(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6198718
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】連続的態様で行う鋼板製品の処理装置および処理方法
(51)【国際特許分類】
C21D 9/56 20060101AFI20170911BHJP
C21D 1/74 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
C21D9/56 101J
C21D1/74 R
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-509647(P2014-509647)
(86)(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公表番号】特表2014-514458(P2014-514458A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】EP2012055854
(87)【国際公開番号】WO2012152508
(87)【国際公開日】20121115
【審査請求日】2014年8月28日
(31)【優先権主張番号】102011050243.2
(32)【優先日】2011年5月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510041496
【氏名又は名称】ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ThyssenKrupp Steel Europe AG
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】マルク ブルメナウ
(72)【発明者】
【氏名】カーステン マヒァリッツァ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ペーテルズ
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ シェーンベルグ
(72)【発明者】
【氏名】サビーネ ツェイジンガー
(72)【発明者】
【氏名】マーチン ノルデン
【審査官】
田口 裕健
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−088713(JP,A)
【文献】
特開平07−018339(JP,A)
【文献】
特開平02−250927(JP,A)
【文献】
実開昭52−106403(JP,U)
【文献】
特開平02−259025(JP,A)
【文献】
特開昭58−019682(JP,A)
【文献】
実開昭62−064761(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21D 9/52− 9/66
C21D 1/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
間接加熱焼きなまし炉チャンバ(1)と、該焼きなまし炉チャンバ(1)の入口(5)から該焼きなまし炉チャンバ(1)の出口(6)までのコンベア通路(4)上で鋼板製品(S)を連続的に搬送するコンベア装置(F)と、鋼板製品(S)に対して反応性を有する雰囲気ガスを焼きなまし炉チャンバ(1)内に供給するノズル装置(D1、D2)とを有する連続的態様で行う鋼板製品(S)の処理装置において、
第1ノズル装置(D1)が設けられ、該第1ノズル装置(D1)から処理中にガスジェット(G)が放出され、該ガスジェット(G)は、焼きなまし炉チャンバ(1)の入口(5)に向かって、処理すべき鋼板製品(S)の表面上を流れる第1ガス流(G1)を誘起し、第2ノズル装置(D2)が設けられ、該第2ノズル装置(D2)から処理中にガスジェット(G)が放出され、該ガスジェット(G)は、焼きなまし炉チャンバ(1)の出口(6)に向かって、処理すべき鋼板製品(S)の表面上を流れる第2ガス流(G2)を誘起し、前記ガス流は、前記焼きなまし炉チャンバ(1)をシーリングするためにそれぞれに割り当てられた出口(6)または入口(5)に到達するように配向され、且つ、集中され、
前記ノズル装置(D1)のノズル(11〜16)の少なくとも1つは、処理すべき鋼板製品(S)の下面(US)の方向に向かうガスジェット(G)を放出し、一方、ノズル装置(D2)のノズル(17〜21)の少なくとも1つは、処理すべき鋼板製品(S)の上面(OS)の方向に向かうガスジェット(G)を放出することを特徴とする連続的態様で行う鋼板製品(S)の処理装置。
【請求項2】
制御装置が設けられ、該制御装置は、大気圧(U)に対して少なくとも0.001バールの正圧が、処理作業中に焼きなまし炉チャンバ(1)内に維持されるように、焼きなまし炉チャンバ(1)への雰囲気ガスの供給を制御することを特徴とする請求項1記載の処理装置。
