特許第6198263号(P6198263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6198263
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】検出機構、検出装置および検査ユニット
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/04 20060101AFI20170911BHJP
   G01N 29/22 20060101ALI20170911BHJP
   G01N 29/24 20060101ALI20170911BHJP
   G01N 33/08 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   G01N29/04
   G01N29/22
   G01N29/24
   G01N33/08
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-276245(P2012-276245)
(22)【出願日】2012年12月18日
(65)【公開番号】特開2014-119396(P2014-119396A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年10月5日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】南部 邦男
(72)【発明者】
【氏名】藤谷 伸一
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 貴之
【審査官】 比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第00602285(EP,A1)
【文献】 特開2001−086894(JP,A)
【文献】 特開平09−021793(JP,A)
【文献】 特開2011−173714(JP,A)
【文献】 特開平01−072030(JP,A)
【文献】 特開平10−227766(JP,A)
【文献】 特開2001−041941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00−29/52
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に並ぶ多数のローラの間でそれぞれ挟持され、1列で順次搬送される複数の卵を検査する検査ユニットであって、
前記検査ユニットは、複数の打診部を備え、
前記検査ユニットおよび前記打診部は、卵の搬送方向に沿って所定位置に固定され、
前記打診部は、卵を叩いて振動を生じさせる叩き手段を有し、
前記叩き手段は、順次搬送される複数の卵のうち一の卵を叩き、当該一の卵の上流側および下流側に隣接するローラにそれぞれ挟持されている他の卵を叩かない、検査ユニット。
【請求項2】
搬送方向に並ぶ多数のローラの間でそれぞれ挟持され、1列で順次搬送される複数の卵を検査する検査ユニットにより卵殻のひび割れを検出する検出機構であって、
奇数番の卵を検査する第1検査ユニットと、
偶数番の卵を検査する第2検査ユニットとを備え、
それぞれの検査ユニットは、卵の搬送方向に沿って所定位置に取り付けられた複数の打診部を備え、
前記打診部は、卵を叩いて振動を生じさせる叩き手段を有し、
前記叩き手段は、順次搬送される複数の卵のうち一の卵を叩き、当該一の卵の上流側および下流側に隣接するローラにそれぞれ挟持されている他の卵を叩かない、検出機構。
【請求項3】
請求項1に記載の検査ユニットにより卵殻のひび割れを検出する検出機構であって、
m個(mは2以上の自然数)の検査ユニットを備える、検出機構。
【請求項4】
請求項2または3に記載の検出機構が並列に複数並べられている、検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵のひび割れについての、検出機構、検出装置およびこれらを用いた検出方法に関し、特に、打診によりひび割れを検出する、検出機構、検出装置およびこれらを用いた検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鶏卵に代表される卵は、衛生、保存の観点から、卵殻にひび割れのないことが望ましい。したがって、一般に、卵を流通させる過程では、ひび割れのない卵が、選別され、卵パックのような包装容器に充填され、市場に流通する。近年、卵を市場に流通させるまでの工程は、機械化が進み、ひび割れのない卵を選別する工程にも、たとえば、特許文献1に記載されたような、卵殻に生じたひびを検出する検出装置(以下「ひび割れ検出装置」という)が利用されている。
【0003】
