(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の組の車両カウンタによって、交差点からある退出路への進行が入力される場合、前記退出路への進行を集計する退出集計手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の交通情報記録支援システム。
前記交通情報の位置情報に基づいて、地図上に交通情報の集計位置を表示する地図表示手段を備えることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の交通情報記録支援システム。
前記地図表示手段で表示した地図上に、集計した交通情報に基づいて交通量を可視化する可視化手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の交通情報記録支援システム。
前記カウンタセットに含まれるカウンタを用いて、設定された種別ごとに対象を計数する為の種別選択手段を備えることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の交通情報記録支援システム。
前記種別選択手段は、入力画面に表示されたそれぞれのカウンタに対するフリック入力の方向に応じて、種別が紐付けられた交通情報の入力を受け付けることを特徴とする請求項11に記載の交通情報記録支援システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した従来の技術には、つぎのような改善すべき問題点が残されており、効果的に交通量の調査を行うことはできない。
【0008】
従来の技術に記載の交通量調査装置では、カウンタへの入力を直観的に行うことができず、割り振られたカウンタの配置を記憶して作業を行う必要がある。カウンタの配置を記憶する必要性や、カウンタの大きさ、操作性などの制約から、通常、調査員は、交差点への1の進入路の交通情報を調査するよう配置される。そのため、十字路での調査を行う場合には、交差点への進入路ごとに合計で4人の調査員を配置する必要が生じてしまう。
【0009】
また、通常、調査員は、交差点の道路脇等のある地点から調査を行っており、調査結果が、どの道路に対して、どの方向から調査を行ったのかを別途記録する必要があり、調査結果を記録する作業が煩雑になっていた。
【0010】
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、交通状況をより効率的に入力する為の交通情報記録支援システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、交通情報を記録するための交通情報記録支援システムであって、
交通情報の入力を行うために、交通情報を入力するためのカウンタセット及び、道路画像が表示される入力画面を表示する入力画面表示手段と、
入力された交通情報に、前記交通情報の入力を行った位置情報を紐付ける位置設定手段と、を備え、
前記カウンタセットは、ある進入路から交差点への進行について、直進又は右左折の少なくとも1以上を入力可能な1組の車両カウンタを、進入路を異にして複数含むことを特徴とする。
【0012】
このような構成とすることで、異なる進入路からの車両の進行を、一人の調査員のみで集計することが可能となる。また、入力画面に、交通情報を入力する為のカウンタ及び道路画像が表示されることで、調査員は、直観的にカウンタを操作し、交通量の集計を実施することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、複数の組の車両カウンタによって、交差点からある退出路への進行が入力される場合、前記退出路への進行を集計する退出集計手段を備えることを特徴とする。
このような構成とすることで、ある退出路への進行の総計を、容易に集計することが可能となる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記入力画面表示手段を介して交通情報を入力する為の交通情報記録支援装置を2以上備え、
複数の前記交通情報記録支援装置で記録された交通情報を、地図上又は一覧の少なくとも一方で表示させる外部集計取得手段を備えることを特徴とする。
このような構成とすることで、複数の交通情報記録支援装置で記録した交通情報を一括で管理し、確認することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記カウンタセットは、歩行者の横断を入力するための歩行者カウンタを備えることを特徴とする。
