(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ダイヤフラム(100)の内側部(501、503)は、中心領域(501)と、中心領域(501)を囲む環状領域(503)とを含み、当該環状領域(503)の材料の厚さ(t1)は、前記中心領域(501)の厚み(t2)よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の呼吸検知装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
前術の態様、および、本発明の付随する利点の多くは、添付図面とともに得られるときに、以下の詳細な記載を参照することによって一層よく理解されるのと同じように、さらに容易に評価されるようになるであろう。さらに、その記載、および、本明細書に含まれる例は、本発明の特定の実施形態を記載および例証する目的でのみ提供され、いかなる方法でも本発明の範囲を制限するように意図されてはいない。
【0017】
図1はアクチュエータハウジング(80)の斜視図を示し、該ハウジングは本発明に関連して異なる態様を含み、その態様は以後、より詳細に記載される。
図1のハウジング(80)は例示的な理由のために提示され、異なる態様とそれに関する機能が前記ハウジング(80)内で達成されることができる限り、任意の形状または設計を含んでもよいということが認識されている。
図1に示される特定のハウジングは円筒形状を有しており、前記ハウジング(80)を形成するために一緒に接続された多くの隣接部分(81)を含む。各々の部分(81)は、前記ハウジング(80)への組み立ての前に別々に設計されてもよく、このことは製造上の大きな利点につながる。なぜなら、各々の部分(81)には、集められてアクチュエータ装置(8)を形成するようになる前に、所望の細部(例えば、ボア、密閉部、圧力チャンバー、ダイヤフラムなど)が容易に供給されることができるからである。
【0018】
図2では、本発明に従って、アクチュエータ(8)の1つの実施形態の断面概略図が示され、本発明の特定の態様に従ったアクチュエータ(8)のコンパクト設計が達成される。ハウジング(8)内には、第1の段階(図示せず)からの酸素の供給圧力部に接続されたチャネル(L1)と、周囲の圧力に接続されたチャネル(7)が配される。これらのチャネル(L1、7)は、以下に詳細に記載されるように、本発明に従って機能を実行するために、本体部(8)に配される多くの機械弁によって相互に連結している。アクチュエータ本体部(8)の第1の端部に隣接して、ON/OFFバルブOVのダイヤフラム(200)が配される。このバルブOVは水圧によって影響を受けることで「ONモード」にされなければならない。これは、ダイヤフラム(200)の外側に作用する水圧によって達成される。ダイヤフラム(200)の反対側は、所望に較正された圧力でダイヤフラムをアクティブ状態に移行させる空気チャンバー(201)によって平衡を保たれる。システム圧力をかける(すなわち、ダイビングレギュレータの第一段階にアクチュエータ(8)を接続することによって)前に、空気チャンバー(201)は、バルブ(202)とチャネル(7)によって空気の方へ開いており、これによって周囲の圧力に接続している。ひとたびシステム圧力が加えられると(エアタンクが開かれると)、空気はチャネル(L1)を通って流れ、前記バルブ(202)は影響を受けて閉鎖位置へ移動し、それによって、環境とダイヤフラム(200)の真下のチャンバー(201)の間のインタフェースを閉じる。空気チャンバー(201)はこのように密閉して閉じられ、表面での環境圧に較正される。
【0019】