特許文献1に記載のひび割れ検出装置は、卵を回転させながら多数の卵を搬送する搬送ラインと、搬送ラインに沿って設けられ、卵を打診するための複数の打診部を備える検査ユニットとを含む。各打診部は、バネの弾性力により卵を叩く叩き部と、叩き部により叩かれた卵の卵殻に生じる振動、すなわち音を検知する検音部とを備える。卵は、回転しながら搬送ラインを搬送されて、複数の打診部にて、回転の円周方向の異なる位置を打診される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−227766
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、卵の市場では、卵を流通させるまでの選別包装事業において寡占化が進み、それらの事業所(いわゆるGPセンター)では、高速大容量の機械が要求されている。これにともなって、選別包装の機械に取り付けられるひび割れ検出装置も高速化が必要となる。したがって、ひび割れ検出装置において、処理を高速化すべく、卵の搬送速度が増加し、これにともない、卵を打診する時間的間隔も短くなる。
【0006】
しかし、検査ユニットの打診部は、卵を叩き、それにより生じた卵殻の振動を検知するため、卵を叩く速度は、無制限に早くすることができず、振動を検知(サンプリング)する時間も無制限に短くすることができない。したがって、打診部の打診速度を変更することなく、ひび割れの検出を高速化することが必要となる。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたもので、その目的は、卵のひび割れの検出を高速化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、搬送方向に並ぶ多数のローラの間でそれぞれ挟持され、1列で順次搬送される複数の卵を検査する検査ユニットであって、前記検査ユニットは、複数の打診部を備え、前記検査ユニットおよび前記打診部は、卵の搬送方向に沿って所定位置に固定され、前記打診部は、卵を叩いて振動を生じさせる叩き手段を有し、前記叩き手段は、順次搬送される複数の卵のうち一の卵を叩き、当該一の卵の上流側および下流側に隣接するローラにそれぞれ挟持されている他の卵を叩かない、検査ユニットを提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、卵のひび割れの検出を高速化することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態に係る検査装置が組み込まれる選別包装システムの概要を示す平面図である。
図2A】本発明の実施の形態に係る検査装置の一部を示す平面図である。
図2B】本発明の実施の形態に係る検査装置の一部を示す正面図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係る検査装置の検査機構の概要を示す平面の概略図である。
図4図2に示す検査装置の叩き手段を説明するための正面図である。
図5図3に示す第1の検査ユニットの打診部が鶏卵を打診するタイミングを示す側面図であり、(A)〜(I)は、先頭付近の鶏卵が打診されるタイミングを順次示し、(J)は、末尾付近の鶏卵が打診されるタイミングを示す。
図6図3に示す第2の検査ユニットの打診部が鶏卵を打診するタイミングを示す側面図であり、(A)〜(I)は、先頭付近の鶏卵が打診されるタイミングを順次示し、(J)は、末尾付近の鶏卵が打診されるタイミングを示す。
図7】本発明の第2の実施の形態に係る検査装置の検査機構の概要を示す平面の概略図である。
図8図7に示す第1の検査ユニットの打診部が鶏卵を打診するタイミングを示す側面図であり、(A)〜(I)は、先頭付近の鶏卵が打診されるタイミングを順次示し、(J)は、末尾付近の鶏卵が打診されるタイミングを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態に係る検出機構、検出装置および検出方法について説明する。以下の説明では、鶏卵Tのひび割れに対する検出機構、検出装置および検出方法について、好適な実施形態を、図面を用いて説明する。
【0028】
[第1の実施形態]
【0029】
本発明の第1の実施の形態に係る検出装置1について説明する。検出装置1は、鶏卵Tを打診することにより鶏卵Tのひび割れを検出する。本実施の形態において、後に説明する叩き手段で鶏卵Tを叩き、鶏卵Tの卵殻に生じる振動を検知することで鶏卵Tが打診される。
【0030】
しかし、特開平9−21793に記載のひび割れの検査のように、励起部材で鶏卵Tを叩き、鶏卵Tの卵殻に生じる振動を励起部材の振動を磁気により検出することで鶏卵Tが打診されてもよい。いずれの打診も、鶏卵Tが叩かれ、鶏卵Tの卵殻に生じる振動を検出する。
【0031】