このような構成とすることで、歩行者の横断数を併せて集計することができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、交通情報の入力可能時間を計測する入力可能時間計測部と、
前記入力可能時間を前記入力画面上に表示する時間表示手段と、を備えることを特徴とする。
このような構成とすることで、集計時間を自動でカウントさせ、単位時間で実施される調査を、より高精度に行うことができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記交通情報と、前記道路画像と、を重ねた集計画像を表示する集計画面表示手段を備えることを特徴とする。
このような構成とすることで、集計結果をより効果的に確認することができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記集計画像の方位を設定するための方位設定手段を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記方位設定手段は、前記集計画像を回転させることで方位を設定可能であることを特徴とする。
このような構成とすることで、集計画像の方位を直観的に設定することができる。また、地図上から集計位置を指定して、集計画像を確認するような場合、地図の方位に合せて回転した画像を表示することができるため、集計結果の確認が容易になる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記交通情報の位置情報に基づいて、地図上に交通情報の集計位置を表示する地図表示手段を備えることを特徴とする。
このような構成とすることで、地図上に交通情報の集計を行った場所を表示させ、集計された交通情報を確認することができる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記地図表示手段は、集計した交通情報に基づいて、地図上で交通量を可視化する可視化手段を備えることを特徴とする。
このような構成とすることで、地図上で交通量の可視化を行い、視覚的に交通量を把握することができる。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記カウンタを用いて設定された種別ごとに対象を計数する為の種別選択手段を備えることを特徴とする。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記種別選択手段は、入力画面に表示されたそれぞれのカウンタに対するフリック入力の方向に応じて、種別が紐付けられた交通情報の入力を受け付けることを特徴とする。
このような構成とすることで、車両、歩行者以外のより詳細な種別ごとに、交通情報を記録することが可能となる。また、特にフリック入力によって種別の入力を受け付けることにより、画面の小さなスマートフォンなどにおいても、複数の進入路からの交通量を、更に種別ごとに好適に入力することができる。
【0024】
本発明は、交通情報を記録するための交通情報記録支援装置であって、
交通情報の入力を行うために、交通情報を入力するためのカウンタセット及び、道路画像が表示される入力画面を表示する入力画面表示手段と、
入力された交通情報に、前記交通情報の入力を行った位置情報を紐付ける位置設定手段と、を備え、
前記カウンタセットは、ある進入路から交差点への進行について、直進又は右左折の少なくとも1以上を入力可能な1組の車両カウンタを、進入路を異にして複数含むことを特徴とする。
【0025】
本発明は、交通情報を記録するための交通情報記録支援プログラムであって、
コンピュータを、交通情報の入力を行うために、交通情報を入力するためのカウンタセット及び、道路画像が表示される入力画面を表示する入力画面表示手段と、
入力された交通情報に、前記交通情報の入力を行った位置情報を紐付ける位置設定手段と、として機能させ、
前記カウンタセットは、ある進入路から交差点への進行について、直進又は右左折の少なくとも1以上を入力可能な1組の車両カウンタを、進入路を異にして複数含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、交通状況をより効率的に入力する為の交通情報記録支援システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<実施形態1>
