(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記読取部は、前記診断用パターンを光学的に読み取った画像情報に文字認識処理を施して認識文字情報を生成し、前記認識文字情報を含む前記読取情報を前記診断部に出力し、
前記診断部は、前記読取部から取得した前記認識文字情報に基づいて前記読取部を診断する、
請求項1に記載の帳票取扱装置。
前記取引処理部は、前記媒体を用いた取引指示を取得したときは、前記媒体の読み取りを行う前に前記診断部に前記読取部の診断を指示し、前記診断部によって、前記読取部の正常が確認されたときは前記取引指示に対応する取引を行い、前記読取部の正常が確認されなかったときは前記取引指示に対応する取引を中止する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の帳票取扱装置。
前記診断部は、前記取引処理部からの指示に応じた診断において、前記読取部の正常を確認できなかったときは、前記取引を指示した利用者に対して前記読取台上の媒体の除去を促した後、再度前記読取部を診断する、
請求項5に記載の帳票取扱装置。
前記診断部は、前記媒体を用いた取引を中止するごとにエラー回数カウンタをカウントアップし、前記エラー回数カウンタの値が所定の回数に到達したときは自装置を休止する、
請求項5または6に記載の帳票取扱装置。
前記診断部は、自装置の起動時に前記読取部を起動して前記読取情報を取得し、前記読取情報と前記基準情報とに基づいて前記読取部の不具合を検出したときは、自装置を休止する、
請求項1乃至7の何れか1項に記載の帳票取扱装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態の帳票取扱装置の構成を示したブロック図である。
【0012】
帳票取扱装置1は、読取台2と、読取部3と、記憶部4と、診断部5と、取引処理部6と、を有する。なお、
図1に示した読取台2は説明の対象となる一部分を切り出した図であり、読取台2は帳票取扱装置1の側面等に設置されるものである。
【0013】
読取台2は、帳票等の媒体を載置する載置面2aを備える。第1の実施形態では、取引に関する情報が光学的に読み取り可能な状態で記録されたものを媒体とする。また、この載置面2a上の読取対象領域2bには、読取部3の診断のための診断用パターン2cが、印刷等によって予め設定されている。診断用パターン2cは、例えば、図形や文字、画像等が、読取部3が読取可能な態様で設定されている。
【0014】
読取部3は、取引処理部6または診断部5の指示に応じて載置面2aの読取対象領域2bを光学的に読み取り、読取情報を生成して指示元へ出力する。読取部3は、光学的な読取手段としてスキャナあるいは電子カメラ等を備える。生成する読取情報は、光学的に読み取った画像情報そのものであってもよいし、画像情報に所定の処理を施した情報であってもよい。例えば、媒体に記載された文字を取得するため、読取部3がOCR(Optical Character Recognition;光学文字認識)機能を有している場合には、画像情報に文字認識処理を施して得られた認識文字情報であってもよい。
【0015】
記憶部4には、読取部3の読み取りが正常であるか否かの判断基準となる基準情報が記憶される。基準情報は、例えば、診断用パターン2cの元の画像、または、読取部3が正常状態において読み取られた診断用パターン2cの画像等である。また、診断用パターン2cに文字が含まれる場合は、この文字に関する文字情報であってもよい。
【0016】
診断部5は、取引処理部6が読取部3を動作させていない期間に読取部3に読取指示を行って動作させる。取引処理部6が読取部3を動作させていない期間には、読取台2上には何もセットされておらず、読取部3は載置面2aの診断用パターン2cを読み取ることができる可能性が高い。診断部5は、読取部3が読み取った診断用パターン2cの読取情報と、記憶部4に記憶される基準情報と、を比較して読取部3を診断する。
【0017】
取引処理部6は、媒体を用いた取引が指示されたときは、読取指示を読取部3に出力して読取台2の載置面2a上にセットされた媒体の読取情報を取得し、媒体の読取情報に基づいて取引処理を行う。
【0018】
このような構成の帳票取扱装置1の読取部3を用いた動作について説明する。
帳票取扱装置1は、利用者からの指示に基づいて、金融取引を処理する。利用者によって媒体を用いた取引が指示されたとき、取引処理部6は、読取部3を起動し、読取部3から読取台2の載置面2aにセットされた媒体を光学的に読み取った読取情報を取得する。読取情報は、読取部3が撮像した媒体の画像情報であってもよいし、この画像情報に文字認識処理を施して得られた情報であってもよい。取引処理部6は、読取部3から取得した読取情報に基づき、文字認識処理が施されていないときは文字認識を行った後、媒体に記載された取引を行う。
【0019】
一方、診断部5は、取引処理部6が読取部3を動作させていない期間に読取部3に読取指示を行い、読取部3が正常に動作するか否かを確認するための診断を行う。診断は、取引処理部6が読取部3に媒体の読み取りを要求してから読み取り結果を得るまでの期間を除いて行うことができる。例えば、帳票取扱装置を起動したとき、新たな利用者を待つ待ち状態の期間、読取部3による媒体の読み取りが終了した後の期間等、に行うことができる。また、取引処理部6が媒体を用いた取引を開始してから読取部3に読取指示を出力するまでの期間に、取引処理部6によって診断部5が起動されるとしてもよい。
