【実施例1】
【0037】
[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機Pは、
図2に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤1、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び打球発射装置Gを備えている。外枠Aはパチンコ機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤1は、中枠Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは遊技盤1の透視保護窓であって、施錠装置Hの操作によって開閉可能な様に中枠Bの前面側に組み付けられる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、本実施例においては前枠Dの下部と一体に構成されている。従って、前枠Dを中枠Bに対して開閉するときに上の球受け皿Eも共に開閉される。下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿であって、中枠Bの下部に固定されている。打球発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置であって、中枠Bの右下部に装備される。
【0038】
中枠Bは、上縁をなす上枠部材B1と、下縁をなし打球発射装置G等が設置された下枠部材B2と、左側縁をなす左枠部材B3と、右側縁をなす右枠部材B4とから構成されて、これら上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に、全体が外枠Aの開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に開口する開口部分が、遊技盤1を設置する遊技盤保持部B5として機能する。ここで、中枠Bは、外枠Aの左上端部及び左下端部に設けられた支軸を介して枢支され、左側端部を中心として中枠Bを回転させることで外枠Aに対して中枠Bを開閉し得るようになっている。
【0039】
遊技盤1は、ベニヤ板、透明合成樹脂板などによって形成され、障害釘などが前面側に取り付けられた板部材1aと、この板部材1aの裏面側から取り付けられる裏ユニット3とから構成されている。裏ユニット3には、液晶表示装置LCDをはじめ、電飾装置、可動体役物などが組み付けられる。裏ユニット3は、板部材1aの裏面と液晶表示装置LCDの前面との間で可動体役物が出没等の動作を行うためのスペースを確保できる様に、板部材1aの裏面に取り付けられる。また、可動体等が取り付けられるセンター役物5が、板部材1aの中央開口1bを取り囲み、液晶表示装置LCDの視認領域を形成する。
【0040】
遊技盤1について説明すると、
図3(A)に示す様に、センター役物5は、障害釘11や風車12が植設された遊技領域10の中央に位置する様に取り付けられ、センター役物5の中央直下に始動入賞装置7が備えられる。また、この始動入賞装置7の右斜め下方に大入賞口15が設置され、センター役物5の右上から右下にかけての部分には、右打ち通路20が備えられた構成となっている。遊技盤1には、この他、誘導レール17、普通入賞口18,18,…、アウト口19等も設置されている。
【0041】
センター役物5は、大型装飾体31、ステージ32、ワープ通路33を備えるリング状を呈している。右打ち通路20は、遊技球を整列させながら流下させる通路幅に構成され、その下方に広がる右側遊技領域40へと遊技球を放出する。右側遊技領域40には、ゲート37が備えられると共に、第2始動入賞装置27及び普通入賞口18が設置されている。この第2始動入賞装置27は、ゲート37を遊技球が通過したことを契機に実行される普通図柄抽選結果に基づいて開閉動作される電動式チューリップを備えている。本実施例においては、大入賞口15も右側遊技領域40に位置させ、右打ち通路20を経由させて入賞させる大当たり遊技の方式を採用している。また、大当たり遊技終了後に確変や変短が付与された場合には、ゲート37の通過による普通図柄抽選の当選確率を「ほぼ0%の状態」から「ほぼ100%の状態」へと変更し、大当たり後も所定期間に渡って右打ち遊技を楽しませる構成も採用している。
