(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記データベースが、更に、前記通信事業者の幾つかに対して、加入契約のタイプを備え、通信事業者の候補が、前記事業者名の1つ及び前記1つの事業者名に対応する加入契約タイプによって規定される請求項1に記載の方法。
前記方法は、更に、試みられた接続が成功した場合、成功裏に接続できた前記通信事業者の候補を、前記モバイル機器のための前記通信事業者として設定することを備える請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
前記方法は、前記モバイルネットワーク機器用のサービスパラメータを決定するためのものであり、前記サービスパラメータは、前記モバイル機器を前記通信事業者が提供するサービスにアクセス可能とするのに必要である請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
【発明の概要】
【0007】
概して、本発明は、モバイル機器の構成に伴う問題に関連する上述の不利点の1つ以上を緩和、軽減、または、削除することを求める。特に、従来技術の上述の問題点または他の問題点を解決する方法の提供が、本発明の目的と捉えることができる。
【0008】
当該問題の1つ以上により良く対処するために、本発明の第1の態様として、通信事業者が運営するネットワーク上で動作するように構成されたモバイルネットワーク機器のために、当該通信事業者を自動的に決定する方法が、開示される。ここで、前記モバイル機器は、1以上のネットワークコードと通信事業者名を格納する記憶カードによって構成可能であり、前記方法は、
−前記カードのネットワークコードと前記カードの通信事業者名を読み取り、
−前記モバイル機器上に格納されているデータベースであって、異なる複数の通信事業者と、前記複数の通信事業者に対応する複数のネットワークコードと、前記複数の通信事業者に対応する複数の事業者名を含むデータベースにアクセスし、
−前記記憶カードからのネットワークコードと前記データベース内のネットワークコードを対比して、前記記憶カードからのネットワークコードと同じネットワークコードを有する通信事業者の候補を決定し、
−前記
カードの通信事業者名と前記通信事業者の候補に対応する前記データベース内の
事業者名を対比して、前記通信事業者の候補の夫々に対して類似性スコアを決定し、
−前記決定した類似性スコアの降順に、前記通信事業者の候補に対する接続を試みる
ことを備ええ
、
前記類似性スコアは、前記カードの通信事業者名と前記データベース内の事業者名の間に部分的な一致が存在する場合は、一致の確率として決定される。
【0009】
従って、前記モバイル機器のユーザからの入力を伴わずに、前記モバイル機器は、前記記憶カードに対応する前記通信事業者を自動的に検出することが可能となる。
【0010】
一実施形態では、前記データベースは、更に、前記通信事業者の幾つかに対して、加入契約のタイプを備え、通信事業者の候補は、前記事業者名の1つ及び前記1つの事業者名に対応する加入契約タイプによって規定される。
【0011】
一実施形態では、前記データベースは、更に、前記通信事業者に対応する確率を備え、前記確率は、所定のネットワークコードを用いて構成されたモバイル機器が前記通信事業者の1つに対して動作可能である確率であり、前記方法は、更に、
−前記決定した類似性スコアと前記通信事業者に対応する確率に基づいて確率スコアを決定し、
−前記決定した確率スコアの降順に、前記通信事業者の候補に対する接続を試みる
ことを備える。
【0012】
前記確率に類似性スコアを組み合わせることで、前記記憶カードに対応する通信事業者の自動検出が、更に高い成功率で行える結果となる。
【0013】
一実施形態では、前記方法は、更に、試みられた接続が成功した場合、成功裏に接続できた前記通信事業者の候補を、前記モバイル機器のための前記通信事業者として設定することを備える。
【0014】
一実施形態では、前記方法は、前記モバイルネットワーク機器用のサービスパラメータを決定するためのものであり、前記サービスパラメータは、前記モバイル機器を前記通信事業者が提供するサービスにアクセス可能とするのに必要である。
【0015】
関連する実施形態では、前記データベースは、更に、少なくとも前記通信事業者の幾つかによって提供される少なくとも第1のサービスのためのサービスパラメータを備え、前記方法は、
−試みられた接続が成功した場合、前記第1のサービスのための1以上のサービスパラメータを前記データベースから取り出し、但し、前記第1のサービスのための前記サービスパラメータは、成功裏に接続できた前記通信事業者に対応し、
−取り出したサービスパラメータを用いて、前記モバイル機器のための前記通信事業者への接続を試みることで、前記第1のサービスの接続性をテストし、
