(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記欠陥検査画像生成手段は、前記欠陥検査画像を生成する際に、前記反射超音波ビームの振幅値が正の第1閾値よりも大きい値の位置の色を白色とし、前記反射超音波ビームの振幅値が前記第1閾値よりも小さい負の第2閾値よりも小さい値の位置の色を黒色とし、
前記欠陥判定手段は、前記欠陥検査画像において、前記溶接鋼管の前記内表面から前記外表面に向かう方向に、第1の白色、第1の黒色、第2の白色の次に第2の黒色が現れる位置に前記欠陥が存在すると判定することを特徴とする請求項2に記載の欠陥検査装置。
前記欠陥検査画像生成手段は、前記欠陥検査画像を生成する際に、前記反射超音波ビームの振幅値が正の第1閾値よりも大きい値の位置の色を白色とし、前記反射超音波ビームの振幅値が前記第1閾値よりも小さい負の第2閾値よりも小さい値の位置の色を黒色とし、
前記欠陥判定手段は、前記欠陥検査画像において、前記溶接鋼管の前記内表面から前記外表面に向かう方向に、第1の黒色、第1の白色、第2の黒色の次に第2の白色が現れる位置に前記欠陥が存在すると判定することを特徴とする請求項3に記載の欠陥検査装置。
前記欠陥検査画像生成手段は、前記反射超音波ビームの振幅値を前記超音波ビームの中心軌跡上に割り当てて、前記欠陥検査画像を生成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の欠陥検査装置。
管軸方向に溶接部が形成された溶接鋼管の外表面の外側に設置され、複数の超音波振動子が配列されたフェイズドアレイ探触子を備え、前記溶接鋼管に含まれる欠陥を検査する欠陥検査装置による欠陥検査方法であって、
前記溶接鋼管の前記外表面における前記溶接部の外側から入射し、前記溶接鋼管の内表面付近における少なくとも前記溶接部を前記内表面に沿って集束点を変化させながら周方向に走査する超音波ビームを、前記フェイズドアレイ探触子から送信する送信ステップと、
反射した前記超音波ビームを反射超音波ビームとして、前記フェイズドアレイ探触子を介して受信する受信ステップと、
前記走査した前記内表面の位置を第1方向にとり、前記溶接鋼管の前記外表面から前記内表面に向かう方向を第2方向にとって、前記反射超音波ビームの振幅値に基づく欠陥検査画像を生成する欠陥検査画像生成ステップと、
前記欠陥検査画像生成ステップによって生成された欠陥検査画像をもとに欠陥が存在するか否かを判定する欠陥判定ステップとを有し、
前記送信ステップで送信する超音波ビームの時間波形は、正又は負の第1の局所ピークを有し、その後に、当該第1の局所ピークと逆の極性の第2の局所ピークを有し、更にその後に、当該第1の局所ピークと同じ極性の第3の局所ピークを有し、前記3つの局所ピークの絶対値のうち前記第2の局所ピークの絶対値が一番大きく、
前記欠陥判定ステップは、
前記欠陥検査画像生成ステップによって生成された欠陥検査画像の領域のうち、前記受信ステップで受信した超音波ビームの時間波形が、正又は負の第1の局所ピークを有し、その後に、当該第1の局所ピークと逆の極性の第2の局所ピークを有し、更にその後に、当該第1の局所ピークと同じ極性の第3の局所ピークを有する領域に欠陥が存在しないと判定し、
前記欠陥検査画像生成ステップによって生成された欠陥検査画像の領域のうち、前記受信ステップで受信した超音波ビームの時間波形が、正又は負の第1の局所ピークを有し、その後に、当該第1の局所ピークと逆の極性の第2の局所ピークを有し、更にその後に、当該第1の局所ピークと同じ極性の第3の局所ピークを有し、更にその後に、当該第1の局所ピークと逆の極性の第4の局所ピークを有する領域に欠陥が存在していると判定することを特徴とする欠陥検査方法。
前記欠陥検査画像生成ステップでは、前記欠陥検査画像を生成する際に、前記反射超音波ビームの振幅値が正の第1閾値よりも大きい値の位置の色を白色とし、前記反射超音波ビームの振幅値が前記第1閾値よりも小さい負の第2閾値よりも小さい値の位置の色を黒色とし、
前記欠陥判定ステップは、前記欠陥検査画像において、前記溶接鋼管の前記内表面から前記外表面に向かう方向に、第1の白色、第1の黒色、第2の白色の次に第2の黒色が現れる位置に前記欠陥が存在すると判定することを特徴とする請求項11に記載の欠陥検査方法。
前記欠陥検査画像生成ステップでは、前記欠陥検査画像を生成する際に、前記反射超音波ビームの振幅値が正の第1閾値よりも大きい値の位置の色を白色とし、前記反射超音波ビームの振幅値が前記第1閾値よりも小さい負の第2閾値よりも小さい値の位置の色を黒色とし、
前記欠陥判定ステップは、前記欠陥検査画像において、前記溶接鋼管の前記内表面から前記外表面に向かう方向に、第1の黒色、第1の白色、第2の黒色の次に第2の白色が現れる位置に前記欠陥が存在すると判定することを特徴とする請求項12に記載の欠陥検査方法。
前記欠陥検査画像生成ステップでは、前記反射超音波ビームの振幅値を前記超音波ビームの中心軌跡上に割り当てて、前記欠陥検査画像を生成することを特徴とする請求項10乃至16のいずれか1項に記載の欠陥検査方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る欠陥検査装置100の概略構成の一例を示す図である。この欠陥検査装置100は、溶接鋼管の一種である電縫鋼管200に含まれる欠陥を検査するための装置である。
また、
図2は、本発明の実施形態を示し、
図1に示すフェイズドアレイ探触子110を用いた欠陥検査の様子を示す模式図である。なお、
図2において、
図1に示す構成及び
図16(b)に示す構成と同様の構成には、同じ符号を付している。
【0022】
本実施形態においては、欠陥検査装置100は、電縫鋼管200の管軸方向(
図2の220)に形成された溶接部210に含まれる欠陥を検査する場合を想定した例について説明を行う。また、
図1には、
図2に示した電縫鋼管200の断面(より詳細には、電縫鋼管200の断面のうちの溶接部210付近)が示されている。
【0023】
本実施形態に係る欠陥検査装置100は、
図1及び
図2に示すように、フェイズドアレイ探触子110と、制御処理装置120を有して構成されている。
また、制御処理装置120は、
図1に示すように、被検体条件入力部121と、送受信条件設定部122と、送受信制御部123と、送信部124−1と、受信部124−2と、受信信号処理部125と、欠陥検査画像生成部126と、欠陥判定部127と、欠陥サイズ算出部128と、記録・表示部129を有して構成されている。なお、
図1に示す例では、送信部124−1と受信部124−2とが独立した構成として図示しているが、例えば、これらを1つの送受信部124として構成してもよい。
【0024】
フェイズドアレイ探触子110は、
図1及び
図2に示すように、電縫鋼管200の外表面200Gの外側に設置され(より具体的には、電縫鋼管200の外表面200Gの外側であって電縫鋼管200の外表面200Gから所定の距離だけ離れた溶接部210の上方の位置に設置され)、複数の超音波振動子111が配列されて形成されている。ここで、本実施形態においては、フェイズドアレイ探触子110には、例えばM個の超音波振動子111が設けられているものとする。
