(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ボウイ(防已)又はその抽出物と、アスパラギン酸又はその塩、グルコサミン又はその誘導体、ビタミンB群、ビタミンE及びガンマーオリザノールからなる群より選ばれる1種以上と、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩とを含有し、剤形が固形製剤である組成物。
ボウイ(防已)又はその抽出物と、アスパラギン酸又はその塩、グルコサミン又はその誘導体、ビタミンB群、ビタミンE及びガンマーオリザノールからなる群より選ばれる1種以上とを含有し、剤形が固形製剤である組成物の保存安定化剤であって、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩を有効成分とする保存安定化剤。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の組成物は、ボウイ(防已)又はその抽出物、及びコンドロイチン硫酸エステル又はその塩を含有するものである。
また、別の態様の本発明の組成物は、ボウイ(防已)又はその抽出物と、アスパラギン酸又はその塩等と、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩とを含有するものである。
以下、本発明で用いられるボウイ(防已)又はその抽出物、アスパラギン酸又はその塩等、及びコンドロイチン硫酸エステル又はその塩について説明する。
【0017】
〔ボウイ(防已)〕
ボウイ(防已)は、オオツヅラフジ(Sinomenium acutum Rehder et Wilson(Menispermaceae)のつる性の茎及び根茎である(非特許文献1)。また、ボウイ(防已)は、必要に応じてその形態を調節することができ、小片、小塊に切断若しくは破砕、又は粉末に粉砕して用いてもよい。例えば、ボウイを粉末としたものを「ボウイ末」という。
【0018】
また、ボウイ(防已)又はその抽出物としては、服用しやすさの観点から、ボウイ(防已)の抽出物が好ましい。斯かるボウイ(防已)の抽出物としては、第十六改正日本薬局方製剤総則等に記載の公知の方法に基づき、ボウイ(防已)を適切な大きさとし、これに浸出剤を加えて浸出した液や浸出液を濃縮した液、いわゆる「エキス剤」や「チンキ剤」等が挙げられる。また、これらを乾燥して、固塊、粒状又は粉末等の形状とした、ボウイの浸出液を乾燥して得られる「ボウイ乾燥エキス剤」等を用いてもよい。斯様なボウイ(防已)の抽出物の中でも、固形製剤化の観点から、ボウイ乾燥エキス剤が特に好ましい。
なお、ボウイ(防已)の抽出物は、上述の公知の方法に基づき製することができるが、市販品を用いることもできる。
【0019】
また、上記浸出剤としては、メタノール、エタノール、n−ブタノール等の低級(例えば炭素数1〜7)一価アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の低級(例えば炭素数1〜7)多価アルコール類;ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類;酢酸エチルエステル等のエステル類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲノアルカン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;水等が挙げられる。これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、低級一価アルコール類、エーテル類、ケトン類、これらと水との混液、水単独が好ましく、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、これらと水との混液、水単独がより好ましく、含水エタノールが特に好ましい。
【0020】
本発明の組成物中のボウイ(防已)又はその抽出物の含有量は、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて、1日あたりの服用量を適宜検討して決定すればよいが、1日あたり、原生薬換算して、0.1〜50g服用できる量が好ましく、0.5〜30g服用できる量がより好ましく、1〜10g服用できる量がさらに好ましい。なお、含有量は上述のものに限定されず、性別、年齢、症状等に応じて適宜増減することができる。
【0021】
また、ボウイ(防已)又はその抽出物の含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、0.1〜80質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
【0022】
〔アスパラギン酸又はその塩、グルコサミン又はその誘導体、ビタミンB群、ビタミンE及びガンマーオリザノールからなる群より選ばれる1種以上〕
<アスパラギン酸又はその塩>
本発明において、「アスパラギン酸」としては、L−アスパラギン酸、D−アスパラギン酸のいずれをも用いることができ、さらに、これらの混合物を用いてもよい。本発明においては、L−アスパラギン酸が好ましい。
【0023】
本発明において、「アスパラギン酸の塩」としては、上記「アスパラギン酸」のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩が好ましい。
本発明において、「アスパラギン酸又はその塩」とは、「アスパラギン酸及びその塩よりなる群から選ばれる1種以上」を意味するものであり、アスパラギン酸のフリー体、アスパラギン酸のカリウム塩、アスパラギン酸のカルシウム塩及びアスパラギン酸のマグネシウム塩よりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、アスパラギン酸のカリウム塩及びアスパラギン酸のマグネシウム塩よりなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、アスパラギン酸のカリウム塩及びアスパラギン酸のマグネシウム塩の混合物がさらに好ましく、アスパラギン酸のカリウム塩及びアスパラギン酸のマグネシウム塩の等量混合物(アスパラギン酸カリウム・マグネシウム等量混合物)が特に好ましい。これらのアスパラギン酸やその塩は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0024】
本発明の組成物におけるアスパラギン酸又はその塩の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与用の組成物の場合、1日当たりアスパラギン酸及びその塩よりなる群から選ばれる1種以上を合計で1〜4000mg程度、より好適には5〜800mg程度、さらに好適には10〜400mg程度服用できる量を含有せしめることができる。
【0025】
また、アスパラギン酸又はその塩の含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましい。
また、アスパラギン酸又はその塩とボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対しアスパラギン酸又はその塩が、0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましく、0.5〜3質量部がさらに好ましい。
