(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ITOなどの透明電極は銅やアルミと比べて導電率が非常に低い。そのため、特許文献1に示されているように、ITOなどの透明電極でアンテナを形成すると、導体損失が大きくて良好なアンテナ特性が得られない。
【0007】
そこで本発明の目的は、導体層が配置された表示装置を備えた電子機器に組み込まれる場合に、表示装置の表示面側から良好な通信特性のもとで通信できるようにしたアンテナ装置およびそのようなアンテナ装置を備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明のアンテナ装置は、
導体層を有する表示装置を備えた電子機器に組み込まれるアンテナ装置において、
前記表示装置の表示面側とは反対側に配置された面状導体と、
中心にコイル開口部を有するループ状またはスパイラル状のコイル導体を有する給電コイルと、を備え、
前記給電コイルは、前記面状導体に近接し、前記コイル開口部の少なくとも一部が平面視で前記面状導体の外形端部よりも外側に位置するように配置され、
前記表示装置と前記面状導体との間で、且つ前記表示装置と前記給電コイルとの間に、平面視で前記コイル導体に重なる磁性体シートが配置されている、ことを特徴とする。
【0009】
上記構成により、導体層を有する表示装置を備えながらも、その表示面側から良好な通信特性のもとで通信できる。
【0010】
(2)上記(1)において、前記給電コイルは、前記コイル導体の少なくとも一部が平面視で前記面状導体と重なるように配置されることが好ましい。これにより、給電コイルと面状導体とが強く結合し、磁束の放射素子としての機能が高まる。
【0011】
(3)上記(1)または(2)において、前記面状導体は、切欠き部を備え、前記給電コイルは、前記コイル開口部の少なくとも一部が平面視で前記切欠き部に重なることが好ましい。これにより、コイル導体と面状導体との結合が強くなり、磁束の放射素子としての機能がより高まる。
【0012】
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記磁性体シートは、平面視で表示装置とコイルの重なる領域の少なくとも一部に配置されることが好ましい。これにより、給電コイルのコイル導体と表示装置の導電性部材との不要結合が抑制され、表示装置の導電性部材に渦電流が殆ど生じることがなく、磁束の放射素子としての機能が維持される。
【0013】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、平面視したとき、前記コイル導体の少なくとも一部は、前記磁性体シートおよび前記表示装置のいずれとも重ならないことが好ましい。これにより、コイル導体が面状導体との結合により間接的に集磁/放射する磁束だけでなく、コイル導体が直接的に磁束を集磁/放射することもできる。
【0014】
(6)上記(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記面状導体は、前記表示装置の表示面側とは反対側に配置されるシールドであることが好ましい。これにより、表示装置のシールド部材をアンテナ装置の一部に兼用でき、小型・低コスト化できる。
【0015】
(7)上記(1)〜(6)のいずれかにおいて、磁性体シートの外形は、前記面状導体の外形よりも小さく、且つ前記コイル導体の外形よりも大きいことが好ましい。このことにより、給電コイルと表示装置との不要結合が効果的に抑制され、且つ磁性体シートが、面状導体の放射素子としての作用を阻害することがない。
【0016】
(8)上記(1)〜(7)のいずれかにおいて、給電回路が構成され、前記面状導体の、表示装置側とは反対側に配置された回路基板を備え、前記給電コイルは面状導体の、表示装置側とは反対側の面に配置されていて、給電コイルは、回路基板に構成された給電回路に接続導体を介して接続されている、ことが好ましい。この構成により、アンテナ装置に対する給電回路の接続を簡素な構造で容易に行える。
【0017】
(9)上記(1)〜(7)のいずれかにおいて、給電回路が構成された回路基板を備え、給電コイルは回路基板に形成されていることが好ましい。これにより、部品点数が削減され、組立も容易になる。
【0018】
(10)上記(1)〜(7)のいずれかにおいて、前記面状導体の、表示装置側とは反対側に配置された回路基板を備え、給電コイルは、基材層と、この基材層に形成されたコイル導体とで構成され、給電コイルは、回路基板の面状導体側の面に配置され、給電コイルと回路基板との間に第2の磁性体シートが配置されたことが好ましい。この構成により、給電コイルは、回路基板に形成されているグランド電極等の導体と不要結合せず、渦電流による損失、特性変化が抑制される。また、回路基板に形成する導体パターンの設計上の制約を受けなくできる。
【0019】
(11)本発明の電子機器は、上記(1)〜(10)のいずれかに記載のアンテナ装置、表示装置、およびそれらを収める筐体を備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、導体層を有する表示装置を備えながらも、その表示面側から良好な通信特性のもとで通信できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点について説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
