(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6197044
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】統合された酸素生成による段階的化学ルーピングプロセス
(51)【国際特許分類】
F23L 7/00 20060101AFI20170904BHJP
F23C 99/00 20060101ALI20170904BHJP
F23C 10/00 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
F23L7/00 A
F23C99/00 322
F23C10/00
【請求項の数】20
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-545121(P2015-545121)
(86)(22)【出願日】2013年11月22日
(65)【公表番号】特表2015-536439(P2015-536439A)
(43)【公表日】2015年12月21日
(86)【国際出願番号】US2013071441
(87)【国際公開番号】WO2014085243
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2015年7月22日
(31)【優先権主張番号】61/732,069
(32)【優先日】2012年11月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506018363
【氏名又は名称】サウジ アラビアン オイル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(74)【代理人】
【識別番号】100132403
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 儀雄
(72)【発明者】
【氏名】ニアス,チジャニ
(72)【発明者】
【氏名】ユーネス,ムラド,ヴィー.
【審査官】
黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】
仏国特許出願公開第2960943(FR,A1)
【文献】
国際公開第2011/110915(WO,A1)
【文献】
特開2001−272003(JP,A)
【文献】
特表2010−534310(JP,A)
【文献】
特開2011−16873(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0303875(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23L 7/00
F23C 10/00
F23C 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階燃焼の方法であって、
酸化された酸素担体ストリームを形成するために、還元された酸素担体ストリームを、空気反応装置を用いて酸化するステップと、
酸素担体および酸素減損空気を、前記酸化された酸素担体ストリームから、一次分離装置中で分離するステップと、
酸素ガスを、酸素生成システム中で生成するステップであり、前記酸素ガスは、イオン輸送膜を用いて前記酸素減損空気から酸素を分離して生成される、及び/又は、化学ルーピング酸素カップリング(CLOU)効果を有する前記酸素担体から放出された酸素によって生成される、ステップと、
前記酸素担体の存在下で、一次燃料反応装置を用いて燃料を燃焼させるステップと、
さらなる燃料供給、および前記一次燃料反応装置から出る未燃焼燃料のうちの少なくとも一方を、前記酸素生成システム中で生成された前記酸素ガスの存在下で、二次燃料反応装置を用いて燃焼させるステップであり、前記二次燃料反応装置は酸化された酸素担体を前記空気反応装置から前記二次燃料反応装置に運ぶようにさらに動作可能である、ステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記酸化するステップが、前記還元された酸素担体ストリームを、ライザー反応装置および流動床反応装置のうちの一方を用いて酸化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記燃焼させるステップが、流動床反応装置および移動床反応装置のうちの一方である前記一次燃料反応装置を用いて、燃料を燃焼させることを含む、請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記さらなる燃料供給、および前記一次燃料反応装置から出る前記未燃焼燃料のうちの少なくとも一方を前記燃焼させるステップが、酸素燃料ボイラーまたは任意の種類の燃焼室を用いてそのような燃料を燃焼させることを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記生成するステップが、内部使用またはユーティリティとしてのどちらか一方のために、前記酸素生成システムのイオン輸送膜中で前記酸素ガスを生成することを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記イオン輸送膜中で前記酸素ガスを前記生成することが、前記一次分離装置から出る前記酸素減損空気から酸素を分離することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記生成するステップが、内部使用またはユーティリティとしてのどちらか一方のために、前記酸素生成システムの酸素生成反応装置中で前記酸素ガスを生成することを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記一次分離装置から出る前記酸素担体が、前記一次燃料反応装置、前記酸素生成反応装置、および前記二次燃料反応装置のうちの少なくとも1つに入る、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記生成するステップが、前記酸素生成反応装置の圧力を増加させること、前記酸素生成反応装置の温度を調整すること、および前記酸素担体の存在下で、二酸化炭素および蒸気から成る群から選択されるスイープガスを注入することのうちの少なくとも1つによって、前記酸素生成反応装置中で前記酸素ガスを生成することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記酸素ガスおよび前記酸素担体を、二次分離装置中で分離するステップをさらに特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階燃焼のためのシステムであって、
還元された酸素担体ストリームを酸化して、酸化された酸素担体ストリームを形成するように構成された空気反応装置と、
酸素担体および酸素減損空気を、前記酸化された酸素担体ストリームから分離するように構成された一次分離装置と、
酸素ガスを生成するように構成された酸素生成システムであり、前記酸素ガスは、イオン輸送膜を用いて前記酸素減損空気から酸素を分離して生成される、及び/又は、化学ルーピング酸素カップリング(CLOU)効果を有する前記酸素担体から放出された酸素によって生成される、酸素生成システムと、
前記酸素担体の存在下で、燃料を燃焼させるように構成された一次燃料反応装置と、
さらなる燃料供給、および前記一次燃料反応装置から出る未燃焼燃料のうちの少なくとも一方を、前記酸素生成システム中で生成された前記酸素ガスの存在下で燃焼させるように構成された二次燃料反応装置であり、前記二次燃料反応装置は酸化された酸素担体を前記空気反応装置から前記二次燃料反応装置に運ぶようにさらに動作可能である、二次燃料反応装置と、
を備えるシステム。