【請求項3】
前記ノズル装置(D1、D2)が、それぞれ、少なくとも1つの個々のノズル(11〜16、17〜21)を有し、該ノズル(11〜16、17〜21)は、処理すべき鋼板製品(S)の搬送方向(F)に対してそれぞれ特定入射角(α)に配向された集中ガスジェット(G)を放出することを特徴とする請求項1または2記載の処理装置。
【請求項4】
前記ノズル装置(D1、D2)のノズル(11〜16、17〜21)から放出されるガスジェット(G)の入射角(α)は、0°〜90°の範囲内で変化されることを特徴とする請求項3記載の処理装置。
【請求項5】
前記ノズル(11〜16、17〜21)の方向は個々に調節できることを特徴とする請求項3または4記載の処理装置。
【請求項6】
前記ノズル装置(D1、D2)のノズル(11〜16、17〜21)は、N2供給源およびO2供給源に連結されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の処理装置。
【請求項7】
前記それぞれのノズル(11〜16、17〜21)に流入するN2ガスまたはO2ガスは調節できることを特徴とする請求項6記載の処理装置。
【請求項8】
前記焼きなまし炉チャンバ(1)の長手方向側面(7、8)は、横断面で見て凹状に湾曲していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の処理装置。
【請求項9】
前記焼きなまし炉チャンバ(1)は少なくとも1つの第2焼きなまし炉チャンバ(2)に連結されており、該第2焼きなまし炉チャンバ(2)内では、処理すべき鋼板製品(S)が、第1焼きなまし炉チャンバ(1)の雰囲気とは異なる雰囲気(R)内で更なる処理を受けることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の処理装置。
【請求項10】
鋼板製品(S)が、入口(5)から出口(6)まで間接的に加熱される焼きなまし炉チャンバ(1)を通って連続的態様で搬送され、鋼板製品(S)に対して反応性を有しかつノズル装置(D1、D2)を通して焼きなまし炉チャンバ(1)内に導入される雰囲気が焼きなまし炉チャンバ(1)内に維持される構成の鋼板製品(S)の処理方法において、
焼きなまし炉チャンバ(1)の入口(5)に向かって、処理すべき鋼板製品(S)の表面上を流れる第1ガス流(G1)が、第1ノズル装置(D1)により発生され、焼きなまし炉チャンバ(1)の出口(6)に向かって、処理すべき鋼板製品(S)の表面上を流れる第2ガス流(G2)が、第2ノズル装置(D2)により発生され、前記ガス流は、前記焼きなまし炉チャンバ(1)をシーリングするためにそれぞれに割り当てられた出口(6)または入口(5)に到達するように配向され、且つ、集中され、
前記ガス流(G1、G2)は、処理すべき鋼板製品(S)の回りをスパイラル状に移動することを特徴とする鋼板製品(S)の処理方法。
【請求項11】
前記入口(5)の方向に向かうガス流(G1)および出口(6)の方向に向かうガス流(G2)は、それぞれ、焼きなまし炉チャンバ(1)の長手方向の中央に原点を有することを特徴とする請求項10記載の処理方法。
【請求項12】
前記ノズル装置(D1、D2)のノズル(11〜16、17〜21)からそれぞれ放出されるガスジェット(G)はN2およびO2の混合気であり、該混合気のうちO2の割合は0.01〜20体積%であることを特徴とする請求項10または11記載の処理方法。
【請求項13】
前記ノズル装置(D1、D2)からそれぞれ放出されるガスジェット(G)の流速は、60〜180m/sであることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項記載の処理方法。
【請求項14】
前記処理すべき鋼板製品(S)の温度は、450〜950℃であることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項記載の処理方法。
【請求項15】
前記焼きなまし炉チャンバ(1)内に導入されるガスジェット(G)の温度は100〜1050℃であることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項記載の処理方法。
【請求項16】
大気圧に対して少なくとも0.001バールの反応性雰囲気の正圧が、処理中に焼きなまし炉チャンバ(1)内に維持されることを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項記載の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間接加熱焼きなまし炉チャンバと、該焼きなまし炉チャンバの入口から出口までのコンベア通路上で鋼板製品を連続的に搬送するコンベア装置と、鋼板製品に対して反応性を有する雰囲気ガスを焼きなまし炉チャンバ内に供給するノズル装置とを有する、連続的態様で行う(taking place in throughput, im Durchlauf erfolgenden(英、独訳))鋼板製品の処理装置に関する。
