(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の回胴式遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるリプレイタイムの発生についてもスタートレバーの操作時点でなされる内部抽選の結果によって決まっており、遊技者の操作が何ら介入することなくリプレイタイムが発生するようになっている。つまり、リプレイタイムが内部抽選で当選した状態にある限り、たとえば遊技者自身が停止ボタンをどのような手順で操作しても必ずリプレイタイムに対応する図柄の組み合わせパターンが成立するため、遊技者にとってリプレイタイムを発生させる際の遊技性に乏しいものであった。
【0007】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、リプレイタイムの発生を遊技者の操作手順に依存させることができ、ひいては遊技性を高めることができる回胴式遊技機を提供することをその課題としている。
【0008】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、各種の図柄が描かれた複数のリールの回転開始を指示する回転開始操作手段と、
各リールの回転停止を指示する複数の回転停止操作手段と、
前記リールの回転が停止したときの図柄を表示する表示窓と、
リプレイ役が当選する確率であるリプレイ当選確率を変更する条件となる所定のフラグを含む複数種類のフラグのうちから1つのフラグを遊技者による前記回転開始操作手段の操作に応じて抽選する内部抽選手段と、
前記リプレイ当選確率が第1の確率に設定されたゲームにおいて、現在行われているゲームよりも後に行われるゲームにおいて前記所定のフラグが成立した場合に前記所定のフラグに対応する図柄を有効ライン上に揃えるための操作手順(以下、確率変動操作手順)を前記遊技者に告知するか否かをあらかじめ抽選(以下、告知抽選)する告知抽選手段と、
前記確率変動操作手順を告知することが決定されたゲームよりも後に行われるゲームにおいて、前記所定のフラグが成立すると、前記確率変動操作手順を前記遊技者に告知する操作手順告知手段と、
前記遊技者が前記確率変動操作手順に従って前記回転停止操作手段を操作した結果、前記所定のフラグに対応する図柄が前記有効ライン上に揃った場合、前記リプレイ当選確率を、前記確率変動操作手順を前記遊技者に告知することが決定されたゲームよりも後に行われるゲームにおいて設定されている確率から当該確率よりも高い第2の確率に変更するリプレイ当選確率変更手段と、
前記告知抽選の抽選確率がそれぞれ異なる複数の告知モードを備えるとともに、前記告知抽選に用いる1つの告知モードを前記複数の告知モードから抽選により決定する告知モード抽選手段と、
を備え、
前記告知抽選手段は、前記告知モード抽選手段により決定された告知モードの前記抽選確率に基づいて前記告知抽選を行
い、
前記操作手順告知手段は、前記告知モード抽選手段により決定された告知モードでの前記告知抽選によって前記確率変動操作手順を告知することが決定されたゲームよりも後に行われるゲームにおいて、前記所定のフラグが成立した場合には前記所定のフラグに対応する前記確率変動操作手順を前記遊技者に告知し、前記所定のフラグが成立しなかった場合には前記所定のフラグが成立しなかったゲームよりも後に行われるゲームに前記告知抽選の結果を持ち越す、
回胴式遊技機である。
【発明の効果】
【0012】
このような構成によれば、リプレイ当選確率が第1の確率に設定されたゲームにおいて、特別役の入賞処理が行われたり、特別役とリプレイ役のいずれも入賞することなく連続して所定の回数繰り返されたりするなどの所定の条件が満たされると、遊技者によりスタートレバーが操作される毎に、告知抽選とフラグ抽選を行い、フラグ抽選によりフラグが成立すると、告知抽選の結果に基づいて成立したフラグに対応する停止ボタンの操作手順を遊技者に告知する。また、そのフラグ抽選の結果とそのフラグ抽選後の遊技者による複数の停止ボタンの操作手順との組み合わせに基づいてリプレイ当選確率を第1の確率よりも高い第2の確率に変更する。
【0013】
これにより、たとえばリプレイ当選確率が高確率となるいわゆるリプレイタイムの発生を遊技者の操作手順に依存させることができ、ひいては遊技性を高めることができる。その際、遊技者は、所望とする操作手順をとるだけでよいので、高度な技術を要することなく、単純に操作を楽しみながらリプレイタイムの発生を期待することができる。
