特許第6198764号(P6198764)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6198764
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20170911BHJP
   F21V 17/10 20060101ALI20170911BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20170911BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170911BHJP
【FI】
   F21S8/04 130
   F21V17/10 500
   F21V17/00 154
   F21Y115:10
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-48942(P2015-48942)
(22)【出願日】2015年3月12日
(62)【分割の表示】特願2014-12708(P2014-12708)の分割
【原出願日】2014年1月27日
(65)【公開番号】特開2015-141901(P2015-141901A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2015年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立アプライアンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
(72)【発明者】
【氏名】小野 隆
(72)【発明者】
【氏名】石井 光浩
(72)【発明者】
【氏名】石橋 厚
(72)【発明者】
【氏名】山下 太一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 博文
(72)【発明者】
【氏名】仁藤 興次
(72)【発明者】
【氏名】中澤 育男
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0023450(US,A1)
【文献】 特開2011−192475(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0155073(US,A1)
【文献】 特開2014−229600(JP,A)
【文献】 特開2013−062107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 17/00
F21V 17/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ユニットと、
前記本体ユニットに取り付けられ、さらに、前記本体ユニットから取り外し可能なカバー部材と、
前記本体ユニットと前記カバー部材との間に配置される発光装置と、を備え、
前記カバー部材の外側面は、当該外側面が内側に凹んで形成された凹みのみで構成され、当該凹みの両端部には、前記凹みの前記本体ユニットの側の端部となる一方の端部において外側に張り出すように形成された第一の角部と、前記凹みの前記本体ユニットから離れた側の端部となる他方の端部において外側に張り出すように形成された第二の角部とがそれぞれ形成され、
当該第二の角部は、前記本体ユニットから取り外す際に指を引っ掛けることが可能で、かつ、丸みを帯びて形成されており、
前記第二の角部は、前記第一の角部よりも外側に張り出していることで、前記カバー部材の最外側に配置され、かつ、前記凹みの最も内側の部分は、前記第一の角部及び前記第二の角部のいずれよりも内側に配置され、
前記カバー部材が前記本体ユニットに取り付けられた際、前記第二の角部と前記本体ユニットとは離間していることを特徴とする、照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光灯やLED照明、有機EL照明等の照明器具は、天井等に取り付けられて使用されることがある。この場合、蛍光管やLED、有機EL等の発光ユニットを覆うようにカバー部材が照明器具に取り付けられ、発光ユニットが外部からの衝撃に対して保護される。このようなカバー部材に関して、特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、光源を備えた照明本体部を覆って光源からの光を透過させる照明用カバーであって、縦断面で表したとき、少なくとも透明層及び光拡散層が積層されてなり光源からの光を透過及び拡散させるための光透過部及び該光透過部の両端において照明本体部と係合するための係合部を有し、該光透過部が、光拡散層の厚みが略一定である中央部及び該中央部の周辺に配置され、係合部と結合する周辺部を有し、該周辺部における光拡散層の厚みが中央部における光拡散層の厚みよりも厚い照明用カバー及び該カバーを備えた照明器具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−209057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術において、例えばメンテナンス時、使用者は、カバー部材(照明用カバー)を取り外すことがある。