(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
2θ値5.3、5.8、6.4、9.0、10.1、10.9、11.6、12.7、16.0及び19.1に回折ピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる結晶性固体形態である、請求項14に記載の化合物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の態様では、本発明は、式(I)の化合物及びその塩を対象とする:
【化2】
(式中、
R
1は、n-C
1〜6アルキル又はC
1〜2アルコキシC
1〜2アルキル-であり、
R
2は、ハロ、ヒドロキシ又はC
1〜3アルキルであり、
mは、4から7の値を有する整数であり、
nは、0から3の値を有する整数であり、
pは、0から2の値を有する整数である)。
【0015】
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物及びその塩を対象とする:
【化3】
(式中、
R
1は、n-C
3〜6アルキル又はC
1〜2アルコキシC
1〜2アルキル-であり、
各R
2は独立に、ハロ、OH又はC
1〜3アルキルを表し、
mは、4、5、6又は7の値を有する整数であり、
nは、0、1、2又は3の値を有する整数であり、
pは、0、1又は2の値を有する整数である)。
【0016】
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物及びその塩を対象とする:
【化4】
(式中、
R
1は、n-C
4〜6アルキルであり、
R
2は、ハロ又はOHであり、
mは、5、6又は7の値を有する整数であり、
nは、1、2又は3の値を有する整数であり、
pは、0又は1の値を有する整数である)。
【0017】
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物及びその塩を対象とする:
【化5】
(式中、
R
1は、n-ブチル又は2-メトキシエチルであり、
R
2は、ハロ又はOHであり、
mは、5、6又は7の値を有する整数であり、
nは、1、2又は3の値を有する整数であり、
pは、0又は1の値を有する整数である)。
【0018】
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物及びその塩を対象とする:
【化6】
(式中、
R
1は、n-ブチル又は2-メトキシエチルであり、
R
2は、F又はOHであり、
mは、5、6又は7の値を有する整数であり、
nは、1、2又は3の値を有する整数であり、
pは、0又は1の値を有する整数である)。
【0019】
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物及びその塩を対象とする:
【化7】
(式中、
R
1は、n-ブチル又は2-メトキシエチルであり、
mは、5、6又は7の値を有する整数であり、
nは、1、2又は3の値を有する整数であり、
pは0である)。
【0020】
さらなる態様では、R
1は、n-C
4〜6アルキル、例えばn-ブチルである。
さらなる態様では、R
1は、2-メトキシエチルである。
さらなる態様では、mは、5又は6の値を有する整数である。
さらなる態様では、nは、1又は2である。
さらなる態様では、pは、0又は1である。
さらなる態様では、R
2は、ハロ又はOHである。
さらなる態様では、R
2は、F又はOHである。
【0021】
式(I)の化合物の例が、以下の群に提示され、本発明のさらなる態様を形成する:
5-ブチル-3-(6-(ピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-(2-メトキシエチル)-3-(6-(ピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-(2-メトキシエチル)-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-ブチル-3-(5-(ピペリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-ブチル-3-(5-(ピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-ブチル-3-(7-(ピペリジン-1-イル)ヘプチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-ブチル-3-(7-(ピロリジン-1-イル)ヘプチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
3-(6-(アゼパン-1-イル)ヘキシル)-5-ブチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
3-(5-(アゼパン-1-イル)ペンチル)-5-ブチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
(S)-5-ブチル-3-(6-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
(S)-5-ブチル-3-(5-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
(R)-5-ブチル-3-(6-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
(R)-5-ブチル-3-(5-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
1-(6-(7-アミノ-5-ブチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル)ヘキシル)ピペリジン-4-オール;
1-(5-(7-アミノ-5-ブチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル)ペンチル)ピペリジン-4-オール;
5-ブチル-3-(6-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-ブチル-3-(5-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン、
及びそれらの塩。
【0022】
さらなる態様では、本発明は、5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン又はその塩を対象とする。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、特定の数の員原子を有する飽和炭化水素鎖を指す。特に記載のない限り、用語「アルキル」には、直鎖及び分枝アルキル基が含まれる。例えば、C
1〜6アルキルは、1から6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝の飽和炭化水素鎖、例えばエチル及びイソプロピルを指し、n-C
1〜6アルキルは、1から6個の炭素原子を有する直鎖の飽和炭化水素鎖、例えばn-プロピル及びn-ブチルを指す。
【0024】
本明細書における本発明の化合物への言及は、遊離塩基としての、又は塩としての、例えば医薬として許容される塩としての式(I)の化合物を意味すると理解されるべきである。
【0025】
本発明の一態様では、式(I)の化合物は遊離塩基の形態である。
【0026】
式(I)の化合物の塩には、医薬として許容される塩、並びに医薬として許容されない可能性があるが式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩の調製に有用であり得る塩が含まれる。
【0027】
本発明の一態様では、式(I)の化合物は医薬として許容される塩の形態である。
【0028】
塩は、ある種の無機又は有機酸から誘導することができる。
【0029】
本明細書で使用される場合、用語「医薬として許容される塩」は、対象化合物の所望される生物学的活性を保持し、最低限の所望されない毒物学的影響を呈する塩を指す。これらの医薬として許容される塩は、最後に化合物を単離する及び精製する間にその場で調製されてもよいし、又は精製されたその遊離酸若しくは遊離塩基の形態の化合物をそれぞれ適切な塩基若しくは酸と別に反応させることによって調製されてもよい。さらに、式(I)の化合物の医薬として許容される塩は、遊離酸又は塩基の形態をさらに処理する間に調製されてもよく、例えば医薬製剤を製造する間にその場で調製されてもよい。
【0030】
塩の例は、医薬として許容される塩である。医薬として許容される塩には、酸付加塩が含まれる。適切な塩の総説については、Bergeら、J. Pharm. Sci.、66:1〜19 (1977)を参照されたい。
【0031】
式(I)の化合物の医薬として許容される酸付加塩の例には、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、オルトリン酸、硝酸、リン酸若しくは硫酸など、又は有機酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、サリチル酸、マレイン酸、グリセロリン酸、酒石酸、安息香酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸などのナフタレンスルホン酸、ヘキサン酸若しくはアセチルサリチル酸などを有するものが含まれる。
【0032】
本発明はその範囲内に、式(I)の化合物の塩のすべての可能な化学量論的及び非化学量論的形態を含む。例えば、式(I)の化合物の二マレイン酸塩又はヘミコハク酸塩である。
【0033】
塩は、当技術分野で周知の技法を使用して、例えば、溶液から沈殿させ、続いて濾過することによって、又は溶媒を蒸発させることによって形成することができる。
【0034】
典型的には、医薬として許容される酸付加塩は、式(I)の化合物と適切な酸(臭化水素酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸又はコハク酸など)とを、任意選択により適切な溶媒中、例えば有機溶媒中で反応させて塩を得て、それを例えば結晶化及び濾過によって通常単離することによって形成することができる。
【0035】
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンの医薬として許容される塩の例は、マレイン酸塩、二マレイン酸塩、及びヘミコハク酸塩である。
【0036】
多くの有機化合物は、それらが反応する又は沈殿する若しくは結晶化する溶媒と複合体を形成できることが認識される。これらの複合体は、「溶媒和物」として知られる。例えば、水との複合体は、「水和物」として知られる。沸点が高い溶媒及び/又は水素結合を形成する傾向が高い溶媒、例えば、水、エタノール、イソ-プロピルアルコール及びN-メチルピロリジノンを使用して、溶媒和物が形成されてもよい。溶媒和物を同定する方法には、NMR及び微量分析が含まれるが、これらに限定されない。式(I)の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内である。本明細書で使用される場合、溶媒和物という用語は、遊離塩基化合物だけでなく任意のその塩の両方の溶媒和物を包含する。
【0037】
本発明の化合物のある種のものは、互変異性体の形態で存在してもよい。本発明は、個々の互変異性体としてであろうがそれらの混合物としてであろうが、本発明の化合物の互変異性体のすべてを包含することを理解されたい。
【0038】
本発明の化合物は、結晶性の形態であっても、非晶性の形態であってもよい。さらに、本発明の化合物の結晶形態の一部は多形体として存在してもよく、それらのすべては本発明の範囲内に含まれる。本発明の化合物の最も熱力学的に安定な多形形態(複数可)は、特に興味深い。
【0039】
さらなる態様では、本発明は、2θ値5.3、5.8、6.4、9.0、10.1、10.9、11.6、12.7、16.0及び19.1に回折ピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、結晶性固体形態の5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-lH-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン二マレイン酸塩を対象とする。
【0040】
さらなる態様では、本発明は、2θ値8.1、9.8、11.6、16.0、17.5、19.5、20.2、23.0及び23.7に回折ピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、結晶性固体形態の5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-lH-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンヘミコハク酸塩を対象とする。
【0041】
本発明の化合物の多形形態は、これらに限定されないが、X線粉末回折(XRPD)、赤外分光法(IR)、ラマン分光法、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)及び固体核磁気共鳴(ssNMR)を含めた幾つもの従来の分析技法を使用して、特徴付けし、区別することができる。
【0042】
本発明は、式(I)の化合物のすべての適切な同位体変形物(isotopic variation)又は医薬として許容されるその塩も含む。式(I)の化合物の同位体変形物、又は医薬として許容されるその塩は、その中の少なくとも1つの原子が、同じ原子番号を有するが原子質量が天然に通常見出される原子質量と異なる原子によって置き換えられたものとして定義される。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素及び塩素の同位体、例えば、それぞれ
2H、
3H、
13C、
14C、
15N、
17O、
18O、
18F及び
36Clが含まれる。式(I)の化合物のある種の同位体変形物又はその塩若しくは溶媒和物、例えば、
3H又は
14Cなどの放射性同位体が組み込まれたものは、薬物及び/又は基質組織分布の研究に有用である。三重水素化形、すなわち
3H、及び炭素-14、すなわち
14Cである同位体は、その調製しやすさ及び検出性のために特に好ましい。さらに、重水素、すなわち
2Hなどの同位体で置換すると、代謝安定性が増大することから生じるある種の治療上の利点、例えば、in vivo半減期の増大又は必要用量の減少などをもたらすことができるので、状況によっては好ましい場合がある。式(I)の化合物の同位体変形物、又は医薬的なその塩は一般に、従来の手順によって、例えば例示的方法によって又は後述の実施例に記載する調製によって、適切な試薬の適正な同位体変形物を使用して調製することができる。
【0043】
本発明の範囲に含まれるものは、式(I)の化合物の溶媒和物、水和物、異性体、同位体変形物及び多形形態、並びにそれらの塩及び溶媒和物であることが前述から認識される。
【0044】
化合物の調製
式(I)の化合物及びその塩は、後述する方法論によって調製することができ、この方法論は本発明の態様をさらに成す。
【化8】
【0045】
したがって、式(I)の化合物を調製するための方法が提供され、この方法は、式(II)の化合物の官能基の相互変換又は脱保護を含む:
【化9】
(式中、R
1、R
2、m、n及びpは、式(I)の化合物について上文で定義された通りであり、Zは、適切な保護基、例えば3,4-ジメトキシベンジル又は2,4-ジメトキシベンジルで置換され、その後必要に応じて、形成された化合物の塩が調製される、OH又はアミノである)。
【0046】
例えば、ZがOHであるとき、式(II)の化合物をオキシ塩化リンに溶解し、適切な温度、例えば120℃で、適切な時間、例えば45〜120分間加熱する。反応混合物を蒸発させ、適切な溶媒、例えばトルエンと共沸する。次いでアンモニア水溶液(0.88)を、適切な溶媒、例えばイソ-プロピルアルコール中の材料の溶液に添加する。次いで得られた混合物を、マイクロ波加熱器中、適切な温度、例えば120〜150℃で、適切な時間、例えば1〜2時間加熱する。溶媒を除去し、必要に応じて精製することによって、生成物(I)が単離される。
【0047】
例えば、Zが(3,4-ジメトキシフェニル)メタンアミン基であるとき、式(II)の化合物をトリフルオロ酢酸などの適切な酸で処理し、マイクロ波加熱器中、適切な温度、例えば120℃で、適切な時間、例えば4時間加熱する。溶媒を除去し、水系後処理(aqueous work up)を行い、必要に応じて精製することによって、生成物(I)が単離される。
【0048】
例えば、Zが(2,4-ジメトキシフェニル)メタンアミン基であるとき、式(II)の化合物をトリフルオロ酢酸などの適切な酸で処理し、適切な温度、例えば60℃で、適切な時間、例えば2.5〜4時間加熱する。溶媒を除去し、水系後処理を行い、必要に応じて精製することによって、生成物(I)が単離される。
【0049】
式(II)の化合物は、式(III):
【化10】
(式中、R
1、R
2、m、n及びpは、式(I)の化合物について上文で定義された通りであり、Zは、式(II)の化合物について上文で定義された通りである)
の化合物と水素との、触媒の存在下での反応によって調製することができる。
【0050】
例えば、式(III)の化合物を適切な溶媒、例えばエチルアルコールに溶解し、Thales H-Cube(商標)などの適切なフロー式水素化反応装置の中で、水素の存在下、適切な温度、例えば20〜60℃で、適切な触媒、例えば10%パラジウム炭素の上を通す。或いは、式(III)の化合物を適切な溶媒、例えばエチルアルコールに溶解し、水素雰囲気下で、適切な触媒、例えば10%パラジウム炭素の存在下で、適切な温度、例えば20℃で、2〜18時間の適切な時間撹拌する。溶媒を除去し、水系後処理を行い、必要に応じて精製することによって、生成物(II)が単離される。
【0051】
式(III)の化合物は、式(IV):
【化11】
(式中、R
1は、式(I)の化合物について上文で定義された通りであり、Zは、式(II)の化合物について上文で定義された通りであり、Xは、ヨウ素又は臭素などのハロゲンである)
の化合物と、式(V):
【化12】
(式中、R
2、m、n及びpは、式(I)の化合物について定義された通りである)
の化合物との反応によって調製することができる。
【0052】
例えば、式(IV)の化合物を、ヨウ化銅(I)、適切な触媒、例えばビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、及び適切な塩基、例えばトリエチルアミンの存在下で、適切な溶媒、例えばN,N-ジメチルホルムアミドに溶解する。N,N-ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中の式(V)の化合物の溶液を添加し、混合物を、適切な温度、例えば20〜55℃で、適切な時間、例えば0.5〜17時間撹拌する。生成物(III)が、水系後処理及び精製の後に単離される。
【0053】
式(V)の化合物は、式(VI):
【化13】
(式中、mは、式(I)の化合物について定義された通りであり、Yは、ハロゲン、例えば、塩素、臭素若しくはヨウ素、又はアルキルスルホナート、例えばp-トルエンスルホナートなどの脱離基である)
の化合物と、式(VII):
【化14】
(式中、R
2、n及びpは、式(I)の化合物について定義された通りである)
の化合物との反応によって調製することができる。
【0054】
例えば、式(VI)の化合物、式(VII)の化合物及び適切な塩基、例えば炭酸水素ナトリウムを、適切な溶媒、例えばN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、適切な温度、例えば80〜100℃で適切な時間、例えば16〜18時間加熱する。水系後処理及び精製の後に、例えば適切な結晶性の塩、例えばシュウ酸塩の単離によって、生成物(V)が単離される。
【0055】
或いは、式(III)の化合物は、式(VIII):
【化15】
(式中、R
1及びmは、式(I)の化合物について上文で定義された通りであり、Zは、式(II)の化合物について上文で定義された通りであり、Yは、式(VI)の化合物について定義された通りの脱離基である)
の化合物と、式(VII)(式中、R
2、n及びpは、式(I)の化合物について定義された通りである)の化合物との反応によって調製することができる。
【0056】
例えば、式(VIII)の化合物、式(VII)の化合物及び適切な塩基、例えばトリエチルアミンを、適切な溶媒、例えばアセトニトリルに溶解し、適切な温度、例えば60〜80℃で、適切な時間、例えば16〜26時間加熱する。水系後処理及び精製の後に、生成物(III)が単離される。
【0057】
式(VIII)の化合物は、式(IV)の化合物と式(VI)の化合物との反応によって調製することができる。例えば、式(IV)の化合物を、ヨウ化銅(I)、適切な触媒、例えばビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド及び適切な塩基、例えばトリエチルアミンの存在下で、適切な溶媒、例えばN,N-ジメチルホルムアミドに溶解する。N,N-ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中の式(VI)の化合物の溶液を添加し、混合物を、適切な温度、例えば20〜60℃で、適切な時間、例えば2〜18時間撹拌する。生成物(VIII)が、水系後処理及び精製の後に単離される。
【0058】
或いは、式(II)の化合物は、式(IX):
【化16】
(式中、R
1及びmは、式(I)の化合物について上文で定義された通りであり、Zは、式(II)の化合物について上文で定義された通りであり、Xは、ハロゲン、例えば、クロロ、ブロモ又はヨードなどの脱離基である)
の化合物と、式(VII)(式中、R
2、n及びpは、式(I)の化合物について定義された通りである)の化合物との反応によって調製することができる。
【0059】
例えば、適切な溶媒、例えばアセトニトリル中の、式(IX)の化合物、式(VII)の化合物及び適切な塩基、例えばトリエチルアミンの混合物を、適切な温度、例えば20℃で、適切な時間、例えば17〜19時間撹拌する。生成物(IX)が、水系後処理及び精製の後に単離される。
【0060】
式(IX)の化合物は、式(X):
【化17】
(式中、R
1及びmは、式(I)の化合物について上文で定義された通りであり、Zは、式(II)の化合物について上文で定義された通りである)
の化合物と、適切なハロゲン化試薬との反応によって調製することができる。
【0061】
例えば、溶媒、例えばジクロロメタン中のトリフェニルホスフィンの溶液を、適切な溶媒、例えばジクロロメタン中の式(X)の化合物と四臭化炭素との混合物に添加する。反応物を、適切な温度、例えば20℃として、適切な時間、18〜20時間撹拌する。生成物(X)が、水系後処理及び精製の後に単離される。
