(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例】
【0030】
調製例1
(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)メタノール
【化5】
スキーム1、工程A:ボラン−テトラヒドロフラン錯体(0.2mol、200mL、1.0M溶液)を、テトラヒドロフラン(200mL)中の4−ブロモ−2−メチル安息香酸(39g、0.18mol)の溶液に加える。室温にて18時間後、減圧下で溶媒を除去して固体を得る。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体(32.9g、0.16mol)として標題化合物を得る。
1H NMR(CDCl
3):δ1.55(s,1H),2.28(s,3H),4.61(s,2H),7.18−7.29(m,3H)。
【0031】
(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)メタノールの代替合成
ボラン−ジメチルスルフィド錯体(THF中に2M、116mL、0.232mol)を、3℃にて無水テトラヒドロフラン(THF、146mL)中の4−ブロモ−2−メチル安息香酸(24.3g、0.113mol)の溶液にゆっくり加える。撹拌後、10分間冷却し、冷却浴を取り除き、反応を室温にゆっくり加温させる。1時間後、溶液を5℃に冷却し、水(100mL)をゆっくり加える。酢酸エチル(100mL)を加え、相を分離する。有機層を飽和NaHCO
3水溶液(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させる。濾過および減圧下での濃縮により、残渣を得、それを、15%の酢酸エチル/イソ−ヘキサンで溶出するシリカのショートパッドを通す濾過によって精製して、標題化合物(20.7g、91.2%収率)を得る。MS(m/z):183/185(M+1−18)。
【0032】
調製例2
4−ブロモ−1−クロロメチル−2−メチル−ベンゼン
【化6】
スキーム1、工程B:塩化チオニル(14.31mL、0.2mol)を、0℃にてジクロロメタン(200mL)およびジメチルホルムアミド(0.025mol、2.0mL)中の(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)メタノール(32.9g、0.16mol)の溶液に加える。室温にて1時間後、混合物を氷水(100g)内に注ぎ、ジクロロメタン(300mL)で抽出し、抽出物を5%炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、白色固体として粗標題化合物(35.0g、0.16mol)を得る。この物質をさらに精製せずに反応の次の工程に使用する。
1H NMR(CDCl
3):δ2.38(s,3H),4.52(s,2H),7.13−7.35(m,3H)。
【0033】
4−ブロモ−1−クロロメチル−2−メチル−ベンゼンの代替合成
メタンスルホニルクロリド(6.83mL、88.3mmol)を、氷/水中で冷却したジクロロメタン(80.7mL)中の(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)メタノール(16.14g、80.27mmol)およびトリエチルアミン(16.78mL、120.4mmol)の溶液にゆっくり加える。混合物を室温にゆっくり加温させ、16時間撹拌する。さらにメタンスルホニルクロリド(1.24mL、16.1mmol)を加え、混合物を室温にて2時間撹拌する。水(80mL)を加え、相を分離する。有機層を塩酸(1N、80mL)、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80mL)、次いで水(80mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させる。濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得、それを、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサンで溶出する)により精製して、標題化合物(14.2g、80.5%収率)を得る。
1H NMR(300.11MHz,CDCl
3):δ7.36−7.30(m,2H),7.18(d,J=8.1Hz,1H),4.55(s,2H),2.41(s,3H)。
【0034】
調製例3
4−[(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)メチル]−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−オール
【化7】
スキーム1、工程C:水素化ナトリウム(8.29g、0.21mol、油中の60%分散系)を、0℃にてテトラヒドロフラン中のメチル4−メチル−3−オキソバレレート(27.1mL、0.19mol)の溶液に加える。室温にて30分後、テトラヒドロフラン(50mL)中の4−ブロモ−1−クロロメチル−2−メチル−ベンゼン(35.0g、0.16mol)の溶液を加える。得られた混合物を70℃にて一晩(18時間)加熱する。1.0MのHCl(20mL)を加えて反応をクエンチする。酢酸エチル(200mL)で抽出し、抽出物を水(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をトルエン(200mL)に溶解し、ヒドラジン一水和物(23.3mL、0.48mol)を加える。ディーンスターク装置を用いて混合物を120℃にて2時間加熱して水を除去する。冷却し、溶媒を減圧下で取り除き、残渣をジクロロメタン(50mL)およびメタノール(50mL)で溶解する。この溶液を、水(250mL)を含むビーカーにゆっくり注ぐ。真空濾過により得られた沈殿生成物を回収する。40℃にて一晩、オーブン内の真空中で乾燥させて、固体として標題化合物(48.0g、0.16mol)を得る。MS(m/z):311.0(M+1)、309.0(M−1)。
【0035】
4−[(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)メチル]−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−オールの代替合成
