(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遮断要素を有する、案内路で案内される車両についての情報を検出するための装置であって、前記案内路で案内される車両は、案内路の軌道をたどるように構成され、前記装置は、RFIDシステムを備え、
前記RFIDシステムは、
第1RFIDトランスポンダ固有情報を、前記軌道をわたって送信するための第1RFIDトランスポンダと、
前記第1RFIDトランスポンダ固有情報を受信するための第1アンテナを有するRFID読み取り装置と
を備え、
前記第1RFIDトランスポンダ及び前記第1アンテナは、前記軌道に対して、前記軌道の両側に固定され、
前記RFID読み取り装置は、前記第1RFIDトランスポンダ固有情報を実質的に継続的に監視するように構成され、
前記案内路で案内される車両の前記遮断要素が前記第1RFIDトランスポンダと前記第1アンテナとの間に存在していると、実質的に継続的に行われている前記第1RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断され、
第2RFIDトランスポンダ固有情報を、前記軌道をわたって送信するための第2RFIDトランスポンダと、
前記第2RFIDトランスポンダ固有情報を受信するための第2アンテナと
を備え、
前記第2RFIDトランスポンダ及び前記第2アンテナは、前記軌道に対して、前記軌道の両側に固定され、
前記RFID読み取り装置は、前記第2RFIDトランスポンダからの前記第2RFIDトランスポンダ固有情報を実質的に継続的に監視するように構成され、
前記案内路で案内される車両の前記遮断要素が前記第2RFIDトランスポンダと前記第2アンテナとの間に存在していると、実質的に継続的に行われている前記第2RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断され、
前記第1RFIDトランスポンダは、前記第2RFIDトランスポンダから、前記軌道に沿って、または前記軌道に平行に、離間され、その距離は、前記案内路で案内される車両の前記遮断要素が、前記第1RFIDトランスポンダと前記第1アンテナとの間に、実質的に継続的に行われている前記第1RFIDトランスポンダ固有情報の監視を十分に遮断できるように存在することが、実質的に継続的に行われている前記第2RFIDトランスポンダ固有情報の監視の遮断と同時に起こらないような距離で、且つ、前記案内路で案内される車両の長さよりも短い距離である、装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[実施形態の説明]
これより、本発明の各実施形態を詳細に言及していき、それらの例を添付図面に示す。可能な限り、図面全体を通じて、同一または同等の要素を参照するために同一の参照符号を用いる。
【0008】
いくつかの実施形態において、本発明は、
図1を参照することによって説明可能であり、ここで
図1は、遮断要素を有し、案内路で案内される車両についての情報を検出する装置を示している。案内路100によって、無線周波数識別(RFID)システム120の構成要素のうちのいくつかが離間されている。いくつかの実施形態では、案内路100によってRFIDシステム120の構成要素が離間されていない。
【0009】
案内路100は、案内路で案内される車両(図示せず)の軌道を規定している。示された案内路は1つであるが、いくつかの実施形態では、2つ以上の案内路100によって、案内路で案内される車両の輸送が促進される。いくつかの実施形態では、案内路はレールまたは溝である。いくつかの実施形態では、案内路100は耐荷重性である。いくつかの実施形態では、案内路は、鉄、鋼鉄、もしくは磁気浮上または他の案内路で案内される車両を支持するのに適した材料を備えている。いくつかの実施形態では、案内路100は、35〜80キログラム/メートル(kg/m)の範囲、または40〜60kg/mの範囲、または55〜70kg/mの範囲の案内路分類(重量)を有している。
【0010】
RFIDシステム120は、第1アンテナ160を有する読み取り装置140を備えている。いくつかの実施形態では、読み取り装置140は、第1アンテナ160と接続されている。いくつかの実施形態では、読み取り装置140は、第1アンテナ160と通信する。第1RFIDトランスポンダ180は、第1RFIDトランスポンダ固有情報を、軌道をわたって送信し、その情報は第1アンテナ160により受信可能である。適切なRFIDシステム120及びその構成要素は、種々の製造業者から入手可能である。
【0011】
RFIDトランスポンダ180は、受動RFIDトランスポンダ、能動RFIDトランスポンダ、バッテリー補助受動RFIDトランスポンダから選択される。いくつかの実施形態では、RFIDトランスポンダ180は、そのエネルギー源として、第1アンテナ160が送信する電磁エネルギー、例えば問い合わせ信号を使用する。
【0012】
第1RFIDトランスポンダ180は、例えば個々のシリアルナンバーや、第1RFIDトランスポンダ180の識別情報を認証するために符号化された情報などの、第1RFIDトランスポンダ固有情報を送信する機能を有している。RFIDトランスポンダの中には、個々のシリアルナンバーや他の認証を行う情報を有しているものもあるので、いくつかの実施形態では、RFIDシステム120は、RFID読み取り装置の範囲内にあると思われるいくつかのRFIDトランスポンダを個々に識別し、いくつかの実施形態では、これらを実質的に同時に、及び/または連続的に読み取る。いくつかの実施形態では、第1RFIDトランスポンダ固有情報は、問い合わせ信号、RFIDトランスポンダ180に書き込まれるデータ、及び/または製品の機種のうちのいくつか、またはすべてのエコーである。
【0013】
いくつかの実施形態では、読み取り装置140、第1アンテナ160、及び第1RFIDトランスポンダ180は、120kHzから10GHzの範囲の周波数帯で稼働する。いくつかの実施形態では、その範囲は、120〜150kHz、または865〜868MHz、または902〜928MHz、または2450〜5800MHz、または3.1〜10GHzである。例えば、いくつかの実施形態では、読み取り装置140、第1アンテナ160、及び第1RFIDトランスポンダ180は、13.56MHzまたは433MHzをほぼ中心とした周波数帯で稼働する。
【0014】
