特許第6196883号(P6196883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6196883火炎伝播管パージ装置及び火炎伝播管をパージする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6196883
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】火炎伝播管パージ装置及び火炎伝播管をパージする方法
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/48 20060101AFI20170904BHJP
【FI】
   F23R3/48
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-234531(P2013-234531)
(22)【出願日】2013年11月13日
(65)【公開番号】特開2014-98540(P2014-98540A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2016年11月2日
(31)【優先権主張番号】13/677,960
(32)【優先日】2012年11月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ドイル・ヴァンデール
【審査官】 倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−329336(JP,A)
【文献】 特開平3−158619(JP,A)
【文献】 特開昭62−200112(JP,A)
【文献】 特開平10−339440(JP,A)
【文献】 米国特許第6334294(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23R 3/48
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼器チャンバー付近から隣接する燃焼器チャンバー付近まで延びていて、燃焼器チャンバーと隣接する燃焼器チャンバーとを流体結合し、第1及び第2の部分を有する火炎伝播管、及び
圧縮空気の流れを火炎伝播管に選択的に送出するための圧縮空気供給装置
を含み、
圧縮空気供給装置が、
火炎伝播管の第1の部分の周りで円周方向に延びる第1の環状のマニホルドに圧縮空気の第1の部分を送る第1のラインと、
火炎伝播管の第2の部分の周りで円周方向に延びる第2の環状のマニホルドに圧縮空気の第2の部分を送る第2のラインと、
第1及び第2の環状のマニホルドの上流で、圧縮空気の流れの中に位置づけられ、第1及び第2の環状のマニホルドへの圧縮空気の送出を制御する調節要素を含む
火炎伝播管パージ装置。
【請求項2】
さらに、火炎伝播管から外側に向けて間隔をもって離れており、火炎伝播管を包囲するチューブケーシングを含んでおり、
圧縮空気供給装置がチューブケーシングを通って火炎伝播管付近の位置まで延びていて圧縮空気を送出する、請求項記載の火炎伝播管パージ装置。
【請求項3】
さらに、火炎伝播管の内部領域に圧縮空気を分配するために火炎伝播管の一部分の付近に配置された環状のマニホルドを含んでいる、請求項1または2記載の火炎伝播管パージ装置。
【請求項4】
環状のマニホルドが、火炎伝播管の内面に近接して圧縮空気を導くために少なくとも1つの角度のある注入開口を含む、請求項記載の火炎伝播管パージ装置。
【請求項5】
さらに、火炎伝播管の内面に近接して圧縮空気を導くために少なくとも1つの再誘導要素を含む、請求項記載の火炎伝播管パージ装置。
【請求項6】
圧縮空気供給装置が火炎伝播管付近の複数の位置に圧縮空気を送出し、
前記複数の位置が火炎伝播管の第1の部分及び火炎伝播管の第2の部分を含み、第1の部分と第2の部分が機能可能に結合されている、請求項1乃至5のいずれかに記載の火炎伝播管パージ装置。
【請求項7】
調節要素がバルブを含み、圧縮空気供給装置が、第1の作動条件中圧縮空気を送出し、第2の作動条件中圧縮空気を制限するように構成されており、
第1の作動条件が定常状態条件を含み、第2の作動条件が着火条件を含み、