アセトニトリル(65.8mL)中の4−ブロモ−1−クロロメチル−2−メチル−ベンゼン(13.16g、59.95mmole)の溶液を調製する。炭酸カリウム(24.86g、179.9mmol)、ヨウ化カリウム(11.94g、71.94mmol)およびメチル4−メチル−3−オキソバレレート(8.96mL、62.95mmol)を加える。得られた混合物を周囲温度にて20時間撹拌する。塩酸(2N)を加えてpH3にする。溶液を酢酸エチル(100ml)で抽出し、有機相をブライン(100ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させる。混合物を濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をトルエン(65.8mL)に溶解し、ヒドラジン一水和物(13.7mL、0.180mol)を加える。得られた混合物を加熱還流し、ディーンスターク装置を使用して水を除去する。3時間後、混合物を90℃に冷却し、さらなるヒドラジン一水和物(13.7mL、0.180mol)を加え、混合物を1時間加熱還流する。混合物を冷却し、減圧下で濃縮する。得られた固体を水(200mL)で粉砕し、濾過し、60℃にてP
2O
5上で真空オーブン中で乾燥させる。固体をイソ−ヘキサン(200mL)中で粉砕し、濾過して標題化合物(14.3g、77.1%収率)を得る。MS(m/z):309/311(M+1)。
【0036】
調製例4
4−(4−ブロモ−2−メチルベンジル)−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−ベータ−D−グルコピラノシド
【化8】
スキーム1、工程D:1Lのフラスコに、4−[(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)メチル]−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−オール(20g、64.7mmol)、アルファ−D−グルコピラノシルブロミドテトラベンゾエート(50g、76mmol)、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(6g、19.4mmol)、ジクロロメタン(500mL)、炭酸カリウム(44.7g、323mmol)および水(100mL)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。ジクロロメタン(500mL)で抽出する。抽出物を水(300mL)およびブライン(500mL)で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(37g、64mmol)を得る。MS(m/z):889.2(M+1),887.2(M−1)。
【0037】
調製例5
4−{4−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−ベータ−D−グルコピラノシド
【化9】
スキーム1、工程E:3−ブテン−1−オール(0.58mL、6.8mmol)を、アセトニトリル(30mL)およびトリエチルアミン(20mL)中の4−(4−ブロモ−2−メチルベンジル)−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−ベータ−D−グルコピラノシド(3g、3.4mmol)の溶液に加える。溶液を窒素で10分にわたって脱気する。トリ−o−トリルホスフィン(205mg、0.67mmol)および酢酸パラジウム(76mg、0.34mmol)を加える。90℃にて2時間還流する。室温に冷却し、濃縮して、減圧下で溶媒を除去する。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(2.1g、2.4mmol)を得る。MS(m/z):878.4(M+1)。
【0038】
調製例6
4−{4−[(1E)−4−オキシブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−ベータ−D−グルコピラノシド
【化10】
スキーム1、工程F:3,3,3−トリアセトキシ−3−ヨードフタリド(134mg、0.96mmol)を、0℃にてジクロロメタン(20mL)中の4−{4−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−ベータ−D−グルコピラノシド(280mg、0.32mmol)および炭酸水素ナトリウム(133.8mg、1.6mmol)の溶液に加える。室温にて15分後、反応物を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチする。ジクロロメタン(30mL)で抽出する。抽出物を水(30mL)およびブライン(40mL)で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(270mg、0.31mmol)を得る。MS(m/z):876.5(M+1),874.5(M−1)。
【0039】
調製例7
tert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート
【化11】
スキーム1、工程G:ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(98mg、0.46mmol)を、1,2−ジクロロメタン(5mL)中の4−{4−[(1E)−4−オキシブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−ベータ−D−グルコピラノシド(270mg、0.31mmol)およびtert−ブチル2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート塩酸塩(179mg、0.62mmol)の溶液に加える。室温にて30分後、反応物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチする。ジクロロメタン(30mL)で抽出する。抽出物を水(30mL)およびブライン(40mL)で洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(275mg、0.25mmol)を得る。MS(m/z):1115.6(M+1)。
【0040】
調製例8
4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−ベータ−D−グルコピラノシド二塩酸塩
【化12】
スキーム1、工程H:塩化水素(1,4−ジオキサン中の4.0M溶液、0.6mL、2.4mmol)を、ジクロロメタン(5mL)中のtert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(275mg、0.25mmol)の溶液に加える。室温にて一晩(18時間)後、濃縮して、減圧下で溶媒を除去して固体(258mg、0.24mmol)として標題化合物を得る。MS(m/z):1015.6(M+1)。
【0041】
【化13】
【0042】
調製例9
4−(4−ブロモ−2−メチルベンジル)−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド
【化14】
スキーム2、工程A:1Lのフラスコに、4−[(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)メチル]−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−オール(24g、77.6mmol)、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−アルファ−D−グルコピラノシルブロミド(50.4g、116mmol)、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(5g、15.5mmol)、ジクロロメタン(250mL)、炭酸カリウム(32g、323mmol)および水(120mL)を加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。ジクロロメタン(450mL)で抽出する。抽出物を水(300mL)およびブライン(500mL)で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(36.5g、57mmol)を得る。MS(m/z):638.5(M+1),636.5(M−1)。
【0043】
4−(4−ブロモ−2−メチルベンジル)−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシドの代替合成
試薬4−[(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)メチル]−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−オール(24.0g、77.6mmol)、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−アルファ−D−グルコピラノシルブロミド(50.4g、116mmol)、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(4.94g、15.52mmol)、炭酸カリウム(32.18g、232.9mmol)、ジクロロメタン(250mL)および水(120mL)を合わせ、混合物を室温にて18時間撹拌する。混合物をジクロロメタン(250mL)と水(250mL)との間で分配する。有機相をブライン(250mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の10%酢酸エチルからジクロロメタン中の70%酢酸エチルで溶出する)により精製して標題化合物(36.5g、74%収率)を得る。MS(m/z):639/641(M+1)。
【0044】
調製例10
4−{4−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド
【化15】
スキーム2、工程B:3−ブテン−1−オール(6.1mL、70mmol)を、アセトニトリル(200mL)およびトリエチルアミン(50mL)中の4−(4−ブロモ−2−メチルベンジル)−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド(15g、23.5mmol)の溶液に加える。溶液を10分にわたって窒素で脱気する。トリ−o−トリルホスフィン(1.43g、4.7mmol)および酢酸パラジウム(526mg、2.35mmol)を加える。90℃にて2時間還流した後、冷却し、濃縮して、減圧下で溶媒を除去する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(7.5g、11.9mmol)を得る。MS(m/z):631.2(M+1),629.2(M−1)。
【0045】
調製例11
4−{4−[(1E)−4−オキシブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド
【化16】
スキーム2、工程C:3,3,3−トリアセトキシ−3−ヨードフタリド(2.1g、4.76mmol)を、0℃にてジクロロメタン(50mL)中の4−{4−[(1E)−4−ヒドロキシブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド(1.5g、2.38mmol)および炭酸水素ナトリウム(2g、23.8mmol)の溶液に加える。室温にて15分後、反応を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチする。ジクロロメタン(30mL)で抽出し、抽出物を水(30mL)およびブライン(40mL)で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(0.95g、1.51mmol)を得る。MS(m/z):628.8(M+1),626.8(M−1)。
【0046】
調製例12a
tert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート
【化17】
スキーム2、工程D:ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(303mg、1.4mmol)を、1,2−ジクロロエタン(30mL)中の4−{4−[(1E)−4−オキシブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド(600mg、0.95mmol)およびtert−ブチル2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート塩酸塩(333mg、1.2mmol)の溶液に加える。室温にて30分後、反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)でクエンチする。ジクロロメタン(60mL)で抽出する。抽出物を水(30mL)およびブライン(60mL)で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(500mg、0.58mmol)を得る。MS(m/z):866.8,867.8(M+1),864.8,865.8(M−1)。
【0047】
調製例13
4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド二塩酸塩
【化18】
スキーム2、工程E:塩化水素(1,4−ジオキサン中の4.0M溶液、1.5mL、5.8mmol)を、ジクロロメタン(20mL)中のtert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(500mg、0.58mmol)の溶液に加える。室温にて2時間後、濃縮して、減圧下で溶媒を除去して、固体として標題化合物(480mg、0.57mmol)を得る。MS(m/z):767.4(M+1)。
