特許第6196728号(P6196728)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6196728ライトプロジェクションを利用したチューブ−検出器のアライメント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6196728
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】ライトプロジェクションを利用したチューブ−検出器のアライメント
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/08 20060101AFI20170904BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   A61B6/08 305
   A61B6/08 303
   A61B6/00 300W
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-509385(P2016-509385)
(86)(22)【出願日】2014年4月16日
(65)【公表番号】特表2016-520363(P2016-520363A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(86)【国際出願番号】EP2014057677
(87)【国際公開番号】WO2014173741
(87)【国際公開日】20141030
【審査請求日】2017年4月14日
(31)【優先権主張番号】13164897.4
(32)【優先日】2013年4月23日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】マンケ,ディルク
(72)【発明者】
【氏名】クルツェ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ フェン,リハルト ヨーハニュス マリア
【審査官】 亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−125509(JP,A)
【文献】 特開2006−305105(JP,A)
【文献】 特開2006−141553(JP,A)
【文献】 特開2006−026413(JP,A)
【文献】 特開2001−340332(JP,A)
【文献】 特開昭61−276546(JP,A)
【文献】 特開昭61−122849(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/148266(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 − 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線イメージングのためのアライメント装置であって、
第1ライトプロジェクションデバイスを備えたチューブアタッチメントと、
第2ライトプロジェクションデバイスを備えた検出器アタッチメントと、
を有し、
前記チューブアタッチメントは、前記第1ライトプロジェクションデバイスをX線チューブに搭載するよう構成され、
前記検出器アタッチメントは、前記第2ライトプロジェクションデバイスをX線検出器に接続するよう構成され、
前記第1ライトプロジェクションデバイスは、プロジェクション面に第1ライトパターンを生成するよう構成され、
前記第2ライトプロジェクションデバイスは、前記プロジェクション面に第2ライトパターンを生成するよう構成され、
前記チューブアタッチメントと検出器アタッチメントとが互いに対して正しく空間的に配置される場合、前記第1ライトパターンは、前記プロジェクション面上の前記第2ライトパターンと所定の空間的関係にあるアライメント装置。
【請求項2】
前記プロジェクション面上の前記第1及び/又は第2ライトパターンは、複数のラインを有する、請求項1記載のアライメント装置。
【請求項3】
前記第2ライトプロジェクションデバイスのライトパターンは、前記検出器アタッチメントのエッジの空間的位置を示す、請求項1又は2記載のアライメント装置。
【請求項4】
前記第1及び第2ライトパターンの所定の空間的アライメントの場合、双方のパターンが前記プロジェクション面上に少なくとも部分的に重畳する、請求項1乃至3何れか一項記載のアライメント装置。
【請求項5】
前記検出器アタッチメントの第2ライトプロジェクションデバイスは、前記プロジェクション面にほぼ垂直な扇形のライトを生成する、請求項1乃至4何れか一項記載のアライメント装置。
【請求項6】
前記第1及び第2ライトパターンは、異なるライトカラーを有する、請求項1乃至5何れか一項記載のアライメント装置。
【請求項7】
前記第1及び/又は第2ライトプロジェクションデバイスは、前記チューブアタッチメントと前記検出器アタッチメントとの複数の所定の空間的配置に前記ライトパターンを構成するよう構成される、請求項1乃至6何れか一項記載のアライメント装置。
【請求項8】
前記検出器アタッチメントは、検出器をサポート及び/又は収容するよう構成される検出器レシーブデバイスである、請求項1乃至7何れか一項記載のアライメント装置。
【請求項9】
医療X線イメージングシステムであって、
X線チューブと、
検出器と、
請求項1乃至8何れか一項記載のアライメント装置と、
を有し、
前記X線チューブと前記検出器とは、オブジェクトの関心領域の画像を取得するよう構成され、
前記X線チューブと前記X線検出器との互いに対する空間的な配置は調整可能であり、
前記第1ライトパターンが前記プロジェクション面上の前記第2ライトパターンと所定の空間的関係にあるとき、前記X線チューブと前記検出器とが互いに対して正しい空間的配置にあるように、前記チューブアタッチメントが前記X線チューブに搭載され、前記検出器アタッチメントが前記検出器に搭載される医療X線イメージングシステム。
【請求項10】
前記プロジェクション面は、少なくとも部分的にオブジェクトのサポート面及び/又は前記検出器アタッチメントのサポート面である、請求項9記載の医療X線イメージングシステム。
【請求項11】
前記第2ライトプロジェクションデバイスのライトパターンは、前記検出器のエッジの空間的位置を示す、請求項9又は10記載の医療X線イメージングシステム。
【請求項12】
キャプチャデバイスと、
プロセッサと、
ディスプレイデバイスと、