したがって、ダイヤフラム(200)に作用する水圧が特定の圧力を超える場合、ダイヤフラムに固定して取り付けられるピストン(208)は、シール(220)と接触するように下方に移動し、それによって、ピストン(208)内の中空のチャネル(230)との接続を、タイマーボリューム(213)に通じている制限通路(212)に対して開いて、これは、中空のチャネル(230)内の密閉本体部(240)の非アクティブな(inactive)密閉位置の上で、ピストン(208)の内壁上の溝部(図示せず)によって達成される。従って、非アクティブな場合(中性のダイヤフラム(200))、本体部(240)は密閉されるが、アクティブな場合(ダイヤフラム(200)およびピストン(208)が下方に移動する)、空気は本体部(240)の側を通る。タイマーのボリューム(213)は、内部の圧力を徐々に高めるために、ゆっくりと充填される。この制限通路(212)は、アクチュエータ本体を非常にコンパクトにすべく極端に小さいのが好ましい。言いかえれば、少ないボリューム(213)がタイマーボリューム(213)の機能を達成するのに、すなわち、あらかじめ決められた時間内に呼吸が生じない場合に放出バルブ(25)を開くのに十分な時間を提供するために、制限通路(212)を通るわずかな空気の流れが許可されなければならない。タイマーボリューム(213)はON/OFFバルブOVの隣に位置付けられる。放出バルブ(25)は、ON/OFFバルブOVと比較して、アクチュエータ本体の反対側の端部に隣接して位置付けられる。
【0020】
放出バルブRVと、タイマーボリュームTVの間に、活動センサーバルブAVが配される。このバルブ(AV)は、固定して取り付けられたピストン(103)を有するダイヤフラム(100)を含む。ピストン(103)は、タイマーボリュームTVに向かう流れに対して密閉するように配される、シール、例えば、上部のリップシールを有する。同様に、AVのピストンバルブは中空であり、すなわち、中心通路(111)を提供する。ダイヤフラム(100)の一方の側には、システム圧力管路L1に接した圧力チャンバー(120)がある。下方に、ダイヤフラム(100)の反対側には、平衡圧力を提供する圧力チャンバー(121)がある。上方チャンバー(120)とシステム圧力(L1)の間の流れ接続(flow coneection)開口部(153)はむしろ大きく、例えば、その間の無制限な流動を許可するほどの約2mm/直径まで大きい。下方チャンバー(121)内の平衡圧力は、システム圧力部(L1)と下方圧力チャンバー(121)の間の制限された通路(143)を含む流れ制限構造(130)を提供することによって達成される。1つの態様では、制限通路(143)は、
図2で示されるように、リープ密閉部(144)などによって得られる一種の逆止弁の機能と組み合わされる。当業者は、他のタイプの流れ制限構造(130)を使用することも可能であることを理解しており、その2つの例が
図3と6にそれぞれ関連して記載されている。
【0021】
この設計のおかげで、AVは呼吸を検知することに関連してタイマーボリューム(213)を空にする。TVチャンバー(213)と同様に、ダイヤフラム(100)のまわりの圧力チャンバー(120、121)内部での圧力の発生は、
図2の詳細と、
図6−7に示された概略図とに関してここで記載される。
図6−7において、グラフAは、経時的な上方圧力チャンバー(120)内部の圧力であり、グラフBは、経時的な下方圧力チャンバー(121)内部の圧力を示す。
図6−7のグラフCは、経時的なタイマーボリュームチャンバー(213)内部の圧力を表す。
【0022】
簡潔にいえば、呼吸が生じると(
図6の時点aを参照)、システム圧力(L1)は急激に低下し、それによって、上方チャンバー(120)内の圧力の低下を同時にもたらす(
図6−7のグラフAを参照)。しかしながら、下方チャンバー(121)(
図6−7のグラフBを参照)は、制限通路(143)のおかげで、しばらくの間、高い圧力を維持する。結果として、ダイヤフラム(100)は上方へ移動し、それによって、ピストン(103)はシート(107)から上昇して、タイマーボリューム(213)を周囲の圧力(7)と相互連結させる(
図6の時点bを参照)。システム圧力が再度ゆっくりと高まると、反対の現象、すなわち、しばらくの間、下方チャンバー内で低圧力が生じ(121)、それによってシート(107)に対してピストン(103)の閉鎖を保護する(時点cを参照)現象が生じる。結果として、再度、タイマーボリューム(213)が閉じられ、密閉されることによって、制限通路(212)を通る流れを介して連続的に圧力を満たす。
【0023】
ここで、
図7の概略図を見ると、呼吸が止まって(時点a)、放出バルブRVが開かれ、ボリュームチャンバー(213)の内部の圧力が無になる(時点b)まで、圧力チャンバー(213)内部の圧力が増加するというシナリオが見られる。
【0024】
