(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6197380
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】バケットエレベータの組立方法
(51)【国際特許分類】
B65G 21/06 20060101AFI20170911BHJP
B65G 17/12 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
B65G21/06
B65G17/12 H
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-118379(P2013-118379)
(22)【出願日】2013年6月4日
(65)【公開番号】特開2014-234290(P2014-234290A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2016年4月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】松島 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】賀谷 浩
(72)【発明者】
【氏名】谷口 潤之介
【審査官】
中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第03319774(US,A)
【文献】
特開2002−193418(JP,A)
【文献】
実開昭62−179210(JP,U)
【文献】
特開平09−328211(JP,A)
【文献】
実開平04−012405(JP,U)
【文献】
特公昭62−009484(JP,B1)
【文献】
特公昭50−032526(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/12 − 17/16
B65G 21/00
B65G 21/06
E04H 7/00 − 7/32
E04H 12/00 − 12/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部回転体を軸支する上部ケーシングと、下部回転体を軸支する下部ケーシングと、前記両ケーシング間に配設されて前記両回転体間に掛け渡される複数のバケットを装着した無端帯状体を収容する中間ケーシングと、を備えるバケットエレベータの組立方法であって、
前記中間ケーシングは、平行する二側面が開放される中間ケーシング本体と、前記二側面に装着される蓋体と、を有してなり、
前記上部回転体に複数のバケットを装着した帯状体を掛けた状態で前記上部ケーシングを持ち上げる工程と、
前記上部回転体の両側から前記上部ケーシングの下方へ垂下する前記帯状体のそれぞれを、前記中間ケーシング本体の開口する上面及び前記開放される二側面から該中間ケーシング本体内に収容しつつ当該中間ケーシング本体を前記上部ケーシングに固定するとともに、該中間ケーシング本体の開放される二側面に前記蓋体を装着する工程と、
を含むことを特徴とするバケットエレベータの組立方法。
【請求項2】
前記中間ケーシング本体を前記上部ケーシングに固定した後に前記中間ケーシング本体の開放される二側面に前記蓋体を装着する請求項1記載のバケットエレベータの組立方法。
【請求項3】
前記中間ケーシング本体の平行する二側面が互いに反対方向外向きに開放されてなり、前記上部回転体の両側から垂下する前記帯状体のそれぞれを、前記複数のバケットを装着した面の背面側から、前記中間ケーシング本体内に収容する請求項1又は2記載のバケットエレベータの組立方法。
【請求項4】
前記中間ケーシングは複数の中間ケーシングを上下に組み付けてなり、前記上部ケーシングに固定される中間ケーシングは第1中間ケーシングであって、
第1中間ケーシング本体を前記上部ケーシングに固定するとともに前記第1中間ケーシング本体の開放される二側面に前記蓋体を装着した後に、前記上部ケーシングをさらに持ち上げる工程と、
前記上部回転体の両側から前記第1中間ケーシングの下方へ垂下する前記帯状体のそれぞれを、第2中間ケーシング本体の開口する上面及び前記開放される二側面から該第2中間ケーシング本体内に収容しつつ当該第2中間ケーシング本体を前記第1中間ケーシングに固定するとともに、該第2中間ケーシング本体の開放される二側面に蓋体を装着する工程と、を含み、
前記複数の中間ケーシングを順次下方から組み付ける請求項1乃至3の何れかに記載のバケットエレベータの組立方法。