【0048】
【化19】
【0049】
調製例14
tert−ブチル4−ブト−3−イニル−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート
【化20】
スキーム3、工程A:炭酸セシウム(46.66g、143.21mmol)を、アセトニトリル(167mL)中のtert−ブチル4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート塩酸塩(16.66g、57.28mmole)の懸濁液に加える。混合物を室温にて10分間撹拌し、次いで4−ブロモブチン(6.45mL、68.74mmol)を加える。反応を加熱還流し、18時間撹拌する。混合物を冷却し、減圧下で濃縮する。残渣を水(200mL)と酢酸エチル(150mL)との間で分配する。相を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)で抽出する。合わせた有機層を水(200mL)、次いでブライン(150mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して標題化合物(17.2g、98%収率)を得る。
1H NMR(300.11MHz,CDCl
3):δ3.43−3.31(m,4H),2.53−2.48(m,2H),2.37−2.29(m,4H),2.20(s,2H),1.94(t,J=2.6Hz,1H),1.44(s,17H)。
【0050】
調製例15
tert−ブチル4−[(E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート
【化21】
スキーム3、工程B:トリエチルアミン(5.62mmole、0.783mL)、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(8.56mL、59.0mmol)およびジルコノセンクロリド(1.45g、5.62mmole)を、tert−ブチル4−ブト−3−イニル−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(17.21g、56.16mmole)に加える。得られた混合物を65℃で3.5時間加熱する。混合物を冷却し、ジクロロメタン(150mL)に溶解する。得られた溶液を、ジクロロメタン(2×200mL)で溶出する約4cm厚のシリカゲルのパッドに通す。濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物(21.2g、87%収率)を得る。
1H NMR(300.11MHz,CDCl
3):δ6.65−6.55(m,1H),5.49−5.43(m,1H),3.42−3.29(m,4H),2.40−2.27(m,6H),2.25−2.08(m,2H),1.70−1.13(m,29H)。
【0051】
調製例16
tert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート
【化22】
スキーム3、工程C:テトラヒドロフラン(200mL)および水(40mL)中の4−(4−ブロモ−2−メチルベンジル)−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド(20g、31.3mmol)、tert−ブチル4−[(E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(16.3g、37.5mmol)および炭酸カリウム(12.97g、93.82mmol)の溶液に、窒素ガスを通して泡立てることによって15分間脱気する。Pd(OAc)
2(140mg、625μmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イ−プロピル(tri−i−propyl)−1,1’−ビフェニル(0.596g、1.25mmol)を加え、反応を16時間加熱還流する。溶液を室温に冷却し、メタノール(200mL)を加える。30分後、溶媒を減圧下で除去する。混合物を酢酸エチル(500mL)とブライン(500mL)との間で分配して、相分離を補助するためにMgSO
4水溶液(1M、500ml)を加える。層を分離し、有機層をMgSO
4で乾燥させ、酢酸エチル(約1.5L)で溶出する10cmのシリカゲルのパッドで濾過する。濾液を捨て、シリカパッドをTHF(2L)中の5%MeOHでフラッシュする。メタノール濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物(20.1g、92%)を得る。MS(m/z):699(M+1)。
【0052】
【化23】
【0053】
調製例17
tert−ブチル4−[(E)−4−[4−[(3−ヒドロキシ−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−3−メチル−フェニル]ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート
【化24】
スキーム4、工程A:メタノール(130L)中のtert−ブチル4−[(E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(35.8kg、82.4mol)を、室温にてメタノール(440L)中の(4−[(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)メチル]−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−オール(23.9kg、77.3mol)の溶液に加える。水(590L)およびリン酸三カリウム(100kg、471.7mol)を加え、反応を窒素雰囲気下に置く。撹拌溶液に、メタノール(15L)中のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.42kg、1.55mol)およびジ−tert−ブチルメチルホスホニウムテトラフルオロボレート(775g、3.12mol)の懸濁液を加える。得られた混合物を75℃にて2時間加熱する。混合物を冷却し、珪藻土で濾過する。濾過ケーキをメタノール(60L)ですすぎ、濾液を減圧下で濃縮する。酢酸エチル(300L)を加え、層を分離し、有機層を15%ブライン(3×120L)で洗浄する。有機層を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(300L)を加え、混合物を18〜20時間撹拌する。ヘプタン(300L)を加え、混合物を10℃に冷やし、混合物をさらに18〜20時間撹拌する。得られた固体を濾過により回収し、酢酸エチル/ヘプタン(2:3、2×90L)でケーキをそそぎ、40℃にて真空下で乾燥させて、白色固体として標題化合物(29.3kg、70.6%収率)を得る。