【0020】
診断部5は、読取部3に読取指示を行って動作させ、載置面2aの読取対象の読取情報を取得する。取引処理部6が読取部3を動作させていない期間には、載置面2aに媒体がセットされている可能性は低く、読取部3は診断用パターン2cを読み取る可能性が高い。診断部5は、読取部3から取得した読取情報と、基本情報とに基づき、読取部3の故障を検出する。例えば、読取部3が読み取った画像情報と、基本情報に設定される診断用パターン2cの画像情報とを比較し、一致しているか否かによって、読取部3を診断する。また、診断用パターン2cに文字が含まれている場合には、読取部3が読み取った診断用パターン2cの画像を文字認識して得られた認識文字情報と、基本情報に設定される診断用パターン2cの文字情報とを比較して診断するとしてもよい。
【0021】
なお、利用者が帳票取扱装置1を操作中に診断を行う場合には、媒体等が読取台2に置かれている可能性もあることから、診断を複数回行うとしてもよい。このとき、読取台2から媒体を除去するように利用者に促してから再度診断を行うとしてもよい。
【0022】
このように、帳票取扱装置1では、取引処理部6が読取部3を動作させていない期間に、診断部5によって予め読取台2に設定される診断用パターン2cを用いた読取部3を診断する。このため、読取部3の不具合を早期に検出し、監視センタへの通知や帳票取扱装置の休止等の対応をとることができる。これにより、媒体を用いた取引を指示した利用者の取引が途中で停止するといった不具合を防ぐことができ、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0023】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態として、帳票取扱装置1をATMに適用した場合について説明する。なお、以下の説明では、ATMの各部のうち、帳票の取扱いに関する構成部をまとめて帳票取扱装置とする。税金等の公金や各種決済は、口座引き落としのように電子決済できる場合もあるが、帳票を用いて現金にて決済されることも多い。ATMは利用可能な時間も長く、駅や店舗等、金融機関以外の場所にも設置されており、利用者が気軽に利用することができる。このため、利用者の利便性のさらなる向上が求められている。
【0024】
まず、第2の実施形態のATMの構成例について説明する。
図2は、第2の実施形態のATMの概略構成を示した図である。なお、
図2に示した構成は一例であり、各部の配置及び構成は、任意に設定することができる。
【0025】
図2に示したATM10は、読取台12と、スキャナ13と、顧客操作部14と、カード/レシート部15と、紙幣処理部16と、テンキー入力部17と、を有する。
読取台12は、ATM10の装置外面に設けられ、読取対象の帳票を載置する載置面12aを有する。載置面12aには、診断用パターン20が設定されている。
【0026】
スキャナ13は、読取台12の載置面12aの上方に設けられ、読取台12の読取対象領域12bを光学的に読み取る。読取台12に帳票がセットされているときは帳票の読取情報が生成され、帳票がセットされていないときは診断用パターン20の読取情報が生成される。スキャナ13は、第1の実施形態の読取部3の一実施形態である。
【0027】
顧客操作部14は、ディスプレイとタッチパネルを有し、取引操作の案内と、指示の受け付けとを行う。カード/レシート部15は、キャッシュカードやクレジットカード等のカードを用いる取引において、カードの挿入と排出とを行う。また、取引終了時に発行するレシートを排出する。紙幣処理部16では、入金及び出金取引の際に、紙幣の受け渡しを処理する。テンキー入力部17は、数字等を入力するキーを備え、顧客操作部14のタッチパネルと協働して利用者の指示を受け付ける。
【0028】
帳票を用いた取引処理について説明する。利用者は、顧客操作部14またはテンキー入力部17を操作して帳票を用いた取引を指示し、顧客操作部14に表示される案内に従って帳票を読取台12にセットする。ATM10では、スキャナ13が帳票を読み取り、読取情報から検出した取引情報に基づく取引内容の確認画面を顧客操作部14に表示する。利用者は、顧客操作部14にて取引内容を確認し、取引を行う場合には、紙幣処理部16に現金を投入、またはカード/レシート部15にキャッシュカード等を投入し、支払処理を行う。支払い完了後、カード/レシート部15からレシートが出力される。取引にカードを用いていた場合には、レシートとともにカードが返却される。利用者は、これらを受取り、取引を完了する。
【0029】
このように、帳票を用いた取引は、スキャナ13が帳票を正しく読み取って成立する取引であり、スキャナ13に不具合があると、取引ができなくなってしまう。
そこで、ATM10では、帳票の読み取りが行われていない期間にスキャナ13の診断を行う。この期間は読取台12に何もセットされておらず、スキャナ13は診断用パターン20を読み取ることができる可能性が非常に高い。ATM10におけるスキャナ13の診断処理の詳細については後述する。
