(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記主チャネル信号と前記補助チャネル信号に対してそれぞれデジタル領域チャネル特性マッチング処理を行って、主チャネル特性マッチング信号と補助チャネル特性マッチング信号を取得することは、
主チャネルで伝送された前記主チャネル信号に対してデジタル領域固定遅延処理を行って、主チャネル特性マッチング信号を取得し、
補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域マッチングフィルタリング処理を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得することを含むことを特徴とする
請求項1に記載の無線通信システムの信号相殺方法。
前記主チャネル信号と前記補助チャネル信号に対してそれぞれデジタル領域チャネル特性マッチング処理を行って、主チャネル特性マッチング信号と補助チャネル特性マッチング信号を取得することは、
主チャネルで伝送された前記主チャネル信号に対してデジタル領域固定遅延処理を行って、主チャネル特性マッチング信号を取得し、
補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域位相調整、振幅調整、遅延調整を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得することを含むことを特徴とする
請求項1に記載の無線通信システムの信号相殺方法。
前記主チャネル信号と前記補助チャネル信号に対してそれぞれデジタル領域チャネル特性マッチング処理を行って、主チャネル特性マッチング信号と補助チャネル特性マッチング信号を取得することは、
主チャネルで伝送された前記主チャネル信号に対してデジタル領域固定遅延処理を行って、主チャネル特性マッチング信号を取得し、
補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域周波数帯域分割を行って、複数の補助チャネルサブ信号を取得し、
各補助チャネル入力サブ信号に対してマッチングフィルタリング処理または位相調整、振幅調整、遅延調整を行って、複数の補助チャネル特性マッチングサブ信号を取得し、
前記複数の補助チャネル特性マッチングサブ信号に対して、結合処理を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得することを含むことを特徴とする
請求項1に記載の無線通信システムの信号相殺方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態の目的は、広帯域の信号相殺問題をより良く解決することができる、無線通信システムの信号相殺方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る無線通信システムの信号相殺方法は、送信信号に対して分岐処理を行って、主チャネルで伝送された主チャネル信号と補助チャネルで伝送された補助チャネル信号を取得することと、前記主チャネル信号と前記補助チャネル信号に対してそれぞれデジタル領域チャネル特性マッチング処理を行って、主チャネル特性マッチング信号と補助チャネル特性マッチング信号を取得することと、信号相殺を行うように、受信チャネルに結合された前記主チャネル特性マッチング信号と前記補助チャネル特性マッチング信号に対して、結合処理を行うこととを含む。
【0007】
好ましくは、前記主チャネル信号と前記補助チャネル信号に対してそれぞれデジタル領域チャネル特性マッチング処理を行って、主チャネル特性マッチング信号と補助チャネル特性マッチング信号を取得することは、主チャネルで伝送された前記主チャネル信号に対してデジタル領域固定遅延処理を行って、主チャネル特性マッチング信号を取得し、補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域マッチングフィルタリング処理を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得することを含む。
【0008】
好ましくは、前記主チャネル信号と前記補助チャネル信号に対してそれぞれデジタル領域チャネル特性マッチング処理を行って、主チャネル特性マッチング信号と補助チャネル特性マッチング信号を取得することは、主チャネルで伝送された前記主チャネル信号に対してデジタル領域固定遅延処理を行って、主チャネル特性マッチング信号を取得し、補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域位相調整、振幅調整、遅延調整を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得することを含む。
【0009】
好ましくは、前記主チャネル信号と前記補助チャネル信号に対してそれぞれデジタル領域チャネル特性マッチング処理を行って、主チャネル特性マッチング信号と補助チャネル特性マッチング信号を取得することは、主チャネルで伝送された前記主チャネル信号に対してデジタル領域固定遅延処理を行って、主チャネル特性マッチング信号を取得し、補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域周波数帯域分割を行って、複数の補助チャネルサブ信号を取得し、各補助チャネル入力サブ信号に対してマッチングフィルタリング処理、または位相調整、振幅調整、遅延調整を行って、複数の補助チャネル特性マッチングサブ信号を取得し、前記複数の補助チャネル特性マッチングサブ信号に対して、結合処理を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得することを含む。
【0010】