検出装置1は、一般に、品質、サイズ等により分類(選別)してパック詰め(包装)された後に市場に流通する鶏卵Tにおいて、ひび割れを有する鶏卵Tを排除すべく、市場に流通する前の鶏卵Tの選別包装工程で利用される。そのような選別包装工程では、図1に示すように、特開2011−173714に記載された選別包装システム(鶏卵T選別装置)が用いられる。検出装置1は、そのような選別包装システムSに組み込まれて使用される。
【0032】
選別包装システムSは、複数列で第1の水平方向(図のX方向)に第1の搬送ライン4により搬送され、ひび割れの検出装置1、計量装置2等により鶏卵Tを検査・計測した後、第2の水平方向(図のY方向)に第2の搬送ライン5により搬送され、前記した検査・計測の結果に基づき選別されて、第2の搬送ライン5に交差する複数の集合区分3に集合され、集合区分3において包装(たとえば、パック詰め)される。
【0033】
選別包装システムSは、システム全体の選別包装処理を制御する選別包装制御装置(図示しない)を備える。前記選別包装制御装置は、前記した検査・計測の制御、第1および第2の搬送ライン4,5の搬送速度の制御、集合区分3へ鶏卵Tの放出タイミングの制御等を行う。
【0034】
第1の搬送ライン4は、選別包装システムSの方向整列装置(図示しない)から鶏卵Tを受け、第2の搬送ライン5に向けて、鶏卵Tを搬送する。第1の搬送ライン4は複数の搬送部14を備える。本実施の形態において第1の搬送ライン4は6個の搬送部14を備え、各搬送部14は、図2(A)および図2(B)に示すように、搬送方向(図のX方向)に並ぶ多数のローラRを含む。前記方向整列装置では、鶏卵Tの鋭端を一方向に揃えるように鶏卵Tの方向が整列されており、各搬送部の搬送方向(前後方向)に隣り合う一対のローラRは、鋭端を一方向(左または右方向)に向けた状態、すなわち、鶏卵Tの長軸を搬送幅方向(左右方向)に向けた状態で1つの鶏卵Tを挟持する。
【0035】
搬送部14は、前記一対のローラRが搬送方向に移動することにより鶏卵Tを搬送する、従来よく知られたローラバーコンベアである。搬送部14では、ローラが移動時に回転し、これにより、ローラに挟持された鶏卵Tは、搬送方向を接線とした円周方向に卵の長軸を中心として回転(自転)する。ローラの回転速度を調整することで鶏卵Tの自転速度も調整される。また、第1の搬送ライン4は、搬送部14に対応したエンコーダを備え、鶏卵Tの位置情報を取得できる。
【0036】
検出装置1は、第1の搬送ライン4の複数の搬送部14に対応して、第2の方向(図2のY方向)に並列する複数の検出機構10と、複数の検出機構10を制御する検出制御部(図示しない)とを備える。本実施の形態において、6列の検出機構10が設けられている。
【0037】
各検出機構10は、図3に示すように、搬送部14の搬送方向に沿って設けられた第1の検査ユニット16と、第1の検査ユニット16の下流側(すなわち、後方)に、搬送部14の搬送方向に沿って設けられた第2の検査ユニット18とを含む。第2の検査ユニット18は、第1の検査ユニット16の上流側(すなわち前方)に設けられていてもよい。
【0038】
第1の検査ユニット16は、搬送部14の上方に設けられており(図2参照)、搬送部14の搬送方向に沿って並ぶ複数の打診部20を備える。複数の打診部20は、鶏卵Tの搬送方向に略等間隔で設けられている。本実施の形態において、各打診部20は、搬送幅方向(左右方向)に間隔をおいた位置で鶏卵Tを叩く一対の叩き手段22を備える。打診部20は、特開平9−21793に記載のひび割れの検査において、鶏卵Tの長軸方向に並んだ3つのプローブを備える装置に対応する。
【0039】
本実施の形態において、第1の検査ユニット16は、8個の打診部20a〜20hを備える。第1の検査ユニット16は、8個の打診部20a〜20hにより1つの鶏卵Tを検査する。鶏卵Tの打診による検査では、回転しながら搬送される鶏卵Tが、第1の検査ユニット16を通過する間に1回転するように調整されており、鶏卵Tの自転に沿った卵殻の外周円上を複数の打診部20により略均等な間隔で打診される。したがって、本実施の形態において、8個の打診部20a〜20hが、各鶏卵Tの自転に沿った外周に対して、円周角がπ/4[rad](360°/8=45°)となる間隔で鶏卵Tを打診する。
【0040】
各打診部20は、左右方向および前後方向に間隔をおいた位置で鶏卵Tを叩く一対の叩き手段22を有する。各叩き手段22は、図4に示すように、鶏卵Tの卵殻を叩くハンマー24と、ハンマー24を支持し、回転可能に取り付けられた支持部材26と、支持部材26の一部に係合して支持部材を回転させるカム28と、支持部材26の回転により弾性力を生じる弾性体30と、支持部材26、カム28および弾性体30を取り付けられる本体32とを備える。
【0041】