【請求項12】
前記空気反応装置が、ライザー反応装置および流動床反応装置のうちの一方を備える、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記一次燃料反応装置が、流動床反応装置および移動床反応装置のうちの一方を備える、請求項11〜12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記二次燃料反応装置が、酸素燃料ボイラーまたは任意の種類の燃焼室をさらに備える、請求項11〜13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
前記酸素生成システムが、イオン輸送膜を備える、請求項11〜14のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
前記イオン輸送膜が、前記一次分離装置から出る前記酸素減損空気から酸素を分離することによって前記酸素ガスを生成するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記酸素生成システムが、酸素生成反応装置を備える、請求項11〜16のいずれかに記載のシステム。
【請求項18】
前記一次分離装置から出る前記酸素担体が、前記一次燃料反応装置、前記酸素生成反応装置、および前記二次燃料反応装置のうちの少なくとも1つに入る、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記酸素生成反応装置が、前記酸素生成反応装置の圧力を増加させること、前記酸素生成反応装置の温度を調整すること、ならびに前記酸素担体の存在下で、二酸化炭素および蒸気から成る群から選択されるスイープガスのうちの1つを注入することのうちの少なくとも1つによって、前記酸素ガスを生成するように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記酸素ガスおよび前記酸素担体を分離するように構成された二次分離装置をさらに特徴とする、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般には、燃料燃焼のプロセスおよびシステムに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、原位置(in situ)酸素生成を用いて燃料を燃焼させて、二酸化炭素(CO
2)が豊富な燃焼排ガスストリームを生成し、この燃焼排ガスストリームからCO
2を後の利用および/または隔離のために捕捉することが可能な2段階燃焼の方法およびシステムに関する。
【0002】
[関連技術の説明]
大気中の温室効果ガス濃度は、増加し続けるCO
2排出の結果として過去数年にわたってかなり増加している。例えば、CO
2の捕捉および隔離(CCS)を含むいくつかの削減技術が、大気中のCO
2排出を減少するために研究されている。
【0003】
CO
2排出を減少させる1つの方法は、排出された燃焼排ガスからCO
2を捕捉することである。燃焼の前または後でCO
2を捕捉するために、いくつかの従来の技術が開発されている。燃料の燃焼が大気によって発生するとき、空気中の窒素の存在が、燃焼排ガス中のCO
2濃度を薄め、燃焼排ガスからのCO
2の分離を不利にする。
【0004】
従来のガス分離プロセスの限界を乗り越えるために産業排出燃焼排ガスからCO
2を捕捉するために、いくつかのさらなる従来技術が評価されている。これらの従来の技術は、しかしながら、動作させるのにひどく高い費用がかかる。従来の燃焼から生成された燃焼排ガスは、したがって、一般的には、CO
2を捕捉するために処理される。燃焼排ガス中CO
2の低い濃度水準は、燃焼反応を駆動するために酸素の供給源として空気(すなわち、窒素を含んでいる)を用いることからもたらされる。
【0005】
別のこのような従来の技術は、窒素の干渉無しで酸素を燃料に転送し、それにより、燃料が酸化された後でCO
2および水蒸気のストリームを生成する化学ルーピング燃焼(CLC)である。水蒸気は次いで、容易に(すなわち、凝縮によって)除去することができ、より高い純度のCO
2ストリームを圧縮、輸送、および/または処理に備えて残す。少なくともこれらの理由により、CLCは、CO
2排出物を減少させるための実行可能な手段として広範囲に研究されている。化学ルーピングは、空気の存在下で酸化され、かつ燃料の存在下で還元され、これにより酸素を空気から燃料に転送することが可能な酸素担体に基づいている。酸素担体は、空気反応装置中で酸化され、そこで、それは空気中に存在する酸素と反応して、金属酸化物または酸素担体酸化物を形成する。酸化された酸素担体は、次いで還元雰囲気中で燃料反応装置に供給され、そこで、酸化された酸素担体はその酸素を燃料に転送し、それにより、還元された酸素担体が、空気による別の酸化段階のために用いられることを可能とする。燃料は、燃料反応装置中で酸化されて、燃料酸化の水準および化学ルーピングが燃焼のためかまたは再形成のためかに基づいて、CO、CO
2、およびH
2Oの間で燃焼生成物を形成する。
【0006】
いくつかの酸素担体が、CLC用として研究されてきた。一部の酸素担体は、燃料反応装置中で放出する酸素ガスの特徴を有し、それにより、燃料の酸化または燃焼を向上させることが見出されている。いくつかの酸素担体は、化学ルーピングプロセス用に研究されていて、従来の酸素担体の直面する全ての課題(例えば、酸素輸送容量、高い反応性、損耗抵抗性、経費、寿命など)に対処する酸素担体は見出されていない。多くの場合、燃料の完全な変換を達成することは困難であり、燃焼の完全性のために、酸素研磨が考慮されてきた。このような場合、必要な酸素は、外部の供給源によって提供される。
【0007】
原位置(in situ)酸素生成は、例えば、燃料の全てが、完全に酸化されて、燃料変換効率を最大化することが可能な二次酸化ステップの動作を可能とする。さらにその上、酸素燃焼または酸化の後で生成される燃料排ガス温度を増加させることによって、発電の場合には、より高い生蒸気温度が生成され、それにより、プロセスの全体的な熱効率を増加させることが可能である。
【発明の概要】
【0008】
一般に、本発明の実施形態は、統合された酸素生成による2段階燃料燃焼の方法を対象とする。様々な実施形態が化学ルーピング燃焼プロセスを提供し、このプロセスにおいて、酸素は空気から燃料に転送されて、燃料を部分的または完全に酸化する。以下により詳述するように、様々な実施形態による原位置(in situ)酸素生成は、燃料をさらに燃焼させる第2の酸化段階をもたらし、その結果としてCO
2が豊富な燃焼排ガスストリームを生じ、そこからCO
2を、後の利用および/または隔離のために捕捉することが可能である。本発明の様々な実施形態による段階的化学ルーピング燃焼プロセスは、燃焼プロセス後にCO
2を後処理する必要性を軽減し、その結果として経費を節約する。
【0009】
様々な実施形態は、従来の燃焼プロセスで用いられる空気反応装置または燃料反応装置の床構成とは無関係に、化学ルーピング酸素カップリング(Chemical Looping Oxygen Coupling)(CLOU)効果と呼ばれる特定の条件下で、酸素ガスを放出する特性を有する酸素担体を組み込み、それにより、燃料の酸化を向上させることが可能であることを示している。特に、本発明の実施形態による段階的化学ルーピング燃焼プロセスは、CLOU効果を有する酸素担体を用いて、第1の段階において燃料反応装置中で燃料を酸化し、次に、CLOU効果を有する酸素担体から放出された酸素によって生成された純粋な酸素を用いて、第2の段階において燃料の酸化を完了させる。
【0010】
