(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6197191
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】義歯固定用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
A61C 8/00 20060101AFI20170911BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-570747(P2016-570747)
(86)(22)【出願日】2015年2月2日
(65)【公表番号】特表2017-506137(P2017-506137A)
(43)【公表日】2017年3月2日
(86)【国際出願番号】KR2015001053
(87)【国際公開番号】WO2015133733
(87)【国際公開日】20150911
【審査請求日】2016年8月23日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0026568
(32)【優先日】2014年3月6日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516067519
【氏名又は名称】ワン, チェ ウォン
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】ワン, チェ ウォン
【審査官】
今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/151258(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/142517(WO,A2)
【文献】
特表平5−509007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯槽骨に植立されたフィクスチャーに対する義歯の固定時に角度を調節して、傾斜して植立されたフィクスチャーと義歯を自由に連結可能な義歯固定用アタッチメントであって、
上端に前記義歯が固定される棒状のジョイント部材と、
外側下部には、前記フィクスチャーに形成されたフィクスチャー溝に結合する結合部が備えられ、上部には、前記ジョイント部材の下部が収容される収容部が備えられるアバットメントとを有し、
前記アバットメントの収容部は、
前記ジョイント部材の下端が挿入される収容溝と、前記収容溝の上部内側に設けられ、前記ジョイント部材の下端に外側に突設された突部が嵌め込まれると共に案内される案内溝を有する突段部とを含んでなることを特徴とする、義歯固定用アタッチメント。
【請求項2】
前記案内溝は、
螺旋状の螺旋溝状からなることを特徴とする、請求項1に記載の義歯固定用アタッチメント。
【請求項3】
前記ジョイント部材は、
上端と下端の縁部が曲面で半球形状からなり、
前記上端と下端との間の連結部は、
その直径が前記上端の直径よりも小さい大きさを有する棒状からなることを特徴とする、請求項1に記載の義歯固定用アタッチメント。
【請求項4】
前記突部は、
前記ジョイント部材の下端外周面に環状からなり、前記螺旋状の案内溝とねじ運動可能であることを特徴とする、請求項2に記載の義歯固定用アタッチメント。
【請求項5】
前記案内溝は、
“┗┓”形状からなることを特徴とする、請求項1に記載の義歯固定用アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科のインプラント施術において、施術後に義歯の固定に使用される義歯固定用アタッチメントに係り、より詳細には、その構造が簡単であるため、生産性の向上によって経済的であるだけでなく、全体の組立を簡単な動作を通じて実現できるため、作業性を高めることができると共に、組み立てられた状態を堅固に維持するようにすることによって無断で解体されないため、長期にわたって安定に使用することができる義歯固定用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、歯が抜けた場合、従来は義歯を入れたり、周辺の歯牙を柱として抜けた部分を金属などで被せるブリッジ施術を行ったりして使用者の便宜を図った。
【0003】
しかし、このような場合には、義歯やブリッジ施術された人工歯牙の食物を噛む力が弱く、周辺の歯牙に悪影響を及ぼしてしまい、歯牙全体を傷つけるおそれが高いという問題があった。
【0004】