以下、図面を用いて、実施形態1に関る交通情報記録支援システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0029】
例えば、本実施形態では交通情報記録支援システムの構成、動作などについて説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム、記録媒体なども、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータに前記プログラムをインストールすることができる。ここで、前記プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD−ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0030】
本実施形態では、スマートフォンやタブレット端末、PC等の情報通信端末に交通情報記録支援プログラムをインストールした交通情報記録支援装置を用いて、交差点での車両及び歩行者の交通量に関する情報を、交通情報として記録を行う際の例について説明する。なお、交差点とは、十字路、丁字路、その他2以上の道路が交わる場所における当該2以上の道路が交わる部分を示す。
【0031】
図1は、実施形態1に関わる交通情報記録支援システムの概要を示す図である。複数の交通情報記録支援装置1は、ネットワークNを介して記録部2と接続されている。複数の交通情報記録支援装置1で集計された交通情報は、記録部2に記録することができ、複数の交通情報記録支援装置1で集計した集計結果を、複数の装置間で共有することができる。交通情報記録支援装置1は、交通量を調査する調査員1人につき1台保持され、交通情報が記録される。
【0032】
図2は、実施形態1に関る交通情報記録支援装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。交通情報記録支援装置1は、CPU101と、メモリ102と、記憶部103と、外部の装置と通信を行うためのインタフェースである通信部104と、タッチパネルや物理キー等の入力部105と、ディスプレイ等の出力部106と、GPS受信部107と、を備えている。また、記憶部103は、オペレーティングシステム108と、交通情報記録支援プログラム109などが記録されている。交通情報記録支援プログラム109は、オペレーティングシステム108と協調してその機能を発揮するものである。
【0033】
通信部104は、外部と通信を行うための通信ユニットを備えており、例えば、インターネット、WAN、LAN、Wi−Fi等の通信技術を介して通信を行うことができる。
【0034】
図3は、実施形態1に関る交通情報記録支援装置1の機能構成例を示す機能ブロック図である。交通情報記録支援装置1は、入力画面表示手段3と、時間表示手段4と、交通情報受付手段5と、交通情報記録手段6と、集計画面表示手段7と、退出集計手段8と、位置設定手段9と、方位設定手段10と、交通情報出力手段11と、外部集計取得手段12と、地図表示手段13、可視化手段14と、可視化条件変更手段15と、を備えている。
【0035】
また、記憶部103には、集計された交通情報と、交通情報の集計が実施された集計位置及び方位を有する位置情報と、交通情報の集計を行った集計者情報と、が記録されている。
【0036】
入力画面表示手段3は、交通情報の入力を行う為の入力画面を、出力部106に表示させる。
【0037】
図4は、タッチパネル(入力部105並びに出力部106)を備えたスマートフォン(交通情報記録支援装置1)に、入力画面を表示した際の画面表示例である。入力画面W1は、道路画像Rと、道路画像Rと共に配置された複数のカウンタセットV1〜V4、F1〜F4と、時間表示手段によって表示された入力可能時間Tと、が表示されている。カウンタセットには、交通量の計数を行う為の複数のカウンタが含まれている。
【0038】
図示例において、道路画像Rとして、それぞれの進入路ごとに横断歩道が設けられた十字路の画像を表示している。道路画像Rは、交通量の集計を行う場所に応じて変更可能であってもよいし、本例のように固定の画像(十字路)を用いてもよい。
【0039】
例えば、実際に集計を行う個所が、南北をつなぐ道路及び当該道路から西側に延びた道路によって形成された丁字路であって場合、図示例における右側のカウンタセットを無視して(入力せずに)、調査を行うこともできる。集計を行う場所に応じて道路画像Rを変更可能に構成する場合、道路画像Rと共に表示するカウンタセットは、道路画像Rに対応するように変更されるのが好ましい。本例のように、丁字路における交通量の調査を十字路の道路画像R並びにカウンタセットを用いて利用する場合、使用しないカウンタセットを登録できるように構成してもよい。