【0062】
式(X)の化合物は、式(XI):
【化18】
(式中、R
1及びmは、式(I)の化合物について上文で定義された通りであり、Zは、式(II)の化合物について上文で定義された通りである)
の化合物と水素との、触媒の存在下での反応によって調製することができる。
【0063】
例えば、式(XI)の化合物を適切な溶媒、例えばエタノールに溶解し、水素雰囲気下で、適切な触媒、例えば10%パラジウム炭素の存在下で、適切な時間、例えば22時間撹拌する。溶媒を除去し、必要に応じて精製することによって、生成物(XIV)が単離される。
【0064】
式(XI)の化合物は、式(IV)の化合物と適正なアルキン-1-オールとの反応によって調製することができる。例えば、式(IV)の化合物を、ヨウ化銅(I)、適切な触媒、例えばビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド及び適切な塩基、例えばトリエチルアミンの存在下で、適切な溶媒、例えばN,N-ジメチルホルムアミドに溶解する。N,N-ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中のアルキン-1-オールの溶液を添加し、混合物を、適切な温度、例えば60℃で、適切な時間、例えば2〜4時間撹拌する。生成物(XI)が、水系後処理及び精製の後に単離される。
【0065】
式(IV)(式中、Zは、適切な保護基で置換されたアミノである)の化合物は、式(IV)(ZはOH基である)の化合物から調製することができる。例えば、式(IV)(Z=OH)の化合物を、適切なカップリング剤、例えばベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート、及び塩基、例えば、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンの存在下で、適切な溶媒、例えばN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、適切なアミン、例えば(3,4-ジメトキシフェニル)メタンアミンで処理する。反応物を、適切な温度、例えば40℃として、適切な時間、例えば3時間撹拌する。生成物(IV)(式中、Zは(3,4-ジメトキシフェニル)メタンアミン)が、水系後処理及び精製の後に単離される。
【0066】
或いは、式(IV)(Z=OH)の化合物を、適切なカップリング剤、例えば((lH-ベンゾ[d][l,2,3]トリアゾール-1-イル)オキシ)トリ(ピロリジン-1-イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(V)、及び塩基、例えば、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンの存在下で、適切な溶媒、例えばアセトニトリルに溶解し、適切なアミン、例えば、(2,4-ジメトキシフェニル)メタンアミンと処理する。反応物を、適切な温度、例えば20℃として、適切な時間、例えば6時間撹拌する。生成物(IV)(式中、Zは(3,4-ジメトキシフェニル)メタンアミン)が、濾過及び精製によって副生成物を分離した後に単離される。
【0067】
式(IV)(式中、ZはOH基)の化合物は、式(XII):
【化19】
(式中、R
1は、式(I)の化合物について上文で定義された通りである)
の化合物とハロゲン化試薬、例えばN-ヨードスクシンイミドとの反応によって調製することができる。
【0068】
例えば、式(XII)の化合物を、適切な溶媒、例えばN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、N-ヨードスクシンイミドと、適切な温度、例えば60℃で、適切な時間、例えば1〜2時間反応させる。生成物(XII)が、水系後処理及び精製の後に単離される。
【0069】
式(XII)の化合物は、式(XIII):
【化20】
(式中、R
1は、式(I)の化合物について上文で定義された通りである)
の化合物と適切な塩基、例えば水酸化ナトリウムとの反応によって調製することができる。
【0070】
適切な溶媒、例えばエチルアルコール中の式(XIII)の化合物の溶液を、水酸化ナトリウムの水溶液で処理し、反応混合物を、適切な温度、例えば80〜100℃で、適切な時間、例えば1〜4時間撹拌する。生成物(XII)が、水系後処理及び精製の後に単離される。
【0071】
式(XIII)の化合物は、式(XIV):
【化21】
の化合物と式(XII):
【化22】
(式中、R
1は、式(I)の化合物について上文で定義された通りである)
の化合物との反応によって調製することができる。
【0072】
例えば、式(XIV)の化合物と式(XV)の化合物との混合物を、適切な溶媒中の塩化水素の溶液、例えば、1,4-ジオキサン中の塩化水素の溶液で処理し、適切な温度、60〜80℃で、適切な時間、例えば16〜24時間加熱する。生成物(XIII)が、溶媒蒸発後に単離される。
【0073】
式(VI)、(VII)、(XIV)及び(XV)の化合物はいずれも、文献で公知であるか、例えばSigma-Aldrich(英国)から市販されており、又は公知の手順、例えば、J. March、Advanced Organic Chemistry、第6版(2007)、WileyBlackwell、若しくはComprehensive Organic Synthesis (Trost B.M.及びFleming I.,(編)、Pergamon Press、1991)(そうした手順に関係する場合、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる)などの合成方法論の標準的な参考書に開示されるものから類推することによって調製することができる。
【0074】
本明細書に記載される合成経路に用いることができる他の保護基及びそれらを除去する手段の例は、T. W. Greene「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、J. Wiley and Sons、2006(そうした手順に関係する場合、参照により本明細書に組み込まれる)に見出すことができる。
【0075】
上記の反応又は方法のいずれの場合においても、従来の加熱及び冷却方法、例えばそれぞれ、温度調節油浴又は温度調節ホットブロック、及び氷/塩浴又はドライアイス/アセトン浴を用いることができる。従来の単離方法、例えば、水性又は非水性溶媒からの抽出又はそれらへの抽出を用いることができる。無水硫酸マグネシウム若しくは無水硫酸ナトリウムと振盪すること又は疎水性フリットに通すことなどの、有機溶媒、溶液又は抽出物を乾燥する従来の方法を用いることができる。従来の精製方法、例えば結晶化及びクロマトグラフィー、例えばシリカクロマトグラフィー又は逆相クロマトグラフィーを、必要に応じて使用することができる。結晶化を、酢酸エチル又はメタノール、エタノール若しくはブタノール、及びそれらの水性混合物などの従来の溶媒を使用して行うことができる。具体的な反応時間、温度は、典型的には、反応モニタリング法、例えば薄層クロマトグラフィー及びLC-MSによって決定され得ることが認識される。
【0076】
適切ならば、本発明の化合物の個々の異性体形態を、ジアステレオ異性体誘導体の分別結晶化又はキラル高速液体クロマトグラフィー(キラルHPLC)などの従来の手順を使用して、個々の異性体として調製することができる。
【0077】
化合物の絶対立体配置は、X線結晶解析などの従来の方法を使用して決定することができる。
【0078】
使用方法
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩が有益効果を及ぼす可能性のある病態の例には、アレルギー性疾患及び他の炎症状態、例えばアレルギー性鼻炎及び喘息、感染性疾患、並びに癌が含まれる。式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩には、ワクチンアジュバントとして使用される可能性もある。
【0079】
免疫応答のモジュレーターとして、式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、免疫介在性障害の治療及び/又は予防にも有用である可能性があり、それらには、炎症性又はアレルギー性疾患、例えば、喘息、アレルギー性鼻炎及び鼻腔結膜炎、食品アレルギー、過敏性肺疾患、レフレル症候群、遅延型過敏性障害、アテローム性動脈硬化症、膵臓炎、胃炎、大腸炎、変形性関節症、乾癬、サルコイドーシス、肺線維症、呼吸促迫症候群、気管支梢炎、慢性閉塞性肺疾患、副鼻腔炎、嚢胞性線維症、光線性角化症、皮膚形成異常、慢性じんま疹、湿疹及びすべてのタイプの皮膚炎が含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、呼吸器感染症に対する反応の治療及び/又は予防にも有用である可能性があり、それらには、気道のウイルス性増悪及び扁桃炎が含まれるが、これらに限定されない。該化合物は、自己免疫疾患の治療及び/又は予防にも有用である可能性があり、それらには、関節リウマチ、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、強皮症、皮膚筋炎、糖尿病、移植片拒絶反応(移植片対宿主病を含む)、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含むが、これらに限定されない)が含まれるが、これらに限定されない。
【0081】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、感染症の治療にも有用である可能性があり、それらには、肝炎ウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス)、ヒト免疫不全ウイルス、乳頭腫ウイルス、ヘルペスウイルス、呼吸器系ウイルス(例えば、インフルエンザウイルス、呼吸器系合胞体ウイルス、ライノウイルス、メタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルス、SARS)、及び西ナイルウイルスによって引き起こされるものが含まれるが、これらに限定されない。式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、例えば、細菌、真菌、又は原生動物によって引き起こされる、微生物感染症の治療にも有用である可能性がある。これらには、結核、細菌性肺炎、アスペルギルス症、ヒストプラスマ症、カンジダ症、ニューモシスティス症、ハンセン病、クラミジア、クリプトコックス疾患、クリプトスポリジウム症、トキソプラズマ症、リーシュマニア、マラリア及びトリパノソーマ症が含まれるが、これらに限定されない。
【0082】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、様々な癌の治療、特に免疫療法に応答することが知られている癌の治療にも有用である可能性があり、それらには、腎細胞癌、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、膀胱癌、黒色腫、白血病、リンパ腫及び卵巣癌が含まれるが、これらに限定されない。
【0083】
本明細書における治療又は療法への言及は、状態に応じて確定した状態の治療だけでなく予防法にまで及ぶ場合があることが、当業者であれば認識される。したがって、本発明のさらなる態様として、療法に使用するための、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩が提供される。
【0084】
式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩が療法に使用されるとき、それは活性な治療剤として使用されることが認識される。
【0085】
したがってまた、アレルギー性疾患及び他の炎症状態、感染性疾患並びに癌の治療に使用するための、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩が提供される。
【0086】
したがってまた、アレルギー性鼻炎の治療に使用するための、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩が提供される。
【0087】
したがってまた、喘息の治療に使用するための、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩が提供される。
【0088】
アレルギー性疾患及び他の炎症状態、感染性疾患又は癌を治療するための医薬品の製造における式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩の使用がさらに提供される。
【0089】
アレルギー性鼻炎を治療するための医薬品の製造における式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩の使用がさらに提供される。
【0090】
喘息を治療するための医薬品の製造における式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩の使用がさらに提供される。
【0091】
アレルギー性疾患及び他の炎症状態、感染性疾患又は癌を治療する方法であって、それを必要とするヒト対象に治療有効量の式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩を投与することを含む方法がさらに提供される。
【0092】
アレルギー性鼻炎を治療する方法であって、それを必要とするヒト対象に治療有効量の式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩を投与することを含む方法がさらに提供される。
【0093】
喘息を治療する方法であって、それを必要とするヒト対象に治療有効量の式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩を投与することを含む方法がさらに提供される。
【0094】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、ワクチンアジュバントとして使用される可能性もある。
【0095】
よって、本発明のさらなる態様として、療法に使用するための、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩と抗原又は抗原組成物とを含むワクチン組成物が提供される。
【0096】
よって、本発明のさらなる態様として、療法に使用する医薬品の製造における、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩と抗原又は抗原組成物との使用が提供される。
【0097】
疾患を患っている又は疾患にかかりやすいヒト対象に、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩と抗原又は抗原組成物とを含むワクチン組成物を投与することを含む、疾患を治療する又は予防する方法がさらに提供される。
【0098】
療法のための医薬品を製造するための、ワクチン組成物の使用がさらに提供される。
【0099】
組成物
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、必ずしもそうではないが、通常、患者に投与される前に医薬組成物に製剤化されることとなる。したがって、本発明の別の態様では、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩と1種以上の医薬として許容される賦形剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0100】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、都合のよい任意の方法で投与するために製剤化することができる。式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、例えば、経口、局所、吸入、鼻腔内、口腔、非経口(例えば、静脈内、皮下、皮内若しくは筋肉内)又は直腸投与用に製剤化することができる。一態様では、式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、経口投与用に製剤化される。さらなる態様では、式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、局所投与、例えば鼻腔内又は吸入投与用に製剤化される。
【0101】
経口投与用の錠剤及びカプセル剤は、従来の賦形剤、例えば、結合剤(例えば、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、デンプンの粘質物、セルロース又はポリビニルピロリドン)、充填剤(例えば、ラクトース、結晶セルロース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム又はソルビトール)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール又はシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン、クロスカルメロースナトリウム又はグリコール酸デンプンナトリウム)、又は湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)を含有することができる。錠剤は、当技術分野で周知の方法によってコーティングされてもよい。
【0102】
経口液体製剤は、例えば、水性若しくは油性の、懸濁剤、液剤、乳剤、シロップ剤若しくはエリキシル剤の形態であってもよく、又は使用前に水若しくは他の適切なビヒクルで構成する乾燥製品として存在してもよい。そのような液体製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル又は水添食用脂)、乳化剤(例えば、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン又はアラビアゴム)、非水性ビヒクル(食用油が含まれてもよい)(例えば、アーモンド油、ヤシ油、油性エステル、プロピレングリコール又はエチルアルコール)、又は防腐剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチル又はプロピル又はソルビン酸)などの従来の添加剤を含有してもよい。該製剤は、緩衝塩、香味料、着色料、及び/又は甘味料(例えばマンニトール)も適宜含有してもよい。
【0103】
鼻腔内投与用の組成物は、滴下によって又は加圧ポンプによって鼻に投与される水性組成物を含む。適切な組成物は、この目的のために希釈剤又は担体として水を含有する。肺又は鼻に投与するための組成物は、1種以上の賦形剤、例えば1種以上の懸濁化剤、1種以上の防腐剤、1種以上の界面活性剤、1種以上の等張化剤、1種以上の共溶媒を含有してもよく、組成物のpHを制御する構成成分、例えば緩衝系を含んでもよい。さらに、該組成物は、酸化防止剤(例えばピロ亜硫酸ナトリウム)及び矯味剤などの他の賦形剤を含有してもよい。組成物はまた、噴霧化によって鼻又は他の気道領域に投与されてもよい。
【0104】
鼻腔内組成物は、式(I)の化合物(複数可)又は医薬として許容されるその塩(複数可)が鼻腔(標的組織)全域に送達されることを可能にし、さらに式(I)の化合物(複数可)又は医薬として許容されるその塩(複数可)がより長い時間標的組織と接触したままであることを可能にすることができる。鼻腔内組成物のための適切な投与計画は、患者が鼻腔を清浄にした後で鼻からゆっくりと吸入するものであると考えられる。吸入の間、一方の鼻孔に組成物を投与しながら、他方の鼻孔を手で押さえることとなる。次いでこの手順を他方の鼻孔について繰り返すこととなる。典型的には、上の手順によって、一日に一回、二回又は三回、理想的には一日一回、鼻孔につき一吹き又は二吹き投与することとなる。特に興味深いのは、一日一回投与するのに適した鼻腔内組成物である。
【0105】
懸濁化剤(複数可)は、含まれるならば、典型的には組成物の全重量に基づいて0.1から5%(w/w)、例えば1.5%から2.4%(w/w)の量で存在すると見込まれる。医薬として許容される懸濁化剤の例には、Avicel(登録商標)(結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヴィーガム(veegum)、トラガカント、ベントナイト、メチルセルロース、キサンタンガム、カーボポール(carbopol)及びポリエチレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。
【0106】
肺又は鼻に投与するための組成物は、1種以上の賦形剤を含有してもよく、1種以上の防腐剤を含むことによって、微生物又は真菌の混入及び増殖から保護されてもよい。医薬として許容される抗菌剤又は防腐剤の例には、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、塩化ラウラルコニウム及びミリスチル塩化ピコリニウム)、水銀剤(例えば、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀及びチメロサール)、アルコール剤(例えば、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール及びベンジルアルコール)、抗菌性エステル(例えば、パラ-ヒドロキシ安息香酸のエステル)、錯化剤、例えばエデト酸二ナトリウム(EDTA)、及び他の抗菌剤(例えば、クロルヘキシジン、クロロクレゾール、ソルビン酸及びその塩(ソルビン酸カリウムなど)並びにポリミキシン)が含まれるが、これらに限定されない。医薬として許容される抗真菌剤又は防腐剤の例には、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、プロピオン酸ナトリウム、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン及びブチルパラベンが含まれるが、これらに限定されない。防腐剤(複数可)は、含まれるならば、組成物の全重量に基づいて、0.001から1%(w/w)、例えば0.015%から0.5%(w/w)の量で存在してもよい。
【0107】
組成物(例えば、少なくとも1つの化合物が懸濁している場合)は、組成物の医薬品粒子が水相に溶解しやすくなるように機能する1種以上の界面活性剤を含んでもよい。例えば、使用される界面活性剤の量は、混合の間に泡立ちを生じないと見込まれる量である。医薬として許容される界面活性剤の例には、脂肪アルコール、エステル及びエーテル、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、マクロゴールエーテル、及びポロキサマーが含まれる。界面活性剤は、組成物の全重量に基づいて約0.01から10%(w/w)の間、0.01から0.75%(w/w)など、例えば約0.5%(w/w)の量で存在してもよい。