【0042】
[2 可動体の概要]
また、
図3(B)に示す様に、裏ユニット3の前面側には、演出用の上部可動体110、左可動体120、右下可動体130、右上可動体140が組み付けられている。これら各可動体110〜140は、
図3(A)に示す様に、動作を行う前の待機位置においては大型装飾体31と一体化している。そして、各可動体110〜140は、
図3(B)に矢印で示す様に、待機位置と動作位置との間を回動動作する。
【0043】
[3 発光演出部材の概要]
また、本実施例のパチンコ機Pには、
図4〜
図6に示す様に、LEDを用いた発光演出を行うためのLED基板が備えられている。
【0044】
図4(A)〜(C)に示す様に、大型装飾体31には、複数のLED基板501〜507が備えられ、それぞれ、裏面側の接続部501a〜507aから延ばされるハーネス501h〜507hは、大型装飾体31の内部で取り廻した後、板部材1aの所定位置に形成した配線孔1h1,1h2、及び裏ユニット3の所定位置に形成した配線孔3h1,3h2を通して、裏ユニット3の裏面側まで取り廻す様に配線される。
【0045】
図5(A)〜(C)に示す様に、裏ユニット3の前面側にも複数のLED基板511〜516が取り付けられ、それぞれ、裏面側の接続部511a〜516aから延ばされるハーネス511h〜516hは、裏ユニット3の所定位置に形成した配線孔3h3,3h4を通して、裏ユニット3の裏面側まで取り廻す様に配線される。
【0046】
また、
図6(A)〜(C)に示す様に、各可動体110〜130の内部にも、LED基板521−1,521−2、522、523が設置され、それぞれの裏面側の接続部521a1,521a2,522a,523aから延ばされるハーネス521h1,521h2,522h,523hは、可動体110〜130の内部を取り廻され、裏ユニット3の各可動体110〜130の回動中心付近に形成された配線孔3h21〜3h23を通して、裏ユニット3の裏面側まで取り廻す様に配線される。これらハーネス521h1,521h2,522h,523hは、可動体110〜130の回動動作に追従し得る様に、長さに余裕を持たせて配線される。なお、上部可動体110の回動中心部の裏面には、ハーネス521h1とハーネス521h2を分けて引き出すことができる様に、円弧状開口521c1,521c2を有する裏蓋が装着さえている。
【0047】
裏ユニット3の裏面には、
図7(A)に示す様に、遊技盤入出力信号中継端子板51、電源中継基板52、ランプ中継信号基板53、裏ユニットLED中継端子板54が取り付けられている。大型装飾体内部に収納されたLED基板501〜507、可動体の裏側位置に設置されたLED基板511〜516、及び可動体内部に収納されたLED基板521−1,21−2,522,523から延ばされたハーネス501h〜507h,511h〜516h,521h1,521h2,522h,523hは、
図7(B)に示す様に、裏ユニットLED中継端子板54備えられたコネクタC501〜C506,C511〜C516,C521〜C524に接続される。
【0048】
[4 コネクタの概要]
裏ユニットLED中継端子板54備えられたコネクタC501〜C506,C511〜C516,C521〜C524は、
図8に示す様に、いずれもメス側コネクタFCとされている。そして、このメス側コネクタFCに対して係合させるハーネス側のコネクタは、
図9に示す様に、オス側コネクタMCとされている。そして、これら雌雄一対のコネクタは、
図10,
図11に示す様に、メス側コネクタFCに形成された回動軸部FC1と、オス側コネクタMCに形成された軸受け部MC1とを係合させて電気的な接続状態を保持したままで最大90度回動可能に構成されている。
【0049】
メス側コネクタFCは、
図8(A)に示す様に、ハウジングFC2内に幅方向に並ぶ様に複数個の端子FC3,…,FC4,…が備えられると共に、各端子に隣接する様に空所FC5,…が備えられている。これら端子FC3,FC4は、金属板からの打ち抜き加工によって剛性を有するナイフ状に形成されている。また、
図8(B)に示す様に、前側の端子FC3が後側の端子FC4よりも高さが低くなる様に、前後で高さを異ならせた設計とされている。
