(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0017】
(実施の形態1)
〔顕微鏡システムの概略構成〕
図1は、本発明の実施の形態1に係る顕微鏡システム1を模式的に示す図である。
なお、
図1では、内部の光学系を示すために、各ユニット3〜7を構成する筐体の一部を省略している。
顕微鏡システム1は、顕微鏡を構成可能なユニット群から選択された複数のユニットを組み合わせることで構成されている。
ここで、上述したユニット群は、試料の観察目的に応じてグループ分けされている。本実施の形態1では、ユニット群は、可視光観察及び紫外光観察の双方を行うことを観察目的としたグループ(以下、第1グループと記載)と、その他のグループ(以下、第2グループと記載)との2つのグループに分けられている。そして、本実施の形態1に係る顕微鏡システム1は、可視光観察及び紫外光観察の双方を行うことを観察目的としており、第1グループに属する複数のユニット3〜7が組み合わされたものである。
この顕微鏡システム1は、
図1に示すように、顕微鏡本体2と、投光管ユニット3と、光源ユニット4と、AF(Auto Focus)ユニット5と、紫外結像ユニット6と、可視結像ユニット7とを備える。
【0018】
〔顕微鏡本体の構成〕
顕微鏡本体2は、
図1に示すように、各ユニット3〜7を支持する部分であり、水平方向に延びるベース21と、ベース21に立設される支柱22と、焦準機構(図示略)を介して支柱22に設けられたステージ23とを備える。
ステージ23は、試料Spが載置される部分であり、ステージ昇降ダイアル23Aが操作されることで後述する対物レンズ34の光軸Lに沿って移動可能(試料Spの焦点調節を可能)とする。また、ステージ23は、ステージ移動ハンドル23Bが操作されることで水平面内に移動可能(試料Spの被観察箇所の位置決めを可能)とする。
また、本実施の形態1では、具体的な図示は省略したが、ステージ23は、ステージ昇降ダイアル23Aやステージ移動ハンドル23Bを用いて手動により移動される他、電動モータ等の駆動源を用いて遠隔操作や自動制御により移動される。
【0019】
〔投光管ユニット及び光源ユニットの構成〕
投光管ユニット3は、
図1に示すように、支柱22の先端に着脱可能に取り付けられる。そして、投光管ユニット3には、照明レンズ31と、ハーフミラー32とが内蔵されている。また、投光管ユニット3には、ステージ23に対向する位置に、レボルバ33が設けられている。
このレボルバ33には、倍率や対応波長域の異なる複数の対物レンズ34(
図1では2つの対物レンズ34A,34Bのみを図示)が装着されている。そして、レボルバ33を回転させることにより、所望の対物レンズ34が光軸L上に位置付けられる。
なお、レボルバ33は、投光管ユニット3に保持される構成に限られない。例えば、支柱22からアーム状に張り出した部分を設け、当該部分にレボルバ33を保持させる構成を採用しても構わない。
光源ユニット4は、
図1に示すように、ハロゲンランプ等の光源41を有し、取付構造8Aを介して投光管ユニット3に着脱可能に取り付けられる。
そして、光源41から出射された光は、投光管ユニット3に導入され、照明レンズ31、レボルバ33、及び対物レンズ34を介して、試料Spに照射される。
なお、取付構造8Aの詳細な構成については、後述する。
【0020】
〔AFユニットの構成〕
AFユニット5は、
図1に示すように、取付構造8Bを介して投光管ユニット3の上方に着脱可能に取り付けられる。そして、AFユニット5には、第1ダイクロイックミラー51と、測光部52とが内蔵されている。
なお、取付構造8Bの詳細な構成については、後述する。
第1ダイクロイックミラー51は、AFユニット5が投光管ユニット3に取り付けられた状態で、光軸L上に位置付けられる。そして、第1ダイクロイックミラー51は、光源41からの照明光によって試料Spにて反射され、対物レンズ34を介してハーフミラー32を透過した光のうち、一部の波長域(紫外〜可視領域)の光を透過させ、その他の波長域(赤外領域)の光を反射させる。