少なくとも1つの実施形態では、分離装置、例えば、固体/ガス分離装置は、空気反応装置、例えば、循環流動床空気反応装置の下流に位置付けられて、酸素の薄い空気から酸化された酸素担体を分離する。酸素の薄い高温の空気を処理して、エネルギー、熱、および/または電力を生成し、一方、酸化された酸素担体は、2つのストリーム、すなわち、(1)燃料反応装置に供給される第1のストリームおよび(2)酸素生成装置に供給される第2のストリームに分割される。1つの実施形態による酸素生成装置は、適切な温度および圧力の条件下で酸素担体から酸素ガスを放出する、圧力を制御した加熱床である。
【0011】
別の実施形態によれば、酸素の薄い高温の空気はイオン輸送膜(ITM)に供給されて、酸素ガスを生成し、これが、加熱された床から生成された酸素ガスと組み合わされる。この実施形態では、任意の酸素担体を用いることが可能であるが、それは、必要とされる原位置(in situ)酸素ガスが、ITMから生成されるためである。
【0012】
生成された酸素ガスは、次に、第2の酸化段階に運ばれ、そこで、燃料は完全に酸化される。還元された酸素担体は、還元の水準に基づいて空気反応装置または燃料反応装置に運ばれて戻り、それにより、サイクルを完了する。
【0013】
したがって、1つの実施形態によれば、原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階燃焼の方法が提供される。本方法は、酸化された酸素担体ストリームを形成するために、還元された酸素担体ストリームを、空気反応装置を用いて酸化することと、一次分離装置中で酸素担体および酸素減損空気を酸化された酸素担体ストリームから分離することと、を含む。本方法は、酸素ガスを酸素生成システム中で生成することをさらに含む。さらに、本方法は、酸素担体の存在下で、一次燃料反応装置を用いて燃料を燃焼させることと、酸素ガスの存在下で、さらなる燃料供給および一次燃料反応装置から出る未燃焼燃料のうちの少なくとも一方を、二次燃料反応装置を用いて燃焼させることと、を含む。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、酸素生成システムのITM中で酸素ガスを生成することを含む、原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階燃焼の方法が提供される。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、酸素生成システムの酸素生成反応装置(OGR)中で酸素ガスを生成することを含む、原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階燃焼の方法が提供される。
【0016】
少なくとも1つの実施形態によれば、酸化するステップは、ライザー反応装置および流動床反応装置のうちの一方を用いて、還元された酸素担体ストリームを酸化することを含む。
【0017】
少なくとも1つの実施形態によれば、燃焼させるステップは、流動床反応装置および移動床反応装置のうちの一方である一次燃料反応装置を用いて、燃料を燃焼させることを含む。
【0018】
少なくとも1つの実施形態によれば、さらなる燃料供給および一次燃料反応装置から出る未燃焼燃料のうちの少なくとも一方を燃焼させるステップは、酸素燃料ボイラーまたは任意の種類の燃焼室を用いてこのような燃料を燃焼させることを含む。
【0019】
少なくとも1つの実施形態によれば、生成するステップは、内部使用またはユーティリティとしての一方のために、酸素生成システムのイオン輸送膜中で酸素ガスを生成することを含む。
【0020】
少なくとも1つの実施形態によれば、イオン輸送膜中で酸素ガスを生成するステップは、一次分離装置から出る酸素減損空気から酸素を分離することを含む。
【0021】
少なくとも1つの実施形態によれば、生成するステップは、内部使用またはユーティリティとしての一方のために、酸素生成システムの酸素生成反応装置中で酸素ガスを生成することを含む。
【0022】
少なくとも1つの実施形態によれば、一次分離装置から出る酸素担体は、一次燃料反応装置、酸素生成反応装置、および二次燃料反応装置のうちの少なくとも1つに入る。
【0023】
少なくとも1つの実施形態によれば、生成するステップは、酸素生成反応装置の圧力を増加させること、酸素生成反応装置の温度を調整すること、および酸素担体の存在下でスイープガスを注入することのうちの少なくとも1つによって、酸素生成反応装置中で酸素ガスを生成することを含む。スイープガスは、二酸化炭素および蒸気から成る群から選択される。
【0024】
少なくとも1つの実施形態によれば、本方法は、酸素ガスおよび酸素担体を二次分離装置中で分離するステップをさらに含む。
【0025】
別の実施形態によれば、還元された酸素担体ストリームを酸化して、酸化された酸素担体ストリームを形成する空気反応装置と、酸化された酸素担体ストリームから酸素担体および酸素減損空気を分離する一次分離装置と、酸素ガスを生成する酸素生成システムと、酸素担体の存在下で燃料を燃焼させる一次燃料反応装置と、さらなる燃料供給および酸素ガスの存在下で一次燃料反応装置から出る未燃焼燃料のうちの少なくとも一方を燃焼させる二次燃料反応装置とを含む、原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階燃焼のためのシステムが提供される。
【0026】
少なくとも1つの実施形態によれば、空気反応装置は、ライザー反応装置および流動床反応装置のうちの一方を含む。
【0027】
少なくとも1つの実施形態によれば、一次燃料反応装置は、流動床反応装置および移動床反応装置のうちの一方を含む。
【0028】
少なくとも1つの実施形態によれば、二次燃料反応装置は、酸素燃料ボイラーまたは任意の種類の燃焼室をさらに含む。
【0029】
少なくとも1つの実施形態によれば、酸素生成システムは、イオン輸送膜を含む。
【0030】
少なくとも1つの実施形態によれば、イオン輸送膜は、一次分離装置から出る酸素減損空気から酸素を分離することによって酸素ガスを生成する。
【0031】
少なくとも1つの実施形態によれば、酸素生成システムは、酸素生成反応装置を含む。
【0032】
少なくとも1つの実施形態によれば、一次分離装置から出る酸素担体は、一次燃料反応装置、酸素生成反応装置、および二次燃料反応装置のうちの少なくとも1つに入る。
【0033】
少なくとも1つの実施形態によれば、酸素生成反応装置は、酸素生成反応装置の圧力を増加させること、酸素生成反応装置の温度を調整すること、および酸素担体の存在下でスイープガスのうちの1つを注入することのうちの少なくとも1つによって、酸素ガスを生成する。スイープガスは、二酸化炭素および蒸気から成る群から選択される。
【0034】
少なくとも1つの実施形態によれば、本システムは、酸素ガスおよび酸素担体を分離するように構成された二次分離装置をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明の特徴および利点、ならびに明らかとなる他のものがより詳細に理解され得るように、上で簡単に要約された本発明のより具体的な説明が、本明細書の一部を形成する添付図面に図解されるその実施形態への参照によってなされ得る。しかしながら、図面は、本発明の様々な実施形態を単に示すのみで、したがって、本発明は、他の有効な実施形態も含み得るため、その発明の範囲を制限するものと見なされるべきではない。
【0036】
【
図1】本発明の実施形態に係る、原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階化学ルーピング燃焼プロセスを示す方法のフロー図である。
【0037】
【
図2】本発明の実施形態に係る、ITMを用いる原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階化学ルーピング燃焼プロセスを示す方法のフロー図である。
