(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
<両軸受リールの基本構成>
図1及び
図2に示すように、両軸受リール10は、主に、釣り竿に装着されるリール本体11と、ハンドル12と、スタードラグ13と、スプール14と、スプール軸26と、スプールアクセス機構30と、カバー開放機構50とを、備えている。スプールアクセス機構30には、後述するカバー開放機構50が含まれている。また、スプールアクセス機構30には、リール本体11の一部、例えばフレーム17が、含まれる。
【0023】
図1に示すように、ハンドル12は、スプールを回転するためのものである。ハンドル12は、リール本体11の側方に配置されている。スタードラグ13は、ハンドル12のリール本体11側に配置されたドラグ調整用のものである。
【0024】
スプール14は、リール本体11に回転自在に装着されている。スプール14は、釣り糸が巻き付けられる筒状の糸巻胴部14aと、糸巻胴部14aの両端に大径に形成された左右一対の第1フランジ部14b及び第2フランジ部14cとを、有する。第1フランジ部14bは、ハンドル12と逆側に設けられ、第2フランジ部14cは、ハンドル12側に設けられる。糸巻胴部14aの内周側には、スプール軸26が一体回転可能に連結される筒状の取付部14d(
図2を参照)が設けられる。取付部14dは、円板状の連結部14e(
図2を参照)を介して、糸巻胴部14aと一体に形成される。したがって、スプール14の糸巻胴部14aの内周側には、空間が形成される。
【0025】
スプール軸26の一端(
図2の右端)は、第1軸受25aによって、後述するリール本体11の第1側板部17aに回転自在に支持される。スプール軸26の他端(
図2の左端)は、リール本体11の第2側カバー部18b(後述する)に設けられるボス部の第2軸受25bによって回転自在に支持される。
【0026】
図1及び
図2に示すように、リール本体11は、フレーム17(フレーム本体の一例)と、フレーム17の左右側面を覆う第1側カバー部18a(カバー部の一例)及び第2側カバー部18bと、両軸受リール10を釣り竿に装着するための釣り竿装着部17dと、を有している。
【0027】
フレーム17は、左右1対の第1側板部17a及び第2側板部17bと、複数の連結部17cとを、有している。第1側板部17aは、実質的に円形に形成されている。第1側板部17aは、第1側板本体部27aと、第1側板本体部27aの外周部に一体に形成される筒状部27bとを、有している。第1側板本体部27aは、開口22aと、揺動部材用の長孔部22b(
図3を参照)とを、有している。開口22a及び筒状部27bの内周部によって、スプール14が通過可能な開口部27c(開口部の一例)が、構成されている。揺動部材用の長孔部22bには、後述する揺動用の操作つまみ38bが、移動自在に配置される。
【0028】
図2及び
図4に示すように、開口部27c、例えば筒状部27bの内周側には、スプール支持部15と、第1側カバー部18aと、後述するカバー開閉部16と、着脱部19とが、配置される。詳細には、スプール支持部15と、第1側カバー部18aと、カバー開閉部16とは、着脱部19を介して、筒状部27bの内周側に着脱自在に装着される。ここでは、例えば、着脱部19と筒状部27bとが、バヨネット方式によって、着脱自在に連結されている。着脱部19と筒状部27bとを連結するための構成の詳細については、後述する。
【0029】
また、
図2に示すように、開口部27cには、キャスティング時のバックラッシュを抑えるためのスプール制動装置20が、配置されている。スプール制動装置20は、スプール14の回転に応じて、スプール14を制動する。スプール制動装置20は、主に、
回転部材20aと、複数のブレーキシュー20bと、ブレーキドラム20cとを、有している。
回転部材20aは、スプール軸26に対して、一体回転可能に装着される。複数のブレーキシュー20bそれぞれは、
回転部材20aに揺動可能に装着される。ここでは、6個のブレーキシュー20bが、
回転部材20aの外周部に揺動可能に装着されている。また、各ブレーキシュー20bは、図示しないロック構造によって、揺動不能に設定可能である。
【0030】
ブレーキドラム20cは、ブレーキシュー20bと接触することによって、スプール14の回転を制動する。ブレーキドラム20cは、後述する制動操作部118dの操作量に応じて、スプール14に接近する方向、又はブレーキドラム20
cがスプール14から離反する方向に、移動する。これにより、ブレーキドラム20cの位置決めが行われる。
【0031】
例えば、
回転部材20aがスプール14とともに回転すると、ブレーキシュー20bは、遠心力によって揺動する。すると、ブレーキシュー20bが、位置決め後のブレーキドラム20cに接触し、スプール14の回転が制動される。なお、ブレーキドラム20cは、スプールアクセス機構30(スプール支持部15)に含まれる部材である。
【0032】
図2に示すように、第2側板部17bは、連結部17cを介して、第1側板部17aに対向して配置されている。第2側板部17bには、第2側カバー部18bが装着される。第2側板部17bと第2側カバー部18bとの間には、スプール14の回転時の抵抗力を調節するためのキャスティングコントロール機構21が、配置されている。
【0033】
複数の連結部17cは、第1側板部17a及び第2側板部17bと一体に形成され、第1側板部17aと第2側板部17bとを連結する。
【0034】
図1及び
図2に示すように、第1側カバー部18aは、ハンドル12
とは逆側において、フレーム17の側面を覆う部材である。詳細には、第1側カバー部18aは、第1側板部17aの開口部27cを覆う部材である。例えば、第1側カバー部18aは、第1側板部17aの開口部27cに配置可能である。
