特許第6197704号(P6197704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6197704
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20170911BHJP
【FI】
   G03G15/20 505
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-47366(P2014-47366)
(22)【出願日】2014年3月11日
(65)【公開番号】特開2015-169939(P2015-169939A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2016年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】三通田 真也
(72)【発明者】
【氏名】西川 聰
(72)【発明者】
【氏名】高田 怜
(72)【発明者】
【氏名】江口 裕丈
(72)【発明者】
【氏名】黒田 能孝
(72)【発明者】
【氏名】大谷 暢之
【審査官】 佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−286525(JP,A)
【文献】 特開2010−266799(JP,A)
【文献】 特開2012−103690(JP,A)
【文献】 特開2001−242769(JP,A)
【文献】 特開2013−184809(JP,A)
【文献】 特開2010−169998(JP,A)
【文献】 特開2011−081091(JP,A)
【文献】 特開昭63−208891(JP,A)
【文献】 特開2010−072170(JP,A)
【文献】 特開2003−255809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱を用いて記録媒体に現像剤像を定着させる定着装置と、
前記定着装置によって現像剤像が定着された記録媒体に一部分が接触し、記録媒体を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材から熱が伝えられ、前記搬送部材を支持する支持部と、
前記搬送部材側に向けて風を送る送風装置と、
前記送風装置からの風が前記搬送部材に当たることを防止するように前記搬送部材と前記送風装置との間に配置されていて、前記支持部に接触していて、前記支持部から熱が伝えられ、前記送風部材からの風が当たり冷却される風当たり部材と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記風当たり部材は、金属製である請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記支持部は、金属製である請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送部材へと記録媒体を案内する主案内部をさらに有し、前記主案内部は前記風当たり部材に接触している請求項1乃至いずれか記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記主案内部は金属製である請求項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
少なくとも前記定着装置から前記搬送部材まで記録媒体を搬送するための搬送路と、
前記搬送部材へと記録媒体を案内する副案内部と、
をさらに有し、
前記副案内部は、前記送風装置側から前記搬送路側へと風が通過する通気口が形成されている請求項1乃至いずれか記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記副案内部の前記通気口を形成する縁部の少なくとも一部分は、記録媒体が搬送される方向に傾斜している請求項記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記搬送部材を保護する保護部を有し、
前記保護部は、画像形成装置本体に形成された開口部と前記搬送部材との間に配置されていて、前記風当たり部材と一体である請求項1乃至いずれか記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、定着装置を通過した直後の用紙を搬送する第1搬送部と、該第1搬送部から用紙搬送方向に沿って延伸する用紙搬送経路と、前記第1搬送部に対して前記用紙搬送方向の下流側において前記用紙を搬送するために前記用紙搬送経路に設けられた第2搬送部と、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記用紙搬送経路を搬送される用紙に対して前記用紙空気を吹き付けるためのファンとを備えた画像形成装置であって、
