特許第6196902号(P6196902)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6196902
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】同期回転機用回転角度検出装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/21 20160101AFI20170904BHJP
   H02K 11/30 20160101ALI20170904BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   H02K11/21
   H02K11/30
   H02K7/116
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-266301(P2013-266301)
(22)【出願日】2013年12月25日
(65)【公開番号】特開2015-122915(P2015-122915A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2016年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立オートモティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(72)【発明者】
【氏名】大久保 智
(72)【発明者】
【氏名】関根 大輔
【審査官】 津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−143822(JP,A)
【文献】 特開昭64−081218(JP,A)
【文献】 特開2009−002268(JP,A)
【文献】 特開2008−128075(JP,A)
【文献】 特開2013−087477(JP,A)
【文献】 特開平05−176570(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/087224(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K11/00−11/40
H02K 7/00− 7/20
H02P 3/00− 3/26
H02P 4/00
H02P 5/00
H02P 6/00− 6/34
H02P 7/00− 7/01
H02P25/08−25/098
H02P29/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
励磁コイルへの通電によりロータに回転出力を発生させる電動モータと、
前記ロータの回転出力を減速機により増幅することで駆動される出力軸と、
各相のコイルを順次通電するロータの回転位置を検出するエンコーダと、
前記出力軸の回転角度を検出する出力軸角度検出手段と、
前記出力軸の稼動範囲の一方の限界位置に突き当たるまで回転させる突き当て制御を実施する突き当て制御手段と
前記突き当て制御の実施時に、出力軸の先端に付いた部品がストッパに当接した位置から所定の角度分戻した位置を基準位置とする基準位置認識手段を備える同期回転機用回転角度検出装置において、
初期位置学習制御を行う際、前記出力軸角度センサの検出値を基に一定の偏差で前記出力軸を動かし、前記出力軸が前記ストッパに当接後、基準となるレンジ位置まで前記モータ位置センサの検出値を基に前記出力軸を移動し、その位置を前記出力軸角度センサの検出値で基準位置を決定すること、
を特徴とする同期回転機用回転角度検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の同期回転機用回転角度検出装置において、
前記突き当て制御手段は、負荷トルクにより稼動部材、又は固定部材が破損しないよう、前記出力軸角度検出手段より前記出力軸の回転角度を検出し、所定の偏差でロータが回転するよう制御すること、
を特徴とする同期回転機用回転角度検出装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の同期回転機用回転角度検出装置において、
前記突き当て制御手段は、前記出力軸の先端に付いた部品がストッパに当接したか否かの判定は、制御装置(ECU)に流れる総電流を監視することで、電流値がある閾値以上になった場合に前記出力軸の先端に付いた部品がストッパに当接したと判断すること、
を特徴とする同期回転機用回転角度検出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の同期回転機用回転角度検出装置において、
前記基準位置認識手段は、前記突き当て制御の実施後、前記出力軸の先端に付いた部品がストッパに当接した位置から所定の角度分、前記エンコーダを用いて逆回転させること、
を特徴とする同期回転機用回転角度検出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の同期回転機用回転角度検出装置において、
前記基準位置認識手段は、前記エンコーダの信号より算出した前記ロータ回転数と、前記減速機のギア比より前記出力軸の回転量(角度)を算出し、前記出力軸を所定の角度分を回転させること、