【0035】
図4、
図5、及び
図6Aに示すように、第1側カバー部18aは、カバー本体部28aと、支持部28b(
連結部の一例)と、異物防止部材61とを、有している。カバー本体部28aの外周部の少なくとも一部は、第1曲率を有している。言い換えると、カバー本体部28aの外周部の少なくとも一部は、第1曲率半径を有する形状に、形成されている。例えば、カバー本体部28aは、実質的に円形に形成されている。カバー本体部28aには、複数の孔部128aが形成されている。複数の孔部128aは、カバー本体部28aの軽量化及び意匠性を向上するために設けられている。カバー本体部28aの外周部には、実質的に円環状の突出部128bが、形成されている。突出部128bは、後述するスプール支持部15の当接部35dに当接する。これにより、第1側カバー部18aは、回り止めされる。
【0036】
また、
図6Aに示すように、突出部128bは、異物防止部材61を保持するための複数の保持部128cを、有している。ここでは、3個の保持部128cが、突出部128bに形成されている。3個の保持部128cは、円周方向に間隔を隔てて、突出部128bの内周側に設けられている。保持部128cは、凹状に形成された凹部(第1凹部の一例)である。
【0037】
支持部28bは、カバー開閉部16に対して第1側カバー部18aを開閉するために、カバー本体部28aに設けられている。支持部28bは、第1側板部17aの開口部27c側において、カバー本体部28aに一体に形成されている。例えば、支持部28bは円筒状に形成されており、支持部28bの内周部には雌ねじ部が形成されている。
【0038】
例え
ば、第1側カバー部18aが閉じられた状態、すなわち第1側カバー部18aが第1側板部17aの開口部27cに配置された状態において、支持部28bは、スプール軸方向から見て、スプール支持部15と重なるように、カバー本体部28aに一体に形成されている。また、第1側カバー部18aには、開口部18dが形成されている。この開口部18dには、スプールの回転を制動するための制動操作部118dが、回転可能に配置される。
【0039】
図6Aに示すように、異物防止部材61は、第1側カバー部18aのカバー本体部28aに設けられた複数の孔部128aからの異物の侵入を、防止するための部材である。異物防止部材61は、弾性部材である。異物防止部材61は、弾性変形させることによって、カバー本体部28aに装着される。例えば、異物防止部材61は、カバー本体部28aの内面側に装着され、復元力によってカバー本体部28aに保持される。異物防止部材61は、カバー本体部28aの保持部128cによって、位置決めされ保持される。異物防止部材61については、後述する異物侵入防止構造60の構成において、詳細に説明する。
【0040】
図1及び
図2に示すように、第2側カバー部18bは、ハンドル1
2側において、フレーム17の側面を覆う部材である。第2側カバー部18bには、キャスティングコントロール機構21を調節するための抵抗操作部23が、回転可能に装着されている。
【0041】
釣り竿装着部17dは、下側の連結部17cに一体形成される。第1側板部17aと第2側板部17bの間には、ハンドル12に連結されたスプール14が、配置される。
【0042】
なお、リール本体11の内部には、スプール14に連動して動作するレベルワインド機構(図示せず)やハンドル12の回転をスプール14に伝達する回転伝達機構(図示せず)等が設けられている。
【0043】
<スプールアクセス機構の構成及びカバー開放機構の構成>
図4に示すように、スプールアクセス機構30は、第1側板部17a(フレーム17)と、スプール支持部15と、第1側カバー部18aと、カバー開閉部16と、着脱部19とから、構成されている。スプールアクセス機構30における、第1側板部17a(フレーム17)と、スプール支持部15と、第1側カバー部18aと、カバー開閉部16とは、カバー開放機構50を構成している。すなわち、スプールアクセス機構30は、カバー開放機構50を含んでいる。
【0044】
このように、カバー開放機構50は、着脱部19を除き、上記のスプールアクセス機構30の構成と同じである。このため、スプールアクセス機構30の構成及びカバー開放機構50の構成を、同時
に説明する。
【0045】
なお、以下では、スプール支持部15、着脱部19、カバー開閉部16、及び第1側カバー部18aを、「着脱ユニット29」と記される。また、第1側板部17a及び第1側カバー部18aは、上記のリール本体11において既に説明を行っているため、ここでは説明を省略する。
【0046】
スプール支持部15は、スプール14を回転可能に支持する。詳細には、スプール支持部15は、スプール軸26を介して、スプール14を回転自在に支持する。スプール支持部15は、第1側板部17aの内部に配置される。詳細には、スプール支持部15は、第1側板部17aの開口部27cに配置される。
【0047】
図7に示すように、スプール支持部15は、ベース部材35と、上述したブレーキドラム20cとを、有する。ベース部材35は、ベース本体35aと、第1軸受25aを収納するための軸受収納部35eとを、有している。
【0048】
ベース本体35aは、ブレーキ収納部35bと、鍔部35cと、当接部35d(
図4を参照)とを、有している。ブレーキ収納部35bは、ブレーキカム20d及びブレーキシュー20bを収納する部分である。ブレーキ収納部35bには、ブレーキシュー20bにアクセスするための窓部115eが、形成されている。ブレーキシュー20bは、この窓部115eを介して、揺動可能又は揺動不能に、設定される。