第1RFIDトランスポンダ180及び第1アンテナ160は、軌道に対して、軌道の両側に固定されている。いくつかの実施形態では、第1アンテナ160及び第1RFIDトランスポンダ180は、約0.1〜200メートル(m)の範囲の距離を隔てて離間されている。いくつかの実施形態では、その距離は、0.1〜2m、または1〜2m、または2〜10mの範囲である。いくつかの実施形態では、第1RFIDトランスポンダ180及び第1アンテナ160は、1つ以上の案内路100の両側にある。いくつかの実施形態では、第1アンテナ160と第1RFIDトランスポンダ180との間の接続パスは、案内路100の上方で上下方向に傾斜しているか、または、案内路100に直交している。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1アンテナ160及び第1RFIDトランスポンダ180は、案内路構造に関連する、または近接する構造上に、もしくは構造内に個別に固定されている。例えば、いくつかの実施形態では、第1アンテナ160及び第1RFIDトランスポンダ180は、案内路(必ずしも耐荷重性の案内路とは限らない)、枕木(線路用枕木)、もしくは、道床に関連する搭載構造またはセス(cess)に関連する搭載構造上に個別に固定されている。いくつかの実施形態では、道床またはセスに関連した搭載構造は、道床及び/またはセス内に埋設されている。このような搭載構造は、壁、柱、自立型構造、及びコンテナから選択される。いくつかの実施形態では、第1アンテナ160及び第1RFIDトランスポンダ180は、壁、柱、自立型構造、及びコンテナ内に埋設される。「固定された」RFIDトランスポンダ及び/またはアンテナは、例えば、アンテナ160の近辺に一時的に停車または駐車した、案内路で案内される車両上または車両内に、第1RFIDトランスポンダ180が固定される実施形態を除く。
【0016】
第1アンテナ160及び第1RFIDトランスポンダ180は、案内路で案内される車両の遮断要素が第1アンテナ160と第1RFIDトランスポンダ180との間を通過することが可能に構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、第1アンテナ160及び第1RFIDトランスポンダ180は、水平面内で、軌道に沿って、または軌道に平行に平行に離間されている、すなわち、案内路で案内される車両の遮断要素に並列するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、第1アンテナ160及び第1RFIDトランスポンダ180は、軌道に対する垂直面内に離間されている、すなわち、案内路で案内される車両の遮断要素の上方及び/または下方にあるように構成されている。
【0017】
動作を開始すると、RFID読み取り装置140は、第1トランスポンダ固有情報を実質的に継続的に監視するように構成されている。このような監視によって、案内路で案内される車両の遮断要素が存在していないことが検出可能になり、これは、案内路で案内される車両の遮断要素が、第1アンテナ160と第1RFIDトランスポンダ180との間の軌道上の位置にはないことを示している。一方、案内路で案内される車両の遮断要素が第1RFIDトランスポンダと第1アンテナとの間に存在していると、実質的に継続的に行われている第1RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断されるが、これは、案内路で案内される車両の遮断要素が、第1アンテナ160と第1RFIDトランスポンダ180との間の軌道上の位置にあることを示している。
【0018】
いくつかの実施形態では、案内路で案内される車両の遮断要素は、第1RFIDトランスポンダ固有情報を運ぶ信号を、反射及び/または散乱及び/または吸収するのに十分なものである。いくつかの実施形態では、案内路で案内される車両の遮断要素は、RFIDトランスポンダ固有情報を運ぶ信号を検出する第1アンテナ160の機能を妨げるのに十分なものである。いくつかの実施形態では、案内路で案内される車両の遮断要素は、案内路で案内される車両のうちの荷重負荷のある部分である。いくつかの実施形態では、案内路で案内される車両の遮断要素は、案内路で案内される車両のうちの荷重負荷のない部分である。いくつかの実施形態では、案内路で案内される車両は、機関車、貨車、軌道車、客車、及びボギー台車の中から選択される。いくつかの実施形態では、遮断要素は、案内路で案内される車両の台車、側壁、車輪、またはフラップの中から選択される。
【0019】
いくつかの実施形態では、RFIDシステム120は、案内路で案内される車両が第1RFIDトランスポンダ180と第1アンテナ160との間を横切る時間を測定するように構成されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、案内路で案内される車両は、案内路で案内される2つ以上の車両の一群の一部である。いくつかの実施形態では、案内路で案内される車両の一群のうちの全車両が遮断要素を有している。いくつかの実施形態では、案内路で案内される車両の一群のうちの2つ以上の車両が遮断要素を有している。例えば、案内路で案内される車両の一群のうちの最初及び最後の車両が遮断要素を有しているか、または、案内路で案内される車両がm個(m≧2×n)ある一群のうちのn個おきの車両(n=2,3,…等)が遮断要素を有している。このような場合、一群の全長は、案内路で案内される車両のうちの遮断要素を有する車両の頻度またはパターンについての知見から測定可能である。したがって、いくつかの実施形態では、RFIDシステム120は、第1RFIDトランスポンダと第1アンテナとの間を横切る、案内路で案内される車両の数を測定するように構成されている。さらに、案内路で案内される車両の寸法について知見があれば、案内路で案内される少なくとも1つの車両が占める案内路100の長さの測定が可能になる。よって、いくつかの実施形態では、RFIDシステム120は、案内路で案内される1つ以上の車両の案内路100上での占有割合を測定するように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、RFIDシステム120は、案内路で案内される2つ以上の車両が第1RFIDトランスポンダ180と第1アンテナ160との間を横切る時間を測定するように構成されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、使用中の本装置は、
図2を参照することにより説明可能であり、ここで