ハンマー24は、卵殻を叩くように自由端に形成された先端24aと、支持部材26に固定されることで固定端に形成された基端24bとを備える。支持部材26は、軸26aを中心に矢印Bまたは矢印Dの方向に回転可能に枢軸的に本体32に取り付けられ、ハンマー24の基端24bを支持し、カム28に係合可能に形成された第1の係合部26bと、弾性部材30を取り付ける取付部26cとを備える。
【0042】
カム28は、矢印Aの方向に回転可能に枢軸的に本体32に取り付けられ、支持部材26の第1の係合部26bに係合する第2の係合部28bと、第2の係合部28bに連続し、第1の係合部26bの先端を滑らせる滑動部28cと、滑動部28cから第1の係合部26bを脱離する脱離部28dとを備え、全体として、略円形に形成されている。弾性体30は、所定の方向に延在しており、支持部材26の回転により伸縮するように、一端を本体32に取り付けられ、他端を支持部材26の取付部26cに取り付けられている。
【0043】
叩き手段22は、図3の状態から、カム28が矢印Aの方向に回転され、第1および第2の係合部26b,28bが、相互に係合して支持部材26が矢印Bの方向に回転する。これにより、ハンマー24の先端24aは、矢印Cの方向に回転し先端24aを持ち上げられ、弾性体30は、その他端24bが支持部材26の回転により伸張し、収縮する方向に弾性力を生じる。
【0044】
さらにカム28が矢印Aの方向に回転されると、第1および第2の係合部26b,28bの係合が解除されて、第1の係合部26bの先端は、カム28の滑動部28cを滑り、支持部材26は、回転を停止した状態に維持される。ハンマー24も、その先端24aを持ち上げて停止した状態に維持され、弾性体30も伸張した状態を維持される。
【0045】
さらにカム28が矢印Aの方向に回転されると、第1の係合部26bの先端は、カム28の脱離部28dに到達し、滑動部28cから離れる。支持部材26は、第1の係合部26bの先端がカム28から離れると、弾性体30が収縮する向きに弾性力を生じていることにより、支持部材26は矢印Dの方向に回転される。これにより、ハンマー24は矢印Eの方向に回転し、ハンマー24の先端24aが卵殻を叩く。
【0046】
叩き手段22は、カムが矢印Aの方向に回転を継続すること、すなわち回転を繰り返すことにより、上述の動作を繰り返し、ハンマー24は矢印Cおよび矢印Eの方向へ交互に回転する。これにより、叩き手段22は、ハンマー24の下方に到達した鶏卵Tの卵殻を叩く。
【0047】
ハンマー24が鶏卵Tを叩くことで、卵殻に振動、すなわち音が生じる。ハンマー24の長さ、弾性体30の弾性力を選択することにより、ハンマー24が卵殻を叩く速度、および強さを調整することができる。また、検出機構10は、カム28を矢印Aの方向に回転させる動力を提供する駆動原を備える。
【0048】
各打診部20は、さらに、図4に示すように、ハンマー24により叩かれた鶏卵Tに生じる卵殻の振動(音)を検知する検音手段34を備える。本実施の形態において、検音手段34は、各打診部20の一対の叩き手段22の間に配置されており、叩き手段22により叩かれる鶏卵Tに生じる卵殻の振動を検知する。
【0049】
検音手段は、従来よく知られたマイクロホンを含む。マイクロホンにより検知された卵殻の音は、音情報として前記検査制御部へ送られる。各打診部は、本実施の形態において、一対の叩き手段で鶏卵Tを異なるタイミングで叩き、1個の検音器にて鶏卵Tの振動を検知することで鶏卵Tを打診する。
【0050】
第2の検査ユニット18は、第1の検査ユニット16と同一の構成を有する。したがって、第2の検査ユニット18については、その構成の説明を省略する。本実施の形態において、第2の検査ユニット18は、第1の検査ユニット16に対して、長軸を中心とした鶏卵Tの半径よりも大きい間隔をおいて配置されてもよい。これにより、第1の検査ユニット16の最下流の打診部20hと、第2の検査ユニット18の最上流の打診部20iとが、音の検知において相互に影響することを防止でき、音の検知を正確にできる。
【0051】
本実施の形態において、各検査ユニットが1つの鶏卵Tを検査する。したがって、第1および第2の検査ユニット16,18は、自転しながら搬送される鶏卵Tが、各ユニットを通過する間に略1回転するように、打診部の間隔を設計されていてもよい。
【0052】
前記検出制御部は、第1の搬送ライン4、第1の検査ユニット16、第2の検査ユニット18に接続されており、第1の搬送ライン4からの鶏卵Tの位置情報と、第1及び第2の検査ユニット16,18から鶏卵Tの卵殻の音に関する振動情報、すなわち音情報を受ける。これら鶏卵Tの位置情報および音情報から、検査ユニットにより検査された各卵にひび割れが存在するか否か、または、ひび割れが存在する場合に、どのようなひび(大きさ等)であるか等を判断する。前記検出制御部の判断は、従来よく知られる方法により行われる(たとえば、特開平9−47184、特開2003−57216参照)。
【0053】