これによって、最近は、人工的な歯根を形成し、これを用いて実際の歯牙と類似に作製された人工歯牙を結合して、患者が実際の歯牙を使用しているような効果を得ることができるようにしたインプラント施術が提案され、広く使用されている実情である。
【0005】
このようなインプラント施術は、義歯(人工歯牙)が結合されるアタッチメントを歯槽骨に締結して固定されるようにする歯科施術の一種であって、一般に、歯が抜けた歯槽骨にねじ結合されるように、外周面にねじ山が形成されたフィクスチャー(fixture)を埋植するように内周面にナット山が形成された埋植溝を形成し、前記埋植溝に前記フィクスチャーをねじ締結し、前記フィクスチャーに備えられたナット溝に義歯(人工歯牙)が固定されるジョイントが結合されたアバットメントを締結し、その周辺の歯茎に隙間ができないように縫合し、前記ジョイントの上側に義歯(人工歯牙)を結合することによって施術が行われる。
【0006】
このように、インプラント施術過程で歯槽骨に埋植されたフィクスチャーは、歯牙の根の機能を行い、前記アバットメント及びジョイントを含むアタッチメントは、義歯(人工歯牙)と前記フィクスチャーを一体化する連結手段として適用される。
【0007】
すなわち、前記において、前記フィクスチャーと前記アタッチメントは、義歯(人工歯牙)を定位置に堅固に固定するインプラント構造物であって、主に物理的/化学的剛性に優れたチタンなどの金属材質で作製されることが好ましい。
【0008】
このような、インプラント施術によって固定された義歯(人工歯牙)は、時間が経過すると周囲の歯牙と骨が傷む一般の補綴や義歯とは異なり、自然歯牙と機能や形状が同一であると共に虫歯が発生しないため、半永久的に使用できるという利点を有する。
【0009】
前記のように、インプラント施術に適用されるアタッチメントの一つであって、韓国登録特許公報第10−0925766号に掲載されたものがあり、前記アタッチメントは、歯科インプラントに収容されてミリングされたり、手術準備(prepping)されることによって歯科補綴装置を収容可能な形態からなり、金属部材の軸底部から軸方向に上向きに凹部が延びており、この凹部は、歯科インプラントのOボール(O−ball)またはOリング収容接合部(O−ring receiver abutment)上に嵌合される形態を有し、結合突起を含むアバットメントを提供し、フィクスチャーの上部に形成された結合溝に結合突起を再位置させ、スクリューを用いてアバットメントをフィクスチャーに結束した後、スクリューホールを含む補綴物を提供し、アバットメントと補綴物との間に歯科用セメントを介在して補綴物とアバットメントを合着することからなる。
【0010】
そして、韓国登録特許公報第10−1042372号には、下側は、一軸を中心に回転しながら歯骨に埋め込まれるねじ山が外部面に設けられたねじ部と、上側は、前記ねじ部に一体に形成され、前記歯骨を覆う歯茎に埋め込まれ、キャップが被せられるアバットメントを含む一体型インプラントであって、前記アバットメントは、歯茎と接触する歯肉レベル部と、その歯肉レベル部の上側に設けられ、前記キャップを着脱可能に付着できる突起部とからなり、前記突起部には、その上端面から一軸方向に沿って下側に延びた結合溝が形成され、前記結合溝は、前記インプラントを回転させるためのドライバーと噛み合うことができる断面形状を有する、一体型インプラントが掲載されている。
【0011】
また、韓国公開特許公報第10−2007−0112075号には、歯槽骨に植立されたフィクスチャーに固定され、歯科補綴物を維持するためのアバットメントであって、前記フィクスチャーに固定される下部部材と、前記歯科補綴物に固定される上部部材と、前記上部部材と下部部材を互いに分離可能に結合させる着脱構造とを含む歯科インプラントの分離型アバットメントが掲載されている。
【0012】
しかし、上述したような従来のアタッチメントは、患者に植立された複数個のフィクスチャーが互いに平行に植立されない場合は、義歯固定用アタッチメントと義歯を締結できないため、フィクスチャーを互いに平行に植立するように再手術を行うか、または別途の部品を使用して連結しなければならないという問題があった。
【0013】
そこで、最近は、韓国公開実用新案第20−2013−0005969号(名称:角度調節と位置調節が自由な義歯固定用アタッチメント)が提案された。
【0014】