【0108】
体液、例えば鼻腔液との等張性(tonicity)を実現することによって刺激性のレベルを低下させるために、1種以上の等張化剤(複数可)を含んでもよい。医薬として許容される等張化剤の例には、塩化ナトリウム、デキストロース、キシリトール、塩化カルシウム、グルコース、グリセリン及びソルビトールが含まれるが、これらに限定されない。等張化剤は、存在するならば、組成物の全重量に基づいて0.1から10%(w/w)、4.5から5.5%(w/w)など、例えば約5.0%(w/w)の量で含まれてもよい。
【0109】
本発明の組成物は、適切な緩衝剤、例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸、トロメタモール、リン酸塩、例えばリン酸水素二ナトリウム(例えば、十二水化物、七水化物、二水化物及び無水形態)又はリン酸ナトリウム、及びそれらの混合物を添加することによって緩衝されてもよい。
【0110】
緩衝剤は、存在するならば、組成物の全重量に基づいて0.1から5%(w/w)、例えば1から3%(w/w)の量で含まれてもよい。
【0111】
矯味剤の例には、スクラロース、スクロース、サッカリン又はその塩、フルクトース、デキストロース、グリセロール、コーンシロップ、アスパルテーム、アセスルファム-K、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、グリシルリジン酸アンモニウム、タウマチン、ネオテーム、マンニトール、メントール、ユーカリ油、ショウノウ、天然香味料、人工香味料、及びそれらの組み合わせが含まれる。
【0112】
医薬品化合物(複数可)及び/又は他の賦形剤の溶解性を助けるために、1種以上の共溶媒(複数可)が含まれてもよい。医薬として許容される共溶媒の例には、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、エタノール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG300又はPEG400)、及びメタノールが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、共溶媒はプロピレングリコールである。
【0113】
共溶媒(複数可)は、存在するならば、組成物の全重量に基づいて0.05から30%(w/w)、1から25%(w/w)など、例えば1から10%(w/w)の量で含まれてもよい。
【0114】
吸入投与用の組成物には、水性、有機性若しくは水性/有機性混合物、乾燥粉末又は結晶性の組成物が含まれ、それらは、加圧ポンプ又は吸入器(例えば、リザーバー乾燥粉末吸入器(reservoir dry powder inhaler)、単位用量乾燥粉末吸入器、前定量された複数回用量乾燥粉末吸入器、鼻吸入器又は加圧エアロゾル吸入器、ネブライザー又は通気器)によって気道に投与される。適切な組成物は、この目的のために希釈剤又は担体として水を含有し、従来の賦形剤、例えば緩衝剤、張度調節剤(tonicity modifying agent)などと提供されてもよい。水性組成物はまた、噴霧化によって鼻及び他の気道領域に投与されてもよい。そのような組成物は、定量吸入器などの加圧パック(pressurised pack)から適切な液化噴射剤を用いて送達される水性の液剤若しくは懸濁剤又はエアロゾルであり得る。
【0115】
鼻(例えば鼻炎を治療するために)又は肺に局所投与するための組成物には、加圧エアロゾル組成物、及び加圧ポンプによって鼻腔に送達される水性組成物が含まれる。鼻腔に局所投与するのに適した非加圧組成物は、特に興味深い。適切な組成物は、この目的のために希釈剤又は担体として水を含有する。肺又は鼻に投与するための水性組成物は、従来の賦形剤、例えば緩衝剤、張度調節剤などと提供されてもよい。水性組成物はまた、噴霧化によって鼻に投与されてもよい。
【0116】
液体ディスペンサーは、典型的には鼻腔に液体組成物を送達するために使用することができる。液体組成物は水性でも非水性でもよいが、典型的には水性である。式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩は、懸濁剤として製剤化されても、液剤として製剤化されてもよい。そうした液体ディスペンサーは、分注ノズル又は分注オリフィスを有してもよく、液体ディスペンサーのポンプ機構に使用者がかけた力が加わると、そこから定量の液体組成物が分注される。そうした液体ディスペンサーは一般に、複数の定量の液体組成物のリザーバーと共に提供され、その用量は逐次的にポンプが作動すると分注可能である。或いは、液体組成物を鼻腔に送達するための液体ディスペンサーは、用量が限定されるように、例えば1回用量を含む1回使用のディスペンサーであるように設計されてもよい。分注ノズル又はオリフィスは、液体組成物を鼻腔内に吹き付けて分注するために、使用者の鼻孔に挿入されるように構成されてもよい。上述のタイプの液体ディスペンサーは、国際特許出願公開番号WO 2005/044354(Glaxo Group Limited)に記載され、図示されている。このディスペンサーは、液体組成物を含有するための容器の上に取り付けられた圧縮ポンプを有する液体放出器具を収容するハウジングを有する。ハウジングは、指で操作できる少なくとも1つのサイドレバーを有し、そのサイドレバーはハウジングに対して内側に移動可能であり、カムによってハウジング内で容器を上方に移動させてポンプを圧縮し、定量の組成物がポンプの軸からハウジングの鼻用ノズルを通して送り出される。一実施形態では、液体ディスペンサーは、WO 2005/044354の
図30〜40に図示される一般的なタイプのものである。
【0117】
式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩を含有する水性組成物はまた、国際特許出願公開番号WO2007/138084 (Glaxo Group Limited)に開示される通りの、例えばその
図22〜46を参照して開示される通りのポンプによって、又は英国特許出願番号GB0723418.0(Glaxo Group Limited)に開示される通りの、例えばその
図7〜32を参照して開示される通りのポンプによって送達されてもよい。該ポンプは、GB0723418.0の
図1〜6に開示される通りの作動器によって作動されてもよい。
【0118】
吸入によって肺に局所送達するための乾燥粉末組成物は、例えば、吸入器又は通気器で使用するために、カプセル及びカートリッジ(例えばゼラチンのもの)又はブリスター(例えばアルミニウムホイルを被せたもの)に入れて提示されてもよい。粉末ブレンド組成物は一般に、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩と適切な粉末基剤(担体/希釈剤/賦形剤物質)、例えば単糖、二糖又は多糖(例えばラクトース又はデンプン)との吸入用粉末ミックスを含有する。乾燥粉末組成物は、薬物及び担体に加えて、さらなる賦形剤(例えば、糖エステル(例えばセロビオースオクタアセタート)、ステアリン酸カルシウム、又はステアリン酸マグネシウムなどの第三の薬剤(ternary agent)も含んでもよい。
【0119】
一実施形態では、吸入投与に適した組成物は、適切な吸入器具の内部に取り付けられた医薬品パック(複数可)に設けられた複数の密封された用量容器に組み込まれてもよい。容器は、破ることができるか、剥がすことができるか、又は他の方法で1つずつ開けることができ、当技術分野で公知の通りに、乾燥粉末組成物の用量は吸入器具のマウスピースで吸入されることによって投与される。医薬品パックは、幾つもの異なる形態、例えばディスク形状又は細長いストリップの形態を取ってもよい。代表的な吸入器具は、GlaxoSmithKlineによって市販される、DISKHALER(商標)及びDISKUS(商標)器具である。
【0120】
吸入可能な乾燥粉末組成物はまた、吸入器具内のバルクリザーバー(bulk reservoir)として提供されてもよく、その場合、その器具にはリザーバーから吸入チャネルへの組成物の用量の定量のための定量機構が設けられ、定量は器具のマウスピースで患者が吸入することによって吸入され得る。このタイプの代表的な市販の器具は、TURBUHALER(商標)(AstraZeneca)、TWISTHALER(商標)(Schering)及びCLICKHALER(商標)(Innovata)である。
【0121】
吸入可能な乾燥粉末組成物のさらなる送達方法は、カプセル(カプセル当たり1回用量)で提供される定量の組成物に関するものであり、その場合、カプセルは典型的には患者によって要求に応じて吸入器具に装着される。該器具は、患者が器具のマウスピースから吸入したときにその肺に容量を取り込むことができるように、カプセルを破る、突き刺す又は他の方法で開ける手段を有する。そのような器具の市販の例として、ROTAHALER(商標)(GlaxoSmithKline)及びHANDIHALER(商標)(Boehringer Ingelheim)を挙げることができる。
【0122】
吸入に適した加圧エアロゾル組成物は、懸濁剤又は液剤のいずれであってもよく、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩と、適切な噴射剤、例えばフルオロカーボン若しくは水素含有クロロフルオロカーボン又はそれらの混合物、特にヒドロフルオロアルカン、とりわけ、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン又はそれらの混合物とを含有してもよい。エアロゾル組成物は、当技術分野で周知の追加的な組成物用賦形剤、例えば、界面活性剤(例えば、オレイン酸、レシチン又はオリゴ乳酸又はそれらの誘導体、例えば、WO 94/21229及びWO 98/34596 (Minnesota Mining and Manufacturing Company)に記載される通りのもの)、及び共溶媒(例えばエタノール)を、任意選択によって含有してもよい。加圧組成物は一般に、バルブ(例えば定量バルブ)で密閉されたキャニスター(例えばアルミニウムキャニスター)内に保持され、そのキャニスターはマウスピースが設けられた作動器に嵌め込まれることとなる。
【0123】
軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤は、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤及び/又は溶剤を添加した、水性又は油性の基剤を用いて製剤化されてもよい。よって、そうした基剤は、例えば、水及び/若しくは油(例えば、流動パラフィン又は植物油、例えば、ラッカセイ油若しくはヒマシ油)、又は溶剤(例えばポリエチレングリコール)を含んでもよい。基剤の性質に従って使用することができる増粘剤及びゲル化剤には、軟パラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、羊毛脂、密ろう、カルボキシポリメチレン及びセルロース誘導体、及び/又はモノステアリン酸グリセリン及び/又は非イオン性乳化剤が含まれる。
【0124】
ローション剤は、水性又は油性の基剤を用いて製剤化されてもよく、一般に、1種以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤又は増粘剤も含有することとなる。
【0125】
外用のための粉剤は、任意の適切な粉末基剤、例えば、タルク、ラクトース又はデンプンを活用して形成されてもよい。点滴剤は、水性又は非水性の基剤を用いて、1種以上の分散剤、可溶化剤、懸濁化剤又は防腐剤も含んで製剤化されてもよい。
【0126】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、例えば、活性な構成成分を皮膚内に送達するパッチ剤又は他の器具(例えば加圧ガス器具)に組成物を入れることによって、経皮送達用に製剤化されてもよい。
【0127】
口腔投与用に、組成物は従来の様式で製剤化された錠剤又は舐剤の形態を取ってもよい。
【0128】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩はまた、例えばカカオ脂又は他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を含有する、坐剤として製剤化されてもよい。
【0129】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩はまた、ボーラス注入又は持続点滴による非経口投与用に製剤化されてもよく、単位用量形態で、例えば、アンプル、バイアル、小容量の点滴、又はプレフィルドシリンジとして提示されても、防腐剤を添加した多回用量容器で提示されてもよい。該組成物は、水性又は非水性ビヒクル中の液剤、懸濁剤又は乳剤のような形態を取ってもよく、酸化防止剤、緩衝液、抗菌剤及び/又は等張化剤などの製剤用薬剤を含有してもよい。或いは、活性成分は、適切なビヒクル、例えば滅菌発熱性物質除去蒸留水で使用前に構成するための粉末形態であってもよい。乾燥固体提示形態は、滅菌粉末を個々の滅菌容器に無菌的に充填することによって、又は滅菌液剤を各容器に無菌的に充填して凍結乾燥することによって調製されてもよい。
【0130】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩はまた、ワクチンの活性を調節するアジュバントとしてワクチンと共に製剤化されてもよい。そのような組成物は、抗体(複数可)若しくは抗体断片(複数可)又は抗原構成成分(タンパク質、DNA、生菌若しくは死菌、及び/又はウイルス若しくはウイルス様粒子が含まれるが、これらに限定されない)を、アジュバント活性を有する1種以上の構成成分(アルミニウム塩、油及び水の乳剤、熱ショックタンパク質、リピドA調製物及び誘導体、糖脂質、CpG DNA若しくは同様の薬剤などの他のTLRアゴニスト、GM-CSF若しくはIL-12などのサイトカイン又は他の薬剤が含まれるが、これらに限定されない)と共に含有してもよい。
【0131】
本発明のさらなる態様では、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩を含むワクチンアジュバントが提供される。
【0132】
式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩と抗原又は抗原組成物とを含むワクチン組成物が、さらに提供される。
【0133】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、単独で用いられても、他の治療的に活性な薬剤と組み合わせて用いられてもよい。本発明は、さらなる態様では、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩を少なくとも1種の他の治療的に活性な薬剤と共に含む組み合わせを提供する。
【0134】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩と、他の治療的に活性な薬剤(複数可)とは、共に投与されても別々に投与されてもよく、別々に投与されるとき、投与は同時に行われても任意の順序で逐次的に行われてもよい。式(I)の化合物(複数可)又は医薬として許容されるその塩(複数可)及び他の治療的に活性な薬剤(複数可)の量、並びに相対的な投与のタイミングは、所望の組み合わせた治療効果が得られるように選択されることとなる。式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩と他の治療剤との組み合わせの投与は、両方の化合物を含む一体の医薬組成物で同時に投与することによっても、又は、それぞれが化合物のうちの1つを含む別々の医薬組成物で投与することによってもよい。或いは、この組み合わせは逐次的に別々に投与されてもよく、この場合は、一方の治療剤が最初に投与され、他方が二番目に投与され、又はその逆で行われる。そのような逐次投与は、時間的に近くても離れていてもよい。
【0135】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、ウイルス感染症の予防又は治療に有用な1種以上の薬剤と組み合わせて使用されてもよい。そのような薬剤の例には、ポリメラーゼ阻害剤(例えば、WO 2004/037818-A1に開示されるもの、並びにWO 2004/037818及びWO 2006/045613に開示されるもの、JTK-003、JTK-019、NM-283、HCV-796、R-803、R1728、R1626、並びにWO 2006/018725、WO 2004/074270、WO 2003/095441、US2005/0176701、WO 2006/020082、WO 2005/080388、WO 2004/064925、WO 2004/065367、WO 2003/007945、WO 02/04425、WO 2005/014543、WO2003/000254、EP 1065213、WO 01/47883、WO 2002/057287、WO 2002/057245に開示されるもの及び同様の薬剤)、複製阻害剤(例えば、アシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、シドホビル、ラミブジン及び同様の薬剤)、プロテアーゼ阻害剤(例えば、HIVプロテアーゼ阻害剤のサキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、ブレカナビル、アタザナビル、チプラナビル、パリナビル、ラシナビル、及びHCVプロテアーゼ阻害剤のBILN2061、VX-950、SCH503034、及び同様の薬剤)、ヌクレオシド及びヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(例えば、ジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、ザルシタビン、アバカビル、スタビジン(stavidine)、アデホビル、アデホビルジピボキシル、フォジブジン(fozivudine)、トドキシル(todoxil)、エムトリシタビン、アロブジン、アムドキソビル、エルブシタビン、及び同様の薬剤)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(イムノカル(immunocal)、オルチプラズなどの抗酸化活性を有する薬剤を含む)(例えば、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、ロビリド、イムノカル、オルチプラズ、カプラビリン、TMC-278、TMC-125、エトラビリン、及び同様の薬剤)、侵入阻害剤(例えばエンフビルチド(T-20)、T-1249、PRO-542、PRO-140、TNX-355、BMS-806、5-Helix及び同様の薬剤)、インテグラーゼ阻害剤(例えばL-870、180及び同様の薬剤)、出芽阻害剤(budding inhibitor)(例えばPA-344及びPA-457、並びに同様の薬剤)、ケモカイン受容体阻害剤(例えばビクリビロック(Sch-C)、Sch-D、TAK779、マラビロック(UK-427、857)、TAK449、並びにWO 02/74769、WO 2004/054974、WO 2004/055012、WO 2004/055010、WO 2004/055016、WO 2004/055011、及びWO 2004/054581に開示されるもの及び同様の薬剤)、ノイラミニダーゼ阻害剤(例えば、CS-8958、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビル及び同様の薬剤)、イオンチャネル遮断薬(例えば、アマンタジン又はリマンタジン及び同様の薬剤)、並びに干渉RNA及びアンチセンスオリゴヌクレオチド(例えばISIS-14803及び同様の薬剤)、作用機構が決定されていない抗ウイルス剤(例えば、WO 2005/105761、WO 2003/085375、WO 2006/122011に開示されるもの、リバビリン、及び同様の薬剤)が含まれるが、これらに限定されない。式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩はまた、ウイルス感染症の予防又は治療に有用であり得る1種以上の他の薬剤、例えば、免疫療法剤(例えば、インターフェロン又は他のサイトカイン/ケモカイン、サイトカイン/ケモカイン受容体モジュレーター、サイトカインアゴニスト又はアンタゴニスト、及び同様の薬剤)、及び治療ワクチン、抗線維化剤、抗炎症剤(例えば、副腎皮質ステロイド又はNSAID(非ステロイド性抗炎症剤)及び同様の薬剤)と組み合わせて使用されてもよい。
【0136】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、アレルギー性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患の予防又は治療に有用であり得る1種以上の他の薬剤、例えば、抗原免疫療法剤、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤、NSAID、気管支拡張剤(例えば、ベータ2アゴニスト、アドレナリンアゴニスト、抗コリン剤、テオフィリン)、メトトレキサート、ロイコトリエンモジュレーター及び同様の薬剤、モノクローナル抗体療法剤(例えば、抗IgE、抗TNF、抗IL-5、抗IL-6、抗IL-12、抗IL-1及び同様の薬剤)、受容体療法剤(例えば、エタネルセプト及び同様の薬剤)、抗原非特異的免疫療法剤(例えば、インターフェロン又は他のサイトカイン/ケモカイン、サイトカイン/ケモカイン受容体モジュレーター、サイトカインアゴニスト又はアンタゴニスト、TLRアゴニスト及び同様の薬剤)と組み合わせて使用されてもよい。
【0137】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩は、癌の予防又は治療に有用であり得る1種以上の他の薬剤、例えば、化学療法剤(例えば、アルキル化剤、トポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗物質、有糸分裂阻害剤、キナーゼ阻害剤及び同様の薬剤)、モノクローナル抗体療法剤(例えば、トラスツズマブ、ゲムツズマブ及び他の同様の薬剤)、及びホルモン療法剤(例えば、タモキシフェン、ゴセレリン及び同様の薬剤)と組み合わせて使用されてもよい。
【0138】
本発明による医薬組成物はまた、単独で使用されても、他の治療分野、例えば胃腸疾患における少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて使用されてもよい。本発明による組成物はまた、遺伝子置換療法と組み合わせて使用されてもよい。
【0139】
本発明は、さらなる態様において、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩を少なくとも1種の他の治療的に活性な薬剤と共に含む組み合わせを含む。
【0140】