【0038】
【
図3】本発明の実施形態に係る、OGRを用いる統合された酸素生成による2段階化学ルーピング燃焼プロセスを示す方法のフロー図である。
【0039】
【
図4】本発明の実施形態に係る、異なる金属酸化物システム上への気相O
2の平衡分圧を示すグラフである。
【0040】
本発明はこれから、本発明の実施形態を示す添付図面を参照して以降より完全に説明される。本発明は、しかしながら、多くの異なる形態で具現化されることができ、本明細書に含まれる図示される実施形態に対する制限と解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲が当業者に完全に運ばれるように提供される。同様の数字は、全体にわたって同様の要素を示す。
【0041】
一般に、本発明の実施形態は、原位置(in situ)酸素生成による燃焼のための2段階プロセスを用いる副生成物CO
2の捕捉を最大化するための改善された燃焼のための方法を対象とする。本発明の実施形態による本プロセスは、電力、合成ガス、(一般的な)蒸気および熱、または水素生成物を含む産業用途のための、化学ルーピング燃焼プロセスを用いる。
【0042】
本発明の実施形態は、炭素が制限される将来において、化石燃料、特に液体燃料の燃焼を提供するが、それは、CO
2および水蒸気の生成物ストリームから水蒸気が容易に凝縮されてストリームから排出され、管理すべき純粋なCO
2ストリームを生成することが可能であるためである。
【0043】
本発明の実施形態は、いくつかの燃料品質を燃焼させるシステムをさらに提供し、燃料の完全な変換または酸化を確実にして、それにより、プロセス効率を増加させる。様々な実施形態による本プロセスは、液体燃料、特に重液燃料を含む固体から気体の全ての種類の燃料を燃焼させるために用いることが可能である。
【0044】
図1〜3に示すように、本発明の様々な実施形態は、酸素がOGR、ITM、または双方を用いて生成され得ることを実証する。化学ルーピング燃焼プロセスは、燃料変換効率および生蒸気の温度を増加させることによって、燃料変換を完了させ、それによりプロセスの効率を増加させる、統合酸素生成に基づく。
【0045】
すでに説明したように、従来の化学ルーピング燃焼プロセスは、1つの燃料反応装置を用いて、燃料を酸化または燃焼させる。他方、本発明の実施形態は、少なくとも2つの段階を用いる燃料変換を提供し、このうち第1の段階が燃料反応装置(例えば、流動床または移動床の燃料反応装置)を含み、その後に、第2の段階が、処理された燃料の完全な変換を可能にする化学ルーピング燃焼プロセスから生成された酸素を用いる燃焼室または酸素燃料ボイラーを含み、それにより、増加したプロセス効率に寄与するより高い生成物ストリーム温度排出口を生成する。
【0046】
様々な実施形態による2段階化学ルーピング燃焼プロセスは、燃料燃焼反応装置、ITMによる酸素生成および/またはCLOU効果を有する酸素担体を用いる酸素生成、ならびに酸素燃料燃焼/酸化プロセスを含む。高い燃料変換を達成する段階的酸化/燃焼反応のほかに、酸素ガス生成を、ITMおよび/またはCLOU効果に基づく原位置(in situ)酸素生成プロセスによって提供して、統合され、かつより効率的な設計を提供する。
【0047】
[原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階化学ルーピング燃焼プロセス]
【0048】
図1は、本発明の実施形態により、原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階化学ルーピング燃焼プロセスを示す方法のフロー図である。
図1に示すように、本発明の少なくとも1つの実施形態による2段階化学ルーピング燃焼プロセスは、空気ストリーム100を利用するが、これは空気反応装置(AR)10に入って、入ってきた還元された酸素担体を含む、還元された酸素担体ストリーム204を酸化する。結果として得られる酸化された酸素担体ストリーム101は、一次分離装置(S1)(例えば、気体/固体分離装置)40中で処理されるが、ここで、酸素減損空気がストリーム102を介して一次分離装置40から出て、酸化された酸素担体が、別のストリーム200(例えば、酸化された酸素担体ストリーム200)を介して一次分離装置40から出る。ストリーム102中の酸素減損空気は、例えば、別のストリーム104を介しての発電および蒸気生成を含む下流での処理のために運ばれる。ストリーム102の残余の部分は、別のストリーム103を介しての酸素生成のためにイオン輸送膜(ITM)90に運ばれる。
【0050】
本発明の様々な実施形態により、ITM90は、
図1に示すように、酸素を酸素減損空気から分離する。生成された酸素ガスは、内部での使用のためにストリーム404(例えば、酸素ストリーム404)を介して運ばれる、または、ユーティリティとしてシステムの外に運ばれる。酸素減損空気は、例えば、発電および蒸気生成を含むさらなる処理のために、ストリーム105を介しITM90から出る。少なくとも1つの実施形態では、ストリーム104および105が組み合わされる。少なくとも1つの実施形態によれば、ITM90は、空気反応装置10の温度で動作し、これが、空気反応装置10から出る酸素減損空気の水準(すなわち、
図1に示すように、一次分離装置40中の固体/気体分離後のストリーム102、または、一次分離装置40中の固体/気体分離前のストリーム101)で、または、空気反応装置10の内側でITM90を統合することを容易にする。
【0052】
本発明の様々な実施形態によれば、一次分離装置40から出る酸化された酸素担体ストリーム200は、
図1に示すように、一次燃料反応装置(PFR)20に向かうストリーム201(例えば、酸化された酸素担体ストリーム201)、酸素生成反応装置(OGR)50に向かうストリーム205(例えば、酸化された酸素担体ストリーム205)、および二次燃料反応装置(SFR)30に向かうストリーム210(例えば、酸化された酸素担体ストリーム210)に分割される。様々な実施形態によれば、ストリーム201、205、および210の流量比は、化学ルーピング燃焼プロセスの所望の応用分野によっては変動することがあり得る。したがって、少なくとも1つの実施形態では、酸化された酸素担体ストリーム210の流量は、システム構成、目的、および二次燃料反応装置30の種類によってはゼロである。
【0053】
酸化された酸素担体ストリーム201中の酸化された酸素担体は、ストリーム202を介して一次燃料反応装置20に入り、そこで、酸化された酸素担体は、燃料供給ストリーム300を介して一次燃料反応装置20に導入された燃料と、反応する。燃料は一次燃料反応装置20中で酸化され、それにより、酸化された酸素担体を還元する。還元された酸素担体を含む、結果として得られる酸素減損ストリームは、ストリーム203を介して一次燃料反応装置20から出て、別のサイクルのために、還元された酸素担体ストリーム204を介して空気反応装置10に運ばれる。
【0054】
図1にさらに示すように、酸化された酸素担体ストリーム205は、例えば、酸素担体がOGR50中で酸素ガスを放つことを可能とする圧力および温度で動作されるOGR50に入る。少なくとも1つの実施形態によれば、酸素は、例えば、特定の温度で反応装置圧力を増加させる、またはCO
2もしくは蒸気などのスイープガスを注入することによって、酸素担体から回収される。
【0055】
例えば、1つの実施形態によれば、システム圧力によっては、酸素ガスは、例として、OGR50の外に酸素を運ぶ圧力増加デバイスとして働く真空ポンプまたは換気扇60を介して回収される。OGR50中での酸素生成の速度は、真空ポンプまたは換気扇60を介してOGR50の温度および/または圧力を制御することによって調整される。この実施形態は、酸素をユーティリティとして生成しなければならず、かつ純粋な酸素が必要である場合には好ましい。
