特許第6198877号(P6198877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6198877
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】衛生用薄葉紙収納容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20170911BHJP
   A47K 10/20 20060101ALI20170911BHJP
   B65D 25/52 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   B65D83/08 B
   A47K10/20 B
   B65D25/52 D
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-67119(P2016-67119)
(22)【出願日】2016年3月30日
【審査請求日】2017年6月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】三浦 昭晃
【審査官】 高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−161673(JP,U)
【文献】 特開2005−53529(JP,A)
【文献】 実公昭49−11227(JP,Y1)
【文献】 特表2005−515939(JP,A)
【文献】 実開昭54−170952(JP,U)
【文献】 特開2010−247899(JP,A)
【文献】 実開平3−11889(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0179627(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D23/00−25/56
B65D83/00
B65D83/08−83/76
A47K10/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシン目を有するロール状に巻かれた衛生用薄葉紙を内側に収納するとともに、収納された前記衛生用薄葉紙を前記ミシン目で切り離して外側に取り出す取出部を具備する容器本体と、前記容器本体に前記取出部を開閉するように取り付けられた蓋体と、を備える衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記取出部は、前記容器本体に前記取出部を係着させる係着部と、一又は複数の切り込みにより形成された弾性変形可能な複数の可撓部と、を備え、
前記係着部は、前記取出部の側面の上下方向中央部において周方向に沿って形成された括れ部と、前記括れ部の上側となる上面環状部と、前記括れ部の下側となる下面環状部と、を有し、前記括れ部に前記容器本体の取付口の縁が嵌め込まれて係着されており、
前記複数の可撓部は、先端部の厚みが基端部の厚みより薄くなっており、当該複数の可撓部の間隙に前記衛生用薄葉紙を挿通させ、前記衛生用薄葉紙を外側に取り出すように構成され、
前記上面環状部又は前記下面環状部は切欠き部を有し、前記括れ部が周方向に断続的に形成されていることを特徴とする衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記複数の可撓部は、先端にいくほど厚みが薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記複数の可撓部は、先端部と基端部の間に段差部を備えることを特徴とする請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記複数の可撓部は、上下に分かれる長さの異なる複数のシートが、基端部側が厚くなるように積層された状態であることを特徴とする請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項5】
前記取出部の上面には上下方向に凹んだ凹部が備えられ、
前記凹部の底面部に、前記複数の可撓部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートやウェットティッシュ等の衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、或いは人体などを拭くための衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器が知られている。