【0002】
また本発明は、鋼板製品が、間接的に加熱される焼きなまし炉チャンバの入口から出口まで焼きなまし炉チャンバを通って連続的態様で搬送され、鋼板製品に対して反応性を有しかつノズル装置を通して焼きなまし炉チャンバ内に導入される雰囲気が焼きなまし炉チャンバ内に維持される構成の鋼板製品の処理方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本願明細書で「鋼板製品(flat steel products, Stahlflachprodukten(英、独訳))」というときは、例えば鋼ストリップ、鋼板またはこれらから得られる切断部材である鋼からなる圧延製品を意味する。
【0004】
特に、下記特許文献1から、鋼ストリップの表面反応性は、酸化により制御された方法でコンディショニングできることが知られている。かくして、必要な再現性をもってコーティングできずかつ非処理状態で傷がないこれらの鋼板製品でも、これらの鋼の組成から、制御された表面酸化後の溶融コーティング法(hot-dip coating, Schmelztauchbeschichten(英、独訳))により、これらの鋼に塗布された保護金属層を得ることができる。
【0005】
このような防錆層でこのようにしてコーティングされた製品として、例えば、いわゆる「先端高強度鋼(Advanced High Strength Steels(英訳))」(AHSS)がある。このような鋼は、一般に、鉄および不可避の不純物以外に、0.01〜0.22重量%のC、0.5〜3.0重量%のMn、0.2〜3.0重量%のSi、0.005〜2.0重量%のAl、1.0重量%までのCr、1.0重量%までのMo、0.2重量%までのTi、0.4重量%までのV、0.2重量%までのNb、1.0重量%までのNiを含有している。
【0006】
これらのコーティングの産業上の重要性から、入手可能な手段を用いて経済的に金属保護コートをコーティングするのに必要な予処理工程を実施するための多くの試みが行われている。
【0007】
この場合のプラント技術に関する特別なチャレンジとして、間接加熱連続炉、いわゆる「RTF」と略称される「放射チューブ炉(Radiant Tube Furnaces, Radiant Tube Furnace(英、独訳))」内での鋼板製品の予酸化がある。処理すべき鋼板製品に裸火が直接当てられて、燃焼されるガス/空気混合気を変化させることにより炉内のストリップを包囲する雰囲気中での酸化ポテンシャルが影響を受ける炉とは異なり、RTF形式の炉の場合にはガス加熱型バーナは使用されない。それどころか、鋼ストリップの加熱は、それぞれの炉の焼きなましチャンバを通る鋼板製品の搬送路に沿って配置された放熱器により行われる。
【0008】
間接加熱連続炉内で処理される鋼板製品の表面に所望の酸化が行えるようにするため、下記特許文献2には、RTF炉内で3段階の焼きなましを行うことが提案されている。この場合、第1焼きなまし段階は、ストリップの表面への本質的合金成分の拡散が実質的に防止されるように構成されている。次の段階では、合金成分が最終的に上昇した焼きなまし温度で表面に到達することを妨げる有効な鉄酸化物層が、制御された態様で形成される。したがって、次の還元雰囲気中での焼きなまし処理時に純粋な鉄層が形成され、この鉄層は、亜鉛および/またはアルミニウムが表面全体に亘って確実に付着するのに非常に適したものである。
【0009】
上記方法は、閉じられた反応チャンバ(この中には、酸化剤として例えばO
2が供給される)内で、予酸化が行われることを必要とする。RTF形式の炉の場合には、一般に、周囲からのそれぞれ入口および出口の領域内で、酸化を行うことを意図した焼きなまし炉のチャンバと、次に通される他の焼きなまし炉(この中には異なる雰囲気が存在する)とを分離するという問題がある。この場合にチャレンジすべきことは、互いに隣接するチャンバ内に存在する異なる雰囲気が他のそれぞれの雰囲気により許容体積を超えるまで汚染されないように、焼きなまし炉を互いに仕切らなくてはならないことである。酸化が行われた焼きなまし炉のチャンバに続くチャンバ内で還元処理を行う場合には、酸化チャンバ内に供給される酸化剤が逃散すること、および還元チャンバの還元雰囲気が酸化チャンバ内に流入することの両方を防止する必要がある。さもなければ、好ましくない副反応により、処理結果、したがって焼きなまし処理後に行われるコーティングの結果が永続的に損なわれるか、個々の焼きなまし段階を制御するのが一層困難になる。これらの理由から、プロセスの安定性が損なわれかつプロセスガスの余分な消費を必要とする。
【0010】
下記特許文献3には、RTF設計による連続炉内のスロット付き鋼管または孔開き鋼管によりガス状酸化剤を導入できることが開示されている。