【0049】
鍔部35cは、ブレーキ収納部35bの外周に一体に形成されている。当接部35dは、第1側カバー部18aを回り止めする部分である。当接部35dは、ブレーキ収納部35bから外方に突出して、ブレーキ収納部35bに一体に形成されている。例えば、第1側カバー部18aが開放された場合に、第1側カバー部18aの突出部128b(
図6Aを参照)が、スプール支持部15の当接部35dすることによって、第1側カバー部18aは回り止めされる。また、第1側カバー部18aの突出部128bは、付勢部材37を係止する部分としても用いられる。
【0050】
軸受収納部35eは、ベース本体35aの内周部に一体に形成されている。詳細には、軸受収納部35eは、ベース本体35aのブレーキ収納部35bにおいて、スプール軸26に沿う方向に突出するように、一体に形成されている。ベース部材35は、軸受収納部35eに収納された第1軸受25a(
図2を参照)を介して、スプール軸26の一端(
図2の右端)を、回転自在に支持する。
【0051】
ブレーキドラム20cは、ベース部材35に、ブレーキカム20dを介して係合する。ブレーキカム20dは、ブレーキドラム20cの内周部と軸受収納部35eの外周部との間に配置される。ブレーキカム20dの外周部には、カム溝が形成されており、ブレーキドラム20cの内周部には、カム溝に係合するカム突起が、形成されている。
【0052】
例えば、制動操作部118dが回動操作されると、制動操作部118dに固定された第1ギア部121と、第1ギア部121に噛み合うブレーキドラム20cの第2ギア部122とが、回転する。すると、この回転に伴い、ブレーキドラム20cが回転する。すると、ブレーキドラム20cが、ブレーキカム20dを介して、ブレーキドラム20cがスプール14に接近する方向、又はブレーキドラム20
cがスプール14から離反する方向に、移動する。これにより、ブレーキドラム20cの位置決めが行われ、ブレーキドラム20cにブレーキシュー20bが接触した場合のスプールの制動力が、決定される。
【0053】
図4に示すように、カバー開閉部16は、第1側カバー部18aを開放可能に構成されている。カバー開閉部16は、第1側板部17aの開口部27cにおいて、スプール14と第1側カバー部18aとの間に配置される。カバー開閉部16は、スプール支持部15及び第1側カバー部18aに係合する。例えば、カバー開閉部16は、スプール支持部15のブレーキ収納部35b及び第1側カバー部18aの支持部28b(
図6Aを参照)に係合する。
【0054】
図4から
図10に示すように、カバー開閉部16は、カバー開閉構造36と、付勢部材37(
図8を参照)とを、有している。カバー開閉構造36は、第1側カバー部18aを開閉可能である。例えば、カバー開閉構造36は、カバー閉塞姿勢とカバー開放可能姿勢との間において、第1側カバー部18aを、スプール14から離れる方向と、スプール14に近づく方向とに、進退自在に支持する。また、カバー開閉構造36は、カバー開放可能姿勢とカバー開放姿勢との間において、第1側カバー部18aを揺動可能に支持する。さらに、カバー開閉構造36は、スプール支持部15及び第1側カバー部18aに係合する。
【0055】
なお、
第1側カバー部18aが第1側板部17aの開口部27cに配置されたときの姿勢を、カバー閉塞姿勢と定義する。また、スプール14から離れる方向に
第1側カバー部18aが移動したときの姿勢、すなわち
第1側カバー部18aと第1側板部17aの筒状部
27bとの間に所定の隙間が形成されたときの
第1側カバー部18aの姿勢を、カバー開放可能姿勢と定義する。さらに、
第1側カバー部18aが開放されたときの姿勢を、カバー開放姿勢と定義する。
【0056】
カバー開閉構造36は、揺動部材38と、連結部材40とを、有している。揺動部材38は、第1側カバー部18aを開放するために操作される部材である。揺動部材38は、スプール支持部15に対して、揺動可能に装着される。
【0057】
図5、
図7、及び
図9に示すように、揺動部材38は、実質的に円環状の揺動本体部38aと、揺動用の操作つまみ38bと、切欠部38cと、位置決め用の長孔部39とを、有している。
【0058】
揺動本体部38aは、スプール支持部15に対して、揺動可能に装着される。揺動本体部38aは、スプール支持部15の鍔部35cに対向した状態で、スプール支持部15に対して回転可能である。揺動本体部38aの内周部には、スプール支持部15のブレーキ収納部35bが、配置される。揺動部材38の回転範囲、すなわち揺動部材38の揺動範囲は、第1側板部17aに形成された揺動部材用の長孔部22b(
図3を参照)の範囲内で、設定される。
【0059】
揺動用の操作つまみ38bは、揺動部材38を揺動させるためのものである。揺動用の操作つまみ38bは、揺動本体部38aの外周部において、スプール軸26に沿った方向に延びている。揺動用の操作つまみ38bは、揺動部材用の長孔部22b(
図3を参照)に配置される。揺動用の操作つまみ38bが操作されると、揺動部材38が揺動する。切欠部38cは、揺動本体部38aの外周部に沿って形成されている。切欠部38cには、後述する着脱用の操作つまみ19bが、配置される。
【0060】
図9に示すように、位置決め用の長孔部39は、揺動本体部38aに形成され、円周方向に延びている。位置決め用の長孔部39には、後述する第2連結部材42が、配置される(
図5を参照)。位置決め用の長孔部39において、第2連結部材42は移動可能である。位置決め用の長孔部39は、第1孔部39aと、第2孔部39bとを、有している。第1孔部39aは、位置決め用の長孔部39の一端側に形成される。第2孔部39bは、位置決め用の長孔部39の他端側に形成される。第2孔部39bは、第1孔部39aより内径が大きい。