【0050】
オス側コネクタMCは、
図9(A),(B)に示す様に、ハウジングMC2内に幅方向に並ぶ様に複数個の端子MC3,…,MC4,…が備えられると共に、各端子に隣接する様に溝MC5,…が備えられている。これら端子MC3,MC4は、コネクタ係合時にメス側の端子FC3,FC4の両側面を挟む様に接触する接点MC3a,MC4aを内側に突設させる様に金属板を打ち抜き加工した後、U字状に折り曲げ加工してバネ状に形成されている。また、
図9(B)に示す様に、前側の端子MC3が後側の端子MC4よりも深さが浅くなる様に、前後で深さを異ならせた設計とされている。
【0051】
メス側コネクタFCのハウジングFC2は、
図8(A),
図10(A)に示す様に、端子FC3,FC4の並んだ方向に沿う背面側と、その左右両端に壁面FC6〜FC8を備え、前面側には壁面を備えない三方閉鎖型のボックス状に構成されている。前述の回動軸部FC1は、左右の壁面FC7,FC8の外面側から突設された円柱状の突起部によって構成されている。なお、本実施例においては、
図7(B)に示す様に、メス側コネクタFCは、裏ユニットLED中継端子板54に対して、背面が基板中心側となり、壁のない前面が基板の外側に向く様に実装されている。
【0052】
一方、オス側コネクタMCのハウジングMC2は、
図9(A),
図10(A),(C)に示す様に、ボックス状本体の左右の壁面MC7,MC8の外面側の高さ方向中程から突設された水平プレートMC7a,MC8aの端部に形成された垂直プレートMC7b,MC8bの下端に形成された下向き開口の半円形凹部によって軸受け部MC1が形成されている。
【0053】
また、
図8(A)〜(C)に示す様に、メス側コネクタFCの左右の壁面FC7,FC8の内面側にはガイド溝部FC10が形成されている。これに対し、
図9(A),(C)に示す様に、オス側コネクタMCの左右の壁面MC7,MC8の外面側には突起部MC10が形成されている。
【0054】
メス側コネクタFCに形成されたガイド溝部FC10は、雌雄一対のコネクタを係合させるとき、オス側コネクタMCに形成された突起部MC10の侵入方向を、第1の深さdまではコネクタ挿抜方向に規制し、第1の深さdを越えたらコネクタ挿抜方向には規制しない寸法・形状に形成されている。逆に、オス側コネクタMCに形成された突起部MC10は、雌雄一対のコネクタを係合させるとき、当該突起部MC10の侵入方向を、第1の深さdまではメス側コネクタFCに形成されたガイド溝部FC10によってコネクタ挿抜方向に規制され、第1の深さdを越えたらガイド溝部FC10によってコネクタ挿抜方向には規制されない寸法・形状に形成されている。
【0055】
より具体的には、ガイド溝部FC10は、
図8(A)〜(C)に示す様に、第1の深さdまでの部分が突起部MC10の幅とほぼ同一の細幅部FC11とされ、第1の深さdを越える部分は回動中心軸周りの相対的な回動を行ったときに突起部MC10を逃がす方向に広がる拡大部FC12とされた一連の溝として形成されている。また、ガイド溝部FC10には、雌雄一対のコネクタを係合させ始めるときに、突起部MC10の侵入方向をコネクタ挿抜方向に対して傾かせ得る様に、外に向かって開いた侵入口FC13が備えられている。
【0056】
同じくより具体的な突起部MC10は、
図9(A),(C)に示す様に、軸受け部MC1を突設する水平プレートの下側にだけ形成され、ガイド溝部FC10の細幅部FC11に侵入可能な幅及び厚さを有する中央部MC11と、中央部MC11よりも厚さが徐々に減少させられた上部MC12と、厚さ及び幅共に徐々に減少させられた先細となる先端部MC13とを備えている。
【0057】
[5 コネクタの係合・回動]
次に、雌雄一対のコネクタの係合と回動について、
図10,
図11に基づいて説明する。
【0058】
図10に示す様に、メス側コネクタFCに対し、壁面のない前面側からオス側コネクタMCを挿入する。このとき、メス側コネクタFCのハウジングFC2は三方閉鎖のボックス型とされ、ガイド溝部FC10には外に向かって開いた侵入口FC13が備えられ、オス側コネクタMCの突起部MC10は先細の先端部MC13を備えているから、