前記ファンは吹き付けダクトに取り付けられており、前記吹き付けダクトは、前記ファンから吹き出された空気を前記用紙に吹き付けるように前記用紙搬送経路に対向する吹き付け開口部と、前記ファンから吹き出された空気がぶつかってその流れ方向を屈折させて前記吹き付け開口部側へ導く第1誘導壁部と、前記第1誘導壁部に沿って流れてきた空気がぶつかってその流れ方向をさらに屈折させて前記吹き付け開口部へと導く第2誘導壁部とを有することを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、記録材上に画像を形成する画像形成部及び画像を加熱して記録材に定着する熱定着手段を有する画像形成装置において、定着後の記録材を搬送する搬送部に、搬送路の少なくとも一方の側部に設けた送風手段又は吸気手段を有する冷却手段を備え、搬送される記録材に沿った冷却風の流れを生じさせる通風路を形成したことを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−132649号公報
【特許文献2】特開2003−263093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、搬送部材による現像剤像の品質の低下が防止できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る本発明は、熱を用いて記録媒体に現像剤像を定着させる定着装置と、前記定着装置によって現像剤像が定着された記録媒体に一部分が接触し、記録媒体を搬送する搬送部材と、前記搬送部材から熱が伝えられ、前記搬送部材を支持する支持部と、前記搬送部材側に向けて風を送る送風装置と、前記送風装置からの風が前記搬送部材に当たることを防止するように前記搬送部材と前記送風装置との間に配置されていて、前記支持部に接触していて、前記支持部から熱が伝えられ、前記送風部材からの風が当たり冷却される風当たり部材と、を有する画像形成装置である。
【0007】
請求項2に係る本発明は、前記風当たり部材は、金属製である請求項1記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項に係る本発明は、前記支持部は、金属製である請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項に係る本発明は、前記搬送部材へと記録媒体を案内する主案内部をさらに有し、前記主案内部は前記風当たり部材に接触している請求項1乃至いずれか記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項に係る本発明は、前記主案内部は金属製である請求項に記載の画像形成装置である。
【0012】
請求項に係る本発明は、少なくとも前記定着装置から前記搬送部材まで記録媒体を搬送するための搬送路と、前記搬送部材へと記録媒体を案内する副案内部と、をさらに有し、前記副案内部は、前記送風装置側から前記搬送路側へと風が通過する通気口が形成されている請求項1乃至いずれか記載の画像形成装置である。
【0013】
請求項に係る本発明は、前記副案内部の前記通気口を形成する縁部の少なくとも一部分は、記録媒体が搬送される方向に傾斜している請求項記載の画像形成装置である。
【0014】
請求項に係る本発明は、前記搬送部材を保護する保護部を有し、前記保護部は、画像形成装置本体に形成された開口部と前記搬送部材との間に配置されていて、前記風当たり部材と一体である請求項1乃至いずれか記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る本発明によれば、風当たり部材を有しない構成と比較して、搬送する搬送部材による現像剤像の品質の低下が防止でき、支持部が風あたり部材と接触していない場合と比較して、搬送部材の放熱を促進することができる。
【0016】
請求項2に係る本発明によれば、風当たり部材が金属製でない場合と比較して、風当たり部材の放熱を促進することができる。
【0018】
請求項に係る本発明によれば、支持部が金属製でない場合と比較して、搬送部材の放熱を促進することができる。
【0019】
請求項に係る本発明によれば、主案内部が風当たり部材と接触していない場合と比較して、主案内部の放熱を促進することができる。
【0020】
請求項に係る本発明によれば、主案内部が金属製でない場合と比較して、主案内部の放熱を促進することができる。
【0021】
請求項に係る本発明によれば、副案内部に案内される記録媒体を冷却することができる。
【0022】
請求項に係る本発明によれば、副案内部に案内される記録媒体の搬送不良を防止できる。
【0023】
請求項に係る発明によれば、風当たり部材と保護部とが一体でない場合と比較して、風当たり部の放熱を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2図1に示す画像形成装置が有する現像剤像形成部の概略構成を示す図である。
図3図1に示す画像形成装置が有する定着装置の概略構成を示す図である。
図4図1に示す画像形成装置が有する用紙案内部材の断面を示す図である。
図5図1に示す画像形成装置が有する排出ロール近傍を示し、図1におけるA−A線断面を模式的に示す図である。
図6図1に示す画像形成装置が有する排出ロール近傍を示し、図5におけるB−B線断面を示す図である。