【0026】
<グルコサミン又はその誘導体>
本発明において、「グルコサミン又はその誘導体」としては、グルコサミン、グルコサミンの誘導体のほかに、これらの塩も挙げられる。グルコサミンの誘導体としては、N−アセチルグルコサミン、N−メチル−L−グルコサミン等が挙げられる。グルコサミン又はその誘導体は、D体、L体又はDL体のいずれであってもよい。
グルコサミン又はその誘導体の塩としては、上記「グルコサミン又はその誘導体」の酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等のモノカルボン酸塩;フマル酸塩、マレイン酸塩等の多価カルボン酸塩;乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等のオキシカルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等の有機スルホン酸塩;塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩等が挙げられる。本発明においては、グルコサミン塩酸塩、グルコサミン硫酸塩が好ましいものとして挙げられる。
これらのグルコサミン又はその誘導体は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0027】
本発明の組成物におけるグルコサミン又はその誘導体の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与用の組成物の場合、1日当たりグルコサミン又はその誘導体よりなる群から選ばれる1種以上を合計で0.1〜2000mg程度、より好適には0.5〜1500mg程度、さらに好適には1〜1000mg程度服用できる量を含有せしめることができる。
【0028】
また、グルコサミン又はその誘導体の含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、0.01〜80質量%が好ましく、0.05〜60質量%がより好ましく、0.1〜50質量%がさらに好ましい。
また、グルコサミン又はその誘導体とボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対しグルコサミン又はその誘導体が、0.001〜60質量部が好ましく、0.005〜45質量部がより好ましく、0.01〜35質量部がさらに好ましい。
【0029】
<ビタミンB群>
本発明において「ビタミンB群」としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9及びビタミンB12が挙げられ、これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
本発明において、「ビタミンB1」には、チアミンそのもののほか、その誘導体(ビスチアミン、チアミンジスルフィド、ジセチアミン、フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、チアミン二リン酸など)及びそれらの塩(硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩などの無機酸塩など)も包含され、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ビスチアミン硝化物、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩、ジセチアミン塩酸塩水和物、フルスルチアミン塩酸塩、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、プロスルチアミン及びベンフォチアミンよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ベンフォチアミンが特に好ましい。これらのビタミンB1は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0031】
本発明の組成物におけるビタミンB1の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与用の組成物の場合、1日当たりビタミンB1を0.1〜1000mg程度、より好適には0.5〜300mg程度、特に好適には1〜200mg程度服用できる量を含有せしめることができる。
【0032】
また、ビタミンB1の含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、0.01〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%がさらに好ましい。
また、ビタミンB1とボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対しビタミンB1が、0.001〜3質量部が好ましく、0.005〜2質量部がより好ましく、0.01〜1質量部がさらに好ましい。
【0033】
本発明において、「ビタミンB2」には、リボフラビンそのもののほか、その誘導体(リボフラビンリン酸エステル、リボフラビン酪酸エステル、フラビンアデニンジヌクレオチドなど)及びそれらの塩(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩など)も包含されるリボフラビン類が挙げられ、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビン、リボフラビンリン酸エステルナトリウム及びリボフラビン酪酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、リボフラビンが特に好ましい。これらのビタミンB2は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0034】
本発明の組成物におけるビタミンB2の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与用の組成物の場合、1日当たりビタミンB2を0.1〜450mg程度、より好適には0.5〜100mg程度、特に好適には1〜50mg程度服用できる量を含有せしめることができる。
【0035】
また、ビタミンB2の含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜3質量%がより好ましく、0.01〜1.5質量%が特に好ましい。
また、ビタミンB2とボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB2が、0.00001〜0.1質量部が好ましく、0.00005〜0.05質量部がより好ましく、0.0001〜0.05質量部がさらに好ましい。
【0036】