図10(B)に示す様に、オス側コネクタMCが傾いていても、コネクタ同士を差し込み合うとき、外開きの侵入口FC13が先細の先端部MC13を受け入れ、突起部MC10をガイド溝部MC10へと誘導し、スムーズな差し込み作業をサポートすることができる。
【0059】
その後、
図10(D)に示す様に、メス側コネクタFCの回動軸部FC1に対して軸受け部MC1を係合させる位置までオス側コネクタMCを挿入する。このとき、
図10(C)に示す様に、ガイド溝部FC10の細幅部FC11が、突起部MC10の中央部MC11をコネクタ挿抜方向に沿ってガイドする。
【0060】
オス側コネクタMCの差し込みが完了すると、
図11(A)に示す様に、突起部MC10の中央部MC11は細幅部FC11を通過し、拡大部FC12が広がる第1の深さdよりも深い位置まで侵入する。このとき、
図11(B)に示す様に、メス側コネクタFCの端子FC3,FC4は、オス側コネクタMCの端子MC3,FC4によって両側面を挟まれると共に、接点MC3a,MC4aを介して電気的に接続された状態となる。
【0061】
この状態においては、
図10(D)に示した様に、メス側コネクタFCの回動軸部FC1とオス側コネクタMCの軸受け部MC1とが係合し、回動中心軸が形成されている。そこで、
図11(C),(E)に示す様に、オス側コネクタMCを、前方へ向かって最大90度回動させる操作を容易に実施することができる。この間、
図11(D),(F)に示す様に、メス側コネクタFCの端子FC3,FC4は、オス側コネクタMCの端子MC3,FC4によって両側面を挟まれると共に、接点MC3a,MC4aを介して電気的に接続された状態を維持したままで最大90度回動される。
【0062】
この回動操作が始まると、
図11(C)に示す様に、突起部MC10はガイド溝部FC10の拡大部FC12へと入り込み、コネクタ挿抜方向へ抜き取ることができない状態となる。この結果、回動された後にオス側コネクタMCが引っ張られても突起部MC10はガイド溝部FC10から抜け出すことはない。この結果、両コネクタを係合させてから回動させることにより、自然に、係合を離脱できないロックされた状態を構成することができる。特に、90度回動させた状態のままではオス側コネクタMCを抜き取ることが不可能な状態となる。
【0063】
このロックされた状態は、回動状態を元に戻すことにより、突起部MC10をガイド溝部FC10の細溝部FC11の延長上に位置させることにより解除され、コネクタ挿抜方向へと抜き取ることが可能になる。よって、抜き取り作業に支障を来すこともない。
【0064】
[6 実施例1の作用・効果]
本実施例のパチンコ機Pによれば、メス側コネクタFCのハウジングFC2が、端子FC3,FC4の並んだ方向に沿う方の壁面の少なくとも一方が取り去られると共に、オス側コネクタMCをメス側コネクタFCに挿入して互いに係合し合わせたときに回動軸部FC1と軸受け部MC1とが係合し、端子が並ぶ方向に沿った回動中心軸を形成し、メス側コネクタFCとオス側コネクタMCとを相対的な回動が可能な状態とする。このとき、雌雄一対のコネクタは、ハウジングFC2,MC2内に所定方向に並ぶ様に備えられた複数個の端子に隣接する様に複数個の溝MC5又は空所FC5を備え、対応する端子同士を、溝又は空所内において端子が並ぶ方向に接触させることにより電気的な接続部を形成するから、電気的な接続を維持しつつ、裏ユニットLED中継端子板54の外側に向かってオス側コネクタMCを倒す様に回動させ、横挿しと同様の接続状態とすることができる。
【0065】
この結果、各LED基板に接続されるハーネスは、コネクタ近傍で屈曲させなくてもよく、ハーネス設置のためのスペースを小さくすることができる。また、雌雄一対のコネクタを抜き取る場合には、オス側コネクタMCをコネクタ挿抜方向に向くように回動してから抜き取ればよい。これにより、コネクタの挿抜時の作業性を向上させ、端子やハーネスの損傷を抑制することができる。
【0066】
また、ガイド溝部FC10によって突起部MC10をコネクタ挿抜方向にガイドすることにより、雌雄一対のコネクタを係合させるときに挿抜方向を安定させる。この結果、回動可能としたことによって挿抜方向が狂い易いといった新たな問題をも解消することができ、一層の作業性向上、それに伴う端子等の損傷の抑制といった作用・効果がより顕著に発揮される。
