってもよい。
【0466】
本実施例で、リンク層パケットは、総1バイトのヘッダーを有することができる。ヘッダーの長さは、実施例によって変更されてもよい。パケットタイプフィールドは000(IPv4の場合)、又は001(IPv6の場合)の値を有することができる。ノーマルパケットカプセル化過程は、IPv4又はIPv6に同一に適用することができる。PCフィールドの値は、一つのパケットがペイロードに含まれるので、0を有することができる。後続するカウントフィールドは、同様に一つのパケットのみがペイロードに含まれるので、0000の値を有することができる。
【0467】
本実施例で、リンク層パケットのペイロードは、一つのIPパケットをそのまま含むことができる。
【0468】
本実施例で、リンク層パケットの長さを確認するためには、IPパケットヘッダーの情報を活用することができる。IPパケットのヘッダーには、IPパケットの長さを示すフィールドが含まれている。このフィールドを長さフィールドと呼ぶことができる。この長さフィールドがIPパケット内に位置する位置は固定されていてもよい。一つのIPパケットがそのままリンク層のペイロードに含まれるので、リンク層パケットのペイロードの開始から一定オフセットの長さだけ移動した位置に、この長さフィールドが位置することができる。したがって、この長さフィールドから、全体リンク層のペイロード長を求めることができる。
【0469】
IPv4の場合、ペイロード開始点から2バイト、IPv6の場合、ペイロード開始点から4バイトだけ移動した位置に、この長さフィールドが位置可能である。長さフィールドは2バイトの長さを有することができる。
【0470】
IPv4の場合において、長さフィールドの値をL
IPv4とし、リンク層パケットのヘッダー長をL
H(1バイト)とすれば、全体リンク層パケットの長さ(L
T)は、同図の数式のように示すことができる(t62010)。ここで、長さフィールドの値L
IPv4は、IPv4パケットの全体長を示すことができる。
【0471】
IPv6の場合において、長さフィールドの値をL
IPv6とし、リンク層パケットのヘッダー長をL
H(1バイト)とすれば、全体リンク層パケットの長さ(L
T)は、同図の数式のように示すことができる(t62020)。ここで、長さフィールドの値L
IPv6は、IPv6パケットのペイロードの長さのみを示すので、全体リンク層パケットの長さを求めるためには、IPv6パケットの固定ヘッダー長(40バイト)をさらに加えければならない。
【0472】
図63は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にIPパケットが伝達される場合におけるリンク層パケットのヘッダーにおいて、複数個のIPパケットが連結されてリンク層ペイロードに含まれる場合を示す図である。
【0473】
入力されたIPパケットが物理層の処理範囲に到達していない場合、複数個のIPパケットを連結して一つのリンク層パケットのペイロードにカプセル化することができる。
【0474】
本実施例で、リンク層パケットは、総1バイトのヘッダーを有することができる。ヘッダーの長さは、実施例によって変更されてもよい。パケットタイプフィールドは000(IPv4の場合)、又は001(IPv6の場合)の値を有することができる。本実施例のカプセル化過程はIPv4又はIPv6に同一に適用可能である。PCフィールドは、連結された複数個のIPパケットがペイロードに含まれるので、0の値を有することができる。続くカウントフィールドは、連結された複数個のIPパケットの個数を示すことができる(4ビット)。
【0475】
本実施例で、リンク層パケットのペイロードは、複数個のIPパケットを含むことができる。複数個のIPパケットが前後で互いに連結されてリンク層パケットのペイロードに含まれるようにすることができる。連結する方式は、設計者の意図によって変更されてもよい。
【0476】
本実施例で、リンク層パケットの長さを確認するためには、連結されたIPパケットヘッダーの情報を活用することができる。前述したノーマルパケットカプセル化と同様に、各IPパケットのヘッダーには、そのIPパケットの長さを示す長さフィールドが存在可能である。また、これらの長さフィールドは、IPパケット内で固定された位置にすることができる。
【0477】
したがって、リンク層パケットのヘッダー長をL
H、それぞれのIPパケットの長さをL
k(ここで、kは、1より大きい又は等しく、nより小さい又は等しい)とすれば、全体リンク層パケットの長さ(L
T)は、同図の数式のように示すことができる(t63010)。すなわち、各IPパケットの長さフィールドが示す各IPパケットの長さをすべて合算し、ここにリンク層パケットのヘッダー長を足すと、全体リンク層パケットの長さを求めることができる。L
kの値は、各IPパケットのヘッダーの長さフィールドから読み取ることができる。
【0478】
図64は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にIPパケットが伝達される場合におけるリンク層パケットのヘッダーにおいて、一つのIPパケットが分割されてリンク層ペイロードに含まれる場合を示す図である。
【0479】
入力されたIPパケットが物理層の処理範囲を超える場合、一つのIPパケットは複数個のセグメントに分割されてもよい。各分割されたセグメントは、それぞれのリンク層パケットのペイロードにカプセル化することができる。
【0480】
本実施例で、各リンク層パケット(t64010,t64020,t64030)は、固定ヘッダーと拡張ヘッダーを有することができる。各固定ヘッダー及び拡張ヘッダーの長さは、実施例によって変更されてもよい。パケットタイプフィールドは、000(IPv4の場合)、又は001(IPv6の場合)の値を有することができる。本実施例のカプセル化過程は、IPv4又はIPv6に同一に適用可能である。PCフィールドは、分割されたセグメントがペイロードに含まれるので、1の値を有することができる。
【0481】
最後のセグメント以外のセグメントをペイロードとして有するリンク層パケット(t64010,t64020)は、LIフィールドは0の値を有することができ、それぞれのセグメントIDフィールドは同じ値を有することができる。各セグメントが同じIPパケットから分割されたセグメントであるためである。続くセグメントシーケンスナンバーフィールドは、当該セグメントの順序を示すことができる。ここで、1番目のリンク層パケット(t64010)のセグメントシーケンスフィールド値は、当該リンク層パケットが1番目のセグメントをペイロードとして有することを示すことができる。2番目のリンク層パケット(t64020)のセグメントシーケンスフィールド値は、当該リンク層パケットが2番目のセグメントをペイロードとして有することを示すことができる。セグメント長IDフィールドは、分割されたセグメントの長さを、既に指定された長さIDで表現することができる。
【0482】
最後のセグメントをペイロードとして有するリンク層パケット(t64030)は、LIフィールドが1の値を有することができる。ここで、セグメントIDフィールドは、他のリンク層パケットと同一であってもよい。最後のセグメントも、同一のIPパケットから分割されたセグメントであるためである。続くセグメントシーケンスナンバーフィールドは、当該セグメントの順序を示すことができる。最後のセグメント長フィールドは、このリンク層パケット(t64030)が有する最後のセグメントの長さを直接示すことができる。
【0483】
本実施例で、リンク層パケットの長さを確認するためには、セグメント長IDフィールド又は最後のセグメント長フィールドを活用することができる。各フィールドは、当該リンク層パケットのペイロードの長さのみを示すので、全体リンク層パケットの長さを求めるためには、リンク層パケットのヘッダー長も合算しなければならない。リンク層パケットのヘッダー長は、前述したように、LIフィールドから読み取ることができる。
【0484】
図65は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にIPパケットが伝達される場合におけるリンク層パケットのヘッダーにおいて、分割されたセグメントを有するリンク層パケットを示す図である。
【0485】
本実施例は、5500バイトのIPパケットが入力として入ったと仮定する。5500を5で割った値は1100であるので、この値に最も近い1024バイトの長さで各セグメントを構成することができる。この場合、最後のセグメントは、1404バイト(010101111100
B)となる。分割されたそれぞれのセグメントをS
1,S
2,S
3,S
4,S
5と呼ぶことができ、それに該当するヘッダーをそれぞれ、H
1,H
2,H
3,H
4,H
5と呼ぶことができる。セグメントにヘッダーを追加してそれぞれのリンク層パケットを生成することができる。
【0486】
入力されたIPパケットがIPv4パケットである場合、H
1乃至H
5のパケットタイプフィールドは000の値を有することができる。また、H
1乃至H
5のPCフィールドは、分割されたパケットをペイロードとして有するので、1の値を有することができる。
【0487】
H
1乃至H
4のLIは、最後のセグメントをペイロードとして有しないので、0の値を有することができる。H
5のLIは、最後のセグメントをペイロードとして有するので、1の値を有することができる。H
1乃至H
5のSeg_ID、すなわち、セグメントIDフィールドは、いずれも同一パケットから分割されたセグメントをペイロードとして有するので、同じ値(000)を有することができる。
【0488】
H
1乃至H
5のSeg_SN、すなわち、セグメントシーケンスナンバーフィールドは、H
1からH
5までを順に0000
Bから0100
Bと表示することができる。H
1乃至H
4のセグメント長IDフィールドは、1024バイト長のIDに該当する0010の値を有することができる。H
5のセグメント長フィールドは、1404バイトを示す010101111100をその値として有することができる。
【0489】
図66は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にIPパケットが伝達される場合におけるリンク層パケットのヘッダーにおいて、CRCエンコーディングを活用する方案を示す図である。
【0490】
IPパケットが分割されてリンク層パケットとして処理される場合、受信機では、複数個のリンク層パケットを受信し、本来のIPパケットとして組み換えなければならない。受信機は組み換えたIPパケットの完全性を確認する必要がある。
【0491】
そのために、CRCエンコーディングを活用することができる。IPパケットが分割される前に、IPパケットの後にCRCを追加することができる。CRCを追加したIPパケットが分割される場合、最後のセグメントを含むリンク層パケットは、CRCまで含むことができる。受信機は、CRCを確認し、エラーなしで組み換えに成功したか否かを判断できる。