1H NMR(400MHz,CD
3OD):δ7.14(s,1H),7.07(d,J=8.0Hz,1H),6.92(d,J=7.6Hz,1H),6.39(d,J=16.0Hz,1H),6.25−6.12(m,1H),3.63(s,2H),3.45−3.38(bs,3H),3.34(s,3H),3.33(s,3H),2.85−2.75(m,1H),2.49−2.40(m,5H),2.33(s,3H),1.68−1.62(m,2H),1.60−1.36(m,15H),1.11(s,3H),1.10(s,3H)。
【0054】
調製例12b
tert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレートの代替調製
【化25】
スキーム4、工程B:室温にて、tert−ブチル4−[(E)−4−[4−[(3−ヒドロキシ−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−3−メチル−フェニル]ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(17.83kg、33.2mole)、アセトニトリル(180L)およびベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(1.52kg、4.87mole)を合わせる。炭酸カリウム(27.6kg、199.7mole)をゆっくり加え、混合物を2時間撹拌する。2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−アルファ−D−グルコピラノシルブロミド(24.9kg、60.55mol)を加え、反応混合物を30℃に加温し、18時間撹拌する。混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(180L)、続いて水(90L)を加える。層を分離し、有機相を15%ブライン(3×90L)で洗浄し、混合物を濃縮し、シリカゲル(63kg、溶出液(1:2→1:0)として酢酸エチル/ヘプタン)上でカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、黄色の泡状物として標題化合物(19.8kg、94%純度、68.8%収率)を得る。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ7.13(s,1H),7.03(d,J=8.0Hz,1H),6.78(d,J=8.0Hz,1H),6.36(d,J=16.0,1H),6.25−6.13(m,1H),5.64(d,J=8.0Hz,1H),5.45−5.25(m,2H),5.13−4.95(m,2H),4.84−4.76(m,1H),4.25−4.13(m,2H),4.10−4.00(m,2H),3.90−3.86(m,1H),3.58−3.50(m,2H),3.40−3.22(m,4H),2.89−2.79(m,1H),2.10−1.90(m,18H),1.82(s,3H),1.62−0.82(m,22H)。
【0055】
調製例18
2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン
【化26】
スキーム4、工程C:tert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(19.6kg、22.6mole)をジクロロメタン(120L)と合わせ、0℃に冷却する。トリフルオロ酢酸(34.6L、51.6kg、452mole)をゆっくり加え、9時間撹拌する。反応を氷水(80L)でクエンチし、水酸化アンモニウム(85〜90L)を加えて反応混合物をpH(8〜9)に調整する。ジクロロメタン(120L)を加え、反応混合物を室温に加温し、層を分離する。有機層を水(75L)、ブラインで洗浄し、減圧下で濃縮して、黄色の固体として標題化合物(16.2kg、95.0%純度、93%収率)を得る。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ7.08(s,1H),6.99(d,J=8.0Hz,1H),6.76(d,J=7.6Hz,1H),6.38(d,J=15.6Hz,1H),6.00−5.83(m,1H),5.31(d,J=7.6Hz,1H),5.25−5.13(m,4H),4.32(dd,J=12.8,9.2Hz,1H),4.14(d,J=11.2Hz,1H),3.90(d,J=10.0Hz,1H),3.75−3.50(m,3H),3.30−3.00(m,5H),2.85−2.75(m,1H),2.70−2.48(m,3H),2.25(s,1H),2.13−1.63(m,19H),1.32−1.21(m,1H),1.14(s,3H),1.13(s,3H),1.12(s,3H),1.10(s,3H)。
【0056】
実施例1
水和した結晶性4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドアセテート
4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシド(遊離塩基)の第1の代替調製
【化27】
スキーム1、工程I:水酸化ナトリウム(0.5mL、0.5mmol、1.0M溶液)を、メタノール(2mL)中の4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−ベンゾイル−ベータ−D−グルコピラノシド二塩酸塩(258mg、0.24mmol)の溶液に加える。40℃にて2時間後、濃縮して減圧下で溶媒を除去して残渣を得、それを分取HPLC法:高pH、30×75mm、5μmのC18XBridge ODBカラムを使用して85mL/分にて4分間25%B、4分間25〜40B%、pH10にて溶媒A−NH
4HCO
3を含むH
2O、溶媒B−MeCNによって精製して固体(46mg、0.08mmol)として標題化合物(遊離塩基)を得る。MS(m/z):598.8(M+1),596.8(M−1)。
【0057】
4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシド(遊離塩基)の第2の代替調製
【化28】
スキーム2、工程F:メタノール(5mL)、トリエチルアミン(3mL)および水(3mL)を、4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド二塩酸塩(480mg、0.24mmol)に加える。室温にて18時間(一晩)後、減圧下で濃縮乾固する。得られた残渣を分取HPLC法:高pH、30×75mm、5μmのC18XBridge ODBカラムを使用して85mL/分にて4分間25%B、4分間25〜40B%、溶媒A−pH10にてNH
4HCO
3を含むH