さらに、シート(107)に対するピストン(103)の密閉を保護するために、ピストン(103)の上方部分(103A)は好ましくは、下方部分(103B)よりも小さな外径と通り抜け通路を有する。さらに、ピストン(103)はダイヤフラム(100)に対して位置付けられるため、ダイヤフラム(100)の一番下の領域の一部は、ピストン(103B)の対応する下方部分によって覆われ、ダイヤフラム(100)の反対の上方側と比較して、圧力が低下した領域に通じる。したがって、平衡圧力(すなわち、上方(120)と下方(121)のチャンバーそれぞれの内部の圧力が等しい場合)で、圧力領域の差は、ダイヤフラム(100)がシート(107)に対してピストン(103)を下方に押圧して付勢されるということにつながる。
【0025】
好ましくは、AV制限(130)の周囲にはリップシール(144)があり、リップシール(144)は、例えば、圧力バルブの変更に関連して、システム圧力(L1)が大幅に(かつ、突然)増加する際に開く。従って、リップシール(144)は、下方圧力チャンバー(121)からシステム圧力(L1)までの方向に常に密閉するが、供給管路(L1)と下方チャンバ(121)の間の圧力差が特定の値(例えば、2バール)を超過する場合、別の方向に開いてもよい。この配置のおかげで、リップシール(144)の開口の選択される圧力レベルが、呼吸の間にもたらされる圧力の低下に従って生じないように選択されると同時に、ダイヤフラム(100)は任意の大幅な圧力差に晒されない。
【0026】
図3Aでは、本発明に従ってアクチュエータアセンブリ(8)の概要の別の例が概略的に示され、該アセンブリは、
図2に関連して以前に記載された方法と同様の方法で互いに接続された、ON/OFFバルブOV、タイマーボリュームTV、活動センサーバルブAV、および、放出バルブRVを含む。
図3に従ったアクチュエータアセンブリ(8)は、
図1で示されるハウジングに対応するハウジング(80)の内部に含まれ、各々がアクチュエータ(8)の異なる機能を実行するように設計された複数のハウジング部分(81)によって形成される。
【0027】
図3Aで示されるアクチュエータ(8)の異なる態様および機能がここで記載される。
【0028】
ハウジング(80)の1つの端部で、アクチュエータが水中の位置に移動し、水圧がダイヤフラム(200)の上側に加えられると、アクチュエータ(8)を作動させる(すなわち、「ONモード」へ切り替える)ように配されたOn/OffバルブOVが配される。ダイヤフラム(200)の下に、あらかじめ定義された外部の圧力でダイヤフラム(200)をアクティブ状態へと移行させるように較正された、平衡を保っている空気チャンバー(201)がある。ダイヤフラム(200)は、また、ダイヤフラム(200)に固定して付けられているピストン(208)の下部を押すばね(221)を介して適所で保持される。1つの実施形態では、平衡チャンバー(201)は、バルブとチャネル(図示せず)を介して空気に接触し、したがって、システム圧力(すなわち、第1の工程との接続)がチャネル(L1
B)を介して加えられる(前記バルブはその直後に閉じられるように構成されている)まで、周囲の圧力に自動的に較正され、それによって、環境とダイヤフラム(200)の下のチャンバー(201)の間のインタフェースを閉じる。空気チャンバー(201)はこのようにして密閉して閉じられ、表面での外圧に較正される。
【0029】
ダイヤフラム(200)に作用する水圧が特定の圧力を超える時、ダイヤフラムに固定して取り付けられるピストン(208)は前記のばね(221)を押圧しながら下方に移動して、および、シール(220)と接触して、(L1
B)とタイマーボリュームTV(213)の間の制限されていない空気通路を妨げる。システム圧力チャネル(L1
B)の間のただ一つの通路は、ここで、タイマーボリューム(213)につながる制限通路(212)であり、これによって、非常に小さなあらかじめ決められた空気の流れが、TVチャンバー(213)を通って中に入ることができる。本実施形態の制限通路(212)は、