【0040】
V1は、図中上側の進入路からの交差点に進入する車両の集計を行う為の車両カウンタである。V1Rは、図中上側の進入路から交差点に進入し、右折して図中左側の退出路に進行する車両の数を集計する為のカウンタであり、V1Lは、図中上側の進入路から交差点に進入し、左折して図中右側の退出路に進行する車両の数を集計する為のカウンタである。V1Cは、図中上側の進入路から交差点に進入し、直進して図中下側の退出路に進行する車両の数を集計する為のカウンタである。
【0041】
F1は、図中上側の横断歩道を横断する歩行者の数の集計を行う為の歩行者カウンタである。F1Rは、図中上側の横断歩道を右から左に横断する歩行者の数の集計を行う為のカウンタであり、F1Lは、図中上側の横断歩道を左から右に横断する歩行者の数の集計を行う為のカウンタである。
【0042】
V2〜V4、F2〜F4も、V1、F1と同様に、交差点への各進入路からの車両の直進及び右左折、並びに車両の右折又は左折方向への歩行者の横断をカウントすることができる。
【0043】
交通情報は、タッチパネル(入力部105)上に表示されたカウンタをタップすることによって、1加算される。また、カウンタの押し方により、集計回数を減算することができる。本例では、カウンタをロングタップすることで、ロングタップを行ったカウンタが1減算され、ご入力時の修正を行うことができる。集計回数の減算は、例えばカウンタをダブルタップする等により行われてもよい。各カウンタの下部には、カウンタごとの集計回数が表示されている。集計回数が加算または減算された際には、交通情報記録支援装置1の振動部(図示せず)が振動し、調査員にフィードバックを与える。
【0044】
また、入力画面の左上には、時間表示手段4によって、交通情報の入力を行うことが可能な時間である入力可能時間Tが表示されている。集計の開始ボタンをタップする等、集計の開始を宣言することで交通情報の入力が開始され、入力可能時間計測部(図示せず)によって入力可能時間Tがカウントされる。交通情報の入力の開始後、入力可能時間T内にカウンタが操作されると集計の回数が増加又は減少し、この時間が終了するまで交通情報の入力が行われる。集計時間は交通情報と紐付けて記憶部103に記憶される。
【0045】
入力された交通情報は、交通情報受付手段5によって受け付けられる。入力可能時間T経過後に、交通情報記録手段6によって、交通情報として記憶部103に記憶される。
【0046】
図5は、入力可能時間経過後に、集計結果を登録する際の画面表示例である。
図5(a)は、集計位置及び方位情報の設定を行う前の集計結果登録画面W2Aを示し、
図5(b)は、集計位置及び方位情報の設定を行った後の集計結果登録画面W2Bを示している。
【0047】
図5(a)に示すように、集計結果登録画面W2Aには、集計日時並びに集計位置Pと、集計画像Sと、が表示されている。この画面において、位置設定手段9によって特定された集計位置の調整と、方位設定手段10による方位情報の設定と、を行う。また、併せて、テキストなどのメモや、集計時の天気の情報などを交通情報に付随した付随情報を紐付けて記録することができる。
【0048】
位置設定手段9は、GPS受信部107を介して取得したGPS(Global Positioning System)情報並びに、調査員による手動での入力に基づいて、集計の実施位置を記録する。本例では、GPS受信部107を介して受信したGPS情報に基づいて集計を実施した位置を大まかに特定し、更に、調査員が手動で地図上のマーカーMを操作することで、正確な集計位置を特定可能にしている。
【0049】
方位設定手段10は、記録した集計画像Sに方位の設定を行う。本例では、出力部106の画面上側を北として集計画像Sを回転させることで、地図と対応した形で集計画像Sを記録することができる。本実施形態では、集計画像を、45度刻みで回転させることができ、8通りの方位で集計画像を記録することができる。集計画像Sを回転させる方法は、本例のように任意の角度単位で実施可能に構成してもよいし、自由な角度で回転可能であってもよい。なお、集計位置や方位の設定は、必ずしも集計作業の完了後に行う必要はなく、作業の開始に行われてもよいし、集計結果を確認した際に編集可能であってもよい。
【0050】