【0056】
例えば、別の実施形態によれば、CO
2および/または蒸気は、ストリーム510を介してOGR50中に注入されて、酸素ガスをOGR50から、ストリーム400(例えば、酸素ガスストリーム400)を介して搬送する。OGR50中での酸素生成の速度は、ストリーム510の流量を制御することによって調整される。この実施形態は、酸素が特定の純度を必要とせず、スイープガスの存在が容認可能であり、したがって、OGR50中へのベクトルガスまたはスイープガスの注入を用いて酸素を回収することが可能である場合には好ましい。
【0057】
スイープガスというオプションがOGR50からの酸素の回収のために考慮される場合、(以下により詳述するように)生成物ストリーム501の後流をストリーム510を介してOGR50に送り、二次燃料反応装置30中で用いることが可能な必要とされる酸素を生成することが可能である。そうすることは、再循環速度を増加させることが可能であるが、その理由は、生成物ストリーム501の一部が、ストリーム510、400、410、401、および402を介して二次燃料反応装置30中に間接的に導入されるからである。スイープガスでの酸素の回収を真空ポンプまたは換気扇による回収技術と組み合わせることは、二次燃料反応装置30中の再循環速度を制御することによって、二次燃料反応装置30中の酸化温度の制御を可能とし、これが、本システムに増加したフレキシビリティを与える。
【0058】
酸素ガスストリーム400は、二次分離装置(S2)41中で処理され、そこで、分離された酸素は、ストリーム410(例えば、酸素ガスストリーム410)を介して二次分離装置41から出て、酸素担体は、ストリーム217を介して二次分離装置41から出る。酸素ガスストリーム410は、ストリーム401(例えば、酸素ストリーム401)および402を介して二次燃料反応装置30に運ばれる。ある実施形態によれば、酸素ストリーム401は、それが二次燃料反応装置30に入るストリーム402と、化学ルーピング燃焼プロセスからユーティリティとして出るストリーム403とに分割される前に、ITM90からの酸素ストリーム404と合流する。
【0059】
少なくとも1つの実施形態によれば、ストリーム401および酸素ストリーム404は、ストリーム402に完全に転換させられる。別の実施形態によれば、ストリーム401および酸素ストリーム404は、酸素をユーティリティとして運ぶために、ストリーム403に完全に転換させられる。この実施形態では、本プロセスは、第2段階の燃焼無しで、または供給される酸素ガス段階の燃焼無しで実行することが可能である。さらに別の実施形態によれば、ストリーム401および酸素ストリーム404は、各々の流れに対する酸素要件によっては、ストリーム402と403との間で分配される。さらに別の実施形態によれば、ストリーム403および酸素ストリーム404は、OGR50中の酸化速度を増加させるために、一次燃料反応装置20に注入される。さらに別の実施形態によれば、酸素ストリーム404中の酸素はユーティリティとして用いられ、ストリーム401中の酸素は内部で用いられる。この最後の実施形態は、以下により詳述するように、純度と、OGR50中の酸素担体粒子からの酸素の回収のために用いられる酸素回収方法とに依存する。
【0060】
様々な実施形態による本プロセスは、
図1に示すように、内部で、外部で、または双方で用いられる目的で酸素を生成する。これは、例えば、一次燃料反応装置20とOGR50との間での酸化された酸素担体ストリーム200の流量比を調整することによって、さらに、ストリーム103と104との間での流量比を変化させることによってITM90中で生成される酸素ガスの流量を調整することによって、可能である。
【0062】
上述したように、OGR50からの酸素生成は、増加した圧力での酸素生成方式の場合には真空ポンプまたは換気扇60を介してOGR50の温度および/または圧力を制御することによって、または、スイープガスでの酸素回収方式の場合にはストリーム510の流量を制御することによって制御することが可能である。
【0063】
様々な実施形態によれば、OGR50中の還元された酸素担体は、ストリーム216を介してOGR50から出る。ストリーム217は、ストリーム216と合流して、ストリーム206を形成する。
図1に示すように、ストリーム206は、ストリーム207を介して一次燃料反応装置20におよび/またはストリーム208を介して空気反応装置10におよび/またはストリーム209を介して二次燃料反応装置30に運ばれることが可能である。好ましい実施形態では、ストリーム206は、空気反応装置10に直接に運ばれる。様々な実施形態によれば、ストリーム207、208、および209の流量は、システム構成、応用分野、およびストリーム206中の酸素担体の還元の水準よって、ストリーム206の初期流量の、例えば0%〜100%まで変化する。
【0064】
例えば、1つの実施形態によれば、ストリーム206の酸素担体は、完全に還元される。この実施形態では、ストリーム206中の酸素担体は、好ましくは、ストリーム208を介して空気反応装置10に運ばれ、同時に、一次燃料反応装置20からのストリーム203と合流して、還元された酸素担体ストリーム204を介して空気反応装置10に入る。別の実施形態によれば、ストリーム206の酸素担体は、少し還元される。この実施形態では、酸素担体は、一次燃料反応装置20および/または二次燃料反応装置30中でより多くの還元に耐える。ストリーム206中の酸素担体は、次に、ストリーム207を介して運ばれて、酸化された酸素担体ストリーム201と合流して、ストリーム202を介して一次燃料反応装置20に入るおよび/またはストリーム209を介して運ばれて二次燃料反応装置30に入る。
【0065】
図1にさらに示すように、ガス状ストリーム500は、ある実施形態によれば、一次燃料反応装置20から出て、二次燃料反応装置30に導入されて、残っている燃料を酸化して、プロセスの効率を増加させる。すでに概説した生成物ストリーム501は、例えば、エネルギー回収、蒸気生成、およびユーティリティ供給を含む下流での処理のために送出される。
【0066】
少なくとも1つの実施形態によれば、二次燃料反応装置30は、プロセスの方式および目的によって酸素担体ありもしくは無しで、かつ燃料の導入ありもしくは無しで、例えば、酸素ガスによって動作される、例えば酸化用反応装置である。発電用のプロセスの好ましい実施形態では、二次燃料反応装置30は、原位置(in situ)で生成されたストリーム402を介して運ばれる酸素を用いる酸素燃料燃焼によって動作されるボイラーである。
【0067】
ある実施形態によれば、一次燃料反応装置20から出るガス状ストリーム500の一部または全部を用いて、二次燃料反応装置30中の温度を制御することが可能である。本発明のある実施形態によれば、二次燃料反応装置30から出るストリーム501を再循環させて、二次燃料反応装置30中の温度を制御することが可能である。二次燃料反応装置30中での酸素ボイラーの使用は、ストリーム501中のより高い燃焼排ガス温度を提供して、発電方式においてより高い生ストリーム温度をもたらし、それにより、化学ルーピング燃焼プロセスの効率を増加させる。
【0068】
一部の実施形態では、化学ルーピング燃焼プロセスは、燃焼およびCO
2の捕捉目的で設計される。このような実施形態では、生成物ストリーム501は、主としてCO
2および蒸気から構成される。このような場合、蒸気を凝縮して、それを生成物ストリーム501から排出して、高純度CO
2を生成物ストリーム501中に残すことが可能である。CO
2は次に、必要とされるCO
2品質によってはさらに処理されることがあり得る。
