(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6197385
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】男性用失禁パッド
(51)【国際特許分類】
A61F 13/471 20060101AFI20170911BHJP
A61F 13/56 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
A61F13/471
A61F13/56 100
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-120229(P2013-120229)
(22)【出願日】2013年5月20日
(65)【公開番号】特開2014-226529(P2014-226529A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】591062238
【氏名又は名称】三浦 康只
(72)【発明者】
【氏名】三浦 康只
【審査官】
田中 尋
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−267356(JP,A)
【文献】
特開2009−082288(JP,A)
【文献】
特開2008−023247(JP,A)
【文献】
特開2008−136641(JP,A)
【文献】
実開昭55−164302(JP,U)
【文献】
特開2012−176221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15−13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
男性器全体を覆うと共に下腹側から肛門手前まで延在するほぼD字形の左右一対の身頃を備え、前記一対の身頃は、他方の身頃に縫着されるD字形の弧側に当たる中心と、前記中心縫着後前記一対の身頃を一周するD字形の直線側に当たる外側縁とを有し、前記中心は、前記身頃の下腹側に配置される側の上端部から、前記身頃の肛門側に配置される側の下端部に向けて、カーブをなして外側縁に連なっており、男性器の形状に合う膨らみを形成して、男性器が包み込まれ、かつ前記外側縁が、前記身頃の下腹側に配置される側の上端部から、前記身頃の肛門側に配置される側の下端部に向けてカーブをなして前記中心に連なっており、男性器付け根の形状に合う凹状湾曲を形成して、男性器付け根に密着するように、前記一対の身頃の中心を互いに縫着するとともに、前記外側縁を縁かがり縫いしたことを特徴とする男性用失禁パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、男性用失禁パッ
ドに関し、実用性と着用感の向上を図るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撥水材吸収材クッション材透過材等を用い男性用パンツに縫着したり装着する男性用失禁パッ
ドは、いずれも平面的で、男性器の包み込みが不十分で横漏れしたりフィットしなくて着用感が悪かった。
【0003】
男性器が凸状なのに、男性用パンツや男性用失禁パッ
ドが平面的なことが、横漏れしたり着用感が劣る理由と考えられる。そういう中で前身頃が凸状で立体的な特許公開2009−249802特許文献1の男性用パンツが発明された。
【0004】
【特許文献1】特許公開2009−249802
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記特許文献1男性用パンツに合わせ前記問題を解決するための考案であり、前記男性用パンツに本発明を装着することで、男性器全体を包み込み、着脱が簡単で交換が自由、粘着しなくても置くだけで逸脱せず、尿を確実に受け止め横漏れを防ぎ、尿を多めに吸収する、実用的で快適な男性用失禁パッ
ドを提供することを課題としている。
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、男性器
全体を覆うと共に
下腹側から肛門
手前まで延在する
ほぼD字形の左右一対の身頃を備え、前記一対の身頃は、他方の身頃に縫着される
D字形の弧側に当たる中心と、前記中心縫着後前記一対の身頃を一周する
D字形の直線側に当たる外側縁とを有し、前記中心は、前記身頃の下腹側に配置される側の上端部から、前記身頃の肛門側に配置される側の下端部に向けて、カーブをなして外側縁に連なっており、男性器の形状に合う膨らみを形成して、男性器が包み込まれ、かつ前記外側縁が、前記身頃の下腹側に配置される側の上端部から、前記身頃の肛門側に配置される側の下端部に向けてカーブをなして前記中心に連なっており、男性器付け根の形状に合う凹状湾曲を形成して、男性器付け根に密着するように、前記一対の身頃の中心を互いに縫着するとともに、前記外側縁を縁かがり縫いしたことを特徴とする男性用失禁パッ
ドを提供する。
【0007】
本発明は、前記身頃が肛門側付け根から男性器形状に合う膨らみを形成し男性器全体を包み込める。本発明を、前記特許文献1男性用パンツの前身頃肌側に置いて装着するだけでピッタリ収まり、前記男性用パンツを着用すれば自然と男性器にフィットする。前記男性用パンツに縫着していないので着脱が簡単で交換が自由、前記外側縁が男性器付け根に密着し自然に固定されるので粘着しなくても逸脱しない。また男性器全体を包み込むので尿を確実に受け止め横漏れを防ぎ、さらに立体なので面積が広くなり尿を多く吸収する。着用者は多くの快適さを得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【実施例1】
【0009】
男性器(A)
全体を覆うと共に
下腹側から肛門(B)
手前まで延在する
ほぼD字形の左右一対の身頃(2)を備え、前記一対の身頃(2)は、他方の身頃に縫着される
D字形の弧側に当たる中心(3)と、前記中心(3)縫着後前記一対の身頃(2)を一周する
D字形の直線側に当たる外側縁(4)とを有し、前記中心(3)は、前記身頃(2)の下腹(C)側に配置される側の上端部(5)から、前記身頃(2)の肛門(B)側に配置される側の下端部(6)に向けて、カーブをなして外側縁(4)に連なっており、男性器(A)の形状に合う膨らみを形成して、男性器(A)が包み込まれ、かつ前記外側縁(4)が、前記身頃(2)の下腹(C)側に配置される側の上端部(5)から、前記身頃(2)の肛門(B)側に配置される側の下端部(6)に向けてカーブをなして前記中心(3)に連なっており、男性器付け根(D)の形状に合う凹状湾曲(E)を形成して、男性器付け根(D)に密着するように、前記一対の身頃(2)の中心(3)を互いに縫着するとともに、前記外側縁(4)を縁かがり縫いしたことを特徴とする男性用失禁パッ
ド(1)を作成する。
本発明は以上の構成よりなっている。
なおこの構成で組み合わせた素材は、
図6に示す、撥水材(F)吸収材(G)クッション材(H)透過材(I)であるが、この組み合わせや素材を限定しない。
なおこの構成は、紙製などの男性用失禁パッ
ドに応用できる。
また、本発明は中心(3)を縫着して作成しているが、粘着や熱着のほか、モールド加工や編立などの一体成型などでも作成できる。
また、本発明は
図4から外側縁(4)が楕円形状と分かるが、上部(イ)を平坦にしたU字形状、下部(ロ)を狭くしたくさび形状、などでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明は男性用失禁パッ
ドの実用性着用感向上に貢献し産業上広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図7】本発明を特許文献1男性用パンツの内側に装填した参考図。
【
図8】本発明を特許文献1男性用パンツに装填し着用した概略参考図。
【
図9】特許公開2009−249802特許文献1男性用パンツを示す図。
【符号の説明】
【0012】
1 男性用失禁パッ
ド
2 身頃
3 中心
4 外側縁
5 上端部
6 下端部
A 男性器
B 肛門
C 下腹
D 男性器付け根
E 凹状湾曲
F 撥水材
G 吸収材
H クッション材
I 透過材
J 特許公開2009−249802特許文献1男性用パンツ
K 特許公開2009−249802特許文献1男性用パンツの前身頃
L 肌側
イ 上部
ロ 下部