(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6198907
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】シトラールの残存量を向上させた、柑橘類果実様香味組成物及びそれを含有した製品
(51)【国際特許分類】
C11B 9/00 20060101AFI20170911BHJP
A23L 27/10 20160101ALI20170911BHJP
A61K 8/35 20060101ALI20170911BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20170911BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20170911BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20170911BHJP
C12G 3/06 20060101ALI20170911BHJP
A23L 2/38 20060101ALI20170911BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20170911BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20170911BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20170911BHJP
【FI】
C11B9/00 J
A23L27/10 C
A61K8/35
A61K8/9789
A61Q13/00 102
A61Q19/00
C12G3/06
A23L2/38 C
A23L2/26
A23L2/00 B
A23L33/105
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-160166(P2016-160166)
(22)【出願日】2016年8月17日
【審査請求日】2016年10月18日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)▲1▼ウェブサイトの掲載日 平成28年2月18日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス http://www.asahibeer.co.jp/news/2016/0218.html ▲1▼ウェブサイトの掲載日 平成28年2月18日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス http://www.asahibeer.co.jp/mogitate/ ▲1▼ウェブサイトの掲載日 平成28年2月18日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス http://www.asahibeer.co.jp/products/sour/mogitate/ ▲1▼ウェブサイトの掲載日 平成28年3月29日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス http://www.asahibeer.co.jp/news/2016/0329_2.html ▲1▼ウェブサイトの掲載日 平成28年3月29日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス http://www.asahibeer.co.jp/mogitate/tvcm.html ▲1▼ウェブサイトの掲載日 平成28年3月29日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス http://cm.asahibeer.co.jp/contents/movie/mogitate_sengen01_15/plyer/index.php ▲1▼ウェブサイトの掲載日 平成28年3月29日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス http://cm.asahibeer.co.jp/contents/movie/mogitate_kashou01_15/player/index.php ▲1▼ウェブサイトの掲載日 平成28年4月5日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス http://cm.asahibeer.co.jp/contents/movie/mogitate_24chousen01_60/player/index.php ▲1▼ウェブサイトの掲載日 平成28年4月5日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス http://cm.asahibeer.co.jp/contents/movie/mogitate_24chousen01_30/player/index.php 特30条記事欠損あり
