特許第6198208号(P6198208)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6198208-クーラント濾過装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6198208
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】クーラント濾過装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/00 20060101AFI20170911BHJP
   B01D 35/06 20060101ALI20170911BHJP
   B01D 43/00 20060101ALI20170911BHJP
   B03C 1/10 20060101ALI20170911BHJP
   B03C 1/14 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   B23Q11/00 U
   B01D35/06 C
   B01D43/00
   B03C1/10 A
   B03C1/14
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-238187(P2014-238187)
(22)【出願日】2014年11月7日
(65)【公開番号】特開2016-87775(P2016-87775A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2016年8月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513138980
【氏名又は名称】澤田 武志
(72)【発明者】
【氏名】澤田 武志
【審査官】 山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−151314(JP,A)
【文献】 特開昭49−097385(JP,A)
【文献】 特開2010−023028(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3010015(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 11/00,11/10,
B01D 35/06,43/00,
B03C 1/00−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性系材料の機械加工で使用するクーラントの濾過装置であって、
切粉を含むクーラントが流入する入口を有する非磁性材料で構成する液槽と、
マグネットブロック列を配置したドラムユニットと、
その外周を回転する非磁性材料による円筒ケースと、
上記液槽外に設置した回転機構と、
上記液槽の底板の外部に、ドラムユニットのマグネットブロック列の1列と相対して配置したマグネットブロック列と、
上記液槽の底板の外部に配置したマグネットブロック列を取付けて、上記液槽外に設置した回転機構と連動して駆動するコンベアーとを有し、
上記液槽に流入した切粉を含むクーラントは、磁力効果が発揮出来るよう切粉の凝集沈殿の集合体の拡大を計り、その集合体を、底板を挟んで、取り付けた上記コンベアーのマグネットブロック列の磁力により、上記固定ドラムユニットの外周を回転する円筒ケースに移動させる。又、底板の外側に取り付けた上記マグネットブロック列と、ドラムユニットのマグネットブロック列の1列との間に対極面(N極ーS極))を作って、切粉の移動時の切粉の拡散を防止する。
ドラムユニットの円筒ケ−スに移動した切粉は、回転方向に移動、上部近く、切粉の脱液を目的としたゴムローラーにて脱液をさせ、スクレーパーにより分離させ、排出するクーラントの濾過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性系材料の機械加工工程に使用されるクーラントを、濾過する為のクーラント装置である。
【背景技術】
【0002】