前記のアタッチメントは、公報に記載されたように、傾斜して植立されたフィクスチャーと義歯を連結するとき、別途の部品を使用しなくても義歯とフィクスチャーを連結できるようになるため、患者や医師に楽で且つ容易なインプラント施術を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そのような、上述したような従来の義歯固定用アタッチメントは、フィクスチャーと義歯を傾斜して結合して固定することはできるが、その構造が複雑であり、組立過程が不便であるため、生産性及び作業性が低下して非経済的であり、長期間使用時に組立状態が解体されるおそれが高いため、安定でないという問題があった。
【0016】
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するために提案されたもので、本発明の目的は、その構造が簡単であるため、生産性の向上によって経済的であるだけでなく、全体の組立を簡単な動作を通じて実現できるため、作業性を高めることができると共に、組み立てられた状態を堅固に維持するようにすることによって無断で解体されないため、長期にわたって安定に使用できる義歯固定用アタッチメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述したような、本発明の目的を達成するための本発明の義歯固定用アタッチメントは、歯槽骨に植立されたフィクスチャーに対する義歯の固定時に角度を調節して、傾斜して植立されたフィクスチャーと義歯を自由に連結可能な義歯固定用アタッチメントであって;上端に前記義歯が固定される棒状のジョイント部材と、外側下部には、前記フィクスチャーに形成されたフィクスチャー溝に結合する結合部が備えられ、上部には、前記ジョイント部材の下部が収容される収容部が備えられるアバットメントとを有し、前記のアバットメントの収容部は、前記ジョイント部材の下端が挿入される収容溝と、前記収容溝の上部内側に設けられ、前記ジョイント部材の下端に外側に突設された突部が嵌め込まれると共に同時に案内される案内溝を有する突段部とを含んでなることを特徴とする。
【0018】
前記の案内溝は、螺旋状の螺旋溝状からなることを特徴とする。
【0019】
前記のジョイント部材は、上端と下端の縁部が曲面で半球形状からなり、前記上端と下端との間の連結部は、その直径が前記上端の直径よりも小さい大きさを有する棒状からなることを特徴とする。
【0020】
前記の突部は、前記ジョイント部材の下端外周面に環状からなり、前記螺旋状の案内溝とねじ運動することができることを特徴とする。
【0021】
前記の案内溝は、“┗┓”形状からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
上記のような本発明の義歯固定用アタッチメントは、義歯が固定されるジョイント部材と、前記ジョイント部材が回動可能に結合されるアバットメントとが嵌め込み結合して組み立てられるように構成され、その構造が単純であるため、生産性が増大して経済的であり、単純に嵌め込み作業によって組立が完了するため、作業性が良く、特に、前記ジョイント部材を固定する収容部が一体に形成されて構造的な安定性を確保することによって、長期間使用するとしても義歯の固定状態が無断で解体されないため、安定に使用できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明に係る一実施例による義歯固定用アタッチメントを示した概略断面例示図である。
【0024】
【
図2】本実施例による義歯固定用アタッチメントの組立状態を示した概略断面例示図である。
【0025】
【
図3】本実施例による義歯固定用アタッチメントの作用状態を示した一部拡大断面例示図である。
【0026】
【
図4】本実施例による義歯固定用アタッチメントの使用状態を示した概略断面例示図である。
【0027】
【
図5】本発明に係る一実施例による義歯固定用アタッチメントを示した一部拡大断面例示図である。
【0028】
【
図6】本発明に係る他の実施例による義歯固定用アタッチメントに適用されるアバットメントを示した一部拡大断面例示図である。
【0029】
1:アタッチメント 2:歯槽骨
【0030】
3:フィクスチャー 4:義歯
【0031】
5:ジョイント部材 6:アバットメント
【0032】
7:収容溝 8:突部
【0033】
9:案内溝 10:突段部
【0034】
11:ジョイント部材の下端 12:ジョイント部材の上端
【0035】
13:ジョイント部材の連結部
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る好ましい実施例による義歯固定用アタッチメントを詳細に説明すると、次の通りである。
【0037】