【0492】
一般に、CRCは、パケットの最後に追加されるか、実施例によって他の位置に追加されてもよい。
【0493】
図67は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合におけるリンク層パケットの構造を示す図である。
【0494】
この場合、リンク層パケットのヘッダーは、固定ヘッダー(Fixed header)と拡張ヘッダー(Extended header)を含むことができる。固定ヘッダーは、1バイトの長さを有することができ、拡張ヘッダーは、固定された長さを有してもよく、可変する値(variable)を有してもよい。各ヘッダーの長さは設計者の意図によって変更されてもよい。
【0495】
固定ヘッダーは、パケットタイプフィールド、PCフィールド及び/又は連結(concatenation)カウントフィールドを含むことができる。他の実施例によれば、固定ヘッダーは、パケットタイプフィールド、PCフィールド、LIフィールド及び/又はセグメントIDフィールドを含むことができる。
【0496】
拡張ヘッダーは、シグナリングクラスフィールド、情報タイプ(information type)フィールド及び/又はシグナリングフォーマットフィールドを含むことができる。他の実施例によれば、拡張ヘッダーは、ペイロード長パートをさらに含むことができる。更に他の実施例によれば、拡張ヘッダーは、セグメントシーケンスナンバーフィールド、セグメント長IDフィールド、シグナリングクラスフィールド、情報タイプフィールド及び/又はシグナリングフォーマットフィールドを含むことができる。更に他の実施例によれば、拡張ヘッダーは、セグメントシーケンスナンバーフィールド及び/又はセグメント長IDフィールドを含むことができる。更に他の実施例によれば、拡張ヘッダーは、セグメントシーケンスナンバーフィールド及び/又は最後のセグメント長フィールドを含むことができる。
【0497】
固定ヘッダーのフィールドについて説明する。
【0498】
パケットタイプフィールドは、前述したように、リンク層に入力されるパケットのタイプを示すことができる。シグナリング情報がリンク層の入力として入る場合、パケットタイプフィールドは110
Bの値を有することができる。
【0499】
PCフィールド、LIフィールド、セグメントIDフィールド、セグメントシーケンスナンバーフィールド、セグメント長IDフィールド、最後のセグメント長フィールドは、前述したとおりである。連結カウントフィールドは、前述したカウントフィールドと同一である。
【0500】
拡張ヘッダーのフィールドについて説明する。
【0501】
PCフィールドが0の値を有する場合、拡張ヘッダーは、シグナリングクラスフィールド、情報タイプフィールド及び/又はシグナリングフォーマットフィールドを含むことができる。また、シグナリングフォーマットフィールドの値によって、拡張ヘッダーはペイロード長パートをさらに含んでもよい。
【0502】
シグナリングクラスフィールドは、リンク層パケットが含むシグナリング情報がいかなるタイプの情報であるかを示すことができる。シグナリングクラスフィールドが示すシグナリング情報としては、FIC(Fast Information Channel)情報又はヘッダー圧縮情報などを挙げることができる。シグナリングクラスフィールドが示すシグナリング情報については後述する。
【0503】
情報タイプフィールドは、シグナリングクラスフィールドが指定するタイプのシグナリング情報に対して、その具体的な事項を示すことができる。情報タイプフィールドが意味するものは、シグナリングクラスフィールドの値によって別に定義されてもよい。
【0504】
シグナリングフォーマットフィールドは、リンク層パケットが含むシグナリング情報がいかなるフォーマットを有するか示すことができる。シグナリングフォーマットフィールドが示すフォーマットとしては、セクションテーブル、デスクリプタ又はXMLなどを挙げることができる。シグナリングフォーマットフィールドが示すフォーマットについては後述する。
【0505】
ペイロード長パートは、リンク層パケットのペイロードが含むシグナリング情報の長さを示すことができる。ペイロード長パートは、連結されているそれぞれのシグナリング情報の長さを示す長さフィールドの集合であってもよい。それぞれの長さフィールドは、2バイトのサイズを有することができるが、システムの構成によってサイズは変更されてもよい。ペイロード長パートの全体長は、それぞれの長さフィールドの長さの和と表現することができる。実施例によって、バイトの整列のためのパディングビットが追加されてもよい。この場合、パディングビット分だけペイロード長パートの全体長が増加してもよい。
【0506】
ペイロード長パートが存在するか否かは、シグナリングフォーマットフィールドの値によって決定することができる。セクションテーブル及びデスクリプタのように、当該シグナリング情報が当該シグナリング情報の長さ値を有する場合には、別の長さフィールドが省かれてもよい。しかし、別の長さ値を有しないシグナリング情報の場合は、別の長さフィールドを必要とする。別の長さ値を有しないシグナリング情報の場合、ペイロード長パートが存在すればよい。この場合、ペイロード長パートは、カウントフィールドの数だけ長さフィールドを含むことができる。
【0507】
PCフィールドが1であり、LIフィールドが1の値を有する場合、拡張ヘッダーは、セグメントシーケンスナンバーフィールド及び/又は最後のセグメント長フィールドを含むことができる。PCフィールドが1であり、LIフィールドが0の値を有する場合、拡張ヘッダーは、セグメントシーケンスナンバーフィールド及び/又はセグメント長IDフィールドを含むことができる。
【0508】
セグメントシーケンスナンバーフィールド、最後のセグメント長フィールド、セグメント長IDフィールドは、前述したとおりである。
【0509】
PCフィールドが1であり、LIフィールドが0の値を有する場合において、当該リンク層パケットのペイロードが1番目のセグメントであれば、その拡張ヘッダーは付加情報をさらに含むことができる。この付加情報は、シグナリングクラスフィールド、情報タイプフィールド、及び/又はシグナリングフォーマットフィールドを含むことができる。シグナリングクラスフィールド、情報タイプフィールド、シグナリングフォーマットフィールドは、前述したとおりである。
【0510】
図68は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合におけるリンク層パケット構造において、各フィールドの値が示す意味を示す図である。
【0511】
前述したように、リンク層パケットが含むシグナリング情報のタイプは、シグナリングクラスフィールドによって表現することができる(t68010)。
【0512】
例えば、シグナリングクラスフィールド値が000の場合、シグナリング情報はFIC(Fast Information Channel)のためのシグナリング情報であることを意味できる。シグナリングクラスフィールド値が001の場合、シグナリング情報は、緊急状況警報(Emergency Alert)のためのシグナリング情報であってもよい。シグナリングクラスフィールド値が010の場合、シグナリング情報はヘッダー圧縮のためのシグナリング情報であってもよい。シグナリングクラスフィールド値が011乃至110の場合は、後に利用可能なシグナリング情報タイプのために残すことを意味できる。シグナリングクラスフィールド値が111の場合、種々のシグナリング情報がリンク層パケットに含まれていることを意味できる。
【0513】
シグナリングクラスフィールドが示し得るシグナリング情報値は、実施例によって異なってもよい。
【0514】
前述したように、リンク層パケットが含むシグナリング情報のフォーマットは、シグナリングフォーマットフィールドによって表現されてもよい(t68020)。
【0515】
例えば、シグナリングフォーマットフィールド値が00の場合、シグナリング情報はセクションテーブルの形態でペイロードに含まれることを意味できる。シグナリングフォーマットフィールド値が01の場合、シグナリング情報はデスクリプタの形態でペイロードに含まれることを意味できる。シグナリングフォーマットフィールド値が10の場合、シグナリング情報はXMLの形態でペイロードに含まれることを意味できる。シグナリングフォーマットフィールド値が11の場合、シグナリング情報はその他の形態でペイロードに含まれることを意味できる。
【0516】
シグナリングフォーマットフィールドが示し得るフォーマットは、実施例によって異なってもよい。
【0517】
図69は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合におけるリンク層パケット構造において、シグナリング情報が一つのセクションテーブルである場合の構造を示す図である。
【0518】
本実施例では、一つのセクションテーブルが一つのリンク層パケットにカプセル化される場合を仮定する。
【0519】
本実施例で、リンク層パケットのヘッダーは、110値を有するパケットタイプフィールドを含むことができる。一つのシグナリング情報がリンク層パケットのペイロードに含まれるので、PCフィールドは0、連結カウントフィールドは0000の値を有することができる。シグナリングクラスフィールド及び情報タイプフィールドは、当該セクションテーブルが有するデータによる値を有することができる。シグナリング情報がセクションテーブルであるので、シグナリングフォーマットフィールドは00の値を有することができる。
【0520】
本実施例で、リンク層パケットのペイロードは、入力されたセクションテーブルがそのまま位置してもよい。
【0521】
本実施例で、リンク層パケットの長さを確認するためには、セクションテーブルの情報を活用することができる。前述したように、セクションテーブルのフィールドには、当該セクションテーブルの長さを示すフィールドが含まれていてもよい。このフィールドを長さフィールドと呼ぶことができる。この長さフィールドのセクションテーブル内における位置は固定されていてもよい。一つのセクションテーブルがそのままリンク層のペイロードに含まれるので、リンク層パケットのペイロードの開始から一定オフセットの長さだけ移動した位置に、この長さフィールドが位置可能である。したがって、この長さフィールドから、全体リンク層のペイロード長を読み取ることができる。セクションテーブルの場合、ペイロードの開始点から12ビット移動した位置に、12ビットの長さフィールドが位置すればよい。この長さフィールドをSection_lengthフィールドと呼ぶことができる。
【0522】
長さフィールドの値L
sectionは、長さフィールドの直後からセクションテーブルの最後までの長さを示すことができる。したがって、セクションテーブルの残り部分の3バイトと、リンク層パケットヘッダー長の2バイトを加えると、全体リンク層パケットの長さとなる。すなわち、リンク層パケット全体長L
Tは、L
section+5バイトでよい。