【0069】
一部の実施形態では、二次燃料反応装置30は、ストリーム209および/またはストリーム210を介して酸素担体によって供給される。このような実施形態では、酸素担体は、二次燃料反応装置30中で還元されて、ストリーム211を通じて出る。ストリーム211中の酸素担体は、ストリーム213を介して一次燃料反応装置20に供給されるおよび/またはストリーム212および還元された酸素担体ストリーム204を介して空気反応装置10中での酸化のために運ばれる。二次燃料反応装置30は、燃料ストリーム330を含む。
【0070】
本発明の様々な実施形態によるプロセスは、
図1に示すように、周囲圧力またはほぼ周囲圧力で動作される。本プロセスはまた、高圧で動作させることが可能である。ある実施形態では、空気反応装置10は大気圧で動作される。このような実施形態では、空気反応装置10は、ストリーム102および/または酸素ストリーム404において換気扇(図示せず)を含み、圧力差を作り、生成された酸素ガスを酸素ストリーム404を介して輸送する。
【0071】
[ITMを用いる原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階化学ルーピング燃焼プロセス]
【0072】
図2は、本発明の実施形態により、ITMを用いる原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階化学ルーピング燃焼プロセスを示す方法のフロー図である。
図2は、同様の数字で表され、上述したような、
図1に示す2段階化学ルーピング燃焼プロセスのための上記と類似した要素を含む。2段階化学ルーピング燃焼プロセスは、
図2に示すように、それが、
図1に示す2段階化学ルーピング燃焼プロセスにおいて上述したOGR50ならびにOGR50との全ての関連付けられたストリームおよびプロセスを除いたという点で、
図1に示すような2段階化学ルーピング燃焼プロセスとは区別される。さらにその上、
図2に示す2段階化学ルーピング燃焼プロセスは、
図1に示す2段階化学ルーピング燃焼プロセスに対して上述した二次分離装置41または真空ポンプ/換気扇60を含まない。
【0073】
図1に示す2段階化学ルーピング燃焼プロセスの場合と同様に、ITM90は、酸素を酸素減損空気からから分離する。生成された酸素ガスは、内部使用目的で(すなわち、ストリーム402を介して二次燃料反応装置30に供給するために)酸素ストリーム404を介して運ばれるおよび/またはストリーム403を介してユーティリティとしてシステムから外に運ばれる。酸素減損空気は、例えば、発電および蒸気生成を含むさらなる処理のためにストリーム105を介してITM90から出る。少なくとも1つの実施形態では、ストリーム104および105は、組み合わされる。
【0074】
図1に示す2段階化学ルーピング燃焼プロセスに対して上述したように、
図2に示す2段階化学ルーピング燃焼プロセスは、空気反応装置10の温度で動作するITMを用いており、これが、空気反応装置10から出る酸素減損空気の水準(すなわち、
図2に示すように一次分離装置40中での固体/気体分離後のストリーム102、または、一次分離装置40中での固体/気体分離のストリーム101)で、または、空気反応装置10の内側でITM90を統合することを容易にする。
【0075】
図2にさらに示すように、一次分離装置40から出る酸化された酸素担体ストリーム200は、一次燃料反応装置20に向かうストリーム202と、二次燃料反応装置30に向かう酸化された酸素担体ストリーム210とに分割される。二次燃料反応装置30のシステム構成、目的、および種類によっては、酸化された酸素担体ストリーム210の流量はゼロであり得る。ある実施形態によれば、ストリーム202と酸化された酸素担体ストリーム210との間での流量の比率は、化学ルーピング燃焼プロセスおよびシステム遷移(例えば、低温始動遷移)の応用分野次第で変化する。
【0076】
ストリーム200中の酸化された酸素担体は、ストリーム202を介して一次燃料反応装置20に入り、そこで、酸化された酸素担体は、燃料供給ストリーム300を介して一次燃料反応装置20に導入された燃料と、反応する。燃料は一次燃料反応装置20中で酸化され、それにより、酸化された酸素担体を還元する。還元された酸素担体を含む、結果として得られる酸素減損ストリームは、ストリーム203を介して一次燃料反応装置20から出て、還元された酸素担体ストリーム204を介して空気反応装置10に運ばれる。
【0077】
1つの実施形態によれば、酸素ストリーム404の全体は、ストリーム402に完全に転換されて、2段階化学ルーピング燃焼プロセスを実行する。別の実施形態によれば、酸素ストリーム404は、酸素をユーティリティとして運ぶために、ストリーム403に完全に転換させられる。この実施形態では、プロセスは、第2段階の燃焼無しでまたは供給される酸素ガス段階の燃焼無しで、実行することが可能である。さらに別の実施形態によれば、酸素ストリーム404は、各々の流れに対する酸素要件によっては、ストリーム402と403との間で分配される。さらに別の実施形態によれば、酸素ストリーム404は、一部あるいは全部が、一次燃料反応装置20(図示せず)中での酸化速度を増加させるために、一次燃料反応装置20に注入される。
【0078】
様々な実施形態によるプロセスは、
図2に示すように、内部で、外部で、または双方で用いられる目的で酸素を生成する。これは、例えば、ストリーム103と104との間での流量比を変化させることによってITM90中で生成される酸素の流量を調整することによって可能である。
【0079】
図1に同様に示すように、ガス状ストリーム500は、
図2に示すように、一次燃料反応装置20から出て、二次燃料反応装置30に導入されて、残っている燃料を酸化して、プロセスの効率を増加させる。すでに概説した生成物ストリーム501は、例えば、エネルギー回収、蒸気生成、およびユーティリティ供給を含む下流での処理のために送出される。
【0080】
少なくとも1つの実施形態によれば、二次燃料反応装置30は、プロセスの方式および目的によって、酸素担体ありもしくは無しで、かつ燃料の導入ありもしくは無しで、例えば、酸素ガスによって動作される、例えば、酸化用反応装置である。発電用のプロセスの好ましい実施形態では、二次燃料反応装置30は、酸素が原位置(in situ)で生成されたストリーム402を介して運ばれる酸素燃料燃焼によって動作されるボイラーである。
【0081】
ある実施形態によれば、一次燃料反応装置20から出るガス状ストリーム500の一部または全部を用いて、二次燃料反応装置30中の温度を制御することが可能である。本発明のある実施形態によれば、二次燃料反応装置30から出るストリーム501を再循環させて、二次燃料反応装置30中の温度を制御することが可能である。二次燃料反応装置30中での酸素ボイラーの使用は、ストリーム501中のより高い燃焼排ガス温度を提供して、発電方式でのより高い生ストリーム温度をもたらし、それにより、化学ルーピング燃焼システムの効率を増加させる。
【0082】
一部の実施形態では、化学ルーピング燃焼プロセスは、
図2に示すように、燃焼およびCO
2の捕捉目的で設計される。このような実施形態では、生成物ストリーム501は、主としてCO
2および蒸気から構成される。このような場合、蒸気を凝縮して、それを生成物ストリーム501から排出して、高純度CO
2を生成物ストリーム501中に残すことが可能である。CO
2は次に、必要とされるCO
2品質によってはさらに処理されることがあり得る。
【0083】