【0011】
また、下記特許文献4には、チャンバ設計で構成された焼きなまし炉内に包囲された酸化ゾーンを達成する方法の一例が開示されている。この場合には、圧搾ローラの形態の機械的シールを設けかつ酸化チャンバ内を負圧にすることにより、還元雰囲気のO
2による好ましくない汚染を防止しなければならない。この方法は、還元処理に不可避の水素が還元ゾーンから酸化領域内に吸引され、その結果酸化ゾーン内に水が形成される。この反応により酸化ゾーン内に存在する酸素が結合されてしまい、したがって鋼板製品の表面の実際に意図した酸化に利用することはもはや不可能である。したがって、鋼板製品の表面酸化の目標とする制御は、実際の使用において達成することは非常に困難である。このため、濡れ性の欠陥すなわち溶融コーティングの不充分な付着が生じる。更に、スロット付き鋼管または孔開き鋼管による慣用的な酸化剤の導入の場合に、酸化剤の脈動は非常に弱く、したがって、酸化剤が鋼板製品の表面に到達する前に、炉の内部のガス流により運び出されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】独国特許出願公開第25 22 485(A1)号明細書
【特許文献2】独国特許発明第10 2004 059 566(B3)号明細書
【特許文献3】国際公開第2009/030823(A1)号明細書
【特許文献4】特開2003-342645号公報
【特許文献5】独国特許出願公開第10 2004 047 985(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記従来技術の背景から、本発明の目的は、冒頭に述べた形式の装置および方法であって、経済的で操作信頼性を有する連続的態様で行う鋼板製品の制御された処理を行うことができる装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
装置に関し、上記目的は、請求項1に従って形成された本発明の装置により達成される。
【0015】
同様に本発明によれば、上記目的は、連続的態様で行う鋼板製品の処理中に行われる、請求項
10に記載の作業工程からなる方法により達成される。
【0016】
本発明の有利な構成は実施態様項に記載されており、本発明の広い概念として以下に詳細に説明する。
【0017】
本発明は、焼きなまし炉チャンバの内部の酸化雰囲気の適当な流れ管理および調節によりチャンバのシーリングを達成できることの発見に基づいている。本発明の方法では、ローラまたは炉チャンバの入口または出口での吸引等の同様な手段による機械的シーリングを不要にできる。
【0018】
この目的のため、本発明による、連続的態様で行う鋼板製品の処理装置は、間接加熱焼きなまし炉チャンバを有し、該焼きなまし炉チャンバを通って、この入口から出口までコンベア通路上で鋼板製品を連続的に搬送するコンベア装置が延びている。
【0019】
また、本発明による装置は、鋼板製品に対して反応性を有する雰囲気ガスを焼きなまし炉チャンバ内に供給するノズル装置を有している。
【0020】
本発明によれば、第1ノズル装置が設けられ、該第1ノズル装置から処理中にガスジェットが放出され、該ガスジェットは、焼きなまし炉チャンバの入口に向かって、処理すべき鋼板製品の表面上を流れる第1ガス流を誘起し、第2ノズル装置が設けられ、該第2ノズル装置から処理中にガスジェットが放出され、該ガスジェットは、焼きなまし炉チャンバの出口に向かって、処理すべき鋼板製品の表面上を流れる第2ガス流を誘起
し、ガス流のエネルギがそれぞれに割り当てられた出口または入口に到達し、焼きなまし炉チャンバをシーリングするのに充分なように配向され、集中されかつ広がる。
【0021】
したがって、本発明による炉内に存在するノズル装置は、一方では焼きなまし炉チャンバの入口に向かうガス流を発生し、他方では焼きなましチャンバの出口に向かうガス流を発生する。この場合に重要なことは、ガス流のエネルギが出口または入口に到達するのに充分な大きさを有しかつ同時に、処理すべき鋼板製品上を流れることができるように、同時に配向され、集中されかつ広がることである。
【0022】
同様に、鋼板製品が、間接的に加熱される焼きなまし炉チャンバを通ってその入口から出口まで連続的態様で搬送される構成の本発明による鋼板製品処理方法では、鋼板製品に対して反応性を有しかつノズル装置を通って焼きなまし炉チャンバ内に導入される雰囲気が焼きなまし炉チャンバ内に維持され、本発明により少なくとも次の作業工程が行われる。
【0023】
焼きなまし炉チャンバの入口に向かって、処理すべき鋼板製品の表面上を流れる第1ガス流は第1ノズル装置により発生され、焼きなまし炉チャンバの出口に向かって、処理すべき鋼板製品の表面上を流れる第2ガス流は第2ノズル装置により発生される。したがって、焼きなまし炉チャンバの内部で反対方向に流れるこれらの2つのガス流は、焼きなまし炉チャンバの入口開口または出口開口に位置する焼きなまし炉チャンバに隣接する他のチャンバ内に存在する包囲雰囲気または大気に向かって流れる。同時に、ガス流は、処理すべき鋼板製品と該鋼板製品に所望の反応を誘起する炉の雰囲気との間の強い接触を確保する。
