特許第6197352号(P6197352)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6197352ネットワークストレージ装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6197352
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】ネットワークストレージ装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/46 20060101AFI20170911BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   H04L12/46 100B
   H04L12/28 200A
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-97392(P2013-97392)
(22)【出願日】2013年5月7日
(65)【公開番号】特開2014-220606(P2014-220606A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】390040187
【氏名又は名称】株式会社バッファロー
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】荒木 甲和
(72)【発明者】
【氏名】山田 祐輝
【審査官】 衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−011341(JP,A)
【文献】 特開2013−110627(JP,A)
【文献】 米田 聡 他,HDDを活用するグッズ&ソフトウェア,DOS/V magazine,日本,2007年 5月 1日,第16巻,第5号,p.54〜56
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/46
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを蓄積する蓄積部を有するネットワークストレージ装置であって、
第1のネットワークインタフェースと、
第2のネットワークインタフェースと、
前記第1、第2のネットワークインタフェースのそれぞれを介して接続される機器間の通信を中継するブリッジ部と、
前記ブリッジ部を起動ないし停止制御する制御部と、
を含み、
前記制御部は、前記第1のネットワークインタフェースを介して接続される機器に対して、所定の設定がされている場合に前記ブリッジ部の動作を停止制御し、前記第1のネットワークインタフェースを介して接続された機器に対し、前記第1のネットワークインタフェースとの通信が可能なアドレスを設定するDHCPサーバを起動するネットワークストレージ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワークストレージ装置であって、
前記制御部は、前記第2のネットワークインタフェースを介してアドレス設定を受け入れることができない場合に、前記ブリッジ部の動作を停止制御し、前記第1のネットワークインタフェースを介して接続された機器に対し、前記第1のネットワークインタフェースとの通信が可能なアドレスを設定するDHCPサーバを起動するネットワークストレージ装置。
【請求項3】
データを蓄積する蓄積部を有するネットワークストレージ装置であって、
第1のネットワークインタフェースと、
第2のネットワークインタフェースと、
前記第1、第2のネットワークインタフェースのそれぞれを介して接続される機器間の通信を中継するブリッジ部と、
前記ブリッジ部を起動ないし停止制御する制御部と、
を含み、
前記制御部は、前記第2のネットワークインタフェースを介してアドレス設定を受け入れることができない場合に、前記ブリッジ部の動作を停止制御し、前記第1のネットワークインタフェースを介して接続された機器に対し、前記第1のネットワークインタフェースとの通信が可能なアドレスを設定するDHCPサーバを起動するネットワークストレージ装置。
【請求項4】
請求項2または3記載のネットワークストレージ装置であって、
前記第1のネットワークインタフェースを介して接続された機器に対して、前記起動したDHCPサーバによりアドレスを設定した後には、前記第2のネットワークインタフェースを介してアドレスの取得を試み、アドレスが取得できた場合には、
前記起動したDHCPサーバを停止し、
当該DHCPサーバの停止後の所定のタイミングで前記ブリッジ部を起動し、
前記第1のネットワークインタフェースをリンクダウンした後、当該第1ネットワークインタフェースを再度リンクアップする動作を行って、
前記第2のネットワークインタフェースを介してアドレスの取得を試みて取得したアドレスを、前記第1のネットワークインタフェースを介して接続された機器に対して設定するネットワークストレージ装置。
【請求項5】
データを蓄積する蓄積部と、第1のネットワークインタフェースと、第2のネットワークインタフェースとを有するネットワークストレージ装置を、
前記第1、第2のネットワークインタフェースのそれぞれを介して接続される機器間の通信を中継するブリッジ手段と、
前記ブリッジ手段としての機能を起動ないし停止制御する制御手段と、
として機能させ、
前記制御手段として機能させる際には、前記第1のネットワークインタフェースを介して接続される機器に対して、所定の設定がされている場合に前記ブリッジ手段の動作を停止制御し、前記第1のネットワークインタフェースを介して接続された機器に対し、前記第1のネットワークインタフェースとの通信が可能なアドレスを設定するDHCPサーバを起動させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NAS(Network Attached Storage)等のネットワークストレージ装置、及びそれを制御するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のネットワークインタフェースを備えて、各ネットワークインタフェースにそれぞれ接続された機器間での通信を可能とするブリッジ装置が広く知られている。