また、フェイズドアレイ探触子110と電縫鋼管200の外表面200Gとの間には、
図2に示すように、超音波ビーム112(
図1に示す超音波ビーム112−1〜112−N)を効率的に伝播させるための媒体として水が存在している。
また、フェイズドアレイ探触子110の超音波振動子111は、
図2に示すように、超音波ビーム112を管軸方向220に集束させるための湾曲面を有している。
【0025】
図1に示す被検体条件入力部121は、被検体である電縫鋼管200の条件(被検体条件)を入力する処理を行う。例えば、被検体条件入力部121は、ユーザにより操作入力された被検体条件を制御処理装置120内に入力する処理を行う。ここで、被検体条件としては、例えば、電縫鋼管200の外径(直径)や管厚み、造管速度などが挙げられる。
【0026】
図1に示す送受信条件設定部122は、被検体条件入力部121により入力された被検体条件に基づいて、送受信条件を設定する処理を行う。例えば、送受信条件設定部122は、送受信条件として、水距離(フェイズドアレイ探触子110と電縫鋼管200の外表面200Gとの距離)や、送受信で使用するチャネル数(送受信で使用する超音波振動子111の数)、送信波のエネルギー値、内表面200Nに集束させる送信波の集束深さ・角度範囲・角度切り替えピッチ、受信信号の増幅度、1回の受信で受信信号を収録する時間幅、n回目と(n+1)回目の送受信を行う時間間隔等を設定する。
【0027】
図1に示す送受信制御部123は、送受信条件設定部122で設定された送受信条件に基づいて、送信部124−1、受信部124−2及びフェイズドアレイ探触子110を制御する。
【0028】
以下の表1に、送受信条件設定部122で設定される送受信条件の一例と、その送受信条件に応じた送受信制御部123による制御内容の一例を示す。
【0030】
ここで、本実施形態においては、送受信制御部123は、表1に示す「送受信で使用するチャネル数」の送受信条件に対して、フェイズドアレイ探触子110に設けられているM個の超音波振動子111を設定するものとする。
【0031】
図1に示す送信部124−1は、送受信制御部123による制御に基づいて、フェイズドアレイ探触子110(より具体的には、M個の超音波振動子111)から各超音波ビーム112−1〜112−Nを送信する処理を行う。具体的に、送信部124−1は、電縫鋼管200の外表面200Gにおける溶接部210の外側から入射し、電縫鋼管200の内表面付近(内表面200N付近)における少なくとも溶接部210を内表面200Nに沿って集束点を変化させながら走査する超音波ビーム112−1〜112−Nを、フェイズドアレイ探触子110から送信する。
【0032】
図1に示す受信部124−2は、送受信制御部123による制御に基づいて、反射した各超音波ビーム112−1〜112−Nを各反射超音波ビームとして、フェイズドアレイ探触子110(より具体的には、M個の超音波振動子111)を介して受信する処理を行う。
【0033】
図1に示す受信信号処理部125は、受信部124−2で受信した各反射超音波ビーム(受信信号)を処理する。例えば、受信信号処理部125は、各反射超音波ビームごとに、M個の超音波振動子111を介して受信したM個の受信信号を加算して、1つの合成受信信号とする処理を行う。
【0034】
図1に示す欠陥検査画像生成部126は、超音波ビーム112−1〜112−Nで走査した電縫鋼管200の内表面200Nの位置を第1方向(例えば水平方向)にとり、電縫鋼管200の外表面200Gから内表面200Nに向かう方向を第2方向(例えば鉛直方向)にとって、受信部124−2で受信した各反射超音波ビームの振幅値に基づく欠陥検査画像を生成する処理を行う。ここで、欠陥検査画像生成部126による欠陥検査画像生成処理について、
図3−1及び
図4を用いて以下に説明する。
【0035】
図3−1は、本発明の実施形態を示し、
図1に示す受信部124−2で受信した(より具体的には、
図1に示す受信信号処理部125で信号処理を行った後の)、ある1つの反射超音波ビームの受信波形の一例を示す図である。
ここで、
図3−1の横軸は、受信部124−2で受信した時間を示している。また、
図3−1の縦軸は、反射超音波ビームの振幅値を示し、
図3−1では、反射超音波ビームの振幅レベルが±100%の範囲に収まるように図示している。
【0036】
また、
図3−1には、欠陥検査画像を生成する際の白黒の階調の決定における具体例が示されている。
図3−1に示す例では、反射超音波ビームの振幅値が正の第1閾値301である20(%)よりも大きい値の位置の色を白色とし、反射超音波ビームの振幅値が前記第1閾値301よりも小さい負の第2閾値302である−20(%)よりも小さい値の位置の色を黒色とする例が示されている。また、
図3−1に示す例では、反射超音波ビームの振幅値が、第1閾値301である20(%)と第2閾値302である−20(%)との間の値の位置の色を灰色とする例が示されている。なお、
図3−1は、欠陥検査画像を生成する際の白黒の階調の決定における一例を示したものに過ぎず、他の方法によって白黒の階調を決定してもよい。また、本実施形態においては、
図3−1において、反射超音波ビームの振幅値が第1閾値301である20(%)よりも大きい値の位置の色を白色と定めているが、この白色範囲のうち、反射超音波ビームの振幅値がより大きいほど白色の濃度を濃くして、白色に階調を持たせる態様も本実施形態に含まれる。同様に、本実施形態においては、
図3−1において、反射超音波ビームの振幅値が第2閾値302である−20(%)よりも小さい値の位置の色を黒色と定めているが、この黒色範囲のうち、反射超音波ビームの振幅値がより小さいほど黒色の濃度を濃くして、黒色に階調を持たせる態様も本実施形態に含まれる。
【0037】
また、
図3−1では、第1の白色、第1の黒色及び第2の白色が現れる部分が、電縫鋼管200の内表面200Nで反射した反射超音波ビームの受信信号を示し、第2の黒色が現れる部分が、電縫鋼管200の内表面200N付近に存在する欠陥で反射した反射超音波ビームの受信信号を示している。これについて、以下に、
図3−2及び
図3−3を用いて詳細に説明を行う。
【0038】
図3−2は、本発明の実施形態を示し、
図1に示す送信部124−1から送信された超音波ビーム(送信波)の送信波形の一例を示す図である。この
図3−2において、横軸は時間を示し、縦軸は送信波の振幅値を示している。
図3−2に示すように、超音波ビームの送信波形は、正の極性の第1の局所ピーク321を有し、その後に、負の極性の第2の局所ピーク322を有し、更にその後に、正の極性の第3の局所ピーク323を有するものである。即ち、第2の局所ピーク322を挟んで、その直前に第1の局所ピーク321、直後に第3の局所ピーク323を有するものである。ここで、フェイズドアレイ探触子110の特性上、3つの局所ピークの絶対値のうち、第2の局所ピーク322の絶対値が一番大きな値となる。また、