図2は、案内路で案内される車両についての情報を検出する装置を使用しているときのプロセスフロー図を表している。上述のように、RFIDシステムは、第1トランスポンダ固有情報210を運ぶ信号を実質的に継続的に監視している。このような監視によって、案内路で案内される車両の遮断要素が存在していないことが検出可能になり、これは、その位置が占有されていないこと、つまり、案内路で案内される車両の遮断要素が、第1アンテナ160と第1RFIDトランスポンダ180との間の軌道上の位置にはないことを示している。
【0023】
第1トランスポンダ固有情報を運ぶ信号は、最終的には220において遮断される。このとき、このトランスポンダ固有情報と、任意で時間とを、230において記録することができる。通常は、230において遮断された信号は、その位置が占有されていること、つまり、案内路で案内される車両の遮断要素が、第1アンテナ160と第1RFIDトランスポンダ180との間の軌道上の位置にあることを示している。
【0024】
第1トランスポンダ固有情報を運ぶ信号は、最終的に240に戻る。このとき、このトランスポンダ固有情報と、任意で時間とを、250において記録することができる。その後、RFIDシステムは、第1トランスポンダ固有情報210を運ぶ信号を実質的に継続的に監視するが、これはシステム状態が稼働中であることを示しており、この状態は260において任意で記録可能である。
【0025】
任意で、本システムは、220において信号が遮断されてから240において信号が戻るまでの時間270における過度の遅延に対応するように構成されている。例えば、240で信号の戻りが予想外の時間分、いくつかの実施形態では1〜120秒または10〜30秒の範囲で、または遮断要素がその位置を横切るのに費やすと考えられる時間よりもかなり長い他の時間分、遅延した場合、任意でシステム状態エラー280を記録することが可能である。
【0026】
案内路で案内される2つ以上の車両の間の時間と距離とについての知見があると、速度のような動的パラメータを測定することが可能になる。例えば、いくつかの実施形態では、RFIDシステム120は、第1RFIDトランスポンダ180と第1アンテナ160との間を横切る、案内路で案内される車両の速度を、案内路で案内される2つ以上の車両が第1RFIDトランスポンダ180と第1アンテナ160との間を横切る時間に基づいて推定するように構成されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、RFIDシステム120は、情報をプロセッサ(図示せず)に通信するように構成されている。いくつかの実施形態では、通信は無線である。いくつかの実施形態では、通信は有線である。いくつかの実施形態では、プロセッサはゾーンコントローラである。
【0028】
いくつかの実施形態では、情報は、案内路で案内される車両が第1RFIDトランスポンダ180と第1アンテナ160との間に存在していないこと、案内路で案内される車両が第1RFIDトランスポンダ180と第1アンテナ160との間に存在していること、案内路で案内される少なくとも1つの車両が第1RFIDトランスポンダ180と第1アンテナ160との間を通過する時間、ある時間の間に第1RFIDトランスポンダ180と第1アンテナ160との間を通過する、案内路で案内される車両の数、ある時間の間に第1RFIDトランスポンダ180と第1アンテナ160との間を通過する、案内路で案内される少なくとも1つの車両に関する(速度等を含む)動的情報、ある時間の間に第1RFIDトランスポンダ180と第1アンテナ160との間を通過する、案内路で案内される少なくとも1つの車両の案内路100上の占有割合、及びシステム状態の中から選択される。
【0029】
いくつかの実施形態では、RFIDシステム110はさらに、追加のRFIDトランスポンダと、任意で追加のアンテナとを備えている。このような実施形態では、案内路で案内される車両についての追加の情報が取得可能である。
【0030】
いくつかの実施形態では、本発明は、
図3を参照することにより説明可能であり、ここで
図3は、遮断要素を有する、案内路で案内される車両についての情報を検出する装置を示している。案内路300によって、RFIDシステム320の要素のうちのいくつかが離間される。いくつかの実施形態では、案内路300,310によって、RFIDシステム320のうちのいくつかが離間される。いくつかの実施形態では、案内路300,310によってRFIDシステム320が離間されることはなく、例えばアンテナとトランスポンダとの対は上下に配置された状態である。
【0031】
図3では、RFIDシステム320は、RFID読み取り装置340と、第1RFIDトランスポンダ固有情報を受信するための第1アンテナ360と、第2RFIDトランスポンダ固有情報を受信するための第2アンテナ370とを備えている。RFIDシステム320は、第1RFIDトランスポンダ固有情報を軌道をわたって送信するための第1RFIDトランスポンダ380を備えているだけではなく、さらに、第2RFIDトランスポンダ固有情報を軌道をわたって送信するための第2RFIDトランスポンダ390を備えている。第1RFIDトランスポンダ380及び第1アンテナ360は、軌道に対して、軌道の両側に固定されている。第2RFIDトランスポンダ390及び第2アンテナ370は、軌道に対して、軌道の両側に固定されている。RFID読み取り装置340は、第1RFIDトランスポンダ380からの第1トランスポンダ固有情報と、第2RFIDトランスポンダ390からの第2トランスポンダ固有情報との双方を、実質的に継続的に監視するように構成されている。案内路で案内される車両の遮断要素が第1RFIDトランスポンダ380と第1アンテナ360との間に存在していると、実質的に継続的に行われている第1RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断され、案内路で案内される車両の遮断要素が第2RFIDトランスポンダ390と第2アンテナ370との間に存在していると、実質的に継続的に行われている第2RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断される。
【0032】
追加のアンテナとトランスポンダとの対があることで、万一、第1の対が故障した際の安全措置を設けることが可能になる。追加のアンテナとトランスポンダとの対は、第1のアンテナとトランスポンダとの対と類似した態様で動作する。
【0033】