好ましくは、前記結合処理の後、結合処理の後に取得された出力信号を検出することと、出力信号を検出した場合、前記出力信号の搬送波エネルギー値とエネルギー閾値を比較することと、前記出力信号の搬送波エネルギー値が前記エネルギー閾値より大きいことを確定した場合、前記主チャネルで伝送された信号と前記補助チャネルで伝送された信号を相殺させるように、前記出力信号の搬送波エネルギー値に基づいて、前記主チャネルと前記補助チャネルのチャネル特性を調整することと、前記出力信号の搬送波エネルギー値が前記エネルギー閾値より以下であることを確定した場合、前記主チャネルと前記補助チャネルのチャネル特性を維持することとをさらに含む。
【0011】
本発明の実施形態に係る無線通信システムの信号相殺装置は、送信信号に対して分岐処理を行って、主チャネルで伝送された主チャネル信号と補助チャネルで伝送された補助チャネル信号を取得するように構成される分岐モジュールと、前記主チャネル信号と前記補助チャネル信号に対してそれぞれデジタル領域チャネル特性マッチング処理を行って、主チャネル特性マッチング信号と補助チャネル特性マッチング信号を取得するように構成されるデジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュールと、信号相殺を行うように、受信チャネルに結合された前記主チャネル特性マッチング信号と前記補助チャネル特性マッチング信号に対して、結合処理を行うように構成される相殺モジュールとを含む。
【0012】
好ましくは、前記デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュールは、主チャネルで伝送された前記主チャネル信号に対してデジタル領域固定遅延処理を行って、主チャネル特性マッチング信号を取得するように構成される固定遅延器と、補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域マッチングフィルタリング処理を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得するように構成されるデジタルマッチングフィルタとを含む。
【0013】
好ましくは、前記デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュールは、主チャネルで伝送された前記主チャネル信号に対してデジタル領域固定遅延処理を行って、主チャネル特性マッチング信号を取得するように構成される固定遅延器と、補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域位相調整、振幅調整、遅延調整を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得するように構成される位相振幅遅延調整器とを含む。
【0014】
好ましくは、前記デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュールは、主チャネルで伝送された前記主チャネル信号に対してデジタル領域固定遅延処理を行って、主チャネル特性マッチング信号を取得するように構成される固定遅延器と、補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域周波数帯域分割を行って、複数の補助チャネルサブ信号を取得するように構成される複数のバンドパスフィルタと、各補助チャネル入力サブ信号に対してマッチングフィルタリング処理を行って、複数の補助チャネル特性マッチングサブ信号を取得するように構成されるデジタルマッチングフィルタ、または、各補助チャネル入力サブ信号に対して位相調整、振幅調整、遅延調整を行って、複数の補助チャネル特性マッチングサブ信号を取得するように構成される位相振幅遅延調整器と、前記複数の補助チャネル特性マッチングサブ信号に対して結合処理を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得するように構成される結合器とを含む。
【0015】
好ましくは、前記装置は、チャネル特性計算制御モジュールをさらに含み、前記チャネル特性計算制御モジュールが結合処理の後に取得された出力信号を検出するように構成される第一の検出器と、出力信号を検出した場合、前記出力信号の搬送波エネルギー値とエネルギー閾値を比較するように構成される第一の比較器と、前記出力信号の搬送波エネルギー値が前記エネルギー閾値より大きいことを確定した場合、前記主チャネルで伝送された信号と前記補助チャネルで伝送された信号を相殺させるように、前記出力信号の搬送波エネルギー値に基づいて、前記主チャネルと前記補助チャネルのチャネル特性を調整するように構成される第一の調整器と、前記出力信号の搬送波エネルギー値が前記エネルギー閾値より以下であることを確定した場合、前記主チャネルと前記補助チャネルのチャネル特性を維持するように構成される第一の保持器とを含む。
【0016】
本発明の実施形態に係る無線通信システムの信号相殺方法および装置において、まず送信信号に対して分岐処理を行って、主チャネルで伝送された主チャネル信号と補助チャネルで伝送された補助チャネル信号を取得し、次に前記主チャネル信号と前記補助チャネル信号に対してそれぞれデジタル領域チャネル特性マッチング処理を行って、主チャネル特性マッチング信号と補助チャネル特性マッチング信号を取得し、さらに信号相殺を行うように、受信チャネルに結合された前記主チャネル特性マッチング信号と前記補助チャネル特性マッチング信号に対して、結合処理を行う。これにより、本発明の実施形態は、デジタル領域にチャネル特性マッチング制御を実現し、ソースに共通する異なる経路で伝播された信号をターゲット点に相殺させることで、信号漏洩、即ち信号干渉を除去する目的を達成し、アナログ領域信号相殺技術に比べて、制御がさらに精細となり、相殺効果が良く、特に広帯域の信号相殺に適合する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。以下に説明される好ましい実施形態は、本発明を説明および解釈するためにのみ用いられ、本発明の保護範囲を限定することに用いられるものではない。