【請求項5】
前記中間ケーシングは1又は上下に組み付けた複数の中間ケーシングからなり、最下部の中間ケーシングに前記下部ケーシングを固定するとともに、前記上部回転体の両側から前記最下部の中間ケーシングの下方へ垂下する前記帯状体の両端部を接続して前記両回転体間に掛け渡される無端帯状体となす工程と、
を含む請求項1乃至4の何れかに記載のバケットエレベータの組立方法。
【請求項6】
前記上部回転体は駆動プーリー、前記下部回転体は従動プーリーであり、前記帯状体はベルトである請求項1乃至5の何れかに記載のバケットエレベータの組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状物等を上方に搬送するバケットエレベータの組立方法
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粒状物等の被搬送物を上方に搬送する昇降機として、バケットエレベータが知られている。バケットエレベータは、無端ベルトや無端チェーンにバケットを装着してなるバケットコンベアをケーシング内で縦向きに配設したものである。
【0003】
特許文献1には、ヘッド部をサイロ頂部に搭載し、該ヘッド部のケーシング接合部からワイヤを垂下し、地上において複数のケーシングを組立てつつ前記ワイヤにより前記組み立てたケーシングを順次前記ヘッド部へ吊上げていくバケットエレベータの構築方法、が記載されている。
上記特許文献1に記載された方法によれば、高所での組み立て作業をほとんど必要としないために作業効率が良く、工期の短縮を図ることができる。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された方法では、ケーシングの組み立てを終えた後に、改めてヘッド部の上方からバケットを装着したベルトやチェーンを投入する等してケーシング内のバケットコンベアを構成しなければならず、バケットエレベータの組み立てにおいて全体の作業効率が必ずしも良いといえるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭62−9484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、組み立て全体の作業効率を向上することができるバケットエレベータの組立方法
を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、
上部回転体を軸支する上部ケーシングと、下部回転体を軸支する下部ケーシングと、前記両ケーシング間に配設されて前記両回転体間に掛け渡される複数のバケットを装着した無端帯状体を収容する中間ケーシングと、を備えるバケットエレベータの組立方法であって、
前記中間ケーシングは、平行する二側面が開放される中間ケーシング本体と、前記二側面に装着される蓋体と、を有してなり、
前記上部回転体に複数のバケットを装着した帯状体を掛けた状態で前記上部ケーシングを持ち上げる工程と、
前記上部回転体の両側から前記上部ケーシングの下方へ垂下する前記帯状体のそれぞれを、前記中間ケーシング本体の開口する上面及び前記開放される二側面から該中間ケーシング本体内に収容しつつ当該中間ケーシング本体を前記上部ケーシングに固定するとともに、該中間ケーシング本体の開放される二側面に前記蓋体を装着する工程と、
を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明のバケットエレベータの組立方法は、
前記中間ケーシング本体を前記上部ケーシングに固定した後に前記中間ケーシング本体の開放される二側面に前記蓋体を装着することが好ましい。
【0009】
本発明のバケットエレベータの組立方法は、
前記中間ケーシング本体の平行する二側面が互いに反対方向外向きに開放されてなり、前記上部回転体の両側から垂下する前記帯状体のそれぞれを、前記複数のバケットを装着した面の背面側から、前記中間ケーシング本体内に収容することが好ましい。
【0010】
本発明のバケットエレベータの組立方法は、
前記中間ケーシングが複数の中間ケーシングを上下に組み付けてなり、前記上部ケーシングに固定される中間ケーシングが第1中間ケーシングであって、
第1中間ケーシング本体を前記上部ケーシングに固定するとともに前記第1中間ケーシング本体の開放される二側面に前記蓋体を装着した後に、前記上部ケーシングをさらに持ち上げる工程と、