【0024】
好ましくは、焼きなまし炉チャンバ内の雰囲気を形成するガスは、処理作業中に、焼きなまし炉チャンバ内に、大気圧に対して少なくとも0.001バールの正圧が維持されるように導入される。この正圧は、大気圧または隣接チャンバの雰囲気が焼きなまし炉チャンバに入ることを根本的により困難にする。この目的のため、所望の正圧を維持するため、焼きなまし炉チャンバへの雰囲気ガスの供給を適当に制御する制御装置を設けることができる。この場合、周囲圧力に対する焼きなまし炉チャンバ内の正圧は100ミリバールを超えてはならない。なぜならば、さもなければ、過大量の焼きなまし炉チャンバの雰囲気が入口または出口を通って流出する危険があるからである。
【0025】
実際に、焼きなまし炉チャンバ内に独創的なガス流を発生させるためには、1つ以上の出口開口を備えたノズルバーを、例えば金属ガイド板のような流れガイド装置と組み合わせて、ノズルバーから出るガス流が、焼きなまし炉チャンバにそれぞれ割り当てられた入口または出口に向かって、処理すべき鋼板製品上を適当に案内されるようにすることを考えることもできる。
【0026】
本発明にしたがって焼きなまし炉チャンバ内に発生されるガス流を特に正確に案内でき、同時にそれぞれの空間的条件またはプロセス技術条件に容易に適合できる構成は、ノズル装置が、処理すべき鋼板製品の前進方向に対して特別の入射角でそれぞれ配向された集中ガスジェットを発生させる個々のノズルを有する場合に達成される。このような個々のノズルの補助により、処理すべき鋼板製品と強く接触する高度の乱流ガスが流れ、これにより、鋼板製品の表面との所望の反応が焼きなまし炉チャンバ内に容易に誘起される。
【0027】
この場合、ノズル装置のノズルは、それぞれ、鋼板製品のコンベア通路に対して個々に調節でき、この調節は、焼きなまし炉チャンバの入口または出口に向かって焼きなまし炉チャンバ内に形成されるガス流に生じることがある流れ損失または集中の低下が、それぞれのノズルから放出されるガスジェットの流れのプロファイルに新たに生じる対応推進力により補償または補正されるように行われる。この目的のため、一方では、それぞれのノズル装置の2つ以上のノズルが、処理すべき鋼板製品のコンベア通路に沿って、適当間隔で分散配置され、他方では、ノズル装置のノズルから出るガスジェットの入射角の大きさが、0°〜90°の範囲内で変えられる。
【0028】
本発明により望まれるガス流を発生させる目的で、集中ガスジェットを焼きなまし炉チャンバ内に導入するノズルとして、例えば上記特許文献5に開示されたいわゆる「ジェットチューブ」が適していることが証明されている。
【0029】
ガス流が、処理すべき鋼板製品の回りをスパイラル状に流れる場合には、それぞれのガス流と鋼板製品との間に特に強い交換が得られる。このようなスパイラル状のガス流、より詳しくは高度の乱流を発生させるためには、ノズル装置のノズルの少なくとも1つが、処理すべき鋼板製品の下面に向かうガスジェットを放出し、一方、ノズル装置のノズルの少なくとも1つが、処理すべき鋼板製品の上面に向かうガスジェットを放出するように、ノズル装置の少なくとも1つのノズルを配向することが好都合である。この場合、コンベア通路の一方の長手方向側部のノズルが、処理すべき鋼板製品の下面に向けられ、該ノズルのジェットが鋼板製品の下にガス流を送り、他方の長手方向側部に位置するノズルに最適に割り当てられている。他方の長手方向側部に位置するノズルのガスジェットは、処理すべき鋼板製品の上面に向けてガスジェットを送るため、鋼板製品の上面に向けられている。
【0030】
処理すべき鋼板製品の回りでスパイラル状に流れる所望のガス流の形成は、焼きなまし炉チャンバの横断面で見た長手方向側面が凹状に湾曲していることにより更に増強される。一定曲率の凹状長手方向側面では、長手方向壁に衝突するガス流が、鋼板製品の回りを流れる特に均一な渦流を形成すべく、流れ損失が最小になるように案内される。
【0031】
本発明により提供されるノズル装置のノズルの配置および配向により、焼きなまし炉チャンバの入口または出口の方向にそれぞれのガス流が流れる出発点を更に決定できる。この場合、焼きなまし炉チャンバの入口または出口にそれぞれ存在する大気圧に基づいて、ガス流の原点を処理すべき鋼板製品のコンベア通路に沿って入口または出口の方向に変位させるのが好都合である。この場合、焼きなまし炉チャンバの長手方向長さに関し、入口の方向を向いたガス流および出口の方向を向いたガス流のそれぞれが、焼きなまし炉チャンバの中央にこれらの原点を有する場合に、制御技術に関し特に良く制御できる形状が得られる。
【0032】