−前記テストが成功した場合、前記第1のサービスの前記サービスパラメータを用いて前記モバイルネットワーク機器を構成する
ことを備える。
【0016】
関連する実施形態では、前記データベースは、少なくとも前記通信事業者の幾つかによって提供される少なくとも第1及び第2のサービスのためのサービスパラメータを備え、前記方法は、
−前記第2のサービスのための1以上のサービスパラメータを取り出し、但し、前記第2のサービスのための前記サービスパラメータは、前記第1のサービスの前記サービスパラメータと同じ通信事業者に対応し、
−前記第2のサービスの接続性をテストせずに、前記第2のサービスの前記サービスパラメータを用いて前記モバイル機器を構成する
ことを備える。
【0017】
一実施形態では、前記方法は、
−前記モバイル機器上の前記データベースを更新するための要求を送信し、但し、前記要求は、前記モバイル機器により格納されている前記データベースのコピーを備えるサーバにネットワークを介して送信され、
−前記データベースのコピーを更新されたデータベースと対比し、
−前記対比の結果に依存して、前記データベースの更新を、前記モバイル機器に送り返すことを備える。
【0018】
一実施形態では、前記方法は、
−前記決定した類似性スコアまたは確率スコアの降順に、前記通信事業者の候補に対する接続の試みに応じて、
−前記モバイル機器上に格納されている前記データベースのコピーを備えるサーバに、接続性情報を送信することを備え、但し、前記接続性情報は、前記通信事業者の候補のネットワークコード、前記通信事業者の候補の事業者名、サービスの接続性のテストに用いられたサービスパラメータ、前記接続性のテストが成功したか否かを示す情報の内の1以上を含む。
【0019】
本発明の第2の態様は、モバイル機器のプロセッサによって実行された場合に、前記プロセッサが前記第1の態様の方法を実施可能にするプログラムコード命令を備えるコンピュータプログラ
ムに関する。
【0020】
第3の態様は、前記第1の態様の方法
を実施可能に構成された電子回路に関する。
【0021】
第4の態様は、前記第3の態様に基づく電子回路を備えるモバイル機器、または、前記第2の態様に基づくコンピュータプログラ
ムを格納するモバイル機器に関する。
【0022】
前記モバイル機器は、前記コンピュータプログラ
ムを処理して、前記第1の態様の方法の実施できるプロセッサを備える。
【0023】
前記モバイル機器は、更に、前記データベースを格納するメモリを備えていても良い。
【0024】
第5の態様は、前記第2の態様に基づくプログラムコード命令を搬送する電磁気信号に関する。
【0025】
第6の態様は、前記第2の態様に基づくコンピュータプログラ
ムを備えるコンピュータ読み取り可能媒体に関する。前記コンピュータ読み取り可能媒体は、CD、メモリ、電子回路、或いは、データを格納可能な他の物理的媒体があり得る。前記コンピュータ読み取り可能媒体は、非一時的媒体であっても良い。
【0026】
概して、本発明の様々な態様は、本発明の技術的範囲内において可能な方法で、組み合わせ、または、結合され得る。本発明のこれらの態様、他の態様、特徴、及び/または 利点は、以下に示す実施形態により明らかとなり、且つ、これらを用いて説明される。
【0027】
要するに、本発明は、携帯電話等のモバイル機器を通信事業者から提供されるサービスパラメータを用いて自動的に構成するための方法に関する。前記サービスパラメータを受け取るために、前記携帯電話は、前記モバイル機器の構成に用いられたSIMカードに対応する通信事業者に接続する必要がある。しかしながら、前記SIMカードは前記通信事業者を一意的に規定していないので、当該接続を行うのは困難である可能性がある。本発明の実施形態によれば、通信事業者の名前または代替名の情報、及び、通信事業者が前記SIMカードに対応する事業者であるかも知れない可能性を示す確率を含むデータベースに基づいて、通信事業者が識別または示唆される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、通信事業者によって運営されるネットワーク103上で動作するように構成されたモバイルネットワーク機器101のための通信事業者を決定する既知の方法を示す。モバイル機器101は、例えば、加入者識別モジュールカード(SIMカード)等の記憶カード102によって構成可能である。記憶カード102は、例えば、運用地域識別コード(mobile country code:MCC)及びモバイルネットワークコード(MNC:通信事業者識別コード)等の1以上のネットワークコードを備える。
【0030】