【0014】
また、フラグと停止ボタンの操作手順の組み合わせが第2の確率に対応する第1の組み合わせの場合、その操作手順を遊技者に告知することで遊技者にとって有利な状態になるため、そのような告知に対しても期待させることができる。
【0015】
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本願発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1〜11は、本願発明に係る回胴式遊技機の一実施形態を示している。機械的な構成を
図1に示すように、本実施形態の回胴式遊技機Aは、筐体1、左右に並ぶ表示窓2L,2C,2R、操作パネル部3、遊技メダル払出口4、液晶表示部5、左右中央のリール20L,20C,20Rなどを有して構成されている。
【0019】
表示窓2L,2C,2Rは、遊技者に対して図柄を表示するための表示領域であり、筐体1の正面上段部に設けられている。これらの表示窓2L,2C,2Rは、透明パネルで覆われている。各表示窓2L,2C,2Rの内側(筐体1の内部)には、回転可能なリール20L,20C,20Rが設けられている。
図2に展開した状態を示すように、各リール20L,20C,20Rの外周面には、複数種類の図柄が描かれており、これら外周面の一部を表示窓2L,2C,2Rを通して目視することができる。すなわち、各リール20L,20C,20Rが回転すると、表示窓2L,2C,2R内には、複数の図柄が変動表示させられる。リール20L,20C,20Rの回転が停止すると、表示窓2L,2C,2R内に所定の図柄が停止表示させられる。各リール20L,20C,20Rには、第0番から第20番までの21個の図柄が設けられている。リール20L,20C,20Rが回転すると、表示窓2L,2C,2Rには、小さい番号から大きい番号の順に図柄が表示され、第20番の図柄の次には再び第0番の図柄が表示される。左の表示窓2Lの下側付近には、クレジットメダル数表示器21が設けられている。このクレジットメダル数表示器21は、メダル投入口30からの投入により筐体1に貯留された遊技メダル(遊技媒体)の枚数をクレジットメダル数として表示する。
【0020】
操作パネル部3は、筐体1の正面中段部に設けられている。操作パネル部3の上部には、メダル投入口30やベットボタン31などが設けられている。メダル投入口30は、遊技の代価として遊技メダルを筐体1に投入するための投入口である。ベットボタン31は、筐体1内にクレジットとして貯留された遊技メダルをベットするためのボタンである。操作パネル部3の前面側部には、スタートレバー32、左右中央のリール停止ボタン33L,33C,33Rなどが設けられている。スタートレバー32は、リール20L,20C,20Rの回転を開始させるためのものである。リール停止ボタン33L,33C,33Rは、各リール20L,20C,20Rと対応するように設けられており、対応するリール20L,20C,20Rの回転を停止させるためのものである。リール停止ボタン33L,33C,33Rの操作手順としては、たとえば左、中央、右の順に押下するいわゆる順押し、左、右、中央の順に押下するいわゆる挟み押しがある。その他の操作手順としては、右、中央、左の順などといった4通りあるが、本実施形態では、順押しおよび挟み押し以外の操作手順については全て変則押しとする。遊技メダル払出口4は、筐体1の下部に設けられており、液晶表示部5は、筐体1の上部に設けられている。筐体1の下部には、遊技メダル払出口4のほか、遊技メダル払出口4から払い出される遊技メダルを受け止めるための受け皿部40が設けられている。液晶表示部5は、一連の遊技動作に連動して画像などを演出的に表示するものである。なお、
図1には特に図示しないが、筐体1の適部には、電飾類50やスピーカ51(
図3参照)が設けられている。これら電飾類50やスピーカ51も、一連の遊技動作に連動して作動させるものである。
【0021】
電気的な構成を
図3に示すように、本実施形態の回胴式遊技機Aは、主制御基板100、リール制御基板10、副制御基板120などを有して構成されている。
【0022】