【0523】
受信機が本実施例のリンク層パケットを受信すると、シグナリングクラスフィールド及び/又は情報タイプフィールドなどを用いて当該シグナリング情報(セクションテーブル)を処理することができる。また、受信機は、セクションテーブル内のテーブルID(8ビット)値を確認して、当該シグナリング情報を処理することができる。
【0524】
図70は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合におけるリンク層パケット構造において、シグナリング情報が一つのデスクリプタである場合の構造を示す図である。
【0525】
本実施例では、一つのデスクリプタが一つのリンク層パケットにカプセル化される場合を仮定する。
【0526】
本実施例で、リンク層パケットのヘッダー情報は、一つのセクションテーブルがカプセル化される場合と同一であってもよい。ただし、シグナリングクラスフィールド及び情報タイプフィールドは、当該デスクリプタが有するデータによる値を有することができる。また、シグナリング情報がデスクリプタであるので、シグナリングフォーマットフィールドは01の値を有することができる。
【0527】
本実施例で、リンク層パケットのペイロードは、入力されたデスクリプタがそのまま位置してもよい。
【0528】
本実施例で、リンク層パケットの長さを確認するためには、デスクリプタの情報を用いることができる。これは、前述した一つのセクションテーブルがカプセル化される場合と同様である。ただし、デスクリプタ内の、当該デスクリプタの長さを示すフィールドの位置は異なってもよい。デスクリプタの場合、長さフィールドがペイロードの開始点から8ビット離れて位置し、8ビットの長さを有することができる。これを用いて、全体リンク層パケットの長さを求めることができる。
【0529】
受信機が本実施例のリンク層パケットを受信すると、シグナリングクラスフィールド及び/又は情報タイプフィールドなどを用いて当該シグナリング情報(デスクリプタ)を処理するこができる。また、受信機は、デスクリプタのデスクリプタタグ(8ビット)を確認して、当該シグナリング情報を処理することができる。
【0530】
図71は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合におけるリンク層パケット構造において、シグナリング情報が複数個のデスクリプタである場合の構造を示す図である。
【0531】
本実施例で、リンク層パケットのペイロードには複数個のデスクリプタが連結してカプセル化されてもよい。
【0532】
本実施例のリンク層パケットヘッダーは、110値を有するパケットタイプフィールド、0値を有するPCフィールドを含むことができる。連結カウントフィールドは、いくつのデスクリプタが連結されたかを示すことができる。シグナリングクラスフィールド及び情報タイプフィールドは、当該デスクリプタが有するデータによる値を有することができる。シグナリング情報がデスクリプタであるので、シグナリングフォーマットフィールドは、01の値を有することができる。
【0533】
本実施例のリンク層パケットの全体長は、IPパケットが連結されている場合と類似の方法で計算することができる。ペイロードの開始点から順次に、カウントフィールドが示す数だけのデスクリプタの長さフィールド(descriptor_length)値を読み取ることができる。読み取った値をすべて合算してリンク層パケットの全体ペイロード長を求めることができる。ここにリンク層パケットのヘッダー長を足して全体リンク層パケットの長さを求めることができる。
【0534】
図72は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合におけるリンク層パケット構造において、シグナリング情報が複数個のセクションテーブルである場合の構造を示す図である。
【0535】
本実施例で、リンク層パケットのペイロードには複数個のセクションテーブルが連結してカプセル化されてもよい。
【0536】
本実施例のリンク層パケットヘッダーは、110値を有するパケットタイプフィールド、0値を有するPCフィールド、連結されたセクションテーブルの個数を示す連結カウントフィールドを含むことができる。シグナリングクラスフィールド及び情報タイプフィールドは、当該セクションテーブルが有するデータによる値を有することができる。シグナリング情報がセクションテーブルであるので、シグナリングフォーマットフィールドは00の値を有することができる。
【0537】
本実施例のリンク層パケットの全体長は、前述したデスクリプタが連結されている場合と類似の方法で求めることができる。前述したように、セクションテーブルの場合、セクションテーブルの開始点から12ビット移動して12ビットの長さフィールドが位置できる。この長さフィールドに余りのセクションテーブルの長さを足して全体セクションテーブルの長さを求めることができる。それぞれの全体セクションテーブル長さを合算すると、連結されたセクションテーブルの全体長、すなわち、リンク層パケットのペイロードの長さが求められる。ここにリンク層パケットのヘッダー長を足して全体リンク層パケットの長さを求めることができる。
【0538】
図73は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合におけるリンク層パケット構造において、シグナリング情報が別途の長さ値を有しない場合の構造を示す図である。
【0539】
本実施例は、前述したシグナリングフォーマットフィールドが、当該シグナリング情報がXML又は別途の長さ値を有しないシグナリング情報であることを示す場合に該当し得る。前述したように、この場合、拡張ヘッダーはペイロード長パートをさらに含むことができる。
【0540】
本実施例のヘッダーは、110の値を有するパケットフィールド、0値を有するPCフィールド、連結されたシグナリング情報の個数を示す連結カウントフィールドを含むことができる。続くシグナリングクラスフィールド及び情報タイプフィールドは、当該シグナリング情報が有するデータによる値を有することができる。シグナリング情報がXML又は別途のシグナリング情報であるから、シグナリングフォーマットフィールドは、10又は11の値を有することができる。
【0541】
追加されたペイロード長パートは、前述したように、複数個の長さフィールドを含むことができる。各長さフィールドは、各シグナリング情報の長さを示すことができる。したがって、連結カウントフィールドが示す個数だけの長さフィールドが存在できる。長さフィールドはそれぞれ2バイトの長さを有することができる。長さフィールドの長さは、システムの構成によって変更されてもよい。リンク層パケットにはバイト整列のためのパディングビットがさらに追加されてもよい。
【0542】
本実施例で、全体リンク層パケットの長さを求めるためには、長さフィールドを活用することができる(t73010)。連結カウンターフィールドの値が意味する個数がn個の場合、総2*nバイトのペイロード長パートをヘッダーに追加することができる。また、連結されたシグナリング情報S
1,S
2,…,S
nの長さを示す各長さフィールドの値をL
1,L
2,…,L
nとし、リンク層パケットのヘッダー長を2バイトとすれば、全体リンク層パケットの長さL
Tは、同図の数式のように表現できる(t73010)。
【0543】
図74は、本発明の他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合におけるリンク層パケット構造において、一つのシグナリング情報が複数個のセグメントに分割される場合の構造を示す図である。
【0544】
入力されたシグナリング情報が物理層の処理範囲を超える場合、一つのシグナリング情報は、複数個のセグメントに分割されてもよい。各分割されたセグメントは、それぞれのリンク層パケットのペイロードにカプセル化することができる。
【0545】
本実施例の構造は、前述したIPパケットが分割された場合と類似のヘッダー構造を有することができる。パケットタイプフィールドは、シグナリング情報が入力された場合であるから、110値を有することができる。PCフィールド、LIフィールド、セグメントIDフィールド、セグメントシーケンスナンバーフィールド、セグメント長IDフィールド、最後のセグメント長フィールドは、前述したIPパケットが分割された場合のとおりである。
【0546】
本実施例の場合、前述したIPパケットが分割された場合と違い、最初のパケットが付加情報をさらに含むことができる(t74010)。この付加情報は、前述したように、シグナリングクラスフィールド、情報タイプフィールド、及び/又はシグナリングフォーマットフィールドを含むことができる。これらの付加情報は、受信機がセグメントをすべて受信した場合、当該シグナリング情報に対する処理を可能にさせる。
【0547】
LIフィールド値とセグメントシーケンスナンバーフィールドとの組合せからリンク層パケットの拡張ヘッダーに関する情報を読み取ることができる。LIフィールド値が0であり、セグメントシーケンスナンバーフィールド値が0000である場合(すなわち、最初のセグメントである場合)、拡張ヘッダーの長さは2バイトでよい。LIフィールド値が0であり、セグメントシーケンスナンバーフィールド値が0000でない場合、拡張ヘッダーの長さは1バイトであってもよい。LIフィールド値が1の場合、拡張ヘッダーの長さは2バイトであってもよい。
【0548】
全体リンク層パケットの長さは、セグメント長IDフィールド又は最後のセグメント長フィールドから読み取ったセグメントの長さに、リンク層パケットヘッダーの長さを足して求めることができる。
【0549】
IPパケットが分割される場合と同様に、シグナリング情報が分割される場合にもCRCエンコーディングを活用することができる。シグナリング情報の最後にCRCが追加されてもよい。このCRCは、受信機がシグナリング情報を組み換える時、組み換えの完全性を確認するために用いることができる。CRCの追加されたシグナリング情報が分割される場合、最後のセグメントを含むリンク層パケットはCRCも含むことができる。
【0550】
一般にCRCはパケットの最後に追加されるが、実施例によって他の位置に追加されてもよい。
【0551】
図75は、本発明の一実施例に係る放送信号を伝送する方法を示す図である。
【0552】
本発明の一実施例に係る放送信号を伝送する方法は、放送データをシグナリングする複数個のシグナリング情報を生成する段階(t75010)、上記複数個のシグナリング情報を用いてリンク層パケットを生成する段階(t75020)、上記リンク層パケットを用いて放送信号を生成する段階(t75030)及び/又は上記放送信号を伝送する段階(t75040)を含むことができる。
【0553】
まず、複数個のシグナリング情報を生成することができる(t75010)。ここで、複数個のシグナリング情報は、リンク層を介して伝送される他の放送データをシグナリングするために用いることができる。シグナリング情報の内容、種類は、実施例によって変更されてもよい。複数個のシグナリング情報を生成する段階は、後述する第1モジュールで行うことができる。
