(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、窒素吸着比表面積(JIS K 6217−2:2001に準拠する。)が124m2/g以上180m2/g以下、且つDBP吸収量(JIS K 6217−4:2008に準拠する。)が125cm3/100g以上200cm3/100g以下であるカーボンブラック(B)を100質量%で含有する充填材(B’)、及び加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を配合してなるゴム組成物の製造方法であって、
該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該カーボンブラック(B)の全部又は一部、及び該化合物(C)を加えて混練し、混練する際の該第一段階におけるゴム組成物の最高温度が、140〜190℃であることを特徴とするゴム組成物の製造方法。
前記化合物(C)が、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、チオウレア類、ジチオカルバミン酸塩類及びキサントゲン酸塩類から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
前記スルフェンアミド類が、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項2又は3に記載のゴム組成物の製造方法。
前記チアゾール類が、2−メルカプトベンゾチアゾール、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド及びジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項2又は3に記載のゴム組成物の製造方法。
前記チオウレア類が、チオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジメチルチオ尿素から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項2又は3に記載のゴム組成物の製造方法。
前記ジチオカルバミン酸塩類が、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛及びジメチルジチオカルバミン酸銅から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項2又は3に記載のゴム組成物の製造方法。
天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、窒素吸着比表面積(JIS K 6217−2:2001に準拠する。)が124m2/g以上180m2/g以下、且つDBP吸収量(JIS K 6217−4:2008に準拠する。)が125cm3/100g以上200cm3/100g以下であるカーボンブラック(B)を100質量%で含有する充填材(B’)、及び加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を配合してなるゴム組成物の製造方法であって、
該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該カーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後に、該化合物(C)を加えて、さらに混練し、混練する際の該第一段階における該ゴム組成物の最高温度が、140〜190℃であることを特徴とするゴム組成物の製造方法。
天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、窒素吸着比表面積(JIS K 6217−2:2001に準拠する。)が124m2/g以上180m2/g以下、且つDBP吸収量(JIS K 6217−4:2008に準拠する。)が125cm3/100g以上200cm3/100g以下であるカーボンブラック(B)を100質量%で含有する充填材(B’)、及び加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を配合してなるゴム組成物の製造方法であって、
該ゴム組成物を3段階以上の混練段階で混練し、混練の第一段階(X)で該ゴム成分(A)、該カーボンブラック(B)の全部又は一部を混練し、混練の第二段階以降で且つ最終段階より前の段階(Y)で該化合物(C)を加えて混練し、混練の最終段階(Z)で加硫剤を加えて混練するとともに、前記第一段階(X)において混練する際の、ゴム組成物の最高温度が、140〜190℃であることを特徴とするゴム組成物の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物の製造方法の第1の態様は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、窒素吸着比表面積(JIS K 6217−2:2001に準拠する。)が110m
2/gを超え、且つDBP吸収量(JIS K 6217−4:2008に準拠する。)が80cm
3/100g以上であるカーボンブラック(B)を70質量%より多く含有する充填材(B')、及び加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を配合してなるゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該カーボンブラック(B)の全部又は一部、及び該化合物(C)を加えて混練することを特徴とする。
本発明において、混練の第一段階で化合物(C)を加えて混練するのは、カーボンブラックの分散性を向上して補強性を高めることにより、ゴム組成物の低発熱性を高める(ヒステリシスロスを低減する)と共に耐摩耗性を向上させるためである。
【0008】
本発明のゴム組成物の製造方法の第1の態様は、混練の第一段階において、ゴム成分(A)及びカーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後に化合物(C)を加えて、さらに混練することが好ましい。これにより、カーボンブラック(B)の分散性をさらに高めて、より低発熱性の向上したゴム組成物を得ることができる。
【0009】
混練の第一段階でゴム成分(A)及びカーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後に、該第一段階の途中で該化合物(C)を加える場合は、ゴム成分(A)及びカーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後に、該第一段階の途中で該化合物(C)を加えるまでの時間を10〜300秒とすることが好ましく、10〜180秒とすることがより好ましく、30〜180秒とすることが更に好ましく、30〜150秒とすることが更により好ましく、30〜120秒とすることが特に好ましい。この時間が10秒以上であればカーボンブラック(B)のゴム成分(A)中の分散性をより良好にすることができる。この時間が300秒を超えてもカーボンブラック(B)のゴム成分(A)中の分散は十分に進行しているので、更なる効果は享受しにくく、上限値を300秒とすることが好ましく、この観点から上限値を180秒とすることがより好ましい。