【0061】
ここで、第1側カバー部18aが閉じられた状態における揺動部材38の姿勢が、第1姿勢と定義する。また、第1側カバー部18aが開放可能である状態における揺動部材38の姿勢が、第2姿勢と定義する。揺動部材38は、第1姿勢及び第2姿勢において、後述する連結部材40によって、位置決めされる。
【0062】
図5に示すように、連結部材40は、スプール支持部15及び第1側カバー部18aを連結し、且つ揺動部材38の揺動に応じて第1側カバー部18aを開閉可能に支持する。連結部材40は、第1連結部材41と、第2連結部材42とを、有する。
【0063】
第1連結部材41は、揺動部材38と第1側カバー部18aとの間において、スプール支持部15に、装着される。詳細には、第1連結部材41は、板状に形成されている。第1連結部材41の一部が、スプール支持部15のブレーキ収納部35bに、装着されている。また、第1連結部材41は、スプール支持部15のブレーキ収納部35bに装着される部分を除いた部分において、第2連結部材42に係合している。例えば、第1連結部材41は、孔部41aを有している。この孔部41aに第2連結部材42が回転自在に配置される。
【0064】
第2連結部材42は、第1連結部材41に係合する。例えば、第2連結部材42は、第1連結部材41の孔部41aに回転自在に配置される。また、第2連結部材42は、第1側カバー部18aの支持部28b(
図6Aを参照)に連結され、第1側カバー部18aを開閉可能に支持する。さらに、第2連結部材42は、揺動部材38を位置決めする。詳細には、第2連結部材42は、揺動部材38の揺動本体部38aの揺動に応じて、位置決め用の長孔部39を移動可能である。
【0065】
揺動部材38の姿勢が第1姿勢である場合、揺動部材38は、位置決め用の長孔部39の一端側で、第2連結部材42によって位置決めされる。揺動部材38の姿勢が第2姿勢である場合、揺動部材38は、位置決め用の長孔部39の他端側で、第2連結部材42によって位置決めされる。
【0066】
具体的には、
図10に示すように、第2連結部材42は、軸部43と、頭部44とを、有している。軸部43は、第1連結部材41の孔部41aに回転自在に配置される。軸部43は、軸本体部43aと、雄ネジ部43bとを、有している。軸本体部43aは、頭部44と雄ネジ部43bとの間に形成される部分である。軸本体部43aは、揺動部材38に形成された位置決め用の長孔部39に、係合可能である。詳細には、第1側カバー部18aが閉じられた状態では、軸本体部43aは、位置決め用の長孔部39の第1孔部39aに配置される。軸部43の雄ネジ部43bは、第1側カバー部18aの支持部28b(雌ねじ部)に、螺合する。これにより、第2連結部材42は、第1側カバー部18aに装着される。
【0067】
頭部44は、軸部43より拡大された部分である。頭部44は、軸部43の一端において、軸部43と一体に形成されている。
図9の破線で示すように、頭部44は、位置決め用の長孔部39に、係合可能である。詳細には、揺動部材38の姿勢が第1姿勢である場合(第1側カバー部18aが閉じられた状態)では、頭部44は、位置決め用の長孔部39の第1孔部39aに係合する(
図10を参照)。一方で、揺動部材38の姿勢が第2姿勢である場合(第1側カバー部18aが
開放可能な状態)では、頭部44は、位置決め用の長孔部39の第2孔部39bに係合する。
【0068】
ここで、第2連結部材42及び揺動部材38の関係と、揺動部材38の位置決めについて、説明をしておく。
図10に示すように、揺動部材38の姿勢が第1姿勢である場合、第2連結部材42の軸部43(軸本体部43a)が、位置決め用の長孔部39の第1孔部39aに配置される。また、この場合、第2連結部材42の頭部44が、位置決め用の長孔部39の第1孔部39aの縁部39cに、係合する。
【0069】
これにより、第1側カバー部18aが閉じられた場合、すなわち第1側カバー部18aの外周部が第1側板部17aの筒状部27bに当接した状態において、揺動部材38が、第1側カバー部18a及び第2連結部材42(頭部44)によって、挟持される。このようにして、揺動部材38は、位置決めされ、且つ抜け止めされる。
【0070】
一方で、揺動部材38の姿勢が第1姿勢から第2姿勢へと変更され、揺動部材38の姿勢が第2姿勢に設定されると、
図9に示すように、第2連結部材42の頭部44は、位置決め用の長孔部39の第2孔部39bに配置される。この状態では、第2連結部材42の頭部44は、位置決め用の長孔部39の第2孔部39bに配置されているので、揺動部材38は揺動不能である。すなわち、第2連結部材42(頭部44)によって、揺動部材38は、位置決めされる。
【0071】
また、この状態では、第2連結部材42の頭部44は、位置決め用の長孔部39の第2孔部39bにおいて、スプール支持部15から離れる方向とスプール支持部15に近づく方向とに、進退自在である。しかし、第2連結部材42の頭部44と第1側カバー部18aとの間には、第1連結部材41が配置されているので、この第1連結部材41によって、第2連結部材42は抜け止めされている。なお、第2連結部材42の頭部44が第1連結部材41に当接した状態では、第2連結部材42は、第1側カバー部18aを揺動可能に支持する。
【0072】
図8に示す付勢部材37は、第1側カバー部18aを付勢するための部材である。付勢部材37は、第1側カバー部18aが第1側板部17aの開口部27cを閉塞するカバー閉塞姿勢から、第1側カバー部18aが第1側板部17a開口部27cの少なくとも一部を開放したカバー開放姿勢へと、第1側カバー部18aの姿勢を変更する。具体的には、まず、付勢部材37は、カバー閉塞姿勢から、第1側板部17aの開口部27cを開放可能なカバー開放可能姿勢へと、第1側カバー部18aの姿勢を変更する。次に、付勢部材37は、カバー開放可能姿勢からカバー開放姿勢へと、第1側カバー部18aの姿勢を変更する。