【0030】
次に、診断用パターンについて説明する。
図3は、第2の実施形態の診断用パターンの一例を示した図である。
図3に示した一例では、読取台12の載置面12aに、診断用パターンとして文字パターン21が設定される。
【0031】
文字パターン21には、スキャナ13によって光学的に読み取り可能な文字が、点線によって示したスキャナ13の読取対象領域12bに亘って配置されている。
スキャナ13は、OCR機能を有しており、文字パターン21の画像を読み取り、読み取った画像情報にOCR処理を施して、画像情報を認識文字情報に変換する。
【0032】
ATM10は、装置内に文字パターン21を構成する文字の文字情報を記憶している。スキャナ13の認識文字情報と、装置内に記憶する文字情報とを比較することにより、スキャナ13が読取対象領域12bを正しく読み取れているか否かを診断する。
【0033】
さらに、文字パターン21は文字が読取対象領域12bに亘って配置されているので、基準情報に文字の位置情報が付加されていれば、スキャナ13の認識文字情報と、基準情報を比較すれば、どの領域が正しく読み取れていないのかを判別することもできる。位置情報とは、例えば、文字が文字行列の何行・何列目にあるのかを特定できる情報である。
【0034】
なお、
図3には、文字パターン21として、数字を配置する例を示したが、文字認識処理の対象であればどのような文字を配置してもよい。例えば、英字、かな、漢字等を配置、あるいはこれらを混在して配置するとしてもよい。
【0035】
次に、ATM10のハードウェア構成及び動作について説明する。
図4は、ATMのハードウェア構成を示すブロック図である。
ATM10は、制御部110と、ディスプレイ14aと、タッチパネル14bと、スキャナ13と、カード/レシート処理ユニット150と、紙幣処理ユニット160と、テンキー170と、対人センサ制御180と、を有する。
【0036】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、第1HDD(Hard Disk Drive)113a、第2HDD113b、外部通信インタフェース114、表示処理ユニット115、キー処理ユニット116及びI/O(Input/Output)制御部117を有し、各々がバス118を介して接続されている。なお、制御部110は、コンピュータの一例でもある。
【0037】
CPU111は、ATM10の全体動作を制御する。RAM112には、CPU111に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM112には、CPU111による処理に必要な各種データが格納される。
【0038】
第1HDD113a及び第2HDD113bには、OSやアプリケーションプログラムを格納する。第1HDD113aと、第2HDD113bとは、システム保護のために二重化されているが、何れか一方のみで構成することもできる。
【0039】
外部通信インタフェース114は、外部のネットワーク120に接続され、ホストコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
表示処理ユニット115には、ディスプレイ14aが接続される。ディスプレイ14aは、タッチパネル14bとともに顧客操作部14を構成する。表示処理ユニット115は、CPU111の制御の下に、操作案内等の各種情報をディスプレイ14aの画面に表示させる。
【0040】
キー処理ユニット116には、タッチパネル14bが接続される。タッチパネル14bは、ディスプレイ14aの上層に形成される。キー処理ユニット116は、利用者の指等がタッチパネル14bに接触あるいは接近した画面上の位置を検出し、CPU111に通知する。
【0041】
I/O制御部117には、スキャナ13、カード/レシート処理ユニット150、紙幣処理ユニット160、テンキー170及び対人センサ制御180が接続される。I/O制御部117は、CPU111の制御の下に、接続する各部にCPU111からの指示を通知するとともに、各部から取得した情報をバス118経由でCPU111に送る。
【0042】
スキャナ13は、ATM10の装置外面に設けられ、CPU111の制御の下、装置外面の読取台12の読取対象領域12bを光学的に読み取り、画像情報を生成する。また、文字認識機能を有し、画像情報に文字認識処理を施して認識文字情報を生成する。読取対象領域12bに帳票がセットされているときは帳票の認識文字情報を、帳票がセットされていないときは診断用パターン20の認識文字情報を、生成する。
【0043】
カード/レシート処理ユニット150は、カード/レシート部15に設けられ、カードの取り込みと排出、及びレシートの排出を制御する。紙幣処理ユニット160は、紙幣処理部16に設けられ、CPU111の指示に従って紙幣の入出金と、扉の開閉とを制御する。テンキー170は、テンキー入力部17に設けられ、利用者が押下したテンキーの情報を出力する。対人センサ制御180は、人の接近を検知する対人センサを制御し、ATM10に利用者が近付いたことを検出する。
【0044】