上記の時間を10〜300秒とするためには、例えば、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が150℃以上の場合は、ゴム組成物の最高温度が140℃になった時に化合物(C)を加え、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が150℃未満の場合は、ゴム組成物の最高温度より10℃低い温度になった時に化合物(C)を加えればよい。
【0010】
本発明におけるゴム組成物の混練工程は、化合物(C)を除くその他の加硫促進剤を配合しない混練の第一段階と、加硫剤を配合する混練の最終段階の少なくとも2つの段階を含むものであり、必要に応じ、化合物(C)を除くその他の加硫剤等を配合しない混練の中間段階を含んでもよい。
【0011】
また、本発明のゴム組成物の製造方法の第2の態様は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、窒素吸着比表面積(JIS K 6217−2:2001に準拠する。)が110m
2/gを超え、且つDBP吸収量(JIS K 6217−4:2008に準拠する。)が80cm
3/100g以上であるカーボンブラック(B)を70質量%より多く含有する充填材(B')、及び加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を配合してなるゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を3段階以上の混練段階で混練し、混練の第一段階(X)で該ゴム成分(A)、該カーボンブラック(B)の全部又は一部を混練し、混練の第二段階以降でかつ最終段階より前の段階(Y)で該化合物(C)を加えて混練し、混練の最終段階(Z)で加硫剤を加えて混練することを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の態様において、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)及び該カーボンブラック(B)の全部又は一部を混練りした後、混練の第二段階以降でかつ最終段階より前の段階(Y)で該化合物(C)を加えて混練するのは、カーボンブラック(B)がゴム成分(A)中で十分分散してから、カーボンブラック(B)の表面官能基と化合物(C)とが反応することができ、カーボンブラックの補強性を更に高めることができるからである。これにより、ゴム組成物の低発熱性をより高くする(ヒステリシスロスを低減する)ことができる。
なお、混練の第二段階で、ゴム組成物にカーボンブラックの一部を加える(混練の第一段階と第二段階とに、カーボンブラックを分割投入する)ことは、カーボンブラック(B)の分散性を高める観点からは好ましい。但し、混練の第二段階にカーボンブラックの大部分を加えるのは、カーボンブラック(B)の分散性が向上しない場合がある。
【0013】
本発明の第1の態様及び第2の態様における混練の第一段階とは、ゴム成分(A)とカーボンブラック(B)とを混練する最初の段階をいい、最初の段階でゴム成分(A)とカーボンブラック(B)以外の充填材とを混練する場合やゴム成分(A)のみを予備練りする場合の段階(例えば、天然ゴムの素練り段階)は含まれない。
【0014】
上記のカーボンブラックの補強性を高め、ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を向上させるためには、上記第1の態様及び第2の態様において、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が、140〜190℃であることが好ましく、145〜180℃であることがより好ましく、150〜175℃であることがさらに好ましい。
また、混練の第一段階における混練時間が、1〜15分であることが好ましく、1〜12分であることがより好ましく、1〜9分であることがさらに好ましく、生産性の観点から1〜6分であることが特に好ましい。混練時間が1分以上であれば、カーボンブラックの補強性を良好にすることができ、混練時間が15分以下であれば、ゴム成分(A)の過度の分子量低下を招くことがないからである。
【0015】
上記のカーボンブラックの補強性を高め、ゴム組成物の低発熱性を向上させるためには、本発明の第2の態様に係る混練の第二段階以降でかつ最終段階より前の段階(Y)でのゴム組成物の最高温度が、130〜190℃であることが好ましく、140〜190℃であることがより好ましく、140〜180℃であることがさらに好ましく、145〜175℃であることが特に好ましい。
また、混練の第二段階における混練時間が、1〜15分であることが好ましく、1〜12分であることがより好ましく、1〜9分であることがさらに好ましく、生産性の観点から1〜6分であることが特に好ましい。混練時間が1分以上であれば、カーボンブラックの補強性を良好にすることができ、混練時間が15分以下であれば、ゴム成分(A)の過度の分子量低下を招くことがないからである。
【0016】
本発明の第2の態様におけるゴム組成物の混練工程は、ゴム成分(A)及びカーボンブラック(B)を含む充填材を含み、化合物(C)を配合しない混練の第一段階と、化合物(C)を配合し、化合物(C)を除くその他の加硫促進剤を配合しない混練の第二段階以降でかつ最終段階より前の段階(Y)と、加硫剤を配合する混練の最終段階の少なくとも3つの段階を含むものであり、必要に応じ、段階(Y)以外に、加硫剤を配合しない他の混練の中間段階を含んでもよい。本発明に係るゴム組成物の混練段階は、3〜8段階を含むのが好ましく、3〜6段階を含むのがより好ましく、3〜5段階を含むのが更に好ましい。混練段階が多過ぎると、ゴム組成物の生産性が低下することとなる。
【0017】
[ゴム成分(A)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるゴム成分(A)は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなる。ここで、合成ジエン系ゴムとしては、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、イソブチレンとパラメチルスチレンとの共重合体のハロゲン化物等)、エチレン-プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム(EBR)、プロピレン−ブタジエン共重合体ゴム(PBR)等を用いることができる。天然ゴム及び合成ジエン系ゴムは、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