所定の通信事業者によって提供される特定のネットワークサービスに接続するために、モバイル機器は、記憶カード102からネットワークコード(例えば、MCC及びMNCコード)を読み出し、設定データベース104上で読み出されたネットワークコードによって特定される通信事業者を検索する。ネットワークコードは、3桁の運用地域識別コード(MCCコードとして既知)と2または3桁のモバイルネットワークコード(MNCコードとして既知)の組み合わせを含んでいても良い。設定データベースは、異なる複数の通信事業者のためのネットワークコードを備える。従って、記憶カード102上のネットワークコードと等しいネットワークコードを有する設定データベース104内で通信事業者を見つけることによって、特定のネットワークサービスのためのサービスパラメータを取り出すことが可能となるに違いなく、取り出されたサービスパラメータを用いて当該モバイル機器が構成された。設定データベース104は、モバイル機器101上に格納されても良い。
【0031】
しかしながら、或る記憶カード102からのネットワークコードは、サービスパラメータを取り出すためにモバイル機器101が接続すべき通信事業者を一意的に特定できないかも知れない。
【0032】
ここで、ネットワークサービスは、モバイル機器内に記憶カードを挿入するだけで普通にアクセス可能となる標準電話サービス及びショートメッセージサービス(SMS)以外の別のサービスを含んでいても良い。斯かるサービスの一例として、インターネットサービス、つまり、インターネットサービス用のサービスパラメータを用いて携帯電話を構成することによって、当該携帯電話をインターネットにアクセス可能とするサービス、MMSサービス、ストリーミングサービス、テザリングサービス、及び、その他の既知または未来のサービスがある。
【0033】
少なくとも2タイプの通信事業者が存在する。1つのタイプは、ネットワークを所有する事業者(移動体通信事業者:MNO(mobile network operator)として既知)を含み、他のタイプは、使用するネットワークを所有せずに他の事業者から借りる事業者(仮想移動体通信事業者:MVNO(mobile virtual network operator)として既知)を含む。
【0034】
MVNOは、事業を行っている国において、ネットワークコードの登録が義務付けられておらず、それらの利用するMNOのネットワークコードを使用できる。現状の通信事業者識別方法は、何れの通信事業者でモバイル機器が動作するかを決定するために、運用地域識別コード(MCC)とモバイルネットワークコード(MNC)に頼っている。更に、通信事業者が、それらのSIMカード(現在使用されている記憶カード102)に、全てのSIMカード上に存在するサービスプロバイダ名フィールド(SPNコードとして既知)を用いてブランド設定するための一般に認められている標準は存在しない。現状、通信事業者は、SIMカード内のSPNフィールド上に挿入する名前に対して様々なアプローチを採っている。例えば、デンマークで事業をしているFreedomMobileという名前のGSM通信プロバイダ等の通信事業者は、SIMカード内のSPNフィールドを、Freedom、Freedom DK、FreeMobi、FM等の値を記入するか、または、単に当該フィールドを空白にしておくことを選択する。
【0035】
MVNOがそれらの利用するMNOのMNCを用いること、及び、SIMカード上のSPNフィールド内の事業者名の不一致に伴い、モバイル機器101は、通信事業者を識別できず、それ故、通信事業者が提供するインターネットサービスやMMSサービス等にアクセスするための正しいサービスパラメータを選択できない可能性がある。
【0036】
下記の表1は、様々な通信事業者(NO)を、それらの付随するネットワークコード(以下、ネットワークコードは、MCC及びMNCコードにより構成される)、加入契約タイプ、及び、サービスパラメータと共に一覧表にした設定データベース104を示している。異なる通信事業者であるTDC、FreedomMobile、及び、TeleServicesは同じネットワークコードを共有しているが、異なるサービスパラメータx1〜x4を有している。サービスパラメータx2とx4は、通信事業者のFreedomMobileに対する2つの加入契約タイプ(前払い式、後払い式)で異なっている。従って、モバイル機器101のユーザがTDCに加入している場合を想定すると、モバイル機器は、サービスパラメータx1〜x4の内の何れを選択すべきかを決定することができない。つまり、正しいサービスパラメータx4ではなく、サービスパラメータx3が選択される可能性がある。また、SIMカード内のSPNフィールドは、一意的に通信事業者を特定する可能性があるので、例えば、SIMカードは、通信事業者名FreedomMobileに対してFMを識別する可能性があるので、SPNフィールドは、また、正しい通信事業者を決定するのに直接使用できない。
【0038】