【0019】
図1は本発明の実施形態に係る無線通信システムの信号相殺方法の実現プロセスを示す図である。
図1に示すように、前記方法は、以下のステップを含む。
【0020】
ステップS11において、送信信号に対して分岐処理を行って、主チャネルで伝送された主チャネル信号と補助チャネルで伝送された補助チャネル信号を取得する。
【0021】
ここで、前記主チャネルと補助チャネルは、線形チャネルであり、前記主チャネルと補助チャネルが増幅ユニット、減衰ユニット、フィルタリングユニット、周波数変換ユニット、アナログ−デジタル変換ユニット(ADC:Analog to Digital Converter)、デジタル−アナログ変換ユニット(DAC:Digital to Analog Convert)、電力増幅ユニットなどの線形ユニットを含むがこれらに限られない。
【0022】
ステップS12において、前記主チャネル信号と前記補助チャネル信号に対してそれぞれデジタル領域チャネル特性マッチング処理を行って、主チャネル特性マッチング信号と補助チャネル特性マッチング信号を取得する。
【0023】
ここで、前記主チャネル信号と前記補助チャネル信号に対してそれぞれデジタル領域チャネル特性マッチング処理を行って、主チャネル特性マッチング信号と補助チャネル特性マッチング信号を取得することは、
主チャネルで伝送された前記主チャネル信号に対してデジタル領域固定遅延処理を行って、主チャネル特性マッチング信号を取得し、
補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域マッチングフィルタリング処理を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得し、または、補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域位相調整、振幅調整、遅延調整を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得し、または、補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域周波数帯域分割を行って、複数の補助チャネルサブ信号を取得した後、各補助チャネル入力サブ信号に対してマッチングフィルタリング処理を行って、または、位相調整、振幅調整、遅延調整を行って、複数の補助チャネル特性マッチングサブ信号を取得し、さらに前記複数の補助チャネル特性マッチングサブ信号に対して、結合処理を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得することを含む。
【0024】
ステップS13において、信号相殺を行うように、受信チャネルに結合された前記主チャネル特性マッチング信号と前記補助チャネル特性マッチング信号に対して、結合処理を行う。
【0025】
前記ステップS13の後、前記方法は、
取得された出力信号を検出することと、
出力信号を検出した場合、前記出力信号の搬送波エネルギー値とエネルギー閾値を比較することと、
前記出力信号の搬送波エネルギー値が前記エネルギー閾値より大きいことを確定した場合、前記主チャネルで伝送された信号と前記補助チャネルで伝送された信号を相殺させるように、前記出力信号の搬送波エネルギー値に基づいて、前記主チャネルと前記補助チャネルのチャネル特性を調整することと、
前記出力信号の搬送波エネルギー値が前記エネルギー閾値より以下であることを確定した場合、前記主チャネルと前記補助チャネルのチャネル特性を維持することとを含む。
【0026】
図2は本発明の実施形態に係る無線通信システムの信号相殺装置の構成構造を示す図である。
図2に示すように、前記装置は、分岐モジュール101、主チャネル102、補助チャネル103、デジタル領域チャネル特性マッチング装置104と相殺モジュール105を含む。
【0027】
ここで、前記分岐モジュール101は、送信信号に対して分岐処理を行って、主チャネル102で伝送された主チャネル信号と補助チャネル103で伝送された補助チャネル信号を取得するように構成される。すなわち、前記分岐モジュール101は、入力された送信信号を2つの信号に分岐し、そしてそれぞれ主チャネルと補助チャネルに提供する。前記分岐モジュールの実現に対して、実際の需要に応じて例えば同相分岐器、逆方向分岐器、3dBブリッジ、不等分分岐器、マルチ分岐器、カプラーなどを採用することができる。
【0028】
ここで、前記主チャネル102と補助チャネル103は、実際の状況に応じて純粋なデジタル形態であってよく、アナログおよびデジタル混合形態であってもよく、純粋なアナログ形態であってもよい。主チャネル102と補助チャネル103は、増幅ユニット、減衰ユニット、フィルタリングユニット、周波数変換ユニット、アナログ−デジタル変換またはデジタル−アナログ変換ユニット、電力増幅などの線形ユニットを含むことができるがこれらに限られない。実施の過程において、リンク指標割り当てを行う場合、主チャネルと補助チャネルのリンク利得差、位相差、伝播遅延差は、デジタル領域チャネル特性マッチング装置104の調整範囲にマッチングされるべきである。
【0029】
良い相殺効果を保証するために、主チャネル102と補助チャネル103に周波数変換ユニットがあると、当該相殺装置の周波数変換のクロックと局部発振器が直接ソースに共通することを要求する。前記直接ソースに共通することは、同じ発振源から出力されることであり、間接1つの基準ソースをロックすることではなく、即ち同じ発振源によって入力され、分岐、チャネル伝送といくつかの必要な線形変換を経て主チャネルおよび補助チャネルのクロックまたは局部発振器とされる。
【0030】
良い相殺効果を保証するために、主チャネル102と補助チャネル103のA/DまたはD/Aのサンプルクロックは、間接基準ソースをクロックすることではなく直接ソースに共通しなければならなく、即ち同じ発振源によって入力され、分岐、チャネル伝送といくつかの必要な線形変換を経て主および補助チャネルのクロックまたは局部発振器とされる。A/DまたはD/Aの使用上、低い背景ノイズ、高い飽和電力を原則として選択する。