上述したように、監視によって、案内路で案内される車両の遮断要素の存在の有無を検出することができ、これは、案内路で案内される車両の遮断要素が、第1アンテナ360と第1RFIDトランスポンダ380との間の軌道上の位置、及び/または、第2アンテナ370と第2RFIDトランスポンダ390との間の軌道上の位置に存在しているか否かを示している。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1RFIDトランスポンダ380は、第2RFIDトランスポンダ390から、軌道に沿って、または軌道に平行に離間されており、双方の距離は、案内路で案内される車両の遮断要素が、第1アンテナ360と第1RFIDトランスポンダ380との間の軌道上の位置にあるが、第2アンテナ370と第2RFIDトランスポンダ390との間の軌道上の位置にはない、もしくはその逆になるような距離である。いくつかの実施形態では、第1RFIDトランスポンダ380は、第2RFIDトランスポンダ390から、軌道に沿って、または軌道に平行に、少なくとも1mの距離だけ離間されている。いくつかの実施形態では、この距離は、1〜30m、または2〜20m、または10〜15m、または3〜5mの範囲である。
【0035】
いくつかの実施形態では、
図3にあるように、RFIDシステム320はさらに、第1アンテナ360経由の第1トランスポンダ固有情報と第2アンテナ370経由の第2トランスポンダ固有情報との監視を交互に行うように構成されているスイッチ350を備えている。交互に行ったとしても、監視は実質的に継続的である。いくつかの実施形態では、第1アンテナ360経由の第1トランスポンダ固有情報と第2アンテナ370経由の第2トランスポンダ固有情報との監視は、対称周期で交互に行われる。いくつかの実施形態では、第1アンテナ360経由の第1トランスポンダ固有情報と第2アンテナ370経由の第2トランスポンダ固有情報との監視は、非対称周期で交互に行われる。いくつかの実施形態では、スイッチング周期はランダムである。
【0036】
少なくともいくつかの実施形態に従って、第1トランスポンダと第2トランスポンダとの読み取りをRFスイッチと第1アンテナ及び第2アンテナとを介して継続的に交互に行うことにより、システムの健全性の状態を継続的に検証し、潜在する故障を検出する。これにより、本装置は、未だ検出されていないシステムの潜在的な故障がないので、安全度レベル(SIL)4を達成することができる。SIL4は、少なくとも1つの実施形態では、国際電気標準会議(IEC)の規格であるIEC61508に基づくものである。SILレベル4とは、1時間当たりの故障確率が10
−8〜10
−9の範囲にあることを意味する。
【0037】
少なくともいくつかの実施形態では、RFIDシステム320は、スイッチ350を制御して、所定の交互パターンに従って第1アンテナ360と第2アンテナ370との監視を交互に行う。少なくともいくつかの実施形態では、所定の交互パターンは、両アンテナの監視を、ラウンドロビンスケジューリングパターンに従って割り当てる。少なくともいくつかの実施形態では、所定の交互パターンは、アンテナの監視をランダム分布スケジューリングパターンに従って割り当てる。少なくともいくつかの実施形態では、所定の交互パターンは、アンテナの監視を、一方のアンテナを他方のアンテナよりも頻繁に監視する不均衡分布パターンに従って割り当てる。少なくともいくつかの実施形態では、より多くのアンテナをRFIDシステム320とともに使用しており、所定の交互パターンは使用されているアンテナに対して適用される。少なくともいくつかの実施形態では、より多くのアンテナをRFIDシステム320とともに使用しており、所定の交互パターンは使用されているアンテナの部分集合に対して適用される。少なくとも1つの実施形態では、スイッチ350は、第1アンテナ360と第2アンテナ370との監視を、Aが第1アンテナ360の監視周期、Bが第2アンテナ370の監視周期に対応するとして、A,B,B,A,B,A,A,B,A,B,B,A…という与えられたパターンに従って交互に行う。
【0038】
例えば、トランスポンダとアンテナとの各対は、
図1〜2を参照してすでに説明したような態様で稼働する。
図2を参照して、「1」が(遮断されていない)信号を示し、「0」が遮断された信号を示す場合に、第1のトランスポンダ−アンテナ対(「T1」)と第2のトランスポンダ−アンテナ対(T2)とに対して、起こり得る状態は4つ存在する。
【0039】
表1.トランスポンダの状態
T1 T2
1 1 T1とT2との各位置に遮断要素が存在しないことを示している。
0 1 T1には存在し、T2には存在しない。
1 0 T1には存在しておらず、T2には存在する。
0 0 T1とT2とに存在する。いくつかの実施形態では可能であるが、本例では可能ではない。
【0040】
いくつかの実施形態では、より多くのトランスポンダ−アンテナの対が可能である。
少なくともある所定の実施形態では、単独のRFスイッチ(例えば
図3のスイッチ350)を用いると、システムのフェイルセーフまたは活力を判定するための自己チェック機構に関連する機能が有効になる。この所定の実施形態によれば、RFID読み取り装置340は、トランスポンダ固有情報を、対応するアンテナ360,370からRFスイッチ350を介して、所定の交互監視パターンに従って受信する。RFスイッチ350は、継続的に交互に行う第1アンテナ360と第2アンテナ370との監視を、交互させる。このように、RFID読み取り装置340が受信したトランスポンダ固有情報は、RFスイッチ350が行った監視の最後の切り替えでの情報よりも以前のものはない。RFID読み取り装置340は、スイッチ350から、監視されているアンテナに関する古い情報またはデータ(つまり、最後に受信した情報またはデータよりも以前のもの)を受信しない。少なくともいくつかの実施形態では、受信したトランスポンダ固有情報は、トランスポンダ固有情報の発生及び/または送信に関連する時刻及び/または日付を示すタイムスタンプ情報及び/または日付スタンプ情報を含んでいる。
【0041】
当該所定の実施形態によれば、RFIDシステム320は、監視が所定の交互パターンで行われるために、スイッチ350から受信したトランスポンダ固有情報の変化を比較することによって、装置のフェイルセーフ動作を検証することができる。つまり、スイッチ350が第1アンテナ360と第1トランスポンダ380との監視と、第2アンテナ370と第2トランスポンダ370との監視とを交互に行うので、スイッチ350からRFID読み取り装置340へと送信されたデータは監視の切り替えに応じて変わる。RFID読み取り装置340が受信したデータが変わっていない場合には、少なくともいくつかの実施形態では、RFIDシステム320は故障が発生したことを判定できる。
【0042】