このような衛生用薄葉紙収納容器として、当該収納容器の取り出し口に着脱可能に取り出し孔形成部材を備え、この取り出し孔形成部材により衛生用薄葉紙に抵抗を掛けて、衛生用薄葉紙に入ったミシン目にて衛生用薄葉紙を切り離す構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−192962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の構成は、取り出し孔形成部材を取り出し口に下から嵌め込む構成であるため、取り出し孔形成部材が上方からの力で落下しやすいものであった。このため、次の衛生用薄葉紙を取り出し口から取り出し辛い場合などに衛生用薄葉紙を無理やり取り出そうとすることで取り出し孔形成部材が容器内部に落ち込むことがあった。また、この際、衛生用薄葉紙が取り出し孔形成部材から離脱することもあった。このような場合には、衛生用薄葉紙を取り出し孔形成部材に再セットし、さらにこの取り出し孔形成部材を取り出し口に再セットする手間が発生することとなり、衛生用薄葉紙が取り出し辛いものとなっていた。
【0005】
本発明の課題は、衛生用薄葉紙の保持性を良好にすると共に、衛生用薄葉紙を取り出し易い衛生用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
ミシン目を有するロール状に巻かれた衛生用薄葉紙を内側に収納するとともに、収納された前記衛生用薄葉紙を前記ミシン目で切り離して外側に取り出す取出部を具備する容器本体と、前記容器本体に前記取出部を開閉するように取り付けられた蓋体と、を備える衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記取出部は、前記容器本体に前記取出部を係着させる係着部と、一又は複数の切り込みにより形成された弾性変形可能な複数の可撓部と、を備え、
前記係着部は、前記取出部の側面の上下方向中央部において周方向に沿って形成された括れ部と、前記括れ部の上側となる上面環状部と、前記括れ部の下側となる下面環状部と、を有し、前記括れ部に前記容器本体の取付口の縁が嵌め込まれて係着されており、
前記複数の可撓部は、先端部の厚みが基端部の厚みより薄くなっており、当該複数の可撓部の間隙に前記衛生用薄葉紙を挿通させ、前記衛生用薄葉紙を外側に取り出すように構成され、
前記上面環状部又は前記下面環状部は切欠き部を有し、前記括れ部が周方向に断続的に形成されていることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の衛生用薄葉紙は、請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記複数の可撓部は、先端にいくほど厚みが薄くなっていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の衛生用薄葉紙は、請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記複数の可撓部は、先端部と基端部の間に段差部を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の衛生用薄葉紙は、請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記複数の可撓部は、上下に分かれる長さの異なる複数のシートが、基端部側が厚くなるように積層された状態であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の衛生用薄葉紙は、請求項1〜4の何れか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記取出部の上面には上下方向に凹んだ凹部が備えられ、
前記凹部の底面部に、前記複数の可撓部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、衛生用薄葉紙の保持性を良好にすると共に、衛生用薄葉紙を取り出し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態における衛生用薄葉紙収納容器を正面上方から見た斜視図である。
図2】衛生用薄葉紙収納容器における容器本体上部の蓋を示す断面図である。
図3】衛生用薄葉紙収納容器における取出部を示す斜視図である。
図4図3のIV−IV線における断面図である。
図5】取出部の好ましい形態を説明するための図である。
図6】取出部の好ましい形態を説明するための図である。
図7】取出部の好ましい形態を説明するための図である。
図8】取出部の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照して、本発明に係る衛生用薄葉紙収納容器の具体的な態様を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0014】