【0031】
良い相殺効果を保証するために、補助チャネル103の振幅-周波数特性と群遅延特性がターゲット相殺周波数帯域にできるだけ平坦であることを要求し、且つ補助チャネル103自体によって生成されたスプリアス、非線形生成物とノイズが相殺モジュール105の入力端に相殺帯域内に落ち込むことを要求するエネルギー要求は次のとおりである:スプリアス、非線形生成物とノイズエネルギースペクトル密度≦サンプル信号エネルギー密度−ターゲット相殺量(dB)−10。好ましくは、良い相殺効果を保証するために、補助チャネル103に対して、分岐点にターゲット周波数帯域より高い周波数成分が存在すると、フィルタリングなどの措置を採ってこれらの関連しない周波数成分を抑制して、補助チャネル103の良い動態を保証する。
【0032】
ここで、前記デジタル領域チャネル特性マッチング装置104は、デジタル領域に主チャネルおよび/または補助チャネルの振幅、位相、遅延などのパラメータを調整することで、前記2つのチャネルの信号の相殺モジュール105の結合点での振幅、遅延が等しくなり、位相が逆となる。前記デジタル領域チャネル特性マッチング装置104は、デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュール104−1とチャネル特性計算制御モジュール104−2を含む。
【0033】
前記デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュール104−1は、前記主チャネル信号と前記補助チャネル信号に対してそれぞれデジタル領域チャネル特性マッチング処理を行って、主チャネル特性マッチング信号と補助チャネル特性マッチング信号を取得するように構成される。前記デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュール104−1は、チャネル特性計算制御モジュール104−2から与えられたデータおよび命令に基づいて、チャネル特性マッチング計算を行い、そしてデジタル領域にチャネル特性マッチングを実行し、主チャネル、補助チャネルをチャネルマッチングに達させて、主チャネル、補助チャネルで伝送された信号を相殺モジュール105の結合点に相殺させることを達成する。
【0034】
前記チャネル特性計算制御モジュール104−2は、結合処理の後に取得された出力信号を検出し、出力信号を検出した場合、前記出力信号の搬送波エネルギー値とエネルギー閾値を比較し、前記出力信号の搬送波エネルギー値がエネルギー閾値より大きいと、前記主チャネルで伝送された信号と前記補助チャネルで伝送された信号を相殺させるように前記出力信号の搬送波エネルギー値に基づいて、前記主チャネルと前記補助チャネルのチャネル特性を調整し、そうでなければ、前記主チャネルと前記補助チャネルのチャネル特性を維持するように構成される。
【0035】
前記チャネル特性計算制御モジュール104−2は、第一の検出器、第一の比較器、第一の調整器および第一の保持器を含む。
【0036】
前記第一の検出器は、結合処理の後に取得された出力信号を検出するように構成される。
【0037】
前記第一の比較器は、出力信号を検出した場合、前記出力信号の搬送波エネルギー値とエネルギー閾値を比較するように構成される。
【0038】
前記第一の調整器は、前記出力信号の搬送波エネルギー値がエネルギー閾値より大きいことを確定した場合、前記主チャネルで伝送された信号と前記補助チャネルで伝送された信号を相殺させるように前記出力信号の搬送波エネルギー値に基づいて、前記主チャネルと前記補助チャネルのチャネル特性を調整するように構成される。
【0039】
前記第一の保持器は、前記出力信号の搬送波エネルギー値が前記エネルギー閾値より以下であることを確定した場合、前記主チャネルと前記補助チャネルのチャネル特性を維持するように構成される。
【0040】
即ち、前記チャネル特性マッチング計算制御モジュール104−2は、チャネル特性を正確に計算し、命令およびデータを処理してデジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュール104−1に送信し、デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュール104−1によって実行され、主チャネルと補助チャネルのチャネル特性をマッチングに達させて、主チャネルと補助チャネルで伝送された信号を相殺モジュール105の結合点に相殺させる。主チャネルと補助チャネルのチャネル特性マッチングとは、主チャネルで伝送された信号と補助チャネルで伝送された信号の相殺モジュール105の結合点での振動幅が等しくなり、位相が逆になり、遅延が等しくなることである。
【0041】
ここで、前記相殺モジュール105は、信号相殺を行うように、受信チャネルに結合された前記主チャネル特性マッチング信号と前記補助チャネル特性マッチング信号に対して、結合処理を行うように構成される。前記相殺モジュール105の基本的な特徴は、2つの入力ポート、1つの出力ポートを有し、内部に結合端点があり、結合点と略称されることである。前記結合点は、前記相殺モジュールの3つのポートの内部信号伝送の相互接続されている交差点である。前記相殺モジュール105は、結合器/分岐器、カプラー、ブリッジなどのアナログ部材により実現されることができ、デジタル領域の加算器と減算器などの部材により実現されることもできる。リンク割り当ては、具体的な部材を使用して確定された相殺モジュールの入力端のレベルなどに応じる必要がある。
【0042】