本発明により形成される焼きなまし炉チャンバの内部の最適流れ条件は、ノズル装置からそれぞれ放出されるガスジェットの流速が60〜180m/sである場合に得られる。
【0033】
大体において、本発明の装置の独創的構成は、鋼板製品の表面の特定状態が、間接的に加熱される焼きなまし炉チャンバを通ってそれぞれ搬送される鋼板製品と、制御された方法で形成された炉の雰囲気との強い接触により作られるように意図した、連続的態様で行われる鋼板製品のあらゆる処理に適している。
【0034】
本発明による装置が複数の炉チャンバからなり、処理すべき鋼板製品がこれらの炉チャンバを連続的に通り、少なくとも1つの炉チャンバが本明細書で説明したように本発明による方法で形成されている場合には、本発明による装置の使用が特に有効であることが判明している。したがって、本発明による装置は、溶融コーティング法により鋼板製品を製造するラインに組み込むことができる。この目的のため、本明細書で説明した本発明によるノズルが設けられた炉チャンバ以外に、本発明による装置を少なくとも1つの他の炉チャンバと組み合わせ、該炉チャンバ内で、鋼板製品が、本発明にしたがって形成された前記焼きなまし炉チャンバの雰囲気とは異なる雰囲気内で更に処理されるようにする。
【0035】
この場合、本発明にしたがって形成された炉チャンバは、好ましくは2つの焼きなまし炉チャンバの間に配置される。これは、鋼板製品を、最初に、本発明にしたがって形成された焼きなまし炉チャンバに先行する焼きなまし炉チャンバ内で、本発明にしたがって形成された焼きなまし炉チャンバ内で処理するのに必要な温度まで上昇させ、次に、本発明にしたがって形成された焼きなまし炉チャンバを通して搬送し、次に、本発明にしたがって形成された焼きなまし炉チャンバに続く他の焼きなまし炉チャンバに入れて、最終的処理を行うことができる長所を有する。
【0036】
溶融コーティングを行う鋼板製品を製造するには、例えば、本発明により形成された炉チャンバの前または後に他のチャンバを配置するのが好都合である。この場合、例えば、その後に溶融コーティングを行うため、鋼板製品の表面が最初に保護金属層で酸化され、次に還元される。この場合、本発明による装置は、処理ラインに配置される。処理ラインでは、コーティングすべき鋼ストリップが最初に第1焼きなまし炉チャンバ内で酸化され、間接加熱焼きなまし炉のノズルが本発明にしたがって設けられ、次に、酸化に使用される焼きなまし炉チャンバの出口に直接続く間接加熱焼きなまし炉の第2チャネル内で還元処理を受ける。同様に、他のチャンバの前に本発明による焼きなまし炉チャンバを先行させることができ、他のチャンバ内では、鋼板製品が、本発明によるチャンバ内で酸化を受ける前に、還元効果を有する雰囲気中で最初に熱処理され、これに続く炉チャンバ内で再び還元熱処理を受ける。この場合、先行反応チャンバまたは後続反応チャンバ内の還元雰囲気からの、本発明にしたがって形成された酸化チャンバ内の酸化雰囲気の分離は、酸化焼きなまし炉チャンバ内で本発明にしたがって発生されかつ維持される正圧により補助されかつ酸化焼きなまし炉の出口に向かって流れるガス流により行われる。
【0037】
本発明にしたがって形成された焼きなまし炉チャンバが、鋼ストリップの酸化に使用することを意図したものである場合には、本発明にしたがって設けられたノズル装置のノズルは、N
2供給源およびO
2供給源に連結される。この場合、焼きなまし炉チャンバ内に発生される雰囲気の組成を制御された態様で調節できるようにするため、それぞれのノズル内に流入するN
2またはO
2のガス流は調節できるのが好ましい。一般に、本発明にしたがって酸化のために設けられた焼きなまし炉チャンバのノズルを通って導入されるガスジェットはN
2およびO
2の混合気からなり、該混合気は大部分がN
2で、0.01〜20体積%がO
2である。N
2およびO
2の混合気のO
2の割合が0.01〜5体積%であるときに、最適効果が得られる。
【0038】
処理すべき鋼板製品と、本発明にしたがって形成された焼きなまし炉チャンバ内に存在する雰囲気との反応は、鋼板製品が焼きなまし炉チャンバを通るときの鋼板製品の温度が450〜950℃の範囲内に維持されることにより増強される。この場合、本発明にしたがって設けられるノズル装置から流出するガスジェットとの接触による鋼板製品の熱損失は、焼きなまし炉内に導入されるガスジェットの温度が100〜1050℃である場合に防止される。
【0039】
したがって、本発明は、連続的態様で行う鋼板製品の処理装置であって、実用的な目的から特に重要な構成、すなわち反応媒体(例えば、O
2またはN
2およびO
2の混合気等の酸化剤)が、焼きなまし炉チャンバ内部に設けられた適当なノズル(いわゆるジェットチューブ)を用いて、互いに拡散する少なくとも2つのスパイラル状ガス流が形成されるほどの乱流で供給されるように構成された鋼板製品の処理装置を提供する。焼きなまし炉チャンバ内部にスパイラル状の流れを発生させるには、焼きなまし炉チャンバ内に3つ以上のノズル装置を使用するのが好ましい。
