特許第6197210号(P6197210)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6197210
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】タオルクリップ
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/12 20060101AFI20170911BHJP
   A47K 10/04 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   A47K10/12
   A47K10/04 Z
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-29783(P2017-29783)
(22)【出願日】2017年2月21日
【審査請求日】2017年3月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517060476
【氏名又は名称】株式会社エムス・テック
(74)【代理人】
【識別番号】100100170
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 厚司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 光秀
(72)【発明者】
【氏名】中村 素弘
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−117537(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3184085(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0094682(US,A1)
【文献】 米国特許第03161929(US,A)
【文献】 実開昭63−045404(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/04−10/14
F16B 2/00−2/26
A45F 5/04
A44B 6/00
A41B 15/00−15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1挟持片と第2挟持片が弾性変形可能に互いに連結され、
前記第2挟持片の先端に第3挟持片が支軸により回動可能に設けられ、
前記第3挟持片は、前記支軸より前記第2挟持片の基端に向かって延伸する第1部分と、前記支軸より前記第1挟持片の先端に向かって延伸する第2部分とからなり、
前記第1挟持片、前記第2挟持片及び前記第3挟持片の前記第2部分により、被取付部を挟持する第1クリップ機構が形成され、
前記第2挟持片及び前記第3挟持片の前記第1部分により、タオルを挟持する第2クリップ機構が形成され
前記第3挟持片の前記第1部分を開いたとき、前記第3挟持片の前記第2部分の先端が前記第1挟持片に対して支点となることを特徴とするタオルクリップ。
【請求項2】
前記第2挟持片に孔が形成され、前記第3挟持片の前記第1部分に前記第2挟持片の前記孔を貫通する突起が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のタオルクリップ。
【請求項3】
前記第3挟持片の前記第2部分の先端は曲面で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のタオルクリップ。
【請求項4】
前記第3挟持片の外面に表示部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のタオルクリップ。
【請求項5】
前記表示部は、前記第3挟持片の外面に着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のタオルクリップ。
【請求項6】
前記第1挟持片の基端に、前記第3挟持片の前記第1部分と対向する押圧部が取り付けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のタオルクリップ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服の腰部、ポケット、襟、カバン、キャディバッグ、台所・洗面所等の所要箇所に取り付け、タオル等を挟んで保持することができるタオルクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タオルやフェイスタオルを腰やカバンにぶら下げていつでも使用できるようにするためのタオルクリップが使用されている。また、サッカーや野球等のスポーツの観戦や応援で使用するスポーツタオル、ライブコンサート等でマフラータオルをファッションとして衣服に身に着けるためにも、タオルクリップが使用される。