【0067】
さらに、雌雄一対のコネクタを係合させるとき、第1の深さdまでは、突起部MC10はガイド溝部FC10によって侵入方向をコネクタ挿抜方向に規制され、これにより、的確な方向に係合を開始する。第1の深さdを越えたらこのガイド溝部FC10による侵入方向の規制がなくなる。そして、回動軸部FC1と軸受け部MC1とは、第1の深さdを越えて挿入し合うことによって係合し、両コネクタを相対的に回動可能な状態とする。上述の様に、このときは突起部MC10はガイド溝部FC10による規制がなされない位置まで侵入しているから、ガイド溝部FC10に邪魔されることなく相対的な回動を行うことができる。
【0068】
また、第1の深さdを越えて係合させた後に両コネクタを相対的に回動すると、突起部MC10はガイド溝部FC10の拡大部FC12に入り込み、相対的に回動された状態ではコネクタ挿抜方向へ抜き取ることができない上に、オス側コネクタMCのハーネスが引っ張られたとしても抜けてしまうことがない。従って、可動体に収納されたLED基板へのハーネスに可動体の動作によってハーネスが引っ張られたり戻されたりするときも、コネクタ同士は相対的な回動が可能な状態で係合されているから、ハーネスに加わる引っ張ったり戻したりする力をコネクタの回動によって逃がすことができる。特に、90度回動させた状態で拡大部FC12に突起部MC10を侵入させてロックしているから、可動体の動作による引っ張り力が加わったとしても、コネクタが抜けたり緩んだりすることがない。そして、この様な確実な接続状態を維持するに当たり、ロック爪等を備える必要がないから、コネクタの挿入はもちろん、コネクタを抜き取る際も、作業性を向上することができる。
【0069】
本実施例においては、多数のLED基板のハーネスを裏ユニットLED端子板54に対して接続する構成を採用することによって組立や検査などにおける作業の管理等を容易に実施できる様にしている。この様に多くのハーネスを集約させて接続するとき、基板に垂直な方向にハーネスが延びたままであるとハーネスに奥行き方向の屈曲部が形成されてスペースを多く必要とする。この様なスペースの問題を解消するために横挿しとするとコネクタ挿抜の作業性が悪くなる。これに対し、本実施例では、オス側コネクタMCをメス側コネクタFCに対して端子の延びる方向から挿入する様に係合させた後に90度回動させてメス側コネクタFCが実装されている裏ユニットLED端子板54の背面に平行な方向にハーネスを延ばした状態とすることにより、ハーネスを背面側に大きく飛び出る様に屈曲させることなく基板の正面側へと取り廻すことができ、スペースの抑制とハーネスの損傷抑制とを的確に実現することができる。そして、コネクタ挿抜を作業スペースを十分に確保可能な裏ユニット3の背面側で容易に実行することができ、接続したコネクタから裏ユニット3の正面側のLED基板へとハーネスを接続するためにハーネスを極端に屈曲させることなく容易に取り廻すことができる。
【0070】
なお、LED基板側の接続部501a〜507a,511a〜516a,521a1,521a2,522a,523aについても、メス側コネクタFCを基板側に実装しておき、オス側コネクタMCを接続した後に回動させる様に構成すれば、LED基板から裏ユニットLED端子板54までほぼ全体に渡って大きな屈曲部を形成することなく配線することができる。
【実施例2】
【0071】
実施例2のパチンコ機P2は、
図12,
図13に示す様に、外枠Aの開口前面側に中枠Bが着脱及び開閉可能に組付けられ、この中枠Bの前面側に遊技盤1が着脱及び開閉可能に組み付けられ、この遊技盤1の前面を透視保護する前枠(ガラス扉。図示略。)が中枠Bに対して開閉可能に取り付けられた一般的なものである。実施例1と同様に、中枠Bの前面側下部には、上部球受け皿E、下部球受け皿F及び発射ハンドルGが取り付けられる。
【0072】
中枠Bの左側面枠部BL には、遊技盤1の左辺1L を回動可能に保持する保持具201が取り付けられている。この保持具201は、L字状の金具を中枠Bの左側面枠部BL に対して回動可能に取り付けたもので、遊技盤1を、その左辺1L 及び前面1F に当接した状態で保持する。
【0073】