本発明において、「ビタミンB3」には、ニコチン酸、ニコチン酸アミドそのもののほか、それらの誘導体(イノシトールヘキサニコチネート、ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド、ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドリン酸、ヘプロニカートなど)及びそれらの塩も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、ニコチン酸及びニコチン酸アミドよりなる群から選ばれる1種以上が好ましい。これらのビタミンB3は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0037】
本発明の組成物におけるビタミンB3の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与用の組成物の場合、1日当たりビタミンB3を1〜600mg程度、より好適には5〜150mg程度、さらに好適には10〜100mg程度服用できる量を含有せしめることができる。
【0038】
また、ビタミンB3の含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜7.5質量%がさらに好ましい。
また、ビタミンB3とボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB3が、0.0001〜0.5質量部が好ましく、0.0005〜0.3質量部がより好ましく、0.001〜0.3質量部がさらに好ましい。
【0039】
本発明において、「ビタミンB5」には、パントテン酸そのもののほか、その誘導体(パンテノール、パンテチン、パンテテイン、補酵素Aなど)及びそれらの塩(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩など)も包含されるパントテン酸類が挙げられ、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、パンテノール、パンテチン、パントテン酸カルシウム及びパントテン酸ナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上が好ましい。これらのビタミンB5は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0040】
本発明の組成物におけるビタミンB5の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与用の組成物の場合、1日当たりビタミンB5を0.5〜300mg程度、より好適には2.5〜100mg程度、特に好適には5〜50mg程度服用できる量を含有せしめることができる。
【0041】
また、ビタミンB5の含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%がさらに好ましい。
また、ビタミンB5とボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB5が、0.0001〜1質量部が好ましく、0.0005〜0.5質量部がより好ましく、0.001〜0.25質量部がさらに好ましい。
【0042】
本発明において、「ビタミンB6」には、ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサールそのもののほか、それらの誘導体(ピリドキサールリン酸エステルなど)及びそれらの塩(カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;塩酸塩などの無機酸塩など)も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、ピリドキシン塩酸塩及びピリドキサールリン酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、塩酸ピリドキシンが特に好ましい。これらのビタミンB6は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0043】
本発明の組成物におけるビタミンB6の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与用の組成物の場合、1日当たりビタミンB6を0.5〜1000mg程度、より好適には1〜500mg程度、特に好適には2.5〜100mg程度服用できる量を含有せしめることができる。
【0044】
また、ビタミンB6の含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜7.5質量%がより好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。
また、ビタミンB6とボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB6が、0.0001〜1質量部が好ましく、0.0005〜0.5質量部がより好ましく、0.001〜0.25質量部がさらに好ましい。
【0045】
本発明において、「ビタミンB7」には、ビオチンそのもののほか、その塩(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩など)も包含される。これらのビタミンB7は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
本発明の組成物におけるビタミンB7の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与用の組成物の場合、1日当たりビタミンB7を1〜5000μg程度、より好適には5〜1000μg程度、特に好適には10〜500μg程度服用できる量を含有せしめることができる。
また、ビタミンB7の含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、0.00001〜0.5質量%が好ましく、0.00005〜0.1質量%がより好ましく、0.0001〜0.05質量%が特に好ましい。
また、ビタミンB7とボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB7が、0.0000001〜0.005質量部が好ましく、0.0000005〜0.001質量部がより好ましく、0.000001〜0.0005質量部がさらに好ましい。
【0046】
本発明において、「ビタミンB9」には、葉酸そのもののほか、その誘導体(ジヒドロ葉酸、テトラヒドロ葉酸など)及びそれらの塩も包含される。本発明においては、葉酸が好ましい。これらのビタミンB9は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
本発明の組成物におけるビタミンB9の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与用の組成物の場合、1日当たりビタミンB9を0.05〜50mg程度、より好適には0.25〜10mg程度、特に好適には0.5〜5mg程度服用できる量を含有せしめることができる。
また、ビタミンB9の含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜1質量%がより好ましく、0.01〜0.5質量%がさらに好ましい。
また、ビタミンB9とボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB9が、0.00001〜0.05質量部が好ましく、0.00005〜0.01質量部がより好ましく、0.0001〜0.005質量部がさらに好ましい。