本例における集計画像Sでは、交差点からの退出数を表示するように構成されている。必ずしもこのように表示する必要はなく、入力画面W1と同様に交差点への進入数を表示しても構わないし、双方の表示の切り替えを可能に構成してもよい。
【0051】
図5(b)は、実施位置の修正及び、集計画像Sを回転させた際の集計結果登録画面W2Bの画面表示例である。
図5(b)の集計画像Sは、
図5(a)における集計画像Sを反時計回りに45度、即ち、北からの進入路を、北西からの進入路となるように回転させている。実施位置の修正及び方位情報の設定が完了したなら、集計結果を登録する。
【0052】
図6は、
図5(b)に表示した集計画像Sの部分拡大図である。集計画像Sには、入力画面W1に表示されたカウンタを介して入力された各進入路からの交通量が表示されている。また、各退出路へ進んだ車両の数は、退出集計手段8によって集計され、集計画像S上(図示例における車両計の欄)に表示されている。
【0053】
登録された集計結果は、地図表示手段13により、集計位置に応じて地図上にプロットされる。
図7は、地図上に集計結果をプロットした際の画面表示例である。
図7(a)は、地図を広域で表示した際の画面表示例であり、
図7(b)は、集計結果を一覧で表示した際の画面表示例である。
【0054】
図7(a)に示すように、地図画面W3を広域で表示した際には、記録された集計結果の件数が地域ごとに表示される。集計結果は、一覧で表示することも可能であり、図示例の画面右上に現れる「一覧表示」を選択することで、一覧画面W4が表示される。
図7(b)は、集計結果を一覧で表示した際の画面表示例である。地図上や一覧上で表示する集計結果を、集計日時や住所、天気、交通量等によってフィルタリングして表示可能であってもよい。
【0055】
図8(a)は、地図を詳細に表示した際の画面表示例である。
図8(a)は、
図7(a)に示した地図画面W3を拡大し、詳細に表示した際の画面表示例である。集計結果をプロットするために地図上に表示されたマーカーMを選択することで付随情報画面W5が表示され、交通情報に付随した付随情報が表示される。地図画面W3を詳細に表示した際には、可視化手段14によって、地図上に交通量が可視化される。本例では、交通量を2種類の矢印(A1、A2)によって可視化している。
図8(b)は、設定した可視化条件の一例を示す図である。
【0056】
本実施形態では、退出集計手段8で集計された各退出路への交通量及び集計時間に基づいて、各退出路への単位時間当たりの交通量を算出し、単位時間当たりの交通量に基づいて、地図上に交通量を可視化する方法を決定している。そして、決定した可視化方法に基づいて、地図上での交通量の可視化を行う。
【0057】
本例では、単位時間当たりの交通量に基づいて配置する矢印の種別を決定し、方位設定手段10により設定された方位情報に応じて、マーカーMを基端として矢印を配置する。
図6の集計画像Sの集計結果に対応したマーカーM1の場合、
図8(b)の可視化条件に基づいて、車両計が100を超えている南東方向への退出路に、矢印A2が配置される。この矢印の太さや色、形状等を変化させることで、交通量を、視覚的に容易に判断することができる。また、例えば地図上の道に色や模様を付けるなどして、交通量を可視化するようにしても構わない。
【0058】
なお、本実施形態では、退出路への単位時間当たりの交通量について可視化を行っているが、それに替え、又はそれに加えて、交差点への進入路ごとに交通量の可視化を行ってもよい。また、同様に、歩行者の交通量についても可視化を行ってもよい。
【0059】
また、可視化条件変更手段15を用いて、
図8(b)に示すような、可視化手段14で交通量を可視化する際の可視化条件の設定や、可視化して表示する集計結果のフィルタリングを行うことができる。
【0060】
交通情報記録支援装置1を用いて記録した集計結果は、交通情報出力手段11を介して記録部2に出力することができる。外部集計取得手段12を用いて記録部2に記憶された、他の交通情報記録支援装置1での集計結果を取得することで、地図表示手段13や可視化手段14等を用いて、他の交通情報記録支援装置1での集計結果を表示することができる。
【0061】
本実施形態では、交通情報出力手段11は、集計結果登録画面で集計結果を登録した際に、併せて記録部2に交通情報を出力している。交通情報を出力するタイミングはこれに限られず、どのようなタイミングで、自動的又は任意に出力してかまわない。
【0062】