中枠Bの右側面枠部BR には、保持具201によって左辺1L を保持された遊技盤1を中枠Bに向かって回動したときに右辺1R の側を固定支持する固定装置202も取り付けられている。この固定装置202は、遊技盤1の右上角部1R1及び右下角部1R2を前面から押圧固定する回動操作部材203を備えている。
【0074】
また、遊技盤1の裏面には、
図13(A)に示す様に、回動中心である左辺1L から所定距離L1だけ外方向へ離れた右辺1R 近くの位置に遊技盤側コネクタ210が取り付けられている。そして、中枠Bの前面側には、保持具201の回動軸から所定距離L2(≒L1)だけ離れた位置に、遊技盤側コネクタ210と挿脱される中枠側コネクタ220が取り付けられている。
【0075】
これら中枠側コネクタ220及び遊技盤側コネクタ210は、
図12に示す様に、端子Pinの配列方向が中枠の左右の辺とほぼ平行となる様に取り付けられている。
【0076】
ここで、中枠側コネクタ220には、
図13(A)に示す様に、実施例1と同様の突起部MC10を備えたオス側コネクタMCを、遊技盤側コネクタ210には、実施例1と同様のガイド溝部FC10を備えたメス側コネクタFCを用いる。このとき、メス側コネクタFCの背面側の壁面FC6が外側になる様に取り付ける。また、オス側コネクタMCは、中枠Bに対してバネ230を介在させたフローティング支持によって取り付けておく。
【0077】
図13(B)に示す様に、中枠Bと遊技盤1とを閉じてコネクタ同士を係合させ始めるときは、メス側コネクタFCとオス側コネクタMCの間には若干の傾きがあるが、ガイド溝部FC10の外開きの侵入口FC13が、突起部MC10の先細の先端部MC13を受け入れ、突起部MC10をガイド溝部MC10へと誘導し、スムーズに差し込みが開始する。そして、
図13(C)に示す様に、ガイド溝部FC10の細幅部FC11が、突起部MC10の中央部MC11をコネクタ挿抜方向に沿ってガイドし、
図13(D)に示す様に、最終的には、突起部MC10の中央部MC11は細幅部MC11を通過し、拡大部MC13が広がる第1の深さdよりも深い位置まで侵入する。このとき、実施例1において説明した様に、メス側コネクタFCの端子FC3,FC4は、オス側コネクタMCの端子MC3,FC4によって両側面を挟まれると共に、接点MC3a,MC4aを介して電気的に接続された状態となる。このとき、
図10(D)に示す様に、回動軸部FC1と軸受け部MC1が係合した状態となる。この結果、コネクタ同士の相対的な回動が的確な接続状態へとコネクタ同士の係合状態を自然に調整する。
【0078】
本実施例によれば、中枠Bと遊技盤1の電気的な接続にあっては、旋回によって接近を行う結果、コネクタ同士を係合開始させるときのコネクタ同士の若干の傾斜は、ガイド溝部FC10への突起部MC10の侵入の誘導作用によって解消される。
【0079】
一方、中枠Bと遊技盤1とを離間させる際には、回動軸が形成されている状態においてバネ130でフローティング支持されたオス側コネクタMCが傾動可能となっていることから、回動中心軸の周りに相対的な回動が生じ、離間時のコネクタ抜き取り開始をスムーズに実行させる。
【0080】
この結果、旋回による離間で電気的な接続を解除するときは、コネクタ同士の相対的な回動が相対的な傾斜状態を許容し、スムーズな接続解除を可能にする。
【0081】
以上、発明を実施するための最良の形態としての実施例及びいくつかの変形例を説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
【0082】
例えば、オス側コネクタMCを基板に実装しておき、ハーネス側をメス側コネクタFCとしても構わない。また、スロットマシンにおける配線接続等に適用しても構わない。さらに、オス側もメス側も基板に実装し、ボード・トゥー・ボード接続を採用した遊技機に適用しても構わない。
【0083】
LED基板に限らず、モータ、ソレノイド、液晶表示装置との接続はもちろん、センサとの接続、さらにはメイン制御基板とサブ制御基板との接続部など、信号線、電源線の接続において、本発明を適用することができる。また、本発明によって配線したハーネスをハーネスダクトで覆う様にしたり、接続して90度回動させたコネクタをカバー体で覆う様にしても構わない。