即ち、前記送信信号は、分岐モジュール101により2つの信号に分岐され、1つの信号が主チャネル102で伝送され、別の信号が補助チャネル103で伝送され、主チャネルと補助チャネルがそれぞれのチャネル特性を有する。主チャネルおよび/または補助チャネルの信号に対イして、デジタル領域チャネル特性マッチング装置104がデジタル領域にチャネル特性をマッチングすることにより、主チャネル信号と補助チャネル信号の相殺モジュール105内の結合点での振幅が等しくなり、位相が逆になり、遅延が等しくなり、その後、相殺し、信号相殺目的を達成する。
【0043】
図2における前記デジタル領域チャネル特性マッチング装置104は、デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュール104−1とチャネル特性マッチング計算制御装置104−2の2つの部分から構成される。チャネル特性マッチング計算制御モジュール104−2に対して、インタフェースにおいて複数の検出入力インタフェース、システムインタラクティブインタフェース、およびデジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュール104−1の制御インタフェースを残しておく必要がある。実施の過程において、異なる状況に応じてデジタル領域チャネル特性マッチング装置104の構成を選択する。チャネル特性マッチングモジュールの構成は、
図3〜
図5に示すいくつかの状況があるがこれらに限られない。
【0044】
図3は
図2に示すデジタル領域チャネル特性マッチング装置の第一の構成構造を示す図である。
図3に示すように、デジタル領域チャネル特性マッチング装置は、デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュール104−1とチャネル特性計算制御装置104−2を含み、前記デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュール104−1が固定遅延器301とデジタルマッチングフィルタ302とを含む。
【0045】
図3において、前記デジタル領域チャネル特性マッチング装置は、固定遅延器301を主チャネル特性マッチング実行モジュールとして使用して、主チャネルで伝送された前記主チャネル信号に対してデジタル領域固定遅延処理を行って、主チャネル特性マッチング信号を取得し、前記デジタル領域チャネル特性マッチング装置は、デジタル領域マッチングフィルタ302を補助チャネル特性マッチング実行モジュールとして使用して、補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域マッチングフィルタリング処理を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得する。この場合、チャネル特性計算制御モジュール104−1は、前記デジタルマッチングフィルタ302のパラメータを計算して更新する。主チャネルが正常通信の流れの作用を担持する場合が多いので、デジタルマッチングフィルタ302が一般的に補助チャネルに置き、このようにして主チャネルの振幅位相特性に影響を与えない。チャネル特性計算制御モジュール104−1は、前記デジタルマッチングフィルタ302のパラメータを計算して更新する方式は、オフラインパラメータを予め記憶する制御方式、周期的チャネル特性監視および推定方式、相殺効果ゼロフォーシング制御方式などがあるがこれらに限られない。
【0046】
図4は
図2に示すデジタル領域チャネル特性マッチング装置の第二の構成構造を示す図である。
図4に示すように、前記デジタル領域チャネル特性マッチング装置は、デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュール104−1とチャネル特性計算制御モジュール104−2を含み、前記デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュール104−1が固定遅延器301と位相振幅遅延調整器400を含み、前記位相振幅遅延調整器400は、フェイザー401、振幅調整器402と遅延調整器403を含む。
【0047】
図4において、前記デジタル領域チャネル特性マッチング装置は、位相振幅遅延調整器400を使用してチャネル特性マッチング目的を達成する。前記フェイザー401、振幅調整器402、遅延調整器403は、需要に応じて主チャネルまたは補助チャネルのいずかの位置に置くことができ、需要に応じて集中して置くまたは分離して置くことができる。前記フェイザー401は、主チャネルまたは補助チャネルに1つ置けばよく、一般的に補助チャネルに置く。前記振幅調整器402は、主チャネルまたは補助チャネルに1つ置けばよく、一般的に補助チャネルに置く。前記遅延調整器403は、主チャネルまたは補助チャネルに1つ置けばよく、一般的に補助チャネルに置く。遅延調整器403が1つの方向だけ遅れて調整することができるので、主チャネルのチャネル遅延が補助チャネル遅延より短く、且つ遅延調整器403が補助チャネルに位置すると、主チャネルは、1つの固定遅延器301を増加しなければならなく、当該遅延値が主チャネル信号遅延差より大きい。即ち、前記主チャネル信号と前記補助チャネル信号に対してそれぞれデジタル領域チャネル特性マッチング処理を行うステップは、固定遅延処理、位相調整、振幅調整および遅延調整を含み、そのなか、前記固定遅延処理が主チャネルで完了され、位相調整または振幅調整または遅延調整が主チャネルまたは補助チャネルのうちの一つで完了される。
【0048】
図4に示すデジタル領域チャネル特性マッチング装置は、最適な構造であり、即ち主チャネルに固定遅延器301を設置し、主チャネルで伝送された前記主チャネル信号に対してデジタル領域固定遅延処理を行い、主チャネル特性マッチング信号を取得し、そして補助チャネルにフェイザー401、振幅調整器402と遅延調整器403を設置し、補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域位相調整、振幅調整、遅延調整を行い、補助チャネル特性マッチング信号を取得する。
【0049】
図5は
図2に示すデジタル領域チャネル特性マッチング装置の第3の構成構造を示す図である。