を更に有し、
前記キャプチャデバイスは、前記第1及び第2ライトパターンの画像情報を取得し、前記画像情報を前記プロセッサに提供するよう構成され、
前記プロセッサは、前記画像情報に基づき前記第1ライトパターンと前記第2ライトパターンとの決定されたアライメントからの乖離を決定するよう構成され、
前記プロセッサは、前記決定された乖離に基づき修正データを生成するよう構成され、前記修正データは、互いに対する前記X線チューブと前記検出器との空間的配置の変化を示し、少なくとも部分的に前記乖離を補償し、
i)アクチュエータ制御ユニットを備えたアクチュエータが備えられ、前記アクチュエータの制御ユニットは、前記修正データに基づき互いに対する前記X線チューブと前記検出器との空間的配置を自動修正するよう前記アクチュエータを制御するよう構成され、及び/又は
ii)前記ディスプレイデバイスは、前記修正データに基づき修正指示をユーザに提供するよう構成される、請求項9乃至11何れか一項記載の医療X線イメージングシステム。
【請求項13】
検出器に対してX線チューブをアライメントする方法であって、
X線チューブ及びX線検出器を提供するステップと、
チューブアタッチメントによりX線チューブに搭載された第1ライトプロジェクションデバイスによりプロジェクション面上に第1の可視的なライトパターンを生成するステップと
検出器アタッチメントにより前記X線検出器に接続される第2ライトプロジェクションデバイスにより前記プロジェクション面上に第2の可視的なライトパターンを生成するステップであって、前記X線チューブと前記検出器とが互いに対して正しく空間的に配置される場合、前記プロジェクション面上の前記第1ライトパターンは、前記プロジェクション面上の前記第2ライトパターンと所定の空間的配置にある、生成するステップと、
前記第1ライトパターンが前記第2ライトパターンと所定の空間的配置にあるように、互いに対して前記X線チューブと前記検出器との空間的位置を調整するステップと、
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクトの医療画像情報取得に関する。特に、本発明は、特にモバイルX線イメージングアプリケーションのためのX線チューブ及びX線検出器のアライメントに関する。本発明は更に、検出器に対してX線チューブをアライメントするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床業務において、モバイルX線イメージングシステムが、患者が患者のベッドを離れることができず、ベッドサイドの状況において医療イメージング診断を実行する必要があるケースにおいて利用される。このようなモバイルX線イメージングユニットは、画像処理又は制御機能などの更なる機能及びアプリケーションが更に備えられ得る移動可能なX線ベースユニットを有することが可能である。別々の検出器又は検出器のパネルは、例えば、患者の関心領域を照射した放射線を受ける。検出器は、検出された放射線を電気信号に変換し、例えば、無線又は有線データ接続を介しベースユニット及び処理ユニットに当該画像情報を提供可能である。X線画像の取得のため、X線チューブ及び検出器を最適な距離、正しい角度及び互いに対して正しい中心に調整及びアライメントすることが重要となりうる。特に、散乱除去用グリッドを更に利用するとき、グリッド及びチューブは、所望されないグリッドアーチファクトを避けるように上手にアライメントされる必要がある。異なる技術的アプローチが、X線ソース及び検出器の適切なアライメントを実現するため提案されてきた。US7,736,055B2は、X線ソースの近くに配置された光源により送られた光を反射する検出器における光リフレクタを利用した最適な配置からの乖離の光検出について記載している。しかしながら、臨床業務におけるこのような配置手段の実際的な可用性はしばしば大変限定されうる。
【0003】
WO2013/080111A1は、新規性についてのみ関連し、X線イメージングシステムが、X線チューブ、X線チューブのためのシーリングサスペンション、搭載されたX線検出器を備えた検出器トロリー、アクティブセンサマトリクス、光表示ユニット及び制御ユニットを有することを開示する。アクティブセンサマトリクスはシーリングサスペンションに固定的に搭載され、光表示ユニットは検出器トロリーに固定的に搭載され、アクティブセンサマトリクスに光表示を発するよう構成される。WO2011/141763A1は、X線ソース及び1以上の検出可能な要素を有する口腔内画像検出器により患者から口腔内X線画像を取得する装置を開示する。1以上のセンサが、X線ソースの近くに位置的に結合され、口腔内画像検出器が患者の口内にあるとき、1以上の検出可能な要素の位置を検知するよう通電可能である。
【発明の概要】
【0004】
従って、医療イメージングアプリケーションにおけるX線チューブ及び検出器の正しいアライメントを実現するためのよりユーザフレンドリなアライメント手段が必要とされてもよい。
【0005】
本発明の課題は、独立形式の請求項の主題により解決され、更なる実施例が従属形式の請求項に含まれる。
【0006】
本発明の以下に説明される態様はまた、検出器に対してX線チューブをアライメントする方法に適用されることが留意されるべきである。
【0007】
本発明によると、第1ライトプロジェクションデバイスを備えたチューブアタッチメントと、第2ライトプロジェクションデバイスを備えた検出器アタッチメントとを有するX線イメージングのためのアライメント装置が提供される。チューブアタッチメントは、第1ライトプロジェクションデバイスをX線チューブに搭載するよう構成される。検出器アタッチメントは、第2ライトプロジェクションデバイスを検出器に接続するよう構成される。第1ライトプロジェクションデバイスは、プロジェクション面に第1ライトパターンを生成するよう構成され、第2ライトプロジェクションデバイスは、プロジェクション面に第2ライトパターンを生成するよう構成される。チューブアタッチメントと検出器アタッチメントとが互いに対して正しく空間的に配置される場合、第1ライトパターンは、プロジェクション面上の第2ライトパターンと所定の空間的関係にある。
【0008】
例えば、チューブアタッチメントと検出器アタッチメントとが互いに対して正しい空間的配置にある場合、第1ライトパターンは、プロジェクション面上で第2ライトパターンと所定の空間的関係にある。正しい空間的配置が予め決定可能である。
【0009】