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】311007202
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100173185
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 たまみ
(72)【発明者】
【氏名】田中 善久
【審査官】
吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−031230(JP,A)
【文献】
特開2007−039610(JP,A)
【文献】
特開2004−292778(JP,A)
【文献】
特開2004−018613(JP,A)
【文献】
特開2004−016056(JP,A)
【文献】
特開2008−031060(JP,A)
【文献】
特開2002−180081(JP,A)
【文献】
特開2016−116476(JP,A)
【文献】
特開2016−189768(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/043276(WO,A1)
【文献】
特開2014−122187(JP,A)
【文献】
第46回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会・国際精油シンポジウム合同大会講演要旨集,2002年,p.133-135
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11B 9/
A23L 2/
A23L 27/
C12C
C12G
C12F
C12H
C12J
C12L
A61K 8/
A61Q
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柑橘類果実様香味組成物であって、
シトラールと、シトラール分解抑制剤とを含んでなり、
前記シトラール分解抑制剤が、ブドウ種子抽出物、ビルベリー抽出物、アムラ抽出物、ルブス抽出物、赤ワインもろみ抽出物及びクランベリー抽出物から選択される一種又は二種以上の混合物であり、
前記柑橘類果実様香味組成物を4℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「Y」とし、
前記柑橘類果実様香味組成物を37℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「X」とした場合、数式:X/Y≧0.12(数式1)を満たすことを特徴とする、柑橘類果実様香味組成物。
【請求項2】
前記柑橘類果実様香味組成物のpHが3.3以上4.1以下である、請求項1に記載の柑橘類果実様香味組成物。
【請求項3】
前記シトラール分解抑制剤がpH調整剤をさらに含んでなるものである、請求項1又は2に記載の柑橘類果実様香味組成物。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の柑橘類果実様香味組成物を含んでなる、製品。
【請求項5】
前記製品が、飲料、食料品、調味料、嗜好品、香水、化粧品又は生活用品である、請求項4に記載の製品。
【請求項6】
前記飲料が、アルコール飲料又はノンアルコール飲料である、請求項5に記載の製品。
【請求項7】
柑橘類果実様香味組成物を製造する方法であって、
シトラールと、シトラール分解抑制剤とを混合してなり、
前記シトラール分解抑制剤が、ブドウ種子抽出物、ビルベリー抽出物、アムラ抽出物、ルブス抽出物、赤ワインもろみ抽出物及びクランベリー抽出物から選択される一種又は二種以上の混合物であり、
前記混合が、
前記柑橘類果実様香味組成物を4℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「Y」とし、
前記柑橘類果実様香味組成物を37℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「X」とした場合、数式:X/Y≧0.12(数式1)を満たすものである、柑橘類果実様香味組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シトラールの残存量を向上させた、シトラールと、シトラール分解抑制剤とを含んでなる柑橘類果実様香味組成物及びそれを含有した製品に関する。
【背景技術】
【0002】
シトラールは、柑橘類果実様香味、特に、レモン様香味を有する成分としてよく知られている。
また、シトラールは、熱、光、酸素、酸性等の外的要因又は経時的要因によって、その化学構造が変化することが知られている。その結果、シトラールを含有した飲料は、柑橘類果実様香味(特に、レモン様香味)が経時的に減少することから、シトラールによる柑橘類果実様香味感、とりわけ、柑橘類果実(特に、レモン果実)をもぎたて搾り立てした際の果汁感又は新鮮感が失われることがある。