上に言及される組み合わせは、医薬組成物の形態で使用するのに都合良く提示されてもよく、よって上で定義される通りの組み合わせを、少なくとも1種の医薬として許容されるその希釈剤又は担体と共に含む医薬組成物は、本発明のさらなる態様を表す。
【0141】
式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩の治療有効量は、幾つもの要因に応じて決まることとなる。例えば、受容者の種、年齢、体重、治療を必要とする正確な状態及びその重症度、組成物の性質及び投与経路はすべて考慮すべき要因である。治療有効量は、最終的には担当の医師の判断によるべきである。しかしながら、体が弱ったヒトを治療するための本発明の化合物の有効量は一般に、1日当たり受容者の体重1kgにつき0.0001から100mgの範囲内であるべきである。より通常には、有効量は、1日当たり体重1kgにつき0.001から10mgの範囲内であるべきである。よって、70kgの成人の場合、1日当たりの実際の量の一例は、通常7から700mgである。鼻腔内及び吸入の投与経路の場合、70kgの成人の典型的な用量は、1日当たり0.1マイクログラムから1mgの範囲内であるべきであり、例えば、1μg、10μg又は100μgである。この量は、1日当たり1回の用量で与えられてもよいし、合計の日用量が同じになるような1日当たり数回(例えば、二回、三回、四回、五回又はそれ以上)のサブ用量で与えられてもよい。式(I)の化合物の医薬として許容される塩の有効量は、式(I)の化合物の有効量の比率として決定されても、医薬として許容されるその塩自体として決定されてもよい。同様の投与量が、本明細書に言及される他の状態の治療に適正である。
【0142】
式(I)の化合物及び医薬として許容されるその塩はまた、任意の適正な頻度、例えば1週間当たり1〜7回の頻度で投与されてもよい。正確な投薬計画は、当然のことながら、治療適応症、患者の年齢及び状態、並びに選択された特定の投与経路などの要因に応じて決まることとなる。本発明の一態様では、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩は、4〜8週間、例えば、4、5、6、7又は8週間の期間にわたって、1週間に1回投与されてもよい。治療周期を繰り返すことが必要とされる場合もある。
【0143】
医薬組成物は、単位用量当たり所定の量の活性成分を含有する、単位用量形態で提示されてもよい。そのような単位は、治療しようとする状態、投与経路、並びに患者の年齢、体重及び状態に応じて、非限定的な例として、0.5mgから1gの式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩を含有してもよい。好ましい単位投与量組成物は、活性成分の、本明細書で上に述べた通りの日用量若しくはサブ用量、又はその適正な一部分を含有するものである。そのような医薬組成物は、医薬業界で周知の方法のいずれかによって調製されてもよい。
【0144】
そのような医薬組成物を調製するための方法であって、式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩を1種以上の医薬として許容される賦形剤と混合することを含む方法も提供される。
【0145】
略語
以下のリストは、本明細書で使用される場合の、特定の略語の定義を提供する。このリストは網羅的なものではないが、本明細書で以下に定義されていないこうした略語の意味は、当業者であればすぐに分かることが認識される。
【0146】
DCM ジクロロメタン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DME 1,2-ジメトキシエタン
THF テトラヒドロフラン
EtOAc 酢酸エチル
MeOH メタノール
EtOH エタノール
MeCN アセトニトリル
HCl 塩酸
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IPA イソ-プロパノール
MDAP 質量分析計直結型自動分取HPLC(Mass Directed Autopreparative HPLC)
SPE 固相抽出
MeOH メタノール
TFA トリフルオロ酢酸
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
【0147】
実験の詳細
NMR
1H NMRスペクトルは、Bruker DPX 400若しくはBruker Avance DRX、Varian Unity 400分光計又はJEOL Delta(すべて400MHzで動作する)で、CDCl
3又はDMSO-d
6中で記録した。使用した内標準は、テトラメチルシラン又は残留プロトン化溶媒(CDCl
3の場合は7.25ppm、又はDMSO-d
6の場合は2.50ppmにおけるもの)であった。
【0148】
LCMS
システムA
カラム:内径50mm×2.1mm、1.7μm Acquity UPLC BEH C
18
流量:1mL/分
温度:40℃
UV検出範囲:210から350nm
質量スペクトル:質量分析計で、交互スキャン正負モードエレクトロスプレーイオン化を使用して記録した
溶媒:A:0.1%v/vギ酸水溶液
B:0.1%v/vギ酸アセトニトリル溶液
勾配: 時間(分) A% B%
0 97 3
1.5 0 100
1.9 0 100
2.0 97 3
【0149】
システムB
カラム:内径50mm×2.1mm、1.7μm Acquity UPLC BEH C
18
流量:1mL/分
温度:40℃
UV検出範囲:210から350nm
質量スペクトル:質量分析計で、交互スキャン正負モードエレクトロスプレーイオン化を使用して記録した。
溶媒:A:アンモニア溶液でpH10に調整した10mM炭酸水素アンモニウム水溶液
B:アセトニトリル
勾配: 時間(分) A% B%
0 99 1
1.5 3 97
1.9 3 97
2.0 0 100
【0150】
質量分析計直結型自動分取HPLC(MDAP)
質量分析計直結型自動分取HPLCは、以下に与える条件下で行った。UV検出は波長210nm〜350nmからの平均シグナルであり、質量スペクトルは質量分析計で交互スキャン正負モードエレクトロスプレーイオン化を使用して記録した。
【0151】
方法A
方法Aを、Sunfire C
18カラム(典型的には、内径150mm×30mm、充填材直径(packing diameter)5μm)で、周囲温度で行った。以下の溶媒を用いた:
A=ギ酸の0.1%v/v水溶液
B=ギ酸の0.1%v/vアセトニトリル溶液
【0152】
方法B
方法Bを、XBridge C
18カラム(典型的には、内径100mm×30mm、充填材直径5μm)で、周囲温度で行った。以下の溶媒を用いた:
A=アンモニア溶液でpH10に調整した10mM炭酸水素アンモニウム水溶液。
B=アセトニトリル。
【0153】
中間体の調製
中間体1:5-ブチル-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン
1,4-ジオキサン(19.4mL、78mmol)中4M塩化水素溶液を、エチル4-アミノ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート塩酸塩(2g、10.44mmol)のバレロニトリル(94mL)中懸濁液に室温で添加した。得られた混合物を80℃で22時間撹拌した。冷却した反応混合物を真空蒸発させて茶色の固体を得、それをエタノール(29mL)に溶解し、水酸化ナトリウム(1.67g、41.7mmol)の水(7.1mL)中溶液に添加し、100℃で1時間撹拌した。反応物を室温まで冷却し、水(65mL)で希釈し、2Mクエン酸水溶液を使用してpHを10に調整した。反応混合物を酢酸エチル(220mL)で抽出した。有機相を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて茶色の固体を得た。保持した水相を、2Mクエン酸水溶液を使用してpH7に調整し、酢酸エチル(220mL)で抽出した。有機相を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて茶色の固体を得た。二回分の茶色の固体を合わせて固体(3.3g)を得た。N-ヨードスクシンイミド(3.52g、15.66mmol)を、この固体(3.3g)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(43mL)中溶液に室温で少しずつ添加した。混合物を60℃で2時間撹拌した。冷却した反応物を真空蒸発させ、酢酸エチルと水/塩水(1:1)に分配した。有機層を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて茶色の固体(6.3g)を得た。この固体を酢酸エチルに溶解し、2×50gのISOLUTE NH
2カートリッジに負荷し、溶出液として酢酸エチル(2×400mL)、ジクロロメタン中5%メタノール(2×200mL)、ジクロロメタン中10%メタノール(2×100mL)、ジクロロメタン中15%メタノール(2×100mL)及び最後にジクロロメタン中20%メタノール(2×700mL)を使用して精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を白色固体(2.12g)として得た。
LCMS(システムA):t
RET=0.79分;MH
+ 319
【0154】
中間体2:1-(ヘキサ-5-イン-1-イル)ピペリジン
6-クロロヘキサ-1-イン(5mL、41.3mmol)、ピペリジン(4.08mL、41.3mmol)及び炭酸水素ナトリウム(4.16g、49.5mmol)のDMF(50mL)中溶液を16時間還流した。反応物を真空濃縮し、残留物をエーテル(150mL)と水(150mL)に分配した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテル(50mL)で逆抽出した。合わせた有機相を塩水(150mL)で洗い、乾燥し(MgS0
4)、濾過し、真空濃縮して標記化合物の粗試料(3.74g)を得た。シュウ酸(2.161g、24mmol)を粗生成物に添加した。得られた固体をエタノールから再結晶させ、濾過によって収集し、真空乾燥して、1-(ヘキサ-5-イン-1-イル)ピペリジンシュウ酸塩(4.66g)を得た。この固体をジエチルエーテル(150mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)に分配した。有機相を分離し、乾燥し(MgS0
4)、濾過し、真空濃縮して、標記化合物を黄色の油状物(1.93g)として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δppm 2.31 - 2.52 (m, 6 H) 2.18 - 2.26 (m, 2 H) 1.92 - 1.96 (m, 1 H) 1.40 - 1.72 (m, 10 H)
【0155】
中間体3:5-ブチル-3-(6-(ピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン
脱気した、5-ブチル-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(300mg、0.943mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(7mL)中溶液に、窒素雰囲気下、室温で、ヨウ化銅(I)(36mg、0.189mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(120mg、0.104mmol)及び最後にトリエチルアミン(0.289mL、2.075mmol)を添加した。混合物を窒素雰囲気下、室温で10分間撹拌し、次いで1-(5-ヘキシン-1-イル)ピペリジン(343mg、2.075mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(1mL)中溶液を添加した。反応混合物を室温で23時間撹拌した。反応物を真空蒸発させて茶色の油状物を得、油状物をジクロロメタン(15mL)で希釈し、70gのISOLUTE NH
2カートリッジに負荷し、80分間にわたるジクロロメタン中0〜25%メタノールの勾配を使用するクロマトグラフィーによって精製した(収集UV波長は233nmに設定)。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて淡黄色の油状物(330mg)を得た。油状物(330mg)のエタノール(50mL)中溶液をH-cube(設定:45℃、フル水素、流量1mL/分及び触媒として10%パラジウム炭素CatCart30)に通した。この溶液を真空蒸発させて、無色の油状物を得た。油状物をMeOH:DMSO(1:1)(4×1mL)に溶解し、MDAP(方法B)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、白色の固体(205mg)を得た。この固体(205mg)のエタノール(40mL)中溶液をH-cube(設定:45℃、フル水素、流量1mL/分及び触媒として10%パラジウム炭素CatCart30)に通した。この溶液を真空蒸発させて、標記化合物を白色の固体(201mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.93分;MH
+ 360
【0156】
中間体4:3-ヨード-5-(2-メトキシエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン
1,4-ジオキサン(5.19mL、20.74mmol)中4M塩化水素溶液を、エチル4-アミノ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート塩酸塩(535mg、2.79mmol)の3-メトキシプロパンニトリル(25.7mL、240mmol)中懸濁液に室温で添加した。得られた混合物を80℃で2.5時間撹拌した。冷却した反応混合物を真空蒸発させて淡黄色の固体を得、それをエタノール(7.7mL)に溶解し、水酸化ナトリウム(447mg、11.17mmol)の水(1.9mL)中溶液に添加し、室温で20分間撹拌した。反応物を真空蒸発させて、茶色の固体を得た。N-ヨードスクシンイミド(942mg、4.19mmol)を上の化合物の無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(11.3mL)中溶液に室温で少しずつ添加した。混合物を60℃で45分間撹拌した。冷却した反応物を真空蒸発させた。
【0157】
残留物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、2×50gのISOLUTE NH
2カートリッジに負荷し、60分間にわたる0〜50%MeOH/DCM勾配を使用するクロマトグラフィーによって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、乳白色の固体(203mg)を得た。所望の生成物を含有する、カラムからの不純物を含む画分を合わせ、真空濃縮し、次いでクロマトグラフィーによって上と同じ方法を使用して再精製した。両方のカラムからの生成物を合わせて、標記化合物を黄色の固体(309mg)として得た。
LCMS(システムA):t
RET=0.54分;MH
+ 321
【0158】
中間体5:5-(2-メトキシエチル-3-(6-(ピペリジン-1-イル)ヘキシル)-lH-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン
脱気した、3-ヨード-5-(2-メトキシエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(232mg、0.724mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中溶液に、窒素雰囲気下、室温で、ヨウ化銅(I)(27.6mg、0.145mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(92mg、0.080mmol)及び最後にトリエチルアミン(0.222mL、1.592mmol)を添加した。混合物を窒素雰囲気下、室温で10分間撹拌し、次いで1-(5-ヘキシン-1-イル)ピペリジン(263mg、1.592mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(1mL)中溶液を添加した。反応混合物を室温で20時間撹拌し、次いで55℃に加熱し、そのまま5時間撹拌した。反応物を真空蒸発させて、茶色の油状物を得た。油状物をジクロロメタンで希釈し、50gのISOLUTE NH
2カートリッジに負荷し、60分間にわたるジクロロメタン中0〜50%メタノールの勾配を使用するクロマトグラフィーによって精製した(収集UV波長は230nmに設定)。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、淡黄色の油状物(188mg)を得た。油状物(188mg)のエタノール(30mL)中溶液をH-cube(設定:45℃、フル水素、流量1mL/分及び触媒として10%パラジウム炭素CatCart30)に通した。この溶液を真空蒸発させて淡黄色の油状物を得、この粗生成物をMDAP(方法B)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を透明な油状物(117mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.76分;MH
+ 362
【0159】
中間体6:5-ブチル-3-(6-クロロヘキサ-1-イン-1-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン
5-ブチル-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(4.97g、15.62mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)中溶液に、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(1.228g、1.750mmol)及びヨウ化銅(I)(0.595g、3.12mmol)を添加した。この溶液を撹拌し、窒素で5分間脱気し、次いで反応混合物を窒素雰囲気下に置いた。6-クロロ-1-ヘキシン(3.64g、31.2mmol)及びトリエチルアミン(4.36mL、31.2mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)中溶液を、10分間にわたって滴加した。反応混合物を周囲温度でさらに10分間撹拌し、次いで60℃にして2.5時間加熱した。反応混合物を60℃で真空濃縮し、得られた残留物を、酢酸エチル(250mL)と水:塩水の1:1混合物(500mL)に分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(250mL)で逆抽出した。合わせた有機相を疎水性フリットを通して乾燥し、真空濃縮して、茶色の固体(8.0g)を得た。残留物をMeOH:DCMの1:1混合物に溶解し、Florisil上に吸着させた。この固体を、10カラム容積にわたる0〜100%酢酸エチル-シクロヘキサン勾配を使用し、続いて9カラム容積の酢酸エチルで流す、シリカ(330g)のクロマトグラフィーに負荷して精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、黄色の固体(3.55g)を得た。この固体をジイソプロピルエーテルで粉砕し、濾過し、50℃で真空乾燥して、標記化合物を淡黄色の固体(3.14g)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.98分;MH
+ 307、309
【0160】
中間体7:5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン
5-ブチル-3-(6-クロロヘキサ-1-イン-1-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(2.59g、8.44mmol)の無水アセトニトリル(115mL)中懸濁液に、ピロリジン(2.11mL、25.3mmol)及びトリエチルアミン(3.53mL、25.3mmol)を添加した。反応物を80℃で3.5時間撹拌した。さらなる2.11mL(25.3mmol)のピロリジン及び3.53mL(25.3mmol)のトリエチルアミンを反応物に添加した。反応物を80℃でさらに18時間撹拌した。冷却した反応物を酢酸エチルと水に分配した。有機層を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、黄色の油状物(1.9g)を得た。保持した水相をジクロロメタン中20%メタノールで再抽出した。有機層を疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、黄色の油状物(1.02g)を得た。2つの黄色の油状物を合わせて、黄色の油状物(2.92g)を得た。エタノール(120mL)中の油状物と10wt%パラジウム炭素(350mg)との混合物を水素雰囲気下、室温で90分間撹拌した。さらなる350mgの10wt%パラジウム炭素を窒素雰囲気下で反応物に添加し、反応物を水素雰囲気下、室温で60分間撹拌した。さらなる350mgの10wt%パラジウム炭素を窒素雰囲気下で反応物に添加し、反応物を水素雰囲気下、室温で60分間撹拌した。反応混合物を10gのセライトカートリッジに通して濾過し、濾液を真空蒸発させて黄色の油状物(2.8g)を得た。油状物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、375gのBiotage KP-NHカートリッジに負荷し、12カラム容積にわたるジクロロメタン中0〜10%メタノールの勾配、続いて3カラム容積にわたるジクロロメタン中10%メタノールを使用して精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を淡黄色の固体(1.845g)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.85分;MH
+ 346
【0161】
クロマトグラフィーからの不純物を含む画分を合わせ、真空蒸発させて、黄色の油状物(380mg)を得た。油状物をMeOH:DMSO(1:1)(4×1ml)に溶解し、MDAP(方法B)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物のさらなる部分を淡黄色の油状物(198mg)として得た。
【0162】
中間体8:5-ブチル-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
