(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6198258
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】電力供給端末、ならびに充電制御方法および装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20170911BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-530327(P2016-530327)
(86)(22)【出願日】2014年7月22日
(65)【公表番号】特表2016-525868(P2016-525868A)
(43)【公表日】2016年8月25日
(86)【国際出願番号】CN2014082697
(87)【国際公開番号】WO2015014224
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2016年3月2日
(31)【優先権主張番号】201310330408.0
(32)【優先日】2013年7月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509296306
【氏名又は名称】▲華▼▲為▼▲終▼端有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲長▼▲チー▼
(72)【発明者】
【氏名】▲賀▼ 彦国
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 立翔
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 彦▲豊▼
【審査官】
小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0293136(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00−7/12
H02J 7/34−7/36
G06F 1/26−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBポート、スイッチ、電源モジュール、およびプロセッサを備えた電力供給端末であって、
前記USBポートが、受電端末に接続されるように構成され、
前記電源モジュールの一端が、前記USBポートの電源ピンVBUSに接続されるとともに、前記電源ピンVBUSを使用することによって、前記受電端末を充電するように構成され、前記電源モジュールの別の一端が、前記プロセッサの1つの端子に接続され、
前記プロセッサの他の2つの端子が、前記USBポートの2つのデータピンD+およびD-に別々に接続され、
前記スイッチならびに前記2つのデータピンD+およびD-が、前記プロセッサに並列に接続され、
前記スイッチがオンである場合、前記電源モジュールが電圧を出力して前記受電端末を充電するプロセスにおいて、前記プロセッサが、前記電源モジュールの前記出力された電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出するとともに、前記スイッチをターンオフする制御を行い、前記スイッチがオフである場合、電圧を出力して受電端末を充電するように前記電源モジュールを制御する、電力供給端末。
【請求項2】
前記プロセッサが、前記電源モジュールの前記出力された電圧の前記振幅低下が前記プリセット値を超えていることを検出した後でかつ前記スイッチをターンオフする制御を行う前に、電圧出力を停止するよう前記電源モジュールを制御するように、特に構成される、請求項1に記載の電力供給端末。
【請求項3】
前記スイッチが前記オフの状態にある場合、前記プロセッサが、OTGプロトコルに基づいて、前記電圧を出力して前記受電端末を充電するよう前記電源モジュールを制御するように特に構成される、請求項1または2に記載の電力供給端末。
【請求項4】
充電制御方法であって、
USBポートの2つのデータピンD+およびD-に並列に接続されたスイッチがオンである場合、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、前記電源モジュールの前記出力された電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出して、前記スイッチをターンオフする制御を行うステップと、
前記スイッチがオフである場合、前記電源モジュールが電圧を出力して前記受電端末を充電するように制御するステップとを含む、方法。
【請求項5】
前記電源モジュールの前記出力された電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出した後でかつ前記スイッチをターンオフする制御を行う前に、電圧出力を停止するよう前記電源モジュールを制御するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記スイッチがオフである場合、前記電源モジュールが電圧を出力して前記受電端末を充電するように制御することが特に、
前記スイッチが前記オフの状態にある場合、OTGプロトコルに基づいて、前記電圧を出力して前記受電端末を充電するように前記電源モジュールを制御することである、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
充電制御装置であって、
USBポートの2つのデータピンD+およびD-に並列に接続されているスイッチがオンの場合、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、前記電源モジュールの前記出力された電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出するように構成された検出ユニットと、