効果は、X線チューブ及び検出器の所望の調整を実現するためシンプルで直感的な方法により理解できる。さらに、3つ全ての調整基準(角度の向き、センタリング及びソース画像距離)は、1つの単一のアライメント機構において共通して表現及び反映できる。これは、より良好なアライメントによるより少ないアーチファクトを導くことが可能であり、より良好な画質を生じさせることができる。可視的なライトパターンの利用のため、ナビゲーション及び調整が医療スタッフにとってより直感的とすることができ、拡張的な更なるトレーニングを必要としない。光源の利用は更に、成熟し、利用可能な貴重な技術の利用を可能にする。また、電磁両立性問題を対処する必要がなく、困難なハンドリング手順を必要とする更なる面倒なメカニカルデバイスが不要である。
【0010】
“アライメント(alignment)”という用語は、距離、センタリング及び角度に関するX線チューブ及び検出器の配置に関する。アライメントは、例えば、手動のターン又はシフトなどによりX線チューブを移動することによって、又は、X線チューブに対する自らの位置に対して検出器をずらす又は移動することによって実現可能である。
【0011】
“X線イメージング”は、X線がオブジェクトの関心領域の画像情報を生成するのに利用される全てのイメージング方法及びアプリケーションについて説明する。
【0012】
例えば、アライメント装置が、ベッドサイドのX線イメージングシステムにおいて利用可能である。
【0013】
“チューブアタッチメント”という用語は、第1ライトプロジェクションデバイスをX線チューブに搭載する可能性に関する。すなわち、チューブの移動は、チューブアタッチメントの移動に直接的に相関する。例えば、第1ライトプロジェクションデバイスは、チューブヘッドに搭載できる。直接的なメカニカルな搭載に加えて、間接的な結合がまた利用可能である。例えば、データ接続は位置情報を交換可能であり、X線チューブの位置と第1ライトプロジェクションデバイスの位置とのリモート結合を可能にするためアクチュエータ又はセンサを制御可能である。
【0014】
X線チューブへの第1ライトプロジェクションデバイスの“搭載(mounting)”は、第1ライトプロジェクションデバイスとX線チューブとの間の固定的な相関を実現する異なるタイプに関するものとすることができる。これは、スクリュー、溶接、口ランピング、接着などの何れかのメカニカルな手段だけでなく、X線チューブと第1ライトプロジェクションデバイスとの空間的位置を同期させるようアクチュエータを制御可能なデータ接続を介した間接的なリンクを含む。
【0015】
検出器アタッチメントに関連して、“接続”という用語は、光源又はライトプロジェクションデバイスを検出器アタッチメントのエッジに一体化することによるメカニカルな接続に関するものとすることができる。
【0016】
説明された“空間的関係”は、X線チューブと検出器との間の空間的アライメントが生じる状況に関するものとすることができる。
【0017】
一例では、X線チューブと検出器とが正しくアライメントされるときにのみ、2つのライトパターンの所定の空間的関係が生じる。
【0018】
“正しく”という用語は、画質、患者のX線量、検出器のサイズ、画像サイズなどの特定の基準に関して互いに対するX線チューブ及び検出器の最適な配置に関するものとすることができる。
【0019】
ライトプロジェクションデバイスは、例えば、可視光を生成するランプ又はレーザソースなどとすることができる。さらに、発光ダイオード(LED)や同様の技術が利用可能である。レーザ光源は、特に明るさ、精度、制御、拡散及び他の基準に関して従来の光源より利点を有しうる。
【0020】
検出器アタッチメントは、例えば、検出器が挿入される固いフレーム又は検出器への光源の搭載を可能にする何れかの手段などとすることができる。
【0021】
例えば、検出器又は検出器パネル及び検出器アタッチメントは単一のパーツに組み合わされる。
【0022】
他の例では、検出器及び検出器アタッチメントは、異なるイメージング目的のため同一の検出器アタッチメント又は検出器フレーム内の異なる検出器パネル又は検出器モジュールの利用を可能にしうる別々のパーツとすることができる。
【0023】
検出器は、例えば、X線放射線を検出し、画像プロセッサなどにより更に処理可能な電気信号に検出された放射線を変換可能な何れかの画像レセプタデバイスに関する。具体例として、デジタルフラットパネル検出器、CRカセット又はアナログフィルムカセットなどがあげられる。デジタル検出器は、シンチレータレイヤ及び光検出器又はピクセルセルを有することができる。さらに、散乱除去用グリッドが、検出器と共に搭載又は配置可能である。当該グリッドは、例えば、X線チューブ方向に検出器の前方に配置可能である。すなわち、“検出器”という用語はまた、散乱除去用グリッドと組み合わされる検出器自体の組み合わせに関するものとすることができる。
【0024】
第1ライトパターンは、例えば、レーザ光源により生成されるプロジェクトされたライン又は複数のラインとすることができる。ライトパターンは、角度の向き、X線チューブ及び検出器のセンタリング及びソース画像距離の表現を可能にする充填された形状又は異なる形状又はラインの配置を有することができる。
【0025】
一例では、プロジェクトされたライトパターンは、矩形又は正方形を形成する複数のライン群である。
【0026】
プロジェクション面は、ライトがユーザ又は検知デバイスに可視的になる何れかの光反射媒体とすることが可能である。
【0027】
一例では、このプロジェクション面は、患者のベッドのベッドシーツ、患者サポートの表面又は同様の表面とすることが可能である。
【0028】
第2ライトプロジェクションデバイスは、例えば、検出器アタッチメント内に又はおいて配置される光源又は複数の光源などとすることができる。
【0029】
例えば、ライトプロジェクションの方向は、検出器アタッチメント又は検出器の表面に横(sideward)にパラレルにすることができる。このような横のプロジェクションは、例えば、検出器と共に検出器アタッチメントが患者の体によりカバーされ、このため、ユーザには可視的でない場合などに、効果を有しうる。横のプロジェクションを生成するライトビームは、検出器又は検出器アタッチメントが放射線技師に可視的でなくても、検出器アタッチメント又は検出器自体の位置を視覚的に示すことができる。
【0030】
“プロジェクション面上の第1及び第2ライトパターンの空間的関係”は、互いに対する2つのライトパターンの何れか予め規定された位置に関する。