【0003】
また携帯端末との通信を行うホームエージェントに障害が生じたときに、当該障害が生じたホームエージェントとは異なる他のホームエージェントから携帯端末のIPアドレスを変更制御するため、携帯端末の無線接続を一度切断し、携帯端末側にネットワークへの再接続を試行させることで復旧制御を行う技術が、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−167022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、データを蓄積する蓄積手段としてのハードディスクドライブ(HDD)やソリッド・ステート・ドライブ(SSD)装置等を備えるとともに、複数のネットワークインタフェースを備えて、各ネットワークインタフェースにそれぞれ接続された機器に対して、蓄積手段としてのHDD等へのデータ蓄積を行わせ、またこのHDD等からのデータの読み出しを行わせる、いわゆるネットワークストレージ装置がある。
【0006】
しかしながら、このように複数のネットワークインタフェースを備える場合、当該ネットワークストレージ装置は、各ネットワークインタフェースにそれぞれ接続された機器間での通信を可能とするブリッジ装置としての機能を構成できるものは知られていない。
【0007】
また、例えばオーディオデータをこのネットワークストレージ装置から読み出して復号処理する、いわゆる「プレーヤー」が接続される場合、このプレーヤーは通常、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)クライアントとして機能し、当該プレーヤーが接続されたネットワーク上でDHCPサーバとして機能する機器からIPアドレスの割当を受ける必要がある。
【0008】
この場合に、例えばオーディオデータへの影響を避けるために、上記複数のネットワークインタフェースを備えるネットワークストレージ装置の、上記ネットワークインタフェース(区別のため第1のネットワークインタフェースと呼ぶ)の一つにプレーヤーを直接接続してしまうと、このプレーヤーは当該ネットワークストレージ装置の他のネットワークインタフェース(第2のネットワークインタフェースとする)に接続されているDHCPサーバ装置との通信ができないこととなり、IPアドレスの割当を受けることができない。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、ブリッジとしても動作可能であり、DHCPクライアントとして機能する機器がいずれかのネットワークインタフェースに直接接続された場合であっても、当該DHCPクライアントとして機能する機器に対してIPアドレスの割当を行うことができるネットワークストレージ装置を提供することを、その目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、データを蓄積する蓄積部を有するネットワークストレージ装置であって、第1のネットワークインタフェースと、第2のネットワークインタフェースと、前記第1、第2のネットワークインタフェースのそれぞれを介して接続される機器間の通信を中継するブリッジ部と、前記ブリッジ部を起動ないし停止制御する制御部と、を含むこととしたものである。
【0011】
これにより、ブリッジとして機能して各ネットワークインタフェースのそれぞれを介して接続される機器間の通信を可能としている。また、ブリッジとして機能すべきでない場合には、当該機能を停止制御できる。
【0012】
またここで前記制御部は、前記第1のネットワークインタフェースを介して接続される機器に対して、所定の設定がされている場合に前記ブリッジ部の動作を停止制御し、前記第1のネットワークインタフェースを介して接続された機器に対し、前記第1のネットワークインタフェースとの通信が可能なアドレスを設定するDHCPサーバを起動することとしてもよい。
【0013】
これにより、DHCPサーバへのアクセスができない状態で、DHCPクライアントとして機能する機器がいずれかのネットワークインタフェースに接続された場合であっても、当該DHCPクライアントとして機能する機器に対してIPアドレスの割当を行うことができる。
【0014】
さらに前記制御部は、前記第2のネットワークインタフェースを介してアドレス設定を受け入れることができない場合に、前記ブリッジ部の動作を停止制御し、前記第1のネットワークインタフェースを介して接続された機器に対し、前記第1のネットワークインタフェースとの通信が可能なアドレスを設定するDHCPサーバを起動することとしてもよい。
【0015】
これにより、DHCPサーバへのアクセスができない状態で、DHCPクライアントとして機能する機器がいずれかのネットワークインタフェースに接続された場合であっても、当該DHCPクライアントとして機能する機器に対してIPアドレスの割当を行うことができる。
【0016】
またこのとき、前記第1のネットワークインタフェースを介して接続された機器に対して、前記起動したDHCPサーバによりアドレスを設定した後には、前記第2のネットワークインタフェースを介してアドレスの取得を試み、アドレスが取得できた場合には、前記起動したDHCPサーバを停止し、当該DHCPサーバの停止後の所定のタイミングで前記ブリッジ部を起動し、前記第1のネットワークインタフェースをリンクダウンした後、当該第1ネットワークインタフェースを再度リンクアップする動作を行って、前記第2のネットワークインタフェースを介して取得したアドレスを、前記第1のネットワークインタフェースを介して接続された機器に対して設定することとしてもよい。