前記検出ユニットが前記電源モジュールの前記出力された電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出した場合、前記スイッチをターンオフする制御を行い、前記スイッチがオフの場合、電圧を出力して前記受電端末を充電するように前記電源モジュールを制御する制御ユニットとを備える、装置。
【請求項8】
前記制御ユニットが、前記電源モジュールの前記出力された電圧の振幅低下が前記プリセット値を超えていることを検出した後でかつ前記スイッチをターンオフする制御を行う前に、電圧出力を停止するよう前記電源モジュールを制御するように特に構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記スイッチが前記オフの状態にある場合、前記制御ユニットが、OTGプロトコルに基づいて、前記電圧を出力して前記受電端末を充電するよう前記電源モジュールを制御するように特に構成される、請求項7または8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、その全体が本明細書に組み込まれる、2013年7月31日に中国特許庁に提出された“POWER SUPPLY TERMINAL, AND CHARGING CONTROL METHOD AND APPARATUS”と題する中国特許出願第CN201310330408.0号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、端末充電技術の分野、特に電力供給端末、ならびに充電制御方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、大容量蓄電池が装備された多数の端末が、他の端末を充電するための電力供給端末として使用される。電力供給端末がUSB(Universal Serial Bus、ユニバーサル・シリアル・バス)ポートを通じて受電端末に接続された場合、次の充電解決策が、受電端末を充電するために使用される。
【0004】
電力供給端末は、USBポートの2つのデータピンD+およびD-を短絡するとともに、標準の充電器をシミュレートすることによって受電端末を充電する。電力供給端末の充電能力が受電端末の要件に適合可能である場合、すなわち、電力供給端末によって出力することができる最大充電電流が、受電端末によって要求される充電電流よりも小さくない場合、電力供給端末は受電端末を充電することができる。しかしながら、電力供給端末の充電能力が受電端末の要件に適合可能でない場合、すなわち、電力供給端末によって出力することができる最大充電電流が、受電端末によって要求される充電電流よりも小さい場合、電力供給端末のUSBポートにおける電圧が降下し、最終的には充電の失敗を招くことになる。
【0005】
前述の解決策の互換性は比較的低いことが明らかである。多くの場合において、電力供給端末は、受電端末を充電するために前述の解決策を使用することができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、従来技術における端末充電策の比較的低い互換性の問題を解決するために使用される、電力供給端末、ならびに充電制御方法および装置を提供する。
【0007】
第1の態様によれば、USBポート、スイッチ、電源モジュール、およびプロセッサを含む電力供給端末が提供され、
USBポートは、受電端末に接続されるように構成され、
電源モジュールの一端は、USBポートの電源ピンVBUSに接続されるとともに、電源ピンVBUSを使用することによって受電端末を充電するように構成され、別の電源モジュールの一端は、プロセッサの1つの端子に接続され、
プロセッサの他の2つの端子は、USBポートの2つのデータピンD+およびD-に別々に接続され、
スイッチならびに2つのデータピンD+およびD-は、プロセッサに並列に接続され、
スイッチがオンである場合、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、プロセッサは、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出するとともに、スイッチをターンオフする制御を行い、スイッチがオフである場合、電圧を出力して受電端末を充電するように電源モジュールを制御する。
【0008】
第1の態様に関して、第1の可能な実施方法において、プロセッサは、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出した後でかつスイッチをターンオフする制御を行う前に、電源モジュールを制御して電圧出力を停止するように特に構成される。
【0009】
第1の態様、または第1の態様の第1の可能な実施方法に関して、第2の可能な実施方法において、プロセッサは、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、受電端末がUSBポートから取り外されたことを検出した場合、電源モジュールを制御して電圧出力を停止するように特に構成される。
【0010】
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実施方法、または第1の態様の第2の可能な実施方法に関して、第3の可能な実施方法において、プロセッサは、スイッチがオフ状態にある場合、OTGプロトコルに基づいて、電圧を出力して受電端末を充電するよう電源モジュール103を制御するように特に構成される。
【0011】
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実施方法、第1の態様の第2の可能な実施方法、または第1の態様の第3の可能な実施方法、第4の可能な実施方法において、プロセッサは、スイッチがオンである場合、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていないことを検出した場合、充電が完了するまで、電圧を出力して受電端末を充電するよう電源モジュールを制御するようにさらに構成される。