測光部52は、受光素子(図示略)を有し、第1ダイクロイックミラー51にて反射された赤外領域の光を当該受光素子にて測光する。測光された値は、AFコントロール部(図示略)によってオートフォーカス動作に必要な演算処理に用いられる。
【0021】
〔紫外結像ユニットの構成〕
紫外結像ユニット6は、
図1に示すように、取付構造8Cを介してAFユニット5の上方に着脱可能に取り付けられる。そして、紫外結像ユニット6には、第2ダイクロイックミラー61と、紫外結像レンズ62と、ミラー63とが内蔵されているとともに、第1撮像素子64が設けられている。
なお、取付構造8Cの詳細な構成については、後述する。
第2ダイクロイックミラー61は、紫外結像ユニット6がAFユニット5に取り付けられた状態で、光軸L上に位置付けられる。そして、第2ダイクロイックミラー61は、第1ダイクロイックミラー51を透過した紫外〜可視領域の光のうち、一部の波長域(紫外領域)の光を反射させ、その他の波長域(可視領域)の光を透過させる。
そして、第2ダイクロイックミラー61にて反射された紫外領域の光は、紫外結像レンズ62を通過した後、ミラー63にて反射され、第1撮像素子64上に像を形成する。第1撮像素子64にて受光された光は、その画像信号が外部のモニタ等に出力され、当該モニタ上に紫外観察画像として表示される。
【0022】
〔可視結像ユニットの構成〕
可視結像ユニット7は、
図1に示すように、取付構造8Dを介して紫外結像ユニット6の上方に着脱可能に取り付けられる。そして、可視結像ユニット7には、可視結像レンズ71が内蔵されているとともに、第2撮像素子72が設けられている。
なお、取付構造8Dの詳細な構成については、後述する。
可視結像レンズ71及び第2撮像素子72は、可視結像ユニット7が紫外結像ユニット6に取り付けられた状態で、光軸L上にそれぞれ位置付けられる。
そして、第2ダイクロイックミラー61を透過した可視領域の光は、可視結像レンズ71を通過した後、第2撮像素子72上に像を形成する。第2撮像素子72にて受光された光は、その画像信号が外部のモニタ等に出力され、当該モニタ上に可視観察画像として表示される。
【0023】
以上説明した第1,第2撮像素子64,72は、試料Spの観察光を外部のモニタ等に観察画像として表示するための観察手段としての機能を有する。また、投光管ユニット3、レボルバ33、及び対物レンズ34は、光源41から出射された照明光を試料Spに導く照明光学系としての機能を有する。さらに、投光管ユニット3、紫外結像ユニット6、及び可視結像ユニット7は、試料Spの観察光を入射して観察手段に結像させる結像光学系としての機能を有する。そして、AFユニット5は、試料Spの観察光を用いて所定の処理を行うために必要な機能(本実施の形態1ではオートフォーカス動作用の測光)を有する中間ユニットと総称される。
なお、可視光観察の観察手段として第2撮像素子72を採用しているが、これに限られず、紫外結像ユニット6から紫外領域の光が出射しない対策が施されている場合には、接眼レンズによって目視観察する接眼鏡筒ユニットを観察手段として採用しても構わない。
【0024】
〔取付構造の構成〕
次に、上述した各ユニット3〜7間の取付構造8A〜8Dについて説明する。
なお、取付構造8A〜8Dは、同様の構成を有している。このため、以下では、AFユニット5及び紫外結像ユニット6間の取付構造8Cのみを説明する。
図2は、AFユニット5及び紫外結像ユニット6間の取付構造8Cを示す分解斜視図である。
取付構造8Cは、
図2に示すように、所謂、丸アリ式の取付構造であり、紫外結像ユニット6における筐体60の底面に設けられた第1取付部81と、AFユニット5における筐体50の上面に設けられた第2取付部82とを備える。
【0025】
〔第1取付部の構成〕
図3は、第1取付部81を示す断面図である。
第1取付部81は、
図2または
図3に示すように、所謂、雄型の丸アリで構成され、第1基部811と、嵌め込み部812とを備える。
第1基部811は、円板形状を有し、紫外結像ユニット6の筐体60の底面において、第2ダイクロイックミラー61に対向する位置に設けられている。