【0017】
これにより、外部のDHCPサーバが復旧したときには、当該復旧した外部のDHCPサーバからのIPアドレスの割当を受けることができるよう制御できる。
【0018】
また本発明の一態様に係るプログラムは、データを蓄積する蓄積部と、第1のネットワークインタフェースと、第2のネットワークインタフェースとを有するネットワークストレージ装置を、前記第1、第2のネットワークインタフェースのそれぞれを介して接続される機器間の通信を中継するブリッジ手段と、前記ブリッジ手段としての機能を起動ないし停止制御する制御手段と、として機能させることとしたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、DHCPクライアントとして機能する機器がいずれかのネットワークインタフェースに直接接続された場合であっても、当該DHCPクライアントとして機能する機器に対してIPアドレスの割当を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態に係るネットワークストレージ装置の構成例を表すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係るネットワークストレージ装置の例を表す機能ブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係るネットワークストレージ装置の動作例を表すフローチャート図である。
図4】本発明の実施の形態に係るネットワークストレージ装置のもう一つの動作例を表すフローチャート図である。
図5】本発明の実施の形態に係るネットワークストレージ装置によるまた別の動作例を表すフローチャート図である。
図6】本発明の実施の形態に係るネットワークストレージ装置の接続例を表す概要ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係るネットワークストレージ装置1は、図1に例示するように、制御部11と、記憶部12と、データ蓄積部13と、操作部14と、表示部15と、通信部16とを含んで構成されている。また通信部16は第1のネットワークインタフェース16aと、第2のネットワークインタフェース16bとの複数のネットワークインタフェースを含む。
【0022】
制御部11は、CPU等のプログラム制御デバイスであり、記憶部12に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態においてこの制御部11は、第1、第2のネットワークインタフェース16a,bのそれぞれを介して接続される機器間の通信を中継するブリッジ部として機能するとともに、このブリッジ部としての動作を起動ないし停止制御する制御部としても動作する。この制御部11の詳しい動作の内容については後に述べる。
【0023】
記憶部12は、制御部11によって実行されるプログラムを保持する。このプログラムは、DVD−ROM等のコンピュータ可読な記録媒体に格納されて提供され、あるいはネットワーク等の通信手段を介して提供され、この記憶部12に格納される。またこの記憶部12は、制御部11のワークメモリとしても動作する。
【0024】
データ蓄積部13は、ハードディスクドライブ(HDD)や、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、またはこれらの複数の組み合せ等を含むディスクデバイスであり、制御部11から入力される指示に従い、制御部11が通信部16を介して外部の機器から受信したデータを蓄積して記録する。また、このデータ蓄積部13に格納されたデータは制御部11によって読み出され、通信部16を介して外部の機器へ送出される。
【0025】
操作部14は、ボタン等であり、利用者の指示操作を受け入れて、当該指示操作の内容を表す情報を、制御部11に出力する。表示部15はディスプレイ装置等であり、制御部11から入力される指示に従って、情報を表示出力する。
【0026】
通信部16は、上述の通り複数のネットワークインタフェースを含む。この通信部16に含まれる第1のネットワークインタフェース16aと、第2のネットワークインタフェース16bとはそれぞれ外部のコンピュータ制御機器との間で、ネットワークを介してデータを授受する。例えば、この通信部16の第1のネットワークインタフェース16aは、外部の機器からデータの読み出し指示を受け入れて制御部11に当該指示を出力する。なお、以下の例では、このネットワークストレージ装置1の通信部16はイーサネット(登録商標)の規格に基づくネットワークインタフェースであるものとする。
【0027】
ここで制御部11の動作について説明する。本実施の形態の一例では、この制御部11は、第1、第2のネットワークインタフェース16a,bのそれぞれを介して接続される機器間の通信を中継するブリッジ部として機能する。具体的にここでは第1のネットワークインタフェース16a,第2のネットワークインタフェース16b、並びに、これら第1,第2のネットワークインタフェース16a,bに接続されている機器には、いずれも同一のネットワークに属するアドレスが設定されているものとする。つまり、このネットワークがIP(Internet Protocol)を用いて通信を行うネットワークであれば、第1のネットワークインタフェース16a,第2のネットワークインタフェース16b、並びに、これら第1,第2のネットワークインタフェース16a,bに接続されている機器のそれぞれに設定されるIPアドレスのネットワークアドレス部分はいずれも同じ値となっている。
【0028】
