特許第6197270号(P6197270)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コクヨ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6197270-天板付家具 図000002
  • 特許6197270-天板付家具 図000003
  • 特許6197270-天板付家具 図000004
  • 特許6197270-天板付家具 図000005
  • 特許6197270-天板付家具 図000006
  • 特許6197270-天板付家具 図000007
  • 特許6197270-天板付家具 図000008
  • 特許6197270-天板付家具 図000009
  • 特許6197270-天板付家具 図000010
  • 特許6197270-天板付家具 図000011
  • 特許6197270-天板付家具 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6197270
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】天板付家具
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/02 20060101AFI20170911BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20170911BHJP
   F16B 12/30 20060101ALI20170911BHJP
   F16B 12/48 20060101ALI20170911BHJP
   F16B 12/52 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   A47B13/02
   A47B13/00 Z
   F16B12/30
   F16B12/48 A
   F16B12/52 A
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-173455(P2012-173455)
(22)【出願日】2012年8月3日
(65)【公開番号】特開2014-30629(P2014-30629A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】渡部 英一
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2002/0059889(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3091000(JP,U)
【文献】 特開2002−191442(JP,A)
【文献】 特表2010−528721(JP,A)
【文献】 特開2007−255431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00−41/06
F16B 12/00−12/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚体と、この脚体上の同じ高さ位置でそれぞれ交差する方向に延びる複数のフレーム及びこれら複数のフレームが互いに当接又は近接する位置で当該フレームを取り付けるフレーム取付部並びに前記複数のフレームのうち何れか一のフレームの中間部分を平面視通過させる通過許容部を有するフレーム支持体を有した前記脚体に支持される支持構造体と、前記フレームに支持される天板とを具備し、
前記脚体として、前記天板の両側端近傍に位置付けられる端部脚と、前記天板の長手方向中央に位置付けられる中間脚とを有し、前記フレーム支持体が、前記脚体の平面視の取付位置を変更可能に取り付け得る脚取付部を有し、前記脚取付部が、脚支柱の平面視の取り付け角度を変更可能としている天板付家具であって、
前記脚体が前記フレーム支持体を支持する脚支柱と、この脚支柱の下側に取り付けられこの脚支柱から平面視何れかの方向に延出する脚羽根とを有するものであり、
前記脚取付部が、前記脚羽根の延出方向を異ならせるべく当該脚支柱を平面視の取り付け角度を変更可能としていることを特徴とする天板付家具。
