(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6197240
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】カプセルを製造する方法および装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/07 20060101AFI20170911BHJP
【FI】
A61J3/07 J
A61J3/07 H
【請求項の数】23
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-534035(P2014-534035)
(86)(22)【出願日】2012年10月5日
(65)【公表番号】特表2014-528319(P2014-528319A)
(43)【公表日】2014年10月27日
(86)【国際出願番号】IB2012055374
(87)【国際公開番号】WO2013050974
(87)【国際公開日】20130411
【審査請求日】2015年9月15日
(31)【優先権主張番号】2011/07330
(32)【優先日】2011年10月6日
(33)【優先権主張国】ZA
(73)【特許権者】
【識別番号】517269884
【氏名又は名称】コンボキャップ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジャックス バン ローエン
(72)【発明者】
【氏名】ダンカン エドワード バック ミラー
【審査官】
武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭45−000359(JP,B1)
【文献】
蘭国特許出願公開第7610038(NL,A)
【文献】
国際公開第2008/113368(WO,A1)
【文献】
特表2010−533013(JP,A)
【文献】
特開昭50−029734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密封隔離されて保持される必要がある物質を保持するカプセルを製造する方法であって、
前記物質を保持する可撓性材料から成る第1カプセル部分であって、閉塞端部と、反対側の開放端部と、当該第1カプセル部分の前記各端部間に形成された所定の長さ寸法とを有する第1カプセル部分を配備するステップと、
閉塞端部と、反対側の開放端部と、当該第2カプセル部分の前記各端部間に形成された、前記第1カプセル部分の前記長さ寸法よりも短い所定の長さ寸法とを有する可撓性材料から成る第2カプセル部分を配備するステップと、
前記第1カプセル部分を前記物質により少なくとも部分的に充填するステップと、
前記第1カプセル部分の前記開放端部を閉塞すべく、且つ、前記物質が内部に保持される小空間を画成すべく前記第2カプセル部分の領域が前記第1カプセル部分の領域に重なり合う如く、前記第2カプセル部分の前記閉塞端部を前記第1カプセル部分の前記開放端部内へと挿入するステップと、を含み、
前記第2カプセル部分の前記閉塞端部を前記第1カプセル部分の前記開放端部内へと挿入するステップが、前記第2カプセル部分の前記閉塞端部を、前記第1カプセル部分の前記開放端部と前記第2カプセル部分の前記閉塞端部が相互に面一に整列するまで、挿入するステップを含み、
その後、
前記第1カプセル部分および前記第2カプセル部分の面一に整列された夫々の開放端部を相互に対して結合することで、前記小空間を密封シールするステップが、行われる、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
当該方法は、前記第1カプセル部分および前記第2カプセル部分の相互に面一に整列された夫々の開放端部を結合する間、前記第1カプセル部分および前記第2カプセル部分の夫々の開放端部を支持するステップを含む、ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
当該方法は、前記第1カプセル部分および前記第2カプセル部分の面一に整列された夫々の開放端部に隣接して形成された開放端部領域にて、前記第1および第2のカプセル部分の内側部および外側部を支持するステップを含む、ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1カプセル部分および前記第2カプセル部分の面一に整列された夫々の開放端部は、各カプセル部分の夫々の前記開放端部を相互に対して融着すべく、前記第1および第2のカプセル部分の夫々の前記開放端部に対して熱および圧力を付与することにより相互に結合される、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
当該方法は、前記第1カプセル部分および前記第2カプセル部分の重なり合い領域同士を相互に結合するステップを含む、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記重なり合い領域同士は、前記重なり合い領域に対して熱および圧力を付与することにより相互に結合される、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
当該方法は、当該気密チャンバ内に制御可能な気体環境を達成するために、気密チャンバを配備するステップを含み、