図3−2の例に示すように、超音波ビームの送信波形は、第1の局所ピーク321の前に、負の極性の小さな振幅値の落ち込みを示すことがあるが、このような小さな振幅値の落ち込みの有無は、以下で説明する本願発明の欠陥検査には影響しない。
また、
図3−3は、本発明の実施形態を示し、
図3−1に示す反射超音波ビームの受信波形となる原理を説明するための図である。
【0039】
図3−3(a)は、電縫鋼管200の断面を示す図である。
図3−3(a)には、電縫鋼管200の内表面200N付近に欠陥が存在している場合を図示している。
図3−3(b)は、
図3−2に示す超音波ビーム(送信波)が、
図3−3(a)に示す欠陥の欠陥先端部で反射した反射超音波ビームの受信波形の一例を示している。この
図3−3(b)において、横軸は時間を示し、縦軸は当該反射超音波ビームの振幅値を示している。この
図3−3(b)に示す反射超音波ビームの受信波形は、
図3−2に示す超音波ビーム(送信波)の送信波形に準じたものとなっている。
図3−3(c)は、
図3−2に示す超音波ビーム(送信波)が、
図3−3(a)に示す電縫鋼管200の内表面200Nで反射した反射超音波ビームの受信波形の一例を示している。この
図3−3(c)において、横軸は時間を示し、縦軸は当該反射超音波ビームの振幅値を示している。この
図3−3(c)に示す反射超音波ビームの受信波形は、
図3−2に示す超音波ビーム(送信波)の送信波形に準じたものとなっている。
【0040】
送信波の伝播距離が、電縫鋼管200の内表面200Nよりも欠陥の欠陥先端部までの方が短いため、
図3−3(b)に示す反射超音波ビームは、
図3−3(c)に示す反射超音波ビームよりも時間的に早く受信部124−2で受信される。
そして、
図3−3(a)に示す欠陥を有する電縫鋼管200に対して
図3−2に示す超音波ビーム(送信波)を送信した場合には、
図3−3(d)に示すように、
図3−3(b)に示す反射超音波ビームの受信波形と
図3−3(c)に示す反射超音波ビームの受信波形とを合成した受信波形が、実際の反射超音波ビームの受信波形として受信部124−2で受信されることになる。この
図3−3(d)に示す反射超音波ビームの受信波形は、
図3−1に示す反射超音波ビームの受信波形を模式的に図示したものに相当する。
例えば、
図3−3(a)に示す電縫鋼管200において欠陥が存在しない場合には、
図3−3(b)に示す反射超音波ビームの受信波形は得られないため、この場合、受信部124−2で受信する反射超音波ビームの受信波形は、
図3(c)に示すものとなる。
【0041】
図4は、本発明の実施形態を示し、
図1に示す欠陥検査画像生成部126による欠陥検査画像生成処理を説明するための模式図である。
図4(a)には、
図3−1に示した反射超音波ビームの受信波形のうち、時間が55.4μs〜55.8μsの間のみのものを抽出して図示したものである。
図4(a)において、
図4(a)に示す反射超音波ビームをW
nとし、時間が55.4μsの際の反射超音波ビームW
nの振幅値をW
n(1)とし、それ以降の反射超音波ビームW
nの振幅値をW
n(2),・・・とする。また、
図4において、反射超音波ビームW
nの各振幅値間は、反射超音波ビームW
nのサンプリング周期である。
【0042】
図4(b)には、欠陥検査画像を形成するための複数のメッシュからなるメッシュ構造が示されている。このメッシュ構造は、フェイズドアレイ探触子110と電縫鋼管200の外表面200Gとの間に介在する水中を超音波ビームが伝播した際の反射超音波ビームW
nの振幅値に基づく色を付与するための第1メッシュ群410と、電縫鋼管200の内部を超音波ビームが伝播した際の反射超音波ビームW
nの振幅値に基づく色を付与するための第2メッシュ群420からなる。
図4(b)に示すメッシュ構造の一番左の列のメッシュ群には、
図1に示す超音波ビーム112−1を送信した際のその反射超音波ビームW
1の振幅値に基づく色が付与され、
図4(b)に示すメッシュ構造の一番右の列のメッシュ群には、
図1に示す超音波ビーム112−Nを送信した際のその反射超音波ビームW
Nの振幅値に基づく色が付与される。即ち、このメッシュ構造は、超音波ビーム112−1〜112−Nで走査した電縫鋼管200の内表面200Nの位置を第1方向である横方向(水平方向)にとり、電縫鋼管200の外表面200Gから内表面200Nに向かう方向を第2方向である縦方向(より具体的には、上から下に向かう鉛直方向)にとっている。また、第2メッシュ群420において、各列ごとの各メッシュの側面の角度は、対応する超音波ビームの屈折角に応じた角度となっている。
【0043】
例えば、
図4(a)に示す反射超音波ビームW
nの各振幅値が得られた場合、
図4(a)に示す反射超音波ビームW
nの各振幅値は、例えば電縫鋼管200の内部を超音波ビームが伝播した際の反射超音波ビームW
nの振幅値であるため、
図4(b)に示すように、n番目の列のメッシュ群に上から順に、W
n(1)の振幅値に基づく色、W
n(2)の振幅値に基づく色、・・・のようにして色が付与される。同様にして、反射超音波ビームW
n-1の振幅値については、
図4(b)に示すように、n−1番目の列のメッシュ群に上から順に、W
n-1(1)の振幅値に基づく色、W
n-1(2)の振幅値に基づく色、・・・のようにして色が付与される。このように、
図4(b)に示すメッシュ構造には、各反射超音波ビームの時間ごとの各振幅値に基づく色が鉛直方向(列方向)に順次付与されるため、このメッシュ構造の鉛直方向(より具体的には、上から下に向かう方向)は、時間の経過(より具体的には、反射超音波ビームW
nを受信部124−2で受信した時刻に関する情報)を示しているともいえる。この
図4(b)に示すメッシュ構造は、フェイズドアレイ探触子110と電縫鋼管200の外表面200Gとの距離や超音波ビームの伝播速度などから得られる時間情報を考慮して、第1メッシュ群410にはフェイズドアレイ探触子110と電縫鋼管200の外表面200Gとの間に介在する水中を超音波ビームが伝播した際の振幅値に基づく色が付与されるように、また、第2メッシュ群420には電縫鋼管200の内部を超音波ビームが伝播した際の振幅値に基づく色が付与されるように、予め、欠陥検査画像生成部126で設定されているものである。
【0044】
以上のようにして、
図4(b)に示すメッシュ構造に、各反射超音波ビームの各振幅値に基づく色を付与すると、例えば
図4(c)に示すような欠陥検査画像が得られる。なお、
図4(c)に示す欠陥検査画像では、電縫鋼管200の内表面200Nに相当する位置よりも下側の領域については、重要ではないため一部省略している。
【0045】
ここで、再び、
図1の説明に戻る。
図1に示す欠陥判定部127は、欠陥検査画像生成部126で生成された欠陥検査画像に基づいて、欠陥が存在するか否かの判定を行う。具体的に、欠陥判定部127は、欠陥検査画像生成部126で生成された欠陥検査画像において、電縫鋼管200の内表面200Nから外表面200Gに向かう方向に、第1の白色、第1の黒色、第2の白色の次に第2の黒色が現れる位置に欠陥が存在すると判定する。