このとき、特許文献1に記載の技術では、カバー部材の側面が鉛直になっているため、使用者はカバー部材を掴みにくい。そのため、使用者がカバー部材を照明器具から取り外し難くなり、メンテナンス等の作業が煩雑である。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みて為されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、取り外し容易なカバー部材を備える照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、以下のようにすることで前記課題を解決できることを見出した。即ち、本発明の要旨は、本体ユニットと、前記本体ユニットに取り付けられ、さらに、前記本体ユニットから取り外し可能なカバー部材と、前記本体ユニットと前記カバー部材との間に配置される発光装置と、を備え、前記カバー部材の外側面は、当該外側面が内側に凹んで形成された凹みのみで構成され、当該凹みの両端部には、前記凹みの前記本体ユニットの側の端部となる一方の端部において外側に張り出すように形成された第一の角部と、前記凹みの前記本体ユニットから離れた側の端部となる他方の端部において外側に張り出すように形成された第二の角部とがそれぞれ形成され、当該第二の角部は、前記本体ユニットから取り外す際に指を引っ掛けることが可能で、かつ、丸みを帯びて形成されており、前記第二の角部は、前記第一の角部よりも外側に張り出していることで、前記カバー部材の最外側に配置され、かつ、前記凹みの最も内側の部分は、前記第一の角部及び前記第二の角部のいずれよりも内側に配置され、前記カバー部材が前記本体ユニットに取り付けられた際、前記第二の角部と前記本体ユニットとは離間していることを特徴とする、照明器具に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、取り外し容易なカバー部材を備える照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の照明器具の外観を示す下方からの斜視図である。
図2】第1実施形態の照明器具の本体ユニットからカバー部材を取り外すときの様子を示す図であり、(a)は使用者がカバー部材を掴んだ状態、(b)は使用者がカバー部材を下方向に引っ張って取り外した状態を示す。
図3】第1実施形態の照明器具の本体ユニットからカバー部材を取り外した状態を示す図である。
図4図3の状態において、本体ユニット10側の信号線及び電源線と、カバー部材20側の信号線及び電源線との接続をそれぞれ解除した状態を示す図である。
図5】(a)は図2(a)のA部拡大図であり、(b)〜(f)は(a)の変形例を示す図である。
図6】第2実施形態の照明器具の本体ユニットからカバー部材を取り外した状態を示す図である。
図7図6の状態において、本体ユニット10側の信号線及び電源線と、カバー部材20側の信号線及び電源線との接続をそれぞれ解除した状態を示す図である。
図8】第3実施形態の照明器具の本体ユニットからカバー部材を取り外した状態を示す図である。
図9図8の状態において、本体ユニット10側の信号線及び電源線と、カバー部材20側の信号線及び電源線との接続をそれぞれ解除した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1.第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。初めに、本実施形態の照明器具の全体構成(内部構成を含む)を説明し、次いで、本実施形態の照明器具に備えられるカバー部材の形状について説明する。
【0011】
図1は、第1実施形態の照明器具100の外観を示す下方からの斜視図である。照明器具100は、天井150に取り付けられている。照明器具100は、金属製の本体ユニット10と、本体ユニット10に取り付けられるとともに、円弧形状を有するカバー部材20(例えば樹脂製)とを備えている。本体ユニット10の内部(カバー部材20が取り付けられることで形成される空間、以下同じ)には、外部に放出光を生み出す光源ユニット27(図3等を参照しながら後記する)等が備えられている。
【0012】
図2は、第1実施形態の照明器具100の本体ユニット10からカバー部材20を取り外すときの様子を示す図であり、(a)は使用者の手Hがカバー部材20を掴んだ状態、(a)は使用者の手Hがカバー部材20を下方向に引っ張って取り外した状態を示す。なお、図2(b)に示すA部については、図5を参照しながら後記するため、図2の説明では、A部の説明を省略する。また、図2(b)では、図示の簡略化のために、本体ユニット10の内部に収容されている各部材の図示を省略している。