制御部11は、ブリッジ部としての動作を行うべきか否かを判断する。本実施の形態の一例では、この判断は利用者から入力される指示に従って行われる。すなわち利用者がブリッジ部としての動作を行うべき旨の指示を行うと、制御部11はブリッジ部としての動作を行い、第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのそれぞれについて、接続されている機器のMAC(Media Access Control)アドレスを取得してリストを生成する。制御部11はブロードキャストフレームが第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのいずれかを一方を介して受信されると、第1,第2のネットワークインタフェース16a,bの他方を介して当該ブロードキャストフレームを送出する。
【0029】
また制御部11は、第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのいずれか一方を介して受信したユニキャストフレーム(特定の機器のMACアドレスを宛先として含むフレーム)について、その宛先となったMACアドレスを参照し、当該MACアドレスが第1,第2のネットワークインタフェース16a,bの他方側について生成されたリストに含まれていれば、当該第1,第2のネットワークインタフェース16a,bの他方側を介して、当該ユニキャストフレームを送出する。この動作は広く知られているブリッジ部としての機能と同様のものである。
【0030】
一方で制御部1は、利用者がブリッジ部としての動作を行うべきでない旨の指示を行うと、制御部11はブロードキャストフレームが第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのいずれかを一方を介して受信されると、第1,第2のネットワークインタフェース16a,bの他方を介して当該ブロードキャストフレームを送出することなく、当該ブロードキャストフレームを処理する。
【0031】
またこの場合、制御部11は、第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのいずれか一方を介して受信したユニキャストフレーム(特定の機器のMACアドレスを宛先として含むフレーム)について、その宛先となるMACアドレスを参照し、当該宛先となったMACアドレスが、ユニキャストフレームを受信した第1または第2のネットワークインタフェース16a,bのいずれかに設定されたMACアドレスであれば、当該ユニキャストフレームを受信して処理する。また、当該宛先となったMACアドレスが、当該ユニキャストフレームを受信した第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのいずれかに設定されたMACアドレスでなければ、制御部11は当該ユニキャストフレームを破棄する。
【0032】
このように制御部11は、本実施の形態の一つの例においては、利用者の指示により、ブリッジ部としての動作を行うか否かを判断する。そしてブリッジ部としての動作を行うと判断すると、ブリッジ部を起動する(つまり制御部11をブリッジ部として機能させるプログラムに従って動作する)。また、ブリッジ部としての動作を行わない旨、判断すると、ブリッジ部を停止制御する(つまり制御部11はブリッジ部として動作しない)。
【0033】
また本実施の形態の別の例に係る制御部11は、記憶部12に格納されているプログラムを実行することにより、機能的に、図2に示すように、ブリッジ部21と、モード設定部22と、モード判定部23と、ブリッジ設定部24と、アドレス設定部25と、再起動制御部26とを含むものとして動作する。
【0034】
ここでブリッジ部21は、起動状態と、停止制御状態とのいずれかの状態に制御される。ブリッジ部21は起動状態にあるときには、第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのそれぞれについて、接続されている機器のMAC(Media Access Control)アドレスを取得してリストを生成する。ブリッジ部21は、ブロードキャストフレームが第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのいずれかを一方を介して受信されると、第1,第2のネットワークインタフェース16a,bの他方を介して当該ブロードキャストフレームを送出する。
【0035】
またブリッジ部21は、起動状態にあるときに第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのいずれか一方を介してユニキャストフレーム(特定の機器のMACアドレスを宛先として含むフレーム)を受信すると、当該ユニキャストフレームの宛先となったMACアドレスを参照する。そしてブリッジ部21は、当該参照したMACアドレスが第1,第2のネットワークインタフェース16a,bの他方側について生成されたリストに含まれていれば、当該第1,第2のネットワークインタフェース16a,bの他方側を介して、当該ユニキャストフレームを送出する。この動作は広く知られているブリッジ部としての機能と同様のものである。
【0036】
ブリッジ部21は、停止制御状態にあるときには、ブロードキャストフレームが第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのいずれかを一方を介して受信されると、第1,第2のネットワークインタフェース16a,bの他方を介して当該ブロードキャストフレームを送出することなく、当該ブロードキャストフレームを処理する。
【0037】