第1の作動条件が燃料−空気予混合条件を含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の火炎伝播管パージ装置。
【請求項8】
互いに機能可能に結合され第1の部分及び第2の部分を含む火炎伝播管、
火炎伝播管の第1及び第2の部分を包囲するチューブケーシング、
火炎伝播管の第1の部分又は第2び部分の周りで円周方向に延びる少なくとも1つの環状のマニホルドと、チューブケーシングを通って延びる複数のパイプを含む圧縮空気供給装置であって、複数のパイプの1つが少なくとも1つの環状のマニホルドに延び、少なくとも1つの環状のマニホルドに圧縮空気を供給し、複数のパイプが、圧縮空気供給装置に圧縮空気の流れを送る主供給ラインに接続される、圧縮空気供給装置、並びに
少なくとも1つの環状のマニホルドの上流で主供給ライン内に配置された調節要素
を含み、調節要素は、第1の作動条件中、圧縮空気の流れが少なくとも1つの環状のマニホルドに送出されることを可能にし、第2の作動条件中、圧縮空気の流れが少なくとも1つの環状のマニホルドに送出されることを制限る、火炎伝播管パージ装置。
【請求項9】
環状のマニホルドが、火炎伝播管の内面に近接して圧縮空気を導くための少なくとも1つの角度のある注入開口を含み、
さらに、火炎伝播管の内面に近接して圧縮空気を導くために、環状のマニホルドに比較的隣接して配置された少なくとも1つの再誘導要素と、
圧縮空気供給装置が火炎伝播管付近の複数の位置に圧縮空気を送出し、
前記複数の位置が、火炎伝播管の第1の部分の付近の第1の位置及び火炎伝播管の第2の部分の付近の第2の位置を含み、
第1の作動条件が定常状態条件を含み、第2の作動条件が着火条件を含む、請求項記載の火炎伝播管パージ装置。
【請求項10】
第1の作動条件中圧縮空気の流れを火炎伝播管に送出して火炎伝播管をパージし、
第2の作動条件中火炎伝播管への圧縮空気の流れを制限する
ことを含み、
圧縮空気の流れを火炎伝播管に送出することが、複数のパイプに圧縮空気を流すことを含み、
複数のパイプが、火炎伝播管の周りで円周方向に延びる第1の環状のマニホルドに圧縮空気の第1の部分を送る第1のラインと、火炎伝播管の周りで円周方向に延びる第2の環状のマニホルドに圧縮空気の第2の部分を送る第2のラインとを含み、
圧縮空気の流れの制限が、第1及び第2の環状のマニホルドの上流に位置づけられた調節要素により制御される、火炎伝播管をパージする方法。
【請求項11】
圧縮空気を火炎伝播管に送出することが、火炎伝播管付近に配置された環状のマニホルドに圧縮空気を送出して、火炎伝播管の内部領域中に圧縮空気を注入することを含み、
火炎伝播管への圧縮空気の流れを制限することが、圧縮空気供給装置内に配置されたバルブによって前記流れを制御することを含む、請求項1記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示されている主題は、タービンシステム、より特定的には火炎伝播管パージ装置、並びに火炎伝播管をパージする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンの隣接する燃焼器は通例火炎伝播管(cross−fire tube)によって連結されて、ガスタービンエンジンの全ての燃焼器チャンバーの実質的に同時の点火及び均等化された圧力を確実にしている。全ての燃焼器チャンバーが火炎を開始するために点火要素を含んではいないことが普通である。かかる装置においては、火炎伝播管によって、火炎が1つの燃焼器チャンバーから隣接する燃焼器チャンバーへ移ることができる。火炎伝播管はまた、予混合作動条件と定常状態作動条件との間の着火作動条件中燃焼器チャンバーの点火予混合領域から非点火予混合領域へ火炎を移すのにも必要であり得る。予混合条件において、火炎伝播管により連結された燃焼器チャンバーの領域は火炎がなく、燃料と空気を予混合するのに使用され、一方着火作動条件においてはこの同じ領域が火炎を有する。
【0003】