当該方法は、前記第1および第2のカプセル部分を前記チャンバ内に配置するステップと、前記チャンバ内である間に、前記第2カプセル部分の前記閉塞端部を前記第1カプセル部分の前記開放端部内へと挿入するステップを含む、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
当該方法は、
前記チャンバ内に無毒性気体環境を配備するステップと、
前記第1カプセル部分および前記第2カプセル部分は前記無毒性気体環境内に配置され乍ら、前記第2カプセル部分の前記閉塞端部を前記第1カプセル部分内へと挿入するステップを含む、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2カプセル部分の前記閉塞端部を前記第1カプセル部分の前記開放端部内へと挿入するときに、前記チャンバに対して部分的真空が付与されることで、前記チャンバ内の気体圧力は大気圧より低い圧力まで低下される、ことを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1カプセル部分は、前記開放端部と、ドーム形状である前記閉塞端部とを画成する中空円筒状の管状体を備えて成る、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2カプセル部分は、前記開放端部と、ドーム形状である前記閉塞端部とを画成する中空円筒状の管状体を備えて成る、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
当該方法は、
キャップを配備するステップと、
前記第2カプセル部分を付加的物質により少なくとも部分的に充填するステップと、
前記付加的物質が内部に保持された付加的小空間を画成するために、前記キャップを前記第1カプセル部分および前記第2カプセル部分の一方に対して固着するステップとを含む、ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
当該方法は、前記キャップを前記第1カプセル部分および前記第2カプセル部分の一方に対し、前記キャップが前記第2カプセル部分の前記開放端部を閉じる配置にて固着するステップを含む、ことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記第1カプセル部分および前記第2カプセル部分はいずれも、消化可能な材料で形成されることで、前記カプセルを消化可能とする、ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1カプセル部分、前記第2カプセル部分および前記キャップは消化可能な材料で形成されることで、前記カプセルを消化可能とする、ことを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項16】
密封隔離されて保持される必要がある物質を保持するカプセルを製造する装置であって、
前記物質を内部に保持すると共に、閉塞端部と、反対側の開放端部と、当該第1カプセル部分の前記各端部間に形成された所定の長さ寸法とを有する可撓性材料から成る第1カプセル部分を自身内に受容すべく寸法設定かつ構成された少なくともひとつの第1カプセル受容形状部を含む第1カプセル受容手段と、
前記物質を充填するためのひとつ以上のノズルを含むカプセル充填手段であって、使用に際し、前記第1カプセル受容形状部により支持された前記第1カプセル部分を少なくとも部分的に充填すべく作用可能であるカプセル充填手段と、
閉塞端部と、反対側の開放端部と、当該第2カプセル部分の前記各端部間に形成された、前記第1カプセル部分の前記長さ寸法よりも短い所定の長さ寸法とを有する可撓性材料から成る第2カプセル部分を操作すべく構成された少なくともひとつの第2カプセル操作形状部を含む第2カプセル操作手段であって、
前記第2カプセル操作手段は、
前記第2カプセル操作手段の前記第2カプセル操作形状部が、前記第1カプセル受容手段の前記第1カプセル受容形状部から離間される第1状態、および、
前記物質が内部に保持される小空間を画成すべく、前記第2カプセル部分の領域が前記第1カプセル部分の領域に重なり合うことで前記第1カプセル部分の前記開放端部を閉塞する如く、前記第2カプセル操作形状部は、前記形状部により操作される前記第2カプセル部分の閉塞端部を、前記第1カプセル受容形状部により受容された前記第1カプセル部分内へと挿入すべく作用可能である第2状態、
の間で変位可能である、第2カプセル操作手段と、
カプセル結合手段と、を含み、
前記第2カプセル操作形状部が、それにより操作された第2のカプセル部分の閉鎖端部が、前記第1および第2カプセル部分の開放端部が相互に面一になるまで、第2状態で作動し、
カプセル結合手段は、組立てられた各カプセルの前記第1カプセル部分および前記第2カプセル部分の面一に整列された夫々の開放端部を相互に対して結合して、前記小空間を密封シールするように作動する、
ことを特徴とする装置。
【請求項17】
前記第1カプセル受容形状部は、前記第1カプセル部分の前記開放端部に隣接して形成された前記第1カプセル部分の開放端部領域を支持すべく構成かつ寸法設定される、ことを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記第2カプセル操作形状部は、前記第2カプセル部分の前記開放端部に隣接して形成された前記第2カプセル部分の開放端部領域を支持すべく前記第2カプセル部分の前記開放端部を通して挿入されるべく構成かつ寸法設定される、ことを特徴とする請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