またこの場合、ブリッジ部21は、第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのいずれか一方を介してユニキャストフレーム(特定の機器のMACアドレスを宛先として含むフレーム)を受信すると、当該ユニキャストフレームの宛先となるMACアドレスを参照する。そしてブリッジ部21は、当該参照した、宛先となったMACアドレスが、当該ユニキャストフレームを受信した第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのいずれかに設定されたMACアドレスであれば、当該ユニキャストフレームを受信して処理する。また、当該宛先となったMACアドレスが、当該ユニキャストフレームを受信した第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのいずれかに設定されたMACアドレスでなければ、ブリッジ部21は、当該ユニキャストフレームを破棄する。
【0038】
モード設定部22は、利用者が第1のネットワークインタフェース16aを「直結モード」に設定する旨の指示操作を行うと、第1のネットワークインタフェース16aのモードが「直結モード」である旨の情報を記憶する。また、利用者が第1のネットワークインタフェース16aを「通常モード」に設定する旨の指示操作を行うと、第1のネットワークインタフェース16aのモードが「通常モード」である旨の情報を記憶する。またこのモード設定部22は、モードが「直結モード」から「通常モード」に切り替えられると、再起動制御部26に対して第1のネットワークインタフェース16aの再起動処理を実行する。
【0039】
モード判定部23は、利用者の指示により、第1のネットワークインタフェース16aが「直結モード」に設定されているか、「通常モード」に設定されているかを判断する。そして当該判断の結果をブリッジ設定部24に出力する。
【0040】
ブリッジ設定部24は、ネットワークストレージ装置1の起動時(電源投入時あるいはリセット時)には、ブリッジ部21を、予め(デフォルトとして)設定された状態とする。一例としてこのブリッジ設定部24は、ネットワークストレージ装置1の起動時にはブリッジ部21を起動状態とする。またこのブリッジ設定部24は、モード判定部23が「直結モード」に設定されていると判断したときには、ブリッジ部21を停止制御状態とするとともに、アドレス設定部25に対して、第1のネットワークインタフェース16aを介して接続された装置に対してアドレスを設定するよう指示する。
【0041】
さらにこのブリッジ設定部24は、アドレス設定部25から第2のネットワークインタフェース側のIPアドレスの設定に失敗した旨の情報が入力されると、ブリッジ部21を停止制御状態とするとともに、アドレス設定部25に対して、第1のネットワークインタフェース16aを介して接続された装置に対してアドレスを設定するよう指示する。
【0042】
アドレス設定部25は、通信部16に含まれる第1,第2のネットワークインタフェース16a,bのそれぞれに対してIPアドレスを設定する。また、このアドレス設定部25は、ブリッジ設定部24からの指示に従い、DHCPサーバを起動し、当該DHCPサーバにより、第1のネットワークインタフェース16aを介して接続された装置に対して、第1のネットワークインタフェース16aに割当てたIPアドレスとネットワークアドレスを共通にするIPアドレスを通知して、当該機器のIPアドレスとして割り当てる。
【0043】
さらにこのアドレス設定部25は、上記起動したDHCPサーバにより、第1のネットワークインタフェース16aを介して接続された装置に対してIPアドレスを設定した後、予め定めたタイミングごとに(例えば定期的に)、第2のネットワークインタフェース16bを介したIPアドレスの取得を繰返し試みる。そしてアドレス設定部25は、第2のネットワークインタフェース16bを介してIPアドレスが取得できた場合には、起動したDHCPサーバを停止し、当該DHCPサーバの停止後の所定のタイミングでブリッジ部21を起動状態とする。そしてアドレス設定部25は、再起動制御部26に対して第1のネットワークインタフェース16aの再起動を指示する。そしてアドレス設定部25は、第1のネットワークインタフェース16aが再起動されると、第2のネットワークインタフェース16bを介して取得したIPアドレスを、第1のネットワークインタフェース16aを介して接続された機器に対して送信して、当該IPアドレスを設定させる。
【0044】
再起動制御部26は、第1のネットワークインタフェース16aの再起動の指示を受けると、第1のネットワークインタフェース16aをリンクダウンする。そしてその後の所定のタイミングで、当該第1ネットワークインタフェース16aを再度リンクアップする。
【0045】
本実施の形態のネットワークストレージ装置1は以上の構成を備えており、次のように動作する。このネットワークストレージ装置1は起動時(電源の投入時、あるいはリセット時)に、第2のネットワークインタフェース16bについて次の図3に例示するような処理を行う。ネットワークストレージ装置1は、第2のネットワークインタフェース16bの起動処理を開始し、まず利用者が、この第2のネットワークインタフェース16bに固定的なIPアドレスを設定しているか(IPアドレスを手入力により設定しているか)否かを調べる(S11)。ここで固定的なIPアドレスが設定されていれば(Yesならば)、当該設定されているIPアドレスを第2のネットワークインタフェース16bのIPアドレスとして設定して(S12)、処理を終了する。
【0046】
一方処理S11において、固定的なIPアドレスが設定されていなければ(Noならば)、ネットワークストレージ装置1は、第2のネットワークインタフェース16bを介して外部のDHCPサーバからIPアドレスの取得を試行する(S13)。具体的にここではネットワークストレージ装置1はDHCPのDISCOVERコマンドを、第2のネットワークインタフェース16bを介して送出し、IPアドレスのオファー応答を待機する。ここでIPアドレスのオファー応答があった場合には、ネットワークストレージ装置1は、当該オファー応答を行ったDHCPサーバのいずれかに対してリクエストを送信して、確認応答を待機する。そして確認応答が受信できた場合にはネットワークストレージ装置1は、IPアドレスの取得ができたものとする。