図1は、本発明を適用した好適な実施の形態として例示する衛生用薄葉紙収納容器100を正面上方から見た斜視図であり、図2は、衛生用薄葉紙収納容器100における容器本体101上部の蓋103の断面図である。また、図3は、衛生用薄葉紙収納容器100における取出部110を示す斜視図であり、図4は、図3のIV−IV線における断面図である。また、図5図7は、取出部110の好ましい形態を説明するための図である。
なお、図1では、ボトル102の下部(底部)の図示を省略している。また、図3では、小蓋120の突出部121も図示している。
【0015】
衛生用薄葉紙収納容器100は、図1図2に示すように、例えば、内側にロール状の衛生用薄葉紙P(例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパー)を収納するとともに、収納された衛生用薄葉紙Pを外側に取り出す取出部110を具備する容器本体101と、この容器本体101に取出部110を開閉するように取り付けられた蓋体としての小蓋120と、を備えて構成されている。
衛生用薄葉紙収納容器100に収納されるロール状に巻かれた衛生用薄葉紙Pには、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目が施されており、そのミシン目に沿って切り離したサイズの衛生用薄葉紙Pを、ユーザが使用するようになっている。
なお、以下の説明では、衛生用薄葉紙収納容器100の前後方向をX軸方向として、小蓋120が容器本体101(蓋103)に支持されている側を後側とし、その反対側を手前側とする。また、正面視にて左右方向(幅方向)をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
【0016】
容器本体101は、容器本体101の下部をなす有底円筒形状のボトル102と、容器本体101の上部をなす蓋103とで構成されている。
【0017】
ボトル102の上端には開口部が設けられており、このボトル102の上端部の外周面には、周方向に沿って雄ネジ部(図示省略)が設けられている。
このボトル102は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いはPET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等から形成されている。
【0018】
蓋103は、天面部103aを有するとともに下端部が開放された円筒形状をなし、開放された下端部の内周面にはボトル102の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が設けられている。
この蓋103は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いはPET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等から形成されている。
【0019】
そして、容器本体101は、ボトル102と蓋103とが雄ネジ部と雌ネジ部を介した脱着自在な連結構造をとり、ボトル102に対して蓋103を開閉自在としているので、ボトル102から蓋103を取り外した状態で、ボトル102の内部に衛生用薄葉紙Pを収納したり、内部から衛生用薄葉紙Pを取り出したりすることができるようになっている。
なお、本実施の形態では、衛生用薄葉紙Pが、上下方向(Z軸方向)に沿った軸心にロール状に巻かれた状態で容器本体101に収納されるようになっている。
【0020】
容器本体101の一部を成す蓋103の天面部103aには、容器本体101の内部に収納された衛生用薄葉紙Pを容器本体101の外側に引き出すための取出部110と、その天面部103aに回動可能に取り付けられて取出部110を開閉する小蓋120と、が設けられている。
なお、取出部110は、小蓋120より前後方向(X軸方向)手前側に設けられている。つまり、小蓋120は、蓋103の天面部103aにおいて、取出部110の後方に回動可能に取り付けられており、その小蓋120は、取出部110に後方から覆い被さるようになっている。
【0021】
取出部110は、蓋103の天面部103aにおける凹部104のほぼ中央部に形成された取付口106に配設されている。
この取出部110は、例えば、シリコンゴムにより成型されてなる弾性変形可能な部材である。シリコンゴムは、耐久性に優れており、衛生用薄葉紙Pを詰め替えて衛生用薄葉紙収納容器100を繰り返し使用する場合でも、取出部110の弾性変形性は維持されるので、長期に亘って好適に衛生用薄葉紙Pを取り出すことを可能にする。また、シリコンゴムは、耐薬品性に優れているので、ウェットタイプの衛生用薄葉紙Pに染み込まされている薬液が含有するアルコールなどによって変質してしまうことがなく、長期に亘る使用が可能になる。