【0554】
生成された複数個のシグナリング情報を用いてリンク層パケットを生成することができる(t75020)。この段階は、前述した複数個のシグナリング情報を連結してリンク層パケットを生成する過程に対応可能である。前述したように、リンク層パケットは、リンク層ヘッダーとリンク層ペイロードを含むことができる。リンク層ヘッダーは、パケットタイプフィールド、パケット構成フィールド、カウントフィールドを含み、パケットタイプフィールドは、リンク層ペイロードが含む情報がシグナリング情報であることを示すことができる。上記パケット構成フィールドは、リンク層ペイロードが複数個のシグナリング情報を含むか否かを示し、カウントフィールドは、リンク層ペイロードが含む複数個のシグナリング情報の個数を示すことができる。連結される場合であるから、複数個のシグナリング情報は連結されてリンク層ペイロードに含まれる。
【0555】
ここで、リンク層ヘッダーは、文脈によって、前述した固定ヘッダー又は拡張ヘッダーを意味したり、又は固定ヘッダーと拡張ヘッダーを含む全体ヘッダーを意味できる。パケット構成フィールドは、前述したPCフィールドを意味できる。リンク層ペイロードは、リンク層パケットのペイロードを意味できる。リンク層パケットを生成する段階は、後述する第2モジュールで行うことができる。
【0556】
生成されたリンク層パケットを用いて放送信号を生成することができる(t75030)。物理層では、リンク層で生成されたリンク層パケットに一連のエンコーディング、モジュレーションなどを加えることができる。リンク層パケットを用いて、入力パケット/入力シグナリング情報の種類にかからわず、物理層は物理層プロセシングを行うことができる。一連の物理層プロセシングによって放送信号を生成することができる。放送信号を生成する段階は、後述する第3モジュールで行うことができる。
【0557】
放送信号をアンテナを介して受信機に伝送することができる(t75040)。放送信号は、放送網を介して伝送することができ、伝送される方法は、実施例によって変更されてもよい。放送信号を伝送する段階は、後述する第3モジュールで行うことができる。
【0558】
本発明の他の実施例に係る放送信号を伝送する方法は、リンク層ヘッダーが、シグナリングクラスフィールド、情報タイプフィールド及びシグナリングフォーマットフィールドをさらに含むことができる。シグナリングクラスフィールドは、シグナリング情報がシグナリングする対象を示し、情報タイプフィールドは、シグナリング情報に関するデータを含み、シグナリングフォーマットフィールドは、シグナリング情報のフォーマットを示すことができる。シグナリングクラスフィールド、情報タイプフィールド及びシグナリングフォーマットフィールドは、前述したとおりである。
【0559】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法は、シグナリングフォーマットフィールドが、リンク層ペイロードが含む複数個のシグナリング情報が複数個のセクションテーブルであることを示すことができる。これは、シグナリングフォーマットフィールドが示すシグナリング情報のフォーマットがセクションテーブルであることを意味できる。
【0560】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法は、リンク層ヘッダーの長さが、シグナリングフォーマットフィールドの値によって決定されてもよい。すなわち、前述したように、シグナリングフォーマットフィールドの値によってリンク層ヘッダーがペイロード長パートをさらに含むか否かが決定されるためである。また、リンク層ペイロードの長さは、複数個のセクションテーブルのセクション長フィールドの値によって決定されてもよい。前述したように、セクションテーブルには、固定された位置にセクション長フィールドが存在できる。リンク層ペイロードの長さは、これらのセクション長フィールドが示す値の和に基づいて計算することができる。
【0561】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法は、複数個のセクションテーブルのセクション長フィールドがリンク層ペイロード上に順次に位置してもよい。前述したように、セクションテーブルが連結されている場合、間隔をおいてセクション長フィールドがリンク層ペイロード内に並べられてもよい。各長さフィールドは、各セクションテーブルの開始点から固定した位置に位置できる。各セクションテーブルの長さは変更されてもよいので、各長さフィールド間の距離は互いに異なってもよい。前述したように、セクション長フィールドは、当該セクションテーブルの長さを示すことができる。
【0562】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法は、シグナリングフォーマットフィールドが、リンク層ペイロードが含む複数個のシグナリング情報が複数個のデスクリプタであることを示すことができる。これは、複数個のデスクリプタが連結されてペイロードを構成する場合であり、前述したようにシグナリングフォーマットフィールドがこれを示すことができる。
【0563】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法は、リンク層ヘッダーが、複数個のペイロード長フィールドを含むペイロード長パートをさらに含むことができる。これらのペイロード長フィールドは、前述したペイロード長パート内の長さフィールドを意味できる。前述したように、各ペイロード長フィールドはそれぞれの複数個のシグナリング情報の長さを示すことができる。これは、リンク層パケットに含まれるシグナリング情報が、別途の長さフィールドがない場合に該当し得る。
【0564】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法は、リンク層ヘッダーにペイロード長パートがさらに含まれるか否かが、シグナリングフォーマットフィールドの値によって決定されてもよい。リンク層パケットに含まれるシグナリング情報が、別途の長さフィールドがない場合において、シグナリングフォーマットフィールドの値は1xに該当し得る。したがって、シグナリングフォーマットフィールドの値から、ペイロード長パートが存在するか否かが把握できる。
【0565】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法は、前述した分割が行われる場合に該当する方法であってもよい。この場合の放送信号を伝送する方法は、放送データをシグナリングするシグナリング情報を生成する段階、上記シグナリング情報を用いてリンク層パケット(Link Layer Packet)を生成する段階、上記リンク層パケットを用いて放送信号を生成する段階、及び/又は上記放送信号を伝送する段階を含むことができる。各段階は順に、第1モジュール、第2モジュール、第3モジュール、第3モジュールで行うことができる。
【0566】
この場合の放送信号を伝送する方法において、リンク層パケットは、リンク層ヘッダーとリンク層ペイロードを含み、リンク層ペイロードは、シグナリング情報が分割されたセグメントのうちの一つを含むことができる。リンク層ヘッダーは、パケットタイプフィールド、パケット構成フィールドを含み、パケットタイプフィールドは、リンク層ペイロードが含む情報がシグナリング情報であることを示すことができる。パケット構成フィールドは、リンク層ペイロードがシグナリング情報が分割されたセグメントのうちの一つを含むか否かを示すことができる。
【0567】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法は、リンク層ペイロードが含むセグメントが、分割されたセグメントのうち最初のセグメントである場合、リンク層ヘッダーがシグナリングクラスフィールド、情報タイプフィールド及びシグナリングフォーマットフィールドをさらに含むことができる。シグナリングクラスフィールドは、シグナリング情報がシグナリングする対象を示し、情報タイプフィールドは、シグナリング情報に関するデータを含み、シグナリングフォーマットフィールドは、シグナリング情報のフォーマットを示すことができる。シグナリングクラスフィールド、情報タイプフィールド及びシグナリングフォーマットフィールドは、前述したとおりである。
【0568】
これらの段階は、実施例によって省略してもよく、類似/同一の動作を行う別の段階に置き換えてもよい。
【0569】
図76は、本発明の一実施例に係る放送信号を伝送する装置を示す図である。
【0570】
本発明の一実施例に係る放送信号を伝送する装置は、第1モジュールt76010、第2モジュールt76020及び/又は第3モジュールt76030を含むことができる。
【0571】
第1モジュールt76010は、複数個のシグナリング情報を生成することができる。第1モジュールは、前述した放送データをシグナリングする複数個のシグナリング情報を生成する段階に該当する過程を行うことができる。また、分割が行われる場合に関する実施例における第1モジュールは、前述した放送データをシグナリングするシグナリング情報を生成する段階に該当する過程を行うことができる。
【0572】
第2モジュールt76020は、生成された複数個のシグナリング情報を用いてリンク層パケットを生成することができる。第2モジュールは、前述した複数個のシグナリング情報を用いてリンク層パケットを生成する段階に該当する過程を行うことができる。また、分割が行われる場合に関する実施例における第2モジュールは、前述したシグナリング情報を用いてリンク層パケット(Link Layer Packet)を生成する段階に該当する過程を行うことができる。
【0573】
第3モジュールt76030は、生成されたリンク層パケットを用いて放送信号を生成することができる。また、第3モジュールは、生成された放送信号を伝送することができる。第3モジュールは、前述したリンク層パケットを用いて放送信号を生成する段階及び放送信号を伝送する段階に該当する動作を行うことができる。また、分割が行われる場合に関する実施例における第3モジュールは、前述したリンク層パケットを用いて放送信号を生成する段階及び放送信号を伝送する段階に該当する動作を行うことができる。
【0574】
前述した第1モジュール、第2モジュール、第3モジュールは、メモリ(又は、保存ユニット)に保存された連続した過程を実行するプロセッサであってもよい。また、前述した第1モジュール、第2モジュール、第3モジュールは、装置の内部/外部に位置するハードウェアエレメントであってもよい。
【0575】
これらのモジュールは、実施例によって省略してもよく、類似/同一の動作を行う別のモジュールに置き換えてもよい。
【0576】
図77は、本発明の更に他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合におけるリンク層パケット構造を示す図である。
【0577】