【0047】
ネットワークストレージ装置1は、処理S13の試行によりIPアドレスの取得ができたか否かを調べる(S14)。ここでIPアドレスの取得ができた場合には、当該取得したIPアドレスを、第2のネットワークインタフェース16bのIPアドレスとして設定して(S15)、処理を終了する。
【0048】
一方処理S14において、DISCOVERコマンドに対するオファー応答がタイムアウト時間までに受信できなかった場合、あるいはリクエスト送信後に確認応答がタイムアウト時間までに受信できなかった場合など、IPアドレスが取得できなかったと判断される場合は、ネットワークストレージ装置1は、第2のネットワークインタフェース側のIPアドレスの設定に失敗したとして、ブリッジ部として機能している状態であれば、ブリッジ部としての機能を停止制御する処理(図4参照)を実行させる(S16)。
【0049】
そしてネットワークストレージ装置1は、以下、第2のネットワークインタフェース16bを介して外部のDHCPサーバからIPアドレスの取得を試行し(S17)、IPアドレスが取得できたか否かを判断する(S18)。そしてここでIPアドレスが取得できなかったときには所定のタイミングだけ待機して処理S17を繰り返し実行する。またIPアドレスが取得できた場合には、ブリッジ部としての機能を開始させる処理(図5参照)を実行する(S19)。
【0050】
またネットワークストレージ装置1は、起動時に、第1のネットワークインタフェース16aについて次の図4に例示する処理を行う。ここではデフォルトとしてブリッジ部としての動作を行うことが設定されているものとする。ネットワークストレージ装置1は、制御部11のブリッジ部21を起動状態としてブリッジ部として機能するよう制御する(S21)。そしてネットワークストレージ装置1は、利用者により第1のネットワークインタフェース16aに所定の設定がされているか、つまりここでの例では「直結モード」に設定されているか否(「通常モード」に設定されている)かを判断する(S22)。ここで第1のネットワークインタフェース16aが「直結モード」に設定されていなければ(Noならば)、そのまま処理を終了する。
【0051】
この場合、第1のネットワークインタフェース16aに接続された機器は、ブリッジ部として機能するネットワークストレージ装置1を介して、第2のネットワークインタフェース16bに接続されたネットワーク上のDHCPサーバから自己のIPアドレスを取得することとなる。
【0052】
また、ネットワークストレージ装置1は、利用者により第1のネットワークインタフェース16aが「直結モード」に設定されている場合(Yesの場合)、または、図3の処理S16により、ブリッジ部としての機能を停止制御する処理の実行が指示された場合(図4;A)には、制御部11のブリッジ部21を停止制御状態とする(S23)。そして第1のネットワークインタフェース16aに対して所定のIPアドレスを設定する(S24)。ここで所定のIPアドレスは、例えばいわゆるリンクローカルアドレスから予め選択されたIPアドレス(いわゆるAutoIPによるIPアドレス)でよい。
【0053】
次にネットワークストレージ装置1は、第1のネットワークインタフェース16aをリンクダウン(通信不能状態と)し(S25)、制御部11をDHCPサーバとして機能させる(DHCPサーバの起動:S26)。ここで起動するDHCPサーバは、第1のネットワークインタフェース16aに対して設定されるIPアドレスと同じネットワークアドレスを含むIPアドレスを配布するよう設定されているものとする。また、このDHCPサーバは第1のネットワークインタフェース16aを介してIPアドレスが要求された場合には、当該要求に応答してIPアドレスを提示するが、第2のネットワークインタフェース16bを介してIPアドレスの要求があっても、当該要求には応答しないよう制御する。
【0054】
ネットワークストレージ装置1は、DHCPサーバの起動が完了すると、第1のネットワークインタフェース16aをリンクアップ(通信可能状態と)して(S27)、処理を終了する。このリンクダウンとリンクアップとにより、この第1のネットワークインタフェース16aを介して接続された機器は、あたかも物理的接続が断たれてから再び物理的接続がされたと認識することとなり、DHCPサーバへのIPアドレスの要求を行う。ここでは当該要求は、第1のネットワークインタフェース16aを介して制御部11側へ送出され、この制御部11により実現されているDHCPサーバによって処理される。つまり、第1のネットワークインタフェース16aを介して接続されている機器には、ネットワークストレージ装置1内で動作するDHCPサーバにより、第1のネットワークインタフェース16aに対して設定されるIPアドレスと同じネットワークアドレスを含むIPアドレスが設定されることとなる。こうして第1のネットワークインタフェース16aを介して接続される機器は、ネットワークストレージ装置1に対して通信可能となり、ネットワークストレージ装置1内に格納されたデータを読み出すことが可能となる。またネットワークストレージ装置1に対してデータを格納させることも可能となる。
【0055】
また上述のように、図3の処理19において、ブリッジ部としての機能を開始させる処理が指示されると、ネットワークストレージ装置1は、ブリッジ部としての機能を開始するか否かを判断する(S31)。この判断は、例えば利用者に対してブリッジ部としての機能を開始するか否かを問い合わせることにより行ってもよいし、また、他の条件、例えば第1のネットワークインタフェース16aを介して接続されている機器から、第1のネットワークインタフェース16aに割り当てられているIPアドレス以外のIPアドレス宛の要求が行われたなどの条件であってもよい。