【0031】
例えば、第1及び第2ライトプロジェクションデバイスからプロジェクトされたラインは、ユーザに対する直感的なアライメント処理を可能にするため、重畳可能である。
【0032】
一例では、“第1ライトパターンと第2ライトパターンとの所定の空間的関係”は、アライメントされた状況に関するものとすることができる。
【0033】
一例によると、プロジェクション面上の第1及び/又は第2ライトパターンは、複数のラインを有する。
【0034】
効果は、ユーザがある大きさで2つのライトパターンを正確にアライメントすることができることに見ることができる。
【0035】
例えば、角度のアライメント又は正しい角度の向きは、第2ライトプロジェクションデバイスによりプロジェクトされたラインと重畳して第1プロジェクションデバイスからのプロジェクトされたラインをもたらすことによって実現可能である。
【0036】
他の例では、正しいソース画像距離は、双方のライン長が等しくなるように、2つのプロジェクトされたラインの個々の長さをアライメントにもたらすことによって構成可能である。
【0037】
一例によると、第2ライトプロジェクションデバイスのライトパターンは、検出器アタッチメントのエッジの空間的位置を示す。
【0038】
効果はワークフローの改善に見ることができ、検出器が患者によりカバーされるなどのユーザに可視的でなくても、検出器の位置が表示又は決定可能であるためである。
【0039】
一例によると、検出器アタッチメントの第2ライトプロジェクションデバイスは、プロジェクション面にほぼ垂直な扇形のライトを生成する。
【0040】
プロジェクション面にほぼ垂直な扇形ビームの効果は、プロジェクション面が光源から乖離した高さ又は検出器アタッチメントの乖離した高さに配置可能であるということでありうる。これは、検出器アタッチメントの位置がプロジェクション面に対して変更されたとしても、ライトパターンは依然としてユーザに可視的であることを意味する。
【0041】
一例によると、第1及び/又は第2ライトプロジェクションデバイスは、チューブアタッチメントと検出器アタッチメントとの複数の所定の空間的配置にライトパターンを構成するよう構成される。
【0042】
すなわち、ライトパターンは、互いに対するX線チューブ及び検出器の所望の位置に依存して異なるサイズ及び形状を有することが可能である。
【0043】
効果は、チューブアタッチメント及び検出器アタッチメントが異なる空間的配置をこうすることができることに見ることができる。
【0044】
一例によると、検出器アタッチメントは、検出器をサポート及び/又は収容するよう構成される検出器レシーブデバイスである。
【0045】
効果は、調整配置を一時ながら検出器の交換又は置換が可能であることでありうる。理由は、検出器技術は技術進歩により、又は異なる検出器が異なるイメージング目的のため利用されうるという事実のため経時的に変わりうることである。検出器レシーブデバイスは、検出器アタッチメント又は検出器レシーブデバイスが再利用可能としながら、検出器自体の置換を可能にしうる。このように、例えば、このような医療イメージングシステムのコストが低下できる。
【0046】
本発明によると、X線チューブ、検出器及び上述した具体例の何れかによるアライメント装置を有する医療X線イメージングシステムが提供される。X線チューブ及び検出器はオブジェクトの関心領域の画像を取得するよう構成され、X線チューブ及びX線検出器の互いに対する空間的配置が調整可能であり、第1ライトパターンがプロジェクション面上の第2ライトパターンと所定の空間的関係にあるとき、X線チューブと検出器とが互いに対して正しい空間的配置にあるように、チューブアタッチメントがX線チューブに搭載され、検出器アタッチメントが検出器に搭載される。
【0047】
本発明によると、検出器に対してX線チューブをアライメントする方法がまた提供される。本方法は、
X線チューブ及びX線検出器を提供するステップと、
第1ライトプロジェクションデバイスにより第1ライトパターンを生成するステップであって、第1ライトプロジェクションデバイスは、プロジェクション面上に第1の可視的なライトパターンを生成するよう構成される、生成するステップと、
第2ライトプロジェクションデバイスにより第2ライトパターンを生成するステップであって、第2ライトプロジェクションデバイスは、プロジェクション面上に第2の可視的なライトパターンを生成するよう構成され、X線チューブと検出器とが互いに対して正しく空間的に配置される場合、プロジェクション面上の第1ライトパターンは、プロジェクション面上の第2ライトパターンと所定の空間的配置にある、生成するステップと、
第1ライトパターンが第2ライトパターンと所定の空間的配置にあるように、互いに対してX線チューブと検出器との空間的位置を調整するステップと、
を有する。
【0048】
本発明のアイデアとして、X線チューブ及び検出器の互いに対する正しい配置を実現するため、医療スタッフによりアライメントを実現可能な直感的なライトパターンを利用することによって、モバイルX線イメージングアプリケーション中のX線チューブと検出器とのアライメントの処理を簡単化することが理解できる。
【0049】
すなわち、より一般には、ユーザが自分の人間感覚により多くの場合に、2つのオブジェクトが互いに関して3次元の部屋に正しく配置されているか正確には評価できないため、各ライトパターンが1つのオブジェクトを表す2つのライトパターンの共通のプロジェクションにおいて空間配置の位置情報を表すため補助的装置が実現される。これは、ユーザに対するX線ソース及び検出器の所与の配置の特性の適切な視覚的表現を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本発明の具体的な実施例が以下の図面を参照して以下に説明される。
図1図1は、患者のベッドにおける医療X線イメージングの具体例を概略的に示す。
図2図2は、X線イメージングのためのアライメント配置の概略的な概観を示す。
図3図3A〜3Hは、アライメント状況及び異なるミスアライメント状況を概略的に示す。
図4図4A〜4Cは、プロジェクション面へのライトパターンの異なるオプションを示す。
図5図5は、ベッドサイド状況に置ける患者の体/検出器の配置を概略的に示す。
図6図6は、検出器のアタッチメントのサポート面を備えた検出器及び検出器レシーブ装置の具体例を概略的に示す。
図7図7は、X線チューブ及び検出器の空間配置の自動調整による医療X線イメージングシステムを概略的に示す。