さらに、シトラールは、先の外的要因又は経時的要因によって、その化学構造が変化し、別の劣化化合物が生じることも知られている。特に、シトラールが劣化した劣化化合物には劣化臭を放つものが存在し、シトラールを含有した製品にその劣化臭を付与することがある。
【0003】
従来、シトラール劣化によって生じた劣化化合物に起因する劣化臭を抑制するため、例えば、特許文献1(特開2007−039610号公報)では、クエン酸カリウムを含有し、pHを調製した、レモンフレーバーの香気劣化抑制方法が提案されている。特許文献2(特開2007−319050号公報)では、アスコルビン酸ナトリウムを含有し、pHを調製した、レモンフレーバーの香気劣化抑制方法が提案されている。特許文献3(特開2007−282593号公報)では、サイクロデキストリンを含有し、香気劣化抑制を施した酸性飲料が提案されている。特許文献4(特開2015−123008号公報)では、柑橘系香味成分の経時変化に着目し、柑橘系香味の劣化を抑制した、レモン風味飲料が提案されている。
【0004】
しかしながら、従来技術では、シトラールの劣化化学物質による劣化臭の発生抑制方法及び劣化臭を消臭する方法を多数提案しているが、未だ、外的要因又は経時的変化によっても、シトラールの分解を有効に抑制し、シトラールを有意量残存させた柑橘類果実様香味組成物及びそれを含有した製品は開発されていない。
【0005】
また、シトラールは柑橘類果実様香味(特に、レモン香味)を有するものであり、シトラールを含有する製品は、柑橘類果実様香味による酸味感と爽快感を消費者に提供するものである。
【0006】
しかしながら、シトラールの残存率を向上させつつ、柑橘類果実様香味、とりわけ、レモン香味(特に、酸味感及び爽快感)とを兼ね備えた柑橘類果実様香味組成物及びそれを含有してなる製品は十分に提供されていない。従って、このような製品を開発することができれば、消費者に、優れた嗜好性と機能性を兼ね備えた製品を提供することが可能となる。
【0007】
よって、今尚、シトラールの残存率を向上させた柑橘類果実様香味組成物及びそれを含有した製品の開発が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−039610号公報
【特許文献2】特開2007−319050号公報
【特許文献3】特開2007−282593号公報
【特許文献4】特開2015−123008号公報
【発明の概要】
【0009】
本発明者等は、今般、シトラールに併用される、優れたシトラール分解抑制剤を採用することにより、シトラールが外的要因又は経時的要因に曝されても、シトラールの分解が高い次元において抑制され、高い有意量で残存することができることを見出した。従って、本発明は、係る知見に基づいてなされたものである。
【0010】
よって、本態様によれば、柑橘類果実様香味組成物であって、
シトラールと、シトラール分解抑制剤とを含んでなり、
前記柑橘類果実様香味組成物を4℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「Y」とし、
前記柑橘類果実様香味組成物を37℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「X」とした場合、数式:X/Y≧0.12(数式1)を満たすことを特徴とする、柑橘類果実様香味組成物を提案することができる。
【0011】
また、別の好ましい態様によれば、柑橘類果実様香味組成物の製造方法であって、
シトラールと、シトラール分解抑制剤とを混合してなり、
前記柑橘類果実様香味組成物を4℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「Y」とし、
前記柑橘類果実様香味組成物を37℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「X」とした場合、数式:X/Y≧0.12(数式1)を満たすように行うことを特徴とする、柑橘類果実様香味組成物の製造方法を提案することができる。
【0012】
〔好ましい態様〕
好ましい態様は以下の通りである。
〔1〕 柑橘類果実様香味組成物であって、
シトラールと、シトラール分解抑制剤とを含んでなり、
前記柑橘類果実様香味組成物を4℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「Y」とし、
前記柑橘類果実様香味組成物を37℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「X」とした場合、数式:X/Y≧0.12(数式1)を満たすことを特徴とする、柑橘類果実様香味組成物。
〔2〕 前記柑橘類果実様香味組成物のpHが3.3以上4.1以下である、〔1〕に記載の柑橘類果実様香味組成物。