主制御基板100は、一連の遊技動作を制御するための基板であり、この主制御基板100には、CPU101、ROM102、RAM103などからなるマイクロコンピュータが搭載されている。主制御基板100には、インターフェース130を介してクレジットメダル数表示器21、ベットボタン31、スタートレバー機構32A、左右中央のリール停止ボタン33L,33C,33R、メダル払い出し機構4Aなどが接続されている。スタートレバー機構32Aは、前述のスタートレバー32の操作に応じた信号を出力するものであり、メダル払い出し機構4Aは、前述のメダル払出口4から定められた数の遊技メダルを払い出すためのものである。
図4に示すように、主制御基板100のマイクロコンピュータには、コンピュータプログラムにより実現される機能として、リール制御部110、内部抽選部200、再遊技作動部210、当選確率設定部220などといった機能が設けられている。これらの機能については後述する。
【0023】
リール制御基板10には、主制御基板100のほか、左右中央のリール20L,20C,20Rのそれぞれを回転させるステッピングモータや回転センサ(図示略)が接続されている。ステッピングモータは、各リール20L,20C,20Rの回転・停止を行うための回転駆動手段である。各リール20L,20C,20Rの回転・停止動作は、主制御基板100のリール制御部110からの指令に応じてリール制御基板10がステッピングモータに所定の信号を送ることにより制御される。また、リール制御部110は、各リール20L,20C,20Rの回転角度に応じた回転センサからの角度信号に基づいて図柄の停止位置を認識している。リール制御部110によりなされるリール制御としては、いわゆる4コマ滑り制御が可能である。この4コマ滑り制御とは、リール停止ボタン33L,33C,33Rが押下された瞬間に対応するリール20L,20C,20Rを必ずしも停止させるのではなく、ボタン押下直後も4コマ以内で図柄を変位させ、その後にリール20L,20C,20Rの回転を停止させる制御である。このような4コマ滑り制御により、
図1に示す有効ラインL1〜L5上に内部的に予定した特定の図柄が止まるようにリール20L,20C,20Rを停止させることができる。このような4コマ滑りのリール制御がなされることにより、後述の再遊技に関係する各種の図柄の組み合わせパターンについては、いわゆる内部抽選によって当選した状態にある限り、遊技者の操作技量に関係なく必ず出現する。
【0024】
主制御基板100に接続された副制御基板120には、特に図示しないが主制御基板100と同様にマイクロコンピュータが搭載されている。この副制御基板120には、電飾類50やスピーカ51、液晶表示部5などが接続されている。副制御基板120は、主制御基板100からの信号に基づき、電飾類50やスピーカ51、さらには液晶表示部5などの動作を制御する。
図4に示すように、副制御基板120のマイクロコンピュータには、コンピュータプログラムにより実現される機能として、操作手順告知部300、告知抽選部310などといった機能が設けられている。これらの機能については後述する。
【0025】
このような回胴式遊技機Aの一連の遊技動作としては、次のようになっている。
【0026】
すなわち、回胴式遊技機Aは、スタートレバー32の操作に応じたリール20L,20C,20Rの回転開始によって複数の図柄を変動表示させるとともに、これら図柄の変動表示をリール停止ボタン33L,33C,33Rを用いてなされる停止操作に応じて停止させ、そうして有効ラインL1〜L5に停止表示された図柄の組み合わせパターンに応じて遊技メダルの払い出しあるいは不払いを実行する。たとえば、図柄の組み合わせパターンとして、同色の(7,7,7)と揃うビッグボーナス(BB)役、あるいは色違いの(7,7,7)と揃うレギュラーボーナス(RB)役が成立すると、所定枚数の遊技メダルの払い出しが完了するまでボーナスゲームが継続される。なお、ゲーム1回当たりの払い出し枚数は、たとえば15枚までと決まっている。それ以上の払い出し枚数となるボーナスゲームにおいては、小役が高確率で当選する状態となり、その状態が所定枚数のメダル払い出しが完了まで継続される。
【0027】
また、回胴式遊技機Aは、有効ラインL1〜L5における図柄の組み合わせパターンが所定の組み合わせパターン(R,R,R)になると、次に予定された一連の遊技動作を遊技メダルのベットを免除した再遊技(以下、「リプレイ」と称する)として作動させる機能や、このようなリプレイを高確率で繰り返し発生させる、いわゆるリプレイタイム(RT)機能を有している。
【0028】