一般に、マグネットセパレーターと云われる濾過装置に、ドラム型にマグネットピースを固定し、ドラム全体を回転させて切粉を吸着させて、スクレーパーにて排除するタイプ。他方、ドラム型にマグネットピースを固定配置、そのドラムの外円筒のみ回転させて切粉を吸着、移動させて、スクレーパーにて排除するタイプ。等が代表的濾過装置として見受けられる。近年マグネットの加工技術の向上と共に、磁力が強力になり、それを十分に活用する様な濾過装置が求められている。又、同時に、超微細な切粉粒子、研削加工等に使用する砥石の加工時に脱落する砥粒等が濾過されずに流出する。これらの除去の効率を上げる事が濾過精度の向上そして、使用クーラントの劣化を防止、濾過装置の点検期間の延長を補整する濾過装置が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、マグネットの磁力が強力となっている。しかし、強力な磁力のマグネットを使用しても超微細な切粉、研削加工に使用される砥石から脱落する砥粒等が液の流れにより流出する濾過工程から、これらの対処に、単独な超微粒子の集合体、砥粒の含有集合体の拡大の形成を計れば、磁力に反応するので、さらに濾過の精度を向上させる事が出来る事を目的とした濾過装置。
【課題を解決するための手段】
【0004】
目的を達成するための本発明の要旨とするところは、濾過装置の機能と周辺付属装置の組合わせにより、濾過能力を更に向上を追求する濾過装置である。即ち、濾過装置を含めて全体の加工工程に入ると、クーラントの流れにより、強力な磁力による濾過にでも、超微細な切粉、研削加工時に脱落する砥石の砥粒等が流出する。このような事が、クーラントの循環においては、超微細な切粉、砥粒等が凝集しないと、排出され難い。又、加工工程の再稼動時に、沈殿していた超微細な切粉、砥粒等がクーラントの循環により攪拌移動が始まる。この様な現象を改善向上、濾過能力の効率向上を目的したものである。即ち、磁性系材の機械加工工程にて、切粉を含むクーラントが流入する入口を有する液槽に、非磁性材構成の槽の左右側壁に支持された基軸に、強力マグネットブロックを配列固定したドラムを取り付け、同時にその外周に排出用の円筒ケース取り付ける。そして、槽の外壁取り付けてある駆動モーターにより、回転移動させる構造とし、又、槽の底板部の外側には、マグネットドラムのマグネットブロック列を配置した一列と相対して固定マグネットブロック列を取り付ける。強力な磁場を形成する。(N極対S極)濾過の効率と沈殿凝集した切粉の攪拌を押さえるを目的とし、さらに、槽の入口部よりマグネットドラム取り付け底部R部附近まで切粉の沈殿凝集し易い距離を設ける構造とする。その底部板を挟んで、外部より、マグネットブロック列を一定間に配したコンベアーを外部駆動より連動し、超微細な切粉、脱落した砥粒を含む切粉を磁力により底板上を移動させる。切粉は、凝集量が拡大するに従って固定ドラム側に移動し、円筒ケースの回転により移動し、スクレーパーにより分離、排出させる構造とする濾過装置。
【発明の効果】
【0005】
磁性系材料の機械加工工程より発生する切粉処理の濾過装置に於いて、一般にマグネットを使用する濾過装置で、強力な磁力を発生するもの、磁力配置組み合わせ配置のもの、等によるもので構成しても、超微細な切粉、研削加工時に脱落する砥石の砥粒等が、濾過時のクーラントの流れにより流出する、そこで如何に超微細な切粉、砥粒等が結合、凝集の促進を補足すれば、マグネットの吸着反応が向上し濾過効率が上がる。濾過ゾーンに入る前に、槽に沈殿ゾーンを設けて沈殿凝集を促がし、槽の非磁性材にての底板の外部よりマグネットブロックを配列したコンベアーの磁力にて、沈殿凝集体を底板上移動させる。又、ドラムに乗り移りゾーンにては、ドラム側に配列したマグネットブロック一列と相対して、マグネットブロック列を槽の底板の外部より取り付けたことにより、相対する間に磁力が増し、同時に沈殿凝集体の流れによる攪拌の防止、又、凝集体の体積の拡大を計り、ドラムへの移動が容易になり、全体の濾過能力は向上する。特に、槽内に習動部が無いため、集合体として排出し易く、加工機械の運転前の準備起動にての運転は、著しく効果が発揮される濾過装置
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】 一般設置システム図
図2】 濾過フロー断面図
図3】 装置断面図 図2の(A−O−B)
図4】 搬送部断面
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0007】