図4(c)に示す欠陥検査画像では、領域401で示す箇所に欠陥が存在していると判定される。この欠陥判定は、
図3−1〜
図3−3を用いて以下のように説明することができる。
【0046】
本実施形態においては、送信部124−1は、
図3−2に示すような送信波を送信しており、電縫鋼管200の内表面200N付近に欠陥が存在しない場合には、内表面200Nから反射される反射超音波ビームは、送信波と同じ波形のものが受信部124−2で受信される。
また、電縫鋼管200の内表面200N付近に欠陥が存在する場合には、
図3−3を用いて説明したように、時刻Bの地点に反射超音波ビームの波形が現れる。この場合、
図4(c)に示す欠陥検査画像で考えると、
図3−1で示したように、第2の黒色として示されることになる。
【0047】
図3−1に示す反射超音波ビームの波形では、右から左に向かう方向が電縫鋼管200の内表面200Nから外表面200Gに向かう方向に相当する。
図3−3を用いて説明したように、内表面200Nに相当する振幅値は、
図3−1に示す右から左に向かう方向に、第1の白色に係る振幅値、第1の黒色に係る振幅値、第2の白色に係る振幅値で構成される。そして、内表面200N付近に欠陥が存在する場合には、第2の白色に係る振幅値の次に(より具体的には、第2の白色に係る振幅値よりも時間的に前に)、第2の黒色に係る振幅値が出現する。
【0048】
ここで、再び、
図1の説明に戻る。
図1に示す欠陥サイズ算出部128は、欠陥判定部127において欠陥が存在すると判定された場合に、その欠陥のサイズを算出する処理を行う。具体的に、欠陥サイズ算出部128は、欠陥検査画像生成部126で生成された欠陥検査画像において、第1の白色が現れる位置のうち反射超音波ビームの振幅値が最大となる位置に相当する時刻と第2の白色が現れる位置のうち反射超音波ビームの振幅値が最大となる位置に相当する時刻との中間の時刻をA(
図3−1のA)とし、第2の黒色が現れる位置のうち反射超音波ビームの振幅値が最小値(即ち、最も黒色の濃度が高い)の位置に相当する時刻をB(
図3−1のB)とし、|A−B|に基づいて欠陥のサイズを算出する。具体的に、
図5及び
図3−1を用いて説明を行う。
【0049】
図5は、本発明の実施形態を示し、
図1に示す欠陥サイズ算出部128による欠陥サイズ算出処理を説明するための模式図である。この
図5には、
図4(c)に示す欠陥検査画像の領域401における拡大図が示されている。
図5は、
図4(b)に示すメッシュで形成されているが、欠陥サイズ算出部128は、まず、
図3−1に示すように内表面200Nの内側で欠陥に対応する第2の黒色が出現する反射超音波ビームを抽出する。そして、欠陥サイズ算出部128は、抽出した反射超音波ビームのうち、第2の黒色が内表面から一番時間的に離れている反射超音波ビームW
n(
図3−1)を選択する。
次いで、欠陥サイズ算出部128は、選択した反射超音波ビームW
nにおいて、第1の白色に対応する振幅値のうちの最大の振幅値における時刻と第2の白色に対応する振幅値のうちの最大の振幅値における時刻との中間の時刻をA(
図3−1のA)とし、第2の黒色に対応する振幅値のうちの最小の振幅値における時刻をB(
図3−1のB)とする。そして、欠陥サイズ算出部128は、|A−B|に基づいて欠陥のサイズSを算出する。
より詳細に、欠陥検査画像の鉛直方向(上下方向)は、
図3−1及び
図4に示すように反射超音波ビームの時刻に関する情報であるため、欠陥サイズ算出部128は、まず、|A−B|から時間Δtを求める。次いで、欠陥サイズ算出部128は、時間Δtと、電縫鋼管200の鋼材における超音波ビーム(反射超音波ビーム)の音速とに基づいて、欠陥サイズSを算出する。
【0050】
ここで、再び、
図1の説明に戻る。
図1に示す記録・表示部129は、欠陥検査画像生成部126で生成された欠陥検査画像や、欠陥判定部127による欠陥判定結果、欠陥サイズ算出部128による欠陥サイズ算出結果等を、記録したり表示したりする処理を行う。さらに、記録・表示部129は、必要に応じて、各種のデータや各種の情報を記録したり表示したりする処理を行う。
【0051】
次に、本実施形態に係る欠陥検査装置100による欠陥検査方法の処理手順について説明する。
【0052】
図6は、本発明の実施形態に係る欠陥検査装置100による欠陥検査方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。この
図6に示すフローチャートの説明においては、
図1に示す欠陥検査装置100の構成を用いて説明を行う。なお、
図6に示すフローチャートの処理を開始するのに当たっては、予め、被検体条件入力部121による被検体条件の入力、及び、送受信条件設定部122による送受信条件の設定がなされているものとする。
【0053】
まず、ステップS101において、送受信制御部123は、電縫鋼管200の内表面200Nの集束点位置番号nをn=1からn=Nまでとし、送受信するチャネル数(送受信する超音波振動子111の数)M(各集束点位置nについて同一の値)をそれぞれ設定する。ここで、電縫鋼管200の内表面200Nの集束点位置番号nにおける1〜Nは、
図1に示す電縫鋼管200の内表面200Nに示された走査方向に対応する。
【0054】
続いて、ステップS102において、送受信制御部123は、送信対象の超音波ビームの集束点位置を示す番号nに1を設定する。
【0055】
続いて、ステップS103において、送信部124−1は、番号nの集束点位置にM個の超音波振動子111で超音波ビーム112−nを送信する処理を行う。次いで、受信部124−2は、同じM個の超音波振動子111で反射した超音波ビーム112−nを反射超音波ビームとして受信する処理を行う。
【0056】
続いて、ステップS104において、受信信号処理部125は、ステップS103においてM個の超音波振動子111を介して受信したM個の受信信号を加算して、1つの合成受信信号(W
n)とする。これを反射超音波ビームW
nとする。
【0057】
続いて、ステップS105において、送受信制御部123は、送信対象の超音波ビームの集束点位置を示す番号nがNより小さいか否かを判断する。この判断の結果、送信対象の超音波ビームの集束点位置を示す番号nがNより小さい場合には(S105/YES)、ステップS101で設定された集束点位置の全ての集束点位置については未だ超音波ビームを送信していないと判定し、ステップS106に進む。
【0058】
ステップS106に進むと、送受信制御部123は、送信対象の超音波ビームの集束点位置を示す番号nに1を加算して、送信対象の超音波ビームの集束点位置を示す番号nを変更する。そして、変更した送信対象の超音波ビームの集束点位置を示す番号nについて、ステップS103以降の処理を再度行う。
【0059】
一方、ステップS105の判断の結果、送信対象の超音波ビームの集束点位置を示す番号nがN以上である場合には(S105/NO)、ステップS101で設定された集束点位置の全ての集束点位置について超音波ビームを送信したと判定し、ステップS107に進む。なお、ステップS107に進む際には、反射超音波ビームW
1〜W