以上のようなハードウェア構成によって、本発明の実施形態の処理機能を実現することができる。なお、上記の構成は一例であり、ATM10の構成部の組み合わせは適宜決定される。上記構成のうち必要のないものを削除するとしてもよいし、例えば、手のひら静脈や指静脈を用いた生体認証部や非接触ICに対応する非接触IC部、硬貨処理ユニット等を加えることもできる。
【0045】
次に、ATMの処理機能について説明する。
図5は、ATMの機能ブロック図である。
ATM10は、スキャナ13による読み取りを制御する読取制御部210と、スキャナ13を診断する診断部220と、外部通信インタフェース114、表示処理ユニット115、キー処理ユニット116、紙幣処理ユニット160及びカード/レシート処理ユニット150の各部を制御する取引処理部230と、を有し、各種取引処理と、帳票取扱装置の診断と、を実行する。各部の処理機能は、CPU111がプログラムを実行することにより実現する。
【0046】
スキャナ13は、撮像部131、撮像制御部132及び文字認識部133を有し、読取制御部210の指示に従って読取台12の読取対象領域12bの読取処理を実行する。撮像部131は、読取対象領域12bの画像を取得する。読取対象領域12bは、読取台12の載置面12aに設定され少なくとも読取台12に載置される帳票の読取対象部分と、診断用パターン20が設定される領域を含む。撮像制御部132は、読取制御部210の読取指示に従って撮像部131及び文字認識部133を制御する。文字認識部133は、撮像制御部132に従って、撮像部131が取得した画像の指定範囲を文字認識し、認識文字情報を含む読取情報を生成する。
【0047】
読取制御部210は、取引処理部230または診断部220からスキャナ13による読取要求を受け取ると、スキャナ13を起動し、読取情報を得る。読取情報は、それぞれ指示元の取引処理部230または診断部220に出力する。
【0048】
診断部220は、診断制御部221と、比較部222と、基準情報記憶部223と、を有する。診断制御部221は、取引処理部230からの指示、または取引処理部230の動作状態を監視し、取引制御部231が帳票の取扱いを行っていない状態であるときに、スキャナ13を診断する。ATM10では、起動時であって顧客へのサービス提供が可能となるまでの期間と、取引処理部230から診断を要求されたときに、スキャナ13を診断する。診断制御部221は、読取制御部210を介してスキャナ13に読取要求を行い、読取制御部210を介してスキャナ13が読み取った文字パターン21の認識文字情報を取得する。比較部222は、診断制御部221から取得した認識文字情報と、基準情報記憶部223に記憶する基準情報と、を比較し、一致しているか否かを診断制御部221に通知する。基準情報記憶部223には、文字パターン21に設定されている文字に関する情報が基準情報として記憶されている。例えば、文字パターン21を形成する各文字がその位置情報とともに記憶されている。
【0049】
取引処理部230は、ATM10が行う各種取引を実行する複数のアプリケーションを有し、読取制御部210や診断部220と、情報の授受を行い、各種取引処理を行う。取引制御部231は、ホスト間通信制御部232、表示制御部233、キー入力処理部234、入出金制御部235及びレシート発行制御部236を制御して、利用者が指定した取引処理を行う。ホスト間通信制御部232は、取引制御部231に従って外部通信インタフェース114を介して外部のホストとの間の通信を制御する。表示制御部233は、表示処理ユニット115を制御し、取引制御部231に従ってディスプレイ14aに画面を表示する。キー入力処理部234は、キー処理ユニット116を介して入力するタッチパネル14bの操作情報を取引制御部231に通知する。入出金制御部235は、取引制御部231に従って紙幣処理ユニット160を制御し、取引に伴う紙幣の入出金を行う。レシート発行制御部236は、取引制御部231に従って、取引終了時にレシートを発行し、カード/レシート処理ユニット150を介して発行したレシートを排出する。
【0050】
このような構成のATM10の動作について説明する。
まず、読取台12の状態について説明する。
図6は、スキャナから見た読取台の状態を示した図である。(A)は診断時、(B)は帳票取扱い時の状態を示している。
【0051】
図6(A)に示した状態は、読取台12の載置面12aに何も置かれていない状態であり、スキャナ13は、読取台12の載置面12aに形成された文字パターン21を読み取ることができる。
【0052】
図6(B)に示した状態は、帳票300を用いた取引処理が行われ、利用者によって読取台12の載置面12aに帳票300が置かれた状態を示している。読取台12の載置面12aに帳票300が置かれた状態では、文字パターン21は帳票300によって隠され、スキャナ13は帳票300に記載された情報を読み取ることができる。ATM10では、予め標準フォーマットが決められている帳票を読取対象として処理を行う。標準フォーマットとして、例えば、帳票の少なくとも一方向のサイズ、読取対象の取引情報が記載されている位置、その取引情報の記載形式等が決められている。取引情報として、