を特徴とする同期回転機用回転角度検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の同期回転機用回転角度検出装置において、
前記出力軸角度検出手段は、基準位置認識手段により前記出力軸の所定の角度分の回転が完了した後、その時点の出力軸の角度を検出し、この角度を基準位置とすること、
を特徴とする同期回転機用回転角度検出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の同期回転機用回転角度検出装置において、
算出した出力軸の基準位置を制御装置(ECU)の記憶領域に学習値として記憶し、
次回起動時にはこの学習値を参照し、前記突き当て制御を省略すること、
を特徴とする同期回転機用回転角度検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同期回転機用回転角度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両用自動変速機のシフトレンジ切替え機構を電動モータの回転出力によって駆動する技術では、運転開始時など、ロータの基準位置が不明な場合や、シフトの設定位置が不明な場合に、電動モータを通電して、ロータをシフトレンジ切替え機構の可動範囲の一方の限界位置(例えば、パーキング側の移動限界位置)に突き当たるまで回転させる突き当て制御を実施し、ロータの回転が停止した位置を、ロータの回転制御の基準位置(あるいはシフト切替制御の基準位置)とする技術が知られている(特許文献1)。
【0003】
また、上述した突き当て制御を実施した際に発生する不具合に関しては、下記3つの対策が知られている(特許文献2)。
【0004】
(1)突き当て制御を実施すると、可動部材が固定部材に突き当たった時に機械的な衝突負荷が発生する。あるいは、電動モータが通電された状態で回転が停止している時は、電動モータの発生する出力トルクによって、回転出力の伝達系の部品や、可動部材と固定部材の係合部等に機械的な負荷トルクが加わる。
【0005】
このため、突き当て制御の実施回数が増えるに従って、回転出力の伝達系の部品、あるいは可動部材と固定部材の係合部等が徐々に変形したり損傷したりするなど、機械的なダメージが与えられる可能性がある。
【0006】
本事象については、同期回転機用回転角度検出装置に使用される電動モータが独立した2系統の励磁コイルで構成されている場合において、どちらか一方の励磁コイルのみを通電し、付き当て制御時に電動モータの発生する出力を半減することで可動部材が固定部材に突き当たった時に生じる機械的な衝突負荷を低減する技術が知られている。
【0007】
(2)雰囲気温度など、環境や使用状態によって電動モータに電力を供給する電源の電圧や電流供給能力が変動する可能性があり、電源の電圧や電流供給能力にバラツキが生じると、電動モータの出力トルクが変動してしまう。即ち、環境や使用状態によって、電動モータの出力トルクが大きくなる可能性がある。
【0008】
環境や使用状態によって電動モータの出力トルクが大きくなると、可動部材が固定部材に突き当たった時に発生する機械的な衝突負荷が大きくなり、この大きな負荷トルクによる突き当て制御の実施回数が増えるに従って、回転出力の伝達系の部品、あるいは可動部材と固定部材の係合部等に機械的なダメージが与えられる可能性がある。
【0009】
本事象については、突き当て制御時に、励磁コイルに流れる電流が一定値になるように制御することで、電動モータの出力トルクの変動を抑える技術が知られている。
【0010】
(3)電動モータは、回転が速くなるに従って出力トルクが小さくなり、逆に回転が遅くなるに従って出力トルクが大きくなる特性を持っている。
【0011】
このため、電動モータが通電された状態で回転が停止している時に、電動モータは最大の出力トルクを発生することになり、回転出力の伝達系の部品や、可動部材と固定部材の係合部等に機械的に大きな負荷トルクが加わる。
【0012】
この大きな負荷トルクによる突き当て制御の実施回数が増えるに従って、回転出力の伝達系の部品、あるいは可動部材と固定部材の係合部等に機械的なダメージが与えられる可能性がある。
【0013】
本事象については、突き当て制御時に、ロータの出力トルクが一定となるように、ロータの速度に基づいて励磁コイルの通電を制御することで、電動モータが通電された状態で回転が停止している時の電動モータの出力トルクを抑える技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2004−12299号公報
【特許文献2】特開2006−191709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献1で提案された構成では、エンコーダにより出力軸の角度を推定しており、回転数が一定でない限り、各相間の角度は推定になってしまい、誤差が大きくなる可能性がある。
【0016】
特許文献2で提案された構成では、以下の課題がある。
【0017】
(1)同期回転機用回転角度検出装置に使用される電動モータが独立した2系統の励磁コイルで構成されている必要が有り、且つ制御装置(ECU)側に2系統の電動モータを回すためのタイマ機能が必要になる。