【0056】
ここでネットワークストレージ装置1は、利用者からブリッジ部としての機能を開始するべき旨の指示があった場合等、ブリッジ部としての機能を開始するべきと判断すると(Yesであると)、制御部11に対してDHCPサーバとしての機能を停止するよう指示する(S32)。そしてネットワークストレージ装置1は、当該DHCPサーバの停止後の所定のタイミングで、制御部11のブリッジ部21を起動状態に設定し(S33)、第1のネットワークインタフェース16aをリンクダウン(通信不能状態と)し(S34)、その後の所定のタイミングで、当該第1ネットワークインタフェース16aを再度リンクアップ(通信可能状態と)する(S35)。
【0057】
このとき、ネットワークストレージ装置1は第1のネットワークインタフェース16aに対して設定するIPアドレスを、第2のネットワークインタフェース16bを介して通信可能なDHCPサーバから取得して、第1のネットワークインタフェース16aに対して当該取得したIPアドレスを設定する。
【0058】
これにより第1のネットワークインタフェース16aを介して接続された機器は、あたかも物理的接続が断たれてから再び物理的接続がされたと認識することとなり、DHCPサーバへのIPアドレスの要求を行う。ここではブリッジ部として機能することとなったネットワークストレージ装置1を介して、第2のネットワークインタフェース16bに接続されたネットワーク上のDHCPサーバから、第1のネットワークインタフェース16aを介して接続された機器がそのIPアドレスを取得することとなる。
【0059】
なお、この処理S34,S35の動作により、第1のネットワークインタフェース16aを介して接続された機器は、一時的にネットワークストレージ装置1に蓄積されたデータへのアクセスが不能となる。つまり、第1のネットワークインタフェース16aを介して接続された機器が例えば、ネットワークストレージ装置1に蓄積されたオーディオデータをデコードして出力するプレーヤーであった場合、オーディオデータの読み出しの途中で上記の動作が行われると、オーディオデータの再生に一時的にノイズが生じる可能性がある。そこで本実施の形態では、ネットワークストレージ装置1は、処理S34を実行する際には、データファイルの読み出し終了を待ってから処理S34以下の動作を行うようにしてもよい。また本実施の形態のネットワークストレージ装置1は、利用者から明示的にデータへのアクセスの一時停止の指示があったときに、処理S34以下の動作を行うようにしてもよい。
【0060】
またネットワークストレージ装置1は、図5の処理S31においてブリッジ部としての機能を開始するべきと判断されない場合(Noの場合)、そのまま処理を終了する。
【0061】
本実施の形態の一例では、ネットワークストレージ装置1には、図6に例示するように、第1のネットワークインタフェース16aを介してプレーヤー2が接続される。また、第2のネットワークインタフェース16bは、ハブ装置3に接続され、このハブ装置3にはさらに、PC4やルータ5が接続される。
【0062】
ここでプレーヤー2は、ネットワークストレージ装置1からオーディオデータを取得し、復号して出力する装置である。またハブ装置3に接続されたPC4は、パーソナルコンピュータであり、ネットワークストレージ装置1にデータを蓄積し、またこのネットワークストレージ装置1からデータを読み出す。ルータ5は、例えばインターネット(the Internet)等のWAN(Wide Area Network)に接続され、ハブ装置3を介してPC4に対してインターネット側のウェブサーバ等へのアクセスを許容する。また、このルータ5は、ネットワークストレージ装置1がブリッジとして動作する(その制御部11においてブリッジ部21が起動状態である)ときには、ネットワークストレージ装置1とハブ装置3とを介して、プレーヤー2からインターネット側のウェブサーバや、データベースサーバへのアクセス要求を受け、当該アクセス要求をインターネット側のウェブサーバや、データベースサーバへ送出する。また、これらインターネット側のウェブサーバや、データベースサーバから受信した応答を、要求元であるプレーヤー2に対して送出する。この応答は、ハブ装置3と、ブリッジとして動作するネットワークストレージ装置1とを介してプレーヤー2に送信される。
【0063】
また本実施の形態のこの例では、ルータ5がDHCPサーバ(以下ではネットワークストレージ装置1内で起動されるDHCPサーバと区別するため、外部DHCPサーバと呼ぶ)として機能してもよい。この場合、ネットワークストレージ装置1の制御部11は、第2のネットワークインタフェース16bを介してこの外部DHCPサーバから、プレーヤー2(第1のネットワークインタフェース16aを介して接続される機器)に設定するべきIPアドレスを取得できることとなる。
【0064】
具体的に、このルータ5による外部DHCPサーバが何らかの理由でIPアドレスの提供ができない状態となっているときに、本実施の形態のネットワークストレージ装置1が起動されると、このネットワークストレージ装置1は、第2のネットワークインタフェース16bを介してIPアドレスの取得を試みるが(ここでは固定のIPアドレスは事前に設定されていなかったものとする)、ルータ5の外部DHCPサーバからIPアドレスが取得できないため、ブリッジ部としての機能を停止する処理を開始する。
【0065】
すなわちネットワークストレージ装置1は、直結モードが指定されていなくても、ブリッジ部としての機能を停止制御し、第1のネットワークインタフェース16aに対してAutoIPによるIPアドレスを設定するとともに、DHCPサーバを起動して、プレーヤー2に対しては当該起動したDHCPサーバにより、第1のネットワークインタフェース16aと通信可能なIPアドレス(第1のネットワークインタフェース16aに設定したIPアドレスと同じネットワークアドレスを含むIPアドレス)を提供する。このときプレーヤー2は、インターネット上のサーバにはアクセスはできないこととなるが、プレーヤー2は、ネットワークストレージ装置1内に蓄積されたオーディオデータにアクセスでき、オーディオデータの再生は可能となる。