【0003】
タオルクリップの安易な例としては、洗濯ばさみのようなクリップを使用できる。選択ばさみは、衣服、カバン等に装着してタオルを保持しても、ばね等が使用されているため、ファッション性に欠けるうえ、押圧部や挟持部が小さいため、飾りや広告等を設ける余裕がないという問題があった。
【0004】
従来、種々のタオルクリップが提案されている。例えば、特許文献1には、カラビナリングからなる吊下げ部材と、貫通孔に放射状に切り込みが形成された弾性板体が設けられた本体部とを有する繊維シート吊下げ具が記載され、特許文献2には、ベルトからなる吊着体とタオルを通し入れるリング体とを有するタオル保持具が記載されている。
【0005】
このようなタオルクリップは、衣服やカバン等に取り付ける取付部と、タオルを保持する保持部とを有している。
【0006】
タオルクリップの取付部の形状としては、リング、カラビナ、クリップ、フック、ベルト、紐、両面テープ、ネジ等があるが、取付箇所が制限される。例えば、リング、カラビナ等は、ベルトやベルトループ、カバンの取手等には取り付けることができるが、ズボンのポケットやスカートのウエストには取り付けられない。クリップはどのような場所でも挟んで取り付けることができるが、ばね等が見えてファッション性に欠ける。
【0007】
一方、保持部の形状としては、ねじ込み、引っ掛け、挿通、挟み込み等がある。ねじ込みタイプは、切り込みを入れた弾性板体にねじ込むので、タオルの生地が破れたり、ほつれることがある。また、ねじ込むことができる長さが短いうえ、タオルが保持できているかどうか確認したり調整する必要がある。さらに、本体を持ってタオルをねじ込むため脱着に両手を要する等の問題がある。引っ掛けたり、挿通するタイプは、生地が破れたりほつれることは少なく、脱着が容易であるが、外れやすいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−104490号公報
【特許文献2】実用新案登録第3131747号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は斯かる従来の問題点に鑑みてなされたもので、タオルの生地が破れたりほつれたりすることがなく、脱着が容易で、広告やデザインの表示ができるタオルクリップを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための手段として、本発明のタオルクリップは、
第1挟持片と第2挟持片が弾性変形可能に互いに連結され、
前記第2挟持片の先端に第3挟持片が支軸により回動可能に設けられ、
前記第3挟持片は、前記支軸より前記第2挟持片の基端に向かって延伸する第1部分と、前記支軸より前記第1挟持片の先端に向かって延伸する第2部分とからなり、
前記第1挟持片、前記第2挟持片及び前記第3挟持片の前記第2部分により、被取付部を挟持する第1クリップ機構が形成され、
前記第2挟持片及び前記第3挟持片の前記第1部分により、タオルを挟持する第2クリップ機構が形成され
前記第3挟持片の前記第1部分を開いたとき、前記第3挟持片の前記第2部分の先端が前記第1挟持片に対して支点となるものである。
【0011】
前記手段では、第1挟持片と第3挟持片の第2部分とで被取付部を挟持するので、被取付部の形状を問わず、タオルクリップを取り付けることができる。また、第3挟持片の第1部分を開くと、第3挟持片の第2部分の下端が第1挟持片に対して支点となり、第2挟持片の下端を第1挟持片に対して引き離すので、第2挟持片の下端が第1挟持片に向かって戻ろうとする復帰力により、容易にタオルを保持できる。さらに、第2挟持片と第3挟持片の第1部分とでタオルを挟持するので、タオル生地が破れたり、ほつれたりすることなく、タオルを保持することができる。第3挟持片の第1部分の外面は、第2挟持片と可第3挟持片の第1部分との間に挟持したタオルより外側にあるので、広告を表示したりデザインを施すことができる。
【0012】
前記第2挟持片に孔が形成され、前記第3挟持片の前記第1部分に前記第2挟持片の前記孔を貫通する突起が形成されていることが好ましい。第3挟持片の突起が第2挟持片の孔に入り込むことで、第2挟持片と第3挟持片の第1部分との間に挟持したタオルが外れることがなくなる。
【0013】
前記第3挟持片の前記第2部分の先端は曲面で形成されていることが好ましい。第1挟持片の第1部分を開いたときに第2部分の下端が第1挟持片を摺動する。
【0014】