【請求項2】
脚体と、この脚体上の同じ高さ位置でそれぞれ交差する方向に延びる複数のフレーム及びこれら複数のフレームが互いに当接又は近接する位置で当該フレームを取り付けるフレーム取付部並びに前記複数のフレームのうち何れか一のフレームの中間部分を平面視通過させる通過許容部を有するフレーム支持体を有した前記脚体に支持される支持構造体と、前記フレームに支持される天板とを具備し、
前記脚体として、前記天板の両側端近傍に位置付けられる端部脚と、前記天板の長手方向中央に位置付けられる中間脚とを有し、前記フレーム支持体が、前記脚体の平面視の取付位置を変更可能に取り付け得る脚取付部を有し、前記脚取付部が、脚支柱の平面視の取り付け角度を変更可能としている天板付家具であって、
前記脚体が、脚支柱を有し、前記脚支柱が、平面視で扁平な形状をなすものであることを特徴とする天板付家具。
【請求項3】
前記天板が概略長方形状をなすとともに前記フレームが前記天板の長手方向及び短寸方向に沿って互いに直交する方向に延びるものとし、
前記フレーム支持体が前記天板の長手方向に延びる長手フレームを前記通過許容部によって通過させて支持している請求項1又は2記載の天板付家具。
【請求項4】
前記長手フレームが前記天板の長手方向の略全域に亘って伸びるものであり、
複数の前記フレーム支持体が前記長手フレームの両端近傍及び中間部分を支持するとともに前記脚体に支持されている請求項記載の天板付家具。
【請求項5】
前記フレームが対をなす立壁、底壁及び天壁を有した断面視略角パイプ状をなし、前記フレームが前記底壁及び天壁を上下から挟持されて前記フレーム支持体に取り付けられるとともに、前記フレーム支持体が前記対をなす立壁に両側からそれぞれ接し得る側当接面を有している請求項1、2、3又は4記載の天板付家具。
【請求項6】
脚体と、この脚体上の同じ高さ位置でそれぞれ交差する方向に延びる複数のフレーム及びこれら複数のフレームが互いに当接又は近接する位置で当該フレームを取り付けるフレーム取付部並びに前記複数のフレームのうち何れか一のフレームの中間部分を平面視通過させる通過許容部を有するフレーム支持体を有した前記脚体に支持される支持構造体と、前記フレームに支持される天板とを具備している天板付家具であって、
前記フレーム支持体が、前記脚体の平面視の取付位置を変更可能に取り付け得る脚取付部を有し、
前記脚体が、脚支柱を有し、前記脚支柱が、平面視で扁平な形状をなすものであることを特徴とする天板付家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等において好適に使用される天板付家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、会議室やフリーアドレスタイプのオフィス等で好適に用いられている天板付家具の一例として、複数の使用者が同時に使用できる単一の天板に対し、少なくとも長手方向両端、場合によっては長手方向両端及び中間部分に位置付けられた脚体が支持構造体を介して支持している態様をなす天板付家具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。斯かる態様の天板付家具では、支持構造体が天板を補強しつつ天板に掛かる荷重を脚体に伝えるために、天板の長手方向全域に亘るフレームを横架させた構造をなし、このフレームが天板を長手方向に隈無く支持しているため、天板における脚体から離間した箇所においても荷重を好適に脚体に伝えることができ、しかも天板自体が撓んでしまうことが好適に回避されている。また当該特許文献に記載の天板付家具では、角パイプ状のフレームの端部を例えば脚体に支持されてなるフレーム支持体に剛結すべく当該フレーム支持体の端部にフレーム端部内に挿入させるための部材を突設するとともにボルト挿通項を有した部品を別途フレーム端部に取り付けるという加工を施すことで、剛結に必要なボルトやナットの数を最小限に抑えながら強固な剛結を可能としている。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載のものは上記フレームの剛結のために当該フレームの端部には常に溶接等の格別な加工が要求されるものとなっている。