NまでのN個の反射超音波ビームの波形が収集されていることになる。
【0060】
ステップS107に進むと、欠陥検査画像生成部126は、処理対象の反射超音波ビームW
nにおける番号nに1を設定する。
【0061】
続いて、ステップS108において、欠陥検査画像生成部126は、反射超音波ビームW
nの振幅値データを、番号nの超音波ビーム112−nの中心軌跡上に割り当てる処理を行う。例えば、欠陥検査画像生成部126は、反射超音波ビームW
1の振幅値データについては、
図1に示す番号1の超音波ビーム112−1の中心軌跡112−1C上に割り当て、反射超音波ビームW
C(1<C<N)の振幅値データについては、
図1に示す超音波ビーム112−Cの中心軌跡112−CC上に割り当て、反射超音波ビームW
Nの振幅値データについては、
図1に示す番号Nの超音波ビーム112−Nの中心軌跡112−NC上に割り当てる。
【0062】
続いて、ステップS109において、欠陥検査画像生成部126は、欠陥検査画像を形成するためのメッシュに、反射超音波ビームW
nの振幅値データに基づく色を付与する。具体的には、
図3−1及び
図4を用いて上述したように、
図3−1に示す振幅値と色の階調との関係に基づいて、
図4(b)に示すメッシュ構造に、反射超音波ビームW
nの振幅値データに基づく色を付与する。
【0063】
続いて、ステップS110において、欠陥検査画像生成部126は、処理対象の反射超音波ビームW
nにおける番号nがNより小さいか否かを判断する。この判断の結果、処理対象の反射超音波ビームW
nにおける番号nがNより小さい場合には(S110/YES)、ステップS102〜S106の処理を経て収集された反射超音波ビームW
1〜W
Nの全ての反射超音波ビームについては未だ処理が行われていないと判定し、ステップS111に進む。
【0064】
ステップS111に進むと、欠陥検査画像生成部126は、処理対象の反射超音波ビームW
nにおける番号nに1を加算して、処理対象の反射超音波ビームW
nにおける番号nを変更する。そして、変更した処理対象の反射超音波ビームW
nにおける番号nについて、ステップS108以降の処理を再度行う。
【0065】
一方、ステップS110の判断の結果、処理対象の反射超音波ビームW
nにおける番号nがN以上である場合には(S110/NO)、ステップS102〜S106の処理を経て収集された反射超音波ビームW
1〜W
Nの全ての反射超音波ビームについて処理が行われたと判定し、ステップS112に進む。なお、ステップS112に進む際には、例えば
図4(b)に示すメッシュ構造に、反射超音波ビームW
1〜W
Nまでの全ての反射超音波ビームの振幅値データに基づく色が付与され、例えば
図4(c)に示すような欠陥検査画像が生成されている。
【0066】
続いて、ステップS112において、欠陥判定部127は、欠陥検査画像生成部126で生成された欠陥検査画像に基づいて、欠陥が存在するか否かの判定を行う。具体的に、欠陥判定部127は、欠陥検査画像生成部126で生成された欠陥検査画像において、電縫鋼管200の内表面200Nから外表面200Gに向かう方向に、第1の白色、第1の黒色、第2の白色の次に第2の黒色が現れる位置に欠陥が存在すると判定する。
図4(c)に示す欠陥検査画像では、領域401で示す箇所に欠陥が存在していると判定される。
【0067】
続いて、ステップS113において、欠陥サイズ算出部128は、ステップS112の欠陥判定において、欠陥ありと判定されたか否かを判断する。この判断の結果、ステップS112の欠陥判定において欠陥ありと判定された場合には(S113/YES)、ステップS114に進む。
【0068】
ステップS114に進むと、欠陥サイズ算出部128は、欠陥検査画像生成部126で生成された欠陥検査画像において、第1の白色が現れる位置のうち反射超音波ビームの振幅値が最大となる位置に相当する時刻と第2の白色が現れる位置のうち反射超音波ビームの振幅値が最大となる位置に相当する時刻との中間の時刻をA(
図3−1のA)とし、第2の黒色が現れる位置のうち反射超音波ビームの振幅値が最小値の位置に相当する時刻をB(
図3−1のB)とし、|A−B|に基づいて欠陥のサイズを算出する。
上述したように、
図5には、
図4(c)に示す欠陥検査画像の欠陥領域401における拡大図が示されている。上述したように、
図5は、
図4(b)に示すメッシュで形成されており、その鉛直方向(上下方向)は、
図3−1及び
図4に示すように反射超音波ビームの時刻に関する情報である。
欠陥サイズ算出部128は、まず、
図3−1に示すように内表面200Nの内側で欠陥に対応する第2の黒色が出現する反射超音波ビームを抽出する。そして、欠陥サイズ算出部128は、抽出した反射超音波ビームのうち、第2の黒色が内表面から一番時間的に離れている反射超音波ビームW
n(
図3−1)を選択する。
次いで、欠陥サイズ算出部128は、
図3−1に示す反射超音波ビームW
nにおいて、第1の白色に対応する振幅値のうちの最大の振幅値における時刻と第2の白色に対応する振幅値のうちの最大の振幅値における時刻との中間の時刻をA(
図5のAの地点に相当)とし、第2の黒色に対応する振幅値のうちの最小の振幅値における時刻をB(
図5のBの地点に相当)とする。そして、欠陥サイズ算出部128は、|A−B|に基づいて欠陥のサイズSを算出する。この際、欠陥検査画像の鉛直方向(上下方向)は、
図3−1及び
図4に示すように反射超音波ビームの時刻に関する情報であるため、欠陥サイズ算出部128は、まず、|A−B|から時間Δtを求める。次いで、欠陥サイズ算出部128は、時間Δtと、電縫鋼管200の鋼材における超音波ビーム(反射超音波ビーム)の音速とに基づいて、欠陥サイズSを算出する。具体的に、欠陥サイズ算出部128は、S=(電縫鋼管200の鋼材における超音波ビーム(反射超音波ビーム)の音速)×(時間Δt)÷2を計算することにより、欠陥サイズSを算出する。ここで、2で除算しているのは、時間Δtは超音波ビームの往復の時間に相当する量であるため、片道の時間として計算するためである。
【0069】
ステップS114の処理が終了した場合、或いは、ステップS113で欠陥なしと判断された場合には(S113/NO)、ステップS115に進む。
【0070】
ステップS115に進むと、記録・表示部129は、欠陥検査画像生成部126で生成された欠陥検査画像や、ステップS112の欠陥判定部127による欠陥判定結果、ステップS114の欠陥サイズ算出部128による欠陥サイズ算出結果等を、記録したり表示したりする処理を行う。なお、ステップS113において欠陥なしと判断され、ステップS114の欠陥サイズ算出部128による欠陥サイズ算出処理が行われなかった場合には、その結果の記録や表示は行われない。
その後、
図6のフローチャートの処理を終了する。
【0071】
以上のステップS101〜S115の処理を得ることにより、本実施形態に係る欠陥検査装置100による欠陥検査方法の処理が終了する。
【0072】
[実施例]
次に、上述した本発明の実施形態を踏まえた具体的な実施例について説明を行う。
【0073】