図7】本発明の比較例に係る画像形成装置が有する排出ロール近傍を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。図1に示すように、画像形成装置10は画像形成装置本体12を有し、画像形成装置本体12には、記録媒体として用いられる用紙を排出する排出口14が形成されている。
【0026】
画像形成装置本体12内には、用紙に現像剤像を形成する像形成部100と、像形成部100に用紙を供給する例えば2つの給紙装置200と、像形成部100で形成された現像剤像を用紙に転写する転写装置300と、熱を用いて用紙に現像剤像を定着させる定着装置400と、送風装置600とが配置されている。また、画像形成装置本体12内には、用紙が搬送される搬送路250が形成されている。
【0027】
像形成部100は、像保持体として用いられている感光体ドラム112Y、112M、112C、112Kをそれぞれに有し、感光体ドラム112Y、112M、112C、112Kの表面にイエロー現像剤像、マゼンタ現像剤像、シアン現像剤像、黒現像剤像をそれぞれに形成するイエロー現像剤像形成ユニット110Y、マゼンタ現像剤像形成ユニット110M、シアン現像剤像形成ユニット110C、黒現像剤像形成ユニット110Kを有する。イエロー現像剤像形成ユニット110Y、マゼンタ現像剤像形成ユニット110M、シアン現像剤像形成ユニット110C及び黒現像剤像形成ユニット110Kの詳細は後述する。
【0028】
転写装置300は、感光体ドラム112Y、112M、112C、112Kにそれぞれ形成された現像剤像が重ねられるように転写される中間転写体310を有する。中間転写体310は、帯状であり無端状であって、支持ロール320、322、324、326、328に支持されていて、支持ロール320、322、324、326、328の中の少なとも1つの支持ロールからの駆動の伝達を受けることで、図1に矢印で示す方向に回転する。
【0029】
また、転写装置300は、感光体ドラム112Y、112M、112C、112Kのそれぞれから中間転写体310に対して現像剤像を転写するための1次転写装置330Y、330M、330C、330Kを有する。また、転写装置300は、中間転写体310に転写された現像剤像を用紙に対してさらに転写する2次転写装置340を有する。
【0030】
給紙装置200は、それぞれが用紙収納部202と、用紙収納部202に収納された最上位に位置する用紙を搬送路250へと送り出す送り出しロール204とを有する。
【0031】
搬送路250は、給紙装置200から供給された用紙を排出口14に向けて搬送する搬送路であって、少なくとも定着装置400から排出ロール500まで用紙を搬送するための搬送路として用いられている。また、搬送路250に沿って用紙の搬送方向上流側から順に、先述の送り出しロール204と、搬送ロール252と、レジストロール254と、先述の支持ロール322及び2次転写装置340と、先述の定着装置400と、案内部材270と、排出ロール500及び従動ロール530とが配置されている。案内部材270は、排出ロール500へと用紙を案内する副案内部として用いられている。
【0032】
搬送ロール252は、レジストロール254に向けて用紙を搬送する。レジストロール254は、回転を停止した状態で用紙の先端部を一時的に静止させ、所定のタイミングで回転を開始することで、中間転写体310に現像剤像が転写されるタイミングに合致するように、支持ロール322と2次転写装置340との接触部に用紙を供給する。
【0033】
排出ロール500は、定着装置400によって現像剤像が定着された用紙に一部分が接触し、用紙を搬送する搬送部材として用いられている。また、従動ロール530は、排出ロール500に従動して回転する部材である。従動ロール530と排出ロール500とは、従動ロール530と排出ロール500との間を通過させるようにして用紙を搬送し、用紙を排出口14を通過させるようにして画像形成装置本体12外へと排出する。排出ロール500と従動ロール530との詳細は後述する。
【0034】
定着装置400は、熱を用いて用紙に現像剤像を定着させる装置である。案内部材270は、排出ロール500へと用紙を案内する案内副案内部として用いられていて、搬送路250に対して重力方向における上方に位置している。また、案内部材270は、送風装置600と搬送路250との間に間の位置に配置されている。送風装置600は排出ロール500側へと風を送る装置である。定着装置400、排出ロール500及び送風装置600の詳細は後述する。
【0035】
図2には、現像剤像形成ユニット110Y、110M、110C、110Kが示されている。現像剤像形成ユニット110Y、110M、110C及び110Kは、用いるトナーの色と形成する画像の色とが互いに異なるものの構成が互いに同一であるため、以下、現像剤像形成ユニット110と総称して説明する。図2に示すように、現像剤像形成ユニット110は、感光体ドラム112の表面を帯電させる帯電装置114と、帯電装置114により帯電された感光体ドラム112の表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成装置116と、潜像形成装置116によって感光体ドラム112の表面に形成された潜像をトナーを用いて現像する現像装置118と、中間転写体310に対して1次転写装置330によって現像剤像が転写された後の感光体ドラム112の表面を清掃する清掃装置122とを有する。