【0040】
以下、例示の実施形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】連続的態様で行う鋼板製品の処理装置を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
連続的態様で行う冷間圧延鋼ストリップまたは熱間圧延鋼ストリップの形態の鋼板製品Sの処理装置Vは、第1焼きなまし炉チャンバ1(この中で鋼板製品Sが酸化処理を受ける)と、第1焼きなまし炉チャンバ1の直前に配置された第2焼きなまし炉チャンバ2aと、焼きなまし炉チャンバ1に連結された第2焼きなまし炉チャンバ2bとを有している。焼きなまし炉チャンバ2a、2b内で、鋼板製品Sは還元処理を受ける。焼きなまし炉チャンバ1、2a、2bは、RTF形式の間接加熱焼きなまし炉3の一部であり、その中央には、焼きなまし炉チャンバ1が配置されている。
【0043】
処理すべき鋼板製品Sは、焼きなまし炉チャンバ1、2a、2bを通って水平方向に直線状に延びるコンベア通路4上のコンベア装置(明瞭化のため図示せず)により慣用的な方法で焼きなまし炉3を通って搬送される。この場合、鋼板製品Sは、焼きなまし炉チャンバ1の一側に形成された入口5を通り、焼きなまし炉チャンバ2aからの搬送方向Fに沿って焼きなまし炉チャンバ1に入る。鋼板製品Sは、焼きなまし炉チャンバ1の反対側に配置された出口6を通って焼きなまし炉チャンバ1を出て、焼きなまし炉3に直接続くチャンバ2bに入る。したがって、焼きなまし炉チャンバ1の入口5は、これに先行する焼きなまし炉チャンバ2aの出口を形成する。同時に、焼きなまし炉チャンバ1の出口6は、これに続く焼きなまし炉チャンバ2bの入口を形成する。
【0044】
焼きなまし炉チャンバ1の長手方向壁9、10の内面7、8は、その内部から見て、均一な曲率で内方に凹状に湾曲している。
【0045】
焼きなまし炉チャンバ1内には、コンベア通路4に沿って搬送方向Fに分散配置されたノズル装置D1、D2が設けられている。この場合、第1ノズル装置D1は6つの個々のノズル11〜16からなり、一方、第2ノズル装置D2は5つの個々のノズル17〜21からなる。
【0046】
ノズル装置D1のノズル11〜16は、第1ノズル11が焼きなまし炉チャンバ1の入口5の直ぐ近くに配置され、第6ノズル16が出口6の直ぐ近くに配置され、かつ残りの4つのノズル12〜15がノズル11とノズル16との間で互いに一定間隔になるようにコンベア通路4に沿って配置されている。
【0047】
ノズル装置D2のノズル17〜21は、第1ノズル17が焼きなまし炉チャンバ1の入口5に隣接して配置され、第5ノズル21が出口6に隣接して配置され、かつ残りの3つのノズル18〜20がノズル17とノズル21との間で互いに一定間隔になるようにコンベア通路4の反対側に配置されている。搬送方向Fで見て、ノズル17〜21の各々は、コンベア通路4においてノズル装置D1のノズル11〜16の間のフリースペースにそれぞれ配置されている。
【0048】
例えば
図1に示したノズル17〜21のように、既知の設計のジェットチューブとして形成されたノズル11〜21は、N
2供給源22およびO
2供給源23に連結されている。この場合、ノズル11〜21へのN
2およびO
2の供給、したがってノズル11〜21から集中ガスジェットGとして放出されるガス混合気は、各ノズル11〜21について弁24、25により個々に調節される。
【0049】
平面図(
図1)に示すように、それぞれのノズル11〜21により放出されたガスジェットGが、処理すべき鋼板製品S上に流れる角度すなわち入射角α、および断面図(
図2)に示すように、ガスジェットGが鋼板製品Sに衝突する角度すなわち姿勢角βは、各ノズル11〜21について個々に調節できる。
【0050】
搬送方向Fに対して横方向に配向されたノズル11〜16の入射角αは30°〜85°の角度範囲内の大きさで変化される。入口5に関連するノズル11は入口5に向かって約30°の入射角αに配向され、出口6に関連するノズル16も出口6に向かって約30°の入射角αに配向される。同様に、ノズル11から搬送方向Fに続くノズル12、13も入口5に向かって入射角αに配向されており、ノズル12の入射角αはノズル11の入射角αより大きく、ノズル13の入射角α(約85°)もノズル12の入射角αより大きい。これに対し、ノズル13から搬送方向Fに続くノズル14、15は、ノズル16と同様に焼きなまし炉チャンバ1の出口6の方向に配向されている。この場合、ノズル14の入射角αの大きさはノズル13の入射角αに等しく、ノズル15の入射角αの大きさはノズル12の入射角αに等しい。
【0051】