図8図8は、検出器に対してX線チューブをアライメントする方法の具体例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1において、ベッドサイド医療イメージング状況における医療X線イメージングシステム100が示される。図示された具体例において、患者サポート12に配置されたオブジェクト10の医療画像情報が取得され、患者サポート12はまたプロジェクション面として提供される。イメージングシステム100は、移動可能なベースユニット14、サポートアーム16及び空間調整可能なX線チューブ18を有する。X線チューブ18は、オブジェクト10に対してX線20を生成及び発信し、関心領域22を照射する。検出器24は、患者サポートと関心領域22との間に配置される。検出器24は、例えば、ベースユニット14とのケーブル又は無線データ接続及び/又は電源接続を有することが可能なポータブル検出器パネルとすることができる。医療イメージングを準備において、ポータブル検出器が関心領域22の後方に手動により配置される。このため、患者は、検出器24の挿入を可能にするため、体の上部などの自分の体の一部を持ち上げる又は挙げることが必要になりうる。
【0052】
具体例では、散乱除去用グリッドが、関心領域22と検出器24との間に更に挿入され、検出器24及び散乱除去用グリッド(図示せず)が互いに搭載される。散乱除去用グリッドの存在は、必要とされるアライメント精度のための1つの理由としてみなすことができる。
【0053】
満足できる画質を実現するため、X線チューブ18及び検出器24は、角度の向き、センタリング及び正しいソース画像距離に関して正しくアライメントされる必要がある。従って、検出器24との規定された配置になるように、X線チューブ18の位置を放射線技師が調整することが必要になりうる。これは、例えば、X線チューブを手動によりシフト及び/又はターンするだけでなく、検出器24又は検出器24とX線チューブ18との双方をシフト及びターンすることなどによって実現可能である。検出器24を別々に移動する代わりに、患者サポート、検出器24及びオブジェクト10の全体的な配置が移動可能である。これは、例えば、患者の部屋の中の患者のベッドをずらすことなどによって実行可能である。
【0054】
X線チューブ18と検出器24との間のアライメントをサポート及び簡単化するため、アライメント装置200がアライメント処理を簡単化するため実現される。
【0055】
図2において、このようなアライメント装置200の具体例がより詳細に説明される。
【0056】
X線チューブ18及び検出器24は、一例では、オブジェクト10の関心領域22の画像情報を取得するよう配置及び構成される。これらのコンポーネントは、アライメント装置200の一部でなく、システム全体のより良好な理解のためにのみ示される。
【0057】
アライメント装置200は、第1ライトプロジェクションデバイス28を備えたチューブアタッチメント26を有する。チューブアタッチメント26は、X線チューブ18に第1ライトパターンを搭載するよう構成される。第1ライトプロジェクションデバイス28は、プロジェクション面32に第1ライトパターンを生成する。検出器アタッチメント34は、第2ライトプロジェクションデバイス36を検出器24に接続する。第2ライトプロジェクションデバイス36は、同じプロジェクション面32に第2ライトパターン38を生成するよう構成される。プロジェクション面32は、例えば、患者のベッドのベッドシーツ及び/又は患者の体の表面の一部などとすることができる。第1ライトパターン30と第2ライトパターン38との双方が、例えば、共通のプロジェクション面32上で合成されたラインパターンとして可視的である。
【0058】
一例では、第1及び/又は第2ライトパターンの一部のみが可視的である。ライトプロジェクションデバイス36の光源の数は、検出器24又は検出器アタッチメントの示された位置の情報に関してある冗長性を提供するのに十分大きくなりうる。これは、ライトプロジェクションデバイス36の光源全体の一部が(患者などにより)カバーされ、従って、可視的でなくなる場合、アライメントが残りの光源により依然として可能になりうることを意味しうる。
【0059】
更なる具体例では、第2ライトプロジェクションデバイス36は、例えば、8,10,12,20又は50個のより多数の光源を有することが可能である。
【0060】
第1ライトパターン30及び第2ライトパターン38は、プロジェクション面32上で互いに関して所定の空間的関係にもたらされうる。このような所定の空間的関係又はアライメントの場合、対応するチューブアタッチメント26及び検出器アタッチメント34はまた、互いに関して正しい空間的配置にある。すなわち、X線チューブ18及び検出器24は、第1ライトパターン30及び第2ライトパターン38がプロジェクション面32上で互いに関してアライメントされる場合、互いに関して正しく空間配置される。
【0061】
例えば、正しい空間的配置は、所定の空間的アライメントなど予め決定されている。
【0062】
第1ライトパターン30と第2ライトパターン38とのアライメントの場合において、正しい空間的配置、すなわち、X線チューブ18及び検出器24の正しい空間的アライメントが実現されるように、X線チューブ18/検出器24の配置と、第1ライトパターン30及び第2ライトパターン38の対応する所定の空間関係との双方を定義及び調整することが、準備又は構成ステップにおいて必要であるかもしれない。
【0063】
正しいアライメントは、ある許容可能な乖離の範囲内でX線チューブ18及び検出器24、任意的な散乱除去用グリッドのそれぞれの空間的位置及び向きに関する。このような合成された検出器/グリッド装置の場合、このような許容可能なアライメントエラーは、例えば(個別に生じる場合)、3度未満の向き誤差、約7cm未満のデセンタリング誤差、約40cm未満のソース画像距離誤差とすることができる。ソース画像距離(SID)は適用される放射線量に対して強い影響を有することが知られる。従って、モバイルX線撮影の臨床業務では、X線チューブ及び検出器の正しいアライメントが重要な役割を担うことができる。
【0064】
ライトプロジェクションデバイス28,36は、異なる形状のライトパターンを生成するよう構成可能である。例えば、第2ライトプロジェクションデバイス36により生成され、プロジェクション面32に垂直に向き付けされた扇形のライトビームが、プロジェクション面32にラインパターンを生成するのに利用可能である。