【0012】
第2の態様によれば、
USBポートの2つのデータピンD+およびD-に並列に接続されたスイッチがオンである場合、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出するとともに、スイッチをターンオフする制御を行うステップと、
スイッチがオフである場合、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するように電源モジュールを制御するステップとを含む、充電制御方法が提供される。
【0013】
第2の態様に関して、第1の可能な実施方法において、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出した後でかつスイッチをターンオフする制御を行う前に、本方法は、電圧出力を停止するように電源モジュールを制御するステップを含む。
【0014】
第2の態様、または第2の態様の第1の可能な実施方法に関して、第2の可能な実施方法において、本方法は、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、受電端末がUSBポートから取り外されたことを検出した場合、電圧出力を停止するように電源モジュールを制御するステップをさらに含む。
【0015】
第2の態様、第2の態様の第1の可能な実施方法、または第2の態様の第2の可能な実施方法に関して、第3の可能な実施方法において、スイッチがオフである場合、電圧を出力して受電端末を充電するように電源モジュールを制御するステップが、スイッチがオフ状態にある場合、OTGプロトコ電圧を出力して受電端末を充電するように電源モジュールを制御するステップを特に含む。
【0016】
第2の態様、第2の態様の第1の可能な実施方法、第2の態様の第2の可能な実施方法、または第2の態様の第3の可能な実施方法に関して、第4の可能な実施方法において、スイッチがオンである場合、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていないことが検出された場合、充電が完了するまで、電源モジュールは、電圧を出力して受電端末を充電するように制御される。
【0017】
第3の態様によれば、充電制御装置が提供され、
USBポートの2つのデータピンD+およびD-に並列に接続されたスイッチがオンである場合、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出するように構成された検出ユニットと、
スイッチをターンオフする制御を行い、スイッチがオフである場合、電圧を出力して受電端末を充電するように電源モジュールを制御する制御ユニットとを含む。
【0018】
第3の態様に関して、第1の可能な実施方法において、制御ユニットは、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることが検出された後でかつスイッチをターンオフする制御を行う前に、電源モジュールを制御して電圧出力を停止するように特に構成される。
【0019】
第3の態様、または第3の態様の第1の可能な実施方法に関して、第2の可能な実施方法において、制御ユニットは、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、受電端末がUSBポートから取り外されたことが検出された場合、電源モジュールを制御して電圧出力を停止するようにさらに構成される。
【0020】
第3の態様、第3の態様の第1の可能な実施方法、または第3の態様の第2の可能な実施方法に関して、第3の可能な実施方法において、制御ユニットは、スイッチがオフ状態にある場合、OTGプロトコルに基づいて、電圧を出力して受電端末を充電するよう電源モジュールを制御するように特に構成される。
【0021】
第3の態様、第3の態様の第1の可能な実施方法、第3の態様の第2の可能な実施方法、または第3の態様の第3の可能な実施方法、第4の可能な実施方法において、制御ユニットは、スイッチがオンである場合、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていないことが検出された場合、充電が完了するまで、電圧を出力して受電端末を充電するよう電源モジュールを制御するようにさらに構成される。
【0022】
第1の態様において提供される電力供給端末、第2の態様において提供される充電制御方法、または第3の態様に提供される充電制御装置によれば、スイッチは、電力供給端末上に配置されるとともに、USBポートの2つのデータピンD+およびD-に並行に接続され、受電端末がUSBポートを通じて電力供給端末に接続された場合、スイッチをターンオンするように制御が行われるとともに、電力供給端末は、標準の充電器をシミュレートすることによって受電端末を充電し、電力供給端末が標準の充電器をシミュレートすることによって受電端末を充電するのに失敗した場合、電力供給端末は、スイッチをターンオフする制御を行う。電力供給端末は、受電端末と通信することができるとともに、電力供給端末は、USB通信プロトコルに従って受電端末を充電して、それにより、互換性を向上させることができる。
【0023】
本発明の実施形態と併せて本発明を説明するのに使用される添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために使用されるとともに、本明細書の一部を構成するが、本発明に対する限定を構成するものではない。添付の図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態による、電力供給端末の概略構造図である。
【
図2】本発明の実施形態による充電制御方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の実施形態による充電制御方法の詳細なフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態による充電制御装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