【0023】
《第1の実施形態》
図1(A)は、表示装置に近接する、第1の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の主要部の分解斜視図であり、
図1(B)は表示装置とアンテナ装置との積層状態での斜視図である。また、
図2は
図1(B)におけるA−A部分の断面図である。
【0024】
本実施形態のアンテナ装置101は、表示装置201の表示面側とは反対側(以降「背面側」という。)に配置されている。アンテナ装置101は、面状導体20、給電コイル10、および磁性体シート30を備えている。表示装置201は、
図1(A)(B)に示す状態で上面が表示面である。
【0025】
表示装置201は有機ELディスプレイや液晶ディスプレイであり、表示装置内部には、ITOなどの透明電極で構成される画素電極やノイズ対策用の面状電極、画素電極に電圧を印加または電流を流すための駆動電極等の導電性部材が備えられている。
【0026】
面状導体20は表示装置201の表示面の反対面(背面)に配置される補強用およびシールド用として機能する金属板である。
【0027】
本発明において「面状導体」とは、少なくとも面状に広がっている部分を有する導電性部材のことであり、平面形状だけでなく、曲面形状、また立体形状が有する表面でもよい。
【0028】
なお、表示装置201に補強用およびシールド用として機能する金属板が配置されていない場合は、例えば回路基板のグランド導体などを面状導体20として用いてもよい。
【0029】
面状導体20は、表示装置201の表示面の背面側に配置されている。面状導体20には、スリットSLおよび開口APで構成される切り欠き部が形成されている。
【0030】
給電コイル10は、基材シート11と、この基材シート11に形成されたコイル導体12で構成されている。コイル導体12は、中心にコイル開口部を有する矩形スパイラル状に形成されている。上記「基材シート11」は本発明に係る「基材層」の一例である。
【0031】
給電コイル10は、面状導体20に近接し、コイル開口部CAの少なくとも一部が平面視で面状導体20の外形端部よりも外側に位置するように配置されている。本発明における「面状導体の外形端部」とは、切欠き部があれば、その切欠き部に沿った部分も外形端部である。
【0032】
本実施形態では、コイル導体12のコイル開口部CAが、面状導体20の開口APおよびスリットSLの一部に対して平面視で重なるように配置されている。
【0033】
磁性体シート30は、表示装置201と面状導体20との間、且つ表示装置201と給電コイル10との間配置されていて、平面視でコイル導体12に重なるように配置されている。
【0034】
磁性体シート30の外形は、面状導体20の外形よりも小さく、コイル導体12の外形よりも大きい。
【0035】
給電コイル10のコイル導体12には給電回路が接続される。給電コイル10は、そのコイル開口部CAが、面状導体20の開口APおよびスリットSLの一部に対して平面視で重なるように配置されているので、給電コイル10のコイル導体12は面状導体20と磁界結合する。
【0036】
本実施形態によれば、開口APおよびスリットSLによる切欠き部が形成されているので、コイル導体12の外縁と面状導体20とが重なる部分が多い。そのため、コイル導体12と面状導体20とが強く結合し、磁束の放射素子としての機能が高まる。
【0037】
アンテナ装置101を送信アンテナとして用いる場合、コイル導体12による磁界によって、面状導体20に
図1中に矢印で示すような経路で誘導電流が流れ、面状導体20が磁束を放射する放射素子として作用する。そのため、表示装置201の表示面側に近接する、通信相手のアンテナと磁界結合して通信できる。
【0038】
逆に、アンテナ装置101を受信アンテナとして用いる場合、面状導体20は、表示装置201の表示面側に近接する通信相手のアンテナとの結合により、
図1中に矢印で示すような経路で誘導電流が流れ、面状導体20による磁界によって給電コイル10のコイル導体12に電流が誘導される。
【0039】
図2において、仮に磁性体シート30が存在しないと、給電コイル10のコイル導体12と表示装置201の導電性部材とが不要結合して、表示装置201の領域R1に渦電流が生じる。本実施形態のアンテナ装置101によれば、給電コイル10のコイル導体12と表示装置201との間に磁性体シート30が配置されているので、給電コイル10のコイル導体12と表示装置201の導電性部材との不要結合が抑制される。
【0040】
また、
図2において、仮に磁性体シート30が存在しないと、表示装置201の領域R1と、これに対面する面状導体20の領域R2とが不要結合して、領域R2に渦電流が生じる。本実施形態のアンテナ装置101によれば、面状導体20と表示装置201との間に磁性体シート30が配置されているので、表示装置201の金属板と面状導体20との不要結合が抑制される。
【0041】