なお、取出部110に用いる材料は、シリコンゴムであることに限らず、軟質樹脂材料であるスチレン−ブタジエン系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ウレタン系等の熱可塑性エラストマーを使用することができる。また、その他の任意の樹脂材料で取出部110を形成してもよい。
【0022】
また、取出部110は、図3図4に示すように、上面視円形状、且つ側面視「エ」字状を呈している。
この取出部110は、取出部110の上面の中央が凹んだ凹部111と、取出部110の外周に設けられた係着部112と、凹部111の底面部111aに形成された取出口113と、弾性変形可能な複数の可撓部114と、を有している。
【0023】
凹部111は、取出部110の上面周縁を残すようにして、中央が上下方向に凹んだ状態に形成されたものであって、上面視円形状を呈している。凹部111の底面部111aは平面状であって、この底面部111aに取出口113が形成されている。
【0024】
係着部112は、取出部110の側面のZ方向中央部において周方向に沿って形成された径方向に凹んだ括れ部112aと、括れ部112aの上側となる上面環状部112bと、括れ部112aの下側となる下面環状部112cと、を有している。この係着部112は、括れ部112aに取付口106の縁を嵌め込んで、上面環状部112bと、下面環状部112cとで取付口106の縁を挟み込むようにして係着し、取出部110を蓋103に固定するようになっている。
【0025】
なお、上面環状部112bと下面環状部112cのY方向の長さは、同一であっても良いし、どちらか一方を他方より長くすることとしても良い。
下面環状部112cを上面環状部112bより径を大きくする(側面視において、下面環状部112cを上面環状部112bより長くする)ことで、衛生用薄葉紙Pを取り出す際に取出部110に下方から力が加わった場合にも、取出部110が取付口106から外れ難くすることができる。一方、上面環状部112bを下面環状部112cより長くすることで、取出部110に上方から力が加わった際、取出部110を落下し難くすることができる。
【0026】
取出口113は、容器本体101の内部に収納された衛生用薄葉紙Pを取り出すためのものであって、凹部111の底面部111aに一又は複数の切り込みSを入れることにより形成される。このとき複数の可撓部114も形成されることとなる。
なお、切り込みSの全長(Y方向の長さ)は、例えば、一般的なユーザの人差し指の幅以上となる15mm程度に設定されている。
【0027】
可撓部114は、取出口113の形成にあたって凹部111の底面部111aに一又は複数の切り込みSを入れた際に形成されるものである。
即ち、複数の可撓部114の間隙が取出口113であって、この複数の可撓部114の間隙(取出口113)に衛生用薄葉紙Pを挿通させて当該衛生用薄葉紙Pを引っ張ることで外側に取り出すようになっている。
このとき、可撓部114は、上下方向に加わる力により変形するため、衛生用薄葉紙Pを取り出す際に下方から加わる力で可撓部114が撓って衛生用薄葉紙Pに抵抗が掛かり、衛生用薄葉紙Pをミシン目で切り離し易くすることができ、同時に、復元力で次の衛生用薄葉紙Pを取出口113付近に留まらせることができるようになっている。
【0028】
可撓部114の数は、例えば、図5(a)〜図5(c)に示すように、2つから4つとすることが好ましく、図5(d)〜図5(e)に示すように、5つ以上とすることがより好ましい。可撓部114の数を5つ以上とすることで、衛生用薄葉紙Pに掛かる抵抗を大きくし、衛生用薄葉紙Pをミシン目で切り離し易くすることがより容易になる。
また、図5(f)に示すように、切り込みSを曲線状とすることで、衛生用薄葉紙Pに掛かる抵抗を大きくすることとしても良い。
【0029】
また、各可撓部114は、先端部の厚みが基端部の厚みより薄い形状であることが好ましい。
具体的には、例えば、図6(a)に示すように、先端にいくほど厚みが薄くなるよう、側面視において、可撓部114の上面に対して下面を傾斜させた構成とすることができる。なお、側面視において、可撓部114の下面に対して上面を傾斜させた構成としても良い。
また、図6(b)に示すように、可撓部114の下面において、先端部と基端部の間に段差部114aを備えた構成であっても良い。なお、可撓部114の上面において、先端部と基端部の間に段差部114aを備えた構成としても良い。
また、図6(c)に示すように、各可撓部114を、上下に分かれる長さの異なる複数(ここでは2枚)のシート1141、1142が基端部側が厚くなるように積層された状態とした構成であっても良い。ここでは、長さの短いシート1142が、長さの長いシート1141の下側に配置されている。なお、長さの短いシート1142が、長さの長いシート1141の上側に配置されている構成であっても良い。