この第1基部811には、
図2に示すように、組み合わせ制限手段9の一部を構成する第1制限手段91が設けられている。
なお、組み合わせ制限手段9の詳細な構成については、後述する。
【0026】
嵌め込み部812は、略円錐形状を有し、第1基部811と同軸で当該第1基部811から突出するように設けられている。より具体的に、嵌め込み部812は、第1基部811から離間するにしたがって断面積が拡大するように形成されている。言い換えれば、嵌め込み部812は、その側面が第1基部811から離間するにしたがって拡がるように形成されている。
以上説明した第1取付部81には、第1基部811及び嵌め込み部812を貫通して筐体60内外を連通し、第1ダイクロイックミラー51を透過した光を紫外結像ユニット6における筐体60内部に導入するための開口81Aが形成されている。
【0027】
〔第2取付部の構成〕
図4Aは、第2取付部82を示す平面図である。
図4Bは、
図4AにおけるB−B線の断面図である。
第2取付部82は、
図2、
図4Aまたは
図4Bに示すように、所謂、雌型の丸アリで構成され、第1基部811と同一、または、略同一の外径寸法を有する円板状の第2基部821を備える。
第2基部821は、AFユニット5の筐体50の上面において、第1ダイクロイックミラー51に対向する位置に設けられている。
【0028】
この第2基部821には、下方に向けて窪む凹部821Aが形成されている。
この凹部821Aは、第2基部821と同軸となる平面視円形状を有し、嵌め込み部812における先端部分の外径寸法よりも若干大きい内径寸法を有する。
また、凹部821Aの内側面には、
図4Aに示すように第2取付部82を上方側から見て、当該凹部821Aの中心Oに向けて突出する2つの爪部821Bが形成されている。
これら爪部821Bの下方側(凹部821Aの底部分側)には、
図4Bに示すように、嵌め込み部812の側面の傾斜に対応した傾斜面821B1がそれぞれ形成されている。
【0029】
また、第2基部821には、
図4Bに示すように、外側面から凹部821Aの内側面まで貫通する固定用ネジ孔821Cが形成されている。
さらに、第2基部821には、
図2に示すように、組み合わせ制限手段9の一部を構成する第2制限手段92が設けられている。
なお、組み合わせ制限手段9の詳細な構成については、後述する。
以上説明した第2取付部82には、凹部821Aの底部分と筐体50内部とを貫通し、第1ダイクロイックミラー51を透過した光を紫外結像ユニット6に向けて出射するための開口82Aが形成されている。
【0030】
そして、AFユニット5及び紫外結像ユニット6は、上述した取付構造8Cを利用して、以下に示すように取り付けられる。
先ず、作業者は、紫外結像ユニット6を手で持ち、嵌め込み部812の先端部分と各爪部821Bとが機械的に干渉しないように、光軸Lに対する斜め方向から嵌め込み部812の先端部分を各爪部821Bと凹部821Aの底部分との隙間に嵌め込む。この状態では、第1基部811が第2基部821に当接し、かつ、嵌め込み部812の側面が各爪部821Bの各傾斜面821B1に当接した状態となる。
そして、作業者は、固定用ネジ孔821Cに固定ネジScを螺合する。この状態では、固定ネジScの先端が嵌め込み部812の側面に当接した状態となる。
すなわち、第1取付部81は、2つの爪部821B、固定ネジSc、嵌め込み部812の側面、及び第1基部811と第2基部821により、光軸Lに沿う方向、及び光軸Lと直交する面内で移動しないように、第2取付部82に取り付けられる。
【0031】
〔組み合わせ制限手段の構成〕
次に、上述した取付構造8Cに設けられた組み合わせ制限手段9について説明する。
なお、具体的な図示は省略したが、上述したように取付構造8A〜8Dは同様の構成を有しており、取付構造8C以外の取付構造8A,8B,8Dにも同様の組み合わせ制限手段9が設けられている。
組み合わせ制限手段9は、第1グループに属するユニットにのみ設けられたものであり、当該第1グループに属するユニット同士の組み合わせを許容し、当該第1グループに属するユニットと他の第2グループに属するユニットとの組み合わせを制限する。