図7は、本発明に係る実施形態の実施例を示し、欠陥検査に用いた電縫鋼管200のサンプルを示す図である。
具体的に、
図7(a)に示す第1のサンプル鋼管200−1は、その直径が102mm、その管厚みが3.4mm、管軸方向の長さが300mmである。なお、
図7(a)に示す第1のサンプル鋼管200−1では、管軸方向の左端面の位置をX=0mmとし、管軸方向の右端面の位置をX=300mmとするX座標系を設定する。
また、
図7(b)に示す第2のサンプル鋼管200−2は、その直径が102mm、その管厚みが3.4mm、管軸方向の長さが600mmである。なお、
図7(b)に示す第2のサンプル鋼管200−2では、管軸方向の左端面の位置をX=0mmとし、管軸方向の右端面の位置をX=600mmとするX座標系を設定する。
【0074】
図8は、
図7(a)に示す第1のサンプル鋼管200−1について行った、水浸点集束探傷子を用いた欠陥探傷試験を説明する図である。
【0075】
図8(a)には、
図7(a)に示す第1のサンプル鋼管200−1が示されている。ここで、
図8(a)に示す第1のサンプル鋼管200−1において、管軸方向の左端面の位置をX=0mmとし、管軸方向の右端面の位置をX=300mmとするX座標系は設定されている。
【0076】
この
図8(a)に示す第1のサンプル鋼管200−1において、X=70mm〜X=230mmの範囲について、
図8(c)に示す水浸点集束探傷子を用いて45°斜角探傷による欠陥探傷を行った。この欠陥探傷は、第1のサンプル鋼管200−1の欠陥の位置を確認するための試験であり、水浸点集束探傷子から送信する超音波ビームの周波数を50MHzとして行った。また、この
図8(c)に示す水浸点集束探傷子を用いた欠陥探傷では、溶接部210を中心に第1のサンプル鋼管200−1を外周面200Gの周方向に±5°回転させてスキャンした。この欠陥探傷試験の結果得られたCスキャン画像を
図8(b)に示す。
図8(b)に示すCスキャン画像において、横軸はX座標系(X=70mm〜X=230mm)を示し、縦軸はスキャンの回転範囲(−5°〜+5°)を示している。また、
図8(b)に示すCスキャン画像において、白く示された部分が欠陥として検出された部分である。ここで、Cスキャン画像とは、超音波探傷時に一般的に使用される名称であり、探傷する対象である被検体の2次元的な位置と、その位置での奥行き方向の超音波受信信号の最大値を表示したものであり、2次元投影した欠陥の分布を示すものである。なお、50MHzの高周波数の水浸点集束探傷子を用いるこの方法は、分解能が高いので微小な欠陥検出は可能であるが、溶接部210を探傷するためには、電縫鋼管200を周方向に回転させるか、または、探触子を周方向に移動させて探傷を行う必要があるため、オンラインでの実用化は困難である。
【0077】
次に、
図7(a)及び
図8(a)に示す第1のサンプル鋼管200−1に対して、本発明に係る欠陥検査方法を用いた実験を行った。
【0078】
図9は、本発明に係る実施形態の実施例を示し、
図1及び
図2に示すフェイズドアレイ探触子110と、
図7(a)及び
図8(a)に示す第1のサンプル鋼管200−1との位置関係を示す図である。
図9に示す実験では、フェイズドアレイ探触子110と第1のサンプル鋼管200−1の外表面200Gにおける溶接部210との間の距離(水中伝播距離)を40mmとした。また、
図9に示す実験では、第1のサンプル鋼管200−1の溶接部210の中心位置上にフェイズドアレイ探触子110の中心位置がくる場合を0°として、外周面200Gの周方向に−9.0°〜+9.0°の範囲を1.5°刻みにスキャンした。具体的には、第1のサンプル鋼管200−1を外周面200Gの周方向に−9.0°〜+9.0°の範囲で回転させて実験を行った。
【0079】
図10は、本発明に係る実施形態の実施例を示し、
図9に示す実験により得られた欠陥検査画像を示す図である。
ここで、
図10(a)には−9.0°の場合の欠陥検査画像を示し、
図10(b)には−7.5°の場合の欠陥検査画像を示し、
図10(c)には−6.0°の場合の欠陥検査画像を示し、
図10(d)には−4.5°の場合の欠陥検査画像を示し、
図10(e)には−3.0°の場合の欠陥検査画像を示し、
図10(f)には−1.5°の場合の欠陥検査画像を示し、
図10(g)には0°の場合の欠陥検査画像を示し、
図10(h)には+1.5°の場合の欠陥検査画像を示し、
図10(i)には+3.0°の場合の欠陥検査画像を示し、
図10(j)には+4.5°の場合の欠陥検査画像を示し、
図10(k)には+6.0°の場合の欠陥検査画像を示し、
図10(l)には+7.5°の場合の欠陥検査画像を示し、
図10(m)には+9.0°の場合の欠陥検査画像を示している。
【0080】
図9に示す実験では、
図10に示すように、外周面200Gの周方向に−6.0°〜+7.5°の範囲で、内表面応答の変化が観察された。内表面応答の変化としては、変形や食い違いなどが観察された。
図10に示すように、内表面応答の変化は様々であるが、一方で広範囲で観察できる特徴を持つ。これは、第1のサンプル鋼管200−1を回転することなく、欠陥を評価できる可能性があることを示している。
【0081】
図11は、本発明に係る実施形態の実施例を示し、
図10に示す−4.5°のフェイズドアレイ探触子110と第1のサンプル鋼管200−1との位置関係において、本発明に係る欠陥検査方法を用いた実験を説明する図である。
【0082】
図11(a)は、
図8(b)に示すCスキャン画像のうち、X=85mm〜X=169mmを含む範囲を抽出したCスキャン画像である。この
図11(a)に示すCスキャン画像では、
図8(b)に示すCスキャン画像と同様、白く示された部分に欠陥が存在すると考えられることを示している。
【0083】
図11(b)は、本実験におけるフェイズドアレイ探触子110と第1のサンプル鋼管200−1との位置関係を示す図であり、フェイズドアレイ探触子110と第1のサンプル鋼管200−1との相対角度θrを−4.5°に固定して実験を行ったことを示している。
【0084】
図11(c)は、
図8(a)に示す第1のサンプル鋼管200−1のX=85mmの地点で、本発明に係る欠陥検査方法を用いて生成した欠陥検査画像を示す図である。また、
図11(d)は、
図8(a)に示す第1のサンプル鋼管200−1のX=99mmの地点で、本発明に係る欠陥検査方法を用いて生成した欠陥検査画像を示す図である。また、
図11(e)は、
図8(a)に示す第1のサンプル鋼管200−1のX=169mmの地点で、本発明に係る欠陥検査方法を用いて生成した欠陥検査画像を示す図である。なお、
図11(c)〜
図11(e)に示す実験では、各地点において、送信する超音波ビームの集束深さを第1のサンプル鋼管200−1の内表面200Nに固定するとともに、内表面200Nに沿った超音波ビームの走査における集束角度を−45°〜+45°の範囲として0.5°刻みで走査を行った。
【0085】
図11(c)及び
図11(e)に示す欠陥検査画像から欠陥が検出された。また、
図11(d)に示す欠陥検査画像からは欠陥が検出されなかった。
図11(c)〜