端末充電策の互換性を向上させるため、本発明の実施形態は、電力供給端末、ならびに充電制御方法および装置を提供する。本発明の例示的な実施形態を本明細書の添付図面を参照しながら以下説明する。ここで説明される例示的な実施形態は、本発明を記載および説明するために使用されるのに過ぎず、本発明を限定することを意図しないことを理解すべきである。矛盾がない場合において、本出願における実施形態および実施形態における特徴を組み合わせることが可能である。
【0026】
本発明の実施形態は電力供給端末を提供する。
図1に示されているように、電力供給端末は、USBポート101、スイッチ102、電源モジュール103、およびプロセッサ104を含み、
USBポート101は、受電端末に接続されるように構成され、
電源モジュール103の一端は、USBポート101の電源ピンVBUSに接続されるとともに、電源ピンVBUSを使用することによって受電端末を充電するように構成され、別の電源モジュール103の一端は、プロセッサ104の1つの端子に接続され、
プロセッサ104の他の2つの端子は、USBポート101の2つのデータピンD+およびD-に別々に接続され、
スイッチ102ならびに2つのデータピンD+およびD-は、プロセッサ104に並列に接続され、
スイッチ102がオンである場合、電源モジュール103が電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、プロセッサ104は、電源モジュールの出力電圧の振幅低下103がプリセット値を超えていることを検出するとともに、スイッチ102をターンオフする制御を行い、スイッチ102がオフである場合、電圧を出力して受電端末を充電するように電源モジュール103を制御する。
【0027】
電源モジュール103は、蓄電池および電圧調整回路を特に含んでもよい。
【0028】
さらに、プロセッサ104は、電源モジュール103の出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出した後でかつスイッチ102をターンオフする制御を行う前に、電源モジュール103を制御して電圧出力を停止するように特に構成される。
【0029】
さらに、プロセッサ104は、電源モジュール103が電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、受電端末がUSBポート101から取り外されたことを検出した場合、電源モジュール103を制御して電圧出力を停止するように特に構成される。
【0030】
さらに、プロセッサ104は、スイッチ102がオフ状態にある場合、OTG(On The Go)プロトコルに基づいて、電圧を出力して受電端末を充電するよう電源モジュール103を制御するように特に構成される。
【0031】
本発明の実施形態は、充電制御方法をさらに提供する。
図2に示されているように、本方法は以下のステップを含む。
【0032】
ステップ201: USBポートの2つのデータピンD+およびD-に並列に接続されたスイッチがオンである場合、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出するとともに、スイッチをターンオフする制御を行う。
【0033】
ステップ202: スイッチがオフである場合、電圧を出力して受電端末を充電するように電源モジュールを制御する。
【0034】
さらに、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出した後でかつスイッチをターンオフする制御を行う前に、本方法は、電圧出力を停止するように電源モジュールを制御するステップを含む。
【0035】
好適には、本充電制御方法は、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、受電端末がUSBポートから取り外されたことを検出した場合、電圧出力を停止するように電源モジュールを制御するステップをさらに含んでもよい。
【0036】
さらに、ステップ203は特に、スイッチがオフ状態にある場合、OTGプロトコルに基づいて、電圧を出力して受電端末を充電するように電源モジュールを制御するステップであってもよい。
【0037】
特定の実施形態を参照しながら、本発明において提供される充電制御方法を以下詳細に説明する。
【0038】
図3に示されるように、
図3は、以下のステップを特に含む、本発明の実施形態による充電制御方法の詳細なフローチャートである。
【0039】
ステップ301: 受電端末がUSBポートを通じて接続されたことを検出した場合、電力供給端末は、USBポートの2つのデータピンD+およびD-に並列に接続されているスイッチをターンオンする制御を行う。
【0040】
電力供給端末は、USBポートのIDピンの電気的レベルを検出することによって受電端末がインサートされたかどうかを検出してもよい。USBポートのIDピンの電気的レベルがプルダウンされた場合、それは受電端末がインサートされたことを示す。この部分は従来技術であり、ここではこれ以上の詳細を提供しない。
【0041】
ステップ302: 電力供給端末は、電圧を出力して受電端末を充電するように、USBポートの電源ピンVBUSに接続されている電源モジュールを制御する。
【0042】
この場合、電力供給端末は、標準の充電器をシミュレートすることによって受電端末を充電する。
【0043】
従来技術において、USBポートにおける標準電圧は5Vであるとともに、受電端末を充電するために1Aの最大充電電流が出力可能である。すなわち、電源モジュールは、5Vの電圧を出力するとともに、1Aの最大充電電流を出力することができる。
【0044】