[定義]
通信事業者: GSM技術または他のネットワーク技術を介して加入者に通信サービスを提供する組織。通信事業者は、それらのサービスを供給する通信ネットワークを必ずしも所有している必要はない。通信事業者(network operator)は、キャリア(carrier)、移動体通信事業者(mobile operator)、または、単に回線業者(network)として、参照される得ることは周知である。
【0039】
モバイルネットワーク機器: 例えば、音声通話、インターネット、MMS等の通信サービスにアクセスするために、通信ネットワークに接続可能な機器。斯かるモバイルネットワーク機器の実施形態として、携帯電話、GSMサポート付タブレット端末、トラック監視装置、等がある。
【0040】
ネットワークサービス: モバイルネットワークを介してモバイル機器に供給される通信サービス。斯かるサービスの例として、ショートメッセージサービス(SMS)、音声通話、位置情報取得(Geo location)、ボイスメール、インターネット、MMS、及びその他が含まれる。
【0041】
サービスパラメータ: モバイル機器が、通信事業者が通信ネットワーク(典型的にはGSMネットワーク)を介して提供する通信サービスの特定のタイプに如何にしてアクセスできるかを指定する要素の収集物。
【0042】
図2は、通信事業者によって運営されるネットワーク103上で動作するように構成されたモバイルネットワーク機器101のための通信事業者を自動的に決定する本発明の一実施形態を示している。モバイル機器101は、ネットワークコード及び/または通信事業者名(SPN−サービスプロバイダ名)を備えた記憶カード102によって構成可能である。本実施形態によれば、データベース204が使用される。
【0043】
通信事業者を自動的に決定する方法は、モバイル機器101のプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラム製品として実施される接続性マネージャープロセスとして利用可能、または、例えば、上記接続性マネージャーの実装を含む電子回路の形態で、モバイル機器101内でのハードウェア実装として利用可能であっても良い。或いは、上記接続性マネージャーの一部をコンピュータプログラムとして実装し、上記接続性マネージャーの他の部分をハードウェア実装とし実現しても良い。
【0044】
通信事業者を自動的に決定する方法の一実施形態は、以下の工程を含む。
−モバイル機器101に挿入されたネットワークカード102からネットワークコードと通信事業者名を読み出す工程と、
−前記モバイル機器上に格納されたデータベース204にアクセスする工程。
【0045】
データベース204は、既知のデータベース104と比べて、追加の情報が提供される。データベース204は、表1と同様に、様々な通信事業者(NO)、通信事業者に対応するネットワークコードを備える。
【0046】
更に、データベース204は、通信事業者(NO)に対応する代替的通信事業者名(ANON)を備えて提供されても良い。
【0047】
上記に代えてまたは追加して、データベース204は、通信事業者に対応する確率PNO(同じネットワークコードを共有する)を備えて提供されても良い。ここで、当該確率は、所定の1または複数のネットワークコード(記憶カードを介して)により構成されたモバイル機器が通信事業者の1つにおいて動作可能である確率を示している。
【0048】
データベース204は、代替的通信事業者名(ANON)と通信事業者に対応する確率(PNO)の両方を含む単一のデータベースとして構成されても良い。或いは、データベース204は、1または複数のデータベースとして構成されても良い。例えば、1つのデータベースが、ネットワークコードと通信事業者と共に代替的通信事業者名(ANON)を含み、他のデータベースが、通信事業者に対応する確率(PNO)を含む構成としても良い。
【0049】
データベース204または他のデータベースは、更に、少なくとも幾つかの通信事業者の夫々によって提供される第1のサービス及び/または第2のサービスに対するサービスパラメータを備えても良い。
【0050】
表2は、様々な通信事業者(NO)を、対応するネットワークコード(ネットワークコードの一例として、MCCコード、MNCコード)、加入契約タイプとサービスパラメータ、確率値(PNO)、及び、代替的通信事業者名(ANON)を備えるデータベース204の一例を示す。代替的通信事業者名(ANON)は、また、通信事業者(NO)に対応するデータベース事業者名として参照される。該確率値は、同じネットワークコードを共有する全ての通信事業者に対する確率値を足し合わせると100%となるパーセント値として与えられても良く、或いは、該確率値は、小数点値または他の利用可能な単位として与えられても良い。データベース204を生成及び更新する手順は、本明細書の他の部分において説明される。