2O、溶媒B−MeCNによって精製して、固体(50mg、0.08mmol)として標題化合物(遊離塩基)を得る。MS(m/z):598.8(M+1),596.8(M−1)。
1H NMR(400.31MHz,CD
3OD):δ7.11(d,J=1.3Hz,1H),7.04(dd,J=1.3,8.0Hz,1H),6.87(d,J=8.0Hz,1H),6.36(d,J=15.8Hz,1H),6.16(dt,J=15.8,6.3Hz,1H),5.02(m,1H),3.81(d,J=11.7Hz,1H),3.72(d,J=16.8Hz,1H),3.68(d,J=16.8Hz,1H),3.64(m,1H),3.37−3.29(m,4H),2.79(m,1H),2.72(t,J=5.8Hz,4H),2.44−2.33(m,6H),2.30(s,3H),2.26(broads,2H),1.59(m,2H),1.50(m,2H),1.43(m,2H),1.36(m,2H),1.11(d,J=7.0Hz,3H),1.10(d,J=7.0Hz,3H)。
【0058】
4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドの第3の代替調製
スキーム3、工程D:トリフルオロ酢酸(32.2mL、0.426mol)を、氷水中で冷やしたジクロロメタン(149mL)中のtert−ブチル2−{(3E)−4−[3−メチル−4−({5−(プロパン−2−イル)−3−ベータ−D−グルコピラノシル)オキシ]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)フェニル]ブト−3−エン−1−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(14.87g、21.28mmol)の溶液に加える。溶液を室温に加温する。30分後、混合物を、必要に応じて一定温度を維持するために冷却を適用して、MeOH(2M、300mL)中のアンモニアにゆっくり加える。溶液を室温にて15分間撹拌する。混合物を減圧下で濃縮し、SCX−2樹脂を使用して残渣を精製する。塩基性濾液を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル中で粉砕/超音波処理し、濾過し、乾燥させる。得られた固体をMeOH(200mL)に溶解し、真空中で濃縮する。これを数回繰り返して標題化合物(遊離塩基)(12.22g、収率96%)を得る。MS(m/z):599(M+1);[α]D
20=−12°(C=0.2、MeOH)。
【0059】
最終標題化合物、水和した結晶性4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドアセテート
【化29】
4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシド(902mg)を丸底フラスコ(100mL)に入れ、湿潤酢酸エチル(18mL)で処理する。[注意−湿潤酢酸エチルは酢酸エチル(100mL)および純水(100mL)を混合することによって調製する。混合後、層を分離し、使用するために上部の湿潤酢酸エチル層を除去する。酢酸は酢酸エチルの加水分解生成物であり、湿潤酢酸エチル中に存在する。]湿潤酢酸エチルを加えると、化合物は完全ではないが、溶解する。数分後、白色沈殿物が形成する。さらなる量の湿潤酢酸エチル(2mL)を加えて、残りの化合物を溶解する。溶媒を室温にて一晩蓋をせずに撹拌し、その時間の間、溶媒は部分的に蒸発する。生成物スラリーからの残りの溶媒を真空下で除去し、得られた固体を窒素ストリーム下で乾燥させて、結晶性固体として最終標題化合物を得る。固体状態NMRによって少量の非晶質物質を生成物中で識別する。この結晶性最終標題化合物は、さらなる結晶性最終標題化合物を調製するために種晶として使用できる。
【0060】
最終標題化合物、水和した結晶性4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドアセテートの代替調製
窒素雰囲気下で、4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−ベータ−D−グルコピラノシド(2.1kg、2.74mol)、メタノール(4.4L)、テトラヒドロフラン(4.2L)および水(210mL)を合わせる。炭酸カリウム(460g、3.33mole)を加え、4〜6時間撹拌し、次いで反応混合物を濾過して固体を除去する。濾液を減圧下で濃縮し、次いでエタノール(9.0L)、続いて酢酸(237mL、4.13mol)を加え、室温にて1時間撹拌する。撹拌溶液に、湿潤酢酸エチル(10L、約3w/w%の水を含有する)、続いて水(500mL)を5時間にわたってゆっくり加える。懸濁液を24時間撹拌し、湿潤酢酸エチル(4.95L、約3w/w%の水を含有する)を8時間にわたって加える。懸濁液を24時間撹拌し、さらなる湿潤酢酸エチル(11.5L、約3w/w%の水を含有する)を16時間にわたってゆっくり加える。懸濁液を24時間撹拌し、濾過によって固体を回収し、固体を湿潤酢酸エチル(3.3L、約3w/w%の水を含有する)でそそぐ。30℃未満の減圧下でオーブン中で乾燥させて、オフホワイトの結晶性固体(1.55kg、2.35mol、96.7%純度、72.4w/w%有効性、有効性に基づいて68.0%収率)として標題化合物を得る。HRMS(m/z):599.3798(M+1)。
【0061】
粉末X線回折(XRD)
結晶性固形物のXRDパターンを、40kVおよび40mAで作動する、CuKα源(λ=1.54060Å)およびLinxeye検出器を備えたBruker D8 Advance粉末X線回折装置上で得る。サンプルを、2θでの4〜40°で、2θでのステップサイズ0.0084°および走査速度0.5秒/ステップを用い、ならびに0.2mmの発散スリットを用いて走査する。乾燥粉末を低バックグラウンドのシリカサンプルホルダに詰めて、滑面をスライドガラスを用いて得る。結晶形回折パターンを22℃および42%の相対湿度で得る。結晶学技術分野において周知なのは、任意の所与の結晶形に関して、回折ピークの相対強度が、結晶形態などの特定の因子から生じる優先配向に起因して異なる可能性があることである。優先配向の効果が存在する場所では、ピーク強度が変化するが、多形体の特徴的ピーク位置は変化しない。例えば、米国薬局方#23、国民医薬品集#18、1843〜1844頁、1995年を参照のこと。さらに、任意の所与の結晶形に関して、ピーク角度位置が若干変化する場合があるということも結晶学技術分野では周知である。例えば、サンプルを解析する温度もしくは湿度の変動、サンプル変位、または内部標準の存在もしくは非存在に起因して、ピーク位置はシフト可能である。本件では、2θでの±0.2のピーク位置変動は、示される結晶形の明白な同定を妨げることなく、これらの潜在的変動を考慮にいれることにする。結晶形の確認は、区別可能なピーク(°2θ単位での)、典型的にはより顕著なピークの任意の特有の組み合わせに基づいてなされ得る。室温および相対湿度で得られる結晶形回折パターンを、8.853および26.774°2θでの国立標準局(NBS)675標準ピークに基づいて調整する。