可撓部114の厚みをこのように構成することで、可撓部114が撓り易くなり、引き出される衛生用薄葉紙Pに掛かる抵抗をより大きくすることができる。
【0030】
小蓋120は、例えば、蓋103の天面部103aにY軸方向に沿って配された図示しない回動軸により軸支され、その天面部103aに対して回動可能に配設されており、閉蓋状態と開蓋状態とに切り替えられるようになっている。
この小蓋120は、閉蓋状態と開蓋状態のそれぞれの配置において、それぞれ安定した状態に配されるように、例えば、可動範囲内における所定の回動角度(例えば、図2参照)よりも取出部110に接近された際には閉蓋状態となるように付勢され、また、上記所定の回動角度よりも取出部110から離間された際には開蓋状態となるように付勢されている。
【0031】
なお、小蓋120は、天面部103aに回動軸によって軸支されていることに限らず、例えば、蓋103と一体に成形されたものであってもよく、その蓋103の天面部103aに対して、その天面部103aの厚さをY軸方向に沿って一部薄くなる折り目を形成することにより、Y軸方向に沿った折り目を軸線に折曲されるキャップとすることで、その折り目を軸心とするように回動可能にし、取出部110を開閉する構成としてもよい。
【0032】
また、小蓋120の下面には、取出部110を閉蓋状態とした際に、取出部110の上面環状部112bと接触する突出部121が設けられている。
この突出部121は、小蓋120の下面から円筒環状に突設されており、取出部110を小蓋120で閉蓋する際に、上面環状部112bの外周が突出部121の内周と接触するように内挿されるようになっている。
小蓋120で取出部110を閉蓋した際に、上面環状部112bと突出部121とが嵌め合わさることで、気密状態となり、容器本体101内のウェットタイプの衛生用薄葉紙Pが乾燥してしまうことを防ぐことができる。
なお、上面環状部112bの上面が、突出部121の内側の小蓋120の下面と接触することで気密状態となる構成であっても良い。
【0033】
なお、図7(a)に示すように、上面環状部112bの上面を、上方に突出する曲面形状とし、その上面環状部112bの外縁部に突出部121が接触することで気密状態となる構成としても良い。
また、図7(b)に示すように、上面環状部112bの上面に溝部112b1を形成し、溝部112b1に突出部121が嵌め込まれることで気密状態となる構成としても良い。
【0034】
次に、衛生用薄葉紙収納容器100から衛生用薄葉紙Pを取り出す際の作用について説明する。
【0035】
先ず、未使用状態、即ち、小蓋120が閉蓋状態となっている際には、小蓋120の突出部121が上面環状部112bと接触することで、気密性が保持されている。
また、内部に収納された衛生用薄葉紙Pの1枚目の端部は、取出部110の取出口113を挿通し、取出口113により保持された状態となっている。
このとき、取出口113が凹部111の底面部111aに設けられていることで、取出口113により保持された衛生用薄葉紙Pが凹部111の内部に収納され、小蓋120の閉蓋を阻害することなく、小蓋120からのはみ出しが発生するのが防止される。
【0036】
また、衛生用薄葉紙Pの使用の際には、小蓋120を回動させ開蓋状態とし、ユーザが取出口113により保持された衛生用薄葉紙Pを上方に引っ張ることで、衛生用薄葉紙Pが引き出される。
このとき、可撓部114の先端部が基端部より薄いので下方から加わる力で可撓部114が撓り易く、衛生用薄葉紙Pに抵抗が掛かるので、衛生用薄葉紙Pはミシン目で切り離されることとなる。また、次の衛生用薄葉紙Pには可撓部114の復元力が掛かるので、次の衛生用薄葉紙Pは取出口113付近に保持されることとなる。
さらに、衛生用薄葉紙Pの使用に際して、ユーザが取出部110に上方から押圧を掛けたり、衛生用薄葉紙Pを引き出す際に、衛生用薄葉紙Pにより取出部110に下方から力が掛かったりしても、取出部110は、係着部112の括れ部112aに容器本体101の取付口106の縁を嵌め込んで、上面環状部112bと下面環状部112cとで取付口106の縁を挟み込むように係着している構成であるため、取付口106から外れ難い。
【0037】
以上のように、本実施の形態によれば、ミシン目を有するロール状に巻かれた衛生用薄葉紙Pを内側に収納するとともに、収納された衛生用薄葉紙Pをミシン目で切り離して外側に取り出す取出部110を具備する容器本体101と、容器本体101に取出部110を開閉するように取り付けられた小蓋120と、を備える衛生用薄葉紙収納容器100であって、取出部110は、容器本体101に取出部110を係着させる係着部112と、一又は複数の切り込みにより形成された弾性変形可能な複数の可撓部114と、を備え、係着部112は、取出部110の側面の上下方向中央部において周方向に沿って形成された括れ部112aを有し、括れ部112aに容器本体101の取付口106の縁が嵌め込まれて係着されており、複数の可撓部114は、先端部の厚みが基端部の厚みより薄くなっており、当該複数の可撓部114の間隙に衛生用薄葉紙Pを挿通させ、衛生用薄葉紙Pを外側に取り出す。