ステップ303: 電力供給端末は、電源モジュールの出力電圧を検出して、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えているかどうかを判定する。
【0045】
電力供給端末が、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出した場合、すなわち、USBポートにおける電圧の振幅低下がプリセット値を超えている場合、それは、電力供給端末が標準の充電器をシミュレートすることによって受電端末を充電するとき、充電能力は受電端末の要件に適合可能ではないことを示す場合において、ステップ304が行われる。そうでなく、電力供給端末が標準の充電器をシミュレートすることによって受電端末を充電するとき、充電能力は受電端末の要件を適合可能であることを示す場合において、電力供給端末は、充電が完了するまで、標準の充電器をシミュレートすることによって受電端末の充電を維持し、そしてプロシージャを終了することができる。
【0046】
プリセット値は、実際の状況に従って特に設定されてもよい。
【0047】
すなわち、電力供給端末のUSBポートにおいて出力が可能である最大充電電流が1Aであるとき、受電端末によって要求される充電電流が1Aよりも大きくかつ生じた電圧降下がプリセット値を超えた場合、ステップ304が行われる。
【0048】
ステップ304: 電力供給端末は、電源モジュールを制御して電圧出力を停止させる。
【0049】
この場合、USBポートにおける電圧出力が停止される。
【0050】
ステップ305: 電力供給端末は、USBポートの2つのデータピンD+およびD-に並列に接続されているスイッチをターンオフする制御を行う。
【0051】
この場合、電力供給端末は、USBポートの2つのデータピンD+およびD-を使用して、受電端末と通信してもよい。特に、その通信は、OTGプロトコルに基づく、OTGプライマリ装置としての電力供給端末機能、およびOTGセカンダリ装置としての受電端末機能であってもよい。
【0052】
前述のステップ304およびステップ305は、順番通りに行われる必要はない。本発明の別の実施形態において、ステップ305が最初に行われ、その次にステップ304が行われる。すなわち、USBポートの2つのデータピンD+およびD-に並列に接続されているスイッチを最初にターンオフして、次いで電圧出力を停止するように電源モジュールが制御されるように制御が行われる。
【0053】
ステップ306: 電力供給端末は、引き続き電圧を出力して受電端末を充電するように電源モジュールを制御する。
【0054】
この場合、電圧は、USBポートにおいて出力される。
【0055】
OTGプロトコルにおいて、OTGセカンダリ装置によって要求される充電電流は、500mAである。この場合、電力供給端末の充電能力は、受電端末の要件に適合可能であり、電力供給端末は、充電が完了するまで受電端末の充電を維持することができる。
【0056】
前述の受電端末を充電するプロセスにおいて、受電端末が取り外されたことを検出した場合、電力供給端末は、電源モジュールが電圧出力を停止するように制御し、これにより、電圧出力はUSBポートにおいて停止される。
【0057】
本発明のこの実施形態において提供される方法を使用することによって、比較的良好な互換性が実現されるとともに、受電端末が可能な限り大きな充電電流を得ることができるように、電力供給端末は、標準の充電器を選択的にシミュレートすることによって受電端末を充電し、電力供給端末が標準の充電器をシミュレートすることによって受電端末を充電することに失敗した場合、電力供給端末は、USB通信プロトコルに基づいて受電端末を充電し、それによって、端末充電時間を可能な限り短くし、充電効率を向上させかつユーザ体験の向上させることができる。
【0058】
同様の進歩的概念に基づくとともに、前述した本発明の実施形態において提供される充電制御方法に従って、同様に、本発明の実施形態は、充電制御装置をさらに提供する。充電制御装置の構造図が
図4に示されており、充電制御装置は、
USBポートの2つのデータピンD+およびD-に並列に接続されたスイッチがオンである場合、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出するように構成された検出ユニット401と、
スイッチをターンオフする制御を行うとともに、スイッチがオフである場合、電圧を出力して受電端末を充電するよう電源モジュールを制御するように構成された制御ユニット402とを特に含む。
【0059】
さらに、制御ユニット402は、電源モジュールの出力電圧の振幅低下がプリセット値を超えていることを検出した後でかつスイッチをターンオフする制御を行う前に、電源モジュールを制御して電圧出力を停止するように特に構成される。
【0060】
さらに、制御ユニット402は、電源モジュールが電圧を出力して受電端末を充電するプロセスにおいて、受電端末がUSBポートから取り外されたことを検出した場合、電源モジュールを制御して電圧出力を停止するようにさらに構成される。
【0061】
さらに、制御ユニット402は、スイッチがオフ状態にある場合、OTGプロトコルに基づいて電圧を出力して受電端末を充電するよう電源モジュールを制御するように特に構成される。
【0062】
結論として、本発明の実施形態において提供される解決策を使用することによって、従来技術における端末充電策の比較的低い互換性の問題が解決される。
【0063】
明らかに、当業者は、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、様々な変更および変形を本発明に対してなすことができる。本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれと等価な技術によって定義される保護範囲内に含まれて提供されるこれらの変更および変形を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0064】
101 USBポート
102 スイッチ