使用されてないとき、火炎伝播管は、燃焼の結果の高温のガス又は予混合ゾーン内の未燃焼燃料の隣接する燃焼器チャンバーからの望ましくない移動(火炎伝播管の融解又は燃焼の予混合ゾーンの再点火に至り得る)に対抗しなければならない。この対抗はパージ空気を火炎伝播管に導入することにより処することができるが、絶えず続くパージは、全ての作動条件の間、例えば、1つの燃焼器チャンバーから別のチャンバーへの火炎の移動を必要とする着火条件に至る点火中は望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】

【特許文献1】米国特許第5896742号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの局面によると、火炎伝播管パージ装置は、燃焼器チャンバーと隣接する燃焼器チャンバーとを流体結合するために、燃焼器チャンバーの付近から隣接する燃焼器チャンバーの付近まで延びる火炎伝播管を含む。また、圧縮された空気を火炎伝播管に選択的に送出するための圧縮空気供給装置も含まれており、この圧縮空気供給装置は圧縮空気の火炎伝播管への送出を制御するための調節要素を含む。
【0006】
本発明の別の局面によると、火炎伝播管パージ装置は、互いに機能可能に結合されチューブケーシングにより包囲された第1の部分と第2の部分を含む火炎伝播管を含む。また、火炎伝播管の一部分に沿って配置された環状のマニホルドに近接してチューブケーシングを通って延びる1以上のパイプを含む圧縮空気供給装置も含まれている。さらに、圧縮空気の環状マニホルドへの送出を制御するために圧縮空気供給装置と連通した調節要素を含んでおり、ここで圧縮空気は、第1の作動条件中は環状のマニホルドへ送出され、第2の作動条件中は制限される。
【0007】
本発明のさらに別の局面によると、火炎伝播管をパージする方法が提供される。この方法は、第1の作動条件中火炎伝播管をパージするために圧縮空気を火炎伝播管に送出することを含む。また、第2の作動条件中火炎伝播管への圧縮空気の流れを制限することを含む。
【0008】
これら及びその他の利点及び特徴は、図面を参照した以下の説明から、より明らかになるであろう。
【0009】
本発明と考えられる主題は、本明細書に続く特許請求の範囲に特に示され、明確に記載されている。本発明の上記及びその他の特徴並びに利点は添付の図面と併せた以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、ガスタービンシステムの略図である。
図2図2は、ガスタービンシステムの火炎伝播管パージ装置の略図である。
図3図3は、火炎伝播管をパージする方法を例示する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、例として図面に関して、本発明の実施形態を、利点及び特徴と共に説明する。
【0012】
図1を参照すると、本発明の代表的な実施形態に従って構成されたガスタービンエンジン10が模式的に示されている。ガスタービンエンジン10は、圧縮機12及び缶環状アレイとして配列された複数の燃焼器アセンブリ(そのうちの1つを14で示す)を含んでいる。図に示されているように、燃焼器アセンブリ14は、燃焼器チャンバー18を密封し、かつ少なくとも部分的に画定するエンドカバーアセンブリ16を含んでいる。複数のノズル20−22がエンドカバーアセンブリ16により支持され、燃焼器チャンバー18中に延びている。ノズル20−22は共通の燃料入口(図には示してない)を介して燃料を受け取り、また圧縮機12から圧縮空気を受け取る。この燃料と圧縮空気は燃焼器チャンバー18に送られ点火されて、タービン24を駆動するのに使用される高温高圧の燃焼生成物又は空気流を形成する。タービン24は、圧縮機/タービンシャフト30(ロータともいわれる)を介して圧縮機12と機能的に連結された複数の段26−28を含んでいる。
【0013】
作動中、空気は圧縮機12内に流入し、高圧のガスに圧縮される。この高圧ガスは燃焼器アセンブリ14に供給され、燃焼器チャンバー18内で燃料、例えば天然ガス、燃料油、プロセスガス及び/又は合成ガス(syngas)と混合される。この燃料/空気すなわち可燃性の混合物が発火して高圧高温の燃焼ガス流を形成する。いずれにせよ、燃焼器アセンブリ14が燃焼ガス流をタービン24に運び、そこで熱エネルギーが機械的回転エネルギーに変換される。
【0014】