上記リプレイに関する内部処理としては、図柄の変動表示を開始するスタートレバー32を操作した瞬間、所定の当選確率(リプレイ当選確率)でリプレイを作動させるか否かについて内部抽選を行っている。この内部抽選によって当選した場合、図柄の組み合わせパターンが上記したような所定の組み合わせパターン(R,R,R)となるようにリール20L,20C,20Rの回転停止が4コマ滑り制御され、その結果、内部的には遊技者の操作タイミングによることなくリプレイを作動させている。なお、BB役やRB役などの特定役についても、同様の内部処理によって成立可能となっているが、これらの役については、図柄の配列からいわゆる目押しによって役を表示させなければならないのが一般的である。
【0029】
リプレイタイムは、図柄の組み合わせパターンが特定役(BB役あるいはRB役)に該当する組み合わせパターンとなり、その特定役成立による遊技メダルの払い出し動作が完了した後、あるいはそのような特定役が一度も成立することなく規定ゲーム数を消化した後、後述のチャンスタイム(CT)を経ることで移行可能となっている。このようなリプレイタイムは、リプレイ当選確率を高確率に変更することで実現される。
【0030】
本実施形態の回胴式遊技機Aは、上記したリプレイタイム機能とそれに関連する機能に特徴があり、これらの特徴的な機能については、以下にフローチャートなどを参照して機能や動作を説明することで明らかにする。
【0031】
図5〜7は、リプレイタイム機能が関係する遊技動作の内部処理手順を示すフローチャートである。
【0032】
図5に示すように、主制御基板100および副制御基板120のマイクロコンピュータは、たとえば通常ゲーム処理を実行する(S1)。この通常ゲーム処理とは、リプレイ当選確率を例えば1/7.2とし、その上で規定ゲーム数の1200回まで遊技動作を制御するものである。1/7.2という確率は、第2低確率(第2の確率)に相当する。特に図示しないが、スタートレバー32の操作に応じて図柄の変動表示が開始されるごとに、内部抽選部200は、リプレイ当選確率を1/7.2として内部抽選を行っている。この内部抽選で当選した場合、リール制御部110は、リール20L,20C,20Rの停止操作に応じて4コマ滑り制御を行い、リプレイ役が成立する図柄の組み合わせパターン(R,R,R)を表示させる。このリール制御としては、たとえば既知のリール停止制御テーブルを用いた方法が適用される。その後、再遊技作動部210は、次の1回分の遊技動作がメダルベット免除のリプレイを作動させる。
【0033】
図8に示すように、リプレイ当選確率は、BB当選確率やRB当選確率などとともに定められている。このようなリプレイ当選確率は、当選確率設定部220によって第1低確率(第1の確率)に相当する1/7.3、上記第2低確率の1/7.2、あるいは高確率(第3の確率)となる1/1.4といった値に設定される。たとえばリプレイ当選確率を高確率1/1.4に変動させるといった確率変動条件は、確率変動条件規定部230に制御テーブルとして規定されている。
【0034】
上記確率変動条件とは、
図10にその一例を示すように、後述のチャンスタイム中の内部抽選によって成立するフラグの種類(フラグA、フラグB)と、そのフラグの成立後、図柄の変動表示を停止させる際になされる左右中央のリール停止ボタン33L,33C,33Rの操作手順とからなる。この内部抽選は、チャンスタイムにおいてスタートレバー32を操作するごとに行われる。チャンスタイム中におけるリプレイ当選確率は、通常ゲーム時の1/7.2より若干低い1/7.3とされる。
【0035】
たとえば内部抽選によってフラグAが成立すると、リール制御部110は、図柄の組み合わせパターンがフラグA対応のパターン(チェリー,any,any)(「any」は図柄の種
類を特に問わないという意味)となるようにリール20L,20C,20Rの回転停止を4コマ滑り制御する。フラグAの成立後にリール停止ボタン33L,33C,33Rが順押しによって操作された場合、リール制御部110は、図柄の組み合わせパターンが3連チェリー(チェリー,チェリー,チェリー)となるようにリール20L,20C,20Rの回転停止を4コマ滑り制御する。3連チェリーが表示されると、リプレイ当選確率が1/7.3から高確率1/1.4に変動させられ、チャンスタイムからリプレイタイムに移行する。一方、フラグA成立後にリール停止ボタン33L,33C,33Rが挟み押しによって操作された場合、リール制御部110は、図柄の組み合わせパターンが2連チェリー(チェリー,チェリー,リプレイ)となるようにリール20L,20C,20Rの回転停止を4コマ滑り制御する。