図11(e)に示す実験結果は、
図11(a)に示す欠陥の検出結果に則したものであり、本発明に係る欠陥検査方法を用いた欠陥検査は有効であることが分かった。
【0086】
次に、実際の製造ラインにおいて生じ得る振動の影響について検証を行った。
実際の製造ラインでは、振動の影響により、フェイズドアレイ探触子110と電縫鋼管200との相対距離が±0.5mm程度変化することがある。そこで、
図9において、フェイズドアレイ探触子110の位置をY方向及びZ方向に±1.0mm動かして、本発明に係る欠陥検査方法を用いた欠陥検査を行った。
【0087】
図12は、本発明に係る実施形態の実施例を示し、
図9においてフェイズドアレイ探触子110の位置をY方向に±1.0mm動かして、本発明に係る欠陥検査方法により得られた欠陥検査画像を示す図である。
ここで、
図12(a)にはフェイズドアレイ探触子110をY方向に−1.0mm動かした場合の欠陥検査画像を示し、
図12(b)にはフェイズドアレイ探触子110をY方向に−0.5mm動かした場合の欠陥検査画像を示し、
図12(c)にはフェイズドアレイ探触子110をY方向に0mm動かした場合の欠陥検査画像を示し、
図12(d)にはフェイズドアレイ探触子110をY方向に+0.5mm動かした場合の欠陥検査画像を示し、
図12(e)にはフェイズドアレイ探触子110をY方向に+1.0mm動かした場合の欠陥検査画像を示している。
なお、
図12(a)〜
図12(e)に示す欠陥検査画像では、内表面に相当する位置がずれて示されている。これは、フェイズドアレイ探触子110の位置をY方向に±1.0mm動かして欠陥検査を行った場合でも、欠陥検査画像生成部126で設定されている
図4(b)に示すメッシュ構造の鉛直方向の時間設定を変えていないためである。即ち、フェイズドアレイ探触子110をY方向に−1.0mm動かした場合には、フェイズドアレイ探触子110をY方向に0mm動かした場合と比べて、フェイズドアレイ探触子110と電縫鋼管200との相対距離が長くなるため、超音波ビームの伝播の時間も長くなり、その結果、内表面に相当する位置が下方に位置している。同様の趣旨で、フェイズドアレイ探触子110をY方向に+1.0mm動かした場合には、フェイズドアレイ探触子110をY方向に0mm動かした場合と比べて、フェイズドアレイ探触子110と電縫鋼管200との相対距離が短くなるため、超音波ビームの伝播の時間も短くなり、その結果、内表面に相当する位置が上方に位置している。
【0088】
図13は、本発明に係る実施形態の実施例を示し、
図9においてフェイズドアレイ探触子110の位置をZ方向に±1.0mm動かして、本発明に係る欠陥検査方法により得られた欠陥検査画像を示す図である。
ここで、
図13(a)にはフェイズドアレイ探触子110をZ方向に−1.0mm動かした場合の欠陥検査画像を示し、
図13(b)にはフェイズドアレイ探触子110をZ方向に−0.5mm動かした場合の欠陥検査画像を示し、
図13(c)にはフェイズドアレイ探触子110をZ方向に0mm動かした場合の欠陥検査画像を示し、
図13(d)にはフェイズドアレイ探触子110をZ方向に+0.5mm動かした場合の欠陥検査画像を示し、
図13(e)にはフェイズドアレイ探触子110をZ方向に+1.0mm動かした場合の欠陥検査画像を示している。
【0089】
図12及び
図13に示すように、いずれの欠陥検査画像からも欠陥が検出されたことから、振動の影響でフェイズドアレイ探触子110と電縫鋼管200との相対距離が変化したとしても、本発明に係る欠陥検査方法を用いた欠陥検査は有効であることが分かった。
【0090】
次に、実際の製造ラインの電縫鋼管200における造管速度を考慮した適用性について検証を行った。
【0091】
実際の製造ラインでの電縫鋼管200における代表的な造管速度は、数百mm/sであるため、これに対応できるかを検証した。一般的なフェイズドアレイ探触子110における最大の繰り返し周波数は、おおよそ10kHz程度である。
内表面200Nに沿った超音波ビームの走査における集束角度を−45°〜+45°の範囲として0.5°刻みで走査を行う場合、1枚の欠陥検査画像の生成には、181回超音波ビームを送受信する必要がある。この場合、1枚の欠陥検査画像の生成に、181(回)÷10000(Hz)=0.0181(s)かかるため、造管速度を仮に800mm/sとすると、1枚の欠陥検査画像の生成の間に電縫鋼管200は14.4mm進んでしまう。
【0092】
そこで、例えば、内表面200Nに沿った超音波ビームの走査における集束角度を±5°の範囲に限定して1.0°刻みで走査を行うとすると、1枚の欠陥検査画像の生成には、11回超音波ビームを送受信する必要がある。この場合、1枚の欠陥検査画像の生成に、11(回)÷10000(Hz)=0.0011(s)かかるため、造管速度を仮に800mm/sとすると、1枚の欠陥検査画像の生成の間に電縫鋼管200は0.8mm進むことになる。したがって、この場合、電縫鋼管200の管軸方向に1mm程度の長さの微小な欠陥も検出可能である。
【0093】
次に、上述した実際の製造ラインでの電縫鋼管200における造管速度を考慮した上で、
図7(b)に示す第2のサンプル鋼管200−2を使用して、本発明に係る欠陥検査方法を用いた実験を行った。
【0094】
図14は、本発明に係る実施形態の実施例を示し、
図7(b)に示す第2のサンプル鋼管200−2を使用して、本発明に係る欠陥検査方法を用いた実験結果を示す図である。
【0095】
図14(a)は、第2のサンプル鋼管200−2の移動速度を400mm/sとし、内表面200N近傍(
図3−1に示す時間t=55.0μs〜55.9μs)を管軸方向に高速スキャンした、反射超音波ビームW
nの2次元マップを示す画像である。ここで、反射超音波ビームW
nのnは、1以上N以下の定数である。また、
図14(a)は、第2のサンプル鋼管200−2の管軸方向を高速スキャンした画像のうち、第2のサンプル鋼管200−2のX=68mm〜X=468mmを含む範囲を抽出した画像である。
また、
図14(b)は、
図14(a)に示す画像の領域1401における拡大図である。
【0096】
図14(a)及び
図14(b)に示す画像からは、スキャン時のフェイズドアレイ探触子110の振動の影響による内表面応答の変動が確認された。しかしながら、このような内表面応答の変動にもかかわらず、内表面応答の第2ピーク(第2の白色)よりも早い時刻に、長さが約40mmもある暗部(第2の黒色)を特徴とする欠陥応答が確認された。
【0097】
また、
図14(b)に示す画像において、欠陥深さ(即ち、欠陥サイズS)を以下のようにして算出した。
まず、内表面応答の第1ピーク(第1の白色)に相当する時刻と内表面応答の第2ピーク(第2の白色)に相当する時刻との中間の時刻を時刻Aとし、前記第2の黒色の位置であって反射超音波ビームW
nの振幅値が最小値の位置に相当する時刻を時刻Bとした。そして、|A−B|から時間Δtを求めると、0.15μsとなった。そして、電縫鋼管200の鋼材における超音波ビーム(反射超音波ビーム)の音速を5900m/sとすると、欠陥深さ(即ち、欠陥サイズS)は、約0.44mmと算出された。断面を観察して検出される実際の欠陥サイズは、通常、0.2mm〜1.0mm程度であるため、この実験結果は妥当な結果であると考えられる。