前記カプセル結合手段は、組立てられた前記第1および第2のカプセル部分を相互に結合するために、前記第1および第2のカプセル部分に対して熱および圧力を付与する少なくともひとつのカプセル結合要素の形態である、ことを特徴とする請求項16から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記カプセル結合要素は、前記第1および第2のカプセル部分の面一に整列された夫々の開放端部に係合し、各開放端部に対して熱および圧力を付与することで前記第1および第2のカプセル部分の夫々の開放端部を相互に対して結合すべく構成かつ寸法設定された端部係合形状部を形成する、ことを特徴とする請求項19記載の装置。
【請求項21】
前記カプセル結合要素は、前記第2カプセル部分の内側部に係合すべく構成かつ寸法設定された第2カプセル係合形状部であって、前記第2カプセル部分に対して熱および圧力を付与し、前記第1および第2のカプセル部分の前記重なり合い領域同士を相互に対して結合する第2カプセル係合形状部を有する、ことを特徴とする請求項19または20に記載の装置。
【請求項22】
前記装置は、組立てられたカプセルを形成するときに前記第2カプセル部分を前記第1カプセル部分内へと挿入するときに、前記第1および第2のカプセル部分が内部に配置される気密チャンバを含むことで、前記チャンバ内に制御可能な気体環境を達成する、ことを特徴とする請求項16から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
当該装置は、前記チャンバ内の気体圧力を大気圧より低い圧力まで低下させるために前記チャンバに対して部分的真空を付与する真空デバイスを含む、ことを特徴とする請求項22記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封隔離されて保持される必要がある物質を保持するに適したカプセルを製造する方法および装置に関する。本明細書において、“無毒性気体”という語句は、摂取されたときに人間もしくは動物の身体に対して無毒性であると共に、特に酸素を含有しない任意の気体を意味すると解釈されるべきである。
【発明の概要】
【0002】
本発明の第1の見地に依れば、
密封隔離されて保持される必要がある物質を保持するカプセルを製造する方法であって、
物質を保持する可撓性材料から成る第1カプセル部分であって、閉塞端部と、反対側の開放端部と、当該第1カプセル部分の各端部間に形成された所定の長さ寸法とを有する第1カプセル部分を配備するステップと、
閉塞端部と、反対側の開放端部と、当該第2カプセル部分の各端部間に形成された、第1カプセル部分の長さ寸法よりも短い所定の長さ寸法とを有する可撓性材料から成る第2カプセル部分を配備するステップと、
第1カプセル部分を物質により少なくとも部分的に充填するステップと、
第1カプセル部分および第2カプセル部分の各開放端部が実質的に相互に面一に整列されるまで、且つ、第1カプセル部分の開放端部を閉塞すべく、且つ、物質が内部に保持される小空間を画成すべく第2カプセル部分の領域が第1カプセル部分の領域に重なり合う如く、第2カプセル部分の閉塞端部を第1カプセル部分の開放端部内へと挿入するステップと、
第1カプセル部分および第2カプセル部分の実質的に面一に整列された夫々の開放端部を相互に対して結合することで、小空間を密封シールするステップとを含む、
方法が提供される。
【0003】
方法は、第1カプセル部分および第2カプセル部分の相互に実質的に面一に整列された夫々の開放端部を結合する間、第1カプセル部分および第2カプセル部分の夫々の開放端部を支持するステップを含み得る。
方法は、第1カプセル部分および第2カプセル部分の実質的に面一に整列された夫々の開放端部に隣接して形成された開放端部領域にて、第1および第2のカプセル部分の内側部および外側部を支持するステップを含み得る。
【0004】
方法は、第1カプセル部分および第2カプセル部分の実質的に面一に整列された夫々の開放端部を、各カプセル部分の夫々の開放端部を相互に対して融着すべく、第1および第2のカプセル部分の夫々の開放端部に対して熱および圧力を付与することにより相互に結合するステップを含み得る。
方法は、第1カプセル部分および第2カプセル部分の重なり合い領域同士を相互に結合するステップを含み得る。
【0005】
方法は、重なり合い領域同士を、重なり合い領域に対して熱および圧力を付与することにより相互に結合するステップを含み得る。
【0006】
方法は、当該気密チャンバ内に制御可能な気体環境を達成するために、気密チャンバを配備するステップを含み得、方法は、第1および第2のカプセル部分をチャンバ内に配置するステップと、チャンバ内である間に、第2カプセル部分の閉塞端部を第1カプセル部分の開放端部内へと挿入するステップを含む。
【0007】
方法は、チャンバ内に無毒性気体環境を配備するステップと、第1カプセル部分および第2カプセル部分は無毒性気体環境内に配置され乍ら、第2カプセル部分の閉塞端部を第1カプセル部分内へと挿入するステップを含み得る。
方法は、第2カプセル部分の閉塞端部を第1カプセル部分の開放端部内へと挿入するときに、チャンバに対して部分的真空を付与することで、チャンバ内の気体圧力を大気圧より低い圧力まで低下させるステップを含み得る。
第1カプセル部分は、開放端部と、ドーム形状である閉塞端部とを画成する中空円筒状の管状体を備えて成り得る。
第2カプセル部分は、開放端部と、ドーム形状である閉塞端部とを画成する中空円筒状の管状体を備えて成り得る。