【0073】
付勢部材37は、第1側カバー部18aとカバー開閉構造36との間に配置され、第1側カバー部18aを開放可能に付勢する。詳細には、付勢部材37は、第1側カバー部18aと第1連結部材41との間に配置され、第1側カバー部18aを、スプール14から離れる方向に付勢する。また、付勢部材37は、第1側カバー部18aと第1連結部材41とに係合し、第1側カバー部18aを開放可能に付勢する。
【0074】
図8に示すように、付勢部材37は、捩りバネ部37aと、第1係止部37bと、第2係止部37cとを、有している。捩りバネ部37aは、第1側カバー部18aと第1連結部材41との間において、第1側カバー部18aにおける支持部28bの外周部及び第2連結部材42における軸部43(軸本体部43a)の外周部の少なくともいずれか一方に、配置される。例えば、第2連結部材42が、第1孔部39aに配置された状態では、捩りバネ部37aは、支持部28bの外周部に、配置される。一方で、第2連結部材42が、第2孔部39bに配置された状態では、捩りバネ部37aは、支持部28bの外周部及び軸部43の外周部に、配置される。
【0075】
捩りバネ部37aは、上記の外周部において伸縮可能である。例えば、第2連結部材42の頭部44が第1孔部39aの縁部39cに係合した状態、すなわち第1側カバー部18aが閉じられた状態では、捩りバネ部37aは、第1側カバー部18aと第1連結部材41との間で、圧縮されている。この状態から、揺動部材38が回転して、第2連結部材42の頭部44が第2孔部39bに到達すると、捩りバネ部37aは、第1側カバー部18aを、スプール支持部15から離れる方向に、付勢する。すると、第2連結部材42の頭部44が、第1連結部材41に当接する。これにより、第1側カバー部18aの姿勢が、カバー閉塞姿勢からカバー開放可能姿勢へと変更される。
【0076】
また、捩りバネ部37aは、第1側カバー部18aに対して、捩り力の反力を与える。詳細には、第1係止部37bは、第1側カバー部18a、例えば第1側カバー部18aの突出部128bに、係止される。第2係止部37cは、カバー開閉構造36、例えば第1連結部材41に、係止される。例えば、第2係止部37cは、第1連結部材41の係止孔41b(
図5を参照)に、係止される。これにより、捩りバネ部37aは、第2係止部37c(係止孔41b)を支持点として、第1側カバー部18aに対して、捩り力の反力を与える。例えば、第1側カバー部18aの姿勢がカバー開放可能姿勢になると、捩りバネ部37aの捩り力の反力によって、第1側カバー部18aの姿勢が、カバー開放可能姿勢からカバー開放姿勢へと変更される。
【0077】
このように、付勢部材37が、第1側カバー部18aの姿勢を、カバー閉塞姿勢、カバー開放可能姿勢、カバー開放姿勢の順に変更することによって、第1側カバー部18aが開かれる。
【0078】
図4及び
図5に示すように、着脱部19は、スプール14と第1側カバー部18aとの間において、第1側板部17aの開口部27cに配置される。また、
図7に示すように、着脱部19は、スプール支持部15と揺動部材38との間に、配置される。具体的には、着脱部19は、スプール支持部15の鍔部35cと揺動部材38の揺動本体部38aとの間に、配置される。着脱部19は、上記の配置形態において、回転自在である。
【0079】
着脱部19は、第1側板部17aに対して、揺動可能且つ着脱可能に装着されている。着脱部19は、スプール支持部15及びカバー開閉構造36に係合する。着脱部19は、第1側カバー部18aが開かれた状態で、揺動可能である。また、この状態で、着脱部19は、スプール支持部15、第1側カバー部18a、及びカバー開閉部16を、第1側板部17aに対して、着脱可能である。
【0080】
図7に示すように、着脱部19は、実質的に円環状に形成されている。着脱部19は、実質的に円環状の円環部19aと、着脱用の操作つまみ19bと、複数の(例えば3個の)バヨネット突起19cとを、有している。着脱用の操作つまみ19bは、円環部19aの外周部に一体に形成されている。着脱用の操作つまみ19bは、揺動部材38の切欠部38cに配置される。例えば、着脱用の操作つまみ19bの内周部には、溝部(図示しない)が、形成されている。この溝部を揺動部材38の切欠部38cに嵌合することによって、スプール軸方向への揺動部材38の抜け止めが、行われる。なお、着脱部19の揺動範囲は、切欠部38cの円周方向の長さの範囲内に、設定される。
【0081】
複数の(例えば3個の)バヨネット突起19cは、円環部19aの外周部から外方に突出して、一体に形成されている。ここで、第1側板部17aの筒状部27bには、バヨネット溝27d(
図4を参照)が形成されている。着脱用の操作つまみ19bを操作することによって着脱部19が回転すると、このバヨネット溝27dにバヨネット突起19cが係合する。これにより、着脱ユニット29(スプール支持部15、第1側カバー部18a、カバー開閉部16、及び着脱部19)は、第1側板部17aの筒状部27bに装着される。また、着脱用の操作つまみ19bを操作することによって着脱部19を上記とは反対側に回転すると、バヨネット突起19cとバヨネット溝27dとの係合が解除される。これにより、着脱ユニット29が、第1側板部17aの筒状部27bから取り外される。
【0082】
このように、スプール支持部15、着脱部19、カバー開閉部16、及び第1側カバー部18aを、1つのユニット単位すなわち着脱ユニット29の単位で、着脱できるので、両軸受リール10の内部に容易にアクセスすることができる。