前記上部回転体の両側から前記第1中間ケーシングの下方へ垂下する前記帯状体のそれぞれを、第2中間ケーシング本体の開口する上面及び前記開放される二側面から該第2中間ケーシング本体内に収容しつつ当該第2中間ケーシング本体を前記第1中間ケーシングに固定するとともに、該第2中間ケーシング本体の開放される二側面に蓋体を装着する工程と、を含み、
前記複数の中間ケーシングを順次下方から組み付けることが好ましい。
【0011】
本発明のバケットエレベータの組立方法は、
前記中間ケーシングが1又は上下に組み付けた複数の中間ケーシングからなり、最下部の中間ケーシングに前記下部ケーシングを固定するとともに、前記上部回転体の両側から前記最下部の中間ケーシングの下方へ垂下する前記帯状体の両端部を接続して前記両回転体間に掛け渡される無端帯状体となす工程と、
を含むことが好ましい。
【0012】
本発明のバケットエレベータの組立方法は、
前記上部回転体が駆動プーリー、前記下部回転体が従動プーリーであり、前記帯状体はベルトであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のバケットエレベータの組立方法によれば、ケーシングの組み立てと同時に、該ケーシング内に配設されるバケットコンベアを構成することができるので、従来のように、ケーシングの組み立てを終えた後に、改めてヘッド部の上方からバケットを装着したベルトやチェーン等の帯状体を投入する等してバケットコンベアを構成する必要がなく、組立工数を削減できるため、バケットエレベータの組み立てにおいて全体の作業効率が向上する。
【0016】
また、本発明のバケットエレベータの組立方法によれば、中間ケーシングや下部ケーシングを地上において順次組み付けることができるため、作業者は安全に効率よく作業を行うことができる。
【0017】
さらに、本発明のバケットエレベータの組立方法によれば、前記上部回転体を駆動回転体とすることで該上部回転体の自由な回転を防止できるため、前記上記回転体に前記帯状体を掛けた状態でも組立作業を安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図6】バケットエレベータの組立方法の概略説明図。
【
図7】
図6における上部ケーシング内の様子を示す説明図。
【
図8】バケットエレベータの組立方法の概略説明図。
【
図9】
図8における上部ケーシング及び中間ケーシング内の様子を示す説明図。
【
図10】バケットエレベータの組立方法の概略説明図。
【
図11】バケットエレベータの組立方法の概略説明図。
【
図12】バケットエレベータの組立方法の概略説明図。
【
図13】バケットエレベータの組立方法の概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はバケットエレベータの正面図を示す。
本発明の実施の形態におけるバケットエレベータ1は、上部ケーシング2、中間ケーシング3及び下部ケーシング4を組み付けてなるケーシング内に、当該バケットエレベータ1の設置面に垂直な方向に配設される図示しないバケットコンベアを備える。
【0022】
前記上部ケーシング2内には図示しない駆動プーリー、前記下部ケーシング4内には図示しない従動プーリーがそれぞれ軸支され、前記両プーリー間に掛け渡される複数のバケットを装着した無端ベルトが前記両ケーシング2,4間に配設される前記中間ケーシング3内に収容されている。
【0023】
ここで、前記中間ケーシング3は、1又は上下に組み付けた複数の中間ケーシング3a,3b・・・から構成される。
図1の例では、前記中間ケーシング3は、第1中間ケーシング3a,第2中間ケーシング3b,第3中間ケーシング3c及び第4中間ケーシング3dの4つのケーシングを上下に組み付けて構成されている。
【0024】
また、前記下部ケーシング4には図示しない被搬送物の供給口が形成され、前記上部ケーシング2には図示しない被搬送物の排出口が形成されている。
そして、上部ケーシング2には、前記駆動プーリーに動力を伝達する図示しないモータが設置されている。
前記バケットエレベータ1は、前記モータにより前記バケットコンベアを駆動することで、前記下部ケーシング4の供給口から供給される被搬送物を前記バケット内に収容して上方へ搬送し、前記搬送物を前記上部ケーシング2の排出口から排出する。
【0025】
図2は中間ケーシングの斜視図、
図3は中間ケーシングの分解斜視図、及び
図4は中間ケーシングの説明図をそれぞれ示す。
図4に示すように、前記中間ケーシング3は中間ケーシング本体34と二枚の蓋体35,35を有する。