【0008】
方法は、キャップを配備するステップと、第2カプセル部分を付加的物質により少なくとも部分的に充填するステップと、付加的物質が内部に保持された付加的小空間を画成するために、キャップを第1カプセル部分および第2カプセル部分の一方に対して固着するステップとを含み得る。
方法は、キャップを第1カプセル部分および第2カプセル部分の一方に対し、キャップが第2カプセル部分の開放端部を閉じる配置にて固着するステップを含み得る。
【0009】
第1カプセル部分および第2カプセル部分はいずれも、消化可能な材料で形成されることで、カプセルを消化可能とし得る。
第1カプセル部分、第2カプセル部分およびキャップは、消化可能な材料で形成されることで、カプセルを消化可能とし得る。
【0010】
本発明の第2の見地に依れば、
密封隔離されて保持される必要がある物質を保持するカプセルを製造する装置であって、
物質を内部に保持すると共に、閉塞端部と、反対側の開放端部と、当該第1カプセル部分の各端部間に形成された所定の長さ寸法とを有する可撓性材料から成る第1カプセル部分を自身内に受容すべく寸法設定かつ構成された少なくともひとつの第1カプセル受容形状部を含む第1カプセル受容手段と、
物質を充填するためのひとつ以上のノズルを含むカプセル充填手段であって、使用に際し、第1カプセル受容形状部により支持された第1カプセル部分を少なくとも部分的に充填すべく作用可能であるカプセル充填手段と、
閉塞端部と、反対側の開放端部と、当該第2カプセル部分の各端部間に形成された、第1カプセル部分の長さ寸法よりも短い所定の長さ寸法とを有する可撓性材料から成る第2カプセル部分を操作すべく構成された少なくともひとつの第2カプセル操作形状部を含む第2カプセル操作手段であって、
第2カプセル操作手段は、
第2カプセル操作手段の第2カプセル操作形状部が、第1カプセル受容手段の第1カプセル受容形状部から離間される第1状態、および、
第1および第2のカプセル部分の各開放端部が実質的に相互に面一に整列されるまで、且つ、物質が内部に保持される小空間を画成すべく組立てられたカプセルを形成すべく、第2カプセル部分の領域が第1カプセル部分の領域に重なり合うことで第1カプセル部分の開放端部を閉塞する如く、第2カプセル操作形状部は、形状部により操作される第2カプセル部分の閉塞端部を、第1カプセル受容形状部により受容された第1カプセル部分内へと挿入すべく作用可能である第2状態、
の間で変位可能である、第2カプセル操作手段と、
組立てられた各カプセルの第1カプセル部分および第2カプセル部分の実質的に面一に整列された夫々の開放端部を相互に対して結合することで、小空間を密封シールするカプセル結合手段とを含む、
装置が提供される。
【0011】
第1カプセル受容形状部は、第1カプセル部分の開放端部に隣接して形成された第1カプセル部分の開放端部領域を支持すべく構成かつ寸法設定され得る。
第2カプセル操作形状部は、第2カプセル部分の開放端部に隣接して形成された第2カプセル部分の開放端部領域を支持すべく第2カプセル部分の開放端部を通して挿入されるべく構成かつ寸法設定され得る。
【0012】
カプセル結合手段は、組立てられた第1および第2のカプセル部分を相互に結合するために、第1および第2のカプセル部分に対して熱および圧力を付与する少なくともひとつのカプセル結合要素の形態であり得る。
【0013】
カプセル結合要素は、第1および第2のカプセル部分の実質的に面一に整列された夫々の開放端部に係合し、各開放端部に対して熱および圧力を付与することで第1および第2のカプセル部分の夫々の開放端部を相互に対して結合すべく構成かつ寸法設定された端部係合形状部を形成し得る。
カプセル結合要素は、第2カプセル部分の内側部に係合すべく構成かつ寸法設定された第2カプセル係合形状部であって、第2カプセル部分に対して熱および圧力を付与し、第1および第2のカプセル部分の重なり合い領域同士を相互に対して結合する第2カプセル係合形状部を有し得る。
【0014】
装置は、組立てられたカプセルを形成するときに第1カプセル部分を第2カプセル部分内へと挿入するときに、第1および第2のカプセル部分が内部に配置される気密チャンバを含むことで、チャンバ内に制御可能な気体環境を達成し得る。
装置は、チャンバ内の気体圧力を大気圧より低い圧力まで低下させるためにチャンバに対して部分的真空を付与する真空デバイスを含み得る。
【0015】
本発明の更なる特徴は、本明細書で以下において、添付された概略的な図面を参照し、其処に示された本発明の非限定的な例により記述される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の見地に係るカプセルを製造する方法に従い作製されたカプセルの側断面図である。
【
図2】本発明の第1の見地に係るカプセルを製造する方法に従い作製された別実施例のカプセルの側断面図である。
【
図3】本発明の第2の見地に係るカプセルを製造する装置の部分的斜視図である。
【
図4】
図3の装置のカプセル支持トレイの斜視図である。
【
図5】
図3の装置のカプセル充填アセンブリの部分的側断面図である。
【
図6】両方が上昇位置で示された
図3の装置の真空チャンバ・アセンブリおよび隔膜挿入アセンブリの部分的側断面図である。
【
図7】両方が降下位置で示された
図6の真空チャンバ・アセンブリおよび隔膜挿入アセンブリの部分的側断面図である。
【
図8】真空チャンバ・アセンブリは降下位置で示され且つ隔膜挿入アセンブリは上昇位置で示された
図6の真空チャンバ・アセンブリおよび隔膜挿入アセンブリの部分的側断面図である。