この組み合わせ制限手段9は、
図2に示すように、第1取付部81に設けられた第1制限手段91と、第2取付部82に設けられた第2制限手段92とを備える。
【0032】
〔第1制限手段の構成〕
図5Aは、第1取付部81に設けられた第1制限手段91を示す斜視図である。
第1制限手段91は、
図5Aに示すように、第1突起部911と、第1突起収容部912とを備える。
なお、第1制限手段91の形成位置は、第2制限手段92の形成位置に対応した位置であり、詳細については、以下の「第2制限手段92の構成」で説明する。
第1突起部911は、円柱状の突起である。
第1突起収容部912は、第1基部811の径方向に延びる楕円形状の溝である。
【0033】
〔第2制限手段の構成〕
図5Bは、第2取付部82に設けられた第2制限手段92を示す斜視図である。
第2制限手段92は、第2基部821の上面において、
図4Aに示すように第2基部821を上方側から見て、第2基部821の中心Oと一方の爪部821Bとを結ぶ第1仮想線VL1と、当該中心Oと他方の爪部821Bとを結ぶ第2仮想線VL2との間に形成されている。
なお、第1制限手段91は、第1基部811において、第1取付部81が第2取付部82に取り付けられた際に第2制限手段92の形成位置に対向する位置に形成されている。
この第2制限手段92は、
図5Bに示すように、第2突起部921と、第2突起収容部922とを備える。
第2突起部921は、第1突起収容部912における幅寸法よりも若干小さい外径寸法を有する円柱状の突起である。
第2突起収容部922は、第1突起部911の外径寸法よりも若干大きい幅寸法を有し、第2基部821の径方向に延びる楕円形状の溝である。また、第2突起収容部922は、
図5Bに示すように、凹部821Aに連通している。
そして、第1突起部911及び第2突起収容部922、並びに、第2突起部921及び第1突起収容部912は、第2取付部82に対して第1取付部81が取り付けられる際に、それぞれ対向する位置に形成されている。
【0034】
図5Cは、
図5A及び
図5Bに示した第1,第2制限手段91,92によりAFユニット5及び紫外結像ユニット6間の組み合わせが許容された状態を示す断面図である。
第1グループに属するAFユニット5及び紫外結像ユニット6は、以下に示すように、組み合わせが許容される。
すなわち、第2取付部82に対して第1取付部81を取り付ける際、第1突起部911は、
図5Cに示すように、第2突起収容部922に挿入される。また、第2突起部921は、第1突起収容部912に挿入される。このため、第1,第2突起部911,921によって第1,第2取付部81,82同士の取り付けが制限されることがなく、AFユニット5及び紫外結像ユニット6間の組み合わせが許容される。
【0035】
一方、例えば、第2グループに属する可視光観察専用(可視光観察のみを行う観察目的)のAFユニット(図示略)と、本実施の形態1に係る第1グループに属する紫外結像ユニット6とを組み合わせる場合には、以下に示すように、組み合わせが制限される。
すなわち、可視光観察専用のAFユニットには、上述した第2制限手段92(第2突起部921及び第2突起収容部922)が設けられていない。このため、可視光観察専用のAFユニットに対して紫外結像ユニット6を組み合わせる際、紫外結像ユニット6に設けられた第1制限手段91の第1突起部911が可視光観察専用のAFユニットに設けられた第2取付部に機械的に干渉し、当該組み合わせが制限される。
【0036】
以上説明した実施の形態1に係る顕微鏡システム1では、各ユニット3〜7に設けられた組み合わせ制限手段9により、試料Spの観察目的が一致する第1グループに属する各ユニット3〜7間では組み合わせを許容し、第1グループに属する各ユニット3〜7と第2グループに属するユニットとの間では組み合わせを制限する。