一部の実施形態では、二次燃料反応装置30は、ストリーム210を介して酸素担体によって供給される。このような実施形態では、酸素担体は、二次燃料反応装置30中で還元されて、ストリーム211を通じて出る。ストリーム211中の酸素担体は、ストリーム213を介して一次燃料反応装置20に供給される、および/またはストリーム212および還元された酸素担体ストリーム204を介して空気反応装置10中での酸化のために運ばれる。二次燃料反応装置30は、燃料ストリーム330を含む。
【0084】
本発明の様々な実施形態によるプロセスは、
図2に示すように、周囲圧力またはほぼ周囲圧力で動作される。本プロセスはまた、高圧で動作させることが可能である。ある実施形態では、空気反応装置10、一次燃料反応装置20、および二次燃料反応装置30は、同一の圧力で動作され、他の実施形態では、それらは、異なる圧力で動作される。このような実施形態では、空気反応装置10は、ストリーム102および/または酸素ストリーム404で換気扇(図示せず)を含んで、圧力差を作り、生成された酸素ガスを酸素ストリーム404を介して輸送する。
【0085】
[OGRを用いる原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階化学ルーピング燃焼プロセス]
【0086】
図3は、本発明の実施形態により、OGRを用いる原位置(in situ)酸素生成を統合する2段階化学ルーピング燃焼プロセスを示す方法のフロー図である。
図3は、同様の数字で表され、上述したような、
図1に示す2段階化学ルーピング燃焼プロセスの上記と類似した要素を含む。2段階化学ルーピング燃焼プロセスは、
図3に示すように、それが、
図1に示す2段階化学ルーピング燃焼プロセスの場合で上述したITM90ならびにITM90との全ての関連付けられたストリームおよびプロセスを除いたという点で、
図1に示すような2段階化学ルーピング燃焼プロセスとは区別される。
【0087】
図1に示す2段階化学ルーピング燃焼プロセスの場合と同様に、2段階化学ルーピング燃焼プロセスは、
図3に示すように空気ストリーム100を利用するが、これは、空気反応装置10に入って、還元された酸素担体を含んで入ってくる還元された酸素担体ストリーム204を酸化する。結果として得られる酸化された酸素担体ストリーム101は、一次分離装置40中で処理され、ここで、酸素減損空気がストリーム102を介して一次分離装置40から出て、酸化された酸素担体が、酸化された酸素担体ストリーム200を介して一次分離装置40から出る。ストリーム102中の酸素減損空気は、例えば、発電および蒸気生成を含む下流での処理のために運ばれる。
【0088】
一部の実施形態によれば、一次分離装置40から出る酸化された酸素担体ストリーム200は、
図3に示すように、一次燃料反応装置20に向かう酸化された酸素担体ストリーム201、OGR50に向かう酸化された酸素担体ストリーム205、および二次燃料反応装置30に向かう酸化された酸素担体ストリーム210に分割される。様々な実施形態によれば、ストリーム201、205、および210の流量比は、化学ルーピング燃焼プロセスの所望の応用分野次第で変動し得る。したがって、少なくとも1つの実施形態では、酸化された酸素担体ストリーム210の流量は、システム構成、目的、および二次燃料反応装置の種類によってはゼロである。
【0089】
酸化された酸素担体ストリーム201中の酸化された酸素担体は、ストリーム202を介して一次燃料反応装置20に入り、そこで、酸化された酸素担体は、燃料供給ストリーム300を介して一次燃料反応装置20に導入された燃料と、反応する。燃料は一次燃料反応装置20中で酸化され、それにより、酸化された酸素担体を還元する。還元された酸素担体を含む、結果として得られる還元された酸素担体ストリームは、ストリーム203を介して一次燃料反応装置20から出て、還元された酸素担体ストリーム204を介して空気反応装置10に運ばれる。
【0090】
図3にさらに示すように、酸化された酸素担体ストリーム205は、例えば、酸素担体がOGR50中で酸素ガスを放つことを可能とする圧力および温度で動作されるOGR50に入る。少なくとも1つの実施形態によれば、酸素は、例えば、特定の温度で反応装置圧力を増加させること、所与の圧力に対してOGR50の温度を調整すること、またはCO
2もしくは蒸気などのスイープガスを注入することによって、酸素担体から回収される。
【0091】
例えば、1つの実施形態によれば、酸素ガスは、OGR50の外に酸素を運ぶ圧力増加デバイスとして働く真空ポンプまたは換気扇60を介して回収される。OGR50中での酸素生成の速度は、真空ポンプまたは換気扇60を介してOGR50の温度および/または圧力を制御することによって調整される。この実施形態は、酸素をユーティリティとして生成しなければならず、かつ純粋な酸素が必要である場合には好ましい。
【0092】
例えば、別の実施形態によれば、CO
2および/または蒸気は、ストリーム510を介してOGR50中に注入されて、酸素ガスをOGR50から、酸素ガスストリーム400を介して搬送する。OGR50中での酸素生成の速度は、ストリーム510の流量を制御することによって調整される。この実施形態は、酸素が特定の純度を必要とせず、スイープガスの存在が容認可能であり、したがって、OGR50中へのベクトルガスまたはスイープガスの注入を用いて、酸素を回収することが可能である場合には好ましい。
【0093】
スイープガスというオプションがOGR50からの酸素の回収のために考慮される場合、生成物ストリーム501の後流を、
図1に関して上述したように、ストリーム510を介してOGR50に送り、二次燃料反応装置30中で用いることが可能な必要とされる酸素を生成することが可能である。そうすることは、再循環速度を増加させることが可能であるが、その理由は、生成物ストリーム501の一部が、ストリーム510、400、410、401、および402を介して二次燃料反応装置30中に間接的に導入されるからである。スイープガスでの酸素の回収を真空ポンプまたは換気扇による回収技術と組み合わせることは、二次燃料反応装置30中の再循環速度を制御することによって、二次燃料反応装置30中の酸化温度の制御を可能とし、これが、本システムに増加したフレキシビリティを与える。
【0094】
酸素ガスストリーム400は、二次分離装置41中で処理され、そこで、分離された酸素は、酸素ガスストリーム410を介して二次分離装置41から出て、酸素担体は、ストリーム217を介して二次分離装置41から出る。酸素ガスストリーム410は、酸素ストリーム401およびストリーム402を介して二次燃料反応装置30に運ばれる。ある実施形態によれば、酸素ストリーム401は、二次燃料反応装置30に入るストリーム402と、化学ルーピング燃焼プロセスからユーティリティとして出るストリーム403とに分割される。
【0095】
1つの実施形態によれば、酸素ストリーム401は、ストリーム402に完全に転換させられて、2段階化学ルーピング燃焼プロセスを実行する。別の実施形態によれば、酸素ストリーム401は、酸素をユーティリティとして運ぶために、ストリーム403に完全に転換させられる。この実施形態では、本プロセスは、第2段階の燃焼無しでまたは供給される酸素ガス段階の燃焼無しで、実行することが可能である。さらに別の実施形態によれば、ストリーム403は、一次燃料反応装置20(図示せず)中の酸化速度を増加させるために、一次燃料反応装置20に、その部分または全体が注入される。
【0096】
様々な実施形態による本プロセスは、
図3に示すように、内部で、外部で、または双方で用いられる目的で酸素を生成する。これは、例えば、一次燃料反応装置20とOGR50との間での酸化された酸素担体ストリーム200の流量比を調整することによって可能である。
【0097】
上記したように、OGR50からの酸素生成は、減圧酸素生成方式の場合には真空ポンプまたは換気扇60を介してOGR50の温度および/または圧力を制御することによって、所与の圧力に対してOGR50の温度を調整することによって、または、スイープガス酸素回収方式の場合にはストリーム510の流量を制御することによって制御することが可能である。