2連チェリーが表示されると、リプレイ当選確率が1/7.3から1/7.2に変動させられ、チャンスタイムから通常ゲームに戻る。また、リール停止ボタン33L,33C,33Rが変則押しによって操作された場合、リール制御部110は、図柄の組み合わせパターンがいわゆる単チェリー(チェリーが連続して有効ラインL1〜L5に並ばない状態、たとえば、チェリー,リプレイ,リプレイなどの表示状態)となるようにリール20L,20C,20Rの回転停止を4コマ滑り制御する。このような単チェリーが表示されると、リプレイ当選確率がそのまま維持されることでチャンスタイムが継続する。
【0036】
その一方、内部抽選によってフラグBが成立すると、リール制御部110は、図柄の組み合わせパターンがフラグB対応の2つのパターン(チェリー,any,any)、(ベル,リプレイ,リプレイ)のうち、払い出し枚数が多い方(本実施形態では、チェリー,any,any)が表示されるようにリール20L,20C,20Rの回転停止を4コマ滑り制御する。このような2つのパターンが同時に成立するフラグBは、重複フラグと称される。フラグB成立後、リール停止ボタン33L,33C,33Rが順押しによって操作された場合、2連チェリー(チェリー,チェリー,リプレイ)が表示されるようにリール制御される一方、リール停止ボタン33L,33C,33Rが挟み押しによって操作された場合、3連チェリー(チェリー,チェリー,チェリー)が表示されるようにリール制御される。つまり、フラグA成立の場合とフラグBの成立の場合とでは、リプレイタイムに移行するためのリール停止ボタン33L,33C,33Rの操作手順が異なる。なお、リール停止ボタン33L,33C,33Rが変則押しによって操作された場合、フラグB成立時においても単チェリー(たとえば、チェリー,リプレイ,リプレイ)が表示されるようにリール制御され、チャンスタイムが継続される。
【0037】
このような確率変動条件は、基本的には主制御基板100のマイクロコンピュータにプログラミングされた変更不可の設定情報であり、遊技者にとってはどのように設定されているか知るよしもないが、副制御基板120の操作手順告知部300は、チャンスタイムに入ってからフラグの成立後、そのフラグの種類に応じたいずれかの操作手順をとることで3連チェリーが表示されてリプレイタイムに移行するといった予定動作を、液晶表示部5の表示画面などによって間接的に告知する。このような操作手順の告知を行うか否かは、副制御基板120の告知抽選部310によってなされる抽選による。
図9に示すように、告知抽選部310によってなされる抽選には、告知モードA〜Dの抽選と告知本抽選がある。たとえば告知モードDの場合、告知本抽選当選確率が0%のため、告知モードDが抽選結果として当たってもリプレイタイムに入るための操作手順が告知されることが全くない一方、告知モードAが抽選結果として当たった場合、告知本抽選当選確率90%により極めて高い確率でリプレイタイムに入るための操作手順が告知される。このような告知モードA〜Dの抽選や告知本抽選は、フラグ成立前にモード出現確率や告知本抽選当選確率に基づいて行われるが、フラグ成立後に行われるようにしてもよい。
【0038】
たとえば、S1において通常ゲーム処理中、BB役やRB役が成立することなく(S2:NO,S3:NO)、規定ゲーム数(1200回)を消化した場合(S4:YES)、告知抽選部310は、モード出現確率に基づいて告知モードA〜Dの抽選を行う(S5)。告知モードA〜Dの決定後、さらに告知抽選部310は、告知本抽選当選確率に基づいて操作手順の告知を行うか否かについての告知本抽選を行う(S6)。たとえば、告知モードA〜Dの抽選によって告知モードBが決定され、この告知モードBによって告知を行うことが告知本抽選によって決まった場合、実際の告知がチャンスタイムに入ってからフラグ成立後に行われる。なお、S2,S3においてBB役やRB役が成立した場合(S2:YES,S3:YES)、ビッグボーナス入賞処理(S20)やレギュラーボーナス入賞処理(S30)が実行される。これらの入賞処理によるメダルの払い出し動作が完了した場合にも、S5の処理に移行する。S6の告知本抽選が行われた後、チャンスタイムの内部処理に移行する(S7)。このチャンスタイムに入ると、リプレイ当選確率が通常ゲーム時の1/7.2から1/7.3に変更される。