【0052】
通信事業者を自動的に決定する方法の一実施形態は、
−記憶カード102からのネットワークコードと同じネットワークコードを有する通信事業者の候補を決定するために、モバイル機器101内の記憶カード102から取り出されたネットワークコードを、該データベース内のネットワークコードと対比する工程を備える。表2において、最初の4つの通信事業者は、それらが同じネットワークコードを共有するため、通信事業者の候補として決定される。
【0053】
通信事業者の候補が決定された後、通信事業者を自動的に決定する方法の一実施形態は、更に、以下の工程を含んでも良い。
−前記カードの事業者名を、通信事業者の候補に対応するデータベース事業者名、つまり、代替的通信事業者名(ANON)と対比する。尚、当該対比は、通信事業者の候補の夫々の類似性スコア、つまり、前記カードの事業者名(例えば、SPNフィールドの名前)が代替的通信事業者名(ANON)と、どの程度類似しているかを示す類似性を決定するために、実行される。当該対比は、文字列を対比するための既知のファジー対比機能により実施しても良い。斯かるファジー対比機能は、種々のプログラム言語における標準の機能またはアルゴリズムとして利用可能である。例えば、レーベンシュタイン距離を求めるファジー対比機能等は、多種多様のプログラム言語において実現されている。
−随意的に、決定された類似性スコアに基づくファジー対比の後、通信事業者の候補をランク付けする。
−ファジー対比が完了したとき、接続性マネージャーが、決定された類似性の降順に、通信事業者の候補に対する接続を試みても良い。
【0054】
上記に代えてまたは追加して、通信事業者の候補が決定された後、通信事業者を自動的に決定する方法の一実施形態は、更に、以下の工程を含んでも良い。
−随意的に、決定された通信事業者の候補を、通信事業者に対応する確率に基づいてランク付けし、
−通信事業者に対応する確率(PNO)の降順に、通信事業者の候補に対する接続を試みる。
【0055】
従って、通信事業者の候補が決定された後、接続性マネージャーは、ファジー対比からの類似性スコアに基づいて、または、通信事業者に対応する確率(PNO)に基づいて、通信事業者の候補に対する接続を試みることができる。
【0056】
別の実施形態では、通信事業者の候補が決定された後、接続性マネージャーは、類似性スコアと通信事業者に対応する確率(PNO)の両方に基づいて、通信事業者の候補に対する接続を試みることができる。よって、この実施形態では、該方法は、通信事業者の候補が決定された後に、以下の工程を含む。
−類似性スコアと通信事業者に対応する確率(PNO)に基づいて、確率スコアを決定し、
−決定された確率スコアの降順に、通信事業者の候補に対する接続を試みる。
【0057】
上記に代えてまたは追加して、該方法は、以下の工程を含むことができる。
−決定された類似性スコアと通信事業者に対応する確率に基づいて、つまり、確率スコアに基づいて、決定された通信事業者の候補をランク付けし、
−最も高くタンク付けされた通信事業者の候補から降順に、通信事業者の候補に対する接続を試みる。
【0058】
試みた接続が成功したとき、接続性マネージャーは、成功裏に接続できた当該通信事業者の候補を、当該モバイル機器の通信事業者として設定する。
【0059】
表3は、モバイル機器101内のネットワークカード102のSPNフィールドからのカード事業者名“FM”が、通信事業者の候補に対応するデータベース事業者名、つまり、通信事業者の候補の代替的通信事業者名(ANON)と対比される場合の一例を示す。便宜上、加入契約の列は省略している。通信事業者TDC及びTeleServicesに対して、“FM”と代替的通信事業者名の間に一致がないため、類似性スコアは0となっている。通信事業者FreedomMobile(両加入契約)に対して、“FM”と代替的通信事業者名の間が完全に一致しているため、類似性スコアは100となっている。部分的な一致が存在する場合には、0と100の間の類似性スコアもあり得る。
【0060】
上述したように、決定された類似性の降順に通信事業者の候補に対する接続を試みることは、類似性スコアのみに基づいて実施しても良い。しかしながら、表3に示されたように、当該例では、2つの通信事業者が最大の類似性スコアを獲得しているので、幾つかの状況では、何れの通信事業者が正しい通信事業者かについて多少の不明瞭性が生じる。
【0061】
よって、当該不明瞭性を回避するために、表3に示すように、決定された類似性スコアと通信事業者に対応する確率(PNO)から、確率スコアを決定することができる。該確率スコアは、通信事業者の夫々に対して、単純に類似性スコアに通信事業者に対応する確率(PNO)を加算することで、或いは、類似性スコアに当該確率パーセント値を他の方法で組み合わせることで、決定することができる。確率スコアが決定された後、接続性マネージャーは、決定された確率スコアの降順に、通信事業者の候補に接続する工程を実施することができる。