前記中間ケーシング本体34は、一対のC型鋼31,31の下部が複数の梁部材32,33で一体に連結されてなり、平行する二側面が互いに反対方向外向きに開放されている。
前記C型鋼31,31と前記梁部材32,33は、
図3の断面A−A及び断面B−Bに示すようにエンボス加工等による凹凸により精度よく組み付けられる。
【0026】
前記蓋体35,35は、前記C型鋼31,31の開放される側面に形成されるフランジに、例えば
図3に示すような一対の係止部材36a,36bによって着脱可能に装着される。
前記蓋体35は、
図3の断面C−Cに示すように下端に挿入部37を有し、当該挿入部37により下方のケーシングの上端と精度良く接続される。
【0027】
図5は中間ケーシングの他の例の説明図を示す。
図5に示すように、前記中間ケーシング本体34にはH型鋼を使用することもできる。前記H型鋼は平行する二側面が互いに反対方向外向きに開放されているため、
図4に示す中間ケーシング本体34と同様に用いることができる。
【0028】
次に、
図1に示すバケットエレベータの組立方法について説明する。
図6はバケットエレベータの組立方法の概略説明図であって、上部ケーシングをクレーン等により持ち上げた状態を示す。また、
図7は
図6における上部ケーシング内の様子の説明図を示す。
【0029】
本発明の実施の形態におけるバケットエレベータの組立方法では、まず、上部ケーシング2に軸支される駆動プーリー51に複数のバケット52を装着したベルト53の略中央を掛けた状態とした後に、前記上部ケーシング2をクレーン等により持ち上げる。
【0030】
図8はバケットエレベータの組立方法の概略説明図であって、上部ケーシングに第1中間ケーシングを組み付ける様子を示す。
図9は
図8における上部ケーシング内及び第1中間ケーシング内の様子の説明図を示す。
図10はバケットエレベータの組立方法の概略説明図であって、上部ケーシングへの第1中間ケーシングの組み付けを完了した様子の説明図を示す。
【0031】
作業者は、バケットエレベータの設置面上において、前記駆動プーリー51の両側から前記上部ケーシング2の下方へ垂下する前記ベルト53のそれぞれを、第1中間ケーシング本体34aの開口する上面及び前記開放される二側面から該第1中間ケーシング本体34a内に収容しつつ当該第1中間ケーシング本体34aを前記上部ケーシング2の下部に固定する。
そして、作業者は、前記第1中間ケーシング本体34aの開放される二側面に蓋体35a,35aを装着し、第1中間ケーシング3aの上部ケーシング2への組付けを完了する。
【0032】
ここでは、第1中間ケーシング本体34aを上部ケーシング2の下部に固定した後に、前記第1中間ケーシング本体34aの開放される二側面に蓋体35a,35aを装着することとしたが、前記第1中間ケーシング本体34aの開放される二側面に蓋体35a,35aを装着した後に、該第1中間ケーシング本体34aを上部ケーシング2の下部に固定することとしてもよい。
第1中間ケーシング本体34aの上部ケーシング2への固定と、前記第1中間ケーシング本体34aの開放される二側面への蓋体35a,35aの装着の順序は、作業性や安全性等を考慮して作業者が任意に定めることができる。
【0033】
図11はバケットエレベータの組立方法の概略説明図であって、第1中間ケーシングに第2中間ケーシングを組み付ける様子を示す。
図10に示すように上部ケーシング2への第1中間ケーシング3aの組み付けを完了した後に、
図11に示すように前記上部ケーシング2をクレーン等によりさらに持ち上げる。
そして、作業者は、バケットエレベータの設置面上において、前記駆動プーリーの両側から前記第1中間ケーシング3aの下方へ垂下する前記ベルト53のそれぞれを、第2中間ケーシング本体34bの開口する上面及び前記開放される二側面から該第2中間ケーシング本体34b内に収容しつつ当該第2中間ケーシング本体34bを前記第1中間ケーシング3aの下部に固定する。
【0034】
その後、作業者は、前記第2中間ケーシング本体34bの開放される二側面に蓋体35b,35bを装着し、第2中間ケーシング3bの第1中間ケーシング3aへの組付けを完了する。
ここで、第2中間ケーシング本体34bの第1中間ケーシング本体34aへの固定と、前記第2中間ケーシング本体34bの開放される二側面への蓋体35b,35bの装着の順序は、作業性や安全性等を考慮して作業者が任意に定めることができる。
【0035】
図12はバケットエレベータの組立方法の概略説明図であって、全ての中間ケーシングの組付けを完了した様子を示す。