本発明は、シグナリング情報をリンク層パケットを用いて伝送するためのリンク層パケット構造を提案する。この場合、前述したパケットタイプフィールドは110の値を有することができる。この構造を用いてシグナリング情報をリンク層でカプセル化することができる。
【0578】
同図の構造t77010において、パケットタイプフィールド(Packet Type)、PCフィールド、LIフィールド、セグメントIDフィールド(Segment ID)、セグメントシーケンスナンバーフィールド(Segment Sequence Number)、セグメント長IDフィールド(Segment Length ID)、最後のセグメント長フィールド(Last Segment Length)は、前述したとおりである。連結カウントフィールド(Concatenation Count)は、前述したカウントフィールドと同一である。
【0579】
構造t77010におけるヘッダーは、Signaling_Information_Part()をさらに含むことができる。
【0580】
Signaling_Information_Part()は、シグナリング情報を送信するリンク層パケットにおいて追加されるフィールドの集合であってもよい。Signaling_Information_Part()は、リンク層ペイロードを構成しているシグナリング情報に関する具体的な情報を含むことができる。シグナリング情報がマルチプレクシングされて伝送される場合、当該シグナリング情報が処理されるか否かに対する決定と、それぞれのシグナリング情報がどのシグナリング処理モジュールに伝達されるべきかなどを決定するために、このフィールドを用いることができる。
【0581】
Signaling_Information_Part()は、リンク層ペイロードにシグナリング情報が含まれる場合に追加することができ、シグナリング情報のための追加ヘッダーと呼ぶこともできる。実施例によって、このパートはその内部に含まれるフィールドの構成が変更されてもよい。本実施例で、このパートは、1バイトのサイズを有するが、実施例によって別のサイズを有してもよい。実施例によって、複数個のシグナリング情報が連結されてペイロードに含まれる場合、カウントフィールドが示す数だけのSignaling_Information_Part()が追加されてもよい。
【0582】
リンク層ペイロードに複数個のシグナリング情報が連結されて含まれる場合、各シグナリング情報の長さを示すSignaling_Lengthフィールドが追加されてもよい。Signaling_Lengthフィールドは、連結されたシグナリング情報の個数だけ、すなわち、カウントフィールドが示す数だけ存在できる。各Signaling_Lengthフィールドは、それぞれのシグナリング情報の長さを示すことができる。ここで、ペイロードに含まれるシグナリング情報の順序と同じ順序でSignaling_Lengthフィールドが位置してもよい。Signaling_Lengthフィールドは、Component_Lengthフィールドと呼ぶことができ、構造t77010では、Signaling_LengthフィールドがSignaling_Information_Part()の次に位置するが、この順序は逆転されてもよい。また、この実施例では、Signaling_Lengthフィールドが2バイトのサイズを有するが、これは、実施例によって変更されてもよく、バイト整列のためのパディングビットがさらに追加されてもよい。
【0583】
Signaling_Information_Part()は、様々に構成可能であるが、実施例として2の構造t77020,t77030を示す。本発明は、この実施例に限定されない。
【0584】
第一の構造t77020で、Signaling_Information_Part()は、シグナリングクラスフィールド(Signaling_Class)及び/又はシグナリングフォーマットフィールド(Signaling_Format)を含むことができる。シグナリング情報に対する別の属性(attribute)を示す必要がないか、又はシグナリング情報自体に該当情報を持っている場合に用いることができる。
【0585】
第二の構造t77030において、Signaling_Information_Part()は、シグナリングクラスフィールド、情報タイプフィールド(Information_Type)及び/又はシグナリングフォーマットフィールドを含むことができる。シグナリング情報に関するより具体的な情報を示すために、情報タイプフィールドが追加されてもよい。
【0586】
実施例によって、両構造に、当該シグナリング情報のバージョンを示すシグナリングバージョンフィールドがさらに含まれてもよい。また、実施例によって、両構造に、当該シグナリング情報のエンコーディング/圧縮フォーマットを示すシグナリングエンコーディングフィールドがさらに含まれてもよい。また、実施例によって、一つのシグナリングフォーマットのみが用いられたり、シグナリング情報のための別途のプロトコルが存在してシグナリングフォーマットがいずれも同一である場合、シグナリングフォーマットフィールドは省略されてもよい。上記の各実施例では各フィールドのビット数が決められているが、これは一実施例に過ぎず、そのビット数は変更されてもよい。
【0587】
シグナリングクラスフィールド、情報タイプフィールド、シグナリングフォーマットフィールドは、前述したとおりである。ここで、シグナリングクラスフィールドはSignaling_Typeフィールド、情報タイプフィールドはSignaling_Type_Extensionフィールド、シグナリングフォーマットフィールドはSingnaling_Formatフィールドと呼ぶことができる。
【0588】
図78は、本発明の更に他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合のSignaling_Classフィールドを示す図である。
【0589】
前述したシグナリングクラスフィールドの実施例による意味を示している。シグナリングクラスフィールドが4ビットである場合と3ビットである場合に、それぞれそのフィールドが示すシグナリング情報のタイプが指定されている。このフィールドが示すとおりに、リンク層ペイロードに含まれるシグナリング情報のタイプを示すことができる。このフィールド値の指定は、実施例によって変更されてもよい。
【0590】
シグナリングクラスフィールドが0000又は000の値を有する場合、当該リンク層ペイロードは、FIC(Fast Information Channel)などの速いチャネルスキャンのためのシグナリング情報を含むことができる。又は、当該リンク層ペイロードは、サービス取得(Service Acquisition)のためのシグナリング情報を含むことができる。
【0591】
シグナリングクラスフィールドが0001又は001の値を有する場合、当該リンク層ペイロードは、EAS(Emergency Alert System)などの緊急状況警報(Emergency Alert)のためのシグナリング情報を含むことができる。
【0592】
シグナリングクラスフィールドが0010又は010の値を有する場合、当該リンク層ペイロードは、ヘッダー圧縮に関連するシグナリング情報を含むことができる。
【0593】
シグナリングクラスフィールドが0011−1110又は011−110の値を有する場合、当該リンク層ペイロードがいかなるシグナリング情報を有するかは、後の使用のために残すことができる(Reserved for future use)。これによって、後に追加可能なシグナリング情報を指定することができる。
【0594】
シグナリングクラスフィールドが1111又は111の値を有する場合、当該リンク層ペイロードは複数個のシグナリング情報を含むことができる。すなわち、特定シグナリング情報ではなく、種々のシグナリング情報が集まって一つのリンク層パケットとして伝送される場合、シグナリングクラスフィールドの特定値(1111又は111)で示すことができる。
【0595】
図79は、本発明の更に他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合のSignaling_Classフィールド及びInformation_Typeフィールドを示す図である。
【0596】
情報タイプフィールドがSignaling_Information_Part()に追加される場合、その情報タイプフィールドの値が有し得る意味を示している。本実施例は、シグナリングクラスフィールドと情報タイプフィールドがそれぞれ3ビットである場合を想定しているが、各フィールドの長さは、前述したように、実施例によって変更されてもよい。情報タイプフィールドが示すとおりに、リンク層ペイロードに含まれるシグナリング情報のタイプによる具体的情報を示すことができる。このフィールド値の指定は、実施例によって変更されてもよい。
【0597】
シグナリングクラスフィールドが000の値を有する場合、当該リンク層ペイロードは、FIC(Fast Information Channel)などの速いチャネルスキャンのためのシグナリング情報又はサービス取得(Service Acquisition)のためのシグナリング情報を含むことができる。このとき、情報タイプフィールドが000の値を有する場合は当該シグナリング情報はサービススキャンのためのシグナリング情報、111の値を有する場合はサービス取得のためのシグナリング情報であることを示すことができる。情報タイプフィールドが010−111の値を有する場合は、後の使用のために残すことができる(Reserved)。
【0598】
シグナリングクラスフィールドが001の値を有する場合、当該リンク層ペイロードは、EAS(Emergency Alert System)などの緊急状況警報(Emergency Alert)のためのシグナリング情報を含むことができる。このとき、情報タイプフィールドが000の値を有する場合、当該シグナリング情報は緊急状況を知らせる緊急アラームメッセージ(Emergency Alert Message)、001の値を有する場合、当該シグナリング情報は緊急アラームメッセージのリンク情報、010の値を有する場合、当該シグナリング情報は自動チューニング情報、011の値を有する場合、当該シグナリング情報はNRTサービス情報、111の値を有する場合、当該シグナリング情報は受信機を活性化させるウェークアップ(Wake up)指示情報であってもよい。情報タイプフィールドが100−110の値を有する場合は、後の使用のために残すことができる(Reserved)。
【0599】
シグナリングクラスフィールドが010の値を有する場合、当該リンク層ペイロードはヘッダー圧縮に関連したシグナリング情報を含むことができる。このとき、情報タイプフィールドが000の値を有する場合、当該シグナリング情報は初期化情報、001の値を有する場合、当該シグナリング情報は構成情報(configuration parameters)、010の値を有する場合、当該シグナリング情報はスタティックチェーン(Static Chain)、011の値を有する場合、当該シグナリング情報はダイナミックチェーン(Dynamic Chain)であってもよい。情報タイプフィールドが100−111の値を有する場合は、後の使用のために残すことができる(Reserved)。