5-ブチル-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(5g、15.72mmol)及び(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(10.43g、23.58mmol)の無水DMF(250mL)中溶液に、窒素雰囲気下、室温で1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(4.23mL、28.3mmol)を添加し、反応混合物を2.5時間撹拌した。(3,4-ジメトキシフェニル)メタンアミン(20mL、94mmol)を添加し、混合物を40℃にして3時間温めた。反応混合物を真空蒸発させ、得られた油状物を酢酸エチルと水に分配した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、MgS0
4で脱水し、濾過し、真空蒸発させて、半結晶の黄色の油状物(23.7g)として得た。残留物をFlorosil上に吸着させ、前処理済みの330gのシリカカートリッジに負荷し、1カラム容積にわたるシクロヘキサン、続いて14カラム容積にわたるシクロヘキサン中0〜100%酢酸エチルの勾配、続いて4カラム容積にわたる酢酸エチルを使用するクロマトグラフィーによって精製した。所望の材料のみを含有する(LC-MS分析による)適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を淡黄色泡状物(4.58g)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=1.08〜1.09分;MH
+ 468
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6)には以下のものが含まれる。δ = 7.90 - 7.65 (m, 1 H), 7.05 (s, 1 H), 6.93 (s, 2 H), 4.70 - 4.61 (m, 2 H), 3.73 (s, 6 H), 2.75 - 2.67 (m, 2 H), 1.78 - 1.67 (m, 2 H), 1.40 - 1.28 (m, 2 H), 0.90 (t, 3 H)
【0163】
中間体9:5-ブチル-3-(6-クロロヘキサ-1-イン-1-イル)-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
窒素で脱気し、撹拌した、5-ブチル-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(4.58g、9.7mmol)とヨウ化銅(I)(278mg、1.46mmol)とビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(515mg、0.734mmol)との無水N,N-ジメチルホルムアミド(105mL)中混合物を窒素雰囲気下で60℃に温め、その後、窒素で脱気した無水N,N-ジメチルホルムアミド(15mL)中の6-クロロ-1-ヘキシン(1.712g、14.69mmol)及びトリエチルアミン(2.047mL、14.69mmol)の溶液を5分間にわたって滴加した。反応物を60℃で6時間撹拌した。冷却した反応混合物を真空蒸発させ、得られた油状物を1:1の水/塩水と酢酸エチルに分配した。有機層を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、オレンジ色の油状物を得た。油状物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、前処理済みの330gのシリカカートリッジに負荷し、1カラム容積にわたるシクロヘキサン、続いて14カラム容積にわたるシクロヘキサン中0〜100%酢酸エチルの勾配、続いて2カラム容積にわたる酢酸エチルを使用するクロマトグラフィーによって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を黄色の泡状物(3.334g)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=1.26、1.28分;MH
+ 456
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ = 6.90 (br. s., 2 H), 6.81 - 6.70 (m, 1 H), 4.77 (br. s., 2 H), 3.94 - 3.72 (m, 6 H), 3.49 (t, J = 6.5 Hz, 2 H), 2.88 (t, J = 7.8 Hz, 2 H), 2.25 (br. s., 2 H), 1.90 - 1.71 (m, 4 H), 1.62 - 1.52 (m, 2 H), 1.48 - 1.31 (m, 2 H), 0.93 (t, J = 7.3 Hz, 3 H)
【0164】
中間体10:5-ブチル-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキサ-1-イン-1-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
5-ブチル-3-(6-クロロヘキサ-1-イン-1-イル)-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(3.334g、7.31mmol)の無水アセトニトリル(4mL)中溶液に、トリエチルアミン(3.06mL、21.94mmol)及びピロリジン(1.831mL、21.94mmol)を添加した。この溶液を70℃で18時間撹拌した。さらなる当量のピロリジン(0.61mL、7.31mmol)及びトリエチルアミン(1.019mL、7.31mmol)を反応混合物に添加した。この溶液を70℃でさらに3時間撹拌した。冷却した反応混合物を真空蒸発させ、残留物を酢酸エチルと水/塩水(1:1)に分配した。有機相を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、粘着性の茶色のガム状物(4.226g)を得た。このガム状物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、前処理済みの340gのシリカカートリッジに負荷し、1カラム容積にわたるジクロロメタン、続いて14カラム容積にわたるジクロロメタン中0〜30%メタノール(+1%トリエチルアミン)の勾配、続いて3カラム容積にわたるジクロロメタン中30%メタノール(+1%トリエチルアミン)を使用するクロマトグラフィーによって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を粘着性の茶色のガム状物(1.838g)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=1.11〜1.17分;MH
+ 491
1H NMR (400MHz, メタノール-d
4)には以下のものが含まれる。δ = 7.07 - 7.04 (m, 1 H), 7.00 - 6.95 (m, 1 H), 6.92 (s, 1 H), 4.76 (s, 2 H), 3.83 - 3.78 (m, 6 H), 2.82 - 2.56 (m, 10 H), 1.90 - 1.67 (m, 10 H), 1.44 - 1.32 (m, 2 H), 0.94 (t, J = 7.3 Hz, 3 H)
【0165】
中間体11:3-(6-クロロヘキサ-1-イン-1-イル)-5-(2-メトキシエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン
窒素で脱気した、3-ヨード-5-(2-メトキシエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(307mg、0.959mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(6mL)中溶液に、窒素雰囲気下、室温で、ヨウ化銅(I)(36.5mg、0.192mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(75mg、0.107mmol)及び最後にトリエチルアミン(0.267mL、1.918mmol)を添加した。混合物を窒素雰囲気下、室温で10分間撹拌し、次いで6-クロロヘキサ-1-イン(224mg、1.918mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(1.5mL)中溶液を添加した。反応混合物を60℃で2時間撹拌した。さらに2当量の6-クロロヘキサ-1-イン(224mg、1.918mmol)及び反応物をそのまま60℃で1時間撹拌した。反応物を真空蒸発させて、暗赤色の油状物を得た。油状物を水/塩水(1:1)と酢酸エチルに分配した。有機層を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、オレンジ色の油状物(621mg)を得た。この粗製物を最小量のDCMに溶解し、50gのシリカカートリッジに負荷し、60分間にわたりシクロヘキサン中0〜100%酢酸エチルの勾配を使用するクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物を含有する適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を淡黄色の固体(163.5mg)として得た。
LCMS(システムA):t
RET=0.80分;MH
+ 309、311
【0166】
中間体12:5-(2-メトキシエチル)-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン
3-(6-クロロヘキサ-1-イン-1-イル)-5-(2-メトキシエチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(84mg、0.230mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(4mL)中溶液に、ピロリジン(0.132mL、1.579mmol)及びトリエチルアミン(0.293mL、2.105mmol)を添加した。反応物を80℃で2時間撹拌した。さらなる66μL(1.5当量)のピロリジン及び147μL(2当量)のトリエチルアミンを反応物に添加し、反応物を80℃で2時間撹拌した。さらなる66μL(1.5当量)のピロリジン及び147μL(2当量)のトリエチルアミンを反応物に添加した。反応物を80℃で1時間撹拌した。反応物を真空蒸発させて、暗黄色の油状物を得た。油状物のエタノール(35mL)中溶液をH-cube(設定:55℃、フル水素、流量1mL/分及び触媒として10%パラジウム炭素CatCart30)に通した。新しい10%パラジウム炭素CatCart30カートリッジをH-cubeに挿入し、溶液を再びH-cube(設定:55℃、フル水素、流量1mL/分)に通した。この溶液を真空蒸発させて淡黄色の油状物を得、この粗生成物をMDAP(方法B)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を透明な油状物(84mg)として得た。
LCMS(システムA):t
RET=0.46分;MH
+ 348
【0167】
中間体13: 5-ブチル-3-(5-クロロペンタ-1-イン-1-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン
窒素で脱気した、5-ブチル-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(250mg、0.786mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(6mL)中溶液に、窒素雰囲気下、室温で、ヨウ化銅(I)(30mg、0.158mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(62mg、0.088mmol)及び最後にトリエチルアミン(0.219mL、1.572mmol)を添加した。混合物を窒素雰囲気下、室温で10分間撹拌し、次いで5-クロロ-1-ペンチン(161mg、1.572mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(1.5mL)中溶液を添加した。反応混合物を60℃で80分間撹拌した。反応物を真空蒸発させて、茶色の油状物を得た。油状物を水/塩水(1:1)と酢酸エチルに分配した。有機層を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、茶色の固体を得た。この固体をFlorisil上に吸着させて、50gのシリカカートリッジ上に負荷し、60分間にわたるシクロヘキサン中0〜100%酢酸エチルの勾配を使用するクロマトグラフィーによって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を淡黄色の固体(172mg)として得た。
LCMS(システムA):t
RET=0.91分;MH
+ 293、295
【0168】
中間体14:5-ブチル-3-(5-(ピペリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン
5-ブチル-3-(5-クロロペンタ-1-イン-1-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(168mg、0.574mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(3.5mL)中溶液に、ピペリジン(147mg、1.722mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(0.5mL)中溶液及びトリエチルアミン(0.32mL、2.295mmol)を添加した。反応物を80℃で190分間撹拌した。さらなる73mg(0.857mmol)のピペリジン及び160μL(1.148mmol)のトリエチルアミンを反応物に添加した。反応物を80℃でさらに2.5時間、次いで室温で15.5時間撹拌した。さらなる73mg(0.857mmol)のピペリジン及び160μL(1.148mmol)のトリエチルアミンを反応物に添加した。反応物を80℃で2.5時間撹拌した。反応物を真空蒸発させて、暗黄色の油状物を得た。油状物のエタノール(50mL)中溶液をH-cube(設定:30℃、フル水素、流量1mL/分及び触媒として10%パラジウム炭素CatCart30)に通した。新しい10%パラジウム炭素CatCart30カートリッジをH-cubeに挿入し、溶液を再びH-cube(設定:30℃、フル水素、流量1mL/分)に通した。この溶液を真空蒸発させて、淡黄色の油状物を得た。油状物をMeOH:DMSO(1:1)(3×1mL)に溶解し、MDAP(方法B)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を淡黄色の固体(91mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.83分;MH
+ 346
【0169】
中間体15:5-ブチル-3-(5-(ピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン
脱気した、5-ブチル-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(79mg、0.248mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(2.0mL)中溶液に、窒素雰囲気下、室温で、ヨウ化銅(I)(10mg、0.053mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(32mg、0.028mmol)及び最後にトリエチルアミン(0.076mL、0.546mmol)を添加した。混合物を窒素雰囲気下、室温で10分間撹拌し、次いで1-(4-ペンチン-1-イル)ピロリジン(75mg、0.546mmol)(Chemical Communications 46(19)、3351〜3353;2010)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(0.5mL)中溶液を添加した。反応混合物を55℃で1時間撹拌した。1-(4-ペンチン-1-イル)ピロリジン(75mg、0.546mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(0.5mL)中溶液を反応物に添加した。反応混合物を55℃で40分間撹拌した。反応物を真空蒸発させて、暗黄色の油状物を得た。濾過した、油状物のエタノール(15mL)中溶液を、H-cube(設定:45℃、フル水素、流量1mL/分及び触媒として10%パラジウム炭素CatCart30)に通した。この溶液をさらに二回、その都度新しいCatCart 30カートリッジを使用してH-cubeに通した。この溶液を真空蒸発させて、無色の油状物を得た。油状物をMeOH:DMSO(1:1)(lmL)に溶解し、MDAP(方法B)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を白色の固体(20mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.79分;MH
+ 332
【0170】
中間体16:5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
5-ブチル-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(50g、157mmol)、(2,4-ジメトキシフェニル)メタンアミン(60g、359mmol)及び2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロピリミド[1,2-a]アゼピン(47.9g、314mmol)のアセトニトリル(500mL)中溶液を、((1H-ベンゾ[d][l,2,3]トリアゾール-1-イル)オキシ)トリ(ピロリジン-1-イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(V)(100g、192mmol)で処理し、窒素下、室温で6時間撹拌した。得られた懸濁液を濾過して沈殿物を除去し、濾液を蒸発させた。残留物を、シリカカートリッジ(1500g)上で(最小限のDCMを施す)、0〜80%シクロヘキサン-EtOAc(12カラム容積)で溶出させて精製した。生成物を含有する画分を部分蒸発させて重質懸濁液を得、それを濾過し、固体を風乾して、標記化合物(37.5g、80mmol)を白色の粉末として得た。
LCMS(システムA):t
RET=0.91分;MH
+ 468
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d)には以下のものが含まれる。δ = 6.43 - 6.33 (m, 2H), 4.76 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 2.90 - 2.80 (m, 2H), 1.84 (s, 2H), 1.48 - 1.35 (m, 2H), 0.94 (t, J=7.3 Hz, 3H)
【0171】
母液及び不純物を含む画分を蒸発させて、黄色の固体を得た。合わせた不純物を酢酸エチルで粉砕して、乳白色の固体(30g)を得た。ジエチルエーテル(50mL)、続いてDCM/Et
2O(1;1、30mL)でさらに粉砕して、追加分の標記化合物を白色の固体(25.7g)として得た。
【0172】
中間体17:5-ブチル-3-(6-クロロヘキサ-1-イン-1-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(50g、107mmol)、6-クロロ-1-ヘキシン(18.71g、160mmol)、トリエチルアミン(22.37mL、160mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(5.63g、8.02mmol)及びヨウ化銅(I)(3.04g、15.94mmol)のN,Nジメチルホルムアミド(1000mL)中溶液を、窒素下で4時間70℃に加熱した。冷却した溶液を蒸発させて、残留物を、1.5kgのシリカカートリッジ上で12カラム容積の間20〜80%シクロヘキサン-EtOAcで溶出するクロマトグラフィーによって精製した。適正な画分を蒸発させて、標記化合物を黄色の泡状物(25.5g)として得た。
LCMS(システムA):t
RET=1.05分;MH
+ 456、458
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d)には以下のものが含まれる。δ = 6.71 - 6.54 (m, 1H), 6.41 - 6.31 (m, 2H), 4.75 (br. s., 2H), 3.77 (s, 4H), 3.67 (br. s., 3H), 3.50 - 3.43 (m, 2H), 2.89 - 2.76 (m, 3H), 2.26 - 2.15 (m, 2H), 1.30 - 1.20 (m, 1H), 0.92 (t, J=7.3 Hz, 3H)
【0173】
中間体18:5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキサ-1-イン-1-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
5-ブチル-3-(6-クロロヘキサ-1-イン-1-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(30g、65.8mmol)、ピロリジン(16.32mL、197mmol)及びEt
3N(27.5mL、197mmol)のアセトニトリル(400mL)中溶液を、70℃で16時間加熱した。さらなるピロリジン(7g)を添加し、この溶液を70℃で8時間加熱した。冷却した溶液を蒸発させ、残留物をシリカカートリッジ(750g)上で、EtOAc(2カラム容積)で、続いて20〜30%MeOH(+1%Et
3N)/EtOAc(16カラム容積)で溶出して精製して、標記化合物を黄色のガム状物(23.3g)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=1.15分;MH
+ 491
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d)には以下のものが含まれる。δ = 7.31 - 7.25 (m, 1H), 6.42 - 6.23 (m, 2H), 4.76 (br. S., 2H), 3.76 (s, 3H), 3.65 (s, 3H), 2.88 - 2.78 (m, 6H), 2.67 - 2.60 (m, 2H), 2.18 - 2.11 (m, 2H_, 1.93 - 1.75 (m, 6H), 1.63 (br. S., 2H), 1.43 - 1.28 (m, 4H), 0.91 (t, J=7.3Hz, 3H).