【0036】
図3には、定着装置400が示されている。図3に示されているように、定着装置400は、用紙に接触し、用紙を加熱するための加熱部材410を有する。加熱部材410は、帯状であり無端状であって、支持ロール412、支持ロール414及び支持部材416によって図3中に矢印で示す方向に回転することができるように支持されている。支持ロール412、支持ロール414及び支持部材416は、それぞれが内部に例えばハロゲンランプ等の発熱部を有している。
【0037】
また、定着装置400は、用紙に圧力を加えるための加圧部材として用いられている加圧ロール430を有する。加圧ロール430は加熱部材410を介して支持部材416に対して押し付けられている。また、加圧ロール430は、加熱部材410との間に用紙に現像剤像を定着させる領域である定着領域Nを形成している。
【0038】
また、定着装置400は、2次転写装置340によって現像剤像が転写された用紙を定着領域Nに搬送する搬送装置450を有する。搬送装置450は、用紙の未定着の現像剤像が転写された側の面とは逆側の面である重力方向における下向きの面に接触するようにして用紙を支持し、支持している用紙を搬送する搬送ベルト452と、搬送ベルト452を支持する支持ロール454、支持ロール456を有する。搬送ベルト452は、支持ロール454、支持ロール456の少なくとも一方から駆動が伝達されることで回転し、定着領域Nへと用紙を搬送する。
【0039】
図4には、案内部材270が示されている。案内部材270は、重力方向における下側の面であり、搬送路250に対向する面である面272によって用紙の搬送を案内する。また、案内部材270には、送風装置600(図1を参照)側から搬送路250側へと風が通過する通気口276が例えば複数個形成されている。このため、通気口276を通過するようにして送風装置600からの風が搬送路250へと到達し、搬送路250を搬送中の用紙が送風装置600からの風によって冷却される。
【0040】
また、案内部材270の通気口276を形成する縁部278は、少なくとも一部が図4に矢印で示す用紙が搬送される方向に向けて傾斜している。このため、例えば用紙の先端部が縁部278に接触した際に、用紙の接触した部分の動きを妨げにくく、用紙の動きが妨げられることによる用紙の搬送不良が生じにくい。
【0041】
図5及び図6には、排出ロール500と排出ロール500近傍が示されている。図5に示されているように、送風装置600は例えば2つが設けられている。それぞれの送風装置600はいわゆるシロッコファンであって、排出ロール500側に排出口604が形成された送風装置本体602を有し、送風装置本体602内に複数の羽根部608を有する回転部606が配置されている。そして、送風装置600は、回転部606が図5に示す矢印方向に回転することで、排出口604から空気を排出するようにして排出ロール500側へと風を送る。
【0042】
また、図5に示されているように、排出ロール500は、ステンレス製の軸部502を有し、軸部502には、例えば3個のひだ形成部材506が取り付けられている。ひだ形成部材506は、例えば円筒形状であって、軸部502の長手方向における位置が固定されつつ軸部502に対して回転することができるように軸部502に取り付けられている。ひだ形成部材506の直径は、隣接する接触部材504の直径よりも大きく構成され、ひだ形成部材502と接触部材504との直径の差によって、搬送中の用紙にひだを形成し、搬送中の用紙の剛性を高めるために用いられている。ひだ形成部材506は、搬送中の用紙に接触する状態となることもあるし、搬送中の用紙に接触しない状態となることもある。
【0043】
また、軸部502に例えば4個の接触部材504が固定されている。接触部材504は、用紙を搬送する際に用紙に接触する部分であり、円筒形状であって、材質として例えばゴム等が用いられている。接触部材504とひだ形成部材506とは、軸部502の長手方向において交互に配置されていて、互いに隣り合うものが軸部502の長手方向において互いに離れるように配置されている。
【0044】
排出ロール500を用いて用紙を搬送する際には、接触部材504の全てと、ひだ形成部材506の一部又は全部が搬送中の用紙に接触した状態となる。その一方で、用紙における接触部材504とひだ形成部材506との間の位置に対向する位置には、排出ロール500は接触しない。このように、排出ロール500は、定着装置400によって現像剤像が定着された用紙に一部が接触し、用紙を搬送している。
【0045】
また、排出ロール500は、支持部材520が有する2つの軸受部522によって回転することができるように支持されている。支持部材520の材質としては、熱伝導率が高く、熱を放射しやすい材料である金属が用いられていて、支持部材520は金属製となっている。また、軸部502には、例えばギア列等から構成されている駆動伝達機構590を介して駆動源として用いられているモータ592が連結されていて、軸部502へとモータ592から駆動が伝達されることで、排出ロール500は回転する。
【0046】