【0013】
図2(a)に示すように、使用者は、カバー部材20の側面に設けられている凹み21を手Hによって掴むことで、使用者がカバー部材20を摘み易くなっている。そして、この状態で、使用者がカバー部材20を下方向に引っ張ることにより、カバー部材20が本体ユニット10から取り外される。これにより、カバー部材20が本体ユニット10から分離されるようになっている。なお、カバー部材20は、カバー部材20に対して上下方向に延在するガイド部材31により、本体ユニット10に取り付けられている。
【0014】
図3は、第1実施形態の照明器具100の本体ユニット10からカバー部材20を取り外した状態を示す図である。本体ユニット10には、電源端子台12が固定されている。また、カバー部材20の内側には、点灯装置26と、点灯装置26に接続された光源ユニット27とが固定されている。点灯装置26は光源ユニット27を制御するものである。具体的には、点灯装置26は、光源ユニット27の点灯や消灯、光源ユニット27から発せられる光の強さ等を制御するようになっている。なお、光源ユニット27としては、例えばLEDや有機EL、蛍光管等が適用可能であり、中でも、省エネルギ化の観点から、LEDが好ましい。
【0015】
電源端子台12には、図示しない交流電源と接続される電源線13が接続されている。さらに、電源端子台12には、図示しないアース線が接続されている。また、電源端子台12と点灯装置26とは、電源端子台12の側からこの順で、電源線14、電源コネクタ15、電源コネクタ24及び電源線25を介して接続されている。これにより、交流電源からの電力が点灯装置26に供給されるようになっている。これにより、電源装置から点灯装置26に供給された電力は、光源ユニット27の駆動に用いられるようになっている。
【0016】
また、点灯装置26には、信号線を介して、図示しない調光装置が接続されている。具体的には、点灯装置26と調光装置とは、点灯装置26の側からこの順で、信号線23、信号端子台22、信号接続部16(図4参照。図3では図示せず。)及び信号線11を介して接続されている。使用者が調光装置を操作(例えば調光装置を構成するツマミを回転させる等)することで、その操作の程度に応じた電気信号が発生する。そして、発生した電気信号が、信号線11や信号線23等を通じて点灯装置26に伝達されることにより、点灯装置26が、その電気信号に応じて光源ユニット27の駆動(明るさ等)を制御するようになっている。
【0017】
図4は、図3の状態において、本体ユニット10側の信号線11及び電源線14と、カバー部材20側の信号線23及び電源線25との接続をそれぞれ解除した状態を示す図である。例えば、照明器具100のメンテナンス後、図4の状態にあるとき、カバー部材20を本体ユニット10に取り付ける際には、以下の手順が適用可能である。
【0018】
まず、図4に示すようにカバー部材20を配置し、信号線11の端部である信号接続部16と、信号線23の端部にある信号端子台22とが接続されるようにする。これにより、調光装置と点灯装置26との電気的接続が図られる。さらには、電力線14の端部である電源コネクタ15と、電源線25の端部にある電源コネクタ24とが接続されるようにする。これにより、交流電源と点灯装置26との電気的接続が図られる。そして、最後に、図2において説明した手順と逆の点順でカバー部材20を本体ユニット10に取り付けることで、照明器具100の使用準備が整うことになる。
【0019】
図3及び図4に示すように、第1実施形態の照明器具100では、信号端子台22は、本体ユニット10及びカバー部材20のいずれにも固定されていない。即ち、信号端子台22は、本体ユニット10及びカバー部材20に対して、不支持状態になっている。これにより、信号端子台22が本体ユニット10に固定されていた従来の照明器具(たとえば前記の特許文献1参照)とは異なり、信号端子台22と信号接続部16との接続を、本体カバー20の近傍で行うことができる。従って、天井150等の位置に対して低い位置で、信号接続部16と信号端子台22との接続や脱着をすることができるようになる。これにより、手許を確認しながら接続や脱着を行うことができるようになり、照明器具100のメンテナンス等が容易になる。
【0020】
また、従来、本体ユニット10に固定していた信号端子台22を本体ユニット10から独立(即ち)分離させることで、端子台として、電源端子台12のみが本体ユニット10に固定されることになる。使用者が調光機能を不要とする場合でも、図3図4等に示す本体ユニット10を流用することができる。従って、本体ユニット10の汎用性を高めることができ、様々なカバー部材20(点灯装置26や光源ユニット27等を備える)に対して、単一種の本体ユニット10を用意すればよいことになる。