【0174】
中間体19:5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキサ-1-イン-1-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(20g、40.8mmol)のエタノール(500mL)中溶液を、Pd-C(5g、4.70mmol)上で4時間(H
2吸収完了)水素化した。混合物を、Hyfloを通して濾過し、蒸発させた。DCM(30mL)中の残留物を、120gのシリカカートリッジ(Redisep Gold)上で、トルエン-エタノール-NH
3(85/15/1.5)で7回溶出して精製した(毎回、生成物を取り出し、流れる不純物を減らし、カートリッジを再利用する(総容積約3リットル))。適正な画分を蒸発させると、標記化合物が黄色のガム状物(16.3g)として得られた。
LCMS(システムB):t
RET=1.15分;MH
+ 495
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d)には以下のものが含まれる。δ = 6.49 - 6.41 (m, 2H), 6.12 - 6.02 (m, 1H), 4.82 (br. s., 2H), 3.85 - 3.78 (m, 6H), 3.04 - 2.96 (m, 2H), 2.88 - 2.80 (m, 2H), 2.57 (br. s., 4H), 2.50 - 2.43 (m, 2H), 0.97 (t, J=7.3 Hz, 3H)
【0175】
中間体20:7-(5-ブチル-7-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル)ヘプタン-1-オール
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(68mg、0.097mmol)、トリエチルアミン(0.537mL、3.85mmol)及びヨウ化銅(37mg、0.194mmol)を、窒素で脱気した、5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(600mg、1.284mmol)の無水N,Nジメチルホルムアミド(15mL)中溶液に添加した。混合物を窒素雰囲気下で撹拌し、60℃に加熱し、その後、無水N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中のヘプタ-6-イン-1-オール(432mg、3.85mmol)を添加した。反応物を60℃で2.5時間撹拌した。無水N,N-ジメチルホルムアミド(0.5mL)中の追加の0.5当量のヘプタ-6-イン-1-オール(72mg、0.642mmol)を反応物に添加した。混合物を、窒素雰囲気下、60℃でさらに2.5時間撹拌した。無水N,N-ジメチルホルムアミド(0.5mL)中のさらなる0.5当量のヘプタ-6-イン-1-オール(72mg、0.642mmol)を反応物に添加した。混合物を、窒素雰囲気下、60℃でさらに4時間撹拌し、次いで周囲温度まで一晩放冷した。反応混合物を真空蒸発させて、茶色の油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチル(25mL)と水/塩水(1:1、15mL)に分配した。有機層を分離し、水相を酢酸エチル(25mL)で逆抽出した。合わせた有機抽出物を疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、中間体のアルキンをオレンジ色の油状物(1.21g)として得た。
【0176】
油状物と10%パラジウム炭素(200mg)とのエタノール(20mL)中混合物を水素雰囲気下で22時間撹拌した。反応物をセライトカートリッジ(10g)に通して濾過し、真空蒸発させて、オレンジ色の油状物を得た。油状物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、50gのシリカカートリッジに負荷し、60分間にわたるシクロヘキサン中0〜100%酢酸エチルの勾配、続いて酢酸エチル(300mL)、次いでジクロロメタン(70mL)中10%メタノールでの溶出を使用して精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、オレンジ色の油状物を得た。油状物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、50gのシリカカートリッジに負荷し、40分間にわたるジクロロメタン中0〜10%メタノールの勾配を使用して精製した。(検出波長=230nm)。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、黄色の油状物(380mg)を得た。エタノール(20mL)中の油状物と10%パラジウム炭素(200mg)との混合物を、水素雰囲気下で20時間撹拌した。反応物をセライトカートリッジ(10g)に通して濾過し、真空蒸発させて、標記化合物を淡黄色の油状物(264mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=1.17分;MH
+ 456
【0177】
中間体21:3-(7-ブロモヘプチル)-5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
トリフェニルホスフィン(182mg、0.695mmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液を、7-(5-ブチル-7-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル)ヘプタン-1-オール(264mg、0.579mmol)及び四臭化炭素(231mg、0.695mmol)のジクロロメタン(5mL)中の撹拌溶液に滴加した。反応物を室温で18時間撹拌した。追加分の四臭化炭素(231mg、0.695mmol)及びトリフェニルホスフィン(182mg、0.695mmol)を反応混合物に添加した。周囲温度で撹拌を2時間継続した。溶媒を真空蒸発させて、黄色の油状物を得た。油状物を無水ジクロロメタン(DCM)(7mL)に溶解し、室温で1.5時間撹拌した。四臭化炭素(231mg、0.695mmol)及びトリフェニルホスフィン(182mg、0.695mmol)を反応混合物に添加した。撹拌を周囲温度で17.5時間継続した。追加の四臭化炭素(115mg、0.348mmol)及びトリフェニルホスフィン(91mg、0.348mmol)を反応混合物に添加した。撹拌を周囲温度で2時間継続した。反応物を真空蒸発させて、透明な油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチル(10mL)と水/塩水(1:1、15mL)に分配した。有機層を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、淡黄色の固体(1.40g)を得た。この固体を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、50gのシリカカートリッジに負荷し、60分間にわたるシクロヘキサン中0〜100%酢酸エチルの勾配、続いて30分間にわたるDCM中0〜20%メタノールを使用して精製した。構成成分を1つだけ含有する画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を淡黄色の油状物(55mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=1.47分;MH
+ 518、520
【0178】
2つの構成成分を含有する画分を合わせ、真空蒸発させて、追加分の標記化合物を、トリフェニルホスフィンオキシドとの1:1の混合物として、淡黄色の油状物(270mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=1.47分;MH
+ 518、520: 0.98分;MH
+ 279
【0179】
中間体22:3-(6-(アゼパン-1-イル)ヘキシル)-5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
5-ブチル-3-(6-クロロヘキサ-1-イン-1-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(400mg、0.877mmol)及びヘキサメチレンイミン(0.297mL、2.63mmol)のアセトニトリル(7mL)中懸濁液にトリエチルアミン(0.367mL、2.63mmol)を周囲温度で添加した。反応混合物を窒素下60℃で16時間撹拌した。温度を80℃に上げ、反応混合物を窒素下でそのままさらに7時間撹拌した。反応混合物に、ヘキサメチレンイミン(0.149mL、1.32mmol)及びトリエチルアミン(0.184mL、1.32mmol)の溶液を添加し、窒素下60℃でそのままさらに72時間撹拌した。反応混合物を真空蒸発させて茶色の油状物を得、それを酢酸エチル(50mL)と水(50mL)に分配した。水層を抽出し、有機層を塩水(50mL)で洗浄し、疎水性フリットを使用して乾燥し、真空濃縮して、茶色の油状物を得た。油状物を最小量のジクロロメタンに溶解し、次いでそれをアミノプロピルシリカカートリッジ(50g)に負荷し、0〜100%酢酸エチル-シクロヘキサン勾配、続いて60分間の0〜25%メタノール-ジクロロメタン勾配を使用して精製した。適正な画分を合わせ、真空で蒸発させて、茶色の油状物を得、次いでそれをジクロロメタン及び石油エーテル(40-60)と共沸させて、茶色の油状物(0.185g)を得た。
【0180】
この固体をエタノール(45mL)に溶解し、H-cube(設定:40℃、フルH
2、流量1mL/分)及び触媒として5%Pd/C CatCart 30を使用して水素化した。得られた溶媒を真空濃縮して茶色の油状物を得、それをエタノール(20mL)に溶解し、H-cube(設定:40℃、フルH
2、流量1mL/分)及び触媒として5%Pd/C CatCart 30を使用して水素化した。この溶媒を、H-cube(設定:40℃、フルH
2、流量1mL/分)及び触媒として同じ5%Pd/C CatCart 30を使用してさらに水素化した。得られた溶液を真空蒸発させて、茶色の油状物を得た。次いで茶色の油状物を最小量のジクロロメタンに溶解し、次いでそれを、アミノプロピルシリカ(20g)に負荷し、40分間の0〜10%メタノール-ジクロロメタン勾配を使用するクロマトグラフィーによって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて茶色の油状物を得、次いでそれをジクロロメタン及び石油エーテル(40-60)と共沸させて、標記化合物を茶色の油状物(0.100g)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=1.19分;MH
+ 523
【0181】
中間体23:5-ブチル-3-(5-クロロペンタ-1-イン-1-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(101mg、0.144mmol)、トリエチルアミン(0.403mL、2.89mmol)及びヨウ化銅(55.0mg、0.289mmol)を、窒素で脱気した、5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(900mg、1.926mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(23mL)中溶液に添加した。混合物を窒素雰囲気下で撹拌し、60℃に加熱し、その後、無水N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中の5-クロロペンタ-1-イン(296mg、2.89mmol)を添加した。反応物を60℃で3時間撹拌した。無水N,N-ジメチルホルムアミド(1mL)中のさらなる0.30当量の5-クロロペンタ-1-イン(59mg、0.575mmol)を反応物に添加した。混合物を60℃でさらに2.5時間撹拌し、次いで室温まで一晩放冷した。反応混合物を真空蒸発させて、茶色の油状物を得た。得られた油状物を酢酸エチル(25mL)と水/塩水(1:1、10mL)に分配した。有機層を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、茶色の油状物(1.32g)を得た。油状物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、100gのシリカカートリッジに負荷し、60分間にわたるシクロヘキサン中0〜100%酢酸エチルの勾配を使用するクロマトグラフィーによって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、オレンジ色の油状物を得た。油状物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、100gのシリカカートリッジに負荷し、60分間にわたるシクロヘキサン中0〜100%酢酸エチルの勾配を使用するクロマトグラフィーによって再精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物をオレンジ色の油状物(720mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=1.32分;MH
+ 442、444
【0182】
中間体24:(S)-5-ブチル-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-3-(6-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
5-ブチル-3-(6-クロロヘキサ-1-イン-1-イル)-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(225mg、0.493mmol)のアセトニトリル(4mL)中の撹拌溶液に、トリエチルアミン(0.413mL、2.96mmol)及び(S)-3-フルオロピロリジン塩酸塩(186mg、1.480mmol)を添加した。得られた混合物を60℃で22時間加熱した。反応混合物に、さらなる(S)-3-フルオロピロリジン塩酸塩(186mg、1.480mmol)及びさらなるトリエチルアミン(0.413mL、2.96mmol)を添加し、加熱を75℃で20時間継続した。反応混合物を真空濃縮し、残留物をDCM(20mL)と水(20mL)に分配した。有機相を分離し、疎水性フリットを使用して乾燥し、その後真空濃縮して、暗赤色の油状物を得た。粗製物をMeOH(40mL)に溶解し、H-Cube(設定:40℃、フルH
2)を使用して水素化した。粗混合物を真空濃縮し、最小量のDCMに再溶解し、アミノプロピルシリカカートリッジ(70g)の上部に負荷した。カラムを、60分間にわたる0〜100%EtOAc/シクロヘキサンの勾配を使用し、続いて0〜25%MeOH/DCMで流して溶出した。適正な画分を合わせ、真空で蒸発させて、オレンジ色の油状物を得た。油状物をメタノール(40mL)に溶解し、H-cube(設定:フルH
2、40℃、触媒として10%パラジウム炭素CatCart30)に通した。溶液を真空濃縮して、標記化合物を淡黄色の油状物(119mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=1.19分;MH
+ 513
【0183】
中間体25:(S)-5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-(5-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
トリエチルアミン(0.860mL、6.20mmol)を、(S)-3-フルオロピロリジン塩酸塩(390mg、3.10mmol)と5-ブチル-3-(5-クロロペンタ-1-イン-1-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(457mg、1.034mmol)とのN,N-ジメチルホルムアミド(7mL)中混合物に添加した。混合物を80℃に加熱し、18時間撹拌した。追加分の(S)-3-フルオロピロリジン塩酸塩(195mg、1.55mmol)及びトリエチルアミン(0.430mL、3.10mol)を反応混合物に添加した。反応物を80℃でさらに6時間撹拌した。N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)を添加し、反応混合物を80℃でさらに18時間撹拌し、次いで室温まで放冷した。混合物を真空蒸発させて、茶色の油状物を得た。得られた油状物をジクロロメタン(50mL)と水/塩水(20mL)に分配した。有機層を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、茶色の油状物を得た。油状物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、50gのアミノプロピル官能基化シリカカートリッジに負荷し、40分間にわたるジクロロメタン中0〜10%メタノールの勾配を使用して精製した(検出波長=230nm)。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、茶色の油状物(261mg)を得た。油状物と10%パラジウム炭素(50mg)とのエタノール(20mL)中混合物を、水素雰囲気下で3時間撹拌した。追加の10%パラジウム炭素(50mg)を反応物に添加し、混合物を水素雰囲気下で18時間撹拌した。さらなる分の10%パラジウム炭素(50mg)を反応物に添加し、混合物を水素雰囲気下で5時間撹拌した。反応物をセライトカートリッジ(10g)に通して濾過し、真空蒸発させて、茶色の油状物を得た。油状物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、50gのアミノプロピル官能基化シリカカートリッジに負荷し、40分間にわたるジクロロメタン中0〜10%メタノールの勾配を使用して精製した。(検出波長=230nm)。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を茶色の油状物(175mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=1.23分;MH
+ 499
【0184】
中間体26:(R)-5-ブチル-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-3-(6-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H--ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
5-ブチル-3-(6-クロロヘキサ-1-イン-1-イル)-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン及び(R)-3-フルオロピロリジン塩酸塩から、中間体24と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=1.17分;MH
+ 513
【0185】
中間体27:(R)-5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-(5-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
5-ブチル-3-(5-クロロペンタ-1-イン-1-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン及び(R)-3-フルオロピロリジン塩酸塩から、中間体25と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=1.23分;MH
+ 499
【0186】
中間体28:1-(6-(5-ブチル-7-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル)ヘキシル)ピペリジン-4-オール
5-ブチル-3-(6-クロロヘキサ-1-イン-1-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン及び4-ヒドロキシピペリジンから、中間体22と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=1.09分;MH
+ 525
【0187】
中間体29:1-(5-(5-ブチル-7-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル)ペンチル)ピペリジン-4-オール
トリエチルアミン(0.327mL、2.355mmol)を、4-ヒドロキシピペリジン(238mg、2.355mmol)及び5-ブチル-3-(5-クロロペンタ-1-イン-1-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(347mg、0.785mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中溶液に添加した。溶液を80℃に加熱し、17時間撹拌した。追加分の4-ヒドロキシピペリジン(79mg、0.785mmol)を反応混合物に添加し、撹拌を80℃で1時間継続した。反応混合物を真空蒸発させて、茶色の油状物を得た。得られた油状物をジクロロメタン(2×25mL)と水/塩水(1:1、20mL)に分配した。有機層を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、茶色の油状物(643mg)を得た。油状物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、50gのアミノプロピルシリカカートリッジに負荷し、40分間にわたるジクロロメタン中0〜10%メタノールの勾配を使用して精製した(検出波長=230nm)。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、茶色の固体(253mg)を得た。この固体と10%パラジウム炭素(100mg)とのエタノール(20mL)中混合物を水素雰囲気下で6時間撹拌した。追加分の10%パラジウム炭素(100mg)を反応物に添加し、混合物を水素下でさらに16時間撹拌した。さらなる分の10%パラジウム炭素(50mg)を反応物に添加し、混合物を水素下でさらに3時間撹拌した。反応物をセライトカートリッジ(10g)に通して濾過し、真空蒸発させて、標記化合物を茶色の油状物(224mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=1.07分;MH
+ 511
【0188】
中間体30:5-ブチル-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-3-(6-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