【0063】
上述したように、接続性マネージャーの目的は、モバイルネットワーク機器に対して通信事業者を自動的に決定することである。接続性マネージャーの更なる目的は、当該モバイル機器に対してサービスパラメータを決定することも良い。ここで、サービスパラメータは、当該モバイル機器を通信事業者によって提供されるサービスにアクセスできるようにするのに必要である。
【0064】
当該サービスは、インターネット、MMS、ストリーミング、テザリング、及び、その他のサービスを含む。
【0065】
モバイル機器に格納されたデータベースは、例えば、インターネットサービス等の所定のサービスに対して、サービスパラメータx1〜x4及びx9等のサービスパラメータを含んでも良い。
【0066】
インターネット及びMMS等の典型的なサービスの設定は、主として、下記のパラメータ、即ち、設定名、アクセスポイント名(APN)、プロキシサーバアドレス、プロキシサーバポート、ユーザ名、パスワード、MMSセンタ(MMSC)、MMSプロキシサーバアドレス、MMSプロキシサーバポート、認証タイプ、設定タイプ(該設定が何れのサービスに対応するかを規定する)、ローミングプロトコル、及び、ベアラーの内の1以上を含む。幾つかのサービス設定は、上述のパラメータより多いパラメータを有しても良く、また、或るパラメータに対して値を保持しない場合には、上述のパラメータより少ないパラメータを有しても良い。例えば、大抵のインターネット設定では、ユーザ名またはパスワードを全く有しない。他の将来のサービスでは、別のサービスパラメータが要求されるかも知れない。
【0067】
接続の試みが成功したと分かった後、そして、場合により、成功裏に接続できた通信事業者の候補が、モバイル機器の通信事業者として設定された後、成功裏に接続できた通信事業者に対応するサービスパラメータが、データベースから取り出されても良い。
【0068】
例えば、インターネットサービス等の第1のサービスに対する1以上のサービスパラメータが、データベースから取り出されても良い。
【0069】
サービスパラメータがデータベースから取り出された後、取り出されたサービスパラメータを用いてモバイル機器の通信事業者への接続を試みることにより、該第1のサービス接続性がテストされても良い。該接続性テストが成功したと分かった場合、モバイル機器は、該第1のサービスのサービスパラメータを用いて構成できる。当該構成は、モバイル機器のメモリ内に当該パラメータを格納し、場合により、取り出されたサービスパラメータを用いてユーザインターフェースを更新することで実施できる。
【0070】
幾つかのネットワークサービスにおいて、接続性がテストできない場合があり得る。例えば、MMS(マルチメディアメッセージサービス)設定は、MMSメッセージを送信することでテストする場合だけ可能性がある。モバイル機器のユーザに対する金銭的コストの理由から、接続性マネージャーによる当該テストの実施が好ましくないかも知れないので、別のサービスに基づく適切なMMS設定を選択するが可能となるのも良い。
【0071】
例えば、データベース204は、所定の通信事業者に対する異なるサービスのパラメータ間にリンクが存在するように、構成されても良い。この場合、既に成功裏にテストされた、例えば、第1のサービス用のパラメータ等のサービスパラメータは、例えば、第2のサービス等の他のサービス用のサービスパラメータを取り出すために用いることができる。
【0072】
よって、表4に示されるように、データベース204は、少なくとも幾つかの通信事業者の夫々によって提供される少なくとも第1及び第2のサービスのためのサービスパラメータx1〜x4、x9、y1〜y4、y9を含むように構成することができる。通信事業者TDCによって提供される第1のサービス用のサービスパラメータx1は、同じ通信事業者TDCによって提供される第2のサービスのサービスパラメータx2と、接続、マッピングまたはリンクされている。
【0073】
一実施形態では、接続性マネージャーは、第1のサービス(例えば、インターネット)用のサービスパラメータ(例えば、x2)が取り出された後に、第2のサービス(例えば、MMS)用の1以上のサービスパラメータ(例えば、y2)を取り出すことによって、モバイルネットワーク機器101用のサービスパラメータを決定するように、構成できる。ここで、第2のサービス用のサービスパラメータは、第1のサービス用のサービスパラメータと同じ通信事業者に対応している。また、該ネットワーク機器204は、第2のサービスの接続性をテストせずに、第2のサービス用のサービスパラメータ(例えば、y2)を用いて構成されている。データベースが所定の通信事業者(NO)に対する異なるサービス用のサービスパラメータを含んでいるため、サービスパラメータが正しいパラメータである高い可能性を維持しながら、サービスパラメータが、所定のサービスにおいて所定のモバイル機器に対して機能するか否かをテストせずに、当該所定のサービス用のサービスパラメータを用いて、モバイル機器を構成することができる。