〔3〕 前記シトラール分解抑制剤が、植物抽出物及び/又はpH調整剤である、〔1〕又は〔2〕に記載の柑橘類果実様香味組成物。
〔4〕 〔1〕〜〔3〕の何れか一項に記載の柑橘類果実様香味組成物を含んでなる、製品。
〔5〕 前記製品が、飲料、食料品、調味料、嗜好品、香水、化粧品又は生活用品である、〔4〕に記載の製品。
〔6〕 前記飲料が、アルコール飲料又はノンアルコール飲料である、〔5〕に記載の製品。
〔7〕 柑橘類果実様香味組成物を製造する方法であって、
シトラールと、シトラール分解抑制剤とを混合してなり、
前記混合が、
前記柑橘類果実様香味組成物を4℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「Y」とし、
前記柑橘類果実様香味組成物を37℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「X」とした場合、数式:X/Y≧0.12(数式1)を満たすものである、柑橘類果実様香味組成物の製造方法。
〔8〕 シトラールの分解を抑制する方法であって、
シトラールに、シトラール分解抑制剤を付与し、
4℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「Y」とし、
37℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「X」とした場合、数式:X/Y≧0.12(数式1)を満たすものである、シトラール分解抑制方法。
【0013】
本発明によれば、シトラール分解抑制剤を採用することにより、シトラールが外的要因又は経時的要因によっても、シトラールの分解が抑制されるため、より多くのシトラールを添加することができ、高い有意量でシトラールを残存させることから、柑橘類果実様香味感〔とりわけ、レモン香味感(特に、果汁感、新鮮感及び爽快感)〕を製品に持続的に付与することが可能となる。
【0014】
この結果、本発明による柑橘類果実様香味組成物及び柑橘類果実様香味組成物を含有する製品は、シトラールを製品に継続的に含有させることが可能となる。さらに、シトラール分解抑制剤を含有しシトラールの残存率を向上させつつ、柑橘類果実様香味感とを兼ね備えた製品、好ましくは、ある程度pH値の高い製品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔定義〕
(シトラール)
シトラール(C
10H
16O)は、ゲラニアールとネラール(立体異性体)という化合物として存在し、一般には、精油に含まれる芳香成分の一つとして知られている。シトラールは、レモングラス、メリッサ(レモンバーム)、レモンバーベナ等の植物に多く含まれており、また、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、レモン、ライム等の柑橘系果実、並びに、山椒、生姜等の野菜に含まれている。
また、シトラール香料(柑橘系香料)は、強いレモン香を呈し、抗菌作用、鎮痙及び発汗作用に優れるという効果を有することから、従来、様々な飲食料品及び生活用品に使用されている。
しかし、シトラールは、柑橘類果実様香味(特に、強いレモン香味)を有するものであるが、製品に、例えば低濃度(例えば、1桁mg/Lオーダー程度)で含有させた場合、十分なレモン果汁の香味を呈することは困難である。
また、シトラールは、加熱、光、酸性物質、酸素等の外的要因によって、或いは、製品の保存、搬送、陳列等による経時変化によって、シトラールの化学構造が、環化、水和、異性化等の反応により変化し、シトラール自体が分解され、その結果、劣化化学物質、例えば、p−クレゾール、p−サイメン、p−メチルアセトフェノン等の化合物に変化することがある。しかもこれら劣化化合物は臭気を放ち、製品に好ましくない臭い(オフフレーバー)を付与することがある。
【0016】
(シトラール分解抑制剤)
「シトラール分解抑制剤」とは、上記した通り、外因的要因又は経時的変化により生じる、シトラール自体の分解を抑制する剤である。
具体的には、シトラール分解抑制剤は、シトラール含有製品に混合されると、シトラールの分解を抑制し、シトラールを有意量残存させることが可能となり、その結果、製品に、柑橘類果実〔例えば、レモン、ライム、グレープフルーツ、オレンジ〕をもぎたて搾り立てした際の果汁感、新鮮感及び爽快感を継続的に付与することが可能となる。
【0017】
(植物抽出物)
「植物抽出物」は、植物の根、葉、茎、果実等から抽出した物質である。抽出物は、一般的な抽出方法によって得ることができ、例えば、原料(果実及び葉等)を、圧搾法、溶媒抽出法、油脂(温浸透又は冷浸透)吸着法、超臨界抽出法等によって、抽出することができる。飲食料品に使用する場合には、厚生労働省、消費者庁等所管のガイドライン及び食品衛生法等の規定に基づいて抽出する。
【0018】
(添加量・含有量)
本発明にあっては、添加量・含有量は、本明細書において特にことわりがない限り、基本的に、mg/L、即ち、ppm(質量/体積)にて表す。
【0019】