次に、本発明に係る検出装置を用いたひび割れ検出方法について説明する。以下の検出方法の説明において、検出装置の検出機構に導入される多数の鶏卵Tは、T,T,T,・・・,T2n−1(nは自然数)の順にならび、奇数番の鶏卵T,T,・・・,T2n−1と偶数番の鶏卵T,T,・・・,T2nとに分けて考えるものとする。また、隣り合う一対のローラRのいずれかに鶏卵Tが挟持されていない場合、いわゆる歯抜け状態の場合であっても、挟持されていない鶏卵T(鶏卵Tを挟持しない一対のローラRの空間)も奇数番の鶏卵Tまたは偶数番の鶏卵Tとして数えるものとする。
【0054】
図5(A)〜図5(J)および図6(A)〜図6(J)は、それぞれ、第1の検査ユニット16および第2の検査ユニット18が、搬送部14により搬送される鶏卵Tを打診するタイミングを示しており、打診部20からの矢印で指された鶏卵Tが打診されていることを示す。また、図5(A)〜図5(I)および図6(A)〜図6(I)は、それぞれ、第1の検査ユニット16および第2の検査ユニット18の下方を流れる先頭付近の鶏卵Tが搬送される状態を順に示し、図5(J)および図6(J)は、搬送される終端付近の鶏卵Tが搬送される状態を示す。
【0055】
先ず、多数の鶏卵Tが、選別包装システムSの前記方向整列装置により、搬送幅方向に長軸を沿わせた状態で、特定の一方向に向きを揃えて第1の搬送ライン4を搬送される。本実施の形態において、6列に並んだ鶏卵Tが第1の搬送ライン4を搬送される。各列の鶏卵Tは、対応する検出機構10に導入される。
【0056】
検出装置1の各検出機構10では、搬送部14が隣り合う一対のローラRにより鶏卵Tを挟持した状態で、多数の鶏卵Tを一列で、鶏卵Tを先頭にして、順次搬送する。多数の鶏卵Tは、奇数番の鶏卵T,T,T,・・・,T2n−1と偶数番の鶏卵T,T,・・・,T2nが交互に並んで搬送される。
【0057】
次いで、検出装置の第1の検査ユニット16に到達した奇数番の鶏卵T,T,T,・・・,T2n−1は、第1の検査ユニット16の打診部20a〜20hにより打診される。したがって、奇数番の鶏卵Tは、第1の検査ユニット16を通過する間に略一回転し、卵殻の円周方向に沿った所定の位置を叩き棒により叩かれ、打診される。本実施の形態において、図5に示すように、鶏卵Tの奇数番T,T,T,・・・,T2n−1が、第1の検査ユニット16によりひび割れの有無を検査される。
【0058】
一方で、検出装置の第1の検査ユニット16に到達した偶数番の鶏卵T,T,・・・,T2nは、第1の検査ユニット16の各打診部20a〜20hにより打診されない。つまり、第1の検査ユニット16は、偶数番の鶏卵Tを打診して検査しない。したがって、鶏卵T,T,・・・,T2nが、第1の検査ユニット16で検査されることなく通過する。なお、偶数番の鶏卵Tも、第1の検査ユニット16を通過する間に略一回転する。
【0059】
すなわち、図5(A)では、鶏卵Tが第1の検査ユニット16の打診部20aに打診される。次の図5(B)では、鶏卵Tが打診部20bに打診されるが、一方で、鶏卵Tは打診部20aの下方に到達するが、打診されない。次の図5(C)では、鶏卵T,Tが、それぞれ、打診部20c,20aに打診されるが、鶏卵Tは打診されない。次の図5(D)では、鶏卵T,Tが、それぞれ、打診部20d,20bに打診されるが、鶏卵T,Tは打診されない。次の図5(E)では、鶏卵T,T,Tが、それぞれ、打診部20e,20c,20aに打診されるが、鶏卵T,Tは打診されない。
【0060】
図5(F)では、鶏卵T,T,Tが、それぞれ、打診部20f,20d,20bに打診されるが、鶏卵T,T,Tは打診されない。図5(G)では、鶏卵T,T,T,Tが、それぞれ、打診部20g,20e,20c,20aに打診されるが、鶏卵T,T,Tは打診されない。図5(H)では、鶏卵T,T,T,Tが、それぞれ、打診部20h,20f,20d,20bに打診されるが、鶏卵T,T,T,Tは打診されない。図5(I)では、鶏卵T,T,T,Tが、それぞれ、打診部20g,20e,20c,20aに打診されるが、鶏卵T,T,T,Tは打診されない。
【0061】
図5(J)では、奇数番の鶏卵T2n−7,T2n−5,T2n−3,T2n−1が、それぞれ、打診部20g,20e,20c,20aに打診されるが、偶数番の鶏卵T2n−8,T2n−6,T2n−4,T2n−2は打診されない。
【0062】
次いで、検出装置の第2の検査ユニット18に到達した奇数番の鶏卵T,T,T,・・・,T2n−1は、第2の検査ユニット18の各打診部20i〜20pにより打診ない。つまり、第2の検査ユニット18は、奇数番の鶏卵Tを打診および検査しない。本実施の形態において、鶏卵T,T,T,・・・,T2n−1が、第2の検査ユニット18を検査されることなく通過する。なお、奇数番の鶏卵Tは、第1の検査ユニット16を通過する場合と同様に、第2の検査ユニット18を通過する間に略一回転する。