ここで図2を参照して、上述したように、燃焼器アセンブリの缶環状アレイがガスタービンエンジン10の軸方向中心線の周りで円周方向に間隔をもって離れて配列されている。分かり易くするために、缶環状アレイの部分図が示されており、燃焼器チャンバー18と隣接する燃焼器チャンバー32とを含んでいる。燃焼器チャンバー18と隣接する燃焼器チャンバー32とは火炎伝播管装置34の火炎伝播管33により流体結合しており、火炎伝播管33は燃焼器ライナー38及び/又は燃焼器ライナー38を包囲するスリーブ40に近接して第1の端部36で固定される。火炎伝播管33は隣接する燃焼器ライナー44及び/又はこの隣接する燃焼器ライナー44を包囲する隣接するスリーブ46に近接して第2の端部42で固定される。火炎伝播管33は通例、互いに機能可能に結合される第1の部分48と第2の部分50を含んでいる。1つの実施形態において、第1の部分48は、第2の部分50とテレスコープ式に係合する雄の部分といわれ、第2の部分50は第1の部分48を受け入れる雌の部分といわれる。
【0015】
火炎伝播管33は外面52と内面54を含み、この内面54が燃焼器チャンバー18と隣接する燃焼器チャンバー32との流体結合を提供する内部領域56を画定しており、このため燃焼器チャンバー18から隣接する燃焼器チャンバー32への、又はその逆の火炎の移動が可能である。かかる移動はガスタービンエンジン10の燃焼器アセンブリの着火の際に望ましく、燃焼器アセンブリのほぼ同時の点火又は再点火が可能になる。
【0016】
火炎伝播管装置34はまた、火炎伝播管33から半径方向外側に間隔をもって離れており火炎伝播管33の支持を補助し得るチューブケーシング58も含んでいる。しかしながら、第1の端部36と第2の端部42の固定で支持目的には充分であろう。火炎伝播管33もチューブケーシング58もガスタービンエンジン10の作動中課される温度に耐えるのに充分な材料から作製され、通例高温の作動中機能するように十分に高い融解温度を有する金属である。
【0017】
圧縮空気供給装置60は、圧縮機12から、通例圧縮機12から圧縮機排出ケーシング領域(図示してない)を介して間接的に、火炎伝播管33へ圧縮空気62を送る(routing and delivering)ための配管(piping or tubing)構成を含んでいる。圧縮空気供給装置60の配管構成は数多くの構成で配列し得、図示した構成は単なる1つの例である。図示したように、圧縮空気供給装置60は、圧縮機12、又は圧縮機排出ケーシング領域から、火炎伝播管装置34に近接する、より具体的にはチューブケーシング58に近接する位置へ圧縮空気62を送る主供給ライン64を含む。圧縮空気供給装置60は、圧縮空気62を複数の位置に送出するために分割され得、1つの代表的な実施形態においては第1のライン68及び第2のライン70が主供給ライン64からの圧縮空気62を受け取り、別々の位置に送る。圧縮空気62を追加の位置に送出するために追加のラインを使用し得ることと理解されたい。さらに、主供給ライン64、又は単にその延長部を含む単一のラインを使用して圧縮空気62を単一の位置に送出し得る。
【0018】
圧縮空気供給装置60の正確な構成に関わらず、圧縮空気62の送出のために、1以上のラインがチューブケーシング58を貫通して火炎伝播管33に近接する位置まで延びている。図示した実施形態において、第1のライン68と第2のライン70はチューブケーシング58の外部に位置する接合点72で主供給ライン64と出会うが、代わりの実施形態はチューブケーシング58と火炎伝播管33との間に接合点72を含む。圧縮空気供給装置60は、火炎伝播管33の周りで円周方向に延びる環状のマニホルド74に圧縮空気62を送出して、火炎伝播管33から流体をパージして除くために圧縮空気62の比較的均一な流れ分布を内部領域56に達成する。環状のマニホルド74は、火炎伝播管33の内面54に近接して圧縮空気62を導くために1以上の角度のある注入装置76を含み得る。いかなる流体も内面54に集中するので、内面54に沿って圧縮空気62を導くことでパージ効率が高まる。1以上の角度のある注入装置76の代わりに、又はそれと組み合わせて、少なくとも1つのバッフル78を環状のマニホルド74付近で火炎伝播管33に沿って配置して、圧縮空気62を再度内面54に近接して導くことができよう。
【0019】