【0021】
さらには、信号端子台22を本体ユニット10に固定していた従来の照明器具では、点灯装置26がカバー部材20側に設けられていたため、信号端子台22と点灯装置26とを接続する信号線の間に、信号コネクタが設けられていた。しかし、第1実施形態の照明器具100のように、信号端子台22を本体ユニット10から分離させて独立のものとすることで、信号端子台22に信号接続部16を直接接続すればよくなる。これにより、従来用いられていた信号コネクタを削減することができる。
【0022】
次に、第1実施形態の照明器具100を構成するカバー部材20について説明する。
【0023】
図5は、(a)は図2(b)のA部拡大図であり、(b)〜(f)は(a)の変形例を示す図である。図5(a)に示すように、カバー部材20の側面には、曲線を含んだ形状である、R形状の凹み21が形成されている。凹み21は、カバー部材20の外側に張り出す凹み上端部20aと、カバー部材20の同じく外側に張り出す凹み下端部20bとの間に形成されている。
【0024】
なお、図5では図示していないが、カバー部材20の左側面にも、同様の凹み21が設けられている。即ち、カバー部材20の外表面に形成されている凹み20は、カバー部材20に含まれる円弧形状を含み、かつ、光源ユニット27の光軸に垂直な方向(図5の紙面に垂直な方向)の断面視で、光軸を中心として左右に少なくとも一つの凹みが形成されている。
【0025】
カバー部材20の側面をこのような形状にすることで、使用者の手Hがカバー部材20を掴み易くなり(図2参照)、カバー部材20を本体ユニット10から取り外し易くなる。即ち、凹み21(凹み上端部20aと凹み下端部20bとの間に形成される)の部分に指を引っ掛けて手Hでカバー部材20を掴み、下方への力を付与することで、凹み21によって指が滑ることなく、カバー部材20を取り外すことができる。
【0026】
また、掴み易さの観点からは、カバー部材20の側面の形状を、上方に向かって窄まるテーパ形状とすることも考えられる。しかし、上方に向かって窄まるテーパ形状とすると、凹み上端部20aが外側に張り出していない形状になり、カバー部材20の側面に塵埃が堆積し易くなる。しかし、第1実施形態の照明器具100のように凹み21が設けられ、カバー部材20の外側に張り出す凹み上端部20aと、同じく外側に張り出す凹み下端部20bが形成されることで、凹み21には塵埃が堆積しにくくなる。
【0027】
さらには、カバー部材20の側面に凹み21を設けることで、上下方向に鉛直な側面(凹み21が無い側面)を有するカバー部材20と比べて、カバー部材20の表面積を増やすことができる。そして、カバー部材20の表面積が増えることで、照明器具100の発光面積が増えることになる。
【0028】
特に、これによる効果は、光源ユニット27として、LED等の指向性の高い発光体を用いた場合に大きくなる。具体的には、光源ユニット27が例えば指向性の高いLEDである場合、カバー部材20の左右方向には光が向きにくく、カバー部材20の左右近傍では明るさが不足しがちである。しかし、カバー部材20の側面に凹み21を設けることで、カバー部材20の表面積、即ち照明装置100の発光面積を増やすことができる。特に、表面積は、カバー部材20の側面で増えるため、暗くなりがちな左右方向においても、十分な明るさを確保することができる。
【0029】
また、本実施形態の照明装置100では、凹み21の形状はR形状になっている。そのため、凹み21が曲線のみによって構成されるため、使用者に対して柔らかい印象を与え、凹み21の意匠性が優れる。また、曲線のみによって構成されるため、より均一な光を外部に放出することができる。
【0030】
本実施形態の照明装置100では、凹み21の形状は、前記のようにR形状になっている。しかし、凹み21の形状は図5(a)の形状に限られず、例えば図5(b)〜(f)に示す形状としてもよい。
【0031】
例えば、凹みは、図5(b)に示す、断面くの字形状の凹み21Aとしてもよい。このような形状にすることで、凹み21を構成する斜面の長さを長く確保することができ、掴み易さがより向上する。また、斜面の長さが長くなるためカバー部材20Aの表面積がより大きくなり、発光面積がより大きくなる。
【0032】
また、例えば、凹みは、図5(c)に示す、下端部20Bbが、上端部20Baよりも、カバー部材20Bの外側に張り出した凹み21Bとしてもよい。このような形状にすることで、使用者によってカバー部材20Bが掴まれたとき、下端部20Bbに指が引っかかり易い。そのため、使用者がカバー部材20Bをより容易に取り外し易くなる。また、図5(a)に示すカバー部材20と同様に、断面が円弧状になっているため、塵埃がより堆積しにくい。
【0033】