本発明においては、乗用車及び軽自動車用空気入りタイヤのトレッド部、特に、トレッド接地部に用いる観点から、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム40〜100質量%と、天然ゴム、ポリブタジエンゴム及びポリイソプレンゴムから1種以上選ばれる合成ジエン系ゴム60〜0質量%とからなるゴム成分(A)が好ましく、重車両用空気入りタイヤ(特に、トラック・バス用空気入りタイヤ)のトレッド部、特に、トレッド接地部に用いる観点から、天然ゴム40〜100質量%と、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム及びスチレン-ブタジエン共重合体ゴムから1種以上選ばれる合成ジエン系ゴム60〜0質量%とからなるゴム成分(A)が好ましい。
【0018】
[充填材(B’)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる充填材(B’)はカーボンブラック(B)のみからなることが好ましいが、所望により、充填材(B’)として、カーボンブラック(B)に加えて、シリカ、水酸化アルミニウムなどの無機充填材を本発明の課題の解決に反しない範囲で使用することができる。
ゴム組成物の低発熱性と耐摩耗性とを両立させる観点から、本発明に係るゴム組成物が、充填材(B’)全量中、カーボンブラック(B)を70質量%より多く含有することが好ましく、80質量%以上含有することがより好ましく、カーボンブラック(B)100質量%であることが更に好ましい。本発明に係る充填材(B’)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜180質量部使用することが好ましい。
【0019】
[カーボンブラック(B)]
本発明に係るゴム組成物の製造方法に用いられるカーボンブラック(B)は、カーボンブラックの低発熱性と耐摩耗性とを両立させる観点から、窒素吸着比表面積(JIS K 6217−2:2001に準拠する。)が110m
2/gを超えることを要する。カーボンブラックの補強性を確保する観点から窒素吸着比表面積は110m
2/gを超え且つ180m
2/g以下であることが好ましく、112〜170m
2/gであることがさらに好ましい。
また、本発明に係るゴム組成物の製造方法に用いられるカーボンブラック(B)は、耐摩耗性改良の観点から、DBP吸収量(ジブチルフタレート吸収量、JIS K 6217−4:2008に準拠する。)が80cm
3/100g以上であることを要し、80〜200cm
3/100gであることが好ましく、90〜200cm
3/100gであることがより好ましく、110〜180cm
3/100gであることがさらに好ましい。
カーボンブラック(B)として、具体的には、ISAF(N220)、ISAF−HS(N234)、SAF(N110)、SAF−HS等が好適に挙げられる。
【0020】
カーボンブラック(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るカーボンブラック(B)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜150質量部使用することが好ましい。20質量部以上であれば、ゴムの補強性を確保する観点から好ましく、150質量部以下であれば、低発熱性の向上(ヒステリシスロスの低減)の観点から好ましい。さらには、30〜110質量部使用することがより好ましい。
【0021】
[化合物(C)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる化合物(C)は、加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、チオウレア類、ジチオカルバミン酸塩類及びキサントゲン酸塩類から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
【0022】
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるスルフェンアミド類としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−プロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−2−エチルヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジメチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジオクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ−2−エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。これらの内、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドは、カーボンブラックとの反応性が高いので好ましい。
【0023】
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチアゾール類としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4−メチル−2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)ジスルフィド、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、2−メルカプト−6−ニトロベンゾチアゾール、2−メルカプト-ナフト[1,2−d]チアゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、6−アミノ−2−メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。これらの内、2−メルカプトベンゾチアゾール、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、及びジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドは、カーボンブラックとの反応性が高いので好ましい。
【0024】