搬送方向Fに対して横方向に配向されたノズル17〜21のそれぞれの入射角αは、0°〜30°の角度範囲内で大きさが変化しており、入口5に関連するノズル17は、入口5に向かって約30°の入射角αに配向され、出口6に関連するノズル21は、出口6に向かって約30°の入射角αで反対方向に配向されている。同様に、搬送方向Fで見てノズル17に続くノズル18は入口5に向かって入射角αに配向され、このノズル18の入射角αはノズル17の入射角αより大きい。搬送方向Fで見てノズル21の前に配置されたノズル20は出口6に向かって同じ入射角αに配向されている。一方、ノズル装置D2の中間に配置されたノズル19は、コンベア通路4に対して0°の入射角αに配向されており、これにより、このノズル19から放出されるガスジェットGは、処理すべき鋼板製品Sに対して直角に衝突する。
【0052】
同時に、ノズル装置D1のノズル11〜16は鋼板製品Sの下面USの方向を向いており、ノズル装置D2のノズル17〜21は鋼板製品Sの上面のOS方向を向いている。
【0053】
ノズル11〜21のこの構成により、ノズル11〜21から放出されるガスジェットGは、協働して2つのガス流G1、G2を形成する。これらのうちの一方のガス流G1は、処理すべき鋼板製品Sの回りを乱流としてスパイラル状に移動する渦流の形態で焼きなまし炉チャンバ1の入口5に向かって流れ、他方のガス流G2は、鋼板製品Sの回りを反対方向に乱流としてスパイラル状に移動する渦流の形態で焼きなまし炉チャンバ1の出口6に向かって流れる。
【0054】
この場合、ガス流G1、G2の原点は、ノズル19の領域内のコンベア通路4の長さのほぼ中央に位置する。コンベア通路4に対して横方向に放出されるガスジェットGは、反対方向に流れる2つの部分流に分割され、これらの部分流から、入口5および出口6の方向にそれぞれ向けられて反対向きに配置されたノズル13、14のガスジェットGにより引き起こされる推進力により、ガス流G1、G2が形成される。
【0055】
ノズル13、18、12、17および11から放出される各ガスジェットGにより、ガス流G1は新たな推進力および付加体積流を受け、このため、コンベア通路4およびこの上で搬送される鋼板製品Sの回りをスパイラル状に移動するガス流G1のプロファイルは、入口5まで高集中が維持される。
【0056】
同様に、ノズル14、20、15、21および16から放出されるガス流G2のガスジェットGは、新たな流れエネルギおよび付加体積を供給し、このため、コンベア通路4およびこの上で搬送される鋼板製品Sの回りを同様にスパイラル状に移動するガス流G2は、高い流れエネルギで焼きなまし炉チャンバ1の出口6に到達する。
【0057】
焼きなまし炉チャンバ1へのガス供給は、大気圧Uに対して少なくとも0.001バールの正圧が焼きなまし炉チャンバ1内に維持されるように、全体的に制御される。
【0058】
搬送方向で見て第1焼きなまし炉チャンバ1の前後に配置されたそれぞれ焼きなまし炉チャンバ2a、2b内に存在するH
2を含有する還元雰囲気R1、R2に関する焼きなまし炉チャンバ1の有効シーリングは、以下の事実、より詳しくは、入口5の最も近くに配置されたノズル11、17から放出されるガスジェットGが、入口5に近づく焼きなまし炉チャンバ2aの還元雰囲気R1を焼きなまし炉チャンバ1から遠ざかるように変位させ、かつ出口6に隣接する変位ノズル16、21から放出されるガスジェットGが、焼きなまし炉チャンバ2bのH
2含有還元ガス雰囲気R2を焼きなまし炉チャンバ1から遠ざかるように変位させるという事実により更に達成される。また、ノズル16、21のO
2含有ガスジェットGまたは出口6から流出するガス流G2は、焼きなまし炉チャンバ1の外部のH
2とO
2との反応により制御された態様でH
2Oを形成し、このため、ガスジェットGまたはガス流G2のそれぞれのガスジェットGに到達する還元雰囲気R1、R2も、焼きなまし炉チャンバ1に流入することが信頼性をもって防止される。
【符号の説明】
【0059】
1 焼きなまし炉チャンバ(酸化焼きなまし炉チャンバ)
2a 搬送方向Fで見て焼きなまし炉チャンバ1の前に配置された焼きなまし炉チャンバ(還元焼きなまし炉チャンバ)
2b 搬送方向Fで見て焼きなまし炉チャンバ1の後に配置された焼きなまし炉チャンバ(還元焼きなまし炉チャンバ)
3 焼きなまし炉
4 焼きなまし炉チャンバ1、2を通る直線コンベア通路
5 焼きなまし炉チャンバ1の入口
6 焼きなまし炉チャンバ1の出口
7、8 長手方向壁9、10の内面
9、10 焼きなまし炉チャンバ1の長手方向壁
11〜16 ノズル装置D1の個々のノズル
17〜21 ノズル装置D2の個々のノズル
22 N
2供給源
23 O
2供給源
24、25 弁
α 入射角
β 姿勢角
D1、D2 ノズル装置
F 鋼板製品Sの搬送方向
G ガスジェット
G1、G2 ガス流
OS 鋼板製品Sの上面
R1 焼きなまし炉チャンバ2aの還元雰囲気
R2 焼きなまし炉チャンバ2bの還元雰囲気
S 鋼板製品
U 大気圧
US 鋼板製品Sの下面
V 連続的態様で行う冷間圧延ストリップまたは熱間圧延ストリップの形態の鋼板製品Sの処理装置