【0018】
(2)突き当て制御時に、励磁コイルに流れる電流が一定値になるように制御することとあるが、どのような電流値にすれば良いか検討が必要。
【0019】
従来の同期回転機用回転角度検出装置の初期位置学習制御は、基準となるストッパに出力軸が当たるまで電動モータを回し、ストッパの位置を基準にレンジを判定している。しかし、出力軸角度検出手段の出力値が設計中央値から外れており、且つ、僅かに出力直線性誤差があるため、ストッパの製造誤差などで、実際にアクチュエータを動作させた際に、完全に指示レンジに遷移しないなど、機能的に問題が出る可能性がある。
【0020】
また、毎回初期学習制御を行うようなシステムの場合、経年劣化などにより、角度誤差は顕著になると考えられる。
【0021】
そこで本発明は、突き当て制御を実施することにより生じる機械的なダメージを抑え、且つ高精度な位置制御が可能な同期回転機用回転角度検出装置の提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、励磁コイルへの通電によりロータに回転出力を発生させる電動モータと、前記ロータの回転出力を減速機により増幅することで駆動される出力軸と、各相のコイルを順次通電するロータの回転位置を検出するエンコーダと、前記出力軸の回転角度を検出する出力軸角度検出手段と、前記出力軸の稼動範囲の一方の限界位置に突き当たるまで回転させる突き当て制御を実施する突き当て制御手段と、を備える同期回転機用回転角度検出装置において、前記突き当て制御の実施時に、出力軸の先端に付いた部品がストッパに当接した位置から所定の角度分戻した位置を基準位置とする基準位置認識手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、突き当て制御を実施することにより生じる機械的なダメージを抑え、且つ高精度な位置制御が可能な同期回転機用回転角度検出装置を提供することができる。
【0024】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係る電動パーキングロックシステムの構成図。
図2】本発明に係る初期位置学習制御のフローチャート。
図3】出力軸角度センサを高精度で使用可能となる概念を示した説明図。
図4】同期回転機用回転角度検出装置で考えられる製造誤差要因を示す説明図。
図5】本発明に係る初期位置学習制御による機差ばらつきの影響検討結果。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、同期回転機用回転角度検出装置に具備された駆動対象(出力軸)の基準位置を認識(学習)するための手法に関し、例えば車両用自動変速機の電動シフトレンジ切替え機構、又は電動パーキングロック切替え機構を電動モータの回転出力によって駆動するレンジ切替え装置において、シフト位置あるいは駆動対象(出力軸)の位置を初期設定(学習)するのに好適な技術を提供する。
【0027】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0028】
図1に同期回転機用回転角度検出装置の内部構成の一例を示す。
【0029】
図1は電動パーキングロックシステムのシステム構成の概略図であり、電制シフターはパーキングロック、又はパーキングロック解除要求を出すデバイスであり、電子制御装置(以下、ECU1)からの通電指示によりアクチュエータ5内にある電動モータ6を駆動する構成となっている。
【0030】
ECU1は、出力軸角センサ8からの角度情報とモータ位置センサ7からのロータ位置情報により電動モータ6への通電モードを切替えるなどの処理を行うマイコン2、モータ駆動電流を検出する電流検出回路3、マイコン2からの通電指示により電動モータ6へ電流を通電するドライバ回路4で構成される。
【0031】
アクチュエータ5は、ドライバ回路4からの通電により駆動する電動モータ6、モータロータの位置を検出するモータ位置センサ7、モータロータの出力トルクを減速機を介して増大し出力軸へ伝達した後の出力軸の角度を検出する出力軸角度センサ8で構成される。
【0032】
また、モータ位置センサ7は例えば、U相,V相,W相に設置されたホール素子を指し、出力軸角度センサ8は例えば、リニアな特性を持ったインダクティブセンサを指している。
【0033】
図2は電動パーキングロックシステムの初期位置学習の手順を示すフローチャートである。車両の生産ラインで、組み立て完了後、始動確認を行う。その際に電動パーキングロックシステムの初期位置学習を図2に示すような以下の手順で行う。
【0034】
(1)起動時、ECU1内のマイコン2は基準位置を記憶する自身の記憶領域をチェックし、基準位置が記憶されているか否か、即ち、初期学習が完了しているか否かを確認する(ステップS1)。
【0035】
(2)マイコン2の記憶領域に基準位置が記憶されている場合は初期位置学習処理を終了する(ステップS2)。
【0036】
(3)マイコン2の記憶領域に基準位置が記憶されていない場合、即ち初期学習が未実施であれば、どちらか一方に出力軸を出力軸角度センサの出力値を基に、一定の偏差でソフトランディングする。ここでの偏差とは、通常制御で使用するような角度フィードバック量ではなく、初期位置学習専用に設定された偏差量である(ステップS3)。