図5に示すように、前記デジタル領域チャネル特性マッチング装置は、デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュール104−1とチャネル特性計算制御装置104−2を含む。
【0050】
図5に示すデジタル領域チャネル特性マッチング装置は、
図3と
図4に基づいて、特性マッチングを行う必要がある周波数帯域を若干のサブ周波数帯域に細分化し、その後各サブ周波数帯域に対してチャネル特性マッチングを実行することを特徴とする。スペクトルの細分化粒度に対して、システム要求とリソース要求に応じて折衷選択を行うことができる。
図5に示すように、主チャネルの固定遅延器を使用して主チャネルで伝送された前記主チャネル信号に対してデジタル領域固定遅延処理を行い、主チャネル特性マッチング信号を取得する。まず、複数のバンドパスフィルタ501、B1〜Bnを利用して、補助チャネルで伝送された前記補助チャネル信号に対してデジタル領域周波数帯域分割を行い、複数の補助チャネルサブ信号を取得する。次に、デジタルマッチングフィルタ302を使用して各補助チャネル入力サブ信号に対してマッチングフィルタ処理を行って、または位相振幅遅延調整器400を使用して位相調整、振幅調整、遅延調整を行って、複数の補助チャネル特性マッチングサブ信号を取得する。最後、結合器502を使用して前記複数の補助チャネル特性マッチングサブ信号を結合処理を行って、補助チャネル特性マッチング信号を取得する。
【0051】
具体的な実施形態において、デジタル領域チャネルマッチング装置は、実際の状況に応じて、前記信号相殺装置での位置が複数であってよく、以下の
図6〜
図8に示す状況に限られない。
【0052】
図6は本発明の第一の実施形態に係る信号相殺装置の構成構造を示す図である。
図6に示すように、送信信号の入力部、分岐モジュール101、デジタル領域チャネル特性マッチング装置104、主チャネルデジタル部と補助チャネルデジタル部がデジタル領域に位置し、主チャネルアナログ部、補助チャネルアナログ部と相殺モジュール105は、アナログ領域に位置する。
【0053】
図7は本発明の第二の実施形態に係る信号相殺装置の構成構造を示す図である。
図7に示すように、主チャネルデジタル部、補助チャネルデジタル部、デジタル領域チャネル特性マッチング装置104、相殺モジュール105と信号出力部がデジタル領域に位置し、分類モジュール101、主チャネルアナログ部、補助チャネルアナログ部がアナログ領域に位置する。
【0054】
図8は本発明の第3の実施形態に係る信号相殺装置の構成構造を示す図である。
図8に示すように、デジタル領域チャネル特性マッチング装置104のみがデジタル領域に位置し、分岐モジュール101、主チャネルアナログ部1および主チャネルアナログ部2、補助チャネルアナログ部1および補助チャネルアナログ部2、相殺モジュール105と遅延器801がアナログ領域に位置する。この場合に、デジタル領域チャネル特性マッチングモジュール140−1は、補助チャネルに置いて、位相補正、振幅補正、遅延補正などを行う。この場合での補助チャネルの伝送遅延が大きいので、主チャネル経路に1つの遅延器801を追加して、主チャネル伝送遅延を補助チャネル伝送遅延よりよりも僅かに大きくする必要がある。
【0055】
デジタルプリディストーション(DPD:Digital Pre−Distortion)フィードバック回路で、従来方式において搬送波信号と非線形成分が一緒にフィードバックされ、搬送波信号エネルギーが強く且つADCの動態範囲が限られないので、DPD改善要求が高い場合に、ADCが要求を満たす動態範囲を提供してエネルギーの低い非線形残差成分を識別することができないことをフィードバックする。したがって、搬送波相殺によりフィードバック回路の動態を改善することができる。
図9は本発明の第4の実施形態に係るデジタル制御搬送波相殺装置の構成構造を示す図である。
図9に示すように、DPD下りリング送信チャネルに、下りリンクソース信号とDPDモジュールの入力同士が搬送波として主チャネルと補助チャネルの分岐点を相殺することができ、そのなか、前記下りリンクソース信号は即ちIQベースバンドデータがチャネル処理、デジタルアップ変換(DUC:Digital Up Conversion)およびピーク要因比(GFR:Grest Factor Ratio)を経った後の信号である。分岐点を通過した主チャネル信号は、DPD901、固定遅延器301、DAC902、主送信TXアナログチャネル部903(主TXチャネル)、電力増幅器(PA:Power Amplifier)904を通過した後に、カプラー905を通過し、カプラー905の主エネルギーが二重フィードバックシステム9063に出力され、カプラー905のサンプルエネルギーが相殺モジュール105に入る。分岐点からの補助チャネル信号は、デジタルマッチングフィルタ302または位相振幅遅延調整器400、DAC907、補助送信TXアナログチャネル部908(補助TXチャネル)を通過して、相殺モジュール105に入力される。相殺モジュール105からの出力信号は、アナログフィードバックチャネルを通過してADC910、検出器911に入って、チャネル特性計算制御モジュール104−2に出力され、前記チャネル特性計算制御モジュール104−2が前記出力信号に基づいてデジタルマッチングフィルタ302または位相振幅遅延調整器400のパラメータを制御するようにし、受信チャネルにおける搬送波エネルギーが効果的に相殺される。
【0056】
よい相殺効果を取得するために、主TXチャネル903と補助TXチャネル908が局部発振器に共通しなければならなく、前記補助TXチャネルが高い線形を要求し、リンク割り当てを行う時に、当該チャネルが相互変調成分が当該チャネルで伝送されたDPD改善後の非線形成分より10dB低く要求される。
【0057】
本発明の実施形態の実施の過程において、ソフトウェアアルゴリズムをハードウェアシステムと組み合わせて主チャネル、補助チャネルのチャネル特性を評価し、その後正確にマッチングすることができ、ソフトウェアアルゴリズムをハードウェアシステムと組み合わせるプロセスは、次の通りである。