【0065】
検出器24は、規定された向きを有する散乱除去用グリッド(図示せず)により補完できる。アーチファクトを最小限にし、画質を向上させるため、X線ソース及び検出器によるグリッドをアライメントすることが必要とすることが可能である。散乱除去用グリッドは、ラメラグリッドなどにより散乱した放射をフィルタリングし、例えば、検出器上にクリック又はクランプされるなど搭載されるか、又は検出器又は検出器アタッチメント34に他の何れかの方法により搭載される。
【0066】
プロジェクション面32は、例えば、光を少なくとも部分的に反射する面を有する検出器又は検出器アタッチメントのサイド拡張などとすることができる。
【0067】
他の具体例では、プロジェクション面はまた、患者自身又はオブジェクト10の表面又は関心領域22とすることができる。他の具体例では、プロジェクション面はまた、ライトビーム自体を可視的にする可視的な光を反射する空気中のちり粒子とすることができる。プロジェクション面は、必ずしも検出器又は検出器アタッチメントにパラレルである必要はないが、X線チューブ18、検出器24及びプロジェクション面32の間の空間的関係は既知及び定義され、アライメント装置100のジオメトリックモデルにおいて考慮される。
【0068】
第2ライトプロジェクションデバイス36は、円錐形、扇形、線形などの異なる形状の光又はパターンを生成するよう構成可能である。例えば、プロジェクションの方向は、検出器又は検出器アタッチメントの表面に横にパラレルとすることができる。これにより、具体例として、発光ダイオード(LED)又は小型レーザ光源が利用可能である。効果は、このような発光ダイオード又はレーザ光源が多くの異なる変形により貴重にソース化できるということでありうる。第2ライトプロジェクションデバイス36はまた、検出器又は検出器アタッチメントのエッジ及びコーナが配置される位置の表示を可能にするため、検出器アタッチメント34エッジ及びコーナの周りなどの異なる位置に配置される複数の別々の光源とすることができる。例えば、マットレス表面のフレキシビリティなどのためプロジェクション面32からの異なる距離などの検出器24又は検出器アタッチメント34の可能な位置乖離を考慮するため、第2ライトプロジェクションデバイスにより生成されるライトビームの扇形の空間的向き及び特性が考慮されるべきである。
【0069】
図3A〜3Hにおいて、アライメント及びミスアライメントされた状況の具体例が、X線チューブの観点などから、検出器表面への上面図において示される。挿入された検出器24(図示せず)などによる検出器アタッチメント34が示され、アタッチされた第2ライトプロジェクションデバイス36(図示せず)はプロジェクション面(図示せず)への第2ライトパターン38を生成する。本例におけるライトパターン38は、検出器アタッチメント34のコーナ又はエッジを示す6つの別々のプロジェクトされたラインを有する。従って、第2ライトパターン38は、検出器アタッチメント34がそれの位置を変更したとき、対応して移動する。すなわち、図示された6つのラインプロジェクションは、検出器アタッチメント34及び検出器24の位置を示す。
【0070】
第2ライトパターン38に加えて、第1ライトパターン30は、同一のプロジェクション面32及び検出器アタッチメント34にプロジェクトされる。第1ライトパターン30は、例えば、X線チューブ18(図示せず)のヘッドに搭載可能な第1ライトプロジェクションデバイス28(図示せず)などにより生成される。第1ライトパターン30と第2ライトパターン38との双方は、角度の向き、センタリング及びソース画像距離に関するアライメントを可能にするラインである。
【0071】
図3Aにおいて、フルアライメントされた状況が示される。これは、第1ライトパターン30及び第2ライトパターン38が重畳することを意味する。すなわち、この場合、アライメントが実現され、X線チューブ18及び検出器24は互いに対して正しく配置される。
【0072】
図3Bにおいて、第1ライトパターン30及び第2ライトパターン38が互いに対して回転誤差を有する状況が示される。これは、X線チューブ18が検出器24に対して角度位置の向き誤差を有することを意味する。
【0073】
図3B及び3Cは、異なる回転方向における角度向きの誤差をそれぞれ示す。
【0074】
図3Dにおいて、2つのライトパターン30,38が互いに対してシフトされ、これは、X線チューブ18が検出器24に対してシフトされることを意味する。
【0075】
図3Eにおいて、チューブは垂直軸の周りに傾けられ、上方及び下方ラインがパラレルに延びない第1ライトパターン30を生じさせる。
【0076】
図3Fにおいて、同様の状況が示され、X線チューブ18が検出器24に対して水平軸の周りに傾けられる。これは、第1ライトパターン30の垂直ラインの非パラレルな延伸を生じさせる。
【0077】
ソース画像距離は、画質に対して特定の関連性を有する。第1ライトパターン30のサイズ及び形状は所定の又は予め設定されたソース画像距離に対応するため、従って、ソース画像距離の変更は第1ライトパターン30の大きさ又はサイズの変更を生じさせる。すなわち、正しいソース画像距離において、プロジェクトされた第1ライトパターン30は所定の拡張又は大きさを有する。例えば、第1ライトパターン30のこのようなサイズは、2つのパターン30,38の直感的なアライメントを可能にするため、第2ライトパターン38のサイズ又は位置に一致可能である。
【0078】
例えば、図3Gでは、ソース画像距離は小さすぎず、図3Hにおいて、ソース画像距離はまた大きすぎる。
【0079】
すなわち、図3A〜3Hは、異なるタイプのチューブ検出器のミスアライメントの具体例を示し、2つのライトパターン30,38を正しくアライメントするため、訂正が実行される必要があるという通知と、これによるX線チューブ18及び検出器24のアライメントとを提供可能である。
【0080】
図4A〜4Cでは、チューブ検出器アライメントのための異なるライトプロジェクションパターンの具体例が示される。
【0081】
一般に、単一のライン、複数のライン、パラレルなライン、角度的に配置されたライン、ダブルライン、トリプルライン、円、破線などの多数の異なるプロジェクション形状及び形態の可能性がある。パターンは、例えば、検出器のターゲット位置を示す直交的に配置されたラインのペアなど、互いに対するある角度のアライメントにおける複数のラインのグループとすることができる。
【0082】