また、フレームは常にフレーム支持体に端部を突き当てた状態で配置されるため、天板の中間部分に脚体を設ける場合には天板の長手方向の寸法に対応するフレームを用いることができず、複数のフレームを上記のように剛結して連結しなければならない、そうなると連結するフレームの数及び剛結に必要な部品等の数だけ、部品点数が増加するものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−147239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような不具合に着目したものであり、部品点数を抑えた簡素な構成としながらも天板への荷重に対する強度を有効に向上せしめた天板付家具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0007】
すなわち請求項1の発明に係る天板付家具は、脚体と、この脚体上の同じ高さ位置でそれぞれ交差する方向に延びる複数のフレーム及びこれら複数のフレームが互いに当接又は近接する位置で当該フレームを取り付けるフレーム取付部並びに前記複数のフレームのうち何れか一のフレームの中間部分を平面視通過させる通過許容部を有するフレーム支持体を有した前記脚体に支持される支持構造体と、前記フレームに支持される天板とを具備し、前記脚体として、前記天板の両側端近傍に位置付けられる端部脚と、前記天板の長手方向中央に位置付けられる中間脚とを有し、前記フレーム支持体が、前記脚体の平面視の取付位置を変更可能に取り付け得る脚取付部を有し、前記脚取付部が、脚支柱の平面視の取り付け角度を変更可能としている天板付家具であって、前記脚体が前記フレーム支持体を支持する脚支柱と、この脚支柱の下側に取り付けられこの脚支柱から平面視何れかの方向に延出する脚羽根とを有するものであり、前記脚取付部が、前記脚羽根の延出方向を異ならせるべく当該脚支柱を平面視の取り付け角度を変更可能としていることを特徴とする。
また、請求項2の発明に係る天板付家具は、脚体と、この脚体上の同じ高さ位置でそれぞれ交差する方向に延びる複数のフレーム及びこれら複数のフレームが互いに当接又は近接する位置で当該フレームを取り付けるフレーム取付部並びに前記複数のフレームのうち何れか一のフレームの中間部分を平面視通過させる通過許容部を有するフレーム支持体を有した前記脚体に支持される支持構造体と、前記フレームに支持される天板とを具備し、前記脚体として、前記天板の両側端近傍に位置付けられる端部脚と、前記天板の長手方向中央に位置付けられる中間脚とを有し、前記フレーム支持体が、前記脚体の平面視の取付位置を変更可能に取り付け得る脚取付部を有し、前記脚取付部が、脚支柱の平面視の取り付け角度を変更可能としている天板付家具であって、前記脚体が、脚支柱を有し、前記脚支柱が、平面視で扁平な形状をなすものであることを特徴とする。
【0008】
れらのようなものであれば、通過許容部を設けることにより、フレーム支持体がフレームの端部間に介在せずにフレームの中間部分を支持することができるので、脚体の数に拘わらずフレームの数を設定することができる。つまり、フレームの数を抑えることでフレーム自体及びフレームを取り付けるための部品の点数を有効に抑えた天板付家具を提供することができる。またフレームの数を抑えることでフレームの取り付け箇所を削減することにより、より強固な天板支持体を構成することができる。つまり本発明によれば、部品点数を抑えた簡素な構成としながらも天板への荷重に対する強度を有効に向上せしめた天板付家具を提供することができる。
また、フレーム支持体を、前記脚体の平面視の取付位置を変更可能に取り付け得る脚取付部を有したものとしているので、フレーム支持体が天板の何れの位置に配されていても脚体に天板からの荷重を好適に伝えるようにすることができる。
さらに、請求項1記載の発明の構成によれば、前記脚体を前記フレーム支持体を支持する脚支柱と、この脚支柱の下側に取り付けられこの脚支柱から平面視何れかの方向に延出する脚羽根とを有するものとし、前記脚取付部を、前記脚羽根の延出方向を異ならせるべく当該脚支柱を平面視の取り付け角度を変更可能としているので、フレーム支持体が脚体に好適に荷重を伝えることができる。
【0009】
また概略長方形状をなす天板を好適に支持し得るものとするためには、前記フレームを前記天板の長手方向及び短寸方向に沿って互いに直交する方向に延びるものとし、前記フレーム支持体が前記天板の長手方向に延びる長手フレームを前記通過許容部によって通過させて支持している態様とすることが望ましい。