【0047】
本発明において、「ビタミンB12」には、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミンそのもののほか、それらの誘導体(メコバラミン、デオキシアデノシルコバラミンなど)及びそれらの塩(塩酸塩などの無機酸塩;酢酸塩などの有機酸塩など)も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、ヒドロキソコバラミン塩酸塩、ヒドロキソコバラミン酢酸塩、シアノコバラミン及びヒドロキソコバラミンよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、シアノコバラミンがより好ましい。これらのビタミンB12は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0048】
本発明の組成物におけるビタミンB12の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与用の組成物の場合、1日当たりビタミンB12を0.0001〜50mg程度、より好適には0.0005〜10mg程度、特に好適には0.001〜5mg程度服用できる量を含有せしめることができる。
【0049】
また、ビタミンB12の含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、0.000001〜0.05質量%が好ましく、0.000005〜0.01質量%がより好ましく、0.00001〜0.0075質量%が特に好ましい。
また、ビタミンB12とボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB12が、0.00000001〜0.005質量部が好ましく、0.00000005〜0.001質量部がより好ましく、0.0000001〜0.0005質量部がさらに好ましい。
【0050】
また、上記ビタミンB群の中でも、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6及びビタミンB12よりなる群から選ばれる1種以上であるのが好ましい。
本発明において、ビタミンB群における2種以上の成分を組成物中に含む場合、ビタミンB群の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与用の組成物の場合、1日当たりビタミンB群を0.0001〜3500mg程度、より好適には0.001〜1000mg程度、さらに好適には0.005〜500mg程度服用できる量を含有せしめることができる。
本発明においては、ビタミンB群を組成物全質量に対して0.1〜20質量%含有するのが好ましく、0.5〜15質量%含有するのがより好ましく、1〜10質量%含有するのがさらに好ましい。
また、ビタミンB群とボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB群が、0.001〜10質量部が好ましく、0.005〜5質量部がより好ましく、0.01〜1質量部がさらに好ましい。
【0051】
<ビタミンE>
本発明において、「ビタミンE」には、d−α−トコフェロール、l−α−トコフェロール及びそれらの混合物(dl−α−トコフェロール)そのもののほか、それらの誘導体(トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールコハク酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステルなど)及びそれらの塩(カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩など)も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、d−α−トコフェロールコハク酸エステル、dl−α−トコフェロールコハク酸エステル、dl−α−トコフェロールコハク酸エステルカルシウム、d−α−トコフェロール酢酸エステル、dl−α−トコフェロール酢酸エステル、d−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール及びdl−α−トコフェロールニコチン酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、dl−α−トコフェロールコハク酸エステルカルシウムがさらに好ましい。これらのビタミンEは公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
本発明の組成物におけるビタミンEの含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与用の組成物の場合、1日当たりビタミンEを1〜3000mg程度、より好適には2〜600mg程度、特に好適には5〜300mg程度服用できる量を含有せしめることができる。
【0052】
また、ビタミンEの含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。
また、ビタミンEとボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンEが、0.0001〜5質量部が好ましく、0.0005〜1質量部がより好ましく、0.001〜0.5質量部がさらに好ましい。
【0053】
<ガンマーオリザノール>
本発明において、「ガンマーオリザノール」とは、イネ(Oryza sativa L.)の種皮等から得られ、主としてトリテルペンアルコールのフェルラ酸(3−メトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸)エステルからなるものである。本発明において、ガンマーオリザノールの原料、精製方法、製造方法等は特に限定されないが、医薬部外品原料規格2006に記載のガンマーオリザノールが好ましい。ガンマーオリザノールは公知の成分であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0054】
本発明の組成物におけるガンマーオリザノールの含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状、組成物の投与方法等に応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与用の組成物の場合、1日当たりガンマーオリザノールを0.5〜100mg程度、より好適には2.5〜50mg程度、特に好適には5〜30mg程度服用できる量を含有せしめることができる。
また、ガンマーオリザノールの含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜2.5質量%がより好ましく、0.1〜1質量%がさらに好ましい。
また、ガンマーオリザノールとボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対し、ガンマーオリザノールが、0.0001〜0.5質量部が好ましく、0.0005〜0.1質量部がより好ましく、0.001〜0.05質量部がさらに好ましい。