具体例では、第1及び第2ライトパターン30,38は異なるライトカラーを有することが可能である。1つの効果は、ユーザが第1ライトパターン30と第2ライトパターン38とを容易に区別できるということでありうる。
【0083】
他の具体例では、異なるライトカラーが同じ検出器アタッチメント34内で利用される。すなわち、検出器アタッチメント34の異なるコーナは、検出器24及び検出器アタッチメント34の正しい位置及び角度の向きを示す赤色、青色及び緑色のライトパターンを生成する。
【0084】
具体例では、第1及び第2ライトパターン30,38の所定の空間アライメントの場合、双方のパターンはプロジェクション面32上で少なくとも部分的に重畳する。1つの効果は、正確なアライメントが2つの同様のプロジェクション形状を重畳することによって実現可能であるということでありうる。
【0085】
図5において、患者サポート12上で配置された関心領域22が示される。患者サポート12は、例えば、患者のベッドのマットレスとすることができる。関心領域22と患者サポート12との間で、検出器24が挿入される検出器アタッチメント34が配置される。検出器アタッチメント34は、検出器アタッチメント34のエッジのコーナエリアに配置された複数の第2ライトプロジェクションデバイス36を有する。複数の第2ライトプロジェクションデバイス36は、扇形のライトを生成し、従って、ライン状の複数の第2ライトパターン38を生成する。プロジェクション面32は、オブジェクト10及び関心領域22の少なくとも部分的にはサポート面である。
【0086】
マットレスやベッドシーツなどのサポート面の利用の1つの効果は、特にそれが無線及び/又はモバイル検出器であるとき、検出器24自体がそれのサイズについてコンパクトに維持可能であるということでありうる。第2ライトパターン38は、ベッド面に完全にプロジェクト可能であるか、又は検出器アタッチメント34の拡張などの他のパーツを含むことが可能である。
【0087】
図示された具体例では、複数の第2ライトプロジェクションデバイス36の第2ライトパターン38は、検出器のエッジの空間的位置を示す。1つの効果は、患者による検出器又は検出器アタッチメントの完全なカバリングの場合、エッジを視覚的に延ばすことによってユーザに位置が表示可能であるということである。エッジの位置のこのような表示は、検出器アタッチメント34内の検出器のエッジの位置に関連する位置において又は検出器アタッチメント34のコーナの近くにおいてライトプロジェクションデバイス36の配置により実現可能である。各ライトプロジェクションデバイス36は、プロジェクション面32に垂直に扇形が配置される扇形のライトビームを生成可能である。この扇形の方向は、エッジが検出器アタッチメント34の外側のリミットを超えて視覚的に延びるようなものである。
【0088】
図6において、検出器アタッチメント34が示され、ここでは、検出器アタッチメント34は検出器レシーブデバイスである。すなわち、検出器24は、必要に応じて別々に処理され、また交換可能である。検出器アタッチメント34はまた、ライン状の第2ライトパターン38を生じさせる扇形のライトを生成する複数の第2ライトプロジェクションデバイス36を有する。
【0089】
“レシーブ”という用語は、検出器がライトプロジェクションデバイス36を有するフレーム状の装置によりエッジにおいて包囲されることを意味しうる。それはまた、検出器24に接続される別々のパーツの装置とすることができる。
【0090】
例えば、検出器レシーブデバイスはまた、検出器24が搭載されるパラレルな平面とすることができる。また、異なる検出器パネルを必要とする異なるイメージング方法が利用されてもよい。例えば、異なるサイズの検出器が、イメージングされる領域に依存して利用可能である。
【0091】
他の具体例では、検出器は、スライドイン、クリックイン、スクリュー又は他の手段により検出器レシーブデバイスに搭載可能である。他の具体例では、検出器レシーブデバイス又は検出器アタッチメント34はまた、例えば、検出器24からのエッジ又はコーナから延びる固いワイヤなどの別々のパーツとすることができる。プロジェクション面32は、図示された具体例では、検出器アタッチメント34のサポート面である。検出器アタッチメントの当該サポート面は、例えば、マットレスと検出器アタッチメント34との間に挿入される別々のプラスティックレイヤとすることができる。1つの効果は、適切なプロジェクション面32が利用可能でない場合、良好な反射及びプロジェクション動作が実現可能であるということである。
【0092】
図7において、関心領域22の画像情報を取得するよう構成及び配置されるX線チューブ18及び検出器24を有する拡張された医療X線イメージングシステム300が示される。図2と同様に、第1ライトプロジェクションデバイス28を備えたチューブアタッチメント26と、第2ライトプロジェクションデバイス36を備えた検出器アタッチメント34とが示される。第1ライトプロジェクションデバイス28は第1ライトパターン30を生成し、第2ライトプロジェクションデバイス36は第2ライトパターン38を生成し、双方のライトパターン30,38がプロジェクション面32にプロジェクトされる。図7の具体例は更に、互いに対してX線チューブ18及び検出器24のアライメント処理を簡単化して少なくとも部分的に自動化するのに役立つ追加的な補完的コンポーネントを有する。このため、拡張された医療X線イメージングシステム300は更に、キャプチャデバイス42、プロセッサ44及びディスプレイデバイス46を有する。
【0093】
キャプチャデバイス42は、第1及び第2ライトパターン30,38の画像情報48を取得し、当該画像情報48をプロセッサ44に提供するよう構成される。プロセッサ44は、取得した画像情報48に基づき第1ライトパターン30と第2ライトパターン38との決定されたアライメントからの乖離を検出するよう構成される。プロセッサ44は更に、決定された乖離に基づき修正データ50を生成するよう構成され、修正データ50は、互いに対するX線チューブ18及び検出器24の空間配置の変更を示し、乖離を少なくとも部分的に補償する。プロセッサ44は更に、ディスプレイデバイス46に提供される修正データ50を生成するか、又は修正指示52に変換する。修正指示52は、例えば、矢印や他の適切な命令技術などとしてディスプレイデバイス46上に表示可能である。ディスプレイデバイス46は、ユーザがアライメント処理中にディスプレイデバイス46上で表示情報を容易に閲覧できるように構成可能である。修正指示は、ヒューマンユーザにより理解される修正データの何れかの表現とすることができる。例えば、スクリーン上の矢印は、X線チューブ18がX線チューブ18と検出器24との間のアライメントを実現するため移動又はターンされる必要がある方向を示す。