【0083】
<スプールアクセス機構とカバー開放機構との組み立て及びの動作>
スプールアクセス機構30に含まれる着脱ユニット29は、次のように組み立てられ動作する。
【0084】
まず、着脱部19とカバー開閉部16の揺動部材38とが、組み合わされる。具体的には、着脱部19の操作つまみ(着脱用の操作つまみ19b)が、揺動部材38の切欠部38cに配置されるように、着脱部19と揺動部材38とが、組み合わされる。より具体的には、着脱用の操作つまみ19bの溝部(図示しない)が、切欠部38cに嵌合されるように、着脱部19が揺動部材38に組み付けられる。これにより、カバー開閉部16の揺動部材38が、着脱部19によって抜け止めされる。
【0085】
次に、着脱部19と揺動部材38とが組み合わされた状態において、着脱部19が、スプール支持部15の鍔部35cに対向するように、スプール支持部15に配置される。言い換えると、着脱部19は、スプール支持部15のブレーキ収納部35bの外周部に配置される。これにより、着脱部19及び揺動部材38が、スプール支持部15のブレーキ収納部35bの外周に、配置される。
【0086】
続いて、カバー開閉部16の第2連結部材42が、カバー開閉部16の第1連結部材41を介して、第1側カバー部18a(異物防止部材61を含む)に装着される。具体的には、第2連結部材42の軸部43が、第1連結部材41の孔部41aに挿通される。そして、付勢部材37の第1係止部37bを第1側カバー部18aの突出部128bに係合させ、付勢部材37の捩りバネ部37aを第1側カバー部18aの支持部28bに配置した状態で、第2連結部材42の軸部43(雄ネジ部43b)が、第1側カバー部18aの支持部28bに螺合される。そして、付勢部材37の第2係止部37cが、第1連結部材41の係止孔41bに係合される。
【0087】
続いて、第1側カバー部18aが開かれた状態で、第1連結部材41が、固定部材例えばビス47によって、スプール支持部15のブレーキ収納部35bに固定される。詳細には、第2連結部材42の頭部44を、揺動部材38に形成された位置決め用の長孔部39の第2孔部39bに配置した状態で、第1連結部材41が、ビス47によって、スプール支持部15のブレーキ収納部35bに固定される。
【0088】
このようにして、着脱ユニット29(スプール支持部15、着脱部19、カバー開閉部16(揺動部材38及び連結部材40)、及び第1側カバー部18a)が、組み立てられる。
【0089】
続いて、着脱ユニット29が、第1側板部17aに装着される。例えば、揺動用の操作つまみ38bが、揺動部材用の長孔部22bに配置された状態において、揺動部材38の切欠部38cに配置された着脱用の操作つまみ19bが、回転される。これにより、着脱ユニット29と第1側板部17aとはバヨネット結合される。言い換えると、着脱ユニット29における着脱部19のバヨネット突起19cを、第1側板部17aにおける筒状部27bのバヨネット溝27dに嵌合することによって、着脱ユニット29が、第1側板部17aに装着される。
【0090】
なお、この状態では、第1側カバー部18aは、付勢部材37によって付勢され、開かれている。また、この状態では、揺動部材38の姿勢は第1姿勢である。
【0091】
続いて、第1側カバー部18aを第2連結部材42の軸心まわりに回転させると、付勢部材37が捩られ、第1側カバー部18aが、第1側板部17aの筒状部27bに対向して配置される。この状態では、第1側カバー部18aと第1側板部17aの筒状部27bとの間には、所定の隙間が形成されている。そして、第1側カバー部18aが、スプール支持部15に向けて押し込まれると、付勢部材37が圧縮され、第1側カバー部18aが第1側板部17aの筒状部27bに当接する。
【0092】
この状態で、揺動用の操作つまみ38bが揺動部材用の長孔部22bに沿って一方向に操作されると、第2連結部材42の頭部44が、位置決め用の長孔部39における第2孔部39bから第1孔部39aへと移動し、第1孔部39aの縁部39cに乗り上げる。これにより、第1側カバー部18aが第1側板部17aの開口部27cを覆った状態で、第1側カバー部18aが第1側板部17a(筒状部27b)に保持される。この状態が、第1側カバー部18aが閉じられた状態である。この状態において、スプール14、スプール支持部15、及び第1側カバー部18aは、スプール軸方向から見て、実質的に同芯に配置されている。
【0093】
一方で、第1側カバー部18aが閉じられた状態において、揺動用の操作つまみ38bが揺動部材用の長孔部22bに沿って反対方向に操作されると、第2連結部材42の頭部44が、位置決め用の長孔部39における第1孔部39aの縁部39cから第2孔部39bへと移動する。すると、付勢部材37の伸びる力によって、第1側カバー部18aとともに、第2連結部材42が、スプール支持部15から離れる方向に付勢される。これにより、第2連結部材42の頭部44が、位置決め用の長孔部39における第2孔部39bの内部に配置された状態で、第1連結部材41に当接する。すなわち、第1側カバー部18aが、スプール14から離れる方向に移動する。このようにして、第1側カバー部18aの姿勢が、カバー閉塞姿勢からカバー開放可能姿勢へと変更される。
【0094】
続いて、第1側カバー部18aの姿勢がカバー開放可能姿勢へと変更されると、第1側カバー部18aが、付勢部材37の捩り力の反力によって、第2連結部材42まわりに回転する。これにより、第1側カバー部18aの姿勢が、カバー開放可能姿勢からカバー開放姿勢へと変更される。すなわち、第1側カバー部18aが開かれる。
【0095】