【0098】
次に、
図14に示す実験における欠陥サイズ算出方法の処理手順について説明する。
【0099】
図15は、本発明に係る実施形態の実施例を示し、
図14に示す実験における欠陥サイズ算出方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0100】
まず、ステップS201において、欠陥検査画像生成部126(或いは欠陥サイズ算出部128)は、反射超音波ビームW
nの2次元マップを生成する。具体的には、
図14(a)に示す反射超音波ビームW
nの2次元マップを示す画像を生成する。
【0101】
続いて、ステップS202において、欠陥判定部127(或いは欠陥サイズ算出部128)は、ステップS201で生成した2次元マップにおいて、内表面エコー近傍で乱れのある部分(欠陥)を抽出する。具体的には、第2のサンプル鋼管200−2の内表面200Nから外表面200Gに向かう方向に、第1の白色、第1の黒色、第2の白色の次に第2の黒色が現れる部分を欠陥として抽出する。
【0102】
続いて、ステップS203において、欠陥サイズ算出部128は、内表面エコーが存在する時刻Aを検出する。具体的に、ここでは、
図14(b)に示すように、内表面応答の第1ピーク(第1の白色)に相当する時刻と内表面応答の第2ピーク(第2の白色)に相当する時刻との中間の時刻を時刻Aとする。
【0103】
続いて、ステップS204において、欠陥サイズ算出部128は、内表面エコーが存在する時刻よりも前で、反射超音波ビームW
nの振幅値が最小値である時刻Bを検出する。ここでは、
図14(b)に示す時刻Bを検出する。
【0104】
続いて、ステップS205において、欠陥サイズ算出部128は、|A−B|から時間Δtを求める。
【0105】
続いて、ステップS206において、欠陥サイズ算出部128は、時間Δtと、第2のサンプル鋼管200−2の鋼材における超音波ビーム(反射超音波ビーム)の音速とに基づいて、欠陥サイズSを算出する。具体的に、欠陥サイズ算出部128は、S=(第2のサンプル鋼管200−2の鋼材における超音波ビーム(反射超音波ビーム)の音速)×(時間Δt)÷2を計算することにより、欠陥サイズSを算出する。ここで、2で除算しているのは、時間Δtは超音波ビームの往復の時間に相当する量であるため、片道の時間として計算するためである。
その後、
図15のフローチャートの処理を終了する。
【0106】
以上のステップS201〜S206の処理を得ることにより、
図14に示す実験における欠陥サイズ算出方法の処理が終了する。
【0107】
本発明の実施形態によれば、電縫鋼管200の外表面200Gにおける溶接部210から入射し、電縫鋼管200の内表面200N付近を走査する超音波ビームを用いて、欠陥検査を行うことにより、電縫鋼管200中における超音波ビームの伝播距離を短くすることができるため、超音波ビームの減衰を抑えることができ、その結果、微小な欠陥の検出も可能となる。
また、本発明の実施形態において、
図3−3(b)に示す欠陥で反射した反射超音波ビームの受信波形は、欠陥の欠陥先端部が小さいため、微小な信号となる。したがって、時刻Bの検出は、反射超音波ビームの振幅値の局所的な最小値を検出することで可能となる。そして、|A−B|を用いて欠陥のサイズを算出することにより、欠陥のサイズが小さく、また、
図3(b)に示す欠陥で反射した反射超音波ビームの受信波形と
図3(c)に示す内表面200Nで反射した反射超音波ビームの受信波形とが完全に分離されていなくても、欠陥のサイズを算出することができる。例えば、上記特許文献3の技術では、時間的に完全に分離した受信波形を用いる必要があったため、例えば0.5mm以下の欠陥を検出することが困難であったが、本発明による欠陥検査方法によれば、例えば0.5mm以下の欠陥を検出することも可能となった。
【0108】
(その他の実施形態)
上述した本発明の実施形態では、
図1に示すように、欠陥検査装置100は、電縫鋼管200の溶接部210に含まれる欠陥を検査する場合を想定した例について説明を行ったが、本発明においてはこの形態に限定されるものではない。例えば、溶接部210に含まれる欠陥に加えて電縫鋼管200の非溶接部における欠陥も検査する形態も本発明に含まれる。この場合、例えば、
図1に示す送信部124−1は、電縫鋼管200の外表面200Gにおける溶接部210から入射し、電縫鋼管200の内表面200N付近における溶接部210及び非溶接部を内表面200Nに沿って集束点を変化させながら走査する超音波ビーム112を、フェイズドアレイ探触子120から送信する形態を採る。
【0109】
また、送信部124−1から送信される超音波ビームの時間波形は、
図3−2の波形に限定されるものではなく、正又は負の第1の局所ピークを有し、その後に、当該第1の局所ピークと逆の極性の第2の局所ピークを有し、更にその後に、当該第1の局所ピークと同じ極性の第3の局所ピークを有するものであればよい。
したがって、
図3−2の波形の正負を逆にした波形、即ち、負の極性の第1の局所ピークを有し、その後に、正の極性の第2の局所ピークを有し、更にその後に、負の極性の第3の局所ピークを有する波形であってもよい。この超音波ビームを送信部124−1から送信した場合、受信部124−2で受信する反射超音波ビームの受信波形も、
図3−1に示す受信波形に対して振幅値の正負が逆になったものとなる。即ち、本例の場合、
図3−1に示す第1の白色が「第1の黒色」となり、
図3−1に示す第1の黒色が「第1の白色」となり、
図3−1に示す第2の白色が「第2の黒色」となり、
図3−1に示す第2の黒色が「第2の白色」となる。そして、本例の場合、欠陥判定部127は、欠陥検査画像において、電縫鋼管200の内表面200Nから外表面200Gに向かう方向に、「第1の黒色」、「第1の白色」、「第2の黒色」の次に「第2の白色」が現れる位置に欠陥が存在すると判定する形態を採る。また、本例の場合、欠陥サイズ算出部128は、欠陥判定部127で欠陥ありと判定されると、欠陥検査画像において、「第1の黒色」が現れる位置のうち反射超音波ビームの振幅値が最小となる位置に相当する時刻と「第2の黒色」が現れる位置のうち反射超音波ビームの振幅値が最小となる位置に相当する時刻との中間の時刻をAとし、「第2の白色」が現れる位置のうち反射超音波ビームの振幅値が最大となる位置に相当する時刻をBとし、|A−B|に基づいて欠陥のサイズを算出する形態を採る。
【0110】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。
即ち、上述した本発明の実施形態の制御処理装置120の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明に含まれる。
【0111】
なお、上述した本発明の実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。