【0039】
チャンスタイムの内部処理としては、
図6および
図7に示す流れで行われる。まず、
図6に示すように、チャンスタイムに入ると、主制御基板100のマイクロコンピュータは、スタートレバー32が操作された瞬間に上記のフラグの内部抽選を行う(S70)。この内部抽選によってフラグAが成立した場合(S71:YES)、リール制御部110は、遊技者がどのような操作を行っても(チェリー,any,any)のパターンが表示されるようにリール制御を行う。また、操作手順告知部300は、リール停止ボタン33L,33C,33Rを順押しすれば3連チェリーが表示されてリプレイタイムに入るといったその操作手順を、液晶表示部5の演出画像などによって告知する(S72)。このような告知がなされた場合、遊技者にとっては極めて有利な状態となる。なお、S6の告知本抽選においてハズレとなり、操作手順を告知しないことが決まった場合、S72の告知が行われることなく省略される。また、操作手順の告知は、演出画像などの表示に限らず、たとえば電飾類50を動作させたり、あるいはスピーカ51から対応する音を発生させることで行うようにしてもよい。
【0040】
このようなフラグAの成立後、リール制御部110は、最初に左のリール停止ボタン33Lが押下されたか否かを判断する(S73)。
【0041】
最初に左のリール停止ボタン33Lが押下された場合(S73:YES)、リール制御部110は、左の表示窓2Lにチェリーが表示される範囲内で左のリール20Lを回転停止させる。さらに、リール制御部110は、2番目に中央のリール停止ボタン33Cが押下されたか否かを判断する(S74)。
【0042】
2番目に中央のリール停止ボタン33Cが押下された場合(S74:YES)、リール制御部110は、中央の表示窓2Cにチェリーが表示され、しかもこの中央のチェリーと左のチェリーが有効ラインL1〜L5のいずれかに沿って並ぶように中央のリール20Cを回転停止させる。その後、最後に右のリール停止ボタン33Rが押下されると、リール制御部110は、右の表示窓2Rにチェリーが表示され、しかもこの右のチェリーが他の2つのチェリーと有効ラインL1〜L5のいずれかに沿って並ぶように右のリール20Rを回転停止させる。つまり、リール制御部110は、フラグAの成立および順押しの操作手順に応じてリール制御Aを実行することにより3連チェリーを表示させる(S75)。なお、リール制御としては、
図11に示すようにフラグの種類と操作手順によって異なる内容のリール制御A〜C,A'〜C',Dが規定されている。
【0043】
S74において、2番目に右のリール停止ボタン33Rが押下された場合(S74:NO)、リール制御部110は、右の表示窓2Rにリプレイの図柄が表示され、しかもこのリプレイの図柄と左のチェリーが有効ラインL1〜L5のいずれかに沿って並ぶように右のリール20Rを回転停止させる。その後、最後に中央のリール停止ボタン33Cが押下されると、リール制御部110は、中央の表示窓2Cにチェリーが表示され、しかもこの中央のチェリーが左のチェリーや右のリプレイの図柄と有効ラインL1〜L5のいずれかに沿って並ぶように中央のリール20Cを回転停止させる。つまり、リール制御部110は、フラグAの成立および挟み押しの操作手順に応じてリール制御Bを実行することにより2連チェリーを表示させる(S76)。
【0044】
S73において、最初に右や中央のリール停止ボタン33R,33Cが押下された場合(S73:NO)、リール制御部110は、全てのリール停止ボタン33L,33R,33Cが押下された状態で有効ラインL1〜L5のいずれかに沿ってチェリー,リプレイ,リプレイと並ぶように各リール20L,20R,20Cを回転停止させる。つまり、リール制御部110は、フラグAの成立および変則押しの操作手順に応じてリール制御Cを実行することにより単チェリーを表示させる(S77)。
【0045】
S71において、内部抽選によりフラグAが成立せず(S71:NO)、
図7に示すようにフラグBが成立した場合(S78:YES)、リール制御部110は、フラグBが重複フラグであるために(チェリー,any,any)と(ベル,リプレイ,リプレイ)といった2つのパターンのうち、(チェリー,any,any)を表示させるようにリール制御を行う。また、操作手順告知部300は、リール停止ボタン33L,33C,33Rを挟み押しすれば3連チェリーが表示されてリプレイタイムに入るといったその操作手順を、液晶表示部5の演出画像などによって告知する(S79)。このようなフラグB成立後の告知も、S6の告知本抽選においてハズレで操作手順を告知しないことが決まっている場合には省略される。