【0066】
また、やがてルータ5の外部DHCPサーバが復旧して、IPアドレスの提供が可能となると、ネットワークストレージ装置1は、利用者に対してブリッジ部としての機能を起動するか否かを問い合わせる表示を行う。ここで利用者がブリッジ部としての機能を起動する(プレーヤー2からインターネット上のサーバへのアクセスを希望する)旨の指示操作を行うと、ネットワークストレージ装置1は、内部で起動しているDHCPサーバを停止し、ブリッジ部としての動作を開始する。そして第1のネットワークインタフェース16aのリンクダウンとリンクアップとを行って、プレーヤー2があたかも一度ネットワークから切り離され、また接続されたかのように認識するよう動作する。
【0067】
これによりプレーヤー2は、ブリッジ部として機能するネットワークストレージ装置1を介して、ルータ5の外部DHCPサーバからIPアドレスを取得して設定することとなり、ルータ5を介してインターネット上のサーバにアクセス可能となる。またこのときにはプレーヤー2は、ネットワークストレージ装置1内に蓄積されたオーディオデータにもアクセス可能となっているので、オーディオデータの再生も可能となっている。
【0068】
また、本実施の形態のここまでの説明では、ネットワークストレージ装置1が自己の通信部16内のネットワークインタフェース16a,b…のうち、プレーヤー2に接続されたネットワークインタフェースについてリンクダウンとリンクアップとを行うことにより、プレーヤー2に対してあたかも一度ネットワークから切り離され、また接続されたかのように認識させるようにしていた。しかしながら本実施の形態はこれに限られるものではない。すなわち本実施の形態のある例では、これまでに述べた例において、ネットワークストレージ装置1が自己のネットワークインタフェース16についてリンクダウンとリンクアップとを行う(処理S25,S27またはS34,S35等)代わりに、またはそれとともに、プレーヤー2の電源をオフとし、ついでオンとする等して、プレーヤー2のネットワークインタフェースのリンクダウンとリンクアップとを行うよう、ネットワークストレージ装置1の制御部11が利用者に対する指示を表示部15に表示することとしてもよい。
【0069】
この場合制御部11は、当該表示を行った後、プレーヤー2のネットワークインタフェースがリンクダウンし、またリンクアップしたことを検出して、当該表示を停止するようにしてもよい。
【0070】
さらにプレーヤー2が、ネットワークストレージ装置1からリンクダウン/リンクアップの指示を受けて、当該指示に従って、プレーヤー2が備えるネットワークインタフェースのリンクダウンとリンクアップとを行うこととしてもよい。
【0071】
この例においては、ネットワークストレージ装置1は、ここまでに述べた例において、自己のネットワークインタフェース16についてリンクダウンとリンクアップとを行う(処理S25,S27またはS34,S35等)代わりに、またはそれとともに、プレーヤー2に対してリンクダウン/リンクアップの指示を行う。そしてプレーヤー2が当該指示に従って、プレーヤー2が備えるネットワークインタフェースのリンクダウンとリンクアップとを行う。
【0072】
なお、ここでネットワークストレージ装置1からプレーヤー2への指示は、ネットワークを介して行われてもよいし、プレーヤー2が、ネットワーク以外に、例えばいわゆるコントロールラインを介してネットワークストレージ装置1に接続されている場合は、当該コントロールラインを介して上記リンクダウン/リンクアップの指示がネットワークストレージ装置1からプレーヤー2へ送信されてもよい。
【0073】
また、ここまでの説明においては、通信部16は、2つのネットワークインタフェース16a,bを備えるものとしたが、通信部16はさらに多くのネットワークインタフェースを備えてもよい。さらに、これら各ネットワークインタフェース16のうち、少なくとも一部(複数)のネットワークインタフェース16は、「通常モード」と「直結モード」とのどちらとするかが切り替え可能となっていてもよい。
【0074】
この場合、制御部11は、この切り替えが可能となっている各ネットワークインタフェース16について、上述の第2のネットワークインタフェース16bと同様の処理を行う。
【0075】
またこの場合、「通常モード」と設定されたネットワークインタフェース16が、第1のネットワークインタフェース16aのほかに少なくとも一つある場合、または「通常モード」と設定されたネットワークインタフェース16が複数ある場合には、制御部11は、ブリッジ部としての機能を開始して、これら「通常モード」と設定されたネットワークインタフェース16を介して接続された機器と第1のネットワークインタフェース16aを介して接続された機器の間、または、「通常モード」と設定された複数のネットワークインタフェース16を介してそれぞれ接続された機器の間での通信が可能となるように制御してもよい。
【0076】
また複数の「直結モード」の設定が可能である例によれば、学校等の施設における放送室などでの利用において要望があるように、複数のオーディオデータを同時的に、一斉に再生可能とする場合にも適した構成となる。
【符号の説明】
【0077】
1 ネットワークストレージ装置、2 プレーヤー、3 ハブ装置、4 PC、5 ルータ、11 制御部、12 記憶部、13 蓄積部、14 操作部、15 表示部、16 通信部、21 ブリッジ部、22 モード設定部、23 モード判定部、24 ブリッジ設定部、25 アドレス設定部、26 再起動制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6