図13はバケットエレベータの組立方法の概略説明図であって、バケットエレベータの設置を完了した様子を示す。
中間ケーシングの数だけ上記組み付け作業を繰り返した後、最後に組み付けた中間ケーシングの下部に前記下部ケーシング4を固定するとともに、前記駆動プーリーの両側から前記最後に組み付けた中間ケーシングの下方へ垂下する前記ベルト53の両端部を接続して前記駆動プーリーと前記下部ケーシング4に軸支される従動プーリー間に掛け渡される無端ベルトとなす。
【0036】
ここで、最後に組み付けた中間ケーシングの下部への前記下部ケーシング4の固定と、駆動プーリーの両側から前記最後の中間ケーシングの下方へ垂下するベルト53の両端部の接続の順序は、作業性や安全性等を考慮して作業者が任意に定めることができる。
また、前記ベルト53の両端部の接続は、前記下部ケーシング4に設けられるメンテナンス用の開口等を利用して行うことができる。
【0037】
以上の工程を経て、上部ケーシング2、中間ケーシング3及び下部ケーシング4の組み付け、並びに前記各ケーシング内におけるバケットコンベアの配設を終え、バケットエレベータ1の設置を完了する。
【0038】
なお、上記本発明の実施の形態では、複数の中間ケーシングを上下に組み付けることとしたが、中間ケーシングは少なくとも一つあればよい。
【0039】
上記本発明の実施の形態におけるバケットエレベータの組立方法によれば、上部ケーシング2に駆動プーリー51を軸支することで、該駆動プーリー51が自由に回転しないため、当該駆動プーリー51にベルト52を掛けた状態でも組立作業を安全に行うことができる。
【0040】
上記本発明の実施の形態におけるバケットエレベータの組立方法によれば、平行する二側面が互いに反対方向外向きに開放される中間ケーシングを有するので、駆動プーリーの両側から垂下するベルト53のそれぞれを、前記複数のバケットを装着した面の背面側から、前記中間ケーシング本体34内に収容することができるため、組み付け作業を安全に効率よく行うことができる。
【0041】
また、本発明の実施の形態におけるバケットエレベータの組立方法によれば、ケーシングの組み立てと同時に、該ケーシング内に配設されるバケットコンベアを構成することができるので、従来の組立方法のように、ケーシングの組み立てを終えた後に、改めてケーシングの上方からバケットを装着したベルトを投入する必要がなく、組立工数を削減できるため、バケットエレベータの組み立てにおいて全体の作業効率が向上する。
【0042】
さらに、本発明の実施の形態におけるバケットエレベータの組立方法によれば、中間ケーシングや下部ケーシングを地上において順次組み付けることができるため、作業者は安全に効率よく作業を行うことができる。
【0043】
そして、上記本発明の実施の形態におけるバケットエレベータは、中間ケーシングが、平行する二側面が開放される中間ケーシング本体と、前記二側面に装着される蓋体と、を有してなるので、上記組立方法により効率よく組み立てることができる。
【0044】
また、本発明のバケットエレベータは、中間ケーシングの蓋体を取り外すことで前記中間ケーシング内の清掃を容易に行うことができる。
【0045】
なお、上記本発明の実施の形態では、バケットコンベアとして複数のバケットを装着した無端ベルトを使用したが、複数のバケットを装着した無端チェーンを使用することもできる。
その場合、前記駆動プーリーに代えて駆動スプロケット、前記従動プーリーに代えて従動スプロケットを用い、前記両スプロケット間に複数のバケットを装着した無端チェーンを掛け渡すこととすればよい。
【0046】
本発明は、上記実施の形態に限るものでなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいてその構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のバケットエレベータの組立方法は、ケーシングの組み立てと同時に、該ケーシング内に配設されるバケットコンベアを構成することができるので、組み立て全体の作業効率が向上する。
【符号の説明】
【0048】
1 バケットエレベータ
2 上部ケーシング
3 中間ケーシング
3a 第1中間ケーシング
3b 第2中間ケーシング
3c 第3中間ケーシング
3d 第4中間ケーシング
31 C型鋼
32 梁部材
33 梁部材
34 中間ケーシング本体
35 蓋体
36a,36b 係止部材
37 挿入部
4 下部ケーシング
51 駆動プーリー
52 バケット
53 ベルト