続いて、着脱用の操作つまみ19bを操作すると、着脱ユニット29と第1側板部17aとのバヨネット結合が、解除される。この状態で、着脱ユニット29が、スプール14から離れる方向に引き出されると、着脱ユニット29が第1側板部17aから取り外される。
【0096】
なお、第1側カバー部18aが開かれているときに、着脱用の操作つまみ19bが操作されない限り、着脱ユニット29は、第1側板部17aに装着されたままである。この状態では、ユーザは、スプール支持部15の窓部115eを介して、ブレーキシュー20bを、揺動可能又は揺動不能に、設定できる。
【0097】
<異物侵入防止構造の構成>
異物侵入防止構造60は、両軸受リール10の内部への異物の侵入を防止するためのものである。異物侵入防止構造60は、第1側板部17a(フレーム17)と、第1側カバー部18aとから、構成されている。第1側カバー部18aは、上述したように、複数の孔部128aを有するカバー本体部28a(
図4を参照)と、複数の孔部からの異物の侵入を防止する異物防止部材61(
図6Aを参照)とを、有している。
【0098】
なお、第1側板部17a及び第1側カバー部18aは、上記のリール本体11において既に説明を行っているため、ここでは説明を省略する。また、異物防止部材61は、第1側カバー部18aに含まれる部材である。この基本構成については、上記のリール本体11において既に説明を行っているため、ここでは、基本構成の除く構成についてのみ説明する。
【0099】
異物防止部材61は、弾性変形させることによって、カバー本体部28aの内面側に装着され、復元力によってカバー本体部28aに保持される。例えば、異物防止部材61の外周部の少なくとも一部は、カバー本体部28aの第1曲率より小さな第2曲率を有している。言い換えると、異物防止部材61の外周部の少なくとも一部は、カバー本体部28aの第1曲率半径より大きな第2曲率半径を有する形状に、形成されている。これにより、異物防止部材61を弾性変形させることによって、
図6Aに示すように、異物防止部材61の外周部28d(第2曲率を有する部分)が、カバー本体部28aの外周部128d(第1曲率を有する部分)に、装着される。カバー本体部28aの外周部128dは、カバー本体部28aの突出部128bの一部である。
【0100】
図6Aから
図6Cに示すように、異物防止部材61は、実質的にC字板状に形成されている。異物防止部材61は、C字板状に形成された本体部61aと、カバー本体部28aの保持部128cに係合する複数の係合部61bを、有している。なお、カバー本体部28aの保持部128cは、上述したように、凹状に形成された凹部である。
【0101】
本体部61aは、例えば第2曲率の曲率中心に向けて、弾性変形させることによって、カバー本体部28aに装着される。複数の(例えば、3個の)係合部61bそれぞれは、本体部61aの外周部(第2曲率を有する部分)において、間隔を隔てて、一体に形成されている。係合部61bは、本体部61aの外周部から外方に突出した凸部(第2凸部の一例)である。
【0102】
図6Cに示すように、3個の係合部61bの中の少なくとも1つは、突起61cを有している。ここでは、例えば、3個の係合部61bの1つが、突起61cを有している。
図6Bに示すように、突起61cを有していない2個の係合部61bは、カバー本体部28aの保持部128cに配置される。一方で、突起61cを有する係合部61bは、対応するカバー本体部28aの保持部128cに、嵌合される。詳細には、係合部61bの突起61cを、保持部128cの壁部に接触させることによって、突起61cを有する係合部61bが、カバー本体部28aの保持部128cに、嵌合される。このように、カバー本体部28aの保持部128cに対する係合部61bの配置及び嵌合と、上述した本体部61aの復元力とによって、異物防止部材61は、カバー本体部28aに保持される。
【0103】
なお、ここでは、3個の係合部61bの中の1つが、突起61cを有している場合の例を示したが、3個の係合部61bの中の2つ、又は3個の係合部61bすべてが、突起61cを有していてもよい。
【0104】
<特徴>
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
【0105】
(A)本両軸受リール10は、リール本体11と、スプール14と、ハンドル12とを、備えている。リール本体11は、開口部27cを有するフレーム17と、開口部27cに配置可能である
第1側カバー部18aとを、有している。スプール14は、フレーム17に回転自在に装着される。ハンドル12は、スプール14を回転させるためのものである。
第1側カバー部18aは、孔部128aを有するカバー本体部28aと、孔部128aからの異物の侵入を防止する異物防止部材61とを、有している。異物防止部材61は、弾性変形させることによって、カバー本体部28aがフレーム17の内部に面する側において、カバー本体部28aに装着される。また、異物防止部材61は、異物防止部材61の復元力によって、カバー本体部28aに保持される、
本両軸受リール10では、異物防止部材61が、弾性変形によって
第1側カバー部18aに装着され、復元力によって
第1側カバー部18aに保持される。このように、本両軸受リール10では、異物防止部材61を
第1側カバー部18aに装着するために、特別な固定部材を用いる必要がないので、
第1側カバー部18aの軽量化を図ることができる。また、本両軸受リール10では、特別な固定部材を用いることなく、異物防止部材61をカバー本体部28aに容易に装着することができるので、
第1側カバー部18aの組立性を向上することができる。
【0106】
(B)本両軸受リール10では、