【0055】
本発明においては、アスパラギン酸又はその塩等として、グルコサミン誘導体又はその塩とビタミンB群の組み合わせ、好ましくはグルコサミン誘導体又はその塩とビタミンB1とを組み合わせると、関節痛を有効に緩和または改善でき、組み合わせとして有用である。また、グルコサミン誘導体又はその塩は、ビタミンB1の安定化にも寄与するため、グルコサミン誘導体又はその塩を本発明の組成物で用いるのはビタミンB1の効能・効果の発揮に有用である。
【0056】
〔コンドロイチン硫酸エステル又はその塩〕
本発明で用いられるコンドロイチン硫酸エステル又はその塩としては、コンドロイチン硫酸エステルのほか、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン等のアルカリ金属、アルカリ土類金属や遷移金属等の金属塩;アンモニウム塩等のコンドロイチン硫酸エステルの塩が挙げられる。塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、中でもナトリウム塩が特に好ましい。
なお、コンドロイチン硫酸エステルは特に限定されないが、例えば、コンドロイチン硫酸A、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸C、コンドロイチン硫酸D、コンドロイチン硫酸E等が挙げられる。
コンドロイチン硫酸エステル又はその塩としては、日本薬局方外 医薬品規格 2002に掲載されている「コンドロイチン硫酸ナトリウム」が特に好ましい。
【0057】
本発明の組成物中のコンドロイチン硫酸エステル又はその塩の含有量は、ボウイ(防已)とアスパラギン酸又はその塩等に由来する固化等の抑制作用及びその薬理作用等に応じて適宜検討して決定すればよいが、1日あたり、5〜5000mg服用できる量を含有するものが好ましく、10〜3000mg服用できる量を含有するものがより好ましく、50〜2000mg服用できる量を含有するものがさらに好ましい。
【0058】
また、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩の含有量としては、本発明の組成物の全質量に対し、1〜99質量%が好ましく、5〜85質量%がより好ましく、10〜80質量%がさらに好ましく、15〜80質量%がさらに好ましく、20〜78質量%が特に好ましい。
また、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩とボウイ(防已)又はその抽出物との含有量の質量比としては、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対し、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩が、0.01〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましく、0.1〜4質量部がより好ましく、1〜4質量部がさらに好ましい。
【0059】
本発明の組成物は、ボウイ(防已)又はその抽出物、アスパラギン酸又はその塩等、及びコンドロイチン硫酸エステル又はその塩を混合(好ましくは全体として均質に存在せしめる)することにより製することができる。本発明の組成物を医薬用途に適した医薬組成物とするには、例えば、第十六改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法にしたがうことにより製することができ、さらには、適宜製剤添加物を用いることにより、種々の剤形に製剤化することができる。
【0060】
また、本発明の組成物の剤形は特に限定されないが、服用の簡便性や薬物服用量の管理等の観点から、固形製剤が好ましい。固形製剤の具体例としては、例えば、錠剤(口腔内崩壊錠、チュアブル錠、分散錠、溶解錠、トローチ剤、舌下錠、バッカル錠、付着錠、ガム剤等の口腔用錠剤も含む)、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、ドライシロップ剤、経口ゼリー剤等の経口投与製剤が挙げられるが、経口固形製剤が好ましい。また、本発明の医薬組成物は、公知の方法により、糖衣やフィルムコーティング等により、被覆されていてもよい。
【0061】
本発明の組成物には、上記ボウイ(防已)又はその抽出物、アスパラギン酸又はその塩等、及びコンドロイチン硫酸エステル又はその塩以外の成分、例えば、解熱鎮痛剤、ビタミン類、代謝賦活成分・アミノ酸成分、抗炎症剤、生薬類、カフェイン類、アミノ糖、ω−3脂肪酸等からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含んでいてもよい。
【0062】
解熱鎮痛剤としては、例えば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、イソプロピルアンチピリン、イブプロフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、サリチル酸ナトリウム、チアラミド塩酸塩、ラクチルフェネチジン、ロキソプロフェンナトリウム水和物等が挙げられる。
【0063】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類(例えば、レチノール酢酸エステル、レチノールパルミチン酸エステル、ビタミンA油、肝油、強肝油、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヘスペリジン等)等が挙げられる。
【0064】
代謝賦活成分・アミノ酸成分としては、例えば、アルギニン、アルギニン塩酸塩、アミノエチルスルホン酸、リジン、リジン塩酸塩、メチオニン、システイン、システイン塩酸塩、オロチン酸、ガンマ−オリザノール、グルクロン酸、グルクロン酸アミド、グルクロノラクトン、イノシトール、イノシトールヘキサニコチネート、カルニチン塩化物、ヘプロニカート、アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物、メチルスルホニルメタン、コラーゲン等が挙げられる。
【0065】
抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩類(例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等)、セアプローゼ、セミアルカリプロティナーゼ、セラペプターゼ、トラネキサム酸、プロクターゼ、プロナーゼ、ブロメライン等が挙げられる。
【0066】