5-ブチル-3-(6-クロロヘキサ-1-イン-1-イル)-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン及びフルオロピペリジン塩酸塩から、中間体24と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=1.23分;MH
+ 527
【0189】
中間体31:5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-(5-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
5-ブチル-3-(5-クロロペンタ-1-イン-1-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン及び4-フルオロピペリジン塩酸塩から、中間体25と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=1.26分;MH
+ 513
【0190】
調製例
[実施例1]
5-ブチル-3-(6-(ピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンギ酸塩
【化23】
5-ブチル-3-(6-(ピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(87mg、0.242mmol)とオキシ塩化リン(1.5mL、16.09mmol)との混合物を120℃で45分間加熱した。反応物を室温まで冷却し、20%水酸化ナトリウム水溶液(24mL)に激しく撹拌しながら滴加した(添加後の混合物のpHは14であった)。2Mクエン酸水溶液を使用して混合物をpH12に調整し、酢酸エチルに抽出した。有機層を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、赤/茶色の油状物(95mg)を得た。この材料(95mg)を、2-プロパノール(2mL)及び35%(0.88)アンモニア溶液(2mL)に懸濁させた。反応物を、Biotage Initiatorマイクロ波装置内で、140℃で90分間撹拌した。反応物を真空蒸発させて、赤色の油状物を得た。油状物をMeOH:DMSO(1:1)(2×1mL)に溶解し、MDAP(方法A)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を無色の油状物(13.2mg)として得た。
LCMS(システムA):t
RET=0.44分;MH
+ 359
【0191】
[実施例2]
5-(2-メトキシエチル)-3-(6-(ピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
【化24】
5-(2-メトキシエチル)-3-(6-(ピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(116.5mg、0.322mmol)とオキシ塩化リン(1.9mL、20.38mmol)との混合物を120℃で45分間加熱した。反応物を室温まで冷却し、真空蒸発させて、赤/茶色の油状物を得た。トルエン(5mL)を油状物に添加し、得られた懸濁液を真空蒸発させて、赤/茶色の油状物を得た。油状物をイソ-プロパノール(2mL)に溶解し、0.88アンモニア(2mL、36.2mmol)を添加した。反応物をBiotage Initiatorマイクロ波装置内で、100℃で60分間撹拌し、反応物を真空蒸発させて、赤色の固体を得た。油状物をMeOH:DMSO(1:1)(2×1mL)に溶解し、MDAP(方法B)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を透明な油状物(15.6mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.76分;MH
+ 361
【0192】
[実施例3]
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
【化25】
【0193】
方法A
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オン(245mg、0.709mmol)とオキシ塩化リン(12.89mL、138mmol)との混合物を120℃で45分間撹拌した。反応を室温まで冷却し、真空蒸発させて、赤/茶色の油状物を得た。トルエン(10mL)を油状物に添加して、得られた懸濁液を真空蒸発させて、赤/茶色の油状物を得た。油状物をイソ-プロパノール(7mL)に溶解し、0.88アンモニア(5.88mL、106mmol)を添加した。反応物をBiotage Initiatorマイクロ波装置内で、120℃で60分間撹拌し、次いで反応物を真空蒸発させて、オレンジ色の固体を得た。粗製物を、MDAP(方法A)を使用する逆相クロマトグラフィーによって精製した。生成物を含有する画分を真空蒸発させて、標記化合物を無色の油状物(72.1mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.84分;MH
+ 345
【0194】
方法B
5-ブチル-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキサ-1-イン-1-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(1.838g、3.75mmol)と10wt%パラジウム炭素(200mg)とのエタノール(53mL)中混合物を、水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。さらなる300mgの10wt%パラジウム炭素を反応物に窒素雰囲気下で添加し、反応物を水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。さらなる250mgの10wt%パラジウム炭素を反応物に窒素雰囲気下で添加し、反応物を水素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応混合物を10gのセライトカートリッジに通して濾過し、濾液を真空蒸発させて、粘着性の茶色の油状物(2.2g)を得た。油状物をトリフルオロ酢酸(10mL)に溶解し、Biotage Initiatorマイクロ波装置(初期吸収設定「高」を使用する)内で、120℃で4時間加熱し、次いで室温で17時間放置した。黒/非常に濃い緑色の反応混合物を真空蒸発させ、残った残留物をクロロホルム(500mL)中25%2-プロパノールと0.1M水酸化ナトリウム水溶液(500mL)に分配した。有機相を疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、茶色のガム状物(1.74g)を得た。ガム状物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、ジクロロメタンで前処理された100gのシリカカートリッジに負荷し、1カラム容積にわたるジクロロメタン、続いて18カラム容積にわたるジクロロメタン中0〜30%メタノール(+1%トリエチルアミン)の勾配、続いて6カラム容積にわたるジクロロメタン中30%メタノール(+1%トリエチルアミン)を使用するクロマトグラフィーによって精製した(検出波長=230nm)。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を薄茶色の固体(596mg)として得た。
LCMS(システムA):t
RET=0.80分;MH
+ 345
【0195】
方法C
5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-(6-(ピロリジン-1-イル)-ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(5.33g、10.77mmol)をトリフルオロ酢酸(45mL、584mmol)に周囲温度で溶解した。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を真空蒸発させ、残留物を3:1のクロロホルム:IPA(500mL)に溶解し、希釈した(0.2M)水酸化ナトリウム水溶液(400mL)で洗浄した。水性混合物をさらなる分の3:1のクロロホルム:IPA(2×400mL)で抽出した。合わせた有機相を疎水性フリットに通して濾過し、濾液を真空蒸発させて、黄色の固体(4.7g)を得た。粗製物の一部(1.26g)をジクロロメタン/メタン(1519:1)に溶解し、濁った溶液を真空下でガラス繊維濾紙のパッドに通して濾過した。濾液を真空蒸発させ、残留物をエーテルで粉砕した。懸濁液を濾過し、固体材料をエーテルで洗浄して、標記化合物を灰白色の固体(0.695g)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.83分;MH
+ 345
1H NMR (400MHz, メタノール-d
4) δ= 3.02 - 2.92 (m, 6H), 2.87 - 2.80 (m, 2H), 2.78 - 2.71 (m, 2H), 1.95 (s, 4H), 1.85 - 1.71 (m, 4H), 1.68 - 1.58 (m, 2H), 1.49 - 1.35 (m, 6H), 0.96 (t, J=7.3 Hz, 3H)
【0196】
この材料の残部をジクロロメタン/メタン(50mL、19:1)に溶解し、濁った溶液を真空下でガラス繊維濾紙のパッドに通して濾過した。濾液を真空蒸発させ、残留物をエーテルで粉砕した。懸濁液を濾過し、固体材料をエーテルで洗浄して、さらなる分の標記化合物を灰白色の固体(2.174g)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.85分;MH
+ 345
【0197】
[実施例4]
5-(2-メトキシエチル)-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
【化26】
5-(2-メトキシエチル)-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オンから、実施例2と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=0.65分;MH
+ 347
【0198】
[実施例5]
5-ブチル-3-(5-(ピペリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
【化27】
5-ブチル-3-(5-(ピペリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オンから、実施例2と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=0.84分;MH
+ 345
【0199】
[実施例6]
5-ブチル-3-(5-(ピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
【化28】
5-ブチル-3-(5-(ピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7(6H)-オンから、実施例2と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=0.84分;MH
+ 345
【0200】
[実施例7]
5-ブチル-3-(7-(ピペリジン-1-イル)ヘプチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
【化29】
トリエチルアミン(0.085mL、0.608mmol)を、3-(7-ブロモヘプチル)-5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(150mg、0.203mmol)及びピペリジン(0.060mL、0.608mmol)の無水アセトニトリル(7mL)中溶液に添加した。溶液を周囲温度で1.5時間撹拌した。追加のピペリジン(0.060mL、0.608mmol)及びトリエチルアミン(0.085mL、0.608mmol)を反応混合物に添加し、撹拌を周囲温度で17時間継続した。反応混合物を真空蒸発させて、透明な油状物を得た。油状物を酢酸エチル(20mL)と水/塩水(1:1、5mL)に分配した。有機層を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、透明な油状物を得た。油状物をトリフルオロ酢酸(3mL、38.9mmol)に溶解し、60℃で3時間加熱した。反応混合物を真空蒸発させ、残留物を3:1のクロロホルム:IPA(20mL)に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(0.1M、5mL)で洗浄した。有機相を疎水性フリットに使用して分離し、水相を3:1のクロロホルム:IPA(20mL)で逆抽出した。合わせた有機抽出物を真空蒸発させて、黄色の油状物(215mg)を得た。油状物をMeOH:DMSO(1:1)(3×1mL)に溶解し、MDAP(方法B)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、茶色の油状物(88.2mg)を得た。油状物をMeOH:DMSO(1:1)(1mL)に溶解し、MDAP(方法A)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を白色の固体(40.5mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.94分;MH
+ 373
【0201】
[実施例8]
5-ブチル-3-(7-(ピロリジン-1-イル)ヘプチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
【化30】
3-(7-ブロモヘプチル)-5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン及びピロリジンから、実施例7と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=0.82分;MH
+ 359
【0202】
[実施例9]
3-(6-(アゼパン-1-イル)ヘキシル)-5-ブチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
【化31】
3-(6-(アゼパン-1-イル)ヘキシル)-5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(0.100g、0.191mmol)をトリフルオロ酢酸(2mL、26.0mmol)に周囲温度で溶解した。反応混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を真空蒸発させ、残留物を3:1のクロロホルム:IPA(15mL)に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(0.1M、5mL)で洗浄した。有機相を疎水性フリットを使用して分離し、真空蒸発させて、茶色の油状物(0.157g)を得た。油状物をMeOH:DMSO(1:1)(2mL)に溶解し、MDAP(方法B)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を灰白色の固体(38mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.88分;MH
+ 373
【0203】
[実施例10]
3-(5-(アゼパン-1-イル)ペンチル)-5-ブチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
【化32】
トリエチルアミン(0.282mL、2.036mmol)を、ヘキサメチレンイミン(0.229mL、2.036mmol)及び5-ブチル-3-(5-クロロペンタ-1-イン-1-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(300mg、0.679mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中溶液に添加した。この溶液を80℃に加熱し、3.5時間撹拌した。無水N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中のさらなる1.5当量のヘキサメチレンイミン(101mg、1.018mmol)及びトリエチルアミン(0.141mL、1.018mmol)を反応混合物に添加し、撹拌を80℃で18時間継続した。
【0204】
無水N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中の追加分のヘキサメチレンイミン(101mg、1.018mmol)及びトリエチルアミン(0.141mL、1.018mmol)を反応混合物に添加し、撹拌を80℃で5.5時間継続した。反応混合物を真空蒸発させて、茶色の油状物を得た。得られた油状物をジクロロメタン(25mL)と水/塩水(1:1、20mL)に分配した。有機層を分離し、疎水性フリットに通し、真空蒸発させて、茶色の油状物を得た。油状物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、50gのアミノプロピルシリカカートリッジに負荷し、40分間にわたるジクロロメタン中0〜10%メタノールの勾配を使用して精製した(検出波長=230nm)。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、茶色の油状物(235mg)を得た。油状物を最小限の容積のジクロロメタンに溶解し、50gのアミノプロピルシリカカートリッジに負荷し、40分間にわたるジクロロメタン中0〜10%メタノールの勾配を使用して再精製した。(検出波長=230nm)。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、中間体のアルキンを茶色の油状物(195mg)として得た。
【0205】
この油状物と10%パラジウム炭素(150mg)とのエタノール(20mL)中混合物を、水素雰囲気下で19時間撹拌した。追加の10%パラジウム炭素(100mg)を反応物に添加し、混合物を水素雰囲気下でさらに23時間撹拌した。追加の10%パラジウム炭素(100mg)を反応物に添加し、混合物を水素雰囲気下でさらに5時間撹拌した。反応物をセライトカートリッジ(10g)に通して濾過し、真空蒸発させて、茶色の油状物(180mg)として得た。油状物をMeOH:DMSO(1:1)(3mL)に溶解し、MDAP(方法B)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、黄色の油状物を得た。
【0206】
この油状物をトリフルオロ酢酸(3mL、38.9mmol)に溶解し、60℃で3時間加熱した。反応物を60℃でさらに2時間撹拌し、次いで室温まで一晩放冷した。反応混合物を真空蒸発させ、残留物を3:1のクロロホルム:IPA(15mL)に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(0.1M、6mL)で洗浄した。有機相を疎水性フリットに使用して分離し、水相を3:1のクロロホルム:IPA(15mL)で逆抽出した。合わせた有機抽出物を真空蒸発させて、茶色の油状物を得た。油状物をMeOH:DMSO(1:1)(3mL)に溶解し、MDAP(方法B)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物を薄いベージュ色の固体(32mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.79分;MH
+ 359
【0207】
[実施例11]
(S)-5-ブチル-3-(6-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
【化33】
(S)-5-ブチル-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-3-(6-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(119mg、0.232mmol)のトリフルオロ酢酸(1mL、12.98mmol)中溶液を、Biotage Initiatorマイクロ波装置(初期吸収設定「高」を使用する)内で、120℃で2.5時間加熱した。反応混合物を真空濃縮し、残留物を3:1のクロロホルム:IPA(50mL)に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(0.1M、50mL)で洗浄した。有機相を分離し、水相を3:1のクロロホルム:IPA(30mL)で逆抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(疎水性フリット)、真空濃縮した。この材料(223mg)をMeOH:DMSO(1:1)(2mL)に溶解し、MDAP(方法B)によって精製した。適正な画分を合わせ、真空蒸発させて、標記化合物をオレンジ色の固体(33mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.91分;MH
+ 363
【0208】
[実施例12]
(S)-5-ブチル-3-(5-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
【化34】
(S)-5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-(5-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンから、実施例9と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=0.85分;MH
+ 349
【0209】
[実施例13]
(R)-5-ブチル-3-(6-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンギ酸塩
【化35】
(R)-5-ブチル-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-3-(6-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンから、実施例11と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=0.88分;MH
+ 363
【0210】
[実施例14]
(R)-5-ブチル-3-(5-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
【化36】
(R)-5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-(5-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンから、実施例9と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=0.85分;MH
+ 349
【0211】
[実施例15]
1-(6-(7-アミノ-5-ブチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル)ヘキシル)ピペリジン-4-オール