【0010】
さらに天板の支持強度の高い構造とするためには、前記長手フレームを前記天板の長手方向の略全域に亘って伸びるものとし、複数の前記フレーム支持体を前記長手フレームの両端近傍及び中間部分を支持しつつ前記脚体に支持されるものとしていることが望ましい。
【0011】
フレームに対し格別な部材を取り付けるといった加工をすることなく強固にフレームを支持するためには、前記フレームが対をなす立壁、底壁及び天壁を有した断面視略角パイプ状をなし前記底壁及び天壁を上下から挟持されながら前記フレーム支持体に取り付けられるとともに、前記フレーム支持体が前記対をなす立壁に両側からそれぞれ接し得る側当接面を有する構成とすることが望ましい。
【0013】
また、請求項の発明に係る天板付家具は、脚体と、この脚体上の同じ高さ位置でそれぞれ交差する方向に延びる複数のフレーム及びこれら複数のフレームが互いに当接又は近接する位置で当該フレームを取り付けるフレーム取付部並びに前記複数のフレームのうち何れか一のフレームの中間部分を平面視通過させる通過許容部を有するフレーム支持体を有した前記脚体に支持される支持構造体と、前記フレームに支持される天板とを具備している天板付家具であって、前記フレーム支持体が、前記脚体の平面視の取付位置を変更可能に取り付け得る脚取付部を有し、前記脚体が、脚支柱を有し、前記脚支柱が、平面視で扁平な形状をなすものであることを特徴とする。
このような構成であっても、本発明の最も重要な効果、すなわち、部品点数を抑えた簡素な構成としながらも天板への荷重に対する強度を有効に向上せしめた天板付家具を提供することができるという効果、及び、フレーム支持体が天板の何れの位置に配されていても脚体に天板からの荷重を好適に伝えるようにすることができるという効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、部品点数を抑えた簡素な構成としながらも天板への荷重に対する強度を有効に向上せしめた天板付家具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る正面図。
図2】同平面図。
図3】同底面図。
図4】同左側面図。
図5】同斜視図。
図6】同要部の分解斜視図。
図7】同要部の拡大分解斜視図。
図8】同他の要部の拡大分解斜視図。
図9】同他の要部の拡大分解斜視図。
図10】同実施形態に係る作用説明図。
図11】同他の作用説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
本実施形態に係る天板付家具1は、図1乃至図11に示すように、オフィスや会議室等にて好適に使用され得るものであり、脚体2と、脚体2の上に取り付けられた支持構造体3と、この支持構造体3に支持されてなる天板4とを有するものであり、複数の使用者が天板4の一方の使用端4a側及び他方の使用端4b側からそれぞれ並んで同時に執務や会議等を行い得るものである。そして天板4の一方の使用端4a及び他方の使用端4bの間、すなわち短寸方向略中央には天板4に開口44が設けられるとともに配線ダクト5を取り付けてなる。
【0018】
しかして本実施形態に係る天板付家具1は、脚体2と、この脚体2上の同じ高さ位置でそれぞれ交差する方向に延びる複数のフレーム31及びこれら複数のフレーム31が互いに当接又は近接する位置で当該フレーム31を取り付けるフレーム取付部37並びに前記複数のフレーム31のうち何れか一のフレーム31の中間部分を平面視通過させる通過許容部39を有するフレーム支持体32を有した前記脚体2に支持される支持構造体3と、前記フレーム31に支持される天板4とを具備しているものである。
【0019】
以下、天板付家具1の各部の構成について説明する。
【0020】
脚体2は、図1乃至6、図10及び図11に示すように、床面上を平面視天板4の縁へ向かって延出する脚羽根21と、この脚羽根21の上端から立設して支持構造体3に取り付けられる脚支柱22と、天板4の短寸方向に隣接する脚支柱22の下端同士を連結する脚ビーム23とを有している。この脚体2は、支持構造体3に対し取り付け角度を異ならせて取り付けることにより、天板4の両側端4c近傍に位置付けられる端部脚2aと、天板4の長手方向中央に位置付けられる中間脚2bとを、それぞれ同形状をなす脚羽根21、脚支柱22及び脚ビーム23によって構成してなる。