図3Bに示されるバー部材(222)によって達成される。ダイヤフラム(200)が水の上で「Off状態」である時、ピストン(208)はバー部材(222)とほとんど接触しないようにバー部材(222)の上に位置付けられることで、空気は中空の中心チャネル(230)を自由に通り抜け、バー部材(222)を通ってTVチャンバー(213)に入る。ダイヤフラム(200)が水中で「ON状態」である時、ピストン(208)はバー部材(222)に対して下方に移動することで、バー部材(222)を密閉するように囲み、空気の通路がバー部材(222)の側に配された長手方向の溝部(223)のみを通ることを可能にする(
図3B参照)。制限バルブ(212)を通る空気のボリュームは、前記溝部(223)の寸法によって決定される。
【0030】
タイマーボリューム(213)は空気でゆっくりと充填され、これによって、圧力が徐々に内部で高まる。制限通路(212)はアクチュエータ本体を非常にコンパクトするために極端に小さい。言いかえれば、制限通路(212)を通る空気の非常に小さな流れが許可されることによって、小さなボリューム(213)がタイマーボリューム(213)の機能を達成するのに、すなわち、あらかじめ定義した一定の間、呼吸が生じなかった際に放出バルブ(25)を開くのに十分な時間を提供する。タイマーボリューム(213)はON/OFFバルブOVの隣に位置づけられる。放出バルブ(25)は、ON/OFFバルブOVと比較して、アクチュエータ本体の反対端部に隣接して位置付けられる。
【0031】
放出バルブ(RV)と、タイマーボリューム(TV)の間に、活動センサーバルブ(AV)が配される。このバルブAVは、固定して取り付けられたピストン(103)を有するダイヤフラム(100)を含む。ピストン(103)はTVに向かう流れに対して密閉するように配された上方シール(104)を有する。また、AVのピストンバルブは中空であり、すなわち、中心通路(111)を提供する。ダイヤフラム(100)の片側面においては、システム圧力管路(L1)に接して圧力チャンバー(120)がある。以下に、ダイヤフラム(100)の反対側に、平衡圧力を提供する圧力チャンバー(121)がある。上方チャンバー(120)とシステム圧力部(L1)との間の流れ接続開口部(153)(好ましくは、中央開口部)は、その間の無制限の流動を可能にするほどかなり大きい。下方チャンバー(121)内の平衡圧力は、流れ制限構造(130)に、システム圧力部(L1)と下方圧力チャンバー(121)の間の制限通路(143)を提供することにより達成される。好ましくは、前記流路(143、153)は、呼吸による圧力の低下の検知を容易にするように整えられた異なる断面通路面積(A
r、A
f)を有する。好ましくは、第2の圧力チャンバー(121)からおよび/または第2の圧力チャンバー(121)に、制限された流路(143)を供給する断面通路面積A
r間の断面通路面積の関係は、第1の圧力チャンバー(120)からおよび/または第1の圧力チャンバー(120)に流路を供給する断面通路面積A
fに関して、1/50−1/200の範囲である。前記の流路(143、153)の前記断面通路面積(A
r、A
f)は、前記のシステム圧力部(L1)内の圧力の変化を通じて一定であるように好ましくは配される。本発明に従った設計のおかげで、前記システム圧力(L1)内での圧力変化の結果として、第1(120)と第2(121)の圧力チャンバー間の瞬間的な圧力差が得られる。これによって、呼吸が生じた際にTVチャンバー(213)が空になるという結果をもたらす。呼吸の際、システム圧力(L1)は急激に低下し、同時に、上方チャンバー(120)内の圧力の低下をもたらす。しかしながら、下方チャンバ(121)は、制限通路(143)のおかげでしばらくの間は高い圧力を維持する。結果として、ダイヤフラム(100)は上方へ移動し、それによって、ピストン(103)はシート(107)から上方に移動することで、タイマーボリューム(213)を周囲の圧力(7)と相互連結させる。
【0032】
図3に示された流れ制限構造(130)の設計が、
図3A乃至Gを参照して、ここでさらに記載される。
【0033】
支持リング(224)は圧力チャンバー(121)とシステム圧力部(L1)の間に位置し、前記支持リング(224)は、中央開口部(143)と周辺(circumferal)(縁部(225)を有する。同様に例えば
図3Dでも見られるように、支持リング(224)は斜めの断面を有する。
【0034】