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチウラム類としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラプロピルチウラムジスルフィド、テトライソプロピルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラペンチルチウラムジスルフィド、テトラヘキシルチウラムジスルフィド、テトラヘプチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラノニルチウラムジスルフィド、テトラデシルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラムジスルフィド、テトラステアリルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラプロピルチウラムモノスルフィド、テトライソプロピルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、テトラペンチルチウラムモノスルフィド、テトラヘキシルチウラムモノスルフィド、テトラヘプチルチウラムモノスルフィド、テトラオクチルチウラムモノスルフィド、テトラノニルチウラムモノスルフィド、テトラデシルチウラムモノスルフィド、テトラドデシルチウラムモノスルフィド、テトラステアリルチウラムモノスルフィド、テトラベンジルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。これらの内、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及びテトラベンジルチウラムジスルフィドは、カーボンブラックとの反応性が高いので好ましい。
【0025】
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチオウレア類としては、チオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’−ジイソプロピルチオ尿素、N,N’−ジシクロヘキシルチオ尿素、1,3−ジ(o−トリル)チオ尿素、1,3−ジ(p−トリル)チオ尿素、1,1−ジフェニル−2−チオ尿素、2,5−ジチオビ尿素、グアニルチオ尿素、1−(1−ナフチル)−2−チオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、p−トリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素等が挙げられる。これらの内、チオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジメチルチオ尿素は、カーボンブラックとの反応性が高いので好ましい。
【0026】
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるジチオカルバミン酸塩類としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジペンチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘプチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸亜鉛、ジデシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジドデシルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジイソプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジヘプチルジチオカルバミン酸銅、ジオクチルジチオカルバミン酸銅、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸銅、ジデシルジチオカルバミン酸銅、ジドデシルジチオカルバミン酸銅、N-ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ジベンジルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘプチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジオクチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジドデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジイソプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジブチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジペンチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘキシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘプチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジオクチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸第二鉄、ジデシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジドデシルジチオカルバミン酸第二鉄、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸第二鉄、ジベンジルジチオカルバミン酸第二鉄等が挙げられる。これらの内、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛及びジメチルジチオカルバミン酸銅は、カーボンブラックとの反応性が高いので好ましい。
【0027】
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるキサントゲン酸塩類としては、メチルキサントゲン酸亜鉛、エチルキサントゲン酸亜鉛、プロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛、ペンチルキサントゲン酸亜鉛、ヘキシルキサントゲン酸亜鉛、ヘプチルキサントゲン酸亜鉛、オクチルキサントゲン酸亜鉛、2−エチルヘキシルキサントゲン酸亜鉛、デシルキサントゲン酸亜鉛、ドデシルキサントゲン酸亜鉛、メチルキサントゲン酸カリウム、エチルキサントゲン酸カリウム、プロピルキサントゲン酸カリウム、イソプロピルキサントゲン酸カリウム、ブチルキサントゲン酸カリウム、ペンチルキサントゲン酸カリウム、ヘキシルキサントゲン酸カリウム、ヘプチルキサントゲン酸カリウム、オクチルキサントゲン酸カリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸カリウム、デシルキサントゲン酸カリウム、ドデシルキサントゲン酸カリウム、メチルキサントゲン酸ナトリウム、エチルキサントゲン酸ナトリウム、プロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、ブチルキサントゲン酸ナトリウム、ペンチルキサントゲン酸ナトリウム、ヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、ヘプチルキサントゲン酸ナトリウム、オクチルキサントゲン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、デシルキサントゲン酸ナトリウム、ドデシルキサントゲン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの内、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛は、カーボンブラックとの反応性が高いので好ましい。