すなわち、ユニットの組み合わせの許容または制限を機械的に行うため、電気的接続を要しないユニットを組み合わせる場合であっても、作業者は、当該ユニットの組み合わせが適正であるか否かを判別することができる。また、電気的接続を不要とすることから、装置構成が簡素化し、低コスト化も図れる。さらに、ユニットの組み合わせの許容または制限を機械的に行うため、作業者は、ユニットを組み合わせる段階で早期にユニットの組み合わせが適正であるか否かを判別することができる。
したがって、本実施の形態1に係る顕微鏡システム1によれば、構造の簡素化を図りつつ、ユニットの組み合わせが適正であるか否かを早期に判別することができる。
【0037】
また、本実施の形態1に係る組み合わせ制限手段9は、第1,第2突起部911,921と、これら第1,第2突起部911,921が挿入される第1,第2突起収容部912,922とで構成されるため、非常に簡素な構造でユニットの組み合わせの許容または制限を行うことができる。
特に、組み合わせ制限手段9は、取付構造8A〜8Dに設けられているため、他の位置に設けられた構成と比較して、第1グループに属する各ユニット3〜7間では組み合わせの許容を効率的に行うことができ、第1グループに属する各ユニット3〜7と第2グループに属するユニットとの間では組み合わせの制限を効果的に行うことができる。また、このように組み合わせ制限手段9を取付構造8A〜8Dに設けることで、各ユニット3〜7を組み合わせた状態で組み合わせ制限手段9が外観上、目に付くことがない。
【0038】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
上述した実施の形態1に係る組み合わせ制限手段9は、取付構造8A〜8Dに対してそれぞれ一体的に形成されていた。
これに対して本実施の形態2に係る組み合わせ制限手段は、取付構造に対して着脱可能に取り付けられる。また、本実施の形態2に係る組み合わせ制限手段は、複数種類、設けられている。
【0039】
〔取付構造及び組み合わせ制限手段の構成〕
以下、本実施の形態2に係るAFユニット5及び紫外結像ユニット6間の取付構造8C´、及び組み合わせ制限手段9´の構成について説明する。
なお、投光管ユニット3及び光源ユニット4間の取付構造、投光管ユニット3及びAFユニット5間の取付構造、紫外結像ユニット6及び可視結像ユニット7間の取付構造については、取付構造8C´と同様の構成であるため、以下では、説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態2に係るAFユニット5及び紫外結像ユニット6間の取付構造8C´、及び組み合わせ制限手段9´を示す分解斜視図である。
本実施の形態2に係る取付構造8C´は、
図6に示すように、上述した実施の形態1で説明した取付構造8Cを構成する第1,第2取付部81,82と略同様の第1,第2取付部81´,82´を備える。
【0040】
第1取付部81´は、上述した実施の形態1で説明した第1取付部81に対して、
図6に示すように、第1着脱用凹部811Aを有している点が異なるのみである。
第1着脱用凹部811Aは、第1基部811において、上述した実施の形態1で説明した第1制限手段91の形成位置と同一の位置に形成されている。そして、第1着脱用凹部811Aは、第1基部811の径方向に直交する方向に延びる平面視楕円形状を有する。
第2取付部82´は、上述した実施の形態1で説明した第2取付部82に対して、
図6に示すように、第2着脱用凹部821Dを有している点が異なるのみである。
第2着脱用凹部821Dは、第2基部821において、上述した実施の形態1で説明した第2制限手段92の形成位置と同一の位置に形成されている。そして、第2着脱用凹部821Dは、第2基部821の径方向に直交する方向に延びる平面視楕円形状を有する。また、第2着脱用凹部821Dは、凹部821Aに連通している。
以上説明した第1,第2着脱用凹部811A,821Dについては、第1グループに属する各ユニット3〜7の他、第2グループに属するユニットにも設けられている。
【0041】
本実施の形態2に係る組み合わせ制限手段9´は、