【
図9】上昇位置で示された
図3の装置のカプセル結合アセンブリの部分的側断面図である。
【
図10】降下位置で示された
図9のカプセル結合アセンブリの部分的側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
各図の内の
図1および
図3〜
図10を参照すると、本発明の第2の見地に係る装置は、概略的に参照番号10により表される。装置10は、本発明の第1の見地に係るカプセルを製造する方法に従いカプセル12を製造すべく構成される。
【0018】
カプセル12は、たとえば、カプセル内に収容されたときに、2つの主たる理由により密封隔離されて保持される必要があるオメガ3オイル14の如き物質を保持する消化可能な硬質のゼラチン・カプセルの形態である。第1に、オメガ3オイル14は流動可能な液体状態であることから、カプセル内の液密小空間内に保持されねばならない。第2に、オメガ3オイル14は、大気中に存在する酸素に対して露出されたときに酸化により劣化し易いからである。カプセル12は、概略的には、カプセル本体2の形態の第1カプセル部分、および、隔膜4の形態の第2カプセル部分を備えて成る。カプセル本体2は、柔軟なゼラチン状材料であり、且つ、閉塞端部5と、反対側の開放端部6とを画成する中空円筒状の管状体であって、その端部5、6間に形成される所定の長さ寸法を有する管状体の形態である。隔膜4は、閉塞端部7と、反対側の開放端部8とを画成する中空円筒状の管状体であって、その端部7、8間に形成された、カプセル本体2の長さ寸法よりも短い所定の長さ寸法を有する管状体を有する柔軟なゼラチン状材料である。
【0019】
各図の内の
図3に示された如く、装置10は概略的には、多数のカプセル支持トレイ16の形態の第1カプセル受容手段と、カプセル充填アセンブリ20と、真空チャンバ・アセンブリ22と、隔膜挿入アセンブリ24の形態の第2カプセル操作手段と、カプセル結合アセンブリ28の形態のカプセル結合手段とを含んでいる。
【0020】
各図の内の
図3および
図4を参照すると、各カプセル支持トレイ16は、自身に42個の中空受容器32が画成されたアルミニウム・プレート30と、周縁ゴム・シール34と、アルミニウム・プレート30の底端部領域38からアルミニウム・プレート30を貫通して個々の受容器32の最下部分まで延在する42本の内部通路36であって、その目的は本明細書において以下に更に詳細に説明される内部通路36とを備えて成る。各受容器32は、相互から等距離だけ離間されると共に、6行×7列から成る格子配置で配置される。各受容器32は、カプセル本体2を受容すべく構成かつ寸法設定される。更に詳細には、各受容器32は、カプセル本体2の開放端部6に隣接して形成されたカプセル本体2の開放端部領域を支持すべく構成かつ寸法設定される。
【0021】
各カプセル支持トレイ16は、使用に際し、装置10の種々の操作ステーションに対応する装置の種々の位置へと変位される。更に詳細には、各カプセル支持トレイ16は、使用に際し、カプセル支持トレイ16がカプセル充填アセンブリ20の下方に配設されるカプセル充填ステーションと、カプセル支持トレイ16が真空チャンバ・アセンブリ22の下方および隔膜挿入アセンブリ24の下方に配設される真空挿入ステーションと、カプセル支持トレイ16がカプセル結合アセンブリ28の下方に配設されるカプセル結合ステーションとの間で順次的に変位される。
【0022】
各図の内の
図3および
図5に示された如く、カプセル充填アセンブリ20は、移動可能なカプセル充填ヘッド49と、計量式供与器53とを含む。カプセル充填ヘッド49は、相互から等距離だけ離間され且つ一列に整列された7個のノズル52を含むことから、各図の内の
図5に示された如く、各ノズル52の位置は、その下方に配置されたアルミニウム・プレート30の特定の受容器32に対応する。複数の列のノズル52が、ノズル52がアルミニウム・プレート30の各列の受容器32の上方に位置決めされる位置へと順次的に移動される。計量式供与器53は、カプセル支持トレイ16の各受容器32内に支持された夫々のカプセル本体2を部分的に充填するために、計量された特定の回分量のオメガ3オイル14を各ノズル52に対して送給すべく作用可能である。
【0023】
各図の内の
図3および
図6〜
図8を参照すると、真空チャンバ・アセンブリ22は、真空チャンバ・ハウジング54と、真空チャンバ・ハウジング54を変位させる真空チャンバ変位アセンブリ55と、真空ポート58と、窒素送給ポート60とを備えて成る。真空チャンバ・ハウジング54は、下側の周縁部に画成されたシール形状部64と、ハウジング54から延在するハンドル形状部62とを有し、それらの目的は本明細書において以下に更に詳細に記述される。真空チャンバ変位アセンブリ55は、当該鋼鉄ケーブル84の自由端部にてハウジング54のハンドル形状部62に対して接続されたフック86を備える鋼鉄ケーブル84を有する(不図示の)ウィンチを備えて成る。真空チャンバ変位アセンブリ55は、各図の内の
図3および
図6に示された上昇位置と、各図の内の
図7および
図8に示された降下位置であって、ハウジング54とカプセル支持トレイ16との間に画成される内部の真空チャンバ56を画成すべく、ハウジング54のシール形状部64がカプセル支持トレイ16のゴム・シール34にシール的に係合する降下位置との間でハウジング54を変位させるべく作用可能である。真空ポート58は、(不図示の)真空ポンプが動作されたときに真空チャンバ56内に部分的真空を形成すべく、真空ポンプに対して接続される。窒素送給ポート60は、真空チャンバ56に対して窒素ガスを送給するために、窒素ガスの供給源に対して接続される。