【0037】
(4)ステップS3によりどちらか一方に出力軸を回転させ、出力軸の先端に具備されたマニュアルプレートがストッパに当接するまでソフトランディングする。
【0038】
ここで、マニュアルプレートがストッパに当接したか否かを判断する為に、電動モータ6に流れる総電流を電流検出回路3により検出し、総電流の変化量がある閾値を超えたとマイコン2が判断した場合、マニュアルプレートがストッパに当接したか否かを判断する(ステップS4)。
【0039】
(5)ストッパに当接した位置からモータ位置センサ7の出力により、目標のレンジ位置まで出力軸(マニュアルプレート)を動かす(ステップS5)。
【0040】
出力軸角度センサ8は直線性誤差と、出力傾斜の誤差があるので、ここではモータ位置センサ7の信号を基に目標レンジ位置で停止させる。
【0041】
モータ位置センサ7で出力軸角度を算出するには、例えば、モータ位置センサ信号によりロータの回転数が求められるが、これをアクチュエータ5に内蔵された減速機の減速比により掛け合わせることで出力軸の角度を算出することが出来る。
【0042】
(6)ステップS5で停止した位置での出力軸角度センサ8の出力値を読み取り、この出力値を基準位置としてマイコン2の記憶領域に記憶する(ステップS6)。
【0043】
(7)今回は電動パーキングロックシステムを例としている為、目標レンジはPレンジ、NotPレンジの2ポジションであり、もう一方のストッパに対してもステップS3からステップS6までを実施する(ステップS7)。
【0044】
上記ステップS7までを実施することにより、直線性誤差と、出力傾斜の誤差がある出力軸角センサが、Pレンジ/NotPレンジの範囲で出力軸角度センサの直線性誤差を無視することが出来るため、モータ位置センサでの角度制御と比較し、レンジ位置の精度を向上することができる。
【0045】
図3は出力軸角度センサを高精度で使用可能となる概念を示した説明図である。図4は、同期回転機用回転角度検出装置で考えられる製造誤差要因を示す説明図である。
【0046】
図5は本発明に係る初期位置学習制御による機差ばらつきの影響を検討した結果について示した図である。(1)、(1)´は学習時の動作ポジションであり、制御の基準となる。(2)は学習後、オーバランでPレンジに停止した時のポジションであり、ガタにより出力軸の位相は進み、出力軸の停止範囲は広がる。但し、ガタは最少0なので、範囲は6.75°である。(3)はNotPレンジに侵入した場合のポジションであり、(1)´の学習基準で考えるとガタの影響を受けない。(4)はNotPオーバランで停止した場合のポジションであり、(1)´の学習基準で考えるとガタの影響を受けない。(5)はNotPオーバラン後、NotPの手前で停止した場合のポジションであり、(1)´の学習基準で考えると、ガタの影響は(2)の場合と同様である。(6)はNotPからPレンジに侵入した時のポジションであり、この場合はガタの影響を受けない。(7)はPオーバランで停止した時のポジションであり、この場合もガタの影響を受けない。
【0047】
以上説明した如く、本発明では、同期回転機用回転角度検出装置に出力軸角度センサとエンコーダ(以下、モータ位置センサ)を実装することにより、工場出荷時に初期位置学習制御を行う際、出力軸角度センサの検出値を基に一定の偏差で出力軸を動かし、出力軸がストッパに当接後、基準となるレンジ位置までモータ位置センサの検出値を基に出力軸を移動し、その位置を出力軸角度センサの検出値で基準位置を決定する。
【0048】
上記の処理を行うことで、出力軸センサが持っている直線性誤差と出力傾斜の誤差を吸収することができる為、モータ位置センサで行うより精度良くレンジ切替えを行うことができる。
【0049】
また、工場出荷時に決定した基準位置は、制御装置(ECU)の記憶領域に記憶することで、次回起動時以降はこの学習値を参照することで、起動毎に行っていた一連の初期位置学習工程を省力することが可能であり、突き当て制御で懸念される構造物の破損の心配も無い。
【0050】
また、本発明によれば、電制パーキングロックシステムのような、動作範囲を学習する初期位置学習が必要なシステムについて、モータ位置センサと角度センサの両センサを実装するようシステムを構築することで、高精度の位置制御が可能となり、製品の機差ばらつき、ガタなどを吸収することができる。
【0051】
なお、本発明は以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、様々な分野、例えば電制シフトセレクタなどでも応用することが可能である。
【0052】
また、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0053】
S1 初期位置学習要否判定
S2 初期位置学習処理終了処理
S3 ストッパへのソフトランディング
S4 ストッパへの当接判定
S5 モータ位置センサでの目標レンジ位置への遷移処理
S6 基準位置学習処理
S7 ステップS3からステップS6の繰り返し処理
図1
図2
図3
図4
図5