図6に示すように、第1着脱用凹部811Aに着脱可能に取り付けられる2種類の第1制限手段91A,91Bと、第2着脱用凹部821Dに着脱可能に取り付けられる2種類の第2制限手段92A,92Bとを備える。
以下では、第1,第2制限手段91A,92Aを、第1,第2制限手段91B,92Bと区別するために、第1,第2蓋体91A,92Aと記載する。
第1蓋体91Aは、第1着脱用凹部811Aの平面形状と同一の平面形状を有し、当該第1着脱用凹部811Aを閉塞する蓋体としての機能を有する。
第1制限手段91Bは、第1蓋体91Aと同一形状の部材に対して、上述した実施の形態1で説明した第1制限手段91と同様の第1突起部911及び第1突起収容部912を形成したものである。
【0042】
第2蓋体92Aは、第2着脱用凹部821Dの平面形状と同一の平面形状を有し、当該第2着脱用凹部821Dを閉塞する蓋体としての機能を有する。
第2制限手段92Bは、第2蓋体92Aと同一形状の部材に対して、上述した実施の形態1で説明した第2制限手段92と同様の第2突起部921及び第2突起収容部922を形成したものである。
なお、第2グループに属するユニットについては、第1,第2着脱用凹部811A,821Dに第1,第2蓋体91A,92Aが取り付けられている。
【0043】
図7Aは、第1取付部81´に一の組み合わせ制限手段9´(第1制限手段91B)が取り付けられた状態を示す斜視図である。
図7Bは、第2取付部82´に一の組み合わせ制限手段9´(第2制限手段92B)が取り付けられた状態を示す斜視図である。
図7Cは、
図7A及び
図7Bに示した第1,第2制限手段91B,92BによりAFユニット5及び紫外結像ユニット6間の組み合わせが許容された状態を示す一部断面図である。
第1取付部81´に対して第1制限手段91Bを取り付けた場合には、第1突起部911の先端は、
図7Aに示すように、第1着脱用凹部811Aの外部に突出する。同様に、第2取付部82´に対して第2制限手段92Bを取り付けた場合には、第2突起部921の先端は、
図7Bに示すように、第2着脱用凹部821Dの外部に突出する。
そして、第1,第2取付部81´,82´に対して第1,第2制限手段91B,92Bを取り付けた場合には、
図7Cに示すように、上述した実施の形態1(
図5C)と同様に、第1グループに属するAFユニット5及び紫外結像ユニット6間の組み合わせが許容される。
【0044】
一方、例えば、第2グループに属する可視光観察専用のAFユニット(図示略)と、第1制限手段91Bが取り付けられた第1グループに属する紫外結像ユニット6とを組み合わせる場合には、以下に示すように、組み合わせが制限される。
すなわち、可視光観察専用のAFユニットには、第2着脱用凹部821Dに第2蓋体92Aが取り付けられている。このため、可視光観察専用のAFユニットに対して紫外結像ユニット6を組み合わせる際、紫外結像ユニット6に取り付けられた第1制限手段91Bの第1突起部911が可視光観察専用のAFユニットに取り付けられた第2蓋体92Aに機械的に干渉し、当該組み合わせが制限される。
【0045】
以上説明した実施の形態2によれば、上述した実施の形態1と同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施の形態2に係る第1,第2制限手段91A,91B,92A,92Bは、第1,第2着脱用凹部811A,821Dに対して着脱可能に取り付けられるとともに、第1,第2蓋体91A,91Bと、第1,第2制限手段91B,92Bの2種類、設けられている。このため、第1グループに属する各ユニット3〜7に第1,第2制限手段91B,92Bを取り付ければ、第2グループに属するユニットとの組み合わせを制限することができる。逆に、第1グループに属する各ユニット3〜7に第1,第2蓋体91A,92Aを取り付ければ、第2グループに属するユニットとの組み合わせを許容することができる。
したがって、第1,第2制限手段91A,91B,92A,92Bを交換すれば、必要に応じて、他のグループとの組み合わせを制限したり、他のグループとの組み合わせを許容したりすることができる。
【0046】
(実施の形態2の変形例)