【0062】
水和した結晶性4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドアセテートの調製サンプルは、CuKα放射線を使用してXRDパターンによって、以下の表1に記載される回折ピーク(2θ値)を有する、特に7.8°、8.0°および10.7°(それぞれ±0.2°)からなる群から選択されるピークの1つ以上と組み合わせて5.2°においてピークを有すると特徴付けられる。
【0063】
水和した結晶性4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドアセテートの粉末X線回折ピーク
【0064】
【表1】
【0065】
13C固体状態(13C ssNMR)
100.622MHzの炭素周波数および400.131MHzのプロトン周波数で作動し、Bruker 4mm二重共鳴プローブを備えたBruker Avance II 400MHz NMR分光計を使用して
13C交差分極/マジック角スピニングNMR(固体状態NMRまたはssNMR)スペクトルを得た。TOSS側波帯抑圧を、SPINAL64デカップリングおよびRAMP100整形H核CPパルスを利用する交差分極と共に使用する。獲得パラメーターは以下の通りである:2.6μsの90°プロトンr.f.パルス幅、接触時間は2.0msであり、3sのパルス繰り返し時間、10kHzのMAS周波数、30kHzのスペクトル幅、獲得時間は34msであり、走査数は18,661であった。化学シフトは別の実験においてアダマンタン(δ=29.5ppm)を参照基準とする。
【0066】
水和した結晶性4−{4−[(1E)−4−(2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)ブト−1−エン−1−イル]−2−メチルベンジル}−5−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イルベータ−D−グルコピラノシドアセテートについての代表的な
13C ssNMR共鳴には、181.8、161.2、160.0、147.6、137.4、135.9、135.3、132.6、131.6、129.4、127.3、126.4、122.2、101.9、99.7、98.5、97.9、78.3、77.7、77.2、76.3、75.6、69.1、68.1、64.2、62.6、60.1、56.1、54.2、41.7、40.5、39.1、34.7、32.3、31.5、31.0、29.2、27.8、26.4、23.8、20.8、19.9、18.4および16.9ppm(それぞれ±0.2ppm)が含まれる。
【0067】
ナトリウム依存性グルコース輸送体1(SGLT1)およびSGLT2アッセイ
ヒトSGLT1(slc5a1、NM_000343)、ヒトSGLT2(slc5a2、NM_003041)およびマウスSGLT1(slc5a1、NM_019810.4)をコードするcDNAをそれぞれ、Openbiosystems、InvitrogenおよびOpenbiosystemsから購入する。cDNAを哺乳動物発現のためにpcDNA3.1+内にクローニングし、標準的な哺乳動物トランスフェクション手順を使用してチャイニーズハムスター卵巣(CHO)−K1細胞内に安定的にトランスフェクトする。各々の過剰発現細胞株のSGLT発現サブクローンを、
14C−α−メチル−D−グルコピラノシド(
14C−AMG)取り込みアッセイ(以下を参照のこと)においてネオマイシン(ジェネティシン、Invitrogen)に対する耐性および活性に基づいて選択する。安定なSGLT発現細胞を、標準的な細胞培養技術を使用して維持する。
【0068】
SGLT活性を、以下に記載される上記の細胞株内のナトリウム依存性
14C−AMG取り込みとして測定する。30,000細胞を含有する100μLの培養培地を、96ウェルBioCoatポリ−D−リシンプレート(Becton Dickson)の各ウェルに播種し、37℃にて一晩培養する。培養培地を吸引し、細胞を、200μLの反応緩衝液(140mMのNaCl、2mMのKCl、1mMのCaCl
2、MgCl
2、および14mMのN−2−ヒドロエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(Hepes)、pH7.5)で2回洗浄する。過剰な緩衝液をペーパータオルで拭き取る。35μLの反応緩衝液を各ウェルに加える。様々な濃度の試験化合物を含有するか、または対照として化合物を含有しない反応緩衝液中の5μLの10%ジメチルスルホキシド(DMSO)を各ウェル内に分注する。4μMの最終濃度にするために反応緩衝液中の10μLの
14C−AMGを加えることによって反応を開始する。プレートを37℃にて125分間インキュベートする。反応緩衝液を吸引することによって反応を停止させ、次いで200μLの氷冷反応緩衝液で3回洗浄する。手動吸引を適用して、反応緩衝液の完全な除去を確実にする。10μLの0.1NのNaOHを各ウェルに加え、次いで100μLのSupermixシンチレーションカクテル(PerkinElmer)を加える。混合後、プレート内のシンチレーションシグナルをMicroBeta(PerkinElmer)でカウントする。10点反応曲線を、ActivityBase(ID Business Solution)を使用して実験的4パラメーターモデルにフィットして、半最大阻害(IC
50)にて阻害剤濃度を決定する。実施例1の遊離塩基を本質的に上記のように試験する。
【0069】
【表2】
【0070】
より具体的には、表2のデータは、実施例1の遊離塩基が、インビトロでヒトおよびマウスSGLT1を阻害し、インビトロでヒトSGLT2よりヒトおよびマウスSGLT1において有効であることを実証している。
【0071】
経口グルコース負荷試験(OGTT)におけるグルコース低下効果
1%ヒドロキシエチルセルロース、0.25%のTween(登録商標)80w/消泡剤0.05%のビヒクルを加えることによって試験化合物を製剤化し、試験化合物を予備秤量して1mg/ml溶液にする。混合物を約30秒間、プローブ超音波処理する。得られた溶液をストック溶液として使用し、そこから低濃度の用量溶液をビヒクルで希釈することによって調製する。
【0072】
単一収容したC57Bl/6マウスを、試験日の前の夕方近くに食餌へのアクセスを取り除くことによって一晩絶食させる。翌朝、マウスの体重を計り、単一の空腹時血液サンプルを、尾を切断することによって採取して、グルコメーター(Roche AccuChek)によってグルコースを測定する。研究群(n=5)は空腹時血糖に基づいて決定し、好ましくは80〜100mg/dlのグルコースの範囲の動物を含む。