【0021】
脚羽根21は、同図に示すように、例えばアルミダイキャストからなる脚羽根本体21aと、ボルト25によって脚支柱22に取り付けられるために2箇所に設けられたボルト挿通孔21bと、脚ビーム23を脚支柱22との間に挟持させるための凹み部21cと、脚羽根本体21aの先端に取り付けられたアジャスタ21dとを有してなる。凹み部21cは脚ビーム23の両端形状に応じて成形された湾曲凹面21eを有している。これにより脚羽根21と脚ビーム23とは支持構造体3に取り付けられる前の状態では一定の範囲で回転可能となっており、脚羽根21と脚ビーム23との相対角度は、脚支柱22が固定される角度により決定される。そして脚羽根本体21aの基端部において脚支柱22の内側形状に対応する平面視形状を突出させることにより挿入端21fを設けるとともに、この挿入端21fの周縁を脚支柱22に当接し得る当接端21gとしている。これにより挿入端21fが脚支柱22に下側から嵌り込み当接端21gが脚支柱22の下端に当接することで、脚羽根21と脚支柱22との正確な位置決め並びに強固な取付を実現している。
【0022】
脚支柱22は、同図に示すように、平面視で扁平な形状をなすパイプ状の支柱本体22aと、支柱本体22aの下側に溶接された板材22dの両端に対をなして形成された下端側雌ねじ穴22bと、上端の平面視中央に形成されたボルト24に螺合する上端側雌ねじ穴22cとを有している。また脚支柱22は下端22eよりも若干上側に下端側雌ねじ穴22bを設けている板材22dを位置付けることで内側には前記挿入端21fに嵌合し得る嵌合部22fを形成している。
【0023】
脚ビーム23は、同図に示すように、平面方向に延出する丸みを帯びたパイプ状をなすビーム本体23aと、このビーム本体23aの両端を若干寸法上方に膨出させながら円筒状に形成された回動端部23bと、この回動端部23bの平面視略中央において上下に貫通させてボルト25を挿通させ得るボルト挿通孔23cとを有している。
【0024】
支持構造体3は、図1乃至図9に示すように、この脚体2上の同じ高さ位置でそれぞれ交差するように延びるフレーム31と、フレーム31が互いに当接又は近接する位置で当該フレーム31を取り付けているフレーム支持体32と、フレーム支持体32の上側に取り付けられる取付板33と、フレーム31と天板4との間に介在するスペーサ34と、天板4の側端4c、使用端に近接するフレーム31の端面31dに取り付けられるキャップ35とを有している。
【0025】
フレーム31は、図1乃至図4図6乃至図9に示すように、例えばアルミの押し出し成形によって天壁31e、底壁31f及び立壁31gを有するパイプ状をなすもので、前記天壁31e及び底壁31fにそれぞれ断面視テーパ形状をなす上側凹部31j及び下側凹部31kを上下対称に形成することで断面視概略H形状をなす。そしてこのフレーム31は、一又は長手方向の複数箇所において上側凹部31j及び下側凹部31kを貫通するよう設けられたボルト挿通孔31hと、下側凹部31kのみに穿たれフレーム支持体32に位置決めされるための被取付穴31iとを有している。
【0026】
このフレーム31は、それぞれ長さ寸法を異ならせることにより、前記天板4の長手方向略全域に亘って2本平行に伸びる長手フレームたるメインフレーム31aと、前記天板4の短寸方向に沿って前記メインフレーム31aに直交する方向に延び対をなすメインフレーム31a間に介在する中間フレーム31bと、メインフレーム31aから天板4の使用端へ向かって延びる端フレーム31cとを構成している。メインフレーム31aは両端面31dにそれぞれキャップ35が取り付けられるとともに、長手方向中央及び両端近傍には対をなした被取付穴31iがそれぞれ形成されている。また、長手方向中央と長手方向端部との略中間位置、そして端面31dよりも若干寸法内側の箇所にはボルト挿通孔31hがそれぞれ形成されている。中間フレーム31bは両端近傍にはそれぞれ被取付穴31iが形成されている。端フレーム31cは一端側に被取付穴31iが形成されるとともに他端側の端面31dにはキャップ35が取り付けられ、その近傍にはボルト挿通孔31hが形成されている。