【0063】
一方で、検出装置1の第2の検査ユニット18に到達した偶数番の鶏卵T,T,・・・,T2nは、第2の検査ユニット18の打診部20i〜20pにより打診される。したがって、偶数番の鶏卵Tは、第2の検査ユニット18を通過する間に略一回転し、卵殻の円周方向に沿った所定の位置を叩き棒により叩かれ、打診される。本実施の形態において、鶏卵T,T,・・・,T2nが、第2の検査ユニット18によりひび割れの検査をされる。
【0064】
すなわち、図6(A)では、鶏卵Tは第2の検査ユニット18の打診部20iの下方に到達するが打診されない。図6(B)では、鶏卵Tが打診部20iに打診されるが、一方で、鶏卵Tは打診されない。図6(C)では、鶏卵Tが、打診部20jに打診されるが、鶏卵T,Tは打診されない。図6(D)では、鶏卵T,Tが、それぞれ、打診部20k,20iに打診されるが、鶏卵T,Tは打診されない。図6(E)では、鶏卵T,Tが、それぞれ、打診部20l,20jに打診されるが、鶏卵T,T,Tは打診されない。
【0065】
図6(F)では、鶏卵T,T,Tが、それぞれ、打診部20m,20k,20iに打診されるが、鶏卵T,T,Tは打診されない。図6(G)では、鶏卵T,T,Tが、それぞれ、打診部20n,20l,20jに打診されるが、鶏卵T,T,T,Tは打診されない。図6(H)では、鶏卵T,T,T,Tが、それぞれ、打診部20o,20m,20k,20iに打診されるが、鶏卵T,T,Tは打診されない。図6(I)では、鶏卵T,T,T,Tが、それぞれ、打診部20p,20n,20l,20jに打診されるが、鶏卵T,T,T,T,Tは打診されない。
【0066】
図6(J)では、偶数番の鶏卵T2n−8,T2n−6,T2n−4,T2n−2が、それぞれ、打診部20g,20e,20c,20aに打診されるが、奇数番の鶏卵T2n−7,T2n−5,T2n−3,T2n−1は打診されない。
【0067】
第1および第2の検査ユニット16,18によりひび割れの検査をされ、検出装置を通過した鶏卵Tは、選別包装システムの次工程、たとえば計量装置へ搬送される。
【0068】
検出機構10は、第1の検査ユニット16が奇数番の鶏卵Tを、第2の検査ユニット18が偶数番の鶏卵Tを打診し、検査する。これにより、各検査ユニットは、一列で順次搬送される鶏卵Tを1つ飛ばしで検査することになる。したがって、本実施の形態では、各打診部20の打診処理の速度を一定と仮定すると、1つ検査ユニットで検査を行う場合に比較して、搬送ラインの速度を2倍にすることができる。また、第1の検査ユニット16が偶数番の鶏卵Tを、第2の検査ユニット18が奇数番の鶏卵Tを検査するようにしてもよい。
【0069】
第1および第2の検査ユニット16,18のそれぞれが、1つの卵のひび割れを検査できれば、第1の検査ユニット16と、第2の検査ユニット18の打診部20の数を変更してもよい。たとえば、第1の検査ユニットが8つの打診部により1つの卵を検査し、第2の検査ユニットが7つの打診部により1つの卵を検査するように、搬送速度、打診部の構成等を変更してもよい。打診部の数に応じて、鶏卵の卵殻を打診する円周角に沿った間隔は変化する。
【0070】
また、図5および6において、説明を簡単にするために、打診部が搬送される鶏卵Tと略同等の間隔で配置されているが、第1の検査ユニットが鶏卵Tの奇数番を、第2の検査ユニットが鶏卵Tの偶数番を打診するようにすれば、打診部の間隔は異なってもよい。
【0071】
[第2の実施形態]
【0072】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る検出装置101について説明する。検出装置101は、第1の実施の形態の検出装置1に対して、各検出機構の第1および第2の検査ユニット116,118の構成、つまり、第1および第2の検査ユニット116,118の打診部20の配置において異なるが、他の構成においては同様である。したがって、以下の説明では、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略し、各検査ユニットの打診部の配置について詳細に説明する。
【0073】
本発明の第2の実施の形態に係る検出装置101は、図7に示すように、第1の実施例と同様に、並列する複数の検出機構110を備える。本実施の形態において、6列の検出機構が設けられている。各検出機構110は、第1および第2の検査ユニット116,118を備える。各検査ユニット116,118は、複数の打診部20を備える。各検査ユニット116,118の打診部は、同数設けられている。
【0074】
本実施の形態に係る検出機構110では、検出機構1と異なり、第1の検査ユニット116の打診部20a〜20hと、第2の検査ユニット118の打診部20i〜20pとが入れ子状態、すなわち交互に配置されている。第1の検査ユニット116は、8つの打診部20a〜20hにより1つの鶏卵Tを検査することができ、第2の検査ユニット118も、8つの打診部20i〜20pにより1つの鶏卵Tを検査することができる。