前記第3挟持片の外面に表示部が設けられていることが好ましい。表示部が第3挟持片の外面にあることで、表示部を自由な形状にし、広告を表示したりデザインを施したりすることができる。
【0015】
前記表示部は、前記第3挟持片の外面に着脱可能に設けられていることが好ましい。これにより、異なる形状や表示を有する表示部に付け替えることができる。
【0016】
前記第1挟持片の基端に、前記第3挟持片の前記第1部分と対向する押圧部が取り付けられていることが好ましい。これにより、押圧部を第1挟持片と第2挟持片に対して別部品で形成し、第1挟持片と第2挟持片を成形した後に第1挟持片に取り付けることができ、
第1挟持片と第2挟持片の成形が容易となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1挟持片と第3挟持片の第2部分とで被取付部を挟持し、第2挟持片と第3挟持片の第1部分とでタオルを挟持するので、タオルの生地が破れたりほつれたりすることがなく、脱着が容易である。また、第3挟持片の第1部分の外面に広告を表示したり、デザインを施すことができるので、商品性が高い。さらに、ばね等の別部品を使用しないので、組立が容易で、ファッション性にも優れている等の効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係るタオルクリップの分解斜視図。
図2図1のタオルクリップの右側面図。
図3図1のタオルクリップの正面図。
図4図1のタオルクリップの背面図。
図5図1のタオルクリップの平面図。
図6図1のタオルクリップの底面図。
図7図1のタオルクリップを被取付部に取り付ける状況を示す図。
図8図1のタオルクリップを被取付部に取り付けた状況を示す図。
図9図1のタオルクリップにタオルを保持する状況を示す図。
図10図1のタオルクリップにタオルを保持した状況を示す図。
図11】タオルクリップにタオルを保持する他の状況を示す図。
図12図1のタオルクリップを衣服に取り付け、タオルを保持した状態を示す斜視図。
図13】本発明の第2実施形態に係るタオルクリップの右側面図。
図14図13のタオルクリップの使用状態を示す図。
図15】本発明の第3実施形態に係るタオルクリップの分解斜視図。
図16図15のタオルクリップの表示部の外面から見た斜視図。
図17】押圧部を第1挟持片に装着する前の状態を示す断面図(a)、押圧部を第1挟持片に装着した状態を示す断面図(b)、図17(b)のC−C線断面図(c)。
図18】表示部を第3挟持片に装着する前の状態を示す一部破断右側面図(a)、表示部を第3挟持片に装着した状態を示す一部破断右側面図(b)。
図19図15のタオルクリップの右側面図(a)、図15のタオルクリップの第1クリップ機構を開いた状態を示す右側面図(b)、図15のタオルクリップの第2クリップ機構を開いた状態を示す右側面図(c)。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
【0020】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るタオルクリップ1を示す。タオルクリップ1は、
第1挟持片2と、第2挟持片3と、第3挟持片4と、表示部5とを備えている。以下の実施形態において、第1挟持片2と第2挟持片3を手で押圧操作する側を「上」、第1挟持片2と第2挟持片3により被取付部を挟持する側を「下」という。
【0021】
第1挟持片2と第2挟持片3は、連結部6により連結されて一体の挟持片7を形成している。挟持片7は、合成樹脂又はステンレス鋼等の金属で形成されている。第1挟持片2は、上下方向に長い矩形の板状で、上端側に押圧部8を有し、下端側に挟持部9を有している。第2挟持片3は、上下方向に長い矩形の板状で、第1挟持片2と同じ幅であるが、第1挟持片2より短く形成されている。連結部6は、逆U字形で、第1挟持片2の押圧部8の下部と第2挟持片3の上端とを弾性変形可能に連結している。第2挟持片3の下端には、幅方向に延伸する軸部10が形成され、該軸部10の両端にはねじ孔11が形成されている。第2挟持片3の上端側には保持孔12が形成されている。
【0022】
第3挟持片4は、合成樹脂又はステンレス鋼等の金属で形成され、上下方向に長い矩形の板状で、挟持片7より幅広で、挟持片7の第1挟持片2とほぼ同じ長さを有している。第3挟持片4の内面には、第2挟持片3の軸部10が嵌入する凹部13が形成されている。第3挟持片4の両側面には、凹部13まで貫通する貫通孔14が形成されている。第3挟持片4の凹部13に第2挟持片3の軸部10を嵌入し、貫通孔14からねじ15を通して第2挟持片3のねじ孔11にねじ込むことで、第3挟持片4はねじ15を支軸として回動可能になっている。
【0023】