【0028】
本発明のゴム組成物の製造方法に係る混練の第一段階におけるゴム組成物中の化合物(C)、又は混練の第二段階以降でかつ最終段階より前の段階(Y)におけるゴム組成物中の化合物(C)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.3〜6.0質量部加えられることが好ましく、0.4〜3.0質量部加えられることがより好ましく、0.5〜3.0質量部加えられることがさらに好ましい。0.3質量部以上であれば、カーボンブラックの補強性を向上することができ、6.0質量部以下であれば、過剰の使用を避けることができコスト的に有利で経済的である。
なお、加硫促進剤(C)は、硫黄加硫の促進剤としても用いられるので、混練の最終段階においても所望により適量を配合してもよい。
【0029】
本発明のゴム組成物の製造方法において、通常、ゴム組成物に配合される亜鉛華、脂肪酸、樹脂酸等の加硫活性剤、老化防止剤等の各種配合剤は、必要に応じ、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において混練りされる。
本発明の製造方法における混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー、二軸押出機等が用いられる。
【実施例】
【0030】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性を下記の方法により評価した。
【0031】
(1)低発熱性(tanδ指数)
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、動歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定した。比較例1、3、6、7、8、9、10又は11のtanδの逆数を100として下記式にて指数表示した。指数値が大きい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
低発熱性指数={(比較例1、3、6、7、8、9、10又は11の加硫ゴム組成物のtanδ)/(供試加硫ゴム組成物のtanδ)}×100
【0032】
(2)耐摩耗性
JIS K6264−2:2005に準拠して、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温(23℃)におけるスリップ率60%の摩耗量を測定し、摩耗量の逆数を、比較例1、3、6、7、8、9、10又は11の摩耗量を100として、以下の式により指数で表示した。この数値が大きい程、耐摩耗性が良好であり、指数100を超えることが好ましい。
耐摩耗性指数={比較例1、3、6、7、8、9、10又は11の加硫ゴム組成物の摩耗量)/供試加硫ゴム組成物の摩耗量)}×100
【0033】
実施例1〜45及び比較例1〜10
第1表〜第12表に示す配合処方、並びに混練の第一段階における混練時間及びゴム組成物の最高温度になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、55種類のゴム組成物を調製した。
実施例1〜45のゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の全部、化合物(C)及びその他の配合剤を混練した。混練の第一段階において、カーボンブラック(B)の全部と化合物(C)とを同時に加えた。
比較例1〜10のゴム組成物の混練の第一段階においては、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の全部、及びその他の配合剤を加えたが、化合物(C)は加えないで、混練した。
得られた55種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)及び耐磨耗性を上記の方法により評価した。結果を第1表〜第12表に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
[注]
*1: 旭化成株式会社製溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、商品名「タフデン2000」
*2: JSR株式会社製ポリブタジエンゴム、商品名「JSR BR01」
*3: カーボンブラック−1:東海カーボン株式会社製 、商品名「シースト6」(窒素吸着比表面積:119m
2/g、DBP吸収量:114cm
3/100g)
*4: N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック 6C」
*5: N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー CZ−G」
*6: 加硫促進剤MBTS: ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー DM」
*7: テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー TOT−N」
*8: N,N’−ジエチルチオ尿素、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー EUR」
*9: ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー ZTC」
*10: 2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック 224」
*11: 加硫促進剤TBBS: N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー NS」
【0036】
【表2】
【0037】
[注]
*1〜*11は第1表と同じです。
*12: JSR株式会社製乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、商品名「#1500」
【0038】
【表3】
【0039】
[注]
*1〜*12は第2表と同じです。
【0040】
【表4】
【0041】
[注]
*1〜*12は第2表と同じです。