〔柑橘類果実様香味組成物〕
(シトラール及びシトラール分解抑制剤)
本発明による柑橘類果実様香味組成物は、シトラールと、シトラール分解抑制剤とを含んでなり、
前記柑橘類果実様香味組成物を4℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「Y」とし、
前記柑橘類果実様香味組成物を37℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「X」とした場合、数式:X/Y≧0.12(数式1)を満たすことを特徴とするものである。
【0020】
シトラール分解抑制剤は、シトラール分解を抑制する物質であればいずれのものであってもよく、好ましくは、植物抽出物及び/又はpH調整剤であり、より好ましくは、植物抽出物及びpH調整剤の組み合わせである。
【0021】
植物抽出物とpH調整剤とを含有することにより、シトラール分解抑制剤としての機能作用を十分に達成することができるとともに、所望のシトラール感、とりわけ、レモン香味感(酸味感、爽快感、及び新鮮感)を付与することが可能となる。
【0022】
シトラール及びシトラール分解抑制剤の添加量は、上記数式1を満たすように適宜定めて行うこととなる。従って、上記数式1を満たすように添加されることから、シトラールの添加量の大小に拘らず、シトラール分解抑制剤の添加によって、シトラールの残存量を高い次元において達成させることになる。一般的に、シトラールは、それを含有する製品全質量に対して、小数点2桁オーダーmg/L以上であり2桁オーダーmg/L以下であり、好ましくは、小数点1桁オーダーmg/L以上であり1桁オーダーmg/L以下で添加されてよい。シトラール分解抑制剤の添加量もまた、上記数式1を充足するように、シトラールの添加量に合わせて定められる。本発明にあっては、シトラールの添加量が高い場合に(1桁オーダーmg/L近傍以上)、シトラールの残存量を高い有意量とすることが可能である。
【0023】
〈植物抽出物〉
植物抽出物としては、カリン抽出物、マンゴー抽出物、マンゴスチン抽出物、ミロバラン抽出物、ザクロ抽出物、カカオ抽出物、アシタバ抽出物、アボカド抽出物、オオバコ抽出物、ルブス抽出物、オリーブ果実及び葉抽出物、バンレイシ属植物の果皮抽出物、杜仲葉抽出物、エンメイソウ抽出物、ハイビスカス抽出物、ビート抽出物、ライチ種子抽出物、月見草種子抽出物、タヒボ抽出物、グァバ葉抽出物、マリーゴールド抽出物、ブラッククミン抽出物、マリアアザミ抽出物、アーティチョーク抽出物、アイブライト抽出物、エキナセアプルプレア抽出物、エキナセアアングスティフォリア抽出物、エキナセアパリダ抽出物、オリーブ抽出物、ブドウ種子抽出物、ビルベリー抽出物、赤ワインもろみ抽出物、ルブス抽出物、クランベリー抽出物及びアムラ抽出物から選択される一種又は二種以上の混合物を用いることができる。好ましくは、オリーブ抽出物、ブドウ種子抽出物、ビルベリー抽出物、アムラ抽出物、ルブス抽出物、赤ワインもろみ抽出物及びクランベリー抽出物である。
【0024】
これら抽出物は、市販されており、例えば、オリーブ抽出物としては、サンブライト株式会社製「OLIVEX(登録商標)HT6」やINDENA社製「OLEASELECT(登録商標)」等、ブドウ種子抽出物としては、サンブライト株式会社製「exGrape(登録商標)Seed OPC30」等、ビルベリー抽出物としては、インデナジャパン株式会社製「ミルトセレクト(登録商標)」等、アムラ抽出物としては、株式会社サビンサジャパンコーポレーション製「サベリー(登録商標)」等、ルブス抽出物としては、丸善製薬株式会社製「ルブス乾燥エキスF」等、赤ワインもろみ抽出物としては、サンブライト株式会社製「exGrape(登録商標)Total PPR」等、として入手することが可能である。
【0025】
(ポリフェノール)
前記抽出物は、好ましくは、有効成分として、ポリフェノールを含んでなる。ポリフェノールは、フラボノイド系物質、プロアントシアニジン系物質、テアフラビン系物質、テアルビジン系物質、フェニルプロパノイド系物質、フェニルエタノイド系物質、エラジタンニン系物質、ガロタンニン系物質、カルコン類物質、スチルベン誘導体系物質、リグナン系物質、クルクミノイド系物質及びクマリン系物質からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物であってよく、好ましくは、プロアントシアニジン系物質、エラジタンニン系物質、ガロタンニン系物質からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物を使用することができる。
【0026】
フラボノイド系物質は、フラボン類物質、フラボノール類物質、イソフラボン類物質、フラバン類物質、フラバノール(カテキン)類物質、フラバノン類物質、フラバノノール類物質、オーロン類物質、及びアントシアニジン類物質からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物であってよく、いずれのものを有意に使用することができる。