【0027】
フレーム支持体32は、図1乃至図4図6図7及び図9に示すように、例えばアルミダイキャスト製のもので上面側が平面視十字形状に抉られた概略円柱形状をなすものである。このフレーム支持体32は、下側に位置付けられ脚体2を取り付けるための脚取付部36と、天板4の長手方向及び短寸方向に延びるフレーム31を下側から包むように取り付け得る四つのフレーム取付部37と、この四つのフレーム取付部37に囲まれる位置に設けた空間である通過許容部39と、取付板33を介して天板4を載せ置き固定するための天板取付部38とを有している。
【0028】
脚取付部36は特に図9に示すように、底面視概略X形状に凹ませた溝の中心に開口を設けた構成をなすもので、前記溝のうち天板4の側端4cに沿って延びる溝を中間脚取付溝36cとし、この中間脚取付溝36cから45°の角度をなして延びる溝を端部脚取付溝36aとしている。さらに脚取付部36は、平面視中央又は略中央において上下に貫通させて穿たれた端部脚取付孔36b及び中間脚取付孔36dの何れかを有している。図9では端部脚取付孔36bを実線で図示し、この端部脚2aから若干寸法使用端4a(4b)よりに形成される中間脚取付孔36dを想像線で示している。なお本実施形態では図9において両取付孔36b、36dの何れかを穿つ態様としたが勿論、これら両方の位置での取付が可能なように平面視瓢箪形状や長円状の取付孔を穿ってもよいことはいうまでもない。
【0029】
フレーム取付部37はフレーム支持体32の上面側を平面視十字形にフレーム31の高さ寸法と同寸法か或いは若干浅い寸法だけ抉ることにより通過許容部39とともに設けたものである。すなわち当該十字形の交差部分を通過許容部39としてフレーム31の通過を許容している。そしてこのフレーム取付部37は前記通過許容部39から前後左右四方に離間した位置において、フレーム31の下側凹部31kに嵌合し得る断面視台形状に突出する嵌合突起37aと、この嵌合突起37aから上方に円柱形状に一体的にアルミ素材を突出させてフレーム31の被取付穴31iに挿入し得る固定突起37bと、フレーム31の左右の立壁31gに略隙間無く当接し得る側当接面37cとを有している。
【0030】
そして通過許容部39は、フレーム取付部37間に介在する部分であり、フレーム取付部37に取り付けられる一のフレーム37のみを通過させ得るものである。本実施形態では全ての通過許容部39が天板4の長手方向に延出するメインフレーム31aを通過させるようにしているが勿論、短寸方向に延出するフレーム31を通過させるものであっても良い。
【0031】
天板取付部38は、フレーム支持体32の上端四箇所において取付板33に接する板取付面38aとこの板取付面38aの中央に設けられた雌ねじ穴である板取付穴38bとを有している。
【0032】
取付板33は、図2乃至図4図6及び図7に示すように、フレーム支持体32に対し上側から取り付けることでフレーム31をフレーム支持体32とともに上下から挟持するとともにフレーム支持体32を天板4に固定するためのものである。この取付板33は平面視概略正方形状をなす板本体33aと、挟持ボルト33dを上方から挿入させてフレーム支持体32に取り付けるための第一ボルト孔33bと、下方から取付ボルト33eを挿入させて天板4に取り付けるための第二ボルト孔33cとを有している。第一ボルト孔33bは縁部を傾斜させ概略すり鉢形状に構成することで、挟持ボルト33dを取り付けた状態で挟持ボルト33dの上面と取付板33の上面とが略面一となり、挟持ボルト33dが天板4に干渉することを回避している。
【0033】
スペーサ34は、図6乃至図8に示すように、例えば樹脂の一体成形からなるもので、フレーム31のボルト挿通孔31iを設けた位置でフレーム31の上側凹部31jに取り付けることでフレーム31の天壁31eと天板4との間に挟持させることで、天板4の荷重を隈無くフレーム31に伝えるためのものである。このスペーサ34は前記取付板33と略同じ厚み寸法を有する平面視矩形状のスペーサ本体34aと、このスペーサ本体34aから下方に突出する筒状部34bと、これらスペーサ本体34a及び筒状部34bを上下に貫通する孔であるボルト挿通孔34cとを有している。さらに筒状部34bは図7及び図8に示すように、一部がボルト挿通孔31hに嵌合する嵌合端34eと、この嵌合端34eの若干上側でフレーム31の上側凹部31jに当接する段部34fとを有している。