*13: 2−メルカプトベンゾチアゾール、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー M−P」
*14: 2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー MZ」
*15: ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、NOCIL社製
【0042】
【表5】
【0043】
[注]
*1〜*12は第2表と同じです。
*16: テトラキス(ベンジル)チウラムジスルフィド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー TBZTD」
【0044】
【表6】
【0045】
[注]
*1〜*12は第2表と同じです。
*17: トリメチルチオ尿素、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー TMU」
*18: N, N’−ジフェニルチオ尿素、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー C」
【0046】
【表7】
【0047】
[注]
*1〜*12は第2表と同じです。
*19: N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー PX」
*20: ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー PZ」
*21: ジメチルジチオカルバミン酸銅、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー TT−CU」
【0048】
【表8】
【0049】
[注]
*1〜*12は第2表と同じです。
*22: イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー ZIX−O」
【0050】
【表9】
【0051】
[注]
*1〜*16は第2表、第4表及び第5表と同じです。
*23: 三共油化工業(株)製プロセスオイル、商品名「A/O MIX」
【0052】
【表10】
【0053】
[注]
*1〜*23は第9表と同じです。
*24: カーボンブラック−2:旭カーボン株式会社製ISAF−HS、商品名「#78」(窒素吸着比表面積:124m
2/g、DBP吸収量:125cm
3/100g)
【0054】
【表11】
【0055】
[注]
*1〜*23は第9表と同じです。
*25: カーボンブラック−3:旭カーボン株式会社製、商品名「AX−015」(窒素吸着比表面積:145m
2/g、DBP吸収量:147cm
3/100g)
【0056】
【表12】
【0057】
[注]
*1〜*23は第9表と同じです。
*26: シリカ: 東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニプシルAQ」、BET表面積205m
2/g
*27: シランカップリング剤: ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75」(登録商標)
【0058】
実施例46〜54
第13表に示す配合処方、並びに混練の第一段階における混練時間及びゴム組成物の最高温度になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、9種類のゴム組成物を調製した。実施例46〜54のゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の全部、化合物(C)及びその他の配合剤を混練した。実施例46〜49のゴム組成物の混練の第一段階において、カーボンブラック(B)の全部及び化合物(C)を同時に加えて混練した。また、実施例50〜54のゴム組成物の混練の第一段階においては、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の全部及びその他の配合剤を混練した後、この第一段階の途中で化合物(C)を加えて更に混練した。実施例50〜54のゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム組成物の最高温度が140℃になった時に化合物(C)を加え、さらに混練して第一段階におけるゴム組成物の最高温度を150℃とした。
得られた9種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)及び耐磨耗性を上記の方法により評価した。結果を第13表に示す。なお、比較のため、実施例2及び比較例2を第13表に併記した。
【0059】
【表13】
【0060】
[注]
*1〜*11は第1表と同じです。
【0061】
実施例55〜64及び比較例11
第14表に示す配合処方、並びに混練の第一段階における混練時間及びゴム組成物の最高温度になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、実施例55〜64及び比較例11の11種類のゴム組成物を調製した。
実施例60〜64及び比較例11のゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の全部、及び化合物(C)以外の配合剤を加えて3分間混練し、ゴム組成物の最高温度が150℃となった時バンバリーミキサーから排出した。
次に、実施例60〜64のゴム組成物の混練の第二段階において、化合物(C)を加えて3分間混練し、ゴム組成物の最高温度が150℃となった時バンバリーミキサーから排出した。なお、比較例11のゴム組成物の混練の第二段階においては、化合物(C)を加えないで3分間混練し、ゴム組成物の最高温度が150℃となった時バンバリーミキサーから排出した。
また、実施例55〜59のゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の全部、化合物(C)及びその他の配合剤を加えて3分間混練し、ゴム組成物の最高温度が150℃となった時バンバリーミキサーから排出した。実施例55〜59のゴム組成物の混練の第一段階において、カーボンブラック(B)の全部及び化合物(C)を同時に加えて混練した。さらに、混練の第二段階においては、化合物(C)を加えないで3分間混練し、ゴム組成物の最高温度が150℃となった時バンバリーミキサーから排出した。
得られた11種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第14表に示す。
【0062】
【表14】
【0063】
[注]
*1〜*11は第1表と同じです。
【0064】
第1表〜第14表から明らかなように、実施例1〜64のゴム組成物は、比較例1〜11中の対比すべきゴム組成物と比較して、いずれも低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性が改良され、優れていた。