【0024】
各図の内の
図3および
図6〜
図8を参照すると、隔膜挿入アセンブリ24は、真空チャンバ・アセンブリ22のハウジング54内に取付けられると共に、隔膜挿入アセンブリは、42本の隔膜挿入ロッド90と、各隔膜挿入ロッド90を変位させるべく油圧的に作動されるロッド変位機構85とを含む。各隔膜挿入ロッド90は、(不図示の)螺条形成端部と、マンドレル88の形態の第2カプセル操作形状部に接続された逆端部と、当該ロッド90の螺条形成端部からその逆端部まで延在する中空の内部通路91とを有する。各マンドレル88は、自身を貫通して画成された中空の中央通路89を有すると共に、隔膜4を操作かつ支持すべく構成される。更に詳細には、各マンドレル88は、緊密摺動嵌合により隔膜4内に受容されるべく隔膜4の開放端部8を貫通して挿入されるべく構成かつ寸法設定されると共に、隔膜2の内側部102の形状および寸法に対応すべく形状化かつ寸法設定される。更に詳細には、各マンドレル88は、隔膜4の開放端部8を支持すべく寸法設定かつ構成される。ロッド変位機構85は、4本の案内支柱107と、担体プレート103と、42個のスプリング105およびナット92と、アクチュエータ・プレート106および油圧式アクチュエータ108と、可動ピストン101とを備えて成る。各案内支柱107はその上端部にて、真空チャンバ・アセンブリ22のハウジング54に対して取付けられる。担体プレート103は、各案内支柱107上に摺動可能に受容されると共に、担体プレートは、自身を貫通延在する42個の等間隔の開孔を有し、開孔を通して各隔膜挿入ロッド90が受容される。各図の内の
図6〜
図8に示された如く、各スプリング105は個々の隔膜挿入ロッド90上に受容され、且つ、各ナット92は、夫々の隔膜挿入ロッド90の螺条形成端部上に螺着される。本明細書において以下に更に詳細に説明される理由により、油圧式アクチュエータ108は、ピストン101を変位させて、担体プレート103と、それに対して取付けられた各隔膜挿入ロッド90とを変位させるべく作用可能である。
【0025】
使用に際して真空チャンバ変位アセンブリ55は、各図の内の
図7および
図8に示された如く、ハウジング54のシール形状部64がカプセル支持トレイ16のゴム・シール34にシール的に係合するハウジング54の降下位置へとハウジングを変位させる。真空チャンバ56内の内部圧力を10kPa〜70kPaの圧力へと減少するために真空チャンバ56内に部分的真空を形成すべく真空チャンバ56から空気を吸引すべく、真空ポンプが起動される。次に、窒素送給ポート60を介して真空チャンバ56内に窒素ガスが導入され、真空チャンバ56内の内部圧力は、本明細書において以下に更に詳細に説明される理由により、特に大気圧より低い20kPa〜90kPaの圧力まで増大される。
【0026】
使用に際し、ロッド変位機構85は、カプセル本体2および隔膜4の開放端部6、8が実質的に相互に面一に整列されるまで、且つ、各隔膜4の領域が個々のカプセル本体2の領域と重なり合うことでカプセル本体2の開放端部6を閉塞することで、オメガ3オイル14が内部に保持される小空間104を画成すべく組立てられたカプセル12を形成する如く、各図の内の
図6に示された如く、各マンドレル88が夫々のカプセル支持トレイ16の受容器32から離間される第1状態と、各図の内の
図7に示された如く、各マンドレル88が、自身上に支持された各隔膜4の閉塞端部7を、各カプセル支持トレイ16の受容器32により支持された個々のカプセル本体2内へと挿入すべく作用可能である第2状態との間で、各挿入ロッド90およびマンドレル88を変位させるためにピストン101を変位させるべく作用可能である。
【0027】
各図の内の
図7に示された如く、カプセル本体2の開放端部6内への隔膜4の閉塞端部7の挿入の間において、受容器32およびマンドレル88は協働して、カプセル本体2および隔膜4の開放端部6、8と、カプセル本体2および隔膜4の重なり合い領域の内側部および外側部とを支持することは理解される。カプセル本体2の外側部および隔膜4の内側部、および、特に開放端部6、8に対する支持の措置は、挿入の間において有用である、と言うのも、これによれば、隔膜4の閉塞端部7がカプセル本体2内へと挿入されるときに、カプセル本体2および隔膜4の開放端部6、8が歪曲せず、且つ/又は、形状を変化させないことが確実とされるからである。
【0028】
各図の内の
図3、
図9および
図10を参照すると、カプセル結合アセンブリ28は、カプセル結合ヘッド118と、カプセル結合ヘッド118を支持する支持構造120と、油圧式の加熱用マンドレル・アクチュエータ122とを備えて成る。各図の内の
図9および
図10に示された如く、カプセル結合ヘッド118は、結合ヘッド118の下端部から突出するロッド126の下端部に対して取付けられた42本の加熱用マンドレル124の形態のカプセル結合要素を有する。各加熱用マンドレル124は、相互から所定距離だけ離間される。更に詳細には、各加熱用マンドレル124間の間隔は、各カプセル支持トレイ16のアルミニウム・プレート30の夫々の受容器32間の間隔に対応する。更に詳細には、各図の内の
図9および
図10に示された如く、各加熱用マンドレル124は、カプセル支持トレイ16の個々の受容器32の上方に配置される。各加熱用マンドレル124は、各図の内の
図9および