このように、表示装置201の金属板は、電流密度の高い、すなわち磁界強度の高いコイル導体12から遮蔽され、更には、面状導体20は、コイル導体12部分が対向する表示装置201の金属板から遮蔽されるので、アンテナ装置101に表示装置201が近接していることによるアンテナの特性劣化は少ない。
【0042】
ここで、本実施形態に係るアンテナ装置101の特性、および比較例としてのアンテナ装置の特性について示す。
【0043】
図3(A)は、本実施形態に係るアンテナ装置101のシミュレーションモデルの断面図であり、
図3(B)は、比較例に係るアンテナ装置のシミュレーションモデルの断面図である。
図3(A)に示すモデルでは、表示装置201の背面に、磁性体シート30、コイル導体12および面状導体20が、この順に積層配置されている。
図3(B)に示す比較例のモデルでは、表示装置201の背面に、面状導体20、コイル導体12および磁性体シート30が、この順に積層配置されている。
図3(A)(B)において、各部のパラメータは次のとおりである。
【0044】
コイル導体12の外径:20mm角
コイル導体12の内径:12mm角
面状導体20の外形:65mm×120mm
面状導体20の開口AP:12mm角(コイル導体12の内径と同じ)
表示装置201の外形:65mm×120mm(面状導体20の外形と同じ)
図4は、
図3(A)(B)に示した2つのアンテナ装置について、磁性体シート30のサイズを変更したときの、通信相手側アンテナとの結合係数の変化を示す図である。
図4中(A)は本実施形態に係るアンテナ装置101の特性、(B)は比較例に係るアンテナ装置の特性である。
【0045】
例えば、磁性体シート30のサイズが、給電コイルのコイル導体12の外形と同じ20mm×20mmであるとき、比較例のアンテナ装置に比べて本実施形態のアンテナ装置101の方が高い結合係数が得られる。
【0046】
上記2つのアンテナ装置のいずれについても、磁性体シート30のサイズを大きくするほど、結合係数は増大するが、比較例のアンテナ装置より本実施形態のアンテナ装置101の方が、磁性体シート30を大きくすることによる結合係数の増大率が大きい。すなわち、本実施形態のアンテナ装置101の方が、磁性体シート30による、コイル導体12と表示装置の導電性部材との不要結合の抑制効果が高い。磁性体シート30のサイズが大きくなるにつれて、面状導体20の放射素子としての作用が減じられるので、磁性体シート30のサイズは表示装置201の外形を超えない範囲であることが好ましい。特に、磁性体シートのサイズを大きくするにつれて結合係数が減少に転じるまでの範囲に設定することが好ましい。
【0047】
図5は本実施形態のアンテナ装置101を備える電子機器301の断面図である。電子機器301は、上部筐体51、下部筐体52、表示装置201、給電コイル10、磁性体シート30、面状導体20、および回路基板40を備えている。
【0048】
この例では、磁性体シート30と給電コイル10とは粘着層を介して積層一体化されている。面状導体20は各種部品や部材を筐体内に固定するとともに、全体の補強を行う金属シャーシである。上記磁性体シート30と給電コイル10との積層体は表示装置201の内面に貼付されていてもよい。また、面状導体20に貼付されていてもよい。
【0049】
回路基板40には、給電コイル10に接続される給電回路が設けられている。
【0050】
本実施形態によれば、給電コイル10のコイル導体と表示装置201の導電性部材との不要結合が磁性体シート30により抑制されるので、良好なアンテナ特性が得られる。
【0051】
また、磁性体シート30の外形が面状導体20の外形よりも小さいので、磁性体シート30が面状導体20の放射素子としての作用を阻害することがない。
【0052】
また、磁性体シート30は少なくともコイル導体12を覆うように形成すればよいが、磁性体シート30が面状導体20の開口APを覆うように配置すれば、表示装置201からのノイズが開口APを介して外部に漏洩されることも防止できる。
【0053】
図1(A)(B)、
図2に示した例では、給電コイル10の全体を覆うように磁性体シート30を配置したが、磁性体シート30は給電コイル10のコイル導体12と対向する位置にのみ設けてもよい。すなわち、磁性体シート30には、コイル開口部CAと重なる開口が形成されていてもよい。
【0054】
《第2の実施形態》
図6は第2の実施形態に係る電子機器302の断面図である。電子機器302は、筐体50、表示装置201、給電コイル10、磁性体シート30、面状導体20、および回路基板40を備えている。
【0055】
第1の実施形態で
図2等に示した構成と異なり、給電コイル10は面状導体20の下面(表示装置201側とは反対側の面)に配置されている。回路基板40には給電回路が構成されている。この給電回路はスプリングピン端子41を介してコイル導体12の両端に接続される。
【0056】
図6に示した構成であっても、給電コイル10のコイル導体12と表示装置201との不要結合が磁性体シート30によって抑制される。
【0057】
本実施形態によれば、給電コイル10と給電回路との接続が容易になる。
【0058】
《第3の実施形態》
図7は第3の実施形態に係る電子機器303の断面図である。電子機器303は、筐体50、表示装置201、磁性体シート30、面状導体20、および回路基板40を備えている。