第3挟持片4のねじ15より上方の上側部分(本発明にいう第3挟持片の第1部分)16は、挟持片7とほぼ同じ厚さを有している。第3挟持片4のねじ15より下方の下側部分(本発明の本発明にいう第3挟持片の第2部分)17は、上側部分16より厚く形成されている。第3挟持片4のねじ15から上側部分16までは傾斜している。第3挟持片4の上側部分16は、第2挟持片3の外側を第1挟持片2の上端と同じ位置まで延伸し、第1挟持片2の押圧部8と対向する押圧部18を有している。第3挟持片4の上側部分16の内面には、第2挟持片3の保持孔12に嵌入する円柱状の突起19が形成されている。第3挟持片4の突起19は、円柱状に限らず、円錐状でもよいし、複数の突起で形成してもよい。第3挟持片4のねじ15より下側部分17は、第1挟持片2の下端に向かって延伸し、第1挟持片2の挟持部9と対向する挟持部20を有している。下側部分17の下端は、曲面で形成され、第1挟持片2や被取付部の接触面に対して摺動するときの摩擦を低減している。
【0024】
挟持片7が単体の状態では、第1挟持片2と第2挟持片3は平行ではなく、先端に向かって間隔が狭まるように形成され、図2に2点鎖線で示すように、第1挟持片2の下端が第3挟持片4の下側部分17と交差するようになっている。このため、挟持片3の第2挟持片3に第3挟持片4を取り付けた際に、第1挟持片2の挟持部9と第3挟持片4の下側部分17の挟持部20との間に、挟持力がプリセットされるようになっている。
【0025】
表示部5は、第3挟持片4の外面に一体に形成され、第3挟持片4の幅より広い逆スペード形を有している。図2に示すように、表示部5の外周には一段高い縁21が形成されている。表示部5の外形は、逆スペード型に限らず、ハート型など任意である。表示部5には、広告が表示されたり、デザインが施されたシール22を貼り付けることができる。
【0026】
タオルクリップ1を組み立てるには、既に説明したように、第3挟持片4の凹部13に第2挟持片3の軸部10を嵌入するが、挟持片7は第1挟持片2と第2挟持片3の先端が狭まるように予め成形されているため、挟持片7の下端を第3挟持片4の下端に当てて第2挟持片3を第3挟持片4に当てた状態では、第2挟持片3の軸部10は第3挟持片4の凹部13から僅かに浮き上がった状態となる。そこで、第1挟持片2と第2挟持片3の間に工具等を適宜挿入して間隔を開いた状態で、軸部10を凹部13に嵌入する。そして、貫通孔14からねじ15を通して第2挟持片3のねじ孔11にねじ込むことで、第3挟持片4はねじ15を支軸として回動可能となる。第1挟持片2と第2挟持片3の間に挟んだ工具を取り除くと、挟持片7の挟持部9と第3挟持片4の挟持部20との間に挟持力がプリセットされる。このように、タオルクリップ1は、ばね等の部品が不要で組み立てが容易である。
【0027】
以上の構成からなるタオルクリップ1は、挟持片7の第1挟持片2と第3挟持片4の下側部分17とで構成される第1クリップ機構により被取付部を挟持することができ、第2挟持片3と第3挟持片4の上側部分16とで構成される第2クリップ機構によりタオルを挟持することができる。第1クリップ機構と第2クリップ機構は、第2挟持片の長手方向中心部に対して点対称の位置にある。
【0028】
すなわち、図7に示すように、タオルクリップ1の第1挟持片2の押圧部8と第3挟持片4の上側部分16の押圧部18を持って、互いに接近する方向に押さえて、第1挟持片2の挟持部9と、第3挟持片4の下側部分17の挟持部20とを開き、図8に示すように、第3挟持片4と表示部5を外側に向けた状態で、タオルクリップ1を取り付けようとする所望の被取付部Wを挟持する。この場合、本発明のタオルクリップ1は、ベルトやベルトループ、カバンの取手等の輪になった部分に取り付けることができ、また、ズボンのポケットやスカートのウエスト等の縁部にも取り付けることができるので、取付箇所を選ぶ必要がない。
【0029】
次に、図9に示すように、タオルクリップ1の第3挟持片4の上側部分16を外側に開くと、第3挟持片4の下側部分17の挟持部20の下端が第1挟持片2に対して支点となり、ネジ15が第2挟持片3の下端を第1挟持片2に対して引き離すので、第2挟持片3の下端が第1挟持片2に向かって戻ろうとする復帰力が作用する。この復帰力により、図10に示すように、第2挟持片3と第3挟持片4の上側部分16との間に、タオルTを挟み込むことで、タオルTを保持することができる。このとき、第3挟持片4の上側部分16の突起19がタオルTの生地を介して第2挟持片3の保持孔12に入り込むので、タオルTは引っ張られても外れない。
【0030】