【0075】
所定のネットワークコードを用いて構成されたモバイル機器が、通信事業者の1つに対して動作可能であること、または、所定の加入契約において通信事業者の1つに対して動作可能であることを示す通信事業者に対応する確率(PNO)は、通信事業者確率を決定する方法によって、取得可能であっても良い。
【0076】
該通信事業者確率を決定する方法は、1以上の以下の工程を含むことができる。
【0077】
工程A:所定のネットワークコード(例えば、MCC=123及びMNC=12で特徴付けられたコード)に対して、モバイル機器が所定の通信事業者で構成された回数、つまり、成功裏に接続された通信事業者の候補がモバイル機器の通信事業者として設定された回数を計数する。様々な通信事業者(同じネットワークコードを共有する)のカウントCNOを用いて、同じネットワークコードを持つ通信事業者に対するCNOカウントの合計で除した所定の通信事業者のCNOに基づいて、通信事業者に対応する確率(PNO)の最初の推定値を計算することができる。
【0078】
工程B:所定のネットワークコードに対して、通信事業者の少なくとも1つの相対的なサイズを推定する。つまり、或る通信事業者が他の通信事業者に対して相対的にどの程度多くの加入者を有しているかを推定する。例えば、ネットワークを所有する通信事業者(MNO)は、同じネットワークコードを持つネットワークを所有していない通信事業者(MVNO)より、加入者の点では大きいと考えられる。標準的には、1つのMNOだけが、所定のネットワークコードに対応している。工程Aで得られたカウントは、推定されたサイズに応じて、例えば、工程Aで得られたCNO値が、該通信事業者の推定されたサイズに対応する所定値を用いて増加するように、修正できる。例えば、MNO事業者のCNOカウントは増加し、その他のMVNO事業者のCNOカウントはそのまま変わらないという可能性がある。該確率は、工程Aの手順に基づく修正されたカウントに対して決定することができる。
【0079】
モバイル機器が所定の通信事業者によって構成される毎に、つまり、成功裏に接続された通信事業者の候補が所定のモバイル機器101の通信事業者として設定される毎に、接続性情報をモバイル機器101からサーバ205に送信することができる。接続性情報は、通信事業者、加入契約タイプ、サービスパラメータ、モバイル機器内の記憶カード102上のSPNフィールド内の含まれる通信事業者名、及び、場合により他の接続性に関連する情報を含むことができる。
【0080】
従って、サーバ250は、通信事業者確率を決定するための方法を、モバイル機器101から得た接続性情報を基礎とし、例えば、当該方法の工程A及びBに応じて実施するように構成されても良い。
【0081】
本発明の一実施形態の方法は、サーバ250がデータベース204内の内容を決定できるようにするための方法であって、当該内容は、1)所定のネットワークコードを用いて構成されたモバイル機器が、通信事業者の1つに対して動作可能であること、または、通信事業者の1つに対して動作可能であることを示す通信事業者に対応する確率、及び/または、2)通信事業者に対応する事業者名、つまり、代替的通信事業者名(ANON)、を含む。データベース204内の内容をサーバ250が決定できるようにするための当該方法は、以下の工程の1以上を備える。
−モバイル機器101から接続性情報を受信する工程。ここで、該接続性情報は、成功裏に接続できた通信事業者のネットワークコード、成功裏に接続できた通信事業者の事業者名、サービスの接続性のテストに用いたサービスパラメータ、モバイル機器の構成に用いたサービスパラメータ、1以上の通信事業者に対する1以上の接続性のテストが成功したか否かを示す情報、1以上の通信事業者のサービスに対する1以上の接続性のテストが成功したか否かを示す情報、及び、モバイル機器101内の記憶カード102内に含まれる通信事業者名の1以上を含む。
−所定のネットワークコードを用いて構成されたモバイル機器が、通信事業者の1つに対して動作可能であることを示す通信事業者確率(PNO)を決定する工程。ここで、当該決定する工程は、受信した接続性情報の使用により(例えば、上記工程A及びBに基づく方法を用いて)、成功裏に接続した通信事業者に対するカウント(CNO)を増加させることを含む。