【0094】
“修正データ”は、X線チューブ18と検出器24との間の空間配置が、プロジェクトされるライトパターン30,38の間のアライメントを実現するためどのように変更される必要があるか示す情報である。乖離の決定は、例えば、プロセッサ44による画像処理、既知のパターンの検出、パラレル/非パラレルラインの検出、シンメトリ検出などによって実行可能である。
【0095】
“乖離の補償”は、チューブ18と検出器24との間のミスアライメントの程度が減少することを意味しうる。
【0096】
“第1及び第2パターンの画像情報の取得”は、第1及び第2パターン30,38のアライメントが実行されるプロジェクション面32上のプロジェクションエリアの画像をキャプチャすることに関する。
【0097】
ディスプレイデバイス46は、例えば、LCD又はTFTスクリーンとすることができる。
【0098】
キャプチャデバイス42は、ライトパターン30,32がプロジェクトされるプロジェクション面に向けられたカメラデバイスであってもよい。当該カメラは、例えば、可視光のCCDチップを備えた典型的なカメラなどであってもよいし、又は他の具体例では、赤外線又は紫外線がライトプロジェクションデバイス28,36により発せられる場合、赤外線及び/又は紫外線のライトをキャプチャすることが可能である。
【0099】
この追加的な機能の1つの効果は、ワークフロー及び画質が向上するということでありうる。さらに、アライメント及びX線画像キャプチャが患者の部屋の外部の位置から実行可能であるため、放射線技師に対する散乱したX線量は限定可能である。
【0100】
更なる具体例では、医療X線イメージングシステム300は更に、アクチュエータ制御ユニット56を備えたアクチュエータ54を有する。アクチュエータの制御ユニット56は、修正データ50に基づき互いに対してX線チューブ18及び検出器24の空間配置を自動修正するようアクチュエータ54を制御するよう構成される。すなわち、プロセッサ44は、X線チューブ18及び検出器24の必要な空間配置の調整のための情報を生成及び提供し、当該修正データ50をアクチュエータ制御ユニット56に提供する。その後、アクチュエータ制御ユニット56は、当該修正データ50を制御信号に変換し、それはアクチュエータ54に提供され、その後、X線チューブ18及び/又は検出器24の空間位置調整を実行する。
【0101】
1つの効果は、調整処理の完全又は部分的自動化によって、ワークフローが更に簡単化及び短縮可能であるということである。
【0102】
図8において、検出器に対するX線チューブをアライメントする方法400の具体例が示される。方法400は、X線チューブ及びX線検出器を提供するステップ410を有する。次のステップ420において、第1ライトパターンが第1ライトプロジェクションデバイスにより生成され、第1ライトプロジェクションデバイスは、プロジェクション面に第1の可視的なライトパターンを生成するよう構成される。次のステップ430において、第2ライトパターンが、第2ライトプロジェクションデバイスにより生成され、第2ライトプロジェクションデバイスは、プロジェクション面に第2の可視的なライトパターンを生成するよう構成される。プロジェクション面上の第1ライトパターンは、X線チューブ及び検出器が互いに対して正しく空間的に配置される場合、プロジェクション面上の第2ライトパターンによる決定された空間アライメントにある。
【0103】
ステップ440において、互いに対するX線チューブ及び検出器の空間的位置は、第1ライトパターンが第2ライトパターンによる決定された空間的配置にあるように調整される。
【0104】
第1及び第2ライトビームの決定された空間配置は、プロジェクション面上で第1及び第2ライトビームにより生成される可視的なライトパターンの少なくとも部分的な重畳を有することが可能である。
【0105】
他の具体例では、X線チューブ及び検出器の自動的な空間的配置調整のための方法が提供され、当該方法は、キャプチャデバイス、プロセッサ、アクチュエータ制御ユニット及びアクチュエータを提供するステップを有する。次のステップでは、キャプチャデバイスは、プロジェクション面の画像情報を取得し、プロジェクション面は、第1ライトパターン及び第2ライトパターンを有する。次のステップでは、プロセッサは、互いに対する2つのライトパターンの所定のアライメントから乖離を決定する。次のステップでは、プロセッサは、アクチュエータ制御ユニットに修正情報を提供する。最後のステップでは、アクチュエータ制御ユニットは、2つのライトパターンがアライメントするように、X線チューブ及び/又は検出器の空間的位置を変更するためアクチュエータを制御する。
【0106】
本発明の実施例は異なる実施例を参照して説明されることに留意する必要がある。しかしながら、当業者は、特段の断りがない場合、異なる実施例に関する特徴の間の何れかの組み合わせが本出願の範囲内に開示されていると考えられることを上記及び以下の説明から理解するであろう。しかしながら、全ての特徴は、これらの特徴のシンプルな和より多くのシナジー効果を組み合わせて提供可能である。
【0107】
本発明が図面及び上記説明において詳細に図示及び説明されたが、このような図示及び説明は、限定的でなく例示的又は具体例であるとみなされるべきである。本発明は、開示された実施例に限定されるものでない。開示された実施例に対する他の変形は、図面、開示及び従属請求項を研究することから請求した発明を実践する際に当業者により理解及び実施可能である。
【0108】
請求項において、“有する”という単語は他の要素又はステップを排除せず、“ある”という不定冠詞は複数を排除しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、請求項に記載された複数のアイテムの機能を実現しうる。特定の手段が互いに異なる従属形式の請求項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが効果的には利用可能でないことを示すものでない。請求項における何れかの参照符号は、範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8