【0059】
第1、第2の実施形態と異なり、給電コイルのコイル導体12は回路基板40の非グランド領域NGRに形成されている。コイル導体12は例えば矩形スパイラル状パターンに形成されている。また、この回路基板40にはコイル導体12に繋がる給電回路が構成されている。
【0060】
本実施形態によれば、部品点数が削減され、組立も容易になる。
【0061】
《第4の実施形態》
図8は第4の実施形態に係る電子機器304の断面図である。電子機器304は、筐体50、表示装置201、給電コイル10、磁性体シート30、面状導体20、および回路基板40を備えている。
【0062】
以上に示した各実施形態と異なり、給電コイル10を回路基板40側に搭載している。また、給電コイル10と回路基板40との間に磁性体シート13を介在させている。
【0063】
本実施形態によれば、給電コイル10と回路基板40との間の磁性体シート13は、給電コイル10のコイル導体12と回路基板40のグランド導体との不要結合を抑制する。そのため、給電コイル10は回路基板40のグランド領域に搭載しても、グランド導体に渦電流が生じることが防止できる。すなわち、回路基板40に、給電コイル10搭載用の非グランド領域を設ける必要がなくなる。
【0064】
《第5の実施形態》
図9は第5の実施形態に係るアンテナ装置と表示装置とを一体化したモジュールの断面図である。表示装置201は、
図9に示す状態で上面が表示面である。本実施形態のアンテナ装置は、表示装置201の背面に一体化されている。磁性体シート30と給電コイル10は積層一体化されている。この積層体が表示装置201の背面に貼付されている。また、表示装置201の背面に面状導体20が貼付されている。面状導体20には、磁性体シート30と給電コイル10との積層体を収めるための凹みが形成されている。
【0065】
このように、面状導体20の厚み内に給電コイル10および磁性体シート30を収めることによって、全体が平板状のモジュールを構成してもよい。
【0066】
《第6の実施形態》
図10(A)は、第6の実施形態に係るアンテナ装置を備える電子機器の主要部の平面図であり、
図10(B)は、
図10(A)におけるA−A部分での断面図である。
【0067】
本実施形態のアンテナ装置は、表示装置201の背面側に配置されている。本実施形態のアンテナ装置は、面状導体20、給電コイル10、および磁性体シート30を備えている。
【0068】
給電コイル10に設けられているコイル導体12の一部は面状導体20の外縁より外側にはみ出ている。磁性体シート30は、コイル導体12と表示装置201との間に配置されている。給電コイル10には、
図10(B)において磁束φで示すように、磁束が通過する。
【0069】
図1に示した例と異なり、面状導体20にはスリットや開口が形成されていない。このように、スリットや開口が形成されていない面状導体を利用することもできる。また、給電コイル10は面状導体の短辺・長辺のどちらに配置してもよい。
【0070】
本実施形態によれば、面状導体20に切欠き部を形成する必要がないので、シールド機能や強度を維持できる。特に、ベゼル部分の比較的大きなタブレットPC等では、本実施形態の構造の適用性が高い。また、磁性体シート30は、表示装置201と重なる部分以外には配置しなくてもよいので、特に切欠き無しの場合は、磁性体シートが重なっていないことにより、コイル導体12が面状導体20との結合により間接的に集磁/放射する磁束だけでなく、コイル導体12が直接的に磁束を集磁/放射することもできる。
【0071】
《第7の実施形態》
図11(A)(B)は第7の実施形態に係るアンテナ装置の平面図である。いずれのアンテナ装置も、
図1に示したアンテナ装置とは切欠き部の形状が異なる。
【0072】
図11(A)の例では、面状導体20に、スリットSLが無くて、開口APが形成されている。
図11(B)の例では、面状導体20に、開口APが無くてスリットSLが形成されている。
【0073】
図11(A)(B)に示すいずれのアンテナ装置においても、給電コイル10は、面状導体20に近接し、コイル開口部CAの少なくとも一部が平面視で面状導体20の外形端部よりも外側に位置するように配置されている。
【0074】
図11(A)(B)においては、表示装置と磁性体シートの図示を省略している。磁性体シートは、表示装置と面状導体20との間で、且つ表示装置と給電コイル10との間に、平面視でコイル導体12に重なる位置に配置される。
【0075】
本実施形態で示すように、面状導体20に形成される切欠き部は、スリットSLと開口APとで構成されている必要はなく、幅の変化が実質的に無い切欠き部であってもよい。少なくともコイル導体12の外縁が面状導体20と重なっていることが好ましい。それにより、コイル導体12と面状導体20が強く結合するため、磁束の放射素子としての機能が高まる。但し、コイル導体12と面状導体20とが近接しているだけでも、ある程度は結合するので、コイル導体12の外縁と面状導体20とが重ならなくても、近接していることで効果はある。ここで、「近接」とは、コイル導体12と面状導体20との間隔がコイル開口CAの大きさ以下に近接していることである。