【化37】
1-(6-(5-ブチル-7-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル)ヘキシル)ピペリジン-4-オールから、実施例9と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=0.76分;MH
+ 375
【0212】
[実施例16]
1-(5-(7-アミノ-5-ブチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル)ペンチル)ピペリジン-4-オール
【化38】
1-(5-(5-ブチル-7-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル)ペンチル)ピペリジン-4-オールから、実施例9と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=0.71分;MH
+ 361
【0213】
[実施例17]
5-ブチル-3-(6-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンギ酸塩
【化39】
5-ブチル-N-(3,4-ジメトキシベンジル)-3-(6-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンから、実施例11と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=0.93分;MH
+ 377
【0214】
[実施例18]
5-ブチル-3-(5-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
【化40】
5-ブチル-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-(5-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンから、実施例9と同様に調製した。
LCMS(システムB):t
RET=0.90分;MH
+ 363
【0215】
[実施例19]
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンマレイン酸塩
【化41】
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(140mg、0.406mmol)を装入した丸底フラスコをIPA(1.4mL、10vol)で処理し、窒素雰囲気下、50℃で、均質な溶液が生成するまで撹拌した。マレイン酸(47.2mg、0.406mmol)を固体のままで直接添加し、得られた反応混合物を、マレイン酸が完全に溶解するまで撹拌した。次いで、得られた溶液を、5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンマレイン酸塩(0.5mg)を含むIPA(0.1mL)を超音波処理したスラリーで処理し、得られたスラリーを50℃で1時間熟成し、その後20℃まで4時間にわたって放冷した。得られたスラリーを、次いで20℃で一晩撹拌した。スラリーを氷浴中で3℃に冷却し、30分間熟成し、その後固体を減圧濾過によって収集した。得られた固体を冷やしたIPA(2×1mL)で洗浄し、その後40℃真空で一晩オーブン乾燥して、灰白色の固体(122mg)を得た。得られた固体を40℃でさらに真空乾燥して、標記化合物を灰白色の固体(95mg)として得た。
LCMS(システムB):t
RET=0.79分;MH
+ 345
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6)には以下のものが含まれる。δ = 7.05 (br. s, 2H), 6.02 (s, 2H), 3.13 - 3.00 (m, 3H), 2.83 (br. s., 2H), 2.64 (br. s., 2H), 2.03 - 1.83 (m, 4H), 1.80 - 1.53 (m, 6H), 1.43 - 1.25 (m, 6H), 0.90 (t, J=7.5 Hz, 3H)
【0216】
[実施例20]
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンヘミマレイン酸塩
【化42】
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(205mg、)をマレイン酸(34.5mg、0.5当量)で処理し、その後IPA(2.0mL)中でスラリーにした。得られた反応混合物を70℃に加熱すると均質な溶液となり、それを70℃で熟成すると固体が沈殿し始めた。得られたスラリーには70℃で30分後に固化が認められたので、追加のIPA(0.5mL)を添加してスラリーを可動化した。得られた反応混合物を20℃まで放冷し、20℃で一晩熟成し、その後濾過し、新しいIPA(2×4mL)で洗浄して白色の固体を得、それを40℃真空で(90mbar)一晩オーブン乾燥した。得られた固体(199mg)を真空50℃でさらに乾燥して、標記化合物を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6)には以下のものが含まれる。δ = 7.05 (br. s, 2H), 6.01 (s, 1H), 1.89 - 1.61 (m, 8H), 1.56 - 1.43 (m, 2H), 1.41 - 1.24 (m, 6H), 0.89 (t, J=7.4 Hz, 3H)
【0217】
[実施例21]
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン二マレイン酸塩
【化43】
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(197.3mg、)をマレイン酸(133mg、2.0当量)で処理し、その後IPA(2.0mL)中でスラリーにした。得られた反応混合物を70℃に加熱すると均質な溶液となり、それを70℃で熟成すると固体が沈殿し始めた。得られたスラリーには70℃で固化が認められたので、追加のIPA(2.0mL)を添加してスラリーを可動化した。得られた反応混合物を20℃までゆっくり放冷し、20℃で一晩熟成し、その後濾過し、新しいIPA(2×4mL)で洗浄して白色の固体を得、それを40℃真空で(90mbar)一晩オーブン乾燥して、標記化合物(294mg)を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6)には以下のものが含まれる。δ = 6.07 (s, 4H), 3.15 - 3.03 (m, 2H), 2.80 - 2.64 (m, 2H), 2.09 - 1.51 (m, J=7.9 Hz, 10H), 1.42 - 1.25 (m, 6H), 0.91 (t, J=7.4 Hz, 3H)
【0218】
[実施例22]
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンヘミコハク酸塩
【化44】
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(196.7mg、)をコハク酸(33.7mg、0.5当量)で処理し、その後IPA(2.0mL)中でスラリーにした。得られた反応混合物を70℃に加熱すると均質な溶液となり、それを70℃で熟成すると固体が沈殿し始めた。得られたスラリーには70℃で固化が認められたので、追加のIPA(1.0mL)を添加してスラリーを可動化した。得られた反応混合物を20℃までゆっくり放冷し、20℃で一晩熟成し、その後濾過し、新しいIPA(2×4mL)で洗浄して白色の固体を得、それを40℃真空で(90mbar)一晩オーブン乾燥した。得られた固体(193mg)を真空50℃でさらに乾燥して、標記化合物を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6)には以下のものが含まれる。δ = 7.08 (br. s., 2H), 2.88 - 2.75 (m, 2H), 2.32 (s, 2H), 1.80 - 1.59 (m, 8H), 1.53 - 1.22 (m, 8H), 0.89 (t, J=7.4 Hz, 3H)
【0219】
[実施例23]
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンメタンスルホン酸塩
【化45】
アセトニトリル(2mL)中70℃でスラリーにした5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(200.3mg、)を、無水メタンスルホン酸(38μl、1.0当量)で処理した。得られた反応混合物は、メタンスルホン酸を添加すると溶液に変わり、70℃で熟成すると固体が沈殿し始めた。得られたスラリーには固化が認められたので、追加のアセトニトリル(2mL)を添加してスラリーを可動化した。得られた反応混合物を20℃まで放冷し、20℃で一晩熟成し、その後濾過し、新しいアセトニトリル(2×4mL)で洗浄して白色の固体を得、それを40℃真空で(90mbar)一晩オーブン乾燥して、標記化合物(234mg)を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6)には以下のものが含まれる。δ = 7.17 - 6.94 (m, 2H), 2.89 - 2.76 (m, 2H), 2.64 (br. s., 2H), 2.32 (s, 3H), 1.68 (s, 6H), 1.43 - 1.23 (m, 6H), 0.90 (t, J=7.4 Hz, 3H)
【0220】
[実施例24]
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン塩酸塩
【化46】
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン(197.2mg)をアセトニトリル(2mL)中70℃でスラリーにし、その後IPA(0.458mL)中1.25M HClで処理すると、溶液が生成した。70℃で熟成すると反応物は固体が沈殿し始めたが、これは70℃での熟成中ずっと可動性のままであったので、反応物を20℃に冷却した。得られたスラリーを一晩20℃で熟成し、その後濾過し、新しいアセトニトリル(2×4mL)で洗浄し、白色の固体を得、それを40℃真空で(90mbar)一晩オーブン乾燥した。得られた固体(144mg)を真空50℃でさらに乾燥して、標記化合物を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6)には以下のものが含まれる。δ = 7.18 (br. s, 2H), 2.72 - 2.57 (m, 2H), 2.04 - 1.54 (m, 10H), 1.42 - 1.23 (m, 6H), 0.90 (t, J=7.4 Hz, 3H)
【0221】
多形性
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンについて、以下の方法に従ってX線粉末回折(XRPD)を行った。
【0222】
XRPD
データは、PANalytical X'Pert Pro粉末回折計、PW3040/60型で、X'Celerator検出器を使用して取得した。取得条件は次の通りである:放射線:CuKα、発生装置電圧:40kV、発生装置電流:45mA、開始角度:2.0°2θ、終了角度:40.0°2θ、ステップサイズ:0.0167°2θ、ステップ当たりの時間:31.75秒。数ミリグラムの試料をシリコンウェーハ(ゼロバックグラウンド)プレート上に乗せて粉末の薄層にすることによって、試料を調製した。
【0223】
実施例21及び22について、処理単位の特徴的なXRPD角度及びd-間隔を表1に記録する。ピーク同定のそれぞれについて誤差限界はおよそ±0.1°2θである。ピーク強度は、優先方位によって試料毎に異なる場合がある。
【0224】
ピーク位置は、Highscoreソフトウエアを使用して測定した。
【表1】
【0225】
代表的なXRPDディフラクトグラムを
図1及び
図2に示す。
【0226】
生物学的評価
in vitroでの生物学的活性について、本発明の化合物を以下のアッセイに従って試験した。
【0227】
新鮮なヒト全血(WB)を使用するインターフェロン-α及びTNF-αの誘導アッセイ
化合物の調製
化合物を、平底マイクロタイタープレート中に1.5μLの容量でDMSO中100×所要濃度に調製した。カラム1〜10は、試験化合物の連続4倍希釈液を含有していた。各プレートに含まれるものは、標準としてのTLR7/8アゴニスト、レシキモドの連続希釈液であり、カラム11は1.5μLの200μΜレシキモド(2μΜの最終濃度を与え、レシキモドに対する近似的な最大応答を定めるために使用される)を含有していた。各化合物をドナー毎に二重にアッセイした。
【0228】
インキュベーション並びにインターフェロン-α及びTNF-αのアッセイ
三人のヒトドナーからの血液試料をヘパリンナトリウム(10U/ml)中に採取した。150μLの全血を、DMSO中の試験化合物又は標準を1.5μL含有する、アッセイプレートのカラム1から11に分注した。プレートをインキュベーター中に一晩置いた(37℃、空気95%、CO
25%)。一晩のインキュベーションの後、プレートをインキュベーターから取り出し、オービタルシェーカー上でおよそ1分間混合した。100μLの0.9%生理食塩水を各ウエルに添加し、プレートをオービタルシェーカー上で再び混合した。次いでプレートを遠心し(2500rpm、10分)、その後、血漿の試料をBiomek FXを使用して取り出し、MSD(Mesoscale Discovery)電気化学発光アッセイプラットフォームを使用して、IFN-αとTNF-αの両方についてアッセイした。IFN-αのアッセイは、上述の方法と同様に行った。TNF-αのアッセイはキットの指示書(カタログ番号K111BHB)通りに実行した。
【0229】
放出されたサイトカインを、2μΜレシキモド対照(カラム11)に対する割合(%)として表した。この割合(%)を化合物濃度に対してプロットし、応答に対するpEC
50を非線形最小二乗カーブフィッティングによって決定した。IFN-αの応答については、通常4パラメータロジスティックモデルを選択した。TNFの応答については、明白な最大応答が得られた(すなわち、応答に明確な平坦域が観察された)場合は、通常4パラメータモデルを使用した。曲線の上側の漸近線が明確でない場合は、カーブフィッティングは通常、やむを得ず最大応答を100%(すなわち、2μΜレシキモドの応答)とするか、試験した最高濃度の応答がレシキモドの応答より大きかった場合は、最大応答を試験した最高濃度の応答とした。幾つかの曲線は、一方又は両方のサイトカインで釣鐘状であり、釣鐘状の応答の下り勾配(すなわち、最大応答を与える濃度より高い濃度)のサイトカインデータは、大抵ピーク応答のすぐ上の濃度を除いて、通常フィットから除外した。よって、カーブフィッティングは、用量応答曲線の上り勾配に的を絞って行った。
【0230】
結果
実施例1から24は、IFNαについて平均pEC
50が≧5.9であった。実施例3、21及び22は、IFNαについて平均pEC
50がそれぞれ6.9、7.2及び7.6であった。
実施例1から24は、TNF-αについて平均pEC
50が≦5.4であった。実施例3、21及び22は、THF-αについて平均pEC
50がそれぞれ4.7、<4.3及び4.7であった。
(付記)
(付記1)
式(I)の化合物又はその塩:
【化47】
(式中:
R
1は、n-C
3〜6アルキル又はC
1〜2アルコキシC
1〜2アルキル-であり、
各R
2は独立に、ハロ、OH又はC
1〜3アルキルを表し、
mは、4、5、6又は7の値を有する整数であり、
nは、0、1、2又は3の値を有する整数であり、
pは、0、1又は2の値を有する整数である)。
(付記2)
R
1がn-ブチルである、付記1に記載の化合物又はその塩。
(付記3)
R
1が2-メトキシエチルである、付記1に記載の化合物又はその塩。
(付記4)
mが5又は6の値を有する整数である、付記1〜3のいずれかに記載の化合物又はその塩。
(付記5)
nが1である、付記1〜4のいずれかに記載の化合物又はその塩。
(付記6)
nが2である、付記1〜4のいずれかに記載の化合物又はその塩。
(付記7)
pが0又は1である、付記1〜6のいずれかに記載の化合物又はその塩。
(付記8)
各R
2が独立にハロ又はOHを表す、付記1〜7のいずれかに記載の化合物又はその塩。
(付記9)
各R
2が独立にF又はOHを表す、付記8に記載の化合物又はその塩。
(付記10)
5-ブチル-3-(6-(ピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-(2-メトキシエチル)-3-(6-(ピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-(2-メトキシエチル)-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-ブチル-3-(5-(ピペリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-ブチル-3-(5-(ピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-ブチル-3-(7-(ピペリジン-1-イル)ヘプチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
5-ブチル-3-(7-(ピロリジン-1-イル)ヘプチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
3-(6-(アゼパン-1-イル)ヘキシル)-5-ブチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
3-(5-(アゼパン-1-イル)ペンチル)-5-ブチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
(S)-5-ブチル-3-(6-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
(S)-5-ブチル-3-(5-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
(R)-5-ブチル-3-(6-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンギ酸塩;
(R)-5-ブチル-3-(5-(3-フルオロピロリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;
1-(6-(7-アミノ-5-ブチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル)ヘキシル)ピペリジン-4-オール;
1-(5-(7-アミノ-5-ブチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル)ペンチル)ピペリジン-4-オール;
5-ブチル-3-(6-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン;及び
5-ブチル-3-(5-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ペンチル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン
からなる群から選択される、付記1に記載の化合物又はその塩。
(付記11)
式:
【化48】
の5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンである、付記1に記載の化合物又はその塩。
(付記12)
医薬として許容される塩の形態である、付記1〜11のいずれかに記載の化合物。
(付記13)
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンマレイン酸塩;
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン二マレイン酸塩;及び
5-ブチル-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミンヘミコハク酸塩
からなる群から選択される、付記12に記載の化合物。
(付記14)
式:
【化49】
の5-ブチル-3-(6-(ピロリジン1-イル)ヘキシル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン二マレイン酸塩である、付記12に記載の化合物。
(付記15)
2θ値5.3、5.8、6.4、9.0、10.1、10.9、11.6、12.7、16.0及び19.1に回折ピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる結晶性固体形態である、付記14に記載の化合物。
(付記16)
遊離塩基の形態である、付記1〜11のいずれかに記載の化合物。
(付記17)
付記1〜16のいずれかに記載の化合物と、1種以上の医薬として許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
(付記18)
付記1〜16のいずれかに記載の化合物と、抗原又は抗原組成物とを含む、ワクチン組成物。
(付記19)
療法に使用するための、付記1〜16のいずれかに記載の化合物。
(付記20)
アレルギー性疾患及び他の炎症状態、感染性疾患又は癌の治療に使用するための、付記1〜16のいずれかに記載の化合物。
(付記21)
アレルギー性鼻炎の治療に使用するための、付記1〜16のいずれかに記載の化合物。
(付記22)
喘息の治療に使用するための、付記1〜16のいずれかに記載の化合物。
(付記23)
アレルギー性疾患及び他の炎症状態、感染性疾患又は癌を治療するための医薬品の製造における、付記1〜16のいずれかに記載の化合物の使用。
(付記24)
アレルギー性鼻炎を治療するための医薬品の製造における、付記1〜16のいずれかに記載の化合物の使用。
(付記25)
喘息を治療するための医薬品の製造における、付記1〜16のいずれかに記載の化合物の使用。
(付記26)
アレルギー性疾患及び他の炎症状態、感染性疾患又は癌を治療する方法であって、それを必要とするヒト対象に治療有効量の付記1〜16のいずれかに記載の化合物を投与することを含む方法。
(付記27)
アレルギー性鼻炎を治療する方法であって、それを必要とするヒト対象に治療有効量の付記1〜16のいずれかに記載の化合物を投与することを含む方法。
(付記28)
喘息を治療する方法であって、それを必要とするヒト対象に治療有効量の付記1〜16のいずれかに記載の化合物を投与することを含む方法。
(付記29)
疾患を患っている又は疾患にかかりやすいヒト対象に、付記1〜16のいずれかに記載の化合物と抗原又は抗原組成物とを含むワクチン組成物を投与することを含む、疾患を治療する又は予防する方法。
(付記30)
療法に使用するための、付記18に記載のワクチン組成物。
(付記31)
疾患を患っている又は疾患にかかりやすいヒト対象に、付記18に記載のワクチン組成物を投与することを含む、疾患を治療する又は予防する方法。
(付記32)
療法のための医薬品を製造するための、付記18に記載のワクチン組成物の使用。