図6に示した帳票300の払込取扱票の場合には、「収納機関番号」、「お客様番号」、「確認番号」から成る取引番号が印刷されている。取引番号は、取引に用いる番号であり、枠内に印刷された顧客の確認用のほか、OCR情報310、バーコードとしても印刷されている。取引処理部230は、スキャナ13を制御してOCR情報310を読み取って取引番号を取得することによって、取引番号に基づく取引処理を行う。なお、読取台12に帳票300が置かれた状態には、取引番号が印刷される箇所を含む帳票300の主要部分のみが読取台12に置かれ、残りの部分は顧客によって保持される場合も含む。
【0053】
次に、ATM10におけるスキャナ13の診断処理について説明する。前述のように、診断部220は、取引処理部230が読取制御部210を介してスキャナ13を動作させていない期間にスキャナ13を診断する。第2の実施形態では、ATM10の起動時と、取引処理部230が帳票取扱処理において帳票の読み取りを行う前と、においてスキャナ13を診断する。
【0054】
ATM10の起動時における第1の診断処理について説明する。
起動処理においてATM10は各部の動作確認を行う。その1つとして、スキャナ13の動作確認のため診断部220が起動される。診断部220では、診断制御部221が読取制御部210に読み取りを指示し、読取制御部210はスキャナ13の撮像制御部132に読取対象領域12bの読み取りを指示する。スキャナ13の撮像制御部132は、指示を受け、撮像部131を駆動し、読取台12の読取対象領域12bの画像情報を取得する。ATM10の起動時であり、読取台12には何も置かれていないはずであるから、
図6(A)に示した文字パターン21の画像情報を取得することができる。文字認識部133は、撮像部131が取得した画像情報に文字認識処理を施し、認識文字情報を生成する。撮像部131が正常であれば、
図6に示した文字パターン21の文字全てが認識文字情報に含まれる。診断部220の診断制御部221は、読取制御部210経由でこの認識文字情報を取得し、比較部222へ送る。比較部222では、基準情報記憶部223に記憶される基準情報と取得した認識文字情報とを比較し、一致しているか否かの結果を診断制御部221に通知する。診断制御部221は、結果が一致であれば、スキャナ13は正常であると判断し、次の処理に進む。結果が不一致であれば、スキャナ13は故障と判断し、その旨を利用者や管理者へ報知し、帳票取扱装置、またはATM10全体を停止する。
【0055】
帳票取扱処理の帳票読み取り前における第2の診断処理について説明する。
取引処理部230では、取引制御部231が、キー入力処理部234を介して入力する利用者の取引指示に応じて各種取引を実行する。利用者の取引指示が帳票の取扱いであったときは、帳票のセットを利用者に指示する前に診断部220に対してスキャナ13の診断を要求する。診断制御部221は、起動時の診断処理と同様にして、スキャナ13から認識文字情報を取得し、この認識文字情報と基準情報とが一致しているか否かの比較結果を比較部222から受ける。
【0056】
診断制御部221は、比較結果が一致であるときは、帳票取扱処理を先に進め、帳票300を読取台12に載置するように利用者に案内する。
図7は、帳票セット指示画面の一例を示した図である。
【0057】
図7に示した帳票セット指示画面400は、帳票のセットを指示するメッセージとともに、案内画面401と、確認ボタン403が表示される。案内画面401では、読取対象の帳票300を読取台12にセットしたときの帳票位置402を点線で示している。確認ボタン423は、帳票300をセットする利用者が帳票300の位置を確認した後に押下するボタンである。利用者が、確認ボタン403を押下して、案内画面401のように帳票300を読取台12にセットする。なお、帳票セット後に確認ボタン403を押下する様にしてもよい。事前にスキャナ13を診断し、正常に動作することが確認されているので、帳票300が読み取れないといった不具合の発生を防止することができる。
【0058】
一方、比較結果が不一致であったときは、利用者に対して読取台12上の媒体の除去を案内する画面をディスプレイ14aに表示し、再度診断を行う。帳票取扱処理の選択をした利用者が、事前に帳票300等の媒体を読取台12にセットしている可能性があるため、帳票取扱処理における診断処理ではこのような処理を行う。
図8は、媒体除去指示画面の一例を示した図である。
【0059】
図8に示した媒体除去指示画面430には、帳票等の媒体を読取台12から除去することを指示するメッセージ431と、確認ボタン432とが表示される。利用者が読取台12から媒体を除去して確認ボタン432を押下したことを検出し、再度診断処理を行う。診断処理は、所定の時間が経過するまで繰り返し、所定の時間が経過しても正常が検出できなかったとき、スキャナ13に不具合があると判断する。この場合は、取引を中止し、利用者にもその旨のメッセージを通知する。このように帳票300を除去する案内を行って診断処理を繰り返すことにより、帳票300の誤セットによってスキャナ13が故障と見なされる不具合を防止することができる。
【0060】
次に、ATM10が行う診断処理についてフローチャートを用いて説明する。
まず、起動時に行う第1の診断処理について説明する。