生薬類としては、例えば、アカメガシワ(赤芽柏)、アセンヤク(阿仙薬)、インヨウカク(淫羊霍)、ウイキョウ(茴香)、ウコン(鬱金)、エンゴサク(延胡索)、エンメイソウ(延命草)、オウゴン(黄岑)、オウセイ(黄精)、オウバク(黄柏)、オウヒ(桜皮)、オウレン(黄連)、オンジ(遠志)、カコウタイサン(加工大蒜)、ガジュツ(我朮)、カノコソウ(鹿子草)、カミツレ、カロニン(か楼仁)、カンゾウ(甘草)、キキョウ(桔梗)、キョウニン(杏仁)、クコシ(枸杞子)、クコヨウ(枸杞葉)、ケイガイ(荊芥)、ケイヒ(桂皮)、ケツメイシ(決明子)、ゲンチアナ、ゲンノショウコ(現証拠)、コウブシ(香附子)、ゴオウ(牛黄)、ゴミシ(五味子)、サイシン(細辛)、サンショウ(山椒)、シオン(紫苑)、ジコッピ(地骨皮)、シャクヤク(芍薬)、ジャコウ(麝香)、シャジン(沙参)、シャゼンシ(車前子)、シャゼンソウ(車前草)、獣胆(ユウタン(熊胆)を含む)、ショウキョウ(生姜)、ジリュウ(地竜)、シンイ(辛夷)、セキサン(石蒜)、セネガ、センキュウ(川きゅう)、ゼンコ(前胡)、センブリ(千振)、ソウジュツ(蒼朮)、ソウハクヒ(桑白皮)、ソヨウ(蘇葉)、タイサン(大蒜)、チクセツニンジン(竹節人参)、チョウジ(丁子)、チンピ(陳皮)、トウキ(当帰)、トコン(吐根)、ナンテンジツ(南天実)、ニンジン(人参)、バイモ(貝母)、バクモンドウ(麦門冬)、ハッカ(薄荷)、ハンゲ(半夏)、バンコウカ(番紅花)、ハンピ(反鼻)、ビャクシ(白し)、ビャクジュツ(白朮)、ブクリョウ(茯苓)、ボタンピ(牡丹皮)、ボレイ(牡蠣)、マオウ(麻黄)、ロクジョウ(鹿茸)、ローヤルゼリー等の生薬及びこれらの抽出物(エキス、チンキ、乾燥エキス等)等が挙げられる。
【0067】
カフェイン類としては、例えば、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン水和物、無水カフェイン等が挙げられる。
【0068】
ω−3脂肪酸としては、例えば、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等やこれらω−3脂肪酸を含有する紫蘇油、亜麻仁油、魚油等が挙げられる。
【0069】
これらボウイ(防已)又はその抽出物、アスパラギン酸又はその塩等、及びコンドロイチン硫酸エステル又はその塩以外の成分を用いる場合、その含有量は、通常、本発明の組成物の全質量に対し、0.001〜90質量%であり、好ましくは0.001〜85質量%である。また、ボウイ(防已)又はその抽出物、アスパラギン酸又はその塩等、及びコンドロイチン硫酸エステル又はその塩以外の成分と、ボウイ(防已)又はその抽出物との含有比は、ボウイ(防已)又はその抽出物を原生薬換算した1質量部に対し、通常、上記他の成分が0.0001〜10質量部となる範囲であるが、好ましくは0.0001〜5質量部となる範囲である。
【0070】
本発明の医薬組成物は、ボウイ(防已)又はその抽出物、アスパラギン酸又はその塩等、及びコンドロイチン硫酸エステル又はその塩を含有することから、筋肉痛、神経痛、関節痛、腰痛症、肩関節周囲炎(五十肩)等の治療薬等として用いられる。その効能・効果として、神経痛、筋肉痛・関節痛(腰痛、肩こり、五十肩など)等が挙げられることから、上記ボウイ(防已)又はその抽出物、アスパラギン酸又はその塩等、及びコンドロイチン硫酸エステル又はその塩以外の成分の中でも、アセトアミノフェン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン、エテンザミド、ロキソプロフェンナトリウム水和物等の解熱鎮痛剤;アミノエチルスルホン酸、ヘプロニカート、メチルスルホニルメタン、コラーゲン等の代謝賦活成分・アミノ酸成分;生薬類;アミノ糖;ω−3脂肪酸等の成分が好ましいものとして挙げられる。
【0071】
また、本発明の保存安定化剤を用いれば、ボウイ(防已)又はその抽出物含有組成物を安定化できる。さらに、本発明の保存安定化剤は、ボウイ(防已)又はその抽出物、及びアスパラギン酸又はその塩等含有の組成物を安定化できる。斯かる保存安定化剤の使用量は、ボウイ(防已)又はその抽出物1質量部に対し、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩が、0.01〜10質量部となる量が好ましく、0.01〜5質量部となる量がより好ましく、0.1〜4質量部となる量がさらに好ましい。なお、ボウイ(防已)又はその抽出物含有組成物は、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩を含まないこと以外は本願発明の組成物と同様である。
【実施例】
【0072】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0073】
試験例1 保存試験(1)
試料として、原生薬ボウイ(防已)500質量部から40質量部として抽出したボウイ乾燥エキス剤(アルプス薬品工業株式会社製;製品名 ボウイ乾燥エキス)を用いた。この乾燥エキス剤1質量部をガラス瓶に入れ、60℃で保存した(参考例1)。
また、上記ボウイ乾燥エキス剤1.15質量部及びコンドロイチン硫酸ナトリウム(株式会社マルハニチロ製;製品名 局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム)3.85質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(実施例1)。
保存開始直後及び1週間後のガラス瓶内各々の状態を評価し、結果を表1に示した。
【0074】
【表1】
【0075】
表1から明らかなように、ボウイ乾燥エキス剤を単独で60℃で保存すると、1週間後には固化することがわかった(参考例1)。
一方、ボウイ乾燥エキス剤及びコンドロイチン硫酸ナトリウムを混合物の状態で保存すると、その状態に変化は生じなかった(実施例1)。
これにより、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩は、ボウイ(防已)又はその抽出物の保存安定性改善に寄与することが判明した。
【0076】
試験例2 保存試験(2)
試験例1と同様のボウイ乾燥エキス剤(アルプス薬品工業株式会社製;製品名 ボウイ乾燥エキス)3.12質量部及びベンフォチアミン(米沢浜理薬品工業株式会社製;製品名 ベンフォチアミン)1.88質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(参考例2)。
また、ボウイ乾燥エキス剤3.03質量部、ベンフォチアミン1.83質量部及びコンドロイチン硫酸ナトリウム10.14質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(実施例2)。
【0077】
同様にボウイ乾燥エキス剤240質量部及びベンフォチアミン145質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(参考例3)。
また、ボウイ乾燥エキス剤240質量部、ベンフォチアミン145質量部及びコンドロイチン硫酸ナトリウム800質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(実施例3)。
【0078】
同様にボウイ乾燥エキス剤4.06質量部及びトコフェロールコハク酸エステルカルシウム(タマ生化学株式会社製;製品名 コハク酸トコフェロールCA(タマ生))0.94質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(参考例4)。
また、ボウイ乾燥エキス剤3.3質量部、トコフェロールコハク酸エステルカルシウム0.75質量部及びコンドロイチン硫酸ナトリウム10.95質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(実施例4)。
保存開始直後及び1週間後のガラス瓶内各々の状態を評価し、結果を表2に示した。
【0079】
【表2】
【0080】