【0600】
シグナリングクラスフィールドが011−110の値を有する場合、情報タイプフィールドの全ての値(000−111)は、後の使用のために残すことができる(Reserved for future use)。これによって、後に追加可能なシグナリング情報を指定することができる。
【0601】
シグナリングクラスフィールドが111の値を有する場合、当該リンク層ペイロードは複数個のシグナリング情報を含むことができる。この場合、シグナリング情報に対する具体的属性も一つに決めることができず、000のデフォルト値で示すことができる。余りの値(001−111)は、後の使用のために残すことができる。
【0602】
図80は、本発明の更に他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合のSignaling_Formatフィールドを示す図である。
【0603】
シグナリングフォーマットフィールドの値によるシグナリングのフォーマットを示す。シグナリングフォーマットフィールドがそれぞれ4ビット、2ビットである場合を想定したが、前述したように、これは実施例によって変更されてもよい。シグナリングフォーマットフィールドの値によって当該シグナリング情報のフォーマットを示すことができる。このフィールド値の指定は、実施例によって変更されてもよい。
【0604】
当該シグナリング情報は、4ビットのシグナリングフォーマットフィールドが0000値を有するときATSCシグナリングフォーマット、0001値を有するときセクションテーブル、0010値を有するときデスクリプタ、0011値を有するときXML、1111値を有するときその他(other)のフォーマットを有することができる。シグナリングフォーマットフィールドが0100−1110の値を有する場合は、後の使用のために残すことができる。
【0605】
当該シグナリング情報は、2ビットのシグナリングフォーマットフィールドが00値を有するときATSCシグナリングフォーマット、01値を有するときセクションテーブル、10値を有するときデスクリプタ、11値を有するときその他(other)のフォーマットを有することができる。
【0606】
シグナリング情報のフォーマットによってSignaling_Information_Part()のフィールド間においてビット数が調整されてもよい。また、シグナリングフォーマットフィールドのビット数によって、後に拡張性を重視するか(多いビット数)、放送システムで実際に用いられるシグナリングフォーマットのみを指定するか(少ないビット数)が決定されてもよい。
【0607】
その他のフォーマット(Other)は、前述したシグナリングクラスフィールドが「Multiple signaling information」の場合に用いることができる。すなわち、複数のシグナリングフォーマットが混合して連結されている場合、又は別途のシグナリングフォーマットの指定無しで、シグナリングをパーシングするモジュールで処理が可能な場合に用いることができる。
【0608】
図81は、本発明の更に他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合におけるリンク層パケット構造において、複数個のシグナリング情報が連結された場合を示す図である。
【0609】
同図の構造は、前述したシグナリング情報に対するリンク層パケット構造のうち、複数個のシグナリング情報が連結された場合を具体的に示している。この構造で、ビット、バイトで表示された各フィールドのサイズは、実施例によって変更されてもよい。
【0610】
リンク層パケットのヘッダーには、前述したフィールドが位置すればよい。パケットタイプフィールドが、シグナリング情報がペイロードに含まれることを示し、パケット構成フィールドがペイロードの構成を示すことができる。カウントフィールドは、連結された複数個のシグナリング情報の個数(n)を示すことができる。実施例によって、リンク層ペイロードの全体長を示す長さ情報パートがカウントフィールドの前にさらに位置してもよい。また、該当ペイロードが連結による構成であるか、分割による構成であるかを示す指示子がさらに位置してもよい。
【0611】
リンク層パケットのヘッダーは、前述したSignaling_Information_Part()を含むことができる。Signaling_Information_Part()は、前述したように様々な構造を有することができる(t81010,t81020)。受信機が当該リンク層パケットを受信すると、ヘッダーのSignaling_Information_Part()情報を用いて当該シグナリング情報を処理することができる。
【0612】
リンク層パケットのヘッダーは、連結されたそれぞれのシグナリング情報の長さを示すSignaling_Lengthフィールドをさらに含むことができる。Signaling_Lengthフィールドは、前述したとおりである。この構造では、Signaling_LengthフィールドがSignaling_Information_Part()の次に位置しているが、この順序は逆転されてもよい。また、この実施例では、Signaling_Lengthフィールドが2バイトのサイズを有するか、これは実施例によって変更されてもよい。また、バイト整列のためのパディングビットがさらに追加されてもよい。
【0613】
Signaling_Information_Part()は、前述した実施例によって様々な構成を有することができる(t81010,t81020)。シグナリングクラスが異なる複数のシグナリング情報が一つのリンク層パケットで伝送される場合を仮定して説明する。
【0614】
この場合、シグナリングクラスフィールドは、1111又は111の値を有することができる。シグナリングフォーマットフィールドは、連結されているシグナリング情報のフォーマットを有することができる。例えば、当該リンク層パケットがATSCシステムに適用されると、グナリングフォーマットフィールドは0000又は00の値を有することができる。情報タイプフィールドが存在する場合には、情報タイプフィールドは、デフォルト値である000の値を有することができる。この場合、受信機では、この情報タイプフィールドの値を処理しなくてもよい。
【0615】
ヘッダーの先頭部におけるフィールドが1バイト、Signaling_Information_Part()が1バイト、Signaling_Lengthフィールドがそれぞれ2バイトである実施例であると仮定し、それぞれのシグナリング情報の長さをL
kとすれば(k=1,2,3,...,n)、全体リンク層パケットの長さL
Tは、同図の数式のように表現することができる(t81030)。
【0616】
図82は、本発明の更に他の実施例に係る、リンク層にシグナリング情報が伝達される場合におけるリンク層パケット構造において、複数個のシグナリング情報が連結された場合を示す図である。
【0617】
前述した複数個のシグナリング情報が連結された場合と同一であるが、本実施例は、それぞれのシグナリング情報に対するSignaling_Information_Part()とSignaling_Lengthフィールドが存在している。カウントフィールドが示す個数によって、続くSignaling_Information_Part()とSignaling_Lengthフィールドの個数を決定することができ、その順序は、連結された当該シグナリング情報の順序と同一にすることができる。実施例によって、それぞれのSignaling_Information_Part()が前部に集まって位置し、それぞれのSignaling_Lengthフィールドが後部に集まって位置してもよい。また、実施例によって、Signaling_Information_Part()とSignaling_Lengthフィールドの順序とが互いに変わってもよい。
【0618】
一対のSignaling_Information_Part()とSignaling_Lengthフィールドによって、それぞれのシグナリング情報に対する表現が可能である。受信機は、当該リンク層パケットを受信すると、各シグナリング情報を確認して、それぞれのシグナリング情報を個別に処理することができる。
【0619】
Signaling_Information_Part()は、前述した実施例によって様々な構成を有することができる(t82010,t82020)。シグナリングクラスが異なる複数のシグナリング情報が一つのリンク層パケットで伝送される場合を仮定して説明する。
【0620】
異なるシグナリング情報に対して個別の表示が可能な構造であるから、各シグナリング情報に対してシグナリングクラスフィールド、情報タイプフィールド、シグナリングフォーマットフィールドをそれぞれ指定することができる。このとき、シグナリングクラスフィールド値のうち「multiple signaling information」を示す値は用いられる必要がなく、該当値は他の意味に代えてもよい。
【0621】
ヘッダーの先頭部におけるフィールドが1バイト、Signaling_Information_Part()が1バイトであり、Signaling_Lengthフィールドがそれぞれ2バイトである実施例であると仮定し、それぞれのシグナリング情報の長さをL
kとすれば(k=1,2,3,...,n)、全体リンク層パケットの長さL
Tは、同図の数式のように表現することができる(t82030)。
【0622】
図83は、本発明の更に他の実施例に係る、リンク層にフレームドパケットが伝達される場合におけるリンク層パケット構造を示す図である。
【0623】
本発明は、IP又はMPEG−2 TSなどの放送パケットではなく、一般的なネットワークで使われているイーサネット(Ethernet)パケットに対して、これをリンク層パケットを用いて伝送するためのリンク層パケット構造を提案する。また、当該イーサネットパケットに対するプロトコルタイプを表示する方案を提案する。この場合、前述したパケットタイプフィールドは111の値を有することができる。この構造を用いてイーサネットパケットをリンク層でカプセル化することができる。これらのイーサネットパケットを、フレームドパケットと呼ぶこともできる。
【0624】
同図の構造で、パケットタイプフィールド(Packet Type)、PCフィールド、LIフィールド、セグメントIDフィールド(Segment ID)、セグメントシーケンスナンバーフィールド(Segment Sequence Number)、セグメント長IDフィールド(Segment Length ID)、最後のセグメント長フィールド(Last Segment Length)は、前述したとおりである。連結カウントフィールド(Concatenation Count)は、前述したカウント(Count)フィールドと同一である。