当該所定の実施形態を続けると、案内路300上を図の下部から上部に向かって移動する車両は、まず、第1トランスポンダ380と対をなす第1アンテナ360に遭遇し、車両の遮断要素がこの対の間の軌道を遮って、スイッチ350が第1アンテナ360からトランスポンダ固有情報を受信するのを妨げる。しかしながら、第2アンテナ370と第2トランスポンダ390との間の軌道は車両によって遮られていないので、スイッチ350は、スイッチが第2アンテナを監視している期間中は、第2アンテナ370からのトランスポンダ固有情報を受信する。この(360と380との間の軌道が遮られている)期間中、システム320は、第2アンテナ370が正常に動作中であり、第1アンテナ360がトランスポンダ固有情報を供給しておらず、これが、第1アンテナ360が故障しているか、または案内路300上の車両が第1アンテナと第1トランスポンダとの間の軌道を遮っているかのどちらかであることを示唆していると判定することができる。車両が移動して第1アンテナ360と第1トランスポンダ380との間の軌道を遮る地点を越えると、スイッチ350は、第1アンテナが正常に動作中であることを示すトランスポンダ固有情報を受信する。
【0043】
車両がさらに案内路300を上へと(図のさらに上方に)移動した後、車両は、第2トランスポンダ390と対をなす第2アンテナ370に遭遇し、車両の遮断要素がこの対の間の軌道を遮って、スイッチ350が第2アンテナからのトランスポンダ固有情報を受信するのを妨げる。しかしながら、上述した期間の場合と同様に、第2アンテナと第2トランスポンダとの間の軌道が遮られている間、第1アンテナ360と第1トランスポンダ380との間の軌道は車両によって遮られず、スイッチ350は、スイッチが第1アンテナを監視している期間中に第1アンテナ360からトランスポンダ固有情報を受信する。この期間中、システム320は、第1アンテナ360が正常に動作中であり、第2アンテナ370がトランスポンダ固有情報を供給しておらず、これが、第2アンテナ370が故障しているか、または案内路300上の車両が第2アンテナと第2トランスポンダとの間の軌道を遮っているかのどちらかであることを示唆していると判定することができる。車両が移動して第2アンテナ370と第2トランスポンダ390との間の軌道を遮る地点を越えた後、スイッチ350は、第2アンテナが正常に動作中であることを示すトランスポンダ固有情報を受信する。このようにして、少なくともいくつかの実施形態では、システムのフェイルセーフSIL4の動作が保障される。
【0044】
少なくともいくつかの実施形態では、所定のタイムアウト時間を用いることによって、トランスポンダとアンテナとの対の間にある軌道が遮られていることがシステムの障害を示唆しているか否かを判定する。軌道が所定のタイムアウト時間よりも長い時間遮られている場合、システム障害が発生したと判定され、警告または他の表示が発せられる。少なくともいくつかの実施形態では、この表示は、システム320に通信可能に接続されているシステムに送信される。少なくともいくつかの実施形態では、この表示はシステム320内のみに保存される。
【0045】
さらに、少なくともいくつかの実施形態では、単独のスイッチ350を用いると、上述の利点に加えて、システムの総費用が削減される。
いくつかの実施形態では、RFIDシステム320は、案内路で案内される車両の移動方向を、(a)実質的に継続的に行われている第1RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断されることと、(b)実質的に継続的に行われている第2RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断されることとの順序に基づいて判定するように構成されている。この場合、案内路で案内される車両は、遮断が発生する方向に移動している。例えば、遮断が以下の時間順で発生すると想定する(t=時間、任意単位)。
【0046】
表2.時間増加の関数としてのトランスポンダの状態
t T1 T2
1 1 1 T1の位置にもT2の位置にも存在していない
2 0 1 T1に存在しているが、T2には存在していない
3 1 0 T1には存在していないが、T2には存在している
表2のデータに基づいて、案内路で案内される車両は、T1の位置からT2の位置に向かって移動している。
【0047】
例えば、第1RFIDトランスポンダ380が、第2RFIDトランスポンダ390から、軌道に沿って、または軌道に平行に離間され、双方の距離は、案内路で案内される車両の遮断要素が、第1アンテナ360と第1RFIDトランスポンダ380との間の軌道上の位置にあるが、第2アンテナ370と第2RFIDトランスポンダ390との間の軌道上の位置にはない場合、RFIDシステム320は、自己チェックを行って、案内路で案内される1つ以上の車両に関する追加の情報を判定する機能を有している。表1を参照すると、0,0である実施形態(T1,T2)はいくつかの実施形態では可能であるが、本実施形態のようないくつかの実施形態では、0,0である状態は、第1トランスポンダとアンテナとの対、及び第2トランスポンダとアンテナとの対の相対的に固定された位置関係であることにより不可能である。この実施形態では、もしこの状態が発生したとすれば、システムが例えば電源供給停止等のようなエラー状態なのであろう。このようなシステム状態は記録可能である。
【0048】
このような実施形態の例は
図4で説明可能であり、ここで
図4は、遮断要素412,遮断要素413,または遮断要素414を有する、客車417または客車418についての情報を検出するための装置を示している。この実施形態では、遮断要素412〜414は、客車417または客車418の車輪に相当する。案内路400,410によって、客車417及び客車418の軌道が規定され、RFIDシステム420のうちのいくつかが離間されている。RFIDシステム420は、第1アンテナ460及び(案内路400,410の外側で案内路410側の)第2アンテナ470と通信するRFID読み取り装置440と、第1トランスポンダ480と、(案内路400,410の外側で案内路400側の)第2トランスポンダ490とを備えている。第1トランスポンダ480及び第2トランスポンダ490は、有蓋車417〜418の遮断要素412〜414が第1アンテナ460と第1RFIDトランスポンダ480との間の軌道の位置にはあるが、第2アンテナ470と第2RFIDトランスポンダ490との間の軌道の位置にはないような位置に固定される。表1を参照すると、0,0である実施形態(T1,T2)はいくつかの実施形態では実施可能であるが、この実施形態では、0,0である状態は、第1トランスポンダとアンテナとの対、及び第2トランスポンダとアンテナとの対の相対的に固定された位置により不可能である。この実施形態では、もしこの0,0である状態が発生したとすれば、システムがエラー状態であり、if−thenロジックテストによって判定可能であろう。このようなシステム状態は記録可能である。