【0034】
キャップ35はメインフレーム31aの両端面31d及び端フレーム31cの他方の端面31dにそれぞれ嵌合させることで、外方からフレーム31の端面31dが露出することを回避するためのものである例えば樹脂の一体成形によってなるものである。
【0035】
天板4は、図1乃至図5及び図8に示すように、一方の使用端4a側及び他方の使用端4bからそれぞれ使用者が向かい合って上面4d上で執務が可能なまでの側端4cの寸法すなわち短寸寸法を有するとともに複数の使用者が長手方向に並んだ状態で執務を同時に行うに足る長手寸法を有した平面視略長方形状のもので、前記支持構造体3の上方に配されている。この天板4は、例えば、木製の芯材41と、この芯材41の上面に添設されたメラミン樹脂板等の化粧板42と、この化粧板42及び前記芯材41の周縁を包囲するエッジ部材43とを具備してなる。前記芯材41の下面41a側における前記フレーム31のボルト挿通孔31h及び取付板33の第二ボルト孔33cに対応する部位には、インサートナット41bが埋設されている。
【0036】
この天板4は、前記支持構造体3の取付板33及びスペーサ34上に配置され、前記ボルト挿通孔31h及び第二ボルト孔33cを通して前記インサートナット41bに螺着される挿通ボルト34d及び取付ボルト33eにより該支持構造体3上に固定されている。そしてこの天板4には、短寸方向における略中央位置であり且つ長手方向における端部脚2a及び中間脚2bの中間である二箇所において開口44を形成し、この開口44に配線ダクト5を取り付けている。
【0037】
配線ダクト5は、図2図3及ぶ図5に示すように、天板4の開口44下方に配線類を好適に案内し得るものであり、天板4の上面4dに略面一となるよう取り付けられ一方の使用端4a側及び他方の使用端4b側の両方から開くことができる蓋体51と、開口44の縁部に取り付けられ、適宜変形することにより蓋体51が綴じられた状態で配線を開口44を通じて案内し得る軟質部材52と、前記蓋体51を開閉可能に支持してなる蓋支持体53とを具備してなる。またこの配線ダクト5は天板4下に導入された配線を好適に案内し得るダクト本体等をさらに取り付けてなるものであるが、本実施形態ではダクト本体等の図示並びに詳細な説明を所略する。
【0038】
以上のような構成とすることにより本実施形態に係る天板付家具1は、フレーム支持体32がフレーム取付部37間にフレーム31の中間部分を平面視通過させる通過許容部39を設けている。その結果フレーム支持体32が、前記天板4の長手方向の略全域に亘って伸びる長手フレームたるメインフレーム31aの端部ではなく中間部分を支持できるようにして、フレーム支持体32の存在によりフレーム31を分断することを回避してフレーム31の連結箇所を削減し、部品点数の削減と強度の維持とを有効に両立させている。
【0039】
また本実施形態では、前記フレーム31を前記天板4の長手方向及び短寸方向に沿って互いに直交する方向に延びるものとし、前記フレーム支持体32が前記天板4の長手方向に延びるメインフレーム31aを前記通過許容部39によって通過させて支持しているので、長方形状の天板4に対して隈無く確実に支持し得るものとなっている。
【0040】
さらに天板4の支持強度の高い構造とするために本実施形態では換言すれば、天板4の長手寸法に略等しい長さを有したメインフレーム31aを適用することで、フレーム31の連結箇所を削減し、部品点数の削減と強度の維持とを有効に両立させている。またフレーム支持体32が前記長手フレーム31の中間部分を支持しつつ前記脚体2に支持されるものとし、天板4からの荷重を支持構造体3が好適に脚体2に伝わるものとしている。
【0041】
特に本実施形態ではフレーム支持体32が取付板33とともにフレーム31を前記底壁31f及び天壁31eを上下から挟み込んで挟持ボルト33dにより強固に固定しつつ上下から圧縮されている立壁31gの両側方には側当接面37cを形成することによって、フレーム31の変形を抑えながらも強固な取り付けを実現している。これによりメインフレーム31aのみならず一端のみがフレーム支持体32に支持されている端フレーム31cも強固に固定され、他端にて天板4スペーサ34を介して天板4からの荷重を好適に受け得るものとなっている。