自動的に出力を行う場合には、実際の調査を実施して得られたデータ以外にも、練習で登録したデータ等のノイズが出力される場合がある。そのため、交通情報記録支援システムには、記録部2に記憶された交通情報から、調査によって得られたデータを抽出する為の抽出機能(図示せず)が設けられているのが好ましい。抽出機能とは、例えば、集計時間が所定時間(例えば、数十秒)内の調査情報や、地図上のマーカーを手動で移動させていない調査情報等を除外してデータを取り出す機能である。
【0063】
また、複数の交通情報記録支援装置1を、ID等を用いてグルーピングしておくことで、外部集計取得手段12を介して表示する他の交通情報記録支援装置1をグループ単位で共有したり、フィルタリング可能に構成してもよい。また、地図表示手段13と同様に、集計日時や住所、天気、交通量等によってフィルタリングして表示可能であってもよい。
【0064】
次いで、
図9を用いて、交通情報の入力処理について説明する。まず、集計を行う集計時間が設定されている(ステップS1)。そして、調査員が集計位置に赴き、集計の開始ボタンをタップして、集計を開始する(ステップS2)。
【0065】
集計が開始されると、調査員は入力画面を表示してカウンタを操作し、集計を行う(ステップS3)。集計作業は、ステップS1で設定された集計時間が経過するまで行われる(ステップS4)。集計可能時の経過後(ステップS4でYes(Y))、集計処理を終了する。
【0066】
集計処理が完了したなら、各退出路への交通量が自動で集計され、集計結果登録画面に表示される(ステップS5)。調査員は、集計結果登録画面を用いて、集計を行った集計位置及び、集計画像の方位情報の設定を行う(ステップS6)。加えて、任意でコメントや天気等の補足情報を登録し(ステップS7)、集計結果の登録を行う(ステップS8)。
【0067】
次いで、
図10を用いて、地図上への交通量の可視化処理について説明する。まず、交通情報の有する各退出路への交通量及び集計時間に基づいて、単位時間あたりの各退出路への交通量が算出される(ステップS11)。単位時間あたりの各退出路への交通量は、交通情報として記録されてもよいし、表示の度に計算されてもよい。ステップS12では、可視化条件が設定される。可視化条件は予め設定された条件を用いてもよいし、任意に変更可能であってもよい。
【0068】
ステップS13では、単位時間あたりの各退出路への交通量及び可視化条件に基づいて、退出路ごとの可視化の要否や可視化方法が決定される。可視化条件に該当する交通量の退出路がある場合(ステップS14でYes(Y))、退出路の方位に基づいて可視化条件に応じたオブジェクトが地図上に配置される。
【0069】
集計処理が完了したなら、各退出路への交通量が自動で集計され、集計結果登録画面に表示される(ステップS5)。調査員は、集計結果登録画面を用いて、集計を行った集計位置及び、集計画像の方位情報の設定を行う(ステップS6)。加えて、任意でコメントや天気等の補足情報を登録し(ステップS7)、集計結果の登録を行う(ステップS8)。
【0070】
<実施形態2>
次いで、図面を用いて実施形態2に関る交通情報記録支援システムについて説明する。なお、実施形態2において、前述の実施形態1と基本的に同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を簡略化する。本実施形態では、実施形態1で行っていた車両並びに歩行者の種別を大分類として、更に車両の種類等より細かな分類で交通量の集計を行う場合について説明する。
【0071】
図11は、本発明の実施形態2に関る入力画面の画面表示例を示す図である。本実施形態に関る交通情報記録支援装置1は、種別選択手段を更に備えている。また、本実施形態における交通情報記録支援装置1は、タッチパネル(入力部105)を備えたスマートフォンであるとして説明する。
【0072】
種別選択手段は、実施形態1におけるカウンタを用いて、予め設置された計数対象の種別の情報を、交通情報に紐付けて入力することが可能である。
【0073】
本実施形態では、種別選択手段は、入力画面に表示されたそれぞれのカウンタに対するフリック入力の方向に応じて、種別情報が紐付けられた交通情報の入力を受け付ける。
図11(a)は、交通情報の入力前の入力画面(カウンタ)の部分拡大図を示し、
図11(b)は、交通情報の入力時の入力画面(カウンタ)の部分拡大図を示す。
【0074】
ユーザは、タッチパネルに表示された入力画面中の歩行者カウンタ(図中のF3L)を選択し、すぐ指を離す(タップする)と、「歩行者」の人数を入力することができる。
【0075】