図10に示された如く概略的に円筒状の構成を有すると共に、隔膜係合形状部128および端部係合形状部129を含む。隔膜係合形状部128は、各図の内の
図10に示された如く、加熱用マンドレル124の隔膜係合形状部128が隔膜4の開放端部8を通して挿入されたときに、隔膜4の内側部102に係合すべく、且つ、隔膜4に対して熱および圧力を付与すべく構成かつ寸法設定される。端部係合形状部129は、実質的に面一に整列されたカプセル本体2および隔膜4の夫々の開放端部6、8に係合し、隔膜4の開放端部8およびカプセル本体2の開放端部6に対して熱および圧力を付与することで、カプセル本体2および隔膜4の夫々の開放端部6、8を相互に対して結合させるべく構成かつ寸法設定される。油圧式の加熱用マンドレル・アクチュエータ122は、各図の内の
図9に示された如く、各加熱用マンドレル124がカプセル支持トレイ116から離間される上昇位置と、各図の内の
図10に示された如く、各加熱用マンドレル124が隔膜4の開放端部7内へと挿入される降下位置との間で、各加熱用マンドレル124を変位させるべく作用可能である。
【0029】
使用に際し、各加熱用マンドレル124は、100℃〜120℃(最適には110℃)の温度まで加熱されると共に、各図の内の
図10に示された如く、約5〜10秒の時的間隔に亙り隔膜4に対して適用される。使用に際して加熱用マンドレル124の隔膜係合形状部128は、各図の内の
図10に示された如く、融着された重なり合う壁部領域109を形成すべく、カプセル本体2および隔膜4の重なり合う部分を、支持し、形成し、且つ、加熱溶着する。融着された重なり合う壁部領域109は、相互に対して加熱溶着された、カプセル本体2および隔膜4の0.8mm〜1.5mmの重なり合い部分を備えて成る。
【0030】
各図の内の
図10に示された如く、隔膜4およびカプセル本体2の重なり合い部分同士の結合の間、および、整列された開放端部6、8の結合の間、カプセル本体2および隔膜4の内側部および外側部、および、それらの開放端部6、8は、受容器32と、加熱用マンドレル124の隔膜係合形状部128とにより支持されることは理解される。更に詳細には、各図の内の
図10から理解され得る如く、カプセル本体2および隔膜4が相互に対して加熱溶着されるときに、各隔膜係合形状部128および各受容器32は協働して、カプセル本体2および隔膜4の内側部および外側部を支持し、且つ、開放端部6、8を支持する。本出願人は、カプセル本体2および隔膜4の相互に対する結合の間におけるカプセル本体2および隔膜4の内側部および外側部の支持、および、開放端部6、8の支持は、カプセル本体2および隔膜4の相互に対する適切かつ最適な整列および配向を確実とするためにも有用であると確信する。本出願人は、上述された如く、の支持によれば、カプセル12が適切に形成され且つ密封シールされることが確実とされることを見出した。更に、本出願人は、本明細書において上述された如く、結合の間においてカプセル本体12および隔膜4を支持すると、結合の間におけるカプセル本体2および隔膜4の歪曲および/または潰れが制限されると考える。
【0031】
使用に際し、小空間104内に配備される窒素ガスは、小空間104内の大気酸素の濃度を減少させることにより、オメガ3オイル14の酸化の速度を低減することも理解される。更に、小空間104内に大気圧より低い気体圧力を配備することにより、小空間104からオメガ3オイル14が滲出する可能性が相当に低減される。これに加え、本出願人は、小空間104内の気体圧力を大気圧より低い圧力まで低下させることは、隔膜およびカプセル本体の重なり合い領域同士の相互に対する結合の間において特に有用であることを見出した。この点に関し、本出願人は、結合の間において、マンドレル124は小空間104内のオメガ3オイル14も加熱し、それを膨張させることを見出した。この膨張の結果として、小空間104内の圧力は増大する。この問題を克服するために、結合の間において熱および圧力が付与されたとき、特に、隔膜およびカプセル本体の加熱に起因するオメガ3オイル14の膨張の後で、小空間104内の内部圧力が大気圧より低いままである如く、小空間104内の内部圧力は、大気圧より十分に低い圧力まで低下される。これにより、有効な密封シールを確実とするために、小空間104が大気圧より高い圧力まで加圧されないことを確実とすべく、結合の後で小空間104内の内部圧力が大気圧に在り、もしくは、それより低いことが確実とされる。故に、小空間104内の圧力のこの低下は有用である、と言うのも、小空間104内の大きな内部圧力は、小空間104のシールを阻害することがあるので不都合だからである。更に、本出願人は、小空間104内の気体圧力を大気圧より低い圧力まで低下させることは、結合の後においても有用であることを見出した。更に詳細には、本出願人は、カプセル12のユーザは、たとえば、周囲温度が高いユーザの乗用車における如き熱い環境にカプセル12を保存することが多いことを見出した。本出願人は、カプセルを製造するときに140内の気体圧力を大気圧より低い気体圧力まで低下させると、特に、小空間104内の圧力を増大させ得る比較的に熱い環境においてカプセルが使用され得ることを見出した。これにより、カプセル12が晒される周囲温度が比較的に高いレベルまで上昇したとき、カプセル本体2および隔膜4が、小空間104内の内部圧力により周囲圧力より高い圧力までは加圧されないことが確実とされる。この点に関し、小空間104内の内部圧力が、大気圧を超過すると共に、長期間に亙りこの高圧に留まるならば、密封シールが通常は阻害されることは理解される。
【0032】