【0049】
図3に関して、いくつかの実施形態では、RFIDシステム320は、システム状態を、(a)実質的に継続的に行われている第1RFIDトランスポンダ固有情報の監視と、(b)実質的に継続的に行われている第2RFIDトランスポンダ固有情報の監視とに基づいて判定するように構成されている。例えば、案内路で案内される車両の遮断要素が第1アンテナ360と第1RFIDトランスポンダ380との間の軌道上の位置にある場合、監視は、案内路で案内される車両の遮断要素がその後、誤検出監視時間内に第2アンテナ370と第2RFIDトランスポンダ390との間の軌道上の位置に到達するか否かを判定するように構成されている。この誤検出監視時間が、第2アンテナ370と第2RFIDトランスポンダ390との間の軌道上の位置での遮断が発生せずに終了した場合には、RFIDシステム320は誤検出判定をするように構成されている。このようにして、例えば、RFIDシステム320は自己の状態を自己チェックする機能を有している。このような状態は記録可能である。
【0050】
誤検出監視時間は、案内路で案内される車両が、第1RFIDトランスポンダ380と第2RFIDトランスポンダ390との間の軌道に沿った、または軌道に平行な離間距離を通り抜けるのに十分な期間である。いくつかの実施形態では、誤検出監視時間は、例えば離間距離、案内路で案内される車両の速度等のいくつかの因子のうちの1つ以上によって決まる。いくつかの実施形態では、誤検出監視時間は、1〜120秒または10〜30秒の範囲である。
【0051】
いくつかの実施形態では、本装置は、自己チェックを行い、故障の検出を可能にし、及び/または、案内路と接続していないので、案内路に接続されたシステムが被る可能性のあるEMI/EMC(電磁妨害/電磁両立性)に関連した問題を低減する。
【0052】
いくつかの実施形態では、RFIDシステム320は、情報をプロセッサ355に通信するように構成されている。いくつかの実施形態では、通信は無線である。いくつかの実施形態では、通信は有線である。いくつかの実施形態では、プロセッサはゾーンコントローラである。本明細書で言及されているプロセッサは、
図3に関連したこれらの実施形態を含む、任意の実施形態とともに使用可能である。
【0053】
図7は、
図3の実施形態の側部断面図である。RFID読み取り装置340は、RFスイッチ350と通信可能に接続されている。RFスイッチ350は、第1アンテナ360及び第2アンテナ370と通信可能に接続されている。第1アンテナ360/第2アンテナ370は、対応する第1トランスポンダ380及び第2トランスポンダ390と通信している。
【0054】
いくつかの実施形態では、情報は、
図1〜2の各実施形態の場合において上述された同種の情報から選択される。その情報に加えて、追加の情報は、案内路で案内される車両の移動方向と、RFIDシステム320のシステム状態とを含む。位置と方向とが判定可能であるので、より動的な情報、例えば案内路で案内される車両の速度等が判定可能である。
【0055】
いくつかの実施形態では、本発明は、
図5を参照することによって説明可能であり、ここで
図5は、遮断要素(図示せず)を有する、案内路で案内される車両517についての情報を検出するための装置を示している。案内路500,510は、案内路で案内される車両517を案内している。案内路500によって、RFIDシステム520のうちのいくつかの構成要素が離間されている。RFIDシステム520は、RFID読み取り装置540と、第1RFIDトランスポンダ固有情報を受信するための第1アンテナ560と、任意で第2RFIDトランスポンダ固有情報を受信するための第2アンテナ(図示せず)とを備えている。RFIDシステム520は、第1RFIDトランスポンダ固有情報を軌道をわたって送信するための第1RFIDトランスポンダ580と、任意で第2RFIDトランスポンダ固有情報を軌道をわたって送信するための第2RFIDトランスポンダ(図示せず)を備えている。第1RFIDトランスポンダ580及び第1アンテナ560は、軌道に対して、軌道の両側に固定され、任意の第2RFIDトランスポンダ及び第2アンテナ(図示せず)は、上述のように軌道に対して、軌道の両側に固定される。RFID読み取り装置540は、第1RFIDトランスポンダ580からの第1トランスポンダ固有情報と、任意で上述のように第2RFIDトランスポンダからの第2トランスポンダ固有情報とを、実質的に継続的に監視するように構成されている。案内路で案内される車両の遮断要素が第1RFIDトランスポンダ580と第1アンテナ560との間に存在していると、実質的に継続的に行われている第1RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断され、任意で(図示せず)案内路で案内される車両の遮断要素が第2RFIDトランスポンダと第2アンテナとの間に存在すると、実質的に継続的に行われている第2RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断される。
【0056】
図5では、RFIDシステム520はさらに、第1アンテナ560経由の第1トランスポンダ固有情報と、任意で(図示せず。また、存在している場合)第2アンテナ経由の第2トランスポンダ固有情報との監視を交互に行うように構成されているスイッチ550を備えている。本装置は、
図1〜4を参照して説明された装置と同様に稼働する。
【0057】
図5において、RFIDシステム520は、搭載RFIDトランスポンダ固有情報を送信するための搭載RFIDトランスポンダ585を有する、案内路で案内される車両から、搭載RFIDトランスポンダ固有情報を受信するように構成されている。搭載RFIDトランスポンダ585は、例えば上述のもの等の任意のRFIDトランスポンダである。いくつかの実施形態では、搭載RFIDトランスポンダ585は、搭載RFIDトランスポンダが搭載されている、案内路で案内される車両の識別情報に関する搭載RFIDトランスポンダ固有情報を送信するように構成されている。搭載RFIDトランスポンダ585は、案内路で案内される車両517の適切な場所に搭載可能であり、いくつかの実施形態では、案内路で案内される車両517の車輪の軸上、格納構造上、または客室内に搭載されている。