ユーザは、タッチパネルに表示された入力画面中の歩行者カウンタ(図中のF3L)を選択し、その状態を維持(ロングタップ)することで、種別選択手段により、種別選択領域FFが表示される。種別選択領域には、予め設定された種別ごとのアイコンが表示される。
【0076】
対応するアイコンの方向に指をスライド(フリック)させることで、種別ごとの通過数を入力することができる。
図11(b)では、種別選択領域FFが、カウンタF3Lが表示されていた個所に種別FF0を、その上側にアイコンFF1を備えた形で表示される。歩行者のアイコンFF0側から自転車のアイコンFF1方向(図中上方向)にフリックすることで、自転車の種別が紐づけられた交通情報を入力することができる。即ち、歩行者の通過数並びに自転車の通過数を、1のカウンタでそれぞれ計数することが可能である。
【0077】
図12(a)は、交通情報の入力時の入力画面の部分拡大図を示し、
図12(b)は、別の例における交通情報の入力時の入力画面の部分拡大図を示し、
図12(c)は、別の例における種別選択領域の表示例を示す。
【0078】
ユーザは、タッチパネルに表示された入力画面中の車両カウンタ(図中のV3L)を選択し、すぐ指を離す(タップする)と、「小型乗用車」の数を計数することができる。
【0079】
ユーザは、タッチパネルに表示された入力画面中の車両カウンタ(図中のV3L)を選択し、その状態を維持(ロングタップ)することで、種別選択手段により、種別選択領域VFが表示される。種別選択領域には、予め設定された種別ごとのアイコンが表示される。
【0080】
図12(a)では、種別選択領域VFが、カウンタV3Lが表示されていた個所に種別VF0を、VF0の上側にアイコンVF1を、VF0の右側にアイコンVF2を、VF0の下側にアイコンVF3を、VF0の左側にアイコンVF4を備えた十字形の形状で表示される。
【0081】
また、車両カウンタをロングタップして種別選択領域VFを表示させ、アイコンVF0を選択すると、最先のカウント1件を減算することができる。VF0側からアイコンVF1方向(図中上方向)にフリックすることで、トラックの種別が紐づけられた交通情報を入力することができる。VF0側からアイコンVF2方向(図中右方向)にフリックすることで、バスの種別が紐づけられた交通情報を入力することができる。VF0側からアイコンVF3方向(図中下方向)にフリックすることで、大型乗用車の種別が紐づけられた交通情報を入力することができる。VF0側からアイコンVF4方向(図中左方向)にフリックすることで、タクシーの種別が紐づけられた交通情報を入力することができる。
【0082】
図12(b)は、別の例における交通情報の入力時の入力画面の部分拡大図である。図示例における種別選択領域VFは、アイコンVF0として「小型乗用車」のアイコンが表示されている。タッチパネルに表示された入力画面中の車両カウンタ(図中のV3L)をタップすると、「小型乗用車」の交通情報を入力することができる。同様に、種別選択領域VFを表示させ、アイコンVF0を選択すると、小型乗用車の交通情報を入力することができる。
【0083】
図12(c)は、別の例における種別選択領域の表示例である。図示例における種別選択領域VFは、アイコンVF0を円心として、アイコンVF1〜VF4が放射状に配置された扇形の形状をしている。
【0084】
図11、
図12に示すように、種別選択領域の形状は、I字型(
図11(b))や、十字型(
図12(a))、扇形(
図12(c))などを適善採用可能である。また、種別選択領域に表示される種別等、加算や減算(
図12(a))も任意に設定してかまわない。種別選択領域上に表示されるアイコンに、集計した種別ごとの交通量を表示するように構成してもよい。
【0085】
また、本例では、フリック入力により入力する交通情報の種別、加算・減算を指定しているが、その他の入力方法で入力を識別するようにしてもよい。例えば、タッチパネルを押圧する強さ、2本以上の指での選択・スライド入力(マルチタッチ)、任意の図形や文字、を描くジェスチャ入力、又はそれらの組み合わせなどによって、交通情報の加算または減算を行うように構成しても構わない。
【0086】
図13は、実施形態2における集計画面の画面表示例である。
図13(a)は、集計画像Sの部分拡大図を示し、
図13(b)は、別の例における表示選択領域の表示例を示す。本実施形態における集計画像Sは、表示選択領域Cを備えている。表示選択領域Cは、集計画像Sに表示する交通情報の種別を選択する為の領域であり、本例では、種別ごとの表示アイコンC0〜C7を備えている。
【0087】