【0042】
特に本実施形態では、フレーム31を上下からの挟み込みにより固定するので、フレーム31に対して行った加工は下側凹部31kに被取付穴31i及びボルト挿通孔31hを設けるのみといった孔を穿つという簡素な加工のみで強固なフレーム31の取り付けを実現している。
【0043】
また本実施形態では、脚体2の平面視の取付位置を変更可能に取り付け得る脚取付部36を有することにより、フレーム支持体32が天板4の何れの位置に配されていても脚体2に天板4からの荷重を好適に伝え得るようにしている。加えて脚取付部36により、端部脚2aであっても中間脚2bであっても同形状のフレーム支持体32を適用することで、6つある全てのフレーム支持体32を端部脚取付孔36b及び中間脚取付孔36dの位置以外は同形状のものとして、部品の共有率を有効に向上せしめている。
【0044】
そして本実施形態ではフレーム支持体32が脚体2により好適に荷重を伝えるため、脚取付部36が当該脚支柱22の平面視の取り付け角度を変更可能とし、前記脚羽根21の延出方向を異ならせている。これにより上述した効果に加え、脚体2を構成する部品の共有率の向上にも資するものとなっている。
【0045】
特に本実施形態では、前記脚体2を構成する脚支柱22、脚羽根21及び脚ビーム23を、端部脚2a、中間脚2b問わず同じ形状のものとしている。具体的に説明すると、前記脚体2は、平面視長方形状をなす前記天板4のうち互いに近接した隅部近傍にそれぞれ位置付けられた前記フレーム支持体32の前記脚取付部36に対し前記脚羽根21が隅部へ向かって延びる方向に前記脚支柱22が取り付けられることにより端部脚2aを構成している。一方、前記天板4の長手方向中間部分且つ短寸方向の縁部近傍にそれぞれ位置付けられた前記フレーム支持体32の前記脚取付部36に対し前記脚羽根21が脚ビーム23とともに前記縁部に向かって直線状に延びる方向に前記脚支柱22が取り付けられることにより中間脚2bを構成している。ここで、前記フレーム支持体32の脚取付部36において、端部脚取付孔36bと中間脚取付孔36dとの位置が互いに異なるのは、脚支柱22の取り付け角度の違いによって発生する両脚支柱22間の最短距離の違いを吸収するためである。換言すれば、脚支柱22の取付角度が変わっても脚羽根21における凹み部21c間の位置を同じとすることで端部脚2a及び中間脚2bで同寸法の脚ビーム23を用いることを実現している。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0047】
例えば、上記実施形態では平面視長方形状の天板に対し、それぞれ直交する方向にフレームを配置した態様を開示したが、天板の形状は長方形状に限られない。例えば円形状の天板であっても良い。またフレームの配置も直交する方向に延びるものに限られず、フレーム支持体の形状によっては、例えば3方向や5以上の方向に放射状にフレームを取り付け得るものであっても良い。さらには、上記実施形態ではフレーム支持体が全て脚体に支持される態様を開示したが勿論、脚体に支持されていない箇所にフレーム支持体を設けても良い。これにより、フレーム支持体の位置で2本のフレームを長手方向に連結したり、隣接する例えば2枚の天板の上面を面一としながら連結したりすることで、フレームの配置や天板のサイズを設定する自由度を大きく向上させることができる。またフレームやフレーム支持体の具体的な形状、態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
【0048】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明はオフィス等において好適に使用される天板付家具として利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1…天板付家具
2…脚体
21…脚羽根
22…脚支柱
3…支持構造体
31…フレーム
31a…長手フレーム(メインフレーム)
31e…天壁
31f…底壁
31g…立壁
32…フレーム支持体
36…脚取付部
37c…側当接面
39…通過許容部
4…天板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11