従動ロール530は、軸部532を有し、排出ロール500の接触部材504と同数の回転体534が軸部532に対して回転することができるように取り付けられている。それぞれの回転体534は、排出ロール500が回転することに伴って、接触部材504に連れ回りするようにして回転する。
【0047】
また、排出ロール500と送風装置600との間の位置には、風当たり部材の一例として用いられている風当たり防止部材540が配置されている。風当たり防止部材540は、送風装置600からの風が当たる部材である。また、風当たり防止部材540は、送風装置600からの風が直接に排出ロール500に当たることを防止している。また、風当たり防止部材540は、熱を放射する放熱材料から構成されている。より具体的には、風当たり防止部材540の材質として、熱伝導率が高く、熱を放射しやすい材料である金属が用いられている。また、風当たり防止部材540は、送風装置600に対向する面である対向面542を有している。また、風当たり防止部材540は、支持部材520に接触していて、例えばネジ550、ネジ552、ネジ554を用いて支持部材520に固定されている。
【0048】
このように、風当たり防止部材540に対して、金属を材質とし、排出ロール500を支持する支持部材520が接触しているため、排出ロール500から支持部材520へと熱が伝わりやすく、さらには支持部材520から風当たり防止部材540へ熱が伝わりやすい。このため、熱による現像剤像の定着がなされた用紙に接触することによって温度が上昇した排出ロール500からの熱が、支持部材520を介して風当たり防止部材540へと伝えられる。そして、風当たり防止部材540は、対向面542に送風装置600からの風が当たることで排出ロール500からの熱を放射する。
【0049】
また、風当たり防止部材540は、送風装置600からの風が直接に排出ロール500に当たることを防止している。このため、送風装置600からの風が排出ロール500に当たることによる排出ロール500の冷却はされない。このため、排出ロール500が過度に冷却されることがない。
【0050】
風当たり防止部材540には、排出ロール500へと用紙を案内する主案内部として用いられている案内部材560が、風当たり防止部材540に接触するように取り付けられている。案内部材560の材質としては、熱伝導率が高く、熱を放射しやすい材料である金属が用いられていることから、案内部材560から風当たり防止部材540へと熱が伝わりやすい。このため、熱による現像剤像の定着がなされた用紙に接触することによって温度が上昇した案内部材560からの熱が風当たり防止部材540へと伝えられ、風当たり防止部材540に送風装置600からの風が当たることで案内部材560からの熱が風当たり防止部材540から放散する。
【0051】
また、風当たり防止部材540には、保護部材570が取り付けられている。保護部材570は、排出ロール500を保護する保護部として用いられていて、画像形成装置本体12に形成された排出口14と排出ロール500との間に配置されている。保護部材570を設けることで、排出口14から操作者が排出ロール500に触れることができなくなり、操作者が排出ロール500に触れること等を原因とする排出ロール500の破損が生じにくくなる。保護部材570の材質としては、熱伝導率が高く、熱を放射しやすい材料である金属が用いられている。このため、風当たり防止部材540から保護部材570へと熱が伝わりやすく、風当たり防止部材540からの熱を放散することで、保護部材570は風当たり防止部材540による冷却作用を補助している。
【0052】
図7には、比較例に係る画像形成装置が示されている。この比較例に係る画像形成装置は、先述の本発明の実施形態に係る画像形成装置10が有していた風当たり防止部材540を有していない。このため、送風装置600からの風が直接に排出ロール500に当たり、排出ロール500が過度に冷却される虞がある。そして、排出ロール500が過度に冷却されると、用紙の排出ロール500に接触している部分、すなわち、用紙の接触部材504に接触している部分と用紙のひだ形成部材506に接触している部分との温度が他の部分よりも低くなる虞がある。そして、このように現像剤像が熱により定着された用紙中に冷却の不均一が生じると、この不均一に伴い用紙に形成された画像の光沢が不均一になる等の画像品質の低下が生じる虞がある。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上で説明をしたように、本発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ等の画像形成装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
10・・・画像形成装置
12・・・画像形成装置本体
14・・・排出口
270・・・案内部材
276・・・通気口
278・・・縁部
500・・・排出ロール
504・・・接触部材
520・・・支持部材
540・・・風当たり防止部材
542・・・対向面
560・・・案内部材
570・・・保護部材
600・・・送風装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7