タオルクリップ1は、第3挟持片4の上側部分16を手で開かなくても、ワンアクションでタオルTを保持することができる。すなわち、図11に示すように、第3挟持片4の上側部分16と第2挟持片3との間にタオルTを押し込むと、上側部分16がネジ15を中心に回動して、第2挟持片3から離れ、図10に示すように、第2挟持片3と第3挟持片4の上側部分16との間に、タオルTが挟み込まれる。この場合、タオルTが最初に当たる突起19の外周面の上半分は、突起が先端に向かって細くなるように、傾斜面19aとすることが好ましいが、突起19を無くすることもできる。
【0031】
タオルクリップ1に保持されたタオルTは、図12に示すように、第2挟持片3と第3挟持片4の上側部分16との間に挟持されてタオルクリップ1の両側に垂れ下がるので、表示部5の広告やデザインが隠れることがなく、広告性やデザイン性が損なわれることはない。また、タオルTを引っ掛けないときでも、表示部5は挟持片7や第3挟持片4より幅広であるので、連結部6や軸部10等の機構部分が隠れるので、ファッションとして楽しむことができる。
【0032】
<第2実施形態>
図13は、本発明の第2実施形態に係るタオルクリップ1Aを示す。タオルクリップ1Aは、第3挟持片4に突起が無い点、第1挟持片2と第3挟持片4の上側部分16には押圧部がなく、第3挟持片4の下側部分17は第1挟持片2の下端まで延伸していない点、表示部5が第3挟持片4の外面になっている点を除き、第1実施形態と実質的に同一であるので、対応する部分には同一符号を附して説明を省略する。
【0033】
第2実施形態のタオルクリップ1Aは、第1挟持片2と第3挟持片4の上側部分16には押圧部がないため、タオルクリップ1Aを衣服等の所望の箇所に取り付けるには、第3挟持片4を把持して第1挟持片2の下端を被取付部Wに差し入れ、第2挟持片3を開きながら被取付部Wに押し込むことで、図14に示すように、第3挟持片4の下側部分17と第1挟持片2とで被取付部Wを挟持して、取り付けることができる。また、図14に2点鎖線で示すように、タオルクリップ1Aの第3挟持片4の上側部分16を外側に開くことで、第1実施形態と同様に、第2挟持片3の復帰力により、第2挟持片3と第3挟持片4の上側部分16との間に、タオルを挟み込むことで、タオルを保持することができる。
【0034】
<第3実施形態>
図15は、本発明の第3実施形態に係るタオルクリップ1Bを示す。タオルクリップ1Bは、第1挟持部2、連結部6、第2挟持片3、第3挟持片4、及び表示部5の部分的構造を除いて、第1実施形態と実質的に同一であるので、対応する部分には同一符号を附して説明を省略する。
【0035】
第1挟持片2には、上端の近傍に矩形の係合孔23が形成されている。図17に示すように、係合孔23の上縁は外面から内面に向かって斜め下方に傾斜している。同様に、係合孔23の下縁は外面から内面に向かって斜め下方に傾斜している。
【0036】
第1挟持部2と第2挟持部3の連結部6は、図15に示すように、第1挟持部2と第2挟持部3の全幅ではなく、幅方向両側の2箇所に形成されることにより、剛性が弱化されて、弾性が向上されている。
【0037】
第1挟持片2は、別部品で形成された押圧部8が該第1挟持片2の基端、すなわち、2つの連結部6の間に着脱可能に取り付けられている。押圧部6を別部品で形成することで、第1挟持片2と第2挟持片3からなる挟持片7全体の成形が容易である。
【0038】
押圧部8は、第1挟持片2と同じ幅の基部24を有している。基部24の下端には、2つの連結部6に間に嵌る突部25と、該突部25の先端の外側の縁から延伸する突出片26と、該突出片26の両側縁から内側に延伸し、先端外面に係止爪27が形成された2つの弾性片28とが形成されている。基部24の上端は、上方に凸の曲面で形成されている。基部24の上端には、第2挟持片3の上端に向かって内側に延伸するカバー部29が形成されている。図17に示すように、カバー部29の上面と基部24の外面は鋭角をなしている。
【0039】
図17(a)に示すように、押圧部8の2つの弾性片28を第1挟持片2に形成された係合孔23に挿入して押し込むと、図17(b),(c)に示すように、2つの弾性片28の係止爪27が係合孔23の両側の縁に係止して、押圧部8は第1挟持片2に強固に取り付けられる。押圧部8の係止爪27は、2箇所あり、しかも第1挟持片2の長手方向に延伸しているので、押圧部8を外側(図17(b)の右側)から押圧しても、外れることはない。
【0040】
第2挟持片3は、図15に示すように、2つの連結部6の間の上端から上方に突出する突出部30を有し、該突出部30に第3挟持片4の突起19が貫通する保持孔12が形成されている。第2挟持片3の突出部30の上端は上方に凸の曲面で形成され、第1挟持片2の押圧部8のカバー部29より下に位置している。
【0041】
第3挟持片4は、外面に係合突起31が形成されている。係合突起31は、図18に示すように、第3挟持片4の外面から外方に突出する基部32と、該基部32の先端から上方に延伸し、先端内面に係止爪33が形成された弾性片34とから形成されている。
