特許第6197209号(P6197209)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6197209-ブリザーバルブ 図000002
  • 特許6197209-ブリザーバルブ 図000003
  • 特許6197209-ブリザーバルブ 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6197209
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】ブリザーバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 24/00 20060101AFI20170911BHJP
   F16K 1/42 20060101ALI20170911BHJP
   F16K 1/38 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   F16K24/00 E
   F16K1/42 G
   F16K1/38 Z
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-163116(P2016-163116)
(22)【出願日】2016年8月5日
【審査請求日】2016年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】500546673
【氏名又は名称】株式会社小笠原工業所
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 英之
【審査官】 北村 一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−105637(JP,A)
【文献】 実開昭47−021022(JP,U)
【文献】 米国特許第1664963(US,A)
【文献】 特開平09−026046(JP,A)
【文献】 特開昭47−019423(JP,A)
【文献】 特開2000−257734(JP,A)
【文献】 特開2003−161375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 24/00−24/06
F16K 1/00− 1/54
F16K 15/00−15/20
B65D 88/00−90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の内圧が微圧でも、容器の密閉を保つブリザーバルブにおいて、プラス側の圧力で作動する弁とそれらを囲う弁ケース1と、マイナス側の圧力で作動する弁とそれらを囲う弁ケース8があり、前記2つのケースは配管15でつながり、1つの配管となってタンク16に接続されており、前記プラス側の弁の弁体2は下面が円錐状4に中央部が深く、周囲が浅くなっており、このプラス側の弁体2と対になっている弁座3の内周には溝5が設けられており、この溝のせきは弁座の当り面とほぼ同じ高さとなっており、前記マイナス側の弁の弁座10の外周に小さな溝14を設け溝の高さと弁座の高さをほぼ同じとし、溝の外周側を円錐状13に弁ケースから溝に向かって勾配を付けてある事を特徴とするブリザーバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に蒸発性の液体を保管する場合、液体の張り込み又は、払い出し、及び大気温度の変化や大気圧の変化等による内圧の上昇・下降の際に内圧を調整し、タンクの安全を図りながら、容器内の液体の蒸発を防止するバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コストダウンの要求が激しくなり、蒸気性の液体を貯蔵する大型の容器においても、タンクの通気口から大気に蒸発する量を小さくする必要が生じました。
ここで、大型のタンクでは、内圧及び外圧に対して強度の問題から微圧しか加えられない。
【0003】
この要求を満足させるためには、微圧において漏れ量の少ないバルブ、つまり、弁体と弁座の組合せが考えられて来た。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
微圧において漏れ量を最小限に抑えるため、弁座面を研摩したり、非常に柔らかなパッキンを弁座面に使用する等が考えられてきたが、微少な漏れを防止することができなかった。
本発明は微圧において微少な漏れを防止することができるブリザーバルブつまり、弁体と弁座を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はブリザーバルブに関する。
ブリザーバルブの弁体と弁座の当り面からの微小な漏れを防止するため、容器内液体の蒸気を弁体又は、弁座又は、弁を取り囲むケースで結露させ、その液体を弁座の当り面に集めて、その液体の水面と、弁座面の高さをほぼ同じとし、その液体の表面張力を利用して、弁座と弁体を密着させて微少な漏れを防止しようとしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は本発明のブリザーバルブをタンクに取付けた図
図2図2は本発明のプラス側の弁体と弁座の詳細図
図3図3は本発明のマイナス側の弁体と弁座の詳細図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面と共に本ブリザーバルブの構成を説明する。
本バルブには、容器の内圧がプラス側になった時に働くプラス側の弁2,3とマイナス側になった時に働くマイナス側の弁9,10が、配管でつながった各弁ケース1,8に取付けられている。
プラス側の弁体2はタンク内面につながった側の面が円錐状4になっており、弁体で結露した水滴が周囲に集まるようになっている。
この弁体2で集めた液体を弁座側に落下させ、落下の直下には液を受ける溝5が円周状に弁座の内周側に設けられている。この溝の堀の高さは弁座の当り面とほぼ同じ高さになっている。弁体2で集めた液体を弁座周囲の溝5に貯めて水面の高さを弁座の高さに合わせることにより、液体の表面張力を弁を閉める力に利用することが出来るようになる。
マイナス側の弁座10はその直近の外周囲に小さな溝14を円周状に設けて、その溝の外周側の弁座を円錐状に溝に向かって勾配を付けており、この溝14の高さを弁座10の高さとほぼ同じ高さになっている。マイナス側の弁ケース8で集めた液体を弁座外周囲の溝14に貯めて、水面の高さを弁座の高さに合わせることにより液体の表面張力を弁を閉める力に利用することが出来るようになる。ここで、マイナス側では弁ケースで集まりすぎた液体により弁座面からの液位が深くなり、表面張力が利用できなくなってくるが、弁が作動することにより余分な液体は排出され、自動で機能を回復させることが出来る。プラス側の弁ケースとマイナス側の弁ケースは配管で接続し、一体となった構造としているが、それぞれ別々で取付けても同様の効果がある。
【符号の説明】
【0009】
1 プラス側弁ケース
2 プラス側弁体
3 プラス側弁座
4 プラス側弁体の内面側の円錐部
5 プラス側弁座の内周に設けられた溝
6 プラス側弁体のシャフト
7 プラス側弁体のシャフト受け
8 マイナス側弁ケース
9 マイナス側弁体
10 マイナス側弁座
11 マイナス側弁体のシャフト
12 マイナス側弁体のシャフト受け
13 マイナス側溝の外周囲に設けられた円錐部
14 マイナス側弁座の外周に設けられた溝
15 プラス側弁ケースとマイナス側弁ケースをつなぐ配管
16 容器
17 内部の液体
18 水面
【要約】      (修正有)
【課題】微圧下において微少な漏れを防止するバルブを提供する。
【解決手段】ブリザーバルブの弁体2、9と弁座3、10の当り面からの微少な漏れを防止するため、弁座面の周囲に溝5、14を設け、そこに液体を弁座面の高さまで貯めて液体の表面張力を弁座と弁体の閉まる力に利用することにより微少な漏れを防止するようにした。
【選択図】図1
図1
図2
図3