第1側カバー部18aにおけるカバー本体部28aの外周部の少なくとも一部が、第1曲率半径を有する形状に、形成されている。異物防止部材61の外周部の少なくとも一部は、第1曲率半径より大きな第2曲率半径を有する形状に、形成されている。このように
第1側カバー部18a及び異物防止部材61を構成することによって、異物防止部材61を弾性変形させることによって、異物防止部材61の外周部の少なくとも一部が、
第1側カバー部18aにおけるカバー本体部28aの外周部の少なくとも一部に、装着される。
【0107】
この場合、異物防止部材61の形状と
第1側カバー部18aの形状とを異なる形状に形成すること、すなわち異物防止部材61の外周部に対応する曲率半径(第2曲率半径)を、
第1側カバー部18aの外周部に対応する曲率半径(第1曲率半径)より大きくすることよって、
第1側カバー部18aの軽量化及び異物防止部材61の組立性の向上とを、同時に実現することができる。
【0108】
(C)本両軸受リール10では、
第1側カバー部18aのカバー本体部28aが、実質的に円形状に形成されている。異物防止部材61は、実質的にC形状に形成されている。
【0109】
この場合、異物防止部材61の形状と
第1側カバー部18aの形状とを異なる形状に形成すること、例えば
第1側カバー部18aのカバー本体部28aを実質的に円形状に形成し、且つ異物防止部材61を実質的にC形状に形成することによって、
第1側カバー部18aの軽量化及び異物防止部材61の組立性の向上とを、同時に実現することができる。
【0110】
(D)本両軸受リール10では、
第1側カバー部18aのカバー本体部28aが、複数の保持部128cを、有している。複数の保持部128cは、異物防止部材61を保持する。異物防止部材61は、複数の係合部61bを、有している。複数の係合部61bそれぞれは、複数の保持部128cそれぞれに係合する。
【0111】
この場合、異物防止部材61の係合部61bを、
第1側カバー部18aの保持部128cに係合することによって、異物防止部材61を容易に位置決めし装着することができる。
【0112】
(E)本両軸受リール10では、異物防止部材61における複数の係合部61bの中の少なくとも1つには、突起61cが形成されている。また、複数の係合部61bの中の少なくとも1つは、突起61cが
第1側カバー部18aの保持部128cに当接した状態で、
第1側カバー部18aの保持部128cに嵌合される。異物防止部材61における他の係合部61bは、
第1側カバー部18aの保持部128cに配置される。
【0113】
この場合、異物防止部材61の係合部61bを、
第1側カバー部18aの保持部128cに、嵌合及び/又は配置することによって、異物防止部材61を
第1側カバー部18aの保持部128cに確実に位置決めし装着することができる。特に、異物防止部材61の突起61cを
第1側カバー部18aの保持部128cに当接させることによって、異物防止部材61を面外に撓ませることができる。この撓みによる復元力によって、異物防止部材61をより確実に装着することができる。
【0114】
(F)本両軸受リール10では、
第1側カバー部18aの保持部128cが、第1凹部又は第1凸部である。異物防止部材61の係合部61bは、第1凹部に係合する第2凸部、又は第1凸部に係合する第2凹部である。
【0115】
この場合、異物防止部材61の係合部61bである第2凸部(又は第2凹部)を、
第1側カバー部18aの保持部128cである第1凹部(又は第1凸部)に係合することによって、異物防止部材61を
第1側カバー部18aの保持部128cにより確実に位置決めし装着することができる。すなわち、特別な部材を用いることなく、簡単な構成で、異物防止部材61を、
第1側カバー部18aの保持部128cに、確実に位置決めし装着することができる。
【0116】
(G)本両軸受リール10では、
第1側カバー部18aの保持部128cが、
第1側カバー部18aにおけるカバー本体部28aの外周部の少なくとも一部に、形成されている。異物防止部材61の係合部61bは、外周部の少なくとも一部に形成されている。
【0117】
この場合、
第1側カバー部18aの保持部128c及び異物防止部材61の係合部61bそれぞれが、各部材の外周部の少なくとも一部に、形成されている。これにより、異物防止部材61を装着するための構造を、特別に用意する必要がない。すなわち、
第1側カバー部18aの小型化及び軽量化を図ることができる。
【0118】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0119】
(a)前記実施形態では、第1側カバー部18aに突出部128bが形成され、スプール支持部15に当接部35dが形成される場合の例を示したが、スプール支持部15に突出部128bを形成し、第1側カバー部18aに当接部35dを形成するようにしてもよい。
【0120】
(b)前記実施形態では、異物防止部材61において、3個の係合部61bを有する場合の例を示したが、係合部61bの数は、前記実施形態に限定されず、どのようにしてもよい。また、突起61cが形成される係合部61bは、1個に限定されず、複数であってもよい。
【0121】
(c)前記実施形態では、異物防止部材61が、実質的にC字板状に形成される場合の例を示したが、異物防止部材61が弾性部材であり、且つ異物防止部材61の曲率(第2曲率)が、第1側カバー部18aの曲率(第1曲率)より小さければ、異物防止部材61の形状は、どのような形状であってもよい。
【0122】
(d)前記実施形態では、異物防止部材61の係合部61bが凸部であり、
第1側カバー部18aの保持部128cが凹部である場合の例を示したが、異物防止部材61の係合部61bが凹部であり、
第1側カバー部18aの保持部128cが凸部であってもよい。