【0027】
(特定のポリフェノール)
好ましい態様によれば、ポリフェノールは、ガロタンニン、エラジタンニン、プロアントシアニジン、及びフェニルエタノイド系物質からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物が好ましくは使用される。
【0028】
〈pH調整剤〉
pH調整剤の具体例としては、アジピン酸、クエン酸、クエン酸(三)ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸これらの塩(カリウム塩、ナトリウム塩)、及び、分子内に共役二重結合を有するジカルボン酸又はその金属塩(例えば、フマール酸、イタコン酸及びこれらの金属塩)等が挙げられる。好ましくは、分子内に共役二重結合を有するジカルボン酸又はその金属塩が用いられる。pH調整剤は、酸味料としても使用可能である。
【0029】
(任意成分)
本発明にあっては、柑橘類果実様香味組成物は、必要に応じて、任意成分を含んでなるものであってよい。従って、後記する「製品」において添加される成分を予め含有するものであってもよい。この場合、柑橘類果実様香味組成物が製品であってよく、例えば、チューハイ等のアルコール飲料とされる。
【0030】
〈劣化臭消臭剤〉
シトラールは経時的に劣化され易い化合物であり、劣化臭生成化合物を生成し易いものである。本発明にあっては、任意成分として、劣化臭消臭剤を添加してもよい。
【0031】
「劣化臭消臭剤」の具体例としては、難消化性デキストリン、バニリン、マルトール、エチルマルトール、オクタン酸エチル、2−ウンデカノン、エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、α−ターピネオール、クベボール、δカジネン、エピガロカテキン、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート;酵素処理ルチン、クエルセチン、フェルラ酸、カフェー酸、ロズマリン酸、シリンガ酸、没食子酸、エリオシトリン、エリオシトリン含有物等から選択される一種又は二種以上の混合物を用いることができる。
【0032】
〔柑橘類果実様香味組成物の製造方法〕
柑橘類果実様香味組成物の製造方法は、シトラールと、シトラール分解抑制剤とを混合してなり、
前記柑橘類果実様香味組成物を4℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「Y」とし、
前記柑橘類果実様香味組成物を37℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「X」とした場合、数式:X/Y≧0.12(数式1)を満たすものである。
【0033】
〔シトラール分解抑制方法〕
シトラールの分解を抑制する方法であって、
シトラールに、シトラール分解抑制剤を付与し、
4℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「Y」とし、
37℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「X」とした場合、数式:X/Y≧0.12(数式1)を満たすものである、シトラール分解抑制方法。
【0034】
〔製品〕
(必須成分)
好ましい別の態様によれば、シトラール分解抑制剤又は前記柑橘類果実様香味組成物を含有した製品を提案することができる。
前記製品において、柑橘類果実様香味組成物は、シトラールの添加量と、シトラール分解抑制剤の添加量とが上記数式(1)を充足するように、含有されてなる。
【0035】
「製品」は、飲料、食料品、調味料、嗜好品(お菓子、珍味)、飲食料品以外では、香水、化粧品等の美容用品;入浴剤、芳香剤、洗剤、洗口剤等の生活用品等が挙げられる。例えば、チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒等のアルコール飲料;果汁飲料、野菜飲料、スポーツドリンク、ハチミツ飲料、豆乳、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料、乳飲料などのソフト飲料;果汁入り炭酸飲料、乳類入り炭酸飲料、エキス入り飲料等の炭酸飲料;緑茶、紅茶、ウーロン茶、ハーブティー、ミルクティー、コーヒー飲料等の嗜好飲料;アイスクリーム、ラクトアイス、氷菓、ヨーグルト、プリン、ゼリー、ディリーデザート等のデザート食品及びそれらを製造するためのミックス原料;キャラメル、キャンディー、錠菓、クラッカー、ビスケット、クッキー、パイ、チョコレート、スナックなどの菓子及びそれらを製造するためのミックス原料;バター、チーズ、ミルク、ヨーグルトなどの乳製品;レトルト食品、パン、スープ、各種インスタント食品などの一般食品類、香水、化粧品、オーラルケアー商品等を挙げることができる。
【0036】
(任意成分)