このため、係着部112により取出部110に上下どちらの方向から力が掛かっても取出部110が外れ辛く、衛生用薄葉紙Pを取り出し易くすることができる。
また、複数の可撓部114の先端部が撓って複数の可撓部114により衛生用薄葉紙Pに抵抗が掛かるので、保持性を良好にすることができる。
【0038】
また、本実施の形態によれば、複数の可撓部114は、先端にいくほど厚みが薄くなっている。
このため、複数の可撓部114をより撓り易くすることができ、衛生用薄葉紙Pにより大きな抵抗を掛けることができるので、保持性をより良好にすることができる。
【0039】
また、本実施の形態によれば、複数の可撓部114は、先端部と基端部の間に段差部114aを備える。
このため、複数の可撓部114をより撓り易くすることができ、衛生用薄葉紙Pにより大きな抵抗を掛けることができるので、保持性をより良好にすることができる。
【0040】
また、本実施の形態によれば、複数の可撓部114は、上下に分かれる長さの異なる複数のシート1141、1142が、基端部側が厚くなるように積層された状態である。
このため、複数の可撓部114をより撓り易くすることができ、衛生用薄葉紙Pにより大きな抵抗を掛けることができるので、保持性をより良好にすることができる。
【0041】
また、本実施の形態によれば、取出部110の上面には上下方向に凹んだ凹部111が備えられ、凹部111の底面部111aに、複数の可撓部114が形成されている。
このため、取出口113により保持された衛生用薄葉紙Pが凹部111の内部に収納されるので、衛生用薄葉紙Pが小蓋120の閉蓋を阻害することなく、小蓋120から衛生用薄葉紙Pのはみ出しが発生するのを防止することができる。
【0042】
なお、上記実施の形態では、取出部110の側面の上下方向中央部において、全周に亘って括れ部112aが形成されている構成を例示して説明しているが(図3参照)、例えば、図8に示すように、上面環状部112bが切欠き部112b2を有し、括れ部112aが全周ではなく周方向で断続的に形成されている構成であっても良い。この際、切欠き部112b2の数は特に限定されない、
また、図示は省略するが、下面環状部112cが切欠き部を有する構成、或いは、上面環状部112b及び下面環状部112cが切欠き部を有する構成であっても良い。
このようにすることで、取出部110の蓋103への装着性を向上させることができる。
【0043】
また、上記実施の形態では、小蓋120はその下面に突出部121を備えた構成を例示して説明したが、取出部110と小蓋120とを気密状態にできるものであれば、突出部121を備えない構成としても良い。
例えば、上面環状部112bの上面を上方に突出する曲面形状とし、小蓋120は突出部121を備えず、その下面に、上面環状部112bの上面の曲面形状と接触する蓋体凹部を備える構成としても良い。
【符号の説明】
【0044】
100 衛生用薄葉紙収納容器
101 容器本体
102 ボトル
103 蓋
103a 天面部
104 凹部
106 取付口
110 取出部
111 凹部
111a 底面部
112 係着部
112a 括れ部
112b 上面環状部
112b1 溝部
112b2 切欠き部
112c 下面環状部
113 取出口
114 可撓部
114a 段差部
120 小蓋(蓋体)
121 突出部
1141、1142 シート
P 衛生用薄葉紙
【要約】
【課題】衛生用薄葉紙の保持性を良好にすると共に、衛生用薄葉紙を取り出し易い衛生用薄葉紙収納容器を提供する。
【解決手段】ミシン目を有するロール状の衛生用薄葉紙をミシン目で切り離して外側に取り出す取出部110を具備する容器本体101と、容器本体101に取出部110を開閉するように取り付けられた小蓋120と、を備える衛生用薄葉紙収納容器100であり、取出部110は、容器本体101に取出部110を係着させる係着部112と、弾性変形可能な複数の可撓部114と、を備え、係着部112は、取出部110の側面の上下方向中央部において周方向に沿って形成された括れ部を有し、括れ部に容器本体101の取付口106の縁が嵌め込まれて係着され、複数の可撓部114は、先端部の厚みが基端部の厚みより薄く、当該複数の可撓部114の間隙に衛生用薄葉紙を挿通させ、衛生用薄葉紙Pを外側に取り出す。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8