【0073】
分類後、最初のマウスに10ml/kgの試験化合物調製物を経口強制投与し、タイマーを開始する。各々、次の動物は1分半間隔をあけて投与する。最初の化合物処置の開始から3時間後、ベースライン血液サンプルを、グルコース(尾の切断を介して最初の動物由来)を測定するために採取する。次いで即座に動物に3g/kgにて50%デキストロース(Hospira)の経口用量を与える。血液サンプルを、尾静脈により正確に1分半の間隔でグルコースのために採取し、血液を、デキストロース投与後、20、40、60および120分にて各動物において収集する。
【0074】
【表3】
【0075】
上記の表3に示されるように、実施例1の遊離塩基は、正常な血糖のC57Bl/6マウスにおいて50%デキストロース(Hospira(登録商標))の経口ボーラス投与後、グルコース変動幅の用量依存的な減少をもたらす。実施例1の遊離塩基はまた、OGTTの間、ベースライン調整したグルコースの曲線下面積(AUC)の用量依存的な減少を実証する。さらに、実施例1の遊離塩基は、OGTTの間、血漿グルコースの平均最大濃度(C
max)を用量依存的に減少させる。
【0076】
ストレプトゾトシン誘発性糖尿病を有するオスのラットの混合金属耐性試験におけるグルコース値
ストレプトゾトシン(STZ)を投与されているラットは糖尿病を発症する。これらの動物におけるグルコースレベルを調節する薬剤は、ヒトにおける糖尿病の治療に有用であると考えられる。
【0077】
1%ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、0.25%のTween(登録商標)80w/消泡剤0.05%のビヒクルを加えることによって試験化合物を製剤化し、試験化合物を予備秤量して2.5mg/ml溶液にする。混合物を約30秒間、プローブ超音波処理する。得られた溶液をストック溶液として使用し、そこから低濃度の用量溶液をビヒクルで希釈することによって調製する。STZ、45mg/kgを3mlアリコートの0.1Mのクエン酸緩衝液に溶解することによって製剤化し、投与しない場合、氷上で暗所に保存する。脂肪カロリー(60%)、炭水化物カロリー(26%)およびタンパク質カロリー(15%)を含む高脂肪含有量の混合食餌(Bio−Serv(登録商標)齧歯動物食餌F3282高脂肪)を利用する。単一収容したSprague Dawleyラットを3〜7日の期間、慣れさせる。
【0078】
動物が直近に餌を与えられていないことを確実にするために、STZを明サイクル(6amに点灯し、6pmに消灯する)の約6時間の午後に投与する。イソフルランで動物に麻酔をかけ、STZを尾静脈注射により送達する。動物が意識を取り戻すと、それらを住居に戻し、7日間回復させる。
【0079】
金属耐性試験(MTT)の直前の2日前に、全てのラットに少量(2〜4g)のF3282食餌を与えることにより、それらを実験の間、その食餌を与える前にその食餌に慣れさせる。実験の前の晩に、ラットを無菌のケージに移し、それらの食餌を取り除く。翌朝、動物の体重を計り、グルコース測定(Abbott AlphaTRAK(商標)グルコメーター:コード29)のために血液サンプルを、尾の切断により採取する。絶食した体重およびグルコースに基づいて動物を分類する(n=6)。試験化合物を経口投与してから30分後、2つのグルコース測定値を収集する。次いで5グラムペレットのBio−Serv(登録商標)食餌3282を与える。20分後、残りの食餌を取り去り、体重を計る。グルコース測定のために血液サンプルを20、40、60および120分に採取する。
【0080】
【表4】
【0081】
上記の表4に示されるように、実施例1の遊離塩基は、ビヒクル対照と比較してMTTにおけるグルコースを有意におよび用量依存的に減少させる。陽性対照であるアカルボースは、あらゆる時点において対照と比較してグルコースを有意に減少させなかった。さらに、実施例1の遊離塩基処置に関連するグルコースベースライン調整したAUCが用量依存的に減少する。アカルボースは、10mg/kgにて実施例1のものと同様のレベルまでグルコースAUCを有意に減少させる。表4は、実施例1の遊離塩基がオスのラットにおいてグルコースレベルを調節することを実証する。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 以下の式の化合物:
【化1】
またはその水和物。
[2] 水和物である、[1]に記載の化合物の結晶形。
[3] 以下の少なくとも1つによって特徴付けられる、[2]に記載の化合物:
a.7.8°、8.0°および10.7°(それぞれ±0.2°)からなる群から選択される1つ以上の強いピークと組み合わせて、5.2°の回折角2θにて強いピークを有する、CuKα放射線を使用した粉末X線回折パターン、ならびに
b.アダマンタンの高磁場共鳴(δ=29.5ppm)を基準として、181.8、161.2、160.0、147.6および137.4ppm(それぞれ±0.2ppm)におけるピークを含む13C固体状態NMRスペクトル。
[4] 室温での含水量が約9重量%〜約12重量%の範囲である、[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物。
[5] 患者における糖尿病を治療する方法であって、[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物の有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法。
[6] 患者における1型糖尿病を治療する方法であって、[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物の有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法。
[7] 患者における2型糖尿病を治療する方法であって、[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物の有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法。
[8] 療法に使用するための[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物。
[9] 糖尿病の治療に使用するための[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物。
[10] 前記糖尿病が1型糖尿病である、[9]に記載の化合物。
[11] 前記糖尿病が2型糖尿病である、[9]に記載の化合物。
[12] [1]〜[4]のいずれかに記載の化合物と、1種以上の薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物。