さらに、例えば、凹みは、図5(d)に示す、台形の上底のような断面の凹み21Cとしてもよい。このような形状にすることで、図5(b)と同様に、発光面積をより大きくすることができ、また、掴み易くすることができる。
【0034】
また、例えば、凹みは、図5(e)に示す、図5(d)で説明した台形の面取りをしたような形状の凹み21Dとしてもよい。このような形状にすることで、図5(a)に示すカバー部材20と同様に、より均一な光を外部に放出することができる。また、図5(c)と同様に、塵埃がより堆積しにくい。
【0035】
さらに、例えば、凹みは、図5(f)に示す、図5(c)で説明した凹み21Bとは逆に、上端部20Eaが、下端部20Ebよりも、カバー部材20Eの外側に張り出した凹み21Eとしてもよい。このような形状にすることで、上端部20Eaがより外側に張り出し、しかも、断面が円弧状になっているため、凹み21Eへの塵埃の堆積がより確実に防止される。
【0036】
これらのうち、カバー部材20に含まれる円弧形状を含み、かつ、光源ユニット27の光軸に垂直な方向(図5の紙面に垂直な方向)の断面視で、凹み上端部(図5(a)の場合、凹み上端部20a)と凹み下端部(同図の場合、凹み下端部20b)とを結ぶ線分は、光源ユニット27(図5では図示していない)の光軸と平行になっているものが好ましい。ここで、光軸とは、光源ユニット27から発せられる光の軸のことをいい、図5では、ガイド部材31が延在する方向と同方向に伸びている。図5に示すカバー部材のうち、好ましいものの具体例としては、図5(a)に示されるカバー部材20や、図5(b)に示されるカバー部材20A、図5(d)に示されるカバー部材20C、図5(e)に示されるカバー部材20eである。これにより、使用者によるカバー部材20等の持ち易さと、カバー部材20等への塵埃の堆積のしにくさとをバランスよく両立させることができる。
【0037】
[2.第2実施形態]
次に、図6及び図7を参照しながら、第2実施形態の照明器具200を説明する。前記した照明器具100と同様のものについては同様の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。また、第2実施形態の照明器具200は、基本的には前記の照明器具100と同様の構成を有するため、以下の記載では、前記の照明器具100とは異なる点を主に説明する。
【0038】
図6は、第2実施形態の照明器具200の本体ユニット10Aからカバー部材20Fを取り外した状態を示す図である。前記の照明器具100では、信号接続部16が、本体ユニット10及びカバー部材20から独立した信号端子台22に接続されるようにした。しかし、第2実施形態の照明器具200では、カバー部材20Fに信号端子台22に固定されているとともに、信号コネクタ17,28により、信号線11と信号線29とが接続されるようになっている。
【0039】
即ち、第2実施形態の照明器具200では、信号線11の末端に信号コネクタ17が接続されている。さらに、信号端子台22には、信号コネクタ28を接続した信号線29が接続されている。ここで、信号端子台22は、前記のように、カバー部材22が固定されている。そして、信号コネクタ17と信号コネクタ28とが接続されることで、図示しない調光装置からの電気信号が、信号端子台22を介して、点灯装置26に伝達されるようになっている。
【0040】
図7は、図6の状態において、本体ユニット10A側の信号線11及び電源線14と、カバー部材20F側の信号線29及び電源線25との接続をそれぞれ解除した状態を示す図である。簡略化のために説明を省略するが、例えば、照明器具200のメンテナンス後、図7の状態にあるとき、カバー部材20Fを本体ユニット10Aに取り付ける際には、図4を参照しながら説明した手順と同様の手順が適用可能である。
【0041】
照明器具200では、前記の照明器具100とは異なり、信号端子台22がカバー部材20Fに固定されている。従って、調光装置と点灯装置26とを接続するためには、信号コネクタ17と信号コネクタ28とを接続するだけでよく、容易に電気的接続を図ることができる。また、この接続は、前記の照明器具100と同様に、本体カバー20Fの近傍で行うことができるため、照明器具200のメンテナンス等が容易になる。
【0042】
また、信号端子台22がカバー部材20Fに固定されているため、信号端子台22に信号線29を接続する場合に、信号端子台22の接続口を視認し易くなる。これにより、信号線29を信号端子台22に接続するときの作業性が向上する。さらには、前記の照明器具100と同様に、照明器具200でも信号端子台22が本体ユニット10Aから独立しており、これにより、本体ユニット10Aの汎用性を高めることができる。
【0043】
[3.第3実施形態]