【0625】
この構造のヘッダーは、イーサネットタイプ(Ethernet Type)フィールドをさらに含むことができる。
【0626】
イーサネットタイプフィールドは、フレームドパケットを伝送するリンク層パケットにおいてさらに追加されるフィールドであってもよい。イーサネットタイプフィールドは、リンク層ペイロードを構成しているフレームドパケットのタイプ又はプロトコルに関する具体的な情報を含むことができる。ここで、プロトコルは、IANAに登録されている値を指定することができる。イーサネットタイプフィールドは、タイプエクステンションのための追加ヘッダーと呼ぶこともできる。本実施例で、このフィールドは2バイト又は変更可能な(variable)サイズを有することができる。
【0627】
実施例によって、複数個のフレームドパケットが連結されてペイロードに含まれる場合、カウントフィールドが示す数だけのイーサネットタイプフィールドが追加されてもよい。また、それぞれのフレームドパケットの長さを示す長さフィールドが、カウントフィールドが示す数だけ追加されてもよい。これらの長さフィールドの集合をペイロード長パート(Payload length part)と呼ぶこともできる。
【0628】
ここで、ペイロードに含まれるフレームドパケットの順序と同一の順序で長さフィールドが位置してもよい。この長さフィールドは、Component_Lengthフィールドと呼ぶことができる。この構造では、長さフィールドがイーサネットタイプフィールドの次に位置するが、この順序は逆転されてもよい。また、実施例によって、長さフィールドは2バイトのサイズを有してもよく、他のサイズを有しもよい。また、バイト整列のためのパディングビットがさらに追加されてもよい。
【0629】
一つのフレームドパケットが分割される場合には、イーサネットタイプフィールドは最初のセグメントにのみ追加されてもよい。受信機で最初のセグメントのイーサネットタイプフィールド値を用いて元来のフレームドパケットに組み合わせることができるためである。
【0630】
図84は、本発明の更に他の実施例に係る、リンク層にフレームドパケットが伝達される場合において、ethernet_typeフィールドを示す図である。
【0631】
前述したように、イーサネットタイプフィールドは、リンク層ペイロードを構成しているフレームドパケットのプロトコル又はタイプを示すことができる。同図の表は、主要プロトコルに対してIANAで定義しているイーサネットタイプ値を示している。
【0632】
例えば、イーサネットタイプフィールドの値が0x0800の場合、フレームドパケットはInternet Protocol version 4(IPv4)タイプのパケットであり、0x0806の場合、Address Resolution Protocol(ARP)タイプ、0x0842の場合、Wake−on−LANタイプである。イーサネットタイプフィールドが示すフレームドパケットのプロトコル又はタイプは様々に構成可能であり、本発明はこの実施例に限定されない。
【0633】
図85は、本発明の更に他の実施例に係る、リンク層にフレームドパケットが伝達される場合において、一つのインプットパケットがリンク層ペイロードに含まれる場合を示す図である。
【0634】
入力されたフレームドパケットが物理層の処理範囲内にあることから、連結又は分割されないで一つのリンク層ペイロードをそのまま構成する場合を想定する。
【0635】
各フィールドは、前述したとおりである。この実施例で、パケットタイプフィールドは111、PCフィールドは0の値を有することができる。カウントフィールドは0000の値を有することができる。実施例によって、一つのパケットがペイロードを構成する場合にはカウントフィールドが省略されてもよい。
【0636】
ヘッダーは、イーサネットタイプフィールド及び/又はペイロード長パートを含むことができる。実施例によって、これら両フィールドの順序は互いに変わってもよい。イーサネットタイプフィールドは、ペイロードに含まれたフレームドパケットのプロトコル又はタイプを示すことができる。ペイロード長パートは、一つの長さフィールドを含むことができ、フレームドパケットの長さ、すなわち、全体ペイロードの長さを示すことができる。
【0637】
実施例によって、各フィールドの長さは可変してもよいが、この実施例では5バイトがリンク層ヘッダーに使われているので、フレームドパケットの長さをLバイトとすれば、全体リンク層パケットの長さはL+5バイトとなる。
【0638】
図86は、本発明の更に他の実施例に係る、リンク層にフレームドパケットが伝達される場合において、複数個のインプットパケットが連結されてリンク層ペイロードに含まれる場合を示す図である。
【0639】
入力されたフレームドパケットが物理層の処理範囲に到達していない場合、それぞれのフレームドパケットは連結されてリンク層ペイロードに含まれてもよい。
【0640】
各フィールドは、前述したとおりである。ここで、イーサネットタイプフィールドと長さフィールドの構成によって様々なリンク層ヘッダー構造が可能である。
【0641】
第一の構造(図示せず)は、同じイーサネットタイプを有するフレームドパケットが連結されてペイロードに含まれた場合の構造である。この場合、リンク層ヘッダーは1つのイーサネットタイプフィールドを含むことができる。このイーサネットタイプフィールドは、当該フレームドパケットのプロトコル/タイプを示すことができる。イーサネットタイプフィールドの前又は後に複数個の長さフィールドが位置してもよい。これらの長さフィールドは、それぞれの連結されたフレームドパケットの長さを示すことができる。
【0642】
第二の構造(t86010)は、それぞれ異なるイーサネットタイプを有するフレームドパケットが連結されてペイロードに含まれた場合の構造である。この場合、連結されたフレームドパケットの個数と同じ数のイーサネットタイプフィールドと長さフィールドをヘッダーに含むことができる。それぞれのイーサネットタイプフィールドと長さフィールドは順に、当該フレームドパケットのタイプと長さを示すことができる。ヘッダーの先頭部におけるフィールドが1バイト、イーサネットタイプフィールドがそれぞれ2バイトであり、長さフィールドがそれぞれ2バイトである実施例であると仮定し、それぞれのフレームドパケットの長さをL
kとすれば(k=1,2,3,...,n)、全体リンク層パケットの長さL
Tは、同図の数式のように表現することができる(t86020)。
【0643】
第三の構造(t86030)は、それぞれ異なるイーサネットタイプを有するフレームドパケットが連結されてペイロードに含まれた場合の構造の他の実施例である。この場合も、連結されたフレームドパケットの個数と同じ数のイーサネットタイプフィールドと長さフィールドをヘッダーに含むことができる。ここで、それぞれのイーサネットタイプフィールドと長さフィールドは交互にヘッダーに位置してもよい。同図の構造では、フレームドパケット#1に対するイーサネットタイプフィールド#1と長さフィールド#1とが対を成してヘッダーに含まれている。実施例によって、長さフィールドがイーサネットタイプフィールドの前に位置してもよい。各対の順序は、連結されたフレームドパケットの順序と同一にすることができる。
【0644】
図87は、本発明の更に他の実施例に係る、リンク層にフレームドパケットが伝達される場合において、一つのインプットパケットが分割されてリンク層ペイロードに含まれる場合を示す図である。
【0645】
入力されたフレームドパケットが物理層の処理範囲を超える場合、一つのフレームドパケットが複数個のセグメントに分離されてもよい。各フィールドは、前述したとおりである。IPパケットが分割される場合と同様に、フレームドパケットが分割される場合にもCRCエンコーディングを活用することができる。フレームドパケットの最後にCRCを追加することができる。このCRCは、受信機がフレームドパケットを組み換える際、組み換えの完全性を確認するために用いることができる。CRCの追加されたフレームドパケットが分割される場合、最後のセグメントを含むリンク層パケットはCRCも含むことができる。
【0646】
一般にCRCはパケットの最後に追加されるが、実施例によって、他の位置に追加されてもよい。
【0647】
前述した実施例で、分割される場合、セグメント長IDフィールド、最後のセグメント長フィールドの値によってリンク層ペイロードの長さを計算することができた。ただし、実施例によって、単にリンク層ヘッダーにリンク層ペイロードの長さを示すフィールドを置いてもよい。このような方法は、一つの入力パケットがペイロードに含まれる場合にも、連結される場合にも利用可能である。
【0648】
図88は、本発明の一実施例に係る放送信号を伝送する方法を示す図である。
【0649】
本発明の一実施例に係る放送信号を伝送する方法は、放送データを含む複数個のインプットパケットを生成する段階、インプットパケットを用いてリンク層パケットを生成する段階、放送信号を生成する段階及び/又は放送信号を伝送する段階を含むことができる。
【0650】
まず、サービスプロバイダー側の第1モジュールは、複数個のインプットパケットを生成することができる(t88010)。ここで、複数個のインプットパケットはMPEG2−TSパケット、IPパケット又は特定形態のパケットであってもよく、将来定義されて用いられるパケットであってもよい。第1モジュールは、放送データを生成し、これをインプットパケットの形態で生成する特定モジュールであってもよい。
【0651】
サービスプロバイダー側の第2モジュールは、複数個のインプットパケットを用いて少なくとも一つのリンク層パケット(Link Layer Packet)を生成することができる(t88020)。これは、前述したリンク層でインプットパケットをカプセル化してリンク層パケットが生成される過程に該当してもよい。ここで、リンク層パケットは、前述した実施例によるパケット構造を有することができる。
【0652】
本実施例で、リンク層パケットのヘッダーは、パケットタイプ情報及びパケット構成情報を含むことができる。パケットタイプ情報は、リンク層パケットのペイロードに含まれるインプットパケットのタイプを示し、パケット構成情報はリンク層パケットのペイロード構成を示すことができる。パケットタイプ情報は、前述したパケットタイプフィールド(Packet_Type)に、パケット構成情報は前述したパケット構成フィールド(PC)に該当してもよい。
【0653】
サービスプロバイダー側の第3モジュールは、生成されたリンク層パケットを用いて放送信号を生成することができる(t88030)。これは、物理層でリンク層パケットを用いて各種インターリービング、フレーミングなどの動作が行われることに対応してもよい。サービスプロバイダー側の第4モジュールは、生成された放送信号を伝送することができる。ここで、第4モジュールはアンテナなどに該当してもよい。
【0654】