表2から明らかなように、ボウイ乾燥エキス剤及びベンフォチアミンを混合物の状態で保存すると、1週間後には混合物が固化することがわかった(参考例2及び3)。試験例1の結果と併せて考察すると、ベンフォチアミンはボウイ乾燥エキス剤の保存安定性改善には寄与しないことがわかる。
一方、ボウイ乾燥エキス剤、ベンフォチアミンに加えて、コンドロイチン硫酸ナトリウムを混合したものは、その状態に変化が生じなかった(実施例2及び3)。
したがって、コンドロイチン硫酸ナトリウムは、ボウイ(防已)抽出物とベンフォチアミンの配合変化を抑制することが判明した。
【0081】
また、ボウイ乾燥エキス剤及びトコフェロールコハク酸エステルカルシウムを混合物の状態で保存すると、1週間後には混合物は固化することがわかった(参考例4)。試験例1の結果と併せて考察すると、トコフェロールコハク酸エステルカルシウムはボウイ乾燥エキス剤の保存安定性には寄与しないことがわかる。
一方、ボウイ乾燥エキス剤、トコフェロールコハク酸エステルカルシウムに加えて、コンドロイチン硫酸ナトリウムを混合したものは、その状態に変化が生じなかった(実施例4)。
したがって、コンドロイチン硫酸ナトリウムは、ボウイ(防已)抽出物とトコフェロールコハク酸エステルカルシウムの配合変化を抑制することが判明した。
【0082】
試験例3 保存試験(3)
試験例1と同様のボウイ乾燥エキス剤(アルプス薬品工業株式会社製;製品名 ボウイ乾燥エキス)2.2質量部及びグルコサミン塩酸塩(甲陽ケミカル株式会社製;製品名 コーヨーグルコサミンMG)2.8質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(参考例5)。
また、ボウイ乾燥エキス剤2.28質量部、グルコサミン塩酸塩0.12質量部及びコンドロイチン硫酸ナトリウム7.6質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(実施例5)。
保存開始直後及び1週間後のガラス瓶内各々の状態を評価し、結果を表3に示した。
【0083】
【表3】
【0084】
表3から明らかなように、ボウイ乾燥エキス剤及びグルコサミン塩酸塩を混合物の状態で保存すると、1週間後には混合物が固化することがわかった(参考例5)。試験例1の結果と併せて考察すると、グルコサミン塩酸塩はボウイ乾燥エキス剤の保存安定性改善には寄与しないことがわかる。
一方、ボウイ乾燥エキス剤、グルコサミン塩酸塩に加えて、コンドロイチン硫酸ナトリウムを混合したものは、その状態に変化が生じなかった(実施例5)。
したがって、コンドロイチン硫酸ナトリウムは、ボウイ(防已)抽出物とグルコサミン塩酸塩の配合変化を抑制することが判明した。
【0085】
試験例4 保存試験(4)
試験例1と同様のボウイ乾燥エキス剤(アルプス薬品工業株式会社製;製品名 ボウイ乾燥エキス)240質量部及びシアノコバラミン(DSMニュートリションジャパン株式会社製;製品名 シアノコバラミン)0.06質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(参考例6)。
また、ボウイ乾燥エキス剤240質量部、シアノコバラミン0.06質量部及びコンドロイチン硫酸ナトリウム800質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(実施例6)。
保存開始直後及び1週間後のガラス瓶内各々の状態を評価し、結果を表4に示した。
【0086】
試験例5 保存試験(5)
試験例1と同様のボウイ乾燥エキス剤(アルプス薬品工業株式会社製;製品名 ボウイ乾燥エキス)240質量部及びL−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム(アルプス薬品工業株式会社製;製品名 L−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム)400質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(参考例7)。
また、ボウイ乾燥エキス剤240質量部、L−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム400質量部及びコンドロイチン硫酸ナトリウム800質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(実施例7)。
保存開始直後及び1週間後のガラス瓶内各々の状態を評価し、結果を表4に示した。
【0087】
試験例6 保存試験(6)
試験例1と同様のボウイ乾燥エキス剤(アルプス薬品工業株式会社製;製品名 ボウイ乾燥エキス)240質量部及びパントテン酸カルシウム(第一ファインケミカル株式会社製;製品名 パントテン酸カルシウム)30質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(参考例8)。
また、ボウイ乾燥エキス剤240質量部、パントテン酸カルシウム30質量部及びコンドロイチン硫酸ナトリウム800質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(実施例8)。
保存開始直後及び1週間後のガラス瓶内各々の状態を評価し、結果を表4に示した。
【0088】
試験例7 保存試験(7)
試験例1と同様のボウイ乾燥エキス剤(アルプス薬品工業株式会社製;製品名 ボウイ乾燥エキス)240質量部及びガンマ−オリザノール(株式会社岡安商店製;製品名ガンマ−オリザノール)10質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(参考例9)。
また、ボウイ乾燥エキス剤240質量部、ガンマ−オリザノール10質量部及びコンドロイチン硫酸ナトリウム800質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(実施例9)。
保存開始直後及び1週間後のガラス瓶内各々の状態を評価し、結果を表4に示した。
【0089】
試験例8 保存試験(8)
試験例1と同様のボウイ乾燥エキス剤(アルプス薬品工業株式会社製;製品名 ボウイ乾燥エキス)240質量部及びリボフラビン(BASFジャパン株式会社製;製品名 V.B2(BASF))12質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(参考例10)。
また、ボウイ乾燥エキス剤240質量部、リボフラビン12質量部及びコンドロイチン硫酸ナトリウム800質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(実施例10)。
保存開始直後及び1週間後のガラス瓶内各々の状態を評価し、結果を表4に示した。
【0090】
試験例9 保存試験(9)
試験例1と同様のボウイ乾燥エキス剤(アルプス薬品工業株式会社製;製品名 ボウイ乾燥エキス)240質量部及びピリドキシン塩酸塩(BASFジャパン株式会社製;製品名 V.B6塩酸塩)50質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(参考例11)。
また、ボウイ乾燥エキス剤240質量部、ピリドキシン塩酸塩50質量部及びコンドロイチン硫酸ナトリウム800質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(実施例11)。