−通信事業者に対応する事業者名、つまり、代替的通信事業者名(ANON)を決定する工程。ここで、当該決定する工程は、モバイル機器内の記憶カード内に含まれる1以上の通信事業者名(受信した接続性情報に含まれる)を、成功裏に接続した通信事業者の事業者名に追加すること(該カードの通信事業者名が、通信事業者に対応する事業者名内に既に含まれている場合は、何の変更も実施されない。)を含む。
【0082】
サーバ250が決定したデータベース204は、データベース204を用いてモバイル機器を構成するために、モバイル機器101によって取り出し可能なサーバデータベース251として、サーバ250がアクセス可能な記憶装置内に格納することができる。データベース251がモバイル機器101にアップロードされた場合、或いは、モバイル機器101がデータベース251をサーバ250から取り出した場合、サーバ250は、所定のモバイル機器101に現在格納されているデータベース251の内容に関する情報を、例えば、所定のモバイル機器ID番号に対する所定のバージョン番号の下、アップロードされたデータベースを保存することにより、維持する。
【0083】
データベースを作成することに加えて、サーバ250は、データベース251の更新にも使用することができる。従って、本発明の一実施形態の方法は、モバイル機器101から送信された接続性情報を基にして、サーバ250がデータベース251内の情報を更新できるようにするための方法である。当該サーバ250がデータベースを更新できるようにするための方法は、サーバ250がデータベース204内の内容を決定できるようにするための対応する方法から工程A及び/または工程Bを備えることができる。
【0084】
モバイル機器101を、データベース251内の内容を更新ための情報を提供可能にするために、モバイル機器101内の接続性マネージャーは、以下の工程を実行するように構成できる。
−決定された類似性スコアまたは確率スコアの降順に、通信事業者の候補に接続する試み応答して、
−モバイル機器101上に格納されたデータベース204のコピーを備えるサーバ204に、接続性情報を送信する工程。ここで、該接続性情報は、通信事業者の候補のネットワークコード、通信事業者の候補の事業者名(つまり、記憶カードからの事業者名)、サービスの接続性のテストに用いたサービスパラメータ、接続性のテストが成功したか否かを示す情報の1以上を含む。
【0085】
従って、データベース251内の通信事業者確率(PNO)は、様々な通信事業者に対して増加したカウント(モバイル機器が、成功裏に接続した通信事業者の候補の新規加入者である場合、カウントは1増加する)を基にして、更新することができる。同様に、データベース内の代替的通信事業者名(ANON)は、所定の通信事業者に対し、データベース内に既に含まれている名前に関連してそれが新しい場合、通信事業者の候補の記憶カード事業者名(つまり、記憶カードからの事業者名)を基にして更新することができる。
【0086】
モバイル機器101内に格納されたデータベース204は、接続性マネージャーによって、以下の工程を実行することで更新することができる。
−データベース204を更新する要求を送信する工程。ここで、該要求は、ネットワークを介して、モバイル機器101により格納されたデータベース204のコピーを備えるサーバに送信される。
−データベース204のコピーを、更新されたデータベース250と対比する工程。
−当該対比の結果に応じて、データベースの更新をモバイル機器に送り返す工程。該更新は、完全なデータベース204の形式、または、データベース204の記入項目の相違点の形式で行うことができる。
【0087】
本発明は、上述の図面及び明細書において詳細に解説及び記載したが、当該図面及び明細書の記載は、説明用または例示として、制限的ではないとみなすべきである。本発明は、開示された実施形態に制限されない。開示された実施形態に対する変形は、該図面、該開示、及び、添付の請求項の検討により、請求項に記載された発明を実施する当業者によって、理解及び達成され得る。請求項において、“含む(備える)”という用語は、他の要素または工程を除外せず、不定冠詞“a” または“an”は、複数を除外するものではない。単一のプロセッサまたは他のユニットが、請求項において規定される幾つかの項目の機能を実行し得る。或る複数の手段が相互に異なる複数の従属請求項に規定されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが都合良く使用できないことを示唆するものではない。コンピュータプログラムは、光学記憶媒体、他のハードウェアと共に、または、一部として提供される半導体媒体等の適切な媒体上に格納または分配することができる。しかし、コンピュータプログラムは、インターネット、または、他の有線または無線通信システムを介する等の他の形式で分配することもできる。請求項内の参照符号は、その技術的範囲を制限するものとして解釈すべきではない。