本発明の実施例は様々な形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下で詳細に説明する実施例に限定されるものと解釈されてはならない。本実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面での要素の形状などは、より明確な説明を強調するために誇張されて表現され得る。各図面において同一の部材は同一の参照符号を付していることに留意すべきである。本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断される公知の機能及び構成についての詳細な記述は省略される。
【0038】
図2乃至
図4は、本発明に係る一実施例による義歯固定用アタッチメントを示した図であり、本実施例による義歯固定用アタッチメント1は、歯槽骨2に植立されたフィクスチャー3に対する義歯4の固定時に角度を調節して、傾斜して植立されたフィクスチャー3と義歯4を自由に連結するのに適用される。
【0039】
すなわち、歯槽骨2にドリルなどのような機構を用いて前記フィクスチャー3を埋植するための埋植溝を形成し、前記埋植溝に前記フィクスチャー3を埋植した後、前記フィクスチャー3に固定されて前記義歯4を連結する連結手段として使用される。
【0040】
前記において、前記埋植溝にはナット溝が形成され、前記フィクスチャー3の外周面には前記ナット溝と螺合するねじ山が形成されて、前記フィクスチャー3と前記埋植溝は螺合するようにすることが好ましい。
【0041】
このような、本実施例による義歯固定用アタッチメント1は、上端に前記義歯4が固定される棒状のジョイント部材5と、外側下部には、前記フィクスチャー3に形成されたフィクスチャー溝に結合する結合部が備えられ、上部には、前記ジョイント部材5の下部を収容する収容部が備えられるアバットメント6とを含んでなる。
【0042】
すなわち、前記フィクスチャー3に結合するアバットメント6と、前記アバットメント6に回動可能にジョイント結合すると共に、前記義歯4が連結される前記ジョイント部材5とで構成され、歯槽骨2に義歯4を固定するようになる。
【0043】
前記において、フィクスチャー溝は螺旋状のナット溝からなることが好ましく、この場合、前記アバットメント6の結合部は、前記フィクスチャー溝と螺合するねじ突起からなることによって、前記フィクスチャー3と前記アバットメント6が螺合することが最も好ましい。
【0044】
前記のような、本実施例による義歯固定用アタッチメント1において、前記のアバットメント6の収容部は、前記ジョイント部材5の下端11が挿入される収容溝7と、前記収容溝7の上部内側に設けられ、前記ジョイント部材5の下端11に外側に突設された突部8が嵌め込まれると共に案内される案内溝9を有する突段部10とを有する。
【0045】
すなわち、前記突段部10の案内溝9を通して前記ジョイント部材5の突部8が案内されて挿入され、前記収容溝7に前記ジョイント部材5の下端11が収容されて結合され、前記収容溝7と前記突段部10の内周面で前記ジョイント部材5の下端11が自由に軸回動して、前記ジョイント部材5の上端12が前記アバットメント6に対してその角度が調節される。
【0046】
したがって、前記フィクスチャー3が前記歯槽骨2において傾斜した角度で配置されても、前記義歯4が安定に連結固定される。
【0047】
なお、前記収容溝7に収容された前記ジョイント部材5の下端11は、前記収容溝7の上部に設けられた前記突段部10によって係止されて固定されることによって、前記収容溝7から無断で離脱しないため、長期間使用するとしても前記義歯4の固定された状態が解除されないため安定的である。
【0048】
すなわち、前記ジョイント部材5の下端11が前記収容溝7から分離されないように係止される前記突段部10が前記収容溝7と一体に形成されることによって、別途の部品が必要でないだけでなく、別途の締結要素が不必要であるため、構造的強度が高くなり、長期にわたって安定に使用することができる。
【0049】
前記のような本実施例による義歯固定用アタッチメント1において、前記の案内溝9で最小限所定の部位は、前記突段部10の内周面で横方向性を有するように形成されることが好ましい。
【0050】
これによって、前記ジョイント部材5の下端11が前記突段部10の内周面に沿って案内されて前記収容溝7に収容された状態で、前記横方向性を有する部位で前記突部8が係止されて外部に離脱しないようになる。
【0051】
すなわち、前記案内溝9は、前記突段部10の内周面で“L”字状、または
図6に示したように“┗┓”形状からなることができ、この場合、前記の突部8は、ジョイント部材5の下端外周面に突設され、前記の案内溝に沿って嵌め込み固定(押して回した後、再び押して固定。すなわち、プッシュターンプッシュ;push turn push)される。
