【実施例】
【0054】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。ところが、下記実施例は、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の理解を助けるためのものと解釈されるべきである。
<実施例1>
1−1:化学式3で表される化合物の合成
化学式2で表される化合物(L−アスパラギン酸)50.73g(0.38mol)に水酸化カリウム30ml(50%水溶液)、水酸化カリウム13.94g(0.19mol)および蒸留水70mlを混合して1リットルの三つ口フラスコに投入し、前記フラスコに凝縮器、50mlの等圧滴下ロート、還流凝縮器および磁石攪拌器を取り付けた。1,2−ジブロモエタン28ml(50%水溶液)を注意深く前記フラスコの三つ目の口に添加した後、60℃で加熱して還流させ、ここに水酸化カリウム(24ml、50%水溶液)を、6時間ドロップワイズ(dropwise)を行いながら継続還流させた。前記還流が完了したら、水をフラスコに加えた後、溶液をさらに1時間還流させた。前記還流物を1時間冷却させながら撹拌した後、前記得られた還流物を濃い塩酸でpH3まで酸性化して白色沈殿物を形成させた。前記白色沈殿物を濾過させ、ここに蒸留水(225ml)を添加した後、水酸化ナトリウム(50%水溶液)でpH11に調整した。前記pH11に調整された混合物を塩酸でpH3.5に再調整して沈殿物を形成させ、水で塩酸を洗浄した後、65℃で真空乾燥させた(17.9g、収率30%)。前記化学式2で表される化合物の製造方法はNeal JA.,などによって報告されたことがある(Neal J.A.,Rose N.J.,Inorg Chem,1968,7,2408)。
【0055】
前記得られた化学式3で表される化合物について、融点(Buchi、M−560)、NMR(
1Hと
13C)(JEOL、JNM−LA400)およびIR(AVATAR、360FT−IR)をそれぞれ測定した。
【0056】
融点:215〜217℃(H
2O+MeOH)
1H NMR (400 MHz, D
2O/KOH) δ 2.38-2.50 (m, 2H, CH
2CO
2), 2.62-2.67 (m, 2H, CH
2CO
2), 2.91-3.01 (m, 4H, CH
2CH
2), 3.55-3.58 (m, 2H, CH), (NH and CO
2H not observed at this pH); Anal. Calcd. for C
10H
16N
2O
8; C: 41.10, H: 5.52, N: 9.59%. Found: C: 40.97, H: 5.60, N: 9.64%; IR (KBr, cm
-1): 3530 (νO-H), 3422 (νN-H), 3044, 2807, 1723 (νC=O)
1−2:化学式1で表される酸二無水物の合成
実施例1−1で得られた化学式3で表される化合物4.96g(17mmol)、ピリジン3.18g(35.7mmol)および無水酢酸3.6g(35.7mmol)を、凝縮器と磁石攪拌器が取り付けられた50mlのフラスコに投入し、60℃で24時間反応を行った。反応完了の後、反応物を冷却し、濾過した。前記濾過された濾過物を無水酢酸200mlと精製されたジエチルエーテル200mlで洗浄し、真空状態のオーブンにて40℃で乾燥させた後、無水酢酸100mlで再結晶を行い、化学式1で表される化合物2.48gを得た(収率50%)。
【0057】
前記得られた化学式1で表される化合物について、融点(Buchi、M−560)を測定し、NMR(
1Hと
13C)(JEOL、JNM−LA400)とIR(AVATAR、360FT−IR)をそれぞれ測定した。
【0058】
融点:248〜250℃(Ac
2O)
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 2.01 (s, 3H, -NCOCH
3), 2.12 (s, 3H, -NCOCH
3), 2.83-2.91 (m, 2H, CH
2CO
2), 3.30 (dd, 2H, overlapped signals, CH
2CO
2), 3.65 (bd, 4H, CH
2CH
2), 4.66-4.60 (m, 2H, CH);
13C NMR (100 MHz, d6-DMSO): δ 173.8 (-NCOCH
3), 173.4 (COOCO), 172.9 (COOCO), 59.7 (α-CH), 51.2 (N-CH
2CH
2), 51.0 (N-CH
2CH
2), 37.1 (β-CH
2), 23.3 (-NCOCH
3); Anal. Calcd. for C
14H
16N
2O
8; C: 49.41, H: 4.74, N: 8.23%. Found: C: 49.32, H: 4.80, N: 8.26%; IR (KBr, cm
-1): 2955, 1869, 1790 (νC=O), 1222, 1196, 1075 (C-O-C)
本発明の単純な変形または変更はいずれも、当該分野における通常の知識を有する者によって容易に実施でき、それらの変形または変更もすべて本発明の領域に含まれるものと理解すべきである。