【0075】
図示の例では、第1の検査ユニット116は、8つの打診部20a〜20hを有し、第2の検査ユニット118も、8つの打診部20i〜20pを有する。第1および第2の検査ユニット116,118の打診部は、上流から下流に向けて、20a,20i,20b,20j,20c,20k,20d,20l,20e,20m,20f,20n,20g,20o,20h,20pの順に並べられている。
【0076】
次いで、第2の実施の形態に係る検出装置を用いた検出方法について説明する。以下の説明では、第1の実施の形態に係る検出方法と同様に、検査装置101の検出機構110に導入される多数の鶏卵Tは、鶏卵T,T,T,・・・,T2n(nは自然数)の順にならび、奇数番の鶏卵T,T,T,・・・,T2n−1と偶数番T,T,・・・,T2nとに分けて考えるものとする。また、隣り合う一対のローラRのいずれかに鶏卵Tが挟持されていない場合、すなわち歯抜け状態の場合であっても、挟持されていない鶏卵Tも奇数番または偶数番として数えるものとする。
【0077】
図8(A)〜図8(J)は、それぞれ、第1の検査ユニット116および第2の検査ユニット118が、搬送部14により搬送される鶏卵Tを打診するタイミングを示しており、打診部20からの矢印で指された鶏卵Tが打診されていることを示す。また、図8(A)〜図8(I)は、第1の検出ユニット116および第2の検出ユニット118の下方を流れる先頭付近の鶏卵Tが搬送される状態を順に示し、図5(J)および図6(J)は、搬送される終端付近の鶏卵Tが搬送される状態を示す。
【0078】
先ず、多数の鶏卵Tが、選別包装システムSの前記方向整列装置により、搬送幅方向に長軸を沿わせた状態で、特定の一方向に向きを揃えて第1の搬送ライン4を搬送される。本実施の形態において、6列に並んだ鶏卵Tが第1の搬送ライン4を搬送される。各列の鶏卵Tは、対応する検出機構110に導入される。
【0079】
検出装置1の各検出機構110では、搬送部14が隣り合う一対のローラRにより鶏卵Tを挟持した状態で、多数の鶏卵Tを一列で、鶏卵Tを先頭にして、順次搬送する。多数の鶏卵Tは、奇数番の鶏卵T,T,T,・・・,T2n−1と偶数番の鶏卵T,T,・・・,T2nが交互に並んで搬送される。
【0080】
次いで、第1の検査ユニット116では、奇数番の鶏卵T,T,T,・・・,T2n−1が、第1の検査ユニット116の各打診部20a〜20hにより順次打診される。したがって、奇数番の鶏卵T,T,T,・・・,T2n−1は、第1の検査ユニットを通過する間に略一回転し、卵殻の円周方向に沿った所定の位置を叩き棒により叩かれ、打診される。本実施の形態において、鶏卵T,T,T,・・・,T2n−1が、第1の検査ユニット116によりヒビの検査をされる。
【0081】
一方で、検出装置の第1の検査ユニット116に到達した偶数番の鶏卵T,T,・・・,T2nは、第1の検査ユニット116の各打診部20a〜20hにより打診されない。つまり、第1の検査ユニット116は、偶数番の鶏卵T,T,・・・,T2nを打診および検査しない。本実施の形態において、鶏卵T,T,・・・,T2nが、第1の検査ユニット116で検査されることなく通過する。
【0082】
検出装置の第2の検査ユニット118では、奇数番の鶏卵T,T,T,・・・,T2n−1が、第2の検査ユニット118の各打診部により打診ない。つまり、第2の検査ユニット118は、奇数番の鶏卵T,T,T,・・・,T2n−1を打診および検査しない。本実施の形態において、鶏卵T,T,T,・・・,T2n−1が、検査されることなく、第2の検査ユニット118を通過する。
【0083】
一方で、第2の検査ユニット118では、偶数番の鶏卵T,T,・・・,T2nは、第2の検査ユニット118の各打診部20i〜20pにより順次打診される。したがって、偶数番の鶏卵T,T,・・・,T2nは、第2の検査ユニット118を通過する間に略一回転し、卵殻の円周方向に沿った所定の位置を叩き棒により叩かれ、打診される。本実施の形態において、鶏卵T,T,・・・,T2nが、第2の検査ユニット118によりヒビの検査をされる。
【0084】
すなわち、図8(A)では、鶏卵Tが第1の検査ユニット16の打診部20aに打診される。次の図8(B)では、鶏卵T,Tが、それぞれ、打診部20i,20aの下方に位置するが、打診はされない。次の図8(C)では、鶏卵T〜Tが、それぞれ、打診部20b,20i,20aに打診される。次の図8(D)では、鶏卵T〜Tが、それぞれ、打診部20j,20b,20i,20aの下方に位置するが、打診はされない。次の図8(E)では、鶏卵T〜Tが、それぞれ、打診部20c,20j,20b,20i,20aに打診される。
【0085】