図3E、Fに示される柔軟性部材(227)は支持リング(224)に隣接しており、支持リング(224)と形状で一致し、中央開口部(143)を有する。柔軟性部材はゴム、シリコーンまたは他の柔軟性材料で作られている。ニュートラルな状態(すなわち、チャンバ(121)とチャネル(L1)の間の圧力差は最小であるか存在しない)では、柔軟性部材(227)は、支持リング(224)の下で水平に位置し、支持リング(224)の断面が斜めであるため、小さな開口スペースが支持リング(224)と柔軟性部材(227)の間で作られる。したがって、チャネル(L1)につながる通路(228)は、覆いがなく、空気は中央開口部(143)を通って、および、前記の通路(228)を経由して、自由にチャンバ(121)とチャネル(L1)を行き来する(
図3G参照)。
【0035】
アセンブリが
図3Gで詳細に示され、柔軟性部材(227)とシステム圧力チャネル(L1)の間で狭い空気流の通路(228)が見られ、これは、圧力チャンバー(121)とシステム(L1)間の唯一の接続である。第1段階がクラッキング圧と呼ばれる圧力の低下を補うまで、呼吸はシステムL1内の急激な圧力の低下をもたらす。これが生じると、圧力チャンバー(120)の内部の圧力も落ち、空気は流路(153)を通って出て、システムチャネル(L1)に入る。同時に、圧力の低下を補うために、下方圧力チャンバー(121)からシステムチャネル(L1)に入ろうとする空気の移動が始まるであろう。しかしながら、これによって、柔軟な部材(227)が空気流通路(228)に向かって吸い込まれ、事実上、空気がまったく通過しないように該通路を塞ぐ。その結果が上方(120)と下方(121)の圧力チャンバー間の圧力差であり、これによってダイヤフラム(100)が上方に移動し、それとともにピストン(103)も移動する。ピストンはそれによって密閉シート(107)と接触したままで、TVチャンバー(213)からの空気がチャネル(7)を通って出て、アクチュエータ(8)から出ることを可能にする。次に、第1の段階からの空気はシステムに入り、2つの圧力チャンバー(120と121)内の圧力が等しくなる圧力を増やし、柔軟な部材(227)が開放され、それによって制限バルブ(130)が開かれる。
【0036】
システム圧力が徐々に増加する場合、例えば、低下後の水位の増加により、柔軟な部材(227)は顕著な影響をうけないか、または、支持リング(224)に向かって追い立てられ、それによって、チャンバ(121)とチャネル(L1)の間の制限されない空気の流れを可能にする。この設計のおかげで、小さな圧力変化、または、段階的な圧力変化では、システムは自己調整し、制限バルブ(130)は、例えば、水中の深さの変化によって引き起こされる、小さな/遅い圧力変化の場合、空気通路を塞がない。このことは、急激な圧力変化が生じなければ(呼吸など)、圧力チャンバー(120、121)は自動的に平衡が保たれ、本システム圧力に適していることを意味する。
【0037】
シート(107)に対するピストン(103)の密閉を保護するために、ピストン(103)の上方部分(103A)は、下方部分(103B)よりも小さな外径と通り抜け通路を有する。さらに、ピストン(103)はダイヤフラム(100)に関して位置付けられるため、ダイヤフラム(100)の最も下の部分は、ピストン(103B)の対応する下方部分によって覆われることで、ダイヤフラム(100)の反対側と比較して圧力領域が減少することになる。したがって、平衡圧力(すなわち、上方(120)と下方(121)のチャンバー内部の圧力がそれぞれほぼ等しい場合)では、圧力領域の差は、ダイヤフラム(100)が下方に付勢され、ピストン(103)をシート(107)に対して押しつけるという結果をもたらす。
【0038】
ダイバーが呼吸をやめて、TVチャンバー内部のボリュームが記載されるようにAVバルブによって空にならない場合、TVチャンバー(213)内部の圧力は、徐々に増加するであろう。特定の重要な時点で、増加した圧力は放出バルブ(25)の開口をもたらし、それによって、タンクからの空気がBCDに流れ、ダイビングジャケットを膨張させる。
【0039】
図4−5に示される配置は、以前の実施形態(
図1乃至3)と比較して別の種類のハウジングを含み、これは長方形の形状を有する。
【0040】