【0058】
ステップ010において、補助チャネル信号をオフにし、主チャネルが正常に動作し、訓練シーケンスで分岐点からADC入力までのチャネル特性を特性し、第一の伝送関数HM(f)を取得する。
【0059】
ステップ020において、主チャネル信号をオフにし、補助チャネルが正常に動作し、訓練シーケンスで分岐点からADC入力までのチャネル特性を測定し、第二の伝送関数Hs(f)を取得する。
【0060】
ステップ030において、第一の伝送関数HM(f)と第二の伝送関数Hs(f)に基づいて、補正関数ΔH(f)=-(HM(f)/Hs(f))を計算する。
【0061】
ステップ040において、前記補正関数に基づいて、マッチングフィルタのパラメータまたは位相振幅遅延調整器400のパラメータを調整して、初期調整結果を取得する。
【0062】
ステップ050において、主チャネルと補助チャネルは、すべてオープンにされる。
【0063】
ステップ060において、システムは、フィードバックチャネルの搬送波エネルギーを周期的に検出する。具体的には、システムは、結合処理の後に取得された出力信号を周期的に検出し、出力信号を検出した場合、前記出力信号のエネルギー値を取得する。
【0064】
ステップ070において、搬送波エネルギーがターゲット閾値レベル即ちエネルギー閾値より小さいかどうかを判定する。具体的には、前記出力信号の搬送波エネルギー値とエネルギー閾値を比較し、前記出力信号の搬送波エネルギー値がエネルギー閾値より大きい場合、ステップ090を実行し、大きくない場合、ステップ080を実行する。
【0065】
ステップ080において、ターゲットレベルより小さい場合、調整を停止し、即ち前記主チャネルと前記補助チャネルのチャネル特性を維持し、そしてステップ060に入る。
【0066】
ステップ090において、前記主チャネルで伝送された信号と前記補助チャネルで伝送された信号を相殺させるようにフィードバックチャネルの搬送波エネルギーに基づいてゼロフォーシング最適化デバッグを行い、即ち前記出力信号の搬送波エネルギー値に基づいて、前記主チャネルと前記補助チャネルのチャネル特性を調整し、その後ステップ060に入る。
【0067】
GSM900マルチ搬送波基地局システムにおいて、本発明の実施形態4に示す方式を使用して搬送波相殺を行い、デジタル領域チャネル特性マッチング装置が各搬送(200KHz)を単位としてマッチング制御を行い、ゼロフォーシングアルゴリズムでクローズドループ制御を行い、50dBより大きい搬送波相殺改善を取得し、そのなか、前記GSM900マルチ搬送波即ち4搬送波が25MHz帯域に分布する。
【0068】
図10は本発明の第5の実施形態に係るデジタル制御自分ブロック相殺装置の構成構造を示す図である。
図10に示すように、FDD二重受信機は、受動型デュプレクサの受信側フィルタにより下りリンクチャネルのTX搬送波信号を受信チャネルの自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)を満たす制御点のレベル未満に抑制し、受信機に影響を与えなく、そのなか、前記アAGC制御点のレベルが受信機の低ノイズ増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)の入力端に位置する。本発明の第5の実施形態は、デジタル制御相殺技術により受信機の入力端にデュプレクサから漏洩された下りリンク搬送波信号を抑制することで、受動型デュプレクサの抑制を効果的に分担することができる。
【0069】
本発明の第4の実施形態と同様に、信号相殺点を受信機の入力端に置くだけである。下りリンクソース信号とDPD 1001の入力同士は主信号と補助チャネルの分岐点とされてよい。主チャネル信号は、分岐点からDPD1001、固定遅延器301、DAC1002、主TXチャネル1003を介して、PA 1004を通過して、デュプレクサ1005に入り、デュプレクサ1005の主エネルギーがアンテナシステム1006を介して放出され、一部のエネルギーが受信機の入力端に漏洩され、相殺モジュール105に入り、受信機の性能に影響を与えないために、カプラーを使用して実現することができる。
【0070】
補助チャネル信号は、分岐点からデジタルマッチングフィルタ302または位相振幅遅延調整器400、DAC1007、補助TXチャネル1008を介して、1つのフィルタ1009を通過して相殺モジュール105に入り、前記フィルタ1009の通過帯域がTX帯域であり、ブロック帯域がRX帯域である。
【0071】
よい相殺効果を取得するために、主TXチャネル1008と補助TXチャネル1009は、局部発振器に共通しなければならなく、補助TXチャネル1008がRX帯域に落ち込んだ非線形成分とノイズのエネルギーを背景ノイズの以下に抑制しなければならなく、当該点が合理的なリンクバジェットとフィルタの抑制により到達し、その中、背景ノイズに抑制する時に相殺点を基準面とする。
【0072】
本発明の実施形態5の実施中、ソフトウェアアルゴリズムをハードウェアシステムと組み合わせて主チャネル、補助チャネルの特性を評価し、その後正確にマッチングすることができ、ソフトウェアアルゴリズムがフィードバックチャネルの本発明の実施形態4の実現プロセスと同じであるので、ここで説明は、省略する。
【0073】
図11は本発明の第6の実施形態に係るデジタル制御自己干渉相殺装置の構成構造を示す図である。
図11に示すように、前記装置は、FDD二重受信機自己干渉相殺装置であり、下りリンクチャネルから受信チャネルの受信周波数帯域に漏洩されたスプリアス信号を相殺することに用いられる。PA出力端の受信帯域内のスプリアス信号が下りリンクチャネルによって生成された、受信帯域に落ち込んだ非線形成分と背景ノイズを含み、デュプレクサのTXフィルタにより受信帯域のスプリアスを抑制した後、一部の残りスプリアスが受信チャネルに漏洩され、この部分のスプリアスが受信チャネルの受信信号と周波数帯域に共通するので、受信チャネルにフィルタリングにより抑制されることができない。従来方式は、FDDデュプレクサのTXフィルタの十分に高い抑制により、下りリンクチャネルのスプリアスの漏洩が受信機の動作に影響を与えないことを保証する。