次の図8(F)では、鶏卵T〜Tが、それぞれ、打診部20k,20c,20j,20b,20i,20aの下方に位置するが、打診はされない。次の図8(G)では、鶏卵T〜Tが、それぞれ、打診部20d,20k,20c,20j,20b,20i,20aに打診される。次の図8(H)鶏卵T〜Tが、それぞれ、打診部20l,20d,20k,20c,20j,20b,20i,20aの下方に位置するが、打診はされない。次の図8(I)では、鶏卵T〜Tが、それぞれ、打診部20l,20d,20k,20c,20j,20b,20i,20aに打診される。なお、図示されないが、このとき、鶏卵T1は、打診部20eに打診される。
【0086】
図8(J)では、鶏卵T2n−8〜T2n−1が、それぞれ、打診部20l,20d,20k,20c,20j,20b,20i,20aに打診される。なお、搬送が進み、鶏卵T2n−7〜T2nが、それぞれ、打診部20l,20d,20k,20c,20j,20b,20i,20aの下方に到達した状態では、打診されない。鶏卵Tの搬送に従って、同様の検査が繰り返される。
【0087】
このように、第1の検査ユニット116の打診部20a〜20hが奇数番の鶏卵Tを、第2の検査ユニット118の打診部20i〜20pが偶数番の鶏卵Tを打診するように、各検査ユニットが動作する。第1および第2の検査ユニットの各打診部が交互に配置されているため、第1および第2の検査ユニットを通過する間、すなわち検出機構を通過する間に鶏卵Tは略一回転する。
【0088】
検出装置110によりひび割れの有無の検査をされ、検出装置101を通過した鶏卵Tは、選別包装システムSの次工程、たとえば計量装置へ搬送される。
【0089】
第1および第2の実施の形態における検出機構は、第1の検査ユニットが奇数番の鶏卵Tを、第2の検査ユニットが偶数番の鶏卵Tを打診し、検査する。これにより、各ユニットは、一列で順次搬送される鶏卵Tを1つ飛ばしで検査することになる。したがって、検査ユニットの処理速度を一定と仮定すると、1つ検査ユニットで検査を行う場合に比較して、検査の処理速度、すなわち検出装置に鶏卵Tを通過させる搬送ラインの速度を2倍にすることができる。また、第1の検査ユニットが偶数番を、第2の検査ユニットが奇数番を検査するようにしてもよい。さらに、各検査ユニットの打診部の数は変更されてもよい。打診部の数に応じて、鶏卵の卵殻を打診する円周角に沿った間隔は変化する。
【0090】
第1および第2の実施の形態に示したように、打診により卵のひび割れを検査する場合は、卵殻に振動を与え、その振動を検知することになる。したがって、卵のひび割れの検出では、少なくとも振動を与え、検知する時間を確保する必要があり、打診の速度には限界が生じる。したがって、検査ユニットの処理速度を一定とした場合であっても、検査の処理速度を高めることができる検出機構は有用である。
【0091】
さらに、検出機構は、m個(mは2以上の自然数)の検査ユニットを備えていてもよい。この場合、検出機構に導入される鶏卵Tは、m個を1グループとして、多数グループの鶏卵Tを一列で搬送されるものと考える。この多数の鶏卵Tを検出機構がm個の検査ユニットで検査する。
【0092】
たとえば、3個の検査ユニットを備える検出機構では、1番目(第1グループの1個目)、4番目(第2グループの1個目)、7番目(第3グループの1個目)・・・の鶏卵Tを第1の検査ユニットが、2番目(第1グループの2個目)、5番目(第2グループの2個目)、8番目(第3グループの2個目)・・・鶏卵Tを第2の検査ユニットが、3番目(第1グループの3個目)、6番目(第2グループの3個目)、9番目(第3グループの3個目)・・・の鶏卵Tを第3の検査ユニットが検査する。
【0093】
したがって、m個の検査ユニットのうち、第m番目の検査ユニットが、各グループのm番目に搬送される鶏卵Tを検査する。これにより、検査ユニットの数に比例して検査の処理速度が増加する。
【0094】
第1および第2の検査ユニットのそれぞれが、1つの卵のひび割れの検査できれば、第1および第2の検査ユニットの打診部の数を変更してもよい。打診部の数に応じて、鶏卵の卵殻を打診する円周角に沿った間隔は変化する。
【0095】
上記の説明では、鶏卵Tのひび割れの検出について説明してきた。しかし、本発明に係る検出機構、検出装置および検出方法は、鶏卵T以外の他の卵の検査に利用することができる。
【0096】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、卵殻に存在するひび割れの検出に用いることができる。
【符号の説明】
【0098】
1 検出装置、10 検出機構、16 第1の検査ユニット、18 第2の検査ユニット、20 打診部、22 叩き手段、34 検音手段
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8