【0058】
いくつかの実施形態では、RFIDシステム520は、情報を例えばゾーンコントロールセンター等のプロセッサ555に通信するように構成されている。情報は、いくつかの実施形態では、例えば搭載RFIDトランスポンダが搭載されている、案内路で案内される車両の識別情報に関する搭載RFIDトランスポンダ固有情報を含む。
【0059】
図5の実施形態は、単一の対のアンテナとトランスポンダとを有する実施形態や、アンテナとトランスポンダとの複数の対を有する実施形態とともに稼働するであろうことは当然である。
図5の実施形態はまた、本明細書で開示されている他の実施形態とともに稼働するであろうことも当然である。
【0060】
いくつかの実施形態では、本装置は、案内路の区画に入る/区画から出る、案内路で案内される車両を動的に検出するだけではなく、搭載RFIDトランスポンダ585を読み取ることによって、例えば、案内路の区画に入る/区画から出る、案内路で案内される車両の識別情報の判定も行う。
【0061】
いくつかの実施形態では、本装置によって、案内路で案内される車両に関する動的情報を、非動的RFID機器を用いて検出することが可能になる。
いくつかの実施形態では、本装置によって、案内路で案内される車両の検出システムの鉄道信号方式に適した信号を検出することが可能になる。
【0062】
いくつかの実施形態では、本装置によって、検出可能な案内路で案内される車両に関連する金属製または非金属製の検出対象の、安全性に重要な非存在の検出を検出することが可能になる。
【0063】
いくつかの実施形態では、遮断要素を有する、案内路で案内される車両についての情報を検出する方法が提供されている。本明細書で開示されている任意のトランスポンダ固有情報が検出可能である。以下に、種々の実施形態の例を提示する。
【0064】
いくつかの実施形態では、案内路で案内される車両は、案内路の軌道をたどるように構成されている。いくつかの実施形態では、本方法は、第1RFID読み取り装置と接続されているか、または通信している第1アンテナで、第1RFIDトランスポンダから送信された第1トランスポンダ固有情報を実質的に継続的に監視する。上述のように、案内路で案内される車両の遮断要素が第1RFIDトランスポンダと第1アンテナとの間に存在していると、実質的に継続的に行われている第1RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断される。また、上述のように、第1RFIDトランスポンダ及び第1アンテナは、軌道に対して、軌道の両側に固定されている。
【0065】
いくつかの実施形態では、第2アンテナと第2トランスポンダとが使用可能である。例えば、いくつかの実施形態では、本方法はさらに、RFID読み取り装置と接続されている、または通信している第2アンテナで、第2RFIDトランスポンダから送信された第2トランスポンダ固有情報を実質的に継続的に監視することを備えている。ここでもまた、案内路で案内される車両の遮断要素が第2RFIDトランスポンダと第2アンテナとの間に存在していると、実質的に継続的に行われている第2RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断される。また、第2RFIDトランスポンダ及び第2アンテナは、軌道に対して、軌道の両側に固定されている。
【0066】
上述のように、いくつかの実施形態では、第1RFIDトランスポンダが、第2RFIDトランスポンダから、軌道に沿って、または軌道に平行に離間され、これらの距離は、案内路で案内される車両の遮断要素が、第1RFIDトランスポンダと第1アンテナとの間に、実質的に継続的に行われている第1RFIDトランスポンダ固有情報の監視を十分に遮断できるように存在することが、実質的に継続的に行われている第2RFIDトランスポンダ固有情報の監視の遮断と同時に起こらないような距離である。
【0067】
いくつかの実施形態では、実質的に継続的に行われている第1トランスポンダ固有情報の監視は、実質的に継続的に行われている第2トランスポンダ固有情報の監視と交互に行われる。
【0068】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、案内路で案内される車両の移動方向を、(a)実質的に継続的に行われている第1RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断されることと、(b)実質的に継続的に行われている第2RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断されることとの時間順に基づいて判定することを備えている。
【0069】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、システム状態を、(a)実質的に継続的に行われている第1RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断された時間と、(b)実質的に継続的に行われている第2RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断された時間とに基づいて判定することを備えている。
【0070】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、第1RFID読み取り装置と接続されているか、または通信しているアンテナで、搭載RFIDトランスポンダを有する、案内路で案内される車両からの搭載RFIDトランスポンダ固有情報を監視することを備えている。
【0071】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、情報をプロセッサに通信することを備えている。
図6は、1つ以上の実施形態に係る、本装置、例えば
図1〜5及び下記参照の他の実施形態に関連する装置等に関連する方法を実施するために使用可能なコントローラシステム600のブロック図である。少なくともいくつかの実施形態では、システム600は、読み取り装置140(
図1)の少なくとも一部として使用可能である。システム600は、ハードウェアプロセッサ602と、コンピュータプログラムコード606、つまり実行可能命令のセットをその中に符号化している、つまり保存している、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体604とを含んでいる。プロセッサ602は、バス608または他の適切な機構を介して、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体604に電気的に接続されている。プロセッサ602は、