図9は、起動時処理の手順を示したフローチャートである。
【0061】
なお、
図9のフローチャートは、スキャナ13の診断処理を主として手順を示した図であり、他部の診断処理についての詳細は省略している。ATM10に電源が投入される等して初期化処理が起動された後、処理が開始される。
【0062】
[ステップS01]CPU111は、
図4に示したようなCPU111に接続する各ハードウェアの動作確認をする。動作確認が正常に終了しなかったときは、ATM10を休止する。動作確認が正常に終了したときは、処理をステップS02に進める。
【0063】
[ステップS02]CPU111は、OSを起動する。
[ステップS03]CPU111は、搭載されるアプリケーションソフトを起動する。これにより、
図5に示した各処理部が動作を開始できるようになる。
【0064】
[ステップS04]診断部220が起動される。診断部220は、連続エラー回数カウンタをクリアする。連続エラー回数カウンタは、診断部220においてスキャナ13の不具合が連続して検出されたとき、その検出数を数えるカウンタである。
【0065】
[ステップS05]診断制御部221は、読取制御部210を介してスキャナ13に対し、読取台12の読取対象領域12bの読み取りを要求し、読取情報を取得する。
[ステップS06]診断制御部221に従って比較部222は、取得した読取情報と、基準情報記憶部223から読み出した基準情報とを比較し、両者が同じであるか否かを判定する。両者が同じであれば、スキャナ13は正常であると判断し、処理をステップS07に進める。両者が同じでなければ、スキャナ13に不具合があると判断し、処理をステップS08に進める。
【0066】
[ステップS07]診断制御部221は、スキャナ13は正常であると判断したので、ATM10の通常動作を開始し、処理を取引制御部231に引き継ぐ。取引制御部231は、表示制御部233に指示してディスプレイ14aに顧客待ち画面を表示し、利用者の取引指示を受け付け可能とする。顧客待ち画面は、利用者に所望する取引を選択させるための選択画面等である。
【0067】
[ステップS08]診断制御部221は、スキャナ13に不具合があると判断したので、自装置(帳票取扱装置)を休止し、処理を取引制御部231に引き継ぐ。取引制御部231は、表示制御部233に指示してディスプレイ14aに自装置(帳票取扱装置)の休止を利用者に通知する休止画面を表示する。
【0068】
[ステップS09]取引制御部231は、ホスト間通信制御部232を介してスキャナ13の故障により自装置(帳票取扱装置)を休止したことを伝える休止情報を監視センタに送信する。
【0069】
上記の処理手順が実行されることにより、ATM10は、起動時のハードウェア動作確認時にスキャナ13の診断を実行し、不具合が検出されたときは帳票取扱装置を休止させて監視センタに通知する。これにより、早期に不具合を検出し、対処することが可能となる。
【0070】
次に、ATM10が通常動作を開始し、利用者によって帳票取扱いが選択された場合の帳票取扱処理と、帳票取扱処理において行われる第2の診断処理について説明する。
図10は、帳票取扱処理の手順を示したフローチャートである。
【0071】
取引処理部230では、キー入力処理部234を介して、帳票取扱いが利用者によって選択されたことが取引制御部231に入力される。これにより取引制御部231は、帳票取扱処理を開始する。
【0072】
[ステップS10]取引制御部231は、診断制御部221にスキャナ13の診断を指示し、診断制御部221は、スキャナ13の診断処理を行う。診断制御部221は、診断処理によって、スキャナ13の正常動作を確認するか、または不具合を検出する。診断処理の詳細は
図11を用いて後で説明する。
【0073】
[ステップS11]取引制御部231は、ステップS10の診断処理の結果、スキャナ13の正常動作が確認できたか否かをチェックする。正常動作を確認できたときは、処理をステップS12に進め、不具合が検出され、正常動作が確認できなかったときは処理をステップS21に進める。
【0074】
[ステップS12]取引制御部231は、表示制御部233に指示して
図7に示した帳票セット指示画面をディスプレイ14aに表示し、利用者に対し、読取台12への帳票のセットを指示する。また、取引制御部231は、連続エラー回数カウンタをクリアする。
【0075】
[ステップS13]取引制御部231は、読取制御部210に対し、読取台12の読取対象領域12bの読み取りを指示し、読取制御部210はスキャナ13を制御して帳票読取処理を実行する。ステップS12によって読取台12には帳票がセットされており、取引制御部231は、読取制御部210を介して帳票の認識文字情報を取得し、取引内容を取得する。帳票読取処理の詳細は
図12を用いて後で説明する。
【0076】
[ステップS14]取引制御部231は、ステップS13において取得した取引内容に基づき、表示制御部233に指示し、取引内容を利用者に示す取引内容表示画面をディスプレイ14aに表示する。
【0077】
[ステップS15]取引制御部231は、キー入力処理部234を介して、利用者による取引内容の表示画面の操作ボタン押下の検出情報を取得する。検出情報に基づいて確認ボタンが押下されているか否かを確認し、押下されていれば処理をステップS17に進め、押下されていなければ処理をステップS16に進める。