上述した実施の形態2に係る第1,第2制限手段91A,91B,92A,92Bは、それぞれ2種類、設けられていたが、その種類の数は、2種類に限られない。
図8は、本発明の実施の形態2の変形例に係るAFユニット5及び紫外結像ユニット6間の取付構造8C´、及び組み合わせ制限手段9´´を示す分解斜視図である。
例えば、
図8に示すように、第1,第2制限手段91A,91B,92A,92Bの他、第1,第2制限手段91C,92Cの1種類ずつを増やしても構わない。
【0047】
図9Aは、第1取付部81´に一の組み合わせ制限手段9´´(第1制限手段91C)が取り付けられた状態を示す斜視図である。
図9Bは、第2取付部82´に一の組み合わせ制限手段9´´(第2制限手段92C)が取り付けられた状態を示す斜視図である。
図9Cは、
図9A及び
図9Bに示した第1,第2制限手段91C,92CによりAFユニット5及び紫外結像ユニット6間の組み合わせが許容された状態を示す一部断面図である。
第1制限手段91Cは、
図9Aに示すように、第1蓋体91Aと同一形状の部材に対して、第1突起部911と同様の2つの第1突起部911A,911Bを形成するとともに、当該2つの第1突起部911A,911Bの間に第1制限手段91Bと同様の第1突起収容部912を形成したものである。
ここで、第1取付部81´に対して第1制限手段91Cを取り付けた場合には、各第1突起部911A,911Bの先端は、
図9Aに示すように、第1着脱用凹部811Aの外部に突出する。
【0048】
第2制限手段92Cは、
図9Bに示すように、第2蓋体92Aと同一形状の部材に対して、第2突起収容部922と同様の2つの第2突起収容部922A,922Bを形成するとともに、当該2つの第2突起収容部922A,922Bの間に第2制限手段92Bと同様の第2突起部921を形成したものである。
ここで、第2取付部82´に対して第2制限手段92Cを取り付けた場合には、第2突起部921の先端は、
図9Bに示すように、第2着脱用凹部821Dの外部に突出する。
【0049】
そして、第1,第2取付部81´,82´に対して第1,第2制限手段91C,92Cを取り付けた場合には、第1グループに属するAFユニット5及び紫外結像ユニット6は、以下に示すように、組み合わせが許容される。
すなわち、第2取付部82´に対して第1取付部81´を取り付ける際、各第1突起部911A,911Bは、
図9Cに示すように、各第2突起収容部922A,922Bに挿入される。また、第2突起部921は、第1突起収容部912に挿入される。このため、第1,第2突起部911A,911B,921によって第1,第2取付部81´,82´同士の取り付けが制限されることがなく、AFユニット5及び紫外結像ユニット6間の組み合わせが許容される。
【0050】
一方、例えば、第2グループに属する可視光観察専用のAFユニット(図示略)と、第1制限手段91Cが取り付けられた第1グループに属する紫外結像ユニット6とを組み合わせる場合には、以下に示すように、組み合わせが制限される。
すなわち、可視光観察専用のAFユニットには、第2着脱用凹部821Dに第2蓋体92Aが取り付けられている。このため、可視光観察専用のAFユニットに対して紫外結像ユニット6を組み合わせる際、紫外結像ユニット6に取り付けられた第1制限手段91Cの各第1突起部911A,911Bが可視光観察専用のAFユニットに取り付けられた第2蓋体92Aに機械的に干渉し、当該組み合わせが制限される。
【0051】
なお、上記では、第1,第2制限手段91A〜91C,92A〜92Cをそれぞれ3種類としたが、4種類以上としても構わない。
例えば、各ユニット3〜7において、組み合わせ順序に応じて、取付構造8A〜8D(特に、取付構造8B〜8D)毎に、異なる構造(異なる種類)の組み合わせ制限手段9´´を取り付けておけば、顕微鏡システム1を組み立てる際、組み合わせ順序が異なっていれば、組み合わせが制限されることとなる。したがって、作業者は、組み合わせ順序が適正であるか否かを容易に判別することができる。