次に、図8及び図9を参照しながら、第3実施形態の照明器具300を説明する。前記した照明器具100,200と同様のものについては同様の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。また、第3実施形態の照明器具300は、基本的には前記の照明器具100,200と同様の構成を有するため、以下の記載では、前記の照明器具100,200とは異なる点を主に説明する。
【0044】
図8は、第3実施形態の照明器具300の本体ユニット10Bからカバー部材20Gを取り外した状態を示す図である。前記の照明器具100や照明器具200では、信号線同士を接続するコネクタや、電源線同士を接続するコネクタは別体になっていた。具体的に説明すると、例えば図3図4に示す照明器具100では、信号線11と信号線23とを接続するために、信号接続部16と信号端子台22とが接続されるようした。また、電源線14と電源線25とを接続するために、電源コネクタ15と電源コネクタ14とが接続されるようにした。図6図7に示す照明器具200でもこの点は同様である。
【0045】
しかし、第3実施形態の照明器具300では、本体ユニット10B側の信号線11と電源線14とが、一つのコネクタ18に接続されている。一方で、カバー部材20G側の信号線29と電源線25とが、一つのコネクタ30に接続されている。従って、コネクタ18とコネクタ30とを接続することで、信号線同士の電気的接続と、電源線同士の電気的接続を図ることができる。
【0046】
図9は、図8の状態において、本体ユニット10B側の信号線11及び電源線12と、カバー部材20G側の信号線29及び電源線25との接続をそれぞれ解除した状態を示す図である。例えば照明器具300のメンテナンス後、図9の状態にあるとき、カバー部材20Gを本体ユニット10Bに取り付ける際、特に容易に信号線や電源線の電気的接続を図ることができる。具体的には、コネクタ18とコネクタ30とを接続することで、これらの電気的接続をまとめて行うことができる。また、この接続は、前記の照明器具100や照明器具200と同様に、本体カバー20Gの近傍で行うことができるため、照明器具300のメンテナンス等が容易になる。
【0047】
また、信号端子台22がカバー部材20Gに固定されているため、前記の照明器具200と同様に、信号線29を信号端子台22に接続するときの作業性が向上する。さらには、前記の照明器具100,200と同様に、照明器具300でも信号端子台22が本体ユニット10Bから独立しており、これにより、本体ユニット10Bの汎用性を高めることができる。また、前記の照明器具100,200とは異なりコネクタが一つで足りるため、コネクタ数を減らすことができ、照明器具300の製造原価を削減することができる。
【0048】
[4.変形例]
以上、3つの実施形態を挙げて本実施形態を説明したが、本実施形態は前記の内容に何ら制限されるものではない。従って、本発明は、前記した各実施形態を適宜組み合わせたり変形したりして、実施することができる。
【0049】
例えば、第1実施形態においてカバー部材20の変形例を説明したが、カバー部材20の変形例は、第2実施形態の照明器具200や第3実施形態の照明器具300に対しても同様に適用可能である。
【0050】
また、例えば、カバー部材20に形成される凹みの形状は図5に例示したものに何ら限定されず、どのようなものであってもよい。即ち、例えば、カバー部材20の側面を上方に向かって窄まるテーパ形状とし、当該側面の途中に凹み21が形成されるようにしてもよい。また、カバー部材20の側面(凹み上端部20aと凹み下端部20bとの間に形成される面)は必ずしも必要はない。この場合には、カバー部材20の表面に凹み21が形成されることになる。
【0051】
さらに、例えば、図1等に示すカバー部材20では、長手方向全域に亘って凹み21が形成されているが(図1では凹み21を図示せず)、凹み21は、必ずしも全域に亘って形成されている必要は無く、カバー部材20の長手方向の一部に形成されていてもよい。また、カバー部材20では、前記光軸に垂直な方向の断面視で、左右にそれぞれ一つずつ凹み21が形成されているが、どちらか一方のみに凹み21が形成されるようにしてもよい。また、形成される凹み3の数はいくつでもよい。
【0052】
また、図示の例では、矩形の光源ユニット27を用いて、本体ユニット10及びカバー部材20の下方向から投影したときに矩形状となる形状のものを用いたが、例えば、円盤状の照明器具とし、円盤状の本体ユニット10及びカバー部材20を用いてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10,10A,10B 本体ユニット
20,20A,20B,20C,20D,20E,20F,20G カバー部材
20a 凹み上端部
20b 凹み下端部
21,21A,21B,21C,21D,21E 凹み
26 点灯装置(発光装置)
27 光源ユニット(発光装置)
150 天井(支持体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9