【0078】
[ステップS16]取引制御部231は、確認ボタンが押下されていないときは、取消ボタンが押下されているか否かを確認する。取消ボタンが押下されていれば精算処理を行わずに処理をステップS18に進める。取消ボタンが押下されていなければ処理をステップS15に戻し、キー入力処理部234の検出情報を待つ。
【0079】
[ステップS17]取引制御部231は、確認ボタンが押下されているので、表示した取引内容は了承されたと判断し、精算処理を行う。精算処理では、入出金制御部235を制御し、現金による決済を行う。また、決済手段はキャッシュカード等による預金引き落としとしてもよい。決済が終了したらレシート発行制御部236によりレシートを発行する。精算処理についての詳細は省略する。
【0080】
[ステップS18]取引制御部231は、表示制御部233に指示し、帳票、発行したレシート、キャッシュカード等によって決済したときはキャッシュカード等の媒体の受け取りを利用者に指示する媒体受取り指示画面をディスプレイ14aに表示する。
【0081】
[ステップS19]取引制御部231は、利用者が媒体を受け取ったことを検出した後もしくは所定の時間経過後、表示制御部233に指示し、取引終了を利用者に通知する取引終了画面をディスプレイ14aに表示する。
【0082】
[ステップS20]取引制御部231は、表示制御部233に指示し、取引前の状態で表示する顧客待ち画面をディスプレイ14aに表示し、帳票取扱処理を終了する。
[ステップS21]取引制御部231は、ステップS10の診断処理でスキャナ13の不具合が検出されたときは、表示制御部233に指示し、帳票取扱処理の取り消しを利用者に通知する処理取消画面をディスプレイ14aに表示する。
【0083】
[ステップS22]取引制御部231は、連続エラー回数カウンタを1カウントアップする。連続エラー回数カウンタは、ステップS10における診断によってスキャナ13の不具合を連続して検出した回数を計測するためのカウンタである。
【0084】
[ステップS23]取引制御部231は、ステップS22でカウントアップした連続エラー回数カウンタの値と上限値とを比較し、連続エラー回数カウンタの値が上限値を超えているか否かを確認する。取引制御部231は、連続エラー回数カウンタが上限値を超えているときは処理をステップS24に進め、超えていないときは処理をステップS10に戻り、再度、診断処理を行う。
【0085】
[ステップS24]取引制御部231は、連続エラー回数カウンタが上限値を超えたので、帳票取扱装置を休止し、休止画面をディスプレイ14aに表示し、処理を終了する。
以上の処理手順が実行されることにより、ATM10では、利用者によって帳票を取扱う取引が選択されたときは、帳票の読み取りを行う前に、スキャナ13を診断する。これにより、帳票を用いた取引がスキャナ13の不具合によって途中で停止するといった問題を防止することができ、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0086】
なお、起動時の動作確認では、スキャナ13の不具合を検出した場合に直ちに自装置(帳票取扱装置)を休止するとしていたが、帳票取扱処理における診断では、直ちには休止させない。帳票取扱処理における診断は利用者が取引操作を行っている最中に実行するので、利用者が帳票やその他の媒体、あるいは手荷物等を読取台12上に置いてしまっている可能性がある。よって、1回の不具合検出では、自装置(帳票取扱装置)を休止させず、所定の回数連続してスキャナ13の不具合を検出したときに、自装置(投票取扱装置)を休止するとしている。
【0087】
次に、診断部220による診断処理について説明する。
図11は、診断処理の手順を示したフローチャートである。
診断部220は、取引制御部231によって診断が指示されて処理を開始する。
【0088】
[ステップS101]診断制御部221は、読取制御部210に指示してスキャナ13を起動し、読取台12の読取対象領域12bの読み取りを行わせる。帳票セット指示の前であるため読取台12には何も置かれていない。スキャナ13は、撮像部131が診断用パターン20の画像情報を取得し、取得した画像情報は文字認識部133によって文字認識処理が施され、認識文字情報が生成される。認識文字情報は、読取制御部210を介して診断制御部221に入力する。
【0089】
[ステップS102]比較部222は、基準情報記憶部223に記憶される基準情報を読み出し、診断制御部221から取得した認識文字情報と比較し、比較結果を診断制御部221に送る。
【0090】
[ステップS103]診断制御部221は、比較部222による比較結果を取得し、一致しているか否かを判定する。認識文字情報と基準情報とが一致していたときは処理をステップS104に進め、一致していなかったときは処理をステップS105に進める。
【0091】
[ステップS104]診断制御部221は、認識文字情報と基準情報とが一致していたので、スキャナ13の正常動作を確認し、処理を終了する。
[ステップS105]診断制御部221は、認識文字情報と基準情報とが一致しなかったので、表示制御部233に指示し、