なお、上記のように、組み合わせ制限手段9´,9´´を構造の異なる複数種類、設ける構成の他、ユニットの組み合わせ順序に応じて、構造を同一としつつ形成位置(第1,第2着脱用凹部811A,821Dの形成位置)を異なるものとしても構わない。上述した実施の形態1の組み合わせ制限手段9でも同様である。このようにユニットの組み合わせ順序に応じて構造を同一としつつ形成位置を異なるものとした場合であっても、上記同様に、組み合わせ順序が適正であるか否かを容易に判別することができる。
【0052】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図10は、本発明の実施の形態3に係る顕微鏡システム1´を模式的に示す図である。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施の形態3に係る顕微鏡システム1´は、上述した実施の形態1で説明した顕微鏡システム1に対して、投光管ユニット3、AFユニット5、及び紫外結像ユニット6の筐体外面に、第1グループを識別するための指標10A〜10Cがそれぞれ設けられている点が異なるのみである。
【0053】
指標10A〜10Cは、
図10に示すように、上下方向に延びる長方形の図形と、台形の図形とでそれぞれ構成されている。そして、これら指標10A〜10Cは、各ユニット3,5,6を組み合わせた状態で、各長方形の図形が上下方向に一直線上に並ぶとともに、各台形の斜辺が一直線上に並ぶように設けられている。
なお、指標10A〜10Cは、第1グループに属するユニット3,5,6にのみ設けられている。
【0054】
以上説明した実施の形態3によれば、上述した実施の形態1と同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施の形態3に係る顕微鏡システム1´では、第1グループに属するユニット3,5,6に指標10A〜10Cが設けられている。このため、作業者は、一見してユニット3,5,6が第1グループに属するユニットであることを把握することができる。
特に、指標10A〜10Cが上述したような図形から構成されているため、作業者は、顕微鏡システム1´を組み立てる際に、当該指標10A〜10Cを確認することで、各ユニット3〜7の組み合わせ順序が適正であるか否かを容易に判別することができる。
【0055】
(実施の形態3の変形例)
上述した実施の形態3では、指標10A〜10Cは、各ユニット3,5,6にのみ設けられていたが、これに限られず、第1グループに属する全てのユニット3〜7に設けても構わない。
【0056】
上述した実施の形態3では、指標10A〜10Cは、図形で構成されていたが、これに限られず、各ユニット3〜7の筐体の色(各筐体が全て同一の色)、数字(組み合わせ順序に応じて、例えば、指標10Aを「1」、指標10Bを「2」、指標10Cを「3」)等を指標としても構わない。また、指標10A〜10Cの形成位置についても筐体外面に限られず、顕微鏡システム1´が組み立てられた状態で目に付かない位置、例えば、取付構造8A〜8Dに設けても構わない。
【0057】
(その他の実施形態)
上述した実施の形態1〜3では、第1グループに属する各ユニット3〜7にのみ組み合わせ制限手段9,9´,9´´を設けていたが、これに限られず、第2グループに属するユニットにも組み合わせ制限手段9,9´,9´´とは異なる構造あるいは異なる形成位置の組み合わせ制限手段を設けても構わない。
【0058】
上述した実施の形態1〜3では、顕微鏡を構成可能なユニット群を第1,第2グループの2つのグループに分けていたが、これに限られず、試料Spの観察目的毎に3つ以上のグループに分けても構わない。
ここで、組み合わせ制限手段を各グループにそれぞれ設ける場合には、当該組み合わせ制限手段をグループ固有の構造あるいは形成位置とすることが好ましい。
【0059】
上述した実施の形態1〜3では、第1グループに属するユニット3〜7の全てに組み合わせ制限手段9,9´,9´´を設けていたが、組み合わせ対象とする少なくとも一組のユニットに設けていれば、例えば、ユニット5,6のみ(取付構造8C,8C´のみ)に設けた構成としても構わない。