装置10は更に、支持トレイ用の真空システム(不図示)、および、挿入ロッド用の真空システム(不図示)を含む。支持トレイ用の真空システムは、使用に際し、隔膜4からマンドレル88および加熱用マンドレル124を引抜くときにカプセル本体2を受容器32内で所定位置に保持するために受容器32の下端部にて吸引作用を生成すべく、カプセル支持トレイ16の内部通路36内に部分的真空を生成すべく作用可能である。挿入ロッド用の真空システムは、使用に際し、隔膜4を各マンドレル88上の所定位置に保持するために各マンドレル88の下端部にて吸引作用を生成すべく、隔膜挿入ロッド90の内部通路91およびマンドレル88の内部通路89内に部分的真空を生成すべく作用可能である。
【0033】
本出願人は、カプセル12が、特に、たとえば、小空間104内に収容されたオメガ3オイル14から離間して保持される必要がある薬剤130の如き付加的な物質をカプセルが保持する、という用途において使用され得ると考える。更に詳細には、各図の内の
図2に示された如く、薬剤130が収容される付加的小空間136を各々が有するカプセル134を形成すべく、公知の習用的なカプセル本体に対して公知の習用的なキャップ132を被冠すべく使用される習用のカプセル用キャップ装着/充填機械を用いて、各図の内の
図3に示された如く、カプセル12の隔膜4は薬剤130で充填され且つカプセル12はキャップ装着される。代替的に、本出願人は、カプセル12およびキャップ132が本出願人の顧客に対して供給されることで、本出願人の顧客は、顧客自身の習用的なカプセル用キャップ装着/充填機械を用いて、付加的小空間136内に収容された所望の物質によりカプセル12を充填し且つキャップ装着し得ると考える。
【0034】
各図の内の
図2に示された如く、特にキャップ132が緊密に嵌装されることを許容すべく、カプセル本体2および隔膜4が相互に対して結合されるときに、カプセル本体2および隔膜4の開放端部6、8の形状および/または寸法が維持されることが極めて重要であることも理解される。更に、習用のカプセル用キャップ装着/充填機械の高速および動作の精度の故に、正確で均一な形状および寸法を有するカプセルのみを処理し得る機械によりカプセル12が供給されることを許容すべく、カプセル12の形状および寸法が維持されることを確実とするためには、本明細書においてに記述された如く、カプセル本体2および隔膜4が支持される様式が極めて重要である。
更に詳細には、本出願人は、カプセル本体2および隔膜4の夫々の開放端部6、8を支持すると、端面視で見たときに開放端部6、8が円形状を維持することが確実とされ、このことは、に示された理由により、カプセル12とキャップ132との間の緊密嵌合を確実とし、且つ、カプセル12の形状および寸法が維持されることを確実とする上で特に重要であることを見出した。
【0035】
本出願人は、消化可能なカプセル134は、特に、相互から離間された別体的な夫々の小空間内に保持されるべきオメガ3オイル14および薬剤130の如き2種類の物質を収容するために有用であると考える。その故に、小空間104および付加的小空間136内には、オメガ3オイル14および薬剤130以外の別の物質が保持されても良い。本出願人は更に、カプセル134は特に、湿潤組成物および乾燥組成物を保持するに適していると考えており、その場合に湿潤組成物は、液体状態であることから、密封シールされた小空間から液体が漏出することを阻止すべく、密封シールされた小空間内に保持される必要がある。また本出願人は、カプセル134は更に、当該2種類の組成物の一方もしくは両方の劣化および/または反応および/または汚染を阻止するために相互から離間されるべきである2種類の組成物を保持する上で有用であると考える。特に、本出願人は、カプセル134は、小空間104、136の一方内には薬理学的な組成物を、および、小空間104、136の他方内には天然の組成物を保持する上で有用であると考える。
【0036】
本発明の方法に従い使用される装置10の厳密な構成は、本明細書においてに記述された如き本発明の方法の本質的な特徴を依然として取入れ乍ら、大きく変更され得ることは理解される。更に、装置10は、本発明に係る方法以外の方法を実施しても良く、同様に、本発明に係る方法は、本明細書中で上述された装置10以外の装置にて実施されても良い。
【0037】
本出願人は、カプセル本体2、隔膜4およびキャップ132は、硬質ゼラチン・カプセルを形成する公知の製造手順に従い形成されると考える。
【0038】
本出願人はまた、本発明に係る装置10および方法は、本明細書中で上述された消化可能なカプセル12および134以外の他の形式のカプセルを製造すべく使用され得ると考える。更に詳細には、本出願人は、方法および/または装置によれば、たとえば、非常に反応的もしくは爆発的である物質同士などの如き相互から分離されることが必要な二成分式の組成物、または、代替的に二成分式の接着剤を収容すべく構成された(不図示の)カプセルが作製され得ると考える。
【0039】
本発明の(不図示の)別実施例において、装置は、隔膜挿入アセンブリ24およびカプセル結合アセンブリ28に成り代わる組み合わせ式の隔膜挿入/カプセル結合アセンブリを含む。この(不図示の)組み合わせ式の隔膜挿入/カプセル結合アセンブリは、真空チャンバ56内に配置される。その故に、本明細書においてに記述された如きカプセル本体2内への隔膜4の挿入、および、本明細書においてに記述された如き相互に対するカプセル本体2および隔膜4の結合の両方が、真空チャンバ56の制御可能な気体環境内で行われる。