【0098】
様々な実施形態によれば、OGR50中の還元された酸素担体は、ストリーム216を介してOGR50から出る。ストリーム217は、ストリーム216と合流して、ストリーム206を形成する。
図3に示すように、ストリーム206は、ストリーム207を介して一次燃料反応装置20に、および/またはストリーム208を介して空気反応装置10に、および/またはストリーム209を介して二次燃料反応装置30に、運ばれることが可能である。好ましい実施形態では、ストリーム206は、空気反応装置10に直接に運ばれる。様々な実施形態によれば、ストリーム207、208、および209の流量は、システム構成、応用分野、およびストリーム206中の酸素担体の還元の水準によって、例えばストリーム206の初期流量の0%〜100%まで変化する。
【0099】
図1に示す2段階化学ルーピング燃焼プロセスの場合と同様に、ストリーム206中の酸素担体は、
図3に示す2段階化学ルーピング燃焼プロセスによれば、完全に還元することが可能である。この実施形態では、ストリーム206中の酸素担体は、好ましくは、ストリーム208を介して空気反応装置10に運ばれ、同時に、一次燃料反応装置20からのストリーム203と合流して、還元された酸素担体ストリーム204を介して空気反応装置10に入る。別の実施形態では、ストリーム206の酸素担体は、少し還元され、酸素担体は、一次燃料反応装置20および/または二次燃料反応装置30中でより多くの還元に耐える。ストリーム206中の酸素担体は、次に、ストリーム207を介して運ばれて酸化された酸素担体ストリーム201と合流して、ストリーム202を介して一次燃料反応装置20に入る、および/またはストリーム209を介して運ばれて二次燃料反応装置30に入る。
【0100】
図3にさらに示すように、ガス状ストリーム500は、ある実施形態によれば、一次燃料反応装置20から出て、二次燃料反応装置30に導入されて、残っている燃料を酸化して、プロセスの効率を増加させる。すでに概説した生成物ストリーム501は、例えば、エネルギー回収、蒸気生成、およびユーティリティ供給を含む下流での処理のために送られる。
【0101】
少なくとも1つの実施形態によれば、二次燃料反応装置30は、プロセスの方式および目的によって、酸素担体ありもしくは無しで、かつ燃料の導入ありもしくは無しで、例えば、酸素ガスによって動作される、例えば酸化用反応装置である。発電用のプロセスの好ましい実施形態では、二次燃料反応装置30は、酸素が原位置(in situ)で生成されたストリーム402を介して運ばれる酸素燃料燃焼によって動作されるボイラーである。
【0102】
ある実施形態によれば、一次燃料反応装置20から出るガス状ストリーム500を用いて、二次燃料反応装置30中の温度を制御することが可能である。本発明のある実施形態によれば、二次燃料反応装置30から出るストリーム501を再循環させて、二次燃料反応装置30中の温度を制御することが可能である。二次燃料反応装置30中での酸素ボイラーの使用は、ストリーム501中のより高い燃焼排ガス温度を提供して、発電方式でのより高い生ストリーム温度をもたらし、それにより、化学ルーピング燃焼プロセスの効率を増加させる。
【0103】
図1および2に対して上述した実施形態と同様に、化学ルーピング燃焼プロセスは、
図3に示すように、燃焼およびCO
2の捕捉目的で設計される。このような実施形態では、生成物ストリーム501は、主としてCO
2および蒸気から構成される。このような場合、蒸気を凝縮して、それを生成物ストリーム501から排出して、高純度CO
2を生成物ストリーム501中に残すことが可能である。CO
2は次に、必要とされるCO
2品質によってはさらに処理されることがあり得る。
【0104】
さらにその上、一部の実施形態では、二次燃料反応装置30は、
図3に示すように、ストリーム209および/またはストリーム210を介して酸素担体によって供給される。このような実施形態では、酸素担体は、二次燃料反応装置30中で還元されて、ストリーム211を通じて出る。ストリーム211中の酸素担体は、ストリーム213を介して一次燃料反応装置20に供給される、および/またはストリーム212および還元された酸素担体ストリーム204を介して空気反応装置10中での酸化のために運ばれる。二次燃料反応装置30は、燃料ストリーム330を含む。
【0105】
図2に対して上述した実施形態と同様に、本発明の様々な実施形態によるプロセスは、
図3に示すように、周囲圧力またはほぼ周囲圧力で動作される。本プロセスはまた、高圧で動作させることが可能である。ある実施形態では、空気反応装置10、一次燃料反応装置20、および二次燃料反応装置30が同一の圧力で動作され、他の実施形態では、それらは異なる圧力で動作される。
【0106】
図4は、異なる金属酸化物システム上への気相O
2の平衡分圧を示すグラフである。
図4は、システム効率を最大化するために、O
2ガスによる燃料の完全な燃焼または酸化に寄与している一部の酸素担体のCLOU効果をさらに示す。
【0107】
様々な実施形態によれば、空気反応装置10、一次燃料反応装置20、および二次燃料反応装置30は、流動床、高速ライザー、バブリング床、移動床、固定床、および回転床から成る群から選択された1種類である。様々な実施形態によれば、二次燃料反応装置30は、燃焼室またはボイラーをさらに含む。関連技術における当業者は、各々の反応装置の種類が、特定の利点および欠点を有し、それにより、空気反応装置10、一次燃料反応装置20、および二次燃料反応装置30の各々に対する特定の反応装置の種類の選択は、本発明の様々な実施形態に対して上述された様々な要素に基づくことを理解したであろう。
【0108】
本発明は、開示する要素を適切に備え、これらから成り、または本質的にこれらかなる成り、かつ開示されない要素無しで実践され得る。例えば、あるステップは、1つのステップに組み合わせることが可能であることが、当業者によって認識され得る。
【0109】
別様に定義されない限り、用いられる全ての技術的および科学的な用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。
【0110】
単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が別様に明瞭に指示しないかぎり、複数の指示対象を含む。
【0111】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる「備える(comprise)」、「有する(has)」、および「含む(include)」という語ならびにその全ての文法的な変更物は各々が、さらなる要素またはステップを除外しない、開かれておりかつ非制限的な意味を有することを意図する。
【0112】
「任意に(Optionally)」は、次いで記述される事象または状況が発生し得るまたはし得ないことを意味する。この説明は、この事象または状況が発生する例およびそれが発生しない例を含む。
【0113】
範囲は、例えば、1つのおよその特定の値から、および/または他の特定のおよその値まで、本明細書では表現され得る。このような範囲が表現されるとき、前記範囲内のあらゆる組み合わせと共に、別の実施形態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までと理解すべきである。
【0114】
本発明を詳細に説明したが、様々な変化、代用、および変更が、本発明の原理および範囲から逸脱することなくそれに対してなされ得ることを理解されたい。したがって、本発明の範囲は、次の特許請求の範囲およびそれらの適切な法的等価物によって決定されるべきである。