製品は、任意成分として、色素、香料、甘味料、酸味料、pH調整剤、酸化防止剤、保存料、ビタミン類、旨み成分、食物繊維、安定化剤、乳化剤、香水又化粧品添加物、又は、医薬部外品用添加物等を含有することが可能である。これらは、厚生労働省、消費者庁等において定められたガイドライン及び関連法規(食品衛生法等)に規定されたものを用いる。
【0037】
〈甘味料〉
甘味料としては、例えば、果糖、砂糖、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖、麦芽糖、ショ糖、高果糖液糖、糖アルコール、オリゴ糖、はちみつ、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)、水飴、ステビア末、ステビア抽出物、羅漢果末、羅漢果抽出物、甘草末、甘草抽出物、ソーマトコッカスダニエリ種子末、ソーマトコッカスダニエリ種子抽出物などの天然甘味料や、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アスパルテーム、サッカリンなどの人工甘味料などが挙げられる。
【0038】
また、高甘味度甘味料、糖類及び糖アルコールが挙げられる。高甘味度甘味料の具体例としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(K)、キシリトール、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ネオテーム、アラビノース、カンゾウ抽出物、キシロース、ステビア、タウマチン、ラカンカ抽出物、ラムノース及びリボースが挙げられる。糖類の具体例としては、異性化糖、ブドウ糖、果糖、砂糖、麦芽糖及び乳糖が挙げられる。糖アルコールの具体例としては、還元麦芽糖水飴、エリスリトール、キシリトール及びマルチトールが挙げられる。
【0039】
〈色素〉
色素の具体例としては、カラメル、アントシアニン色素、フラボノイド色素、カロテノイド色素、キノン色素、ポリフィリン、ジケトン色素、ベタシアニン色素、アザフィロン色素、クチナシ色素等が挙げられる。
【0040】
〔飲料〕
より好ましい態様によれば、シトラールと、シトラール分解抑制剤(柑橘類果実様香味組成物)を含有した飲料を提案することができる。飲料については、上記に記載したものが例示され、大別して、アルコール飲料とノンアルコール飲料とに類別される。
【0041】
ノンアルコール飲料は、実質的にアルコールを含まないアルコールテイストの飲料である。ノンアルコール飲料には、ノンアルコールビール(ビールテイスト飲料)、ノンアルコールワイン、ノンアルコールカクテル、ノンアルコール酎ハイ(酎ハイテイスト飲料)、ノンアルコール日本酒及びノンアルコール焼酎(焼酎テイスト飲料)等が含まれる。ノンアルコール飲料のアルコール濃度は、酒税法上は温度15度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量が1%未満であると定義される。
【0042】
アルコール飲料は、ビール、酎ハイ、カクテル、発泡酒等が挙げられる。ベースとなるアルコールは、飲料として許可されたアルコールであってよく、べースアルコールとしては、醸造酒又は蒸留酒(好ましい)であってよい。蒸留酒としては、好ましくは、焼酎、ウォッカ、ジン、ラム等であってよい。アルコール飲料は、そのアルコール添加量は特に限定されるものではないが、製品特性、酒税法等を考慮して適宜調整できる。アルコール含有量は30容量%以下、より好ましくは10容量%以下、さらにより好ましくは、2容量%以上10容量%以下である。
【0043】
(飲料製造方法)
柑橘類果実様香味組成物を含有した飲料の一般的な製造方法は、概説すると以下の通りである。シトラールとシトラール分解抑制剤(柑橘類果実様香味組成物)と、任意成分と、飲用水(炭酸水)、必要に応じてベースアルコールとを所定の量で準備し、これらを混合する。次に、混合液を冷却し、必要に応じてカーボネーションを行う。その後、容器に充填・密封することにより、所望の柑橘類果実様香味の飲料を得ることができる。容器に充填する前に膜ろ過フィルターを用いてろ過してもよい。また、濃厚な状態で中間液を作成した後に、炭酸水を含有して飲料を調製してもよい。
【0044】
〔容器詰め製品(飲料)〕
別の好ましい態様によれば、柑橘類果実様香味組成物を含有した製品を容器に詰めた容器詰製品を提案することができる。容器詰飲料とすることにより、柑橘類果実様香味感、とりわけ、柑橘類果実をもぎたて搾り立てした際の果汁感及び新鮮感を付与し、促進させると伴に、柑橘類果実様飲料の提供利便性、流通利便性、保存性、品質劣化防止を図ることが可能となる。
容器は、内容物が漏洩しない材料であれば、ビニール、プラスチック、ガラス、金属、紙、木又は皮等で、様々な形状で形成された容器に詰めることができる。より好ましい態様によれば、容器の内外に、光、熱、酸素、紫外線等を遮断するための素材(たとえば、金属箔)を備えたものであってよい。
【実施例】
【0045】