本発明の他の実施例に係る放送信号を伝送する方法は、ペイロードがインプットパケットの分割されたセグメントのうちの一つを含む場合、ヘッダーは、リンク層パケットに含まれるセグメントの当該インプットパケットにおける順序を示すセグメントシーケンスナンバー情報をさらに含むことができる。これは、前述した分割に該当する場合であってもよい。セグメントシーケンスナンバー情報は、前述したセグメントシーケンスナンバーフィールド(Segment Sequence Number)に該当してもよい。
【0655】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法において、ヘッダーは、リンク層パケットに含まれるセグメントが当該インプットパケットの最後のセグメントであるか否かを示す最後のセグメント指示子をさらに含むことができる。これは、前述した分割に該当する場合であってもよい。ここで、最後のセグメント指示子は、前述した最後のセグメント長フィールド(Last Segment Length)に該当してもよい。
【0656】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法において、ペイロードが複数個のインプットパケットを含む場合、ヘッダーは、リンク層パケットに含まれるインプットパケットの個数を示すカウント情報をさらに含むことができる。これは、前述した連結に該当する場合であってもよい。ここで、カウント情報は、前述したカウントフィールドに該当してもよい。
【0657】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法において、ヘッダーは、リンク層パケットに含まれるそれぞれのインプットパケットの長さを示すコンポーネント長さ情報をさらに含むことができる。これは、前述した連結に該当する場合であってもよい。ここで、コンポーネント長さ情報は、前述したインプットパケットに対するそれぞれの長さフィールドに該当してもよい。
【0658】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法において、コンポーネント長情報は、当該インプットパケットがペイロードに位置する順序と同じ順序でヘッダーに位置してもよい。これは、前述した連結に該当する場合であってもよい。この実施例は、それぞれの長さフィールドが連結されたインプットパケットの順序と同じ順序で位置して、それぞれのインプットパケットの長さを示す場合に該当し得る。
【0659】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法において、複数個のインプットパケットは、放送データに対するシグナリングデータを含むことができる。この場合、ヘッダーは、シグナリングタイプ情報、シグナリングタイプ拡張情報及びシグナリングフォーマット情報をさらに含むことができる。シグナリングタイプ情報は、シグナリングデータのタイプを示し、シグナリングタイプ拡張情報は、シグナリングデータの属性を示し、シグナリングフォーマット情報は、シグナリングデータのフォーマットを示すことができる。この情報はそれぞれ、前述したシグナリングクラスフィールド、情報タイプフィールド、シグナリングフォーマットフィールドに該当してもよい。
【0660】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法において、ヘッダーのパケットタイプ情報は、リンク層パケットに含まれるインプットパケットが拡張パケットであることを示し、ヘッダーは、拡張パケットのプロトコル又はタイプを示す拡張タイプ情報をさらに含むことができる。これは、前述した実施例のうち、リンク層にフレームドパケットが伝達されるケースに該当してもよい。この場合、前述したパケットタイプフィールドは111の値を有することができる。ここで、拡張パケットは、前述したフレームドパケット又はイーサネットパケットであってもよい。ここで、拡張タイプ情報は、前述したイーサネットタイプフィールドに該当してもよい。
【0661】
本発明の更に他の実施例に係る放送信号を伝送する方法において、ペイロードは一つのインプットパケットを含み、ヘッダーは、リンク層パケットのペイロード長を示す長さ情報をさらに含むことができる。これは、前述したシングルパケット、すなわち、一つのインプットパケットが分割/連結無しでペイロードにそのまま含まれる場合に該当してもよい。ここで、長さ情報は、前述したペイロードの長さを示す長さフィールドに該当してもよい。
【0662】
本発明の一実施例に係る放送信号を受信する方法を説明する。この方法の図示は省略するものとする。
【0663】
本発明の一実施例に係る放送信号を受信する方法は、放送信号を受信する段階、放送信号のリンク層パケットを取得する段階及び/又はリンク層パケットを用いてアウトプットパケットを生成する段階を含むことができる。
【0664】
まず、受信機側の第1モジュールは、放送信号を受信することができる。この放送信号は、サービスプロバイダー側で前述の実施例によって送信した放送信号であってもよい。第1モジュールはアンテナ又はチューナーなどの受信装置であってもよい。
【0665】
受信機側の第2モジュールは、受信した放送信号を用いてリンク層パケットを取得すことができる。リンク層パケットは、前述したとおりである。この過程は、受信機側の物理層で放送信号を処理してアウトプットストリームをリンク層に出力する過程に該当し得る。
【0666】
その後、受信機側の第3モジュールは、リンク層パケットを処理してアウトプットパケットを生成することができる。ここで、アウトプットパケットは、サービスプロバイダー側でリンク層に伝達されたインプットパケットに該当してもよい。この過程で、リンク層パケットにカプセル化されていたパケットを復旧することができる。この過程は、前述した「インプットパケットを用いてリンク層パケットを生成する段階」の逆過程に該当し得る。
【0667】
本発明の一実施例に係る放送信号を受信する方法及びこの方法の他の実施例において、リンク層パケットは、前述した構造/情報を有することができる。すなわち、前述したサービスプロバイダー側の実施例で説明したリンク層パケット構造又はそれに含まれるフィールド/情報は、放送信号を受信する方法の実施例にも同様に適用可能である。
【0668】
これらの段階は、実施例によって省略されてもよく、類似/同一の動作を行う別の段階に置き換えてもよい。
【0669】
図89は、本発明の一実施例に係る放送信号を伝送する装置を示す図である。
【0670】
本発明の一実施例に係る放送信号を伝送する装置は、前述した第1モジュール、第2モジュール、第3モジュール及び/又は第4モジュールを含むことができる。各モジュールは、前述したとおりである。
【0671】
本発明の一実施例に係る放送信号を伝送する装置及びその内部モジュール/ブロックは、前述した本発明の放送信号を伝送する方法の実施例を行うことができる。
【0672】
本発明の一実施例に係る放送信号を受信する装置を説明する。本発明の一実施例に係る放送信号を受信する装置は、図示を省略するものとする。
【0673】
本発明の一実施例に係る放送コンテンツを受信する装置は、前述した第1モジュール、第2モジュール及び/又は第3モジュールを含むことができる。各モジュールは、前述したとおりである。
【0674】
本発明の一実施例に係る放送信号を受信する装置及びその内部モジュール/ブロックは、前述した本発明の放送信号を受信する方法の実施例を行うことができる。
【0675】
前述した放送信号を伝送する装置及び放送信号を受信する装置内部のブロック/モジュールなどは、メモリに保存された連続した過程を実行するプロセッサであってもよく、実施例によって装置の内部/外部に位置するハードウェアエレメントであってもよい。
【0676】
前述したモジュールは、実施例によって省略してもよく、類似/同一の動作を行う他のモジュールに代えてもよい。
【0677】
モジュール又はユニットは、メモリ(又は、保存ユニット)に記憶された連続した過程を実行するプロセッサであってもよい。前述した実施例に記述された各段階は、ハードウェア/プロセッサによって実行することができる。前述した実施例に記述された各モジュール/ブロック/ユニットは、ハードウェア/プロセッサとして動作することができる。また、本発明が提示する方法はコードとして具現されるようにするこができる。このコードは、プロセッサが読み出し可能な記憶媒体に書き込まれ、装置(apparatus)が提供するプロセッサによって読み出されるようにすることができる。
【0678】
説明の便宜のために、各図を個別に説明したが、各図に開示した実施例を組み合わせて新しい実施例として具現するように設計することも可能である。そして、通常の技術者の必要に応じて、以前に説明された実施例を実行するためのプログラムが記録されているコンピュータで読み出し可能な記録媒体を設計することも、本発明の権利範囲に属する。
【0679】
本発明に係る装置及び方法は、上述したように、説明された実施例の構成と方法に限定されず、上述した実施例は様々な変形が可能である。したがって、各実施例の全て又は一部を選択的に組み合わせて他の実施例を構成してもよい。
【0680】
一方、本発明が提案する方法を、ネットワークデバイスに具備された、プロセッサが読み出し可能な記録媒体に、プロセッサが読み出し可能なコードとして具現することができる。プロセッサが読み出し可能な記録媒体は、プロセッサによって読み出されるデータが記憶されるいずれの種類の記録装置をも含む。プロセッサが読み出し可能な記録媒体の例には、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などがあり、また、インターネットを介した伝送などのようなキャリアウェーブの形態で具現されてもよい。また、プロセッサが読み出し可能な記録媒体は、ネットワークに接続しているコンピュータシステムに分散されて、分散方式でプロセッサが読み出し可能なコードが記憶されて実行されてもよい。
【0681】
以上、本発明の好適な実施例について図示及び説明してきたが、本発明は、上述した特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく、当該発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって様々な変形実施が可能であることは無論であり、これらの変形実施は、本発明の技術的思想や展望から分離して理解してはならない。
【0682】
そして、当該明細書では物の発明、方法の発明の両方が説明されており、必要によって、両発明の説明は補充的に適用されてもよい。
【0683】
本発明の思想や範囲内で本発明の様々な変更及び変形が可能であることは当業者にとって明らかである。したがって、本発明は、添付の請求項及びその同等範囲内で提供される本発明の変更及び変形を含むように意図される。
【0684】
本明細書で、装置の方法も方法の発明も言及されており、装置及び方法の発明に関する説明は互いに補完して適用可能である。
【0685】
様々な実施例が、本発明を実施するための形態において説明されている。