保存開始直後及び1週間後のガラス瓶内各々の状態を評価し、結果を表4に示した。
【0091】
試験例10 保存試験(10)
試験例1と同様のボウイ乾燥エキス剤(アルプス薬品工業株式会社製;製品名 ボウイ乾燥エキス)240質量部及びニコチン酸アミド(ロンザジャパン株式会社製;製品名 ニコチン酸アミド)60質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(参考例12)。
また、ボウイ乾燥エキス剤240質量部、ニコチン酸アミド60質量部及びコンドロイチン硫酸ナトリウム800質量部を混合してガラス瓶に入れ、60℃で保存した(実施例12)。
保存開始直後及び1週間後のガラス瓶内各々の状態を評価し、結果を表4に示した。
【0092】
【表4】
【0093】
表4から明らかなように、シアノコバラミン(参考例6)、L−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム(参考例7)、パントテン酸カルシウム(参考例8)、ガンマ−オリザノール(参考例9)、リボフラビン(参考例10)、ピリドキシン塩酸塩(参考例11)及びニコチン酸アミド(参考例12)のうちいずれかとボウイ乾燥エキス剤を混合物の状態で保存すると、1週間後には混合物が固化することがわかった。試験例1の結果と併せて考察すると、シアノコバラミン、L−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム、パントテン酸カルシウム、ガンマ−オリザノール、リボフラビン、ピリドキシン塩酸塩、ニコチン酸アミドは、ボウイ乾燥エキス剤の保存安定性改善には寄与しないことがわかる。
一方、シアノコバラミン、L−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム、パントテン酸カルシウム、ガンマ−オリザノール、リボフラビン、ピリドキシン塩酸塩及びニコチン酸アミドのうちいずれかとボウイ乾燥エキスに加えて、コンドロイチン硫酸ナトリウムを混合したものは、その状態に変化が生じなかった(実施例6〜12)。
したがって、コンドロイチン硫酸ナトリウムは、ボウイ(防已)抽出物とシアノコバラミン、L−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム、パントテン酸カルシウム、ガンマ−オリザノール、リボフラビン、ピリドキシン塩酸塩及びニコチン酸アミドのうちいずれかとの配合変化を抑制することが判明した。
【0094】
試験例11 鎮痛試験
本発明の組成物に含まれるボウイ(防已)又はその抽出物、及びコンドロイチン硫酸ナトリウム又はその塩の鎮痛効果について、検討した。
被験薬物であるボウイ乾燥エキス剤(試験例1と同じもの)及びコンドロイチン硫酸ナトリウムを所定の濃度(w/v)になるように20w/v%酵母液に懸濁させて、検体1〜3を調製した。
一晩絶食した5週齢のSlc:Wistar/ST雄性ラットを1群5匹に群分けし、各群ラットの右後肢足の疼痛閾値をPressure Analgesy Meterで測定した後、右後肢足蹠に20w/v%酵母液を0.1mL皮下投与して炎症を惹起させた。検体1〜3を群分けしたラットの炎症惹起部位に惹起と同時に投与して、この後5時間の疼痛閾値を測定した。結果を表5に示した。
【0095】
対照:20w/v%酵母液
検体1:コンドロイチン硫酸ナトリウム1w/v%懸濁液
検体2:ボウイ乾燥エキス3w/v%懸濁液
検体3:コンドロイチン硫酸ナトリウム1w/v%+ボウイ乾燥エキス3w/v%懸濁液
【0096】
【表5】
【0097】
表5から明らかなように、酵母誘発の炎症に伴う疼痛閾値は、コンドロイチン硫酸ナトリウム単独投与群(検体1)及びボウイ乾燥エキス単独投与群(検体2)のいずれも、対照と同様に疼痛閾値は低下した。
一方、コンドロイチン硫酸ナトリウムとボウイ乾燥エキスを組み合わせた投与群(検体3)は、疼痛閾値の低下を有意に抑制した。
したがって、ボウイ(防已)又はその抽出物とコンドロイチン硫酸エステル又はその塩との組み合わせは、優れた鎮痛作用を示すことが判明した。
【0098】
製造例1
ボウイ乾燥エキス剤240質量部(原生薬換算で3000質量部)、コンドロイチン硫酸ナトリウム800質量部、結晶セルロース216質量部、クロスポビドン192質量部及びステアリン酸マグネシウム20質量部を混合した。次いで、混合物にヒドロキシプロピルセルロース72質量部を溶解したエタノール溶液を噴霧して練合し、整粒して、打錠用顆粒を得た。得られた打錠用顆粒を打錠して、6錠中、ボウイ乾燥エキス240mg、コンドロイチン硫酸ナトリウム800mgを服用可能な錠剤を得た。
【0099】
製造例2
ヒプロメロース80質量部、200質量部のマグロゴール6000、含水二酸化ケイ素10質量部を精製水243.2質量部に溶解させ、これに酸化チタン10質量部を分散させて、フィルムコーティング液を調製した。コーティング装置を用いて、前述のコーティング液を噴霧し、製造例1で得た錠剤(素錠)に10mgのフィルム層を有するフィルムコーティング錠を得た。
【0100】
製造例3
コンドロイチン硫酸ナトリウム800質量部を1560質量部に変えた以外は、製造例1と同様にして、6錠中、ボウイ乾燥エキス240mg、コンドロイチン硫酸ナトリウム800mgを服用可能な錠剤を得た。
【0101】
製造例4
製造例2と同様にして、製造例3で得た錠剤(素錠)に10mgのフィルム層を有するフィルムコーティング錠を得た。
【0102】
製造例5
ボウイ乾燥エキス剤240質量部(原生薬換算で3000質量部)、ベンフォチアミン145.2質量部、コンドロイチン硫酸ナトリウム800質量部、シアノコバラミン0.063質量部、グルコサミン塩酸塩1000質量部を混合した。次いで、混合物にヒドロキシプロピルセルロース72質量部を溶解したエタノール溶液を噴霧して練合して、造粒物を得た。得られた造粒物にトコフェロールコハク酸エステルカルシウム55.4質量部、結晶セルロース216質量部、クロスポビドン192質量部及びステアリン酸マグネシウム30質量部を混合して、打錠用顆粒を得た。得られた打錠用顆粒を打錠して、6錠中、ボウイ乾燥エキス240mg及びコンドロイチン硫酸ナトリウム800mgを服用可能な錠剤を得た。
【0103】
製造例6
製造例2と同様にして、製造例5で得た錠剤(素錠)に10mgのフィルム層を有するフィルムコーティング錠を得た。
【0104】
製造例7
ボウイ乾燥エキス剤240質量部(原生薬換算で3000質量部)、ベンフォチアミン145.2質量部、コンドロイチン硫酸ナトリウム800質量部、シアノコバラミン0.063質量部、グルコサミン塩酸塩500質量部、ヘプロニカート100質量部を混合した。次いで、混合物にヒドロキシプロピルセルロース72質量部を溶解したエタノール溶液を噴霧して練合して、造粒物を得た。得られた造粒物にトコフェロールコハク酸エステルカルシウム55.4質量部、結晶セルロース216質量部、クロスポビドン192質量部及びステアリン酸マグネシウム30質量部を混合して、打錠用顆粒を得た。得られた打錠用顆粒を打錠して、6錠中、ボウイ乾燥エキス240mg及びコンドロイチン硫酸ナトリウム800mgを服用可能な錠剤を得た。
【0105】
製造例8
製造例2と同様にして、製造例7で得た錠剤(素錠)に10mgのフィルム層を有するフィルムコーティング錠を得た。