【0052】
この場合、前記の突部8は、前記ジョイント部材5の下端外周面に環状に形成され、前記螺旋状の案内溝9とねじ運動できるようにすることが好ましい。
【0053】
したがって、前記ジョイント部材5の下端11に備えられた前記環状の突部8が、前記螺旋状の案内溝9とのねじ運動を通じて前記収容部の開口から前記収容溝7に移動して収容された後、外部に無断離脱しなくなる。
【0054】
前記において、前記収容溝7の底面には半球形状の溝が形成され、前記ジョイント部材5の下端11面は、前記半球形状の溝に対応して密着する半球形状を有することが好ましく、この場合、前記ジョイント部材5の下端11が前記収容溝7の底面で容易に回動運動するようになる。
【0055】
上記のように構成された本実施例による義歯固定用アタッチメント1において、前記のジョイント部材5は、上端12と下端11の縁部が曲面で半球形状からなることが好ましく、前記上端12と下端11との間の連結部13は、その直径が前記上端12の直径よりも小さい大きさを有する棒状からなることが最も好ましい。
【0056】
これによって、前記ジョイント部材5の上端12に結合される前記義歯4の一部位に前記ジョイント部材5が傾斜角をなして結合されるとき、最大限の密着面積を確保するようになる。
【0057】
そして、前記収容部において前記ジョイント部材5の回転角度が前記連結部13の直径に応じて範囲が選択されるため、使用時に適した形状の連結部を取捨選択して使用すればよい。
【0058】
すなわち、前記連結部13が、
図3及び
図5に示したように、その直径H、hが小さいほどその回転範囲が大きくなるため、歯科治療時に、必要な形状のジョイント部材を選択して組み立てて適用すればよい。
【0059】
上記のように構成された本実施例による義歯固定用アタッチメントの作用効果を詳細に説明すると、次の通りである。
【0060】
本実施例による義歯固定用アタッチメント1を用いて義歯4を固定する歯科治療を行おうとする場合には、まず、
図4に示したように、歯槽骨2に、上述したようにフィクスチャー3を埋植する。
【0061】
そして、前記アバットメント6の収容部に前記ジョイント部材5をねじ運動形態で締結して、前記ジョイント部材5の下端11を前記収容溝7に挿入収容させて組み立てた後、前記アバットメント6と前記ジョイント部材5が結合されたアタッチメント1を前記フィクスチャー3のフィクスチャー溝に締結して結合させる。
【0062】
このように、フィクスチャー3にアタッチメント1が結合された後、前記ジョイント部材5の上端12に義歯4の固定部位を結合させて固定すると、義歯4の固定が完了する。
【0063】
このとき、施術環境に応じて、歯槽骨2に傾斜して植立されたフィクスチャー3に義歯4を連結するときは、前記収容溝7で前記ジョイント部材5を回動させて角度を調節した後、施術作業を行えばよい。
【0064】
上述したように、本実施例による義歯固定用アタッチメントは、前記ジョイント部材が回動可能に結合されるアバットメントの構造が単純であるため、経済的であり、組立作業が簡単であるため、作業性が良く、特に、前記収容部が前記収容溝と前記突段部とが一体に形成されて構造的に安定しているため、長期にわたって安定に使用することができる。
【0065】
以上で説明された本発明の一実施例は例示的なものに過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明は、上記の詳細な説明で言及される形態のみに限定されるものではないことを理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。また、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神とその範囲内にある全ての変形物と均等物及び代替物を含むものと解さねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、歯科のインプラント施術において、施術後に義歯の固定に使用される義歯固定用アタッチメントに係り、より詳細には、その構造が簡単であるため、生産性の向上によって経済的であるだけでなく、全体の組立を簡単な動作を通じて実現できるため、作業性を高めることができると共に、組み立てられた状態を堅固に維持するようにすることによって無断で解体されないため、長期にわたって安定に使用できるようになった義歯固定用アタッチメントに関するもので、産業上の利用可能性がある。