以下の実施例により、本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は下記実施例に限定して解釈されるものではない。また、以下の実施例は、本発明の実施態様の一例を示すものであるが、これら実施例により当業者は本発明の全ての範囲について容易に実施することができること当然に理解するものである。
【0046】
〔分析〕
実施例、比較例の飲料中に含まれる各成分は、ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)を用いて定量を行った。GC/MS分析の手順は以下の通りであった。
【0047】
(シトラール分析方法)
〈分析用試料調製〉
試料を5.0g秤量し、内部標準としてリナロール−d5を200μL添加した上で、45mLの水で希釈した。次に、アセトニトリル浸漬及び加熱にてコンディショニングを行ったTwister(PDMS,0.5mmx20mm)を希釈した試料に投入し、40℃、2時間の撹拌吸着反応を行ったものを分析用試料とした。なお、試料調製は2点並行して行った。
【0048】
〈定量方法〉
分析用試料中のシトラールの量は、内部標準(リナロール−d5)とのピーク面積比から計算した。また、同一試料について2点並行で行った分析値の平均値を試料中の成分量であるものとして定量を行った。
【0049】
〈GC条件〉
装置:測定には昇温気化型注入口(CIS4,Gerstel社製)、加熱脱着ユニット(TDU, Gerstel社製)およびLTMカラム(1st:DB−WAX,20m×0.18mm;0.3μm、2nd:DB−5,10m×0.18mm;0.4μm,Agilent Technologies社製)を搭載した7890B GC System(Agilent Technologies社製)、5977A MSD(Agilent Technologies社製)を使用した。
TDU:20℃(1min)−(720℃/min)−250℃(3min)
CIS:−50℃(1.5min)−(12℃/min)−240℃(60min)
スプリット比:30:1
注入口圧:508.28kPa
ベント圧:314.11kPa
1stカラム温度:40℃(3min)−(5℃/min)−180℃(0min)
2ndカラム温度:40℃(31min)−(5℃/min)−200℃(0min)
MSD:Scan mode,m/z 29−230, 20Hz, EI
【0050】
〔飲料調製〕
下記〔表1〕に記載された処方に従って、実施例と比較例によるレモン香味を有するアルコール飲料を調製した。酸度はクエン酸含量1g/100mlを「1」として調整した。pHは東亜ディーケーケー社製のpHメーター HM−30Rを用いて測定した。なお、レモン香料A、Bの違いはシトラール含有量の違いであり、レモン香料Aが、レモン香料Bよりもシトラール含有量が高いものであった。
【0051】
(評価試験1:シトラール残存量評価)
実施例1及び2と比較例1〜3を一方は4℃で1週間保存、もう一方は37℃で1週間保存し、シトラールの含有量を測定した。測定結果を〔表1〕に示した。
【0052】
〔結果〕
〔表1〕に示す通り、シトラールと、シトラール分解抑制剤と、上記数式(1)で表される関係を満たす添加量で含有した本発明によれば、外的要因又は経時的要因によってもシトラールを有意量に残存させることが可能となった。
【0053】
【表1】
【0054】
〔飲料調製〕
下記〔表2〕に記載された処方に従って、実施例と比較例によるレモン香味を有するアルコール飲料を調製した。酸度はクエン酸含量1g/100mlを「1」として調整した。pHは東亜ディーケーケー社製のpHメーター HM−30Rを用いて測定した。なお、表1のレモン香料とはシトラール含有量の異なるレモン香料Cを用いた。レモン香料Cは、レモン香料Aよりもシトラール含有量が高いものであった。
【0055】
(評価試験2:異なるシトラール分解抑制剤によるシトラール残存量評価)
実施例3〜9と比較例4〜6を一方は4℃で1週間保存、もう一方は37℃で1週間保存し、シトラールの含有量を測定した。測定結果を〔表2〕に示した。
【0056】
〔結果〕
〔表2〕に示す通り、シトラールと、シトラール分解抑制剤と、上記数式(1)で表される関係を満たす添加量で含有した本発明によれば、外的要因又は経時的要因によってもシトラールを有意量に残存させることが可能となった。
【0057】
【表2】
【要約】
【課題】 シトラール残存量を向上させた柑橘類果実様香味組成物を提供する。
【解決手段】 シトラールと、シトラール分解抑制剤とを含んでなり、前記柑橘類果実様香味組成物を4℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「Y」とし、前記柑橘類果実様香味組成物を37℃(大気圧)1週間保存した際の前記シトラールの残存量(mg/L)を「X」とした場合、数式:X/Y≧0.12(数式1)を満たすことを特徴とする、柑橘類果実様香味組成物により達成される。
【選択図】なし