図示した実施形態においては、第1のライン68が火炎伝播管33の第1の部分48に沿った位置に圧縮空気62を送出し、一方第2のライン70は第2の部分50に沿った位置に圧縮空気62を送出する。両方の位置が環状のマニホルド74を含んでおり、各々の位置に対する環状のマニホルド74の繰り返しの説明は必要ないことが了解されよう。
【0020】
圧縮空気供給装置60は、火炎伝播管33に供給される圧縮空気62の流量を積極的に制御する調節要素80を含んでいる。具体的には、調節要素80は、1以上の作動条件中には圧縮空気62を選択的に送出するが、他の作動条件では火炎伝播管33への圧縮空気62の流れを制限又は停止するように構成されている。調節要素80は、圧縮空気62の流れを可能にし、制限し、停止することができる任意の適切な計量要素、例えばバルブを含む。調節要素80は、第1のライン68及び第2のライン70のような様々なラインを含めて圧縮空気供給装置60のあらゆる下流領域全体の流れを制御するために主供給ライン64に配置され得る。或いは、複数の調節要素を別個のラインに配置して各々のラインを制御し得る。
【0021】
圧縮空気62の制限又は完全な停止が課されるのは、火炎伝播管33を通しての流体又は火炎の通過が望まれるときである。かかる条件は燃焼器チャンバー18及び隣接する燃焼器チャンバー32の着火又は再点火時に存在する。かかる作動条件中の圧縮空気62の送出は燃焼系が完全に着火する能力を妨げるので、かかる積極的な制御はこの条件中のパージの停止を可能にするため有利である。圧縮空気62の送出は、例えば定常状態作動中、及び予混合作動条件中有利である。予混合作動条件の場合、火炎伝播管33のパージにより、液体燃料(例えば、石油燃料)作動における燃料系の確実で効率的な作動が可能となり、NOx放出を抑えるための水の必要性が低下する。
【0022】
図3の流れ図に示されているように、そして図1及び2を参照して、火炎伝播管をパージする方法100も提供される。ガスタービンエンジン10、並びに火炎伝播管装置34及び圧縮空気供給装置60については既に記載されており、具体的な構造要素についてここでさらに詳細に記載する必要はない。火炎伝播管をパージする方法100は、第1の作動条件中圧縮空気を火炎伝播管に送出して火炎伝播管をパージし(102)、第2の作動条件中火炎伝播管への圧縮空気の流れを制限する(104)ことを含む。より具体的には、圧縮空気62は環状のマニホルド74に送出され、圧縮空気62の制限はバルブのような調節要素80によって制御される。
【0023】
限られた数の実施形態のみに関連して本発明を詳細に説明して来たが、本発明がかかる開示された実施形態に限定されないことは容易に理解されよう。むしろ、本発明は、ここまでに記載しなかったが本発明の思想と範囲内に入る任意の数の変形、変更、置換又は等価な装置を含むように改変することができる。さらに、本発明の様々な実施形態について記載されているが、本発明の局面によっては記載された実施形態の幾つかのみを含み得るものと理解されたい。従って、本発明は以上の説明により限定されるものではなく、後続の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【符号の説明】
【0024】
10 ガスタービンエンジン
12 圧縮機
14 燃焼器アセンブリ
16 エンドカバーアセンブリ
18 燃焼器チャンバー
20−22 ノズル
24 タービン
26−28 複数の段
30 圧縮機/タービンシャフト(ロータともいわれる)
32 隣接する燃焼器チャンバー
33 火炎伝播管
34 火炎伝播管装置
36 第1の端部
38 燃焼器ライナー
40 スリーブ
42 第2の端部
44 隣接する燃焼器ライナー
46 隣接するスリーブ
48 第1の部分
50 第2の部分
52 外面
54 内面
56 内部領域
58 チューブケーシング
60 圧縮空気供給装置
62 圧縮空気
64 主供給ライン
68 第1のライン
70 第2のライン
72 接合点
74 環状のマニホルド
76 1以上の角度のある注入装置
78 少なくとも1つのバッフル
80 調節要素
100 火炎伝播管をパージする方法
102 第1の作動条件中圧縮空気を火炎伝播管に送出して火炎伝播管をパージする
104 第2の作動条件中火炎伝播管への圧縮空気の流れを制限する
図1
図2
図3