【0046】
フラグBの成立後、リール制御部110は、最初に左のリール停止ボタン33Lが押下されたか否かを判断する(S80)。
【0047】
最初に左のリール停止ボタン33Lが押下された場合(S80:YES)、リール制御部110は、左の表示窓2Lにチェリーが表示される範囲内で左のリール20Lを回転停止させる。さらに、リール制御部110は、2番目に右のリール停止ボタン33Rが押下されたか否かを判断する(S81)。
【0048】
2番目に右のリール停止ボタン33Rが押下された場合(S81:YES)、リール制御部110は、右の表示窓2Rにチェリーが表示され、しかもこの右のチェリーと左のチェリーが有効ラインL1〜L5のいずれかに沿って並ぶように右のリール20Rを回転停止させる。その後、最後に中央のリール停止ボタン33Cが押下されると、リール制御部110は、中央の表示窓2Cにチェリーが表示され、しかもこの中央のチェリーが他の2つのチェリーと有効ラインL1〜L5のいずれかに沿って並ぶように中央のリール20Cを回転停止させる。つまり、リール制御部110は、フラグBの成立および挟み押しの操作手順に応じてリール制御A'を実行することにより3連チェリーを表示させる(S82
)。
【0049】
S81において、2番目に中央のリール停止ボタン33Cが押下された場合(S81:NO)、リール制御部110は、中央の表示窓2Cにチェリーが表示され、しかもこのチェリーと左のチェリーが有効ラインL1〜L5のいずれかに沿って並ぶように中央のリール20Cを回転停止させる。その後、最後に右のリール停止ボタン33Rが押下されると、リール制御部110は、右の表示窓2Rにリプレイの図柄が表示され、しかもこのリプレイの図柄が他の2つのチェリーと有効ラインL1〜L5のいずれかに沿って並ぶように右のリール20Rを回転停止させる。つまり、リール制御部110は、フラグBの成立および順押しの操作手順に応じてリール制御B'を実行することにより2連チェリーを表示
させる(S83)。
【0050】
S80において、最初に右や中央のリール停止ボタン33R,33Cが押下された場合(S80:NO)、リール制御部110は、全てのリール停止ボタン33L,33R,33Cが押下された状態で有効ラインL1〜L5のいずれかに沿ってチェリー,リプレイ,リプレイと並ぶように各リール20L,20R,20Cを回転停止させる。つまり、リール制御部110は、フラグBの成立および変則押しの操作手順に応じてリール制御C'を
実行することにより単チェリーを表示させる(S84)。
【0051】
S78において、フラグAおよびフラグBのいずれについても成立しなかった場合(S78:NO)、リール制御部110は、リール停止ボタン33L,33R,33Cがどのような手順で押下されても有効ラインL1〜L5のいずれにもチェリー,any,anyが表示されないように各リール20L,20R,20Cを回転停止させる。つまり、リール制御部110は、フラグAあるいはフラグBが成立しなかったことに応じてリール制御Dを実行することによりチェリー,any,anyを表示させない(チェリー不成立)(S85)。
【0052】
図5に戻って全体のフローチャートを参照する。上記したようなS7のチャンスタイムの後、当選確率設定部220は、有効ラインL1〜L5に表示されている図柄の組み合わせパターンを判定する(S8)。S8において、3連チェリーが表示された場合(S8:3連)、当選確率設定部220は、リプレイ当選確率を高確率の1/1.4に設定することでリプレイタイム処理に移行する(S9)。このリプレイタイムにおいては、リプレイ当選確率が1/1.4とされるため、7回に5回程度はリプレイに対応する図柄の組み合わせパターン(R,R,R)が表示され、ほとんど毎回のようにリプレイが発生する。リプレイタイムは、規定ゲーム数の30回まで継続される。これにより、リプレイタイム中には、ほぼ毎回のようにリプレイとなるとともに、リプレイの内部抽選にはずれたときでも小役やボーナスなどの内部抽選に当選することがあるため、遊技メダルの純増がある程度見込まれる。
【0053】
たとえばリプレイタイム中、内部抽選によりレギュラーボーナスの当選が生じた場合(S10:RB)、S30に移行してレギュラーボーナス入賞処理が実行される。また、内部抽選によりビッグボーナスの当選が生じた場合(S10:BB)、S20に移行してビッグボーナス入賞処理が実行される。