表示選択領域Cで希望の1以上の表示アイコンを選択し、種別を選択することで、集計画像Sに表示させる交通情報の種別を設定可能に構成されている。
図13(a)では、集計したすべての交通情報の件数の総計を表示する為の表示アイコンC0を選択し、当該調査において集計したすべての交通情報を集計画像Sに表示している。
【0088】
図13(b)は、小型乗用車に関する表示アイコンC1、大型乗用車に関する表示アイコンC2、歩行者に関する表示アイコンC6、自転車に関する表示アイコンC7を選択した際の表示選択領域Cの一例を示している。本例では、集計画像Sの下方に表示選択領域Cを設けているが、どのような位置に設けても構わない。
【0089】
次いで、
図14を用いて、入力画面において、種別選択領域を用いて種別ごとの交通情報を入力する際の処理について説明する。本フローチャートでは、
図12(a)の種別選択領域VFを用いて入力を行う場合の例について説明する。
【0090】
交通情報の集計が開始され、計測時間内か否かが判断される(ステップS21)。計測時間内に車両カウンタVが選択されると、ユーザの入力の判断がなされ、選択された種別に応じた交通情報の加算、乃至は減算が行われる(ステップS22)。
【0091】
まず、入力画面に表示された車両カウンタがロングタップされたか否かが判断される(ステップS23)。車両カウンタVがロングタップされていない場合(ステップS23でNo(N))、即ち通常のタップが行われた場合、小型乗用車の種別が選択されたと判断し、小型乗用車の種別が紐付けられた交通情報を1加算する(ステップS24)。車両カウンタVがロングタップされた場合(ステップS23でYes(Y))、フリック入力の要求がなされたと判断し、種別選択領域VFを表示する(ステップS25)。
【0092】
次いで、種別選択領域VFにおけるユーザの入力を判断する(ステップS26)。種別選択領域VFの表示後、上方向にフリック入力された場合(ステップS26でYes(Y))、トラックの種別が選択されたと判断し、トラックの種別が紐付けられた交通情報を1加算する(ステップS27)。
【0093】
右方向にフリック入力された場合(ステップS28でYes(Y))、バスの種別が選択されたと判断し、バスの種別が紐付けられた交通情報を1加算する(ステップS29)。左方向にフリック入力された場合(ステップS30でYes(Y))、タクシーの種別が選択されたと判断し、タクシーの種別が紐付けられた交通情報を1加算する(ステップS31)。
【0094】
下方向にフリック入力された場合(ステップS32でYes(Y))、大型乗用車の種別が選択されたと判断し、大型乗用車の種別が紐付けられた交通情報を1加算する(ステップS33)。真ん中が選択された場合(ステップS34でYes(Y))、即ち、種別選択領域VFを表示後、フリック入力を行わずに指を離した場合、直前に入力された種別の交通情報の減算が選択されたと判断し、直前に入力された種別の交通情報を1減算する(ステップS35)。
【0095】
本実施形態によれば、異なる進入路からの車両の交通量や歩行者の交通量を、一人の調査員のみで集計することが可能となる。また、入力画面に、交通情報を入力する為のカウンタ及び道路画像が表示されることで、調査員は、直観的にカウンタを操作し、交通量の集計を実施することができる。
【0096】
また、フリック入力などの入力方法を利用して、車両や歩行者よりも、更に細かな種別を指定して、交通情報を入力することができる。
【0097】
また、退出路への進行を自動で集計することで、ある退出路への進行の総計を、容易に集計することが可能となる。
【0098】
また、集計結果を道路画像上や地図上に配置したり、交通量を地図上に可視化することで、集計結果を直観的に設定することができる。
【0099】
また、複数の交通情報記録支援装置で記録した交通情報を一括で管理し、確認することができる。そのため、例えば、複数台の交通情報記録支援装置を用いて各地で収集した交通情報を、本部のPCなどでまとめて確認することができる。
【解決手段】交通情報を記録するための交通情報記録支援システムであって、交通情報の入力を行うために、交通情報を入力するためのカウンタセット及び、道路画像Rが表示される入力画面を表示する入力画面表示手段3と、入力された交通情報に、前記交通情報の入力を行った位置情報を紐付ける位置設定手段と、を備え、前記カウンタセットは、ある進入路から交差点への進行について、直進又は右左折の少なくとも1以上を入力可能な1組の車両カウンタVを、進入路を異にして複数含むことを特徴とする。