【0042】
表示部5は、円形板状で、第3挟持片4とは別部品で形成され、第3挟持片4に着脱可能に取り付けられている。表示部5の内面には、矩形の係合孔35と、第3挟持片4の係合突起31が挿入される矩形の挿入凹部36とが形成されている。図18に示すように、挿入凹部36の上縁は表示部5の外面に向かって斜め上方に傾斜している。表示部5の外面には、図16に示すように、スライド凹部37が形成されている。図18に示すように、スライド凹部37の上縁は係合孔35の上縁より上方に位置し、傾斜面となっている。スライド凹部37の下縁は挿入凹部36の高さの約半分の位置にある。
【0043】
図18(a)に示すように、表示部5の内面の挿入凹部36に第3挟持片4の係合突起31を挿入し、表示部5を下方にスライドさせると、図18(b)に示すように、係合突起31の係止爪33が係合孔35の下縁に係合して、表示部5は第3挟持片4に強固に取り付けられる。また、表示部5のスライド凹部37の上縁と係合突起31の弾性片34の上端との間にドライバー等を差し込んで弾性片34を外側に変形させて、弾性片34の係止爪33と係合孔35の下縁との係合を解除することにより、表示部5を取り外すことができる。
【0044】
このように、表示部5は、第3挟持片4に対して着脱可能であるので、異なる形状の表示部5を用意して、同じ係合孔35、挿入凹部36、及びスライド凹部37を形成しておけば、異なる形状の表示部5に付け替えることができる。
【0045】
第3実施形態のタオルクリップ1Bは、図19に示すように、挟持片7の第1挟持片2と第3挟持片4の下側部分17とで第1クリップ機構を構成し、この第1クリップ機構により第1実施形態のタオルクリップ1と同様の動作により被取付部Wを挟持し、第2挟持片3と第3挟持片4の上側部分16とで第2クリップ機構を構成し、この第2クリップ機構により第1実施形態のタオルクリップ1と同様の動作によりタオルTを挟持することができる。
【0046】
第3実施形態のタオルクリップは、押圧部8に傾斜したカバー部29があるので、タオルTを保持するときに、タオルTをカバー部29の上面に沿って第2挟持片3と第3挟持片4の間に滑り込ませることができる。また、押圧部8のカバー部29は、第2挟持片3の上端を覆うとともに、第1挟持片2と第2挟持片3の連結部6を覆い隠しているので、見栄えがよい。
【0047】
また、第3実施形態のタオルクリップ1Bは、第2挟持片3の保持孔12が第1挟持片2と第2挟持片3の連結部6より高い位置にある第2挟持片3の突出部30に形成されている。このため、第2挟持片3の保持孔12と第3挟持片4の突起19が、第1実施形態のタオルクリップ1に比べて、ねじ(支軸)15より離れた位置にあるので、タオルTを容易に挟むことができる。
【0048】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で修正や変更が可能である。
【0049】
例えば、挟持片7と第3挟持片4の少なくともいずれか一方をステンレス鋼等の金属製としたり、挟持部2の弾性変形する連結部6を金属製とすることもできる。また、第1挟持片2の下端の挟持部9、第2挟持片3の外面と第3挟持片4の上側部分16の内面にゴム等を張り付けたり、梨地処理したり、凹凸を形成することで滑り止めを施してもよい。第3挟持片4の上側部分16に滑り止めを設ける場合は、第3挟持片4の突起19や第2挟持片3の保持孔12は不要である。
【符号の説明】
【0050】
1,1A,1B…タオルクリップ
2…第1挟持片
3…第2挟持片
4…第3挟持片
5…表示部
6…連結部
7…挟持片
8…押圧部
9…挟持部
10…軸部
11…ねじ孔
12…保持孔
13…凹部
14…貫通孔
15…ねじ(支軸)
16…上側部分(第1部分)
17…下側部分(第2部分)
18…押圧部
19…突起
20…挟持部
21…縁
22…シール
T…タオル
W…被取付部

【要約】
【課題】タオルの生地が破れたりほつれたりすることがなく、脱着が容易で、広告やデザインの表示ができるタオルクリップを提供する。
【解決手段】第1挟持片2と第2挟持片3が弾性変形可能に互いに連結され、第2挟持片3の先端に第3挟持片4が支軸15により回動可能に設けられている。第3挟持片は、支軸より第2挟持片の基端に向かって延伸する第1部分16と、支軸より第1挟持片の先端に向かって延伸する第2部分17とからなる。第1挟持片、第2挟持片及び第3挟持片の第2部分により、被取付部を挟持する第1クリップ機構が形成され、第2挟持片及び第3挟持片の第1部分により、タオルを挟持する第2クリップ機構が形成されている。
【選択図】図1
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