図1〜5の装置を含む本明細書で開示されている装置の使用に関して示されているような動作の一部または全てを実行することに対して、システム600を使用可能にするために、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体604内に符号化されているコンピュータプログラムコード606を実行するように構成されている。
【0072】
いくつかの実施形態では、プロセッサ602は、中央処理装置(CPU)、マルチプロセッサ、分散処理システム、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/または、適切な処理装置である。
【0073】
いくつかの実施形態では、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体604は、電子、磁気、光学式、電磁、赤外線、及び/または半導体システム(もしくは装置またはデバイス)である。例えば、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体604は、半導体またはソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルフロッピーディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、固定磁気ディスク、及び/または光ディスクを含む。光ディスクを用いたいくつかの実施形態では、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体604は、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、読み出し/書き込みコンパクトディスク(CD−R/W)、及び/またはデジタルビデオディスク(DVD)を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、記憶媒体604は、
図1〜5に関連する装置を含む、本明細書で開示されている装置に関連する方法をシステム600が実行するように構成されたコンピュータプログラムコード606を記憶する。いくつかの実施形態では、記憶媒体604はまた、方法を実行するのに必要とされる、またはその方法を実行している間に生成された、情報及び/またはデータ、例えばテンポラリ変数、ルックアップテーブル、及び/または、
図1〜5の装置を含む開示されている装置に関連する動作を行う実行可能命令のセット等を記憶する。
【0075】
システム600は、少なくともいくつかの実施形態では、入出力インターフェース628を有している。入出力インターフェース628は外部回路に接続されている。少なくともいくつかの実施形態では、入出力インターフェース628は、データ及び/または情報をアンテナ160(
図1)から受信する。
【0076】
少なくともいくつかの実施形態では、システム600はまた、プロセッサ602に接続されている任意のネットワークインターフェース630を有している。ネットワークインターフェース630によって、システム600が、他の1つ以上のコンピュータシステムが接続されているネットワーク632と通信することが可能になる。ネットワークインターフェース630は、例えばBLUETOOTH
(登録商標)、WIFI
(登録商標)、WIMAX
(登録商標)、GPRS、またはWCDMA
(登録商標)等の無線ネットワークインターフェース、もしくは、例えばETHERNET
(登録商標)、USB、またはIEEE−1394等の有線ネットワークインターフェースを含む。いくつかの実施形態では、
図1〜5の装置を含む装置に関連する方法は、2つ以上のシステムにおいて実施され、情報及び/またはデータは、ネットワーク632経由で、様々なシステム600との間でやりとりされる。
【0077】
システム600は、ある種のプロセスに関係する情報を、I/O628を通じて受信するように構成されている。情報は、バス608を介してプロセッサ602に伝送され、これにより、RFIDシステムに基づいて少なくとも車両の検出が判定される。
【0078】
いくつかの実施形態では、遮断要素を有する、案内路で案内される車両についての情報を検出する装置であって、案内路で案内される車両が案内路の軌道をたどるように構成されている装置を製造する方法が提供される。本明細書で開示されている任意の装置は製造可能である。以下に、種々の実施形態の例を提示する。
【0079】
いくつかの実施形態では、本装置は、第1RFIDトランスポンダと第1アンテナとを、軌道に対して、軌道の両側に固定することによって構成される。上述のように、第1RFIDトランスポンダは、第1RFIDトランスポンダ固有情報を、軌道をわたって送信するものであり、第1アンテナは、第1RFIDトランスポンダ固有情報を受信するように構成され、第1アンテナは、第1トランスポンダ固有情報を実質的に継続的に監視するように構成されている第1RFID読み取り装置に接続され、案内路で案内される車両の遮断要素が第1RFIDトランスポンダと第1アンテナとの間に存在していると、実質的に継続的に行われている第1RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断される。
【0080】
いくつかの実施形態では、本発明は、遮断要素を有する、案内路で案内される車両についての情報を検出するための装置であって、案内路が、案内路で案内される車両の軌道を規定し、RFIDシステムを備える装置を備え、RFIDシステムが、第1RFIDトランスポンダ固有情報を、軌道をわたって送信するための第1RFIDトランスポンダと、第1RFIDトランスポンダ固有情報を受信するための第1アンテナを備えるRFID読み取り装置とを備え、第1RFIDトランスポンダ及び第1アンテナが、軌道に対して、軌道の両側に固定され、RFID読み取り装置が、第1トランスポンダ固有情報を実質的に継続的に監視するように構成され、案内路で案内される車両の遮断要素が第1RFIDトランスポンダと第1アンテナとの間に存在していると、実質的に継続的に行われている第1RFIDトランスポンダ固有情報の監視が遮断される。
【0081】
本発明の他の実施形態は、ここに開示されている本発明の明細書及び実施の考察から、当業者には明らかであろう。本発明の真の範囲と精神とが以下の請求項によって示されている状況で、本明細書及び各例は単なる例示であると見なすことが意図されている。