【0074】
本発明の実施形態6に係る装置は、信号相殺により一部のスプリアス抑制を実現して、デュプレクサのTXフィルタの抑制を分担する。信号相殺装置の構成に応じて説明し、前記相殺装置の入力信号がPAから出力された受信帯域に落ち込んだスプリアス信号であり、PA出力端のサンプルカプラーが相殺モジュール105の主チャネルと補助チャネルの分岐点とされる。
【0075】
主チャネル信号は、FDDデュプレクサのTXフィルタによりフィルタリングされて抑制され、装置のアンテナポートに到達し、一部のエネルギーがアンテナポートを介して放出され、エアインターフェイススプリアスを形成し、一部がデュプレクサのRXフィルタに入り、RXフィルタが主チャネルのスプリアスを通過させ、抑制作用を発生しなく、スプリアス信号は、RXフィルタを通過した後、RX受信機に入り、RX受信機に沿って、すっとデジタル領域のデジタル相殺モジュール105に到達する。その間にLNA、RX無線周波数フィルタ、ミキサ、中間周波フィルタ、電気的可変減衰器、中間周波増幅器、ADCなどの受信機の各セグメントを通過する。
【0076】
補助チャネル信号に対して電力出力端のサンプルカプラーから一部の入力信号を取得し、RX帯域のスプリアス信号に対して補助チャネルの十分な動的帯域幅を保証するために、搬送波抑制モジュール、RX帯域スプリアスのフィルタにより結合サンプル信号のうちの下りリンク搬送波信号を抑制する。搬送波が抑制された補助チャネル信号は、LNA、ミキサ、中間周波フィルタ、電気的可変減衰器、中間周波増幅器、ADCなどのセグメントを通過してデジタル領域に入る。
【0077】
デジタル領域にデジタルマッチングフィルタ302または位相振幅遅延調整器400を通過した後、相殺モジュール105に入り、相殺モジュール105が入力された2つの信号を相殺し、RXチャネルの他の部分、即ち受信機のチャネルの他の部分に出力する。
【0078】
本発明の実施形態6に係るチャネル特性計算制御モジュール104−2は、主チャネルADCと補助チャネルADCから出力された信号を同期に読み取ることで、2つの信号に対して関連、均衡などの計算を行って、主チャネルと補助チャネルの違いに対して評価し、評価に基づいてマッチングフィルタまたは位相振幅遅延調整器400のパラメータを与え、PA、サンプルカプラーの主チャネルおよび補助チャネルがRX帯域にあるスプリアス信号を相殺させ、受信チャネルの自己干渉漏洩を除去し、アンテナポートから入力された受信信号が干渉を受けないことを保証する。
【0079】
本発明の実施形態を実施する場合、以下の事項に注意すべきである。
【0080】
1.補助チャネルの初段増幅器の前に、RX帯域のスプリアスの減衰量が大きく減衰することはできない。減衰されたRX帯域のスプリアススペクトル密度が補助チャネルの初段増幅器およびその後のリンク全体などが増幅器の入力口に等価する熱ノイズスペクトル密度よりXdB大きいことを保証する必要がある。前記Xの計算式は、X=ζ+10である。そのなか、ζが自己干渉相殺装置のターゲット改善量であり、単位がdBであり、例えばターゲット自己干渉相殺量が40dBであると、X=50dBとなる。補助チャネルが初段増幅器に等価するノイズ係数が5dBであると仮定し、25度の場合で、熱背景ノイズスペクトル密度が−109dBm/MHzであると、減衰されたRX帯域のスプリアススペクトル密度がー59dBm/MHz以下に要求され、PAの出力端がRX帯域にあるスプリアススペクトル密度がー30dB/MHzであると仮定し、PAの出力から初段増幅器までのRXの減衰量が29dBより大きくなることはできない。
【0081】
2.補助チャネルの搬送波抑制フィルタの抑制量が搬送波信号エネルギーへの十分な抑制を満たしなければならなく、搬送波信号エネルギーが補助チャネルに生成した非線形成分スペクトル密度が熱背景ノイズスペクトル密度より10dB以上低いことを保証する。
【0082】
3.主チャネルと補助チャネルが混合する場合、よい相殺効果を取得するように局部発振器に共通しなければならない。
【0083】
4.補助チャネル信号を効果的に解析するために、補助チャネルからADCに入力された熱背景ノイズスペクトル密度レベルがADC自体の背景ノイズより10dB以上高く要求される。
【0084】
上述したように、本発明の実施形態は、ソースに共通する異なる経路で伝播された信号をターゲット点に相殺させ、信号漏洩即ち信号干渉を除去する目的を達成することができるという技術的効果を有する。
【0085】
本発明の実施形態に係る無線通信システムの信号相殺装置における分岐モジュール、デジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュール、相殺モジュールとチャネル特性計算制御モジュール、およびデジタル領域チャネル特性マッチング実行モジュールにおける固定遅延器、デジタルマッチングフィルタ、位相振幅遅延調整器と結合器、およびチャネル特性計算制御モジュールにおける第一の検出器、第一の比較器、第一の調整器と第一の保持器は、すべて無線通信システムの処理により実現されることができ、具体的な論理回路により実現されることもでき、例えば、実際の応用において、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ(MPU:Micro Processor Unit)、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(PFGA:Field Programmable Gate Array)により実現されることができる。
【0086】
上記は、本発明の好ましい実施形態に過ぎなく、本発明の特許保護範囲を制限することに用いられるものではない。