【0054】
一方、ボーナス当選もなく(S10:NO)、リプレイタイムの規定ゲーム数(30回)を消化した場合(S11:YES)、S5に戻ってチャンスタイムが再び実行される。なお、規定ゲーム数に達していない場合(S11:NO)、S9に戻ってリプレイタイムが継続される。
【0055】
S8において、2連チェリーが表示されている場合(S8:2連)、当選確率設定部220は、リプレイ当選確率を低確率範囲内の1/7.2に設定することでS1に戻り、通常ゲーム処理に移行する。また、2連チェリー、3連チェリー以外が表示されている場合(S8:その他)、当選確率設定部220は、リプレイ当選確率を1/7.3のままとし、S7に戻ってチャンスタイムが継続される。
【0056】
したがって、本実施形態の回胴式遊技機Aによれば、チャンスタイムからリプレイタイムに移行したり、あるいはチャンスタイムを終了して通常ゲームに戻ったりするには、内部抽選によるフラグの成立だけでなく、遊技者がリール停止ボタン33L,33C,33Rをどのような操作手順で押下するかについても関係するので、リプレイタイムの発生を、高度な技術(目押し)が不要な操作手順に依存させることができ、ひいては上級者や初心者を問わずリプレイタイムに対する期待や楽しみを持たせることで遊技性を高めることができる。
【0057】
また、チャンスタイムからリプレイタイムに移行する確率は、フラグAの成立あるいはフラグBの成立のいずれにしても、操作手順の告知の有無に関係なく内部的には同じ確率であるが、操作手順を告知することによって実質的には確実にリプレイタイムに移行させることができるので、遊技者にとって有利なゲーム進行状況をつくり出すことができ、ゲームの進行を内部制御のみに頼ることなく遊技者の操作手順にも委ねることができる。また、操作手順の告知の有無が抽選によって決まるため、そのような告知に対して遊技者に期待感を持たせることができる。
【0058】
なお、本願発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0059】
上記に説明した特定の値や図柄の種類などは、あくまで一例にすぎず、適宜設計変更することができる。
【0060】
遊技媒体としては、遊技メダルに代えて、たとえばパチンコ球を用いてもよい。
【0061】
上記実施形態では、操作手順を順押しと挟み押しに大別したため、2つのフラグA,Bを用いたが、変則押しにも対応して3つ以上のフラグを用い、変則押しでもリプレイタイムに入ったりあるいは通常ゲームに戻ったりするような構成でもよい。また、リール停止ボタンがn個の場合、操作手順としてはn!通り存在することとなり、これに対応してフラグの種類をn種類としてもよい。
【0062】
上記実施形態では、リプレイ当選確率が異なる3つのゲーム状態(通常ゲーム、チャンスタイム、リプレイタイム)があるが、リプレイ当選確率が異なる状態であれば2つだけのゲーム状態や、4つ以上のゲーム状態があってもよい。たとえば、通常ゲームでのリプレイ当選確率をチャンスタイムと同じ確率としてもよい。この場合、リプレイ当選確率としては、第1の確率と第2の確率の2種類だけとなる。そのため、フラグの種類と操作手順が対応したときには、第1の確率から第2の確率へと設定変更し、フラグの種類と操作手順が対応しないときは、リプレイ当選確率を第1の確率のまま維持するようにすればよい。
【0063】
上記実施形態では、たとえばフラグAの成立と順押しの操作手順といった条件が揃えば、どのような操作タイミングであっても必ず特定の図柄の組み合わせパターン(3連チェリー)が出現するようにリール制御がなされるが、3連チェリーを表示させるには、チェリーの配列間隔を変更するなどしてある程度遊技者の操作技量(目押しなど)に委ねるようにしてもよい。もちろん、リプレイタイムに入る際に出現する図柄パターンや通常ゲームに戻る際に出現する図柄パターンは、チェリーに限らず他の種類の図柄でもよく、3連や2連である必要もない。
【0064】
チャンスタイムに入る条件としては、ボーナス入賞処理や規定ゲーム数の消化に限らず、他の条件でもよい。また、リプレイタイム中にボーナス当選があった場合は、いわゆるボーナスフラグを持ち越し、リプレイタイムの規定ゲーム数を消化した後でボーナス入賞処理を実行する、いわゆるリプレイタイム完走型としてもよい。