図8に示した媒体除去指示画面430をディスプレイ14aに表示する。
【0092】
[ステップS106]診断制御部221は、診断処理を開始してから一定の時間が経過したか否かを確認する。一定の時間が経過し、タイムアウトであるときは、処理をステップS107に進める。タイムアウトでないときは、処理をステップS101に進め、再度読取台12の読み取りからの処理を行う。
【0093】
[ステップS107]診断制御部221は、タイムアウトを検出したときは、スキャナ13に不具合があると判断し、処理を終了する。
なお、上記のステップS103では、認識文字情報と基準情報とが一致しているか否かで判定を行っているが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像情報で比較するような場合には、所定の許容範囲内で類似していれば、一致していると見なすとしてもよい。
【0094】
次に、帳票読取処理について説明する。
図12は、帳票読取処理の手順を示したフローチャートである。
取引制御部231によって帳票セットが指示された後、処理を開始する。
【0095】
[ステップS131]取引制御部231は、
図7に示した帳票セット指示画面400の確認ボタン403が押下されたか否かをチェックする。押下されているときは、処理をステップS132に進める。押下されてないときは、押下されるまで待つ。
【0096】
[ステップS132]取引制御部231は、確認ボタン403が押下されたときは、読取制御部210を介してスキャナ13を駆動し、帳票の読み取りを実行させる。そして、取引制御部231は、読取制御部210を介して認識文字情報を取得する。
【0097】
[ステップS133]取引制御部231は、帳票の読取情報として認識文字情報を取得する。認識文字情報には、帳票から読み取られた文字の情報が含まれている。取引制御部231は、帳票の所定の位置に印刷されている取引番号を認識文字情報から抽出する。
【0098】
[ステップS134]取引制御部231は、ステップS133において抽出した取引番号をホスト間通信制御部232経由でホストへ送信し、応答として取引内容に関する情報をホストから取得する。ホストにおいて取引番号に対応する情報が検出されなかったときは、番号を確認できなかったことが通知される。
【0099】
[ステップS135]取引制御部231は、ホストからの応答に基づき、番号が確認できたか否かをチェックする。ホストにおいて確認がとれ、取引内容に関する情報を受け取ったときは、処理を終了する。
【0100】
[ステップS136]取引制御部231は、ホストからの応答に基づき、番号が確認されなかったときは、帳票の再セットを促す画面をディスプレイ14aに表示し、処理をステップS131に進める。
【0101】
上記の処理手順が実行されることにより、取引制御部231は、スキャナ13を動作させて帳票に印刷された取引番号を読み取り、読み取った取引番号に基づいて取引を行うことができる。
【0102】
上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、帳票取扱装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RWなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0103】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0104】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0105】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現することもできる。
【0106】
上記の説明では、診断用パターン20を文字パターン21で構成する例を示したが、それ以外の診断用パターン20を用いるとしてもよい。
図13は、他の診断用パターンの一例を示した図である。
【0107】
図13に示した診断用パターン20は、読取台12の載置面12aに描かれた図形パターン22である。矢印の形状を有し、矢印は帳票300の配置方向を示す案内を兼ねている。診断部220では、診断制御部221は、スキャナ13が図形パターン22を読み取った画像情報を取得する。比較部222では、基準情報記憶部223に記憶される基準図形パターンを読み出し、取得した画像情報と比較する。比較部222は、同じ図形であるかどうかを判断し、結果を診断制御部221に通知する。診断制御部221は、同じ図形と判断されたときは、スキャナ13は正常であると判断し、同じ図形ではないと判断されたときは、スキャナ13は故障していると判断する。
【0108】
なお、
図3では文字パターン21、
図13では図形パターン22を示したが、それぞれ別個に形成するのではなく、文字パターン21と図形パターン22とを組み合わせたパターンとしてもよい。
【0109】
なお、本発明は上記の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせてもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。