以下、本発明の一実例を図1図4に基ついて、詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明の一実例のクーラント濾過装置を組み込んだシステムの構成を示す概略図である。機械加工装置101より切粉を含むクーラントが、濾過装置100の入口1より流入し、濾過され、クーラントは出口2より貯留槽102へ流出し、貯留槽102より図示してないが、ポンプにより機械加工装置101へ供給する工程より構成される。クーラントより排除された切粉は、切粉箱103へ排出される。
【0009】
図2、本体濾過装置100は、切粉を含むクーラントが流入する入口1を有する槽5に、その槽の左、右、前、後の側板、そして底部、及び円形底部板3、さらに流出口2を有する最底板4を有して非磁性材料により液槽5を構成する。
【0010】
図3、液槽5の左右壁に取り付ける基軸となる軸を、水平固定軸6とし、一方を固定フランジ7にて固定し、その固定軸6を基軸とした軸に、、マグネットブロック8を配置する架台9を構成、マグネットブロック8を円周に沿って、濾過ゾーンより上部へと配列する。又、そのマグネットブロック8の外周を、非磁性材料による円筒10、円筒壁11、軸受けブロック12、ベアリング13、軸受けブロック14、ベアリング15、にて円筒ケースを構成し、固定軸6を支持して回転する構造とする。又、回転駆動は、ジョイント軸16を、ベアリング17、軸受けフランジ18要し、ギアー19、モーターギアー20を取り付けたモーター21にて駆動させる構造とする。
【0011】
マグネットブロック8を円周上に配列した一部のマグネットブロック列に対して、底板3の外に相マグネットブロック列22をN極対S極(又は、S極対N極)にて相対させて、濾過に効果をあげる磁場範囲を構成する。
【0012】
一方、図2に戻り、入口1より流入した切粉を含むクーラントは、液槽5に取り付けられたマグネットブロック列に吸着、濾過されるが、超微細な切粉、砥粒等が単独流動であれば磁力の効果もなく濾過が困難であるので、それぞれ槽5に沈殿凝集を促がす距離を設ける。そして、底板3の外側にチェーン23を左右両側に配し、そして、一定の間隔にマグネットブロック列24を取り付ける、沈殿凝集した切粉を、マグネットブロック列24の磁力により槽5内に沈殿凝集した切粉を同槽5の底板円筒部に取り付けてあるマグネットブロック列22近くまで移動させる構造とする。
【0013】
図4は、槽5の底板3上に沈殿凝集した切粉を移動させる装置の断面図ある。即ち、駆動側軸25、従動側軸26、軸取り付けスプロケット27、同軸受け28を固定し、左右にチェーン23を取りつけ、それに、マグネットブロック列24を配置し、ジョイント軸29をベアリング30を組み込んだフランジ軸受け31にて支持し、ギアー32に、駆動モター21、同ギアー20と会噛して、槽5の底板の外側を駆動させ、槽5の底板3の上に沈殿凝集した切粉を移動させる構造とする。
【0014】
又、濾過工程の流れとして、切粉を含むクーラントは、入口1より流入し、槽5に取り付けられた固定マグネット円周ブロック列8群を囲む円周ケースと底板3との間を通過、円筒ケース側に切粉は吸着される。濾過されたクーラントは2の出口へ排出する。又、槽5に流入後、沈殿凝集された切粉は移動用マグネットブロック列24の磁力により底板3上を移動、沈殿凝集体は徐々に体積が大きくなるにつれ、円周ケース側の固定マグネットブロックに近く成るに従い磁力の影響で円筒ケース側に移動する。又、底板3の外に取り付けたマグネットブロック列22は、円筒ケース内に取り付けたマグネットブロック列8の一列と相対し、N極、S極の強力な磁場を配するとともに、マグネットブロック列23で移動させてきた沈殿凝集した切粉の流れによる分散防止を目的とする。円筒ケース側に移動した切粉は、駆動モーター21の運転により回転共に徐々に上方に移動、途中、絞りローラー33を配し、脱液し、磁力の減少範囲にて、スクレーパー34にて、切粉を分離する構成。
【符号の説明】
【0015】
1 入口
2 出口
3 底部及び円形底部板
4 最底部板
5 液槽
6 水平固定軸
7 固定フランジ
8 マグネットブロック
9 取り付け架台
10 円筒
11 円筒壁
12 軸受けブロック
13 ベアリング
14 軸受けブロック
15 ベアリング
16 ジョイント軸
17 ベアリング
18 軸受けフランジ
19 ギアー
20 ギアー
21 モーター
22 マグネットブロック
23 チェーン
24 マグネットブロック
25 駆動側軸
26 縦動側軸
27 スプロケット
28 軸受け
29 ジョイント軸
30 ベアリング
31 フランジブロック
32 ギアー
33 絞りローラー
34 スクレーパー
図1
図2
図3
図4