図4では、本発明に従ったON/OFFバルブの原則となる断面図が示され、すなわち、アクチュエータ内で使用される機械的なON/OFFバルブの1つの実施形態によるいくつかの原則を示している。ダイヤフラム(200)の較正は、アクチュエータハウジング内のバルブ(202)とチャネル(7)を介して周囲の圧力に接続されたダイヤフラム(200)の下方部分を有することによって達成され、チャネル(7)は周囲の圧力に接続される。システム圧力(アクチュエーターに常に接続される圧力)が加えられると、バルブ(202)は、さもなければバルブ(202)を開いたまま維持するばねの圧縮によって閉じられる。従って、表面積(ここでは、バルブ(202)の底部での)は、システム圧力がそれに接続されるチャネル(L1
B)で加えられると、ばねがバルブ(202)を安全に閉じるように設けられるのに十分な対抗領域(a sufficient to counteract)を提供する。
【0041】
L1
Bからのシステム圧力は、さらにシートユニット(203)上でバルブ(202)のすぐ下を通り、この流れを2つの分岐に分け、1つの流れはバルブシート(203)の上方部分(207)を通り抜けてチャンバー(206)に入り、もう1つの分岐は、シート(203)を真っすぐ通り抜けてさらなるチャネル(205)に入る。ピストン(208)はダイヤフラム(200)に接続され、ピストンは、アクチュエータハウジング(8)の中心の方向に下方に突出する。ピストン(208)の下方部分は、システム圧力管路(L1
B)(上に記載されたような)から流れを受け取るチャンバー(206)に入り込む。ダイヤフラム(200)がその通常の位置にあるとき、すなわち、周囲の水によって圧力をかけられていないとき、ピストン(208)の下方部分は、シート(203)に置かれたシール(207)とは接触せず、そのことによって、システム圧力管路(L1
B)から周囲のチャンバー(206)への流れが促進される。チャンバー(206)の上部には、チャネル(204)があり、該チャネルには(システムがその上方位置にある際に)チャンバー(206)を介してシステム圧力が提供され、第3のバルブ(209)の一方の側に圧力を供給することによって、そのバルブ(209)を右手方向に閉鎖位置に押し込む。バルブ(209)の表面は下方チャネル(205)に対して少ししか晒されていないため、この圧力はバルブを開口位置まで押しやらない。
【0042】
アクチュエータが水中の位置に移動し、水圧が加えられると、ダイヤフラム(200)の上部側面は、ピストン(208)をシート(203)の密閉部(207)へと動かす手筈を整える。その後、ピストン(208)は、チャンバー(206)内の上方シール(211)と接触しなくなるように移動して、システム圧力(L1
B)と圧力チャンバーの間の接続を閉じた。その結果、バルブ(209)の左手側のチャネル(204)内の圧縮空気は、ピストンシャフトに沿って上方に、周囲の圧力管路(7)内に排気される。その結果、周囲の圧力は、第3のバルブ(209)の左手側でチャネルとチャンバー(210)に存在する。しかしながら、第3のバルブ(209)に接続された下方チャネル(205)は、システム圧力(L1
B)に依然として接続されており、その結果、第3のバルブ(209)は左に動き、制限通路(212)を介してタイマーボリューム(213)につながっている通路を開く。
【0043】
ここで、本発明の1つの実施形態に従ってAVバルブと制限バルブ(130)を示している
図5を主に参照する。
【0044】
2つの鋼板(101および102)が膜(100)のゴム本体のまわりで圧縮されることで、ゴムはピストン(103)に対して拡大して密閉するようになる。これによって、空気がピストン(103)を介して通過しないように守られる。
【0045】
第1のリップシール(105)は、上から来る圧力から密閉部を提供するために外側に突出するリップ(108)を有しているが、下からの空気の流れを許可する。ピストン(103)の外部の円筒形の表面は完全に等しい。この密閉部(105)より下のチャネル(7)では、周囲圧力が存在し、従って、いかなる空気の流れも上方へは通り過ぎない。第2のリップシール(106)が第1のリップシール(105)に関して上下逆さまに位置しているため、そのリップ(109)は、空気がピストン表面に沿って上方を通過するのを防ぐ。第1のシール(105)のように、第2のシール(106)の「可能な側」は、チャネル(7)で周囲の圧力に面する。
【0046】
ピストン(103)の底部(110)は、ピストン(103)の長さの半分未満伸張する、中央の同軸穴部(111)を有している。穴部(111)は、底部のゴム密閉部(107)に対する密閉機能を可能にする構造を有する環状の端部(110)から離れる。これに応じて、膜(100)とピストン(103)は、非作動位置にある際、ピストンの端部(110)は底部のゴム密閉部(107)に対して密閉する。圧力管路(L3)に関するピストン(103)の端部ピースの設計のおかげで、L3内で加えられる圧力からのピストン(103)に対する上昇作用はもたらされず、すなわち、ピストンは管路(L3)内の圧力に関して平衡を保っている。
【0047】
圧力が吸入管路L1
b内で急激に低下した場合、膜(100)は影響を受け、膜(100)の上昇力を提供する(以下により詳細に記載されるように)。これは、ピストン(103)の端部(110)を上方に上げさせ、それによって、L3内の空気がピストン(103)内部の中央の穴部(111)に入り込むのを可能にする。それによって、中間のチャネル(7)とピストン(103)内の垂直穴部(112、113)との間での連通が確立された。圧力(L3)が中間のチャネル内で存在する周囲の圧力よりも常に高いので、その後、空気は(L3)からチャネル(7)まで「自動的に」に流れる。この流れは、その後、タイマー機能をリセットする。下方シール(106)のリップ(109)のわずかに上の穴部(112、113)の位置決めのおかげで、穴部(112、113)の縁部が密閉部(105、106)のいずれかを腐食させる/摩耗させるという危険性はない。
【0048】
膜(100)のまわりには、上方チャンバー(120)と下方チャンバー(121)が配される。膜と上方チャンバー(120)の上壁との間の距離は、できるだけコンパクトなハウジングを得るために可能な限り小さく、例えば、約1.5mmである。しかしながら、下方チャンバー(121)(以下に詳細により記載されるように)は、膜(100)の側に存在する特定の空間(121)よりも大きなボリュームを提供する必要がある。したがって、アクチュエータ(8)に使用されるハウジングの主要な本体部の他の位置に余分なボリューム(121A)が配される。他の実施形態では、所望の余分なボリューム(121A)を供給するために連通している3つ以上の別々のチャンバーが設けられてもよい。
【0049】
膜(100)によって所望の機能を得るために、ダイバーの呼吸と連動する空気の流れに関して、非常に迅速な反応の必要性がある。特定されることを必要とする呼吸中に生じるのは、圧力低下である。この圧力低下は約0.5バール、通常は0.2−1.5バールの範囲で、供給管路L1
bに存在するどの圧力からも独立して、検知される必要がある。これは、例えば、ダイバーが、異なる圧力レベルなどをもたらす異なる深さを移動するので、必要不可欠である。
【0050】
チャネル(L1
b)と圧力チャンバー(121)の間に制限通路(143)を配することによって、呼吸が始まったことを迅速に識別することが実現可能である。2つのチャンバー(120、121)の間の十分な差を確立するために、下方の圧力チャンバー(121)に関連する通り抜け通路領域A
rの減少は、上方チャンバー(120)に対する流路(153)の領域A
fに関して、約1/100の大きさである必要がある。少なくとも、1/50〜1/200の関係性である必要がある。使用された実施形態では、上方チャンバーへの自由な空気の移動を可能にするための通り抜け穴部(122)は約2ミリメートルの直径を有し、従って、制限された管の直径は約0.2mmに相当する。
【0051】
図5で示された実施形態によれば、所望の機能を達成する/提供する流れ制限構造(130)は、ニードル弁本体(135)を備えたボア(131)を含む。ニードル弁本体(135)はハウジング(132)とねじで係合され、密閉される(136)。ニードル弁体(135)の前方端部には、シート(142)と相互作用する前部(138)がある。前部(138)には小さな溝部(139)が配され、溝部は、吸入チャネル(L1
b)から下方圧力チャンバー(121)につながるチャネル(141)への空気の流れのための非常に優れた調節能力を供給する。
【0052】
したがって、溝部(139)のすべてがシート(142)の後ろにあるように、ニードル弁(135)が導入されるとき、空気は通過しない。すなわち、それは、シート(142)の環状の通路を完全に密閉する。その後、開口方向に本体(135)をわずかに回転させることによって、ますます多くの溝部(139)が現れて、より大きな通り抜け通路を提供する。これが吸入L1
bからの空気の所望も通り抜け通路(143)の非常に優れた較正をもたらすことで、前記通路(143)の大きさは上方圧力チャンバー(120)に関して所望の範囲内にある。シート(142)の外部にはリップシール(144)が配され、該リップシールは、その弾力性のおかげで、特定の圧力レベルを超えた場合に、L1
bからの空気の通り抜け通路を可能にする。例えば、新しい耐圧瓶に機器を取り付けることに連動して、圧力が急増し、従って、このリップシール(144)は環状通路(145)を開いて、空気/圧力が上方チャンバー(120)に流れ込むと同時に、空気を下方チャンバ(121)へと流す。
【0053】
限定構造(130)に関連して上に記載された機能が、上記と同じくらい多くの詳細を伴わずとも様々な方法で容易に達成可能であることは当業者にとって明白である。極端な実施形態では、そのすべては
1つの単一ユニットに含まれ、リップシール(144)によって得られる逆止め弁の機能の種類と組み合わせて、所望の固定された制限通路(143)を単に提示する。従って、多くの変更がこの構造(130)の正確な設計に対してなされてもよい。
【0054】
通常の使用の間の機能は、ダイバーが呼吸する際に、上記の少しの圧力低下が吸入管路L1
bで生じるようなものである。この圧力低下は直ちに上方の圧力チャンバー(120)に伝えられる。しかしながら、下方圧力チャンバー(121)は、吸入管路を前記の圧力チャンバー(121)とつなぐ制限された通路(143)のせいで、すぐには同じ圧力が与えられない。したがって、しばらくの間(約20乃至50ミリ秒)、膜(100)上に圧力差が形成され、それが膜(100)に影響を与えて、もっとも低い圧力が存在する方向に曲げさせる。こうして、膜(100)は上方へ移動し、上方チャンバー(120)に入り、それによって、ピストン(103)を移動させる。それによって、タイマー放出起動が上記のように得られ、アクチュエータのリセットも得られる。
【0055】
図8および8Bにおいて、上記の他の革新的な態様とともに有利に使用される新しいタイプのダイヤフラムが示されるが、該ダイヤフラムは、例えば、エンジンや異なるタイプのセンサーなどの内部で、他のタイプの用途で使用される際にも利点を提供してもよい。したがって、様々な分野での別の保護が例えば分割などによって後の段階で求められることが予想される。
図8Aでは、本発明によるダイヤフラムが平面形状の本体部(500)を含むことが示されている。本体部(500)は、ダイヤフラムの固定を可能にするように配された外側部(502)と、内側部(501および503)とを有し、内側部は、内側部(501および503)の反対側で検知される圧力差に応じた移動を可能にするように配される。本発明によれば(
図8Bを参照)、内側部(501および503)は、中心領域(501)と、中心領域(501)を囲む環状領域(503)とを含み、ここで、環状領域(503)の材料厚t
1は、中心領域(501)の厚みt
2よりもかなり小さい。中心領域(501)の厚み(t
2)は、環状領域(503)の材料厚(t
1)よりも少なくとも2倍厚いのが好ましく、それによって、中心領域が環状であるよりもずっと剛体であるという効果があり、そのことは同様に、中心領域(501)の移動をうまく制御することを可能にする。好ましい実施形態によれば、中心領域(501)および環状領域(503)は同じ材料から作られ、さらに、外側部(502)もそうであり、このことは、コスト効率の高い生産を容易にする。好ましい実施形態によれば、環状領域(503)は、ほぼ空ごう形状(bellow−shaped)である。なぜなら、これは高い柔軟度を提供するからであり、これは、その使用される材料が比較的堅い金属および/または金属合金であればとりわけ好